JPH0647047A - 臨床用呼気検査方法及び装置 - Google Patents

臨床用呼気検査方法及び装置

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JPH0647047A
JPH0647047A JP5160341A JP16034193A JPH0647047A JP H0647047 A JPH0647047 A JP H0647047A JP 5160341 A JP5160341 A JP 5160341A JP 16034193 A JP16034193 A JP 16034193A JP H0647047 A JPH0647047 A JP H0647047A
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秀雄 植田
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 患者の呼気を検体とし、呼気中に含まれる微
量の検出対象ガス成分濃度を高精度且つ迅速に測定する
ポータブルタイプの臨床検査装置を提供する。 【構成】 微量の検出対象ガス成分に紫外線或いは放射
線を照射してイオン化させて検出する検出器に、呼気吹
込部から供給される患者の呼気サンプルをカラムで分離
して送り込み、検出器からの出力信号を処理し予め記憶
させている検量線から検出対象ガス成分の濃度を算出し
て臨床検査データとし、これを記録装置等に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な非観血無侵襲臨
床検査方法及び装置、特に被検者の呼気試料を分析して
呼気中に含まれる微量なガス成分濃度を高感度に測定す
る方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】疾病の診断、治療或いは予防のために行
なわれる臨床検査は、現代医学では欠かせないものであ
り、中でも特定の化合物を分析の対象とする臨床生化学
検査は臨床医学で重要な地位を占めている。そして、基
礎医学の発展や分析技術の進歩に伴って、緊急時やベッ
ドサイドなどでの簡易迅速測定から大病院でのシステム
化された測定まで様々なレベルで、対象検体や測定項目
の増大、測定精度の向上、測定技術の自動化などが図ら
れている。
【0003】ところで、現在臨床生化学検査における検
体はその殆どが血液と尿である。この内血液は極めて豊
富な情報を提供し測定項目も数百に及ぶと言われている
が、その採取は苦痛と貴重な血液の喪失を伴い、特に繰
り返しの採取や連続測定では患者に極めて大きな負担を
かける。しかも、分析センター(分析会社)等で集中的
な分析を行っている現状では採血から分析まで時間がか
かり、ガス化や変質し易い成分の測定は誤差が大きくな
る。そのため、これら不安定成分の測定は特殊な分析装
置を備えた大病院で例外的に行われているに過ぎない。
一方、尿は排泄物であって比較的簡単且つ多量に採取さ
れるのでスクリーニング検査には広く用いられている
が、情報量が血液に比べて少ない難点がある。しかも被
検者に羞恥感など精神的な苦痛を与えるし、連続測定が
出来ず随時の採取が困難である。
【0004】また、皮膚からの浸出液(リンパ液)、
汗、唾液等血液以外の体液を検体としたり、血液ガスセ
ンサーで経皮的に血液ガスを測定するなど、尿分析以外
の非観血無侵襲的な臨床分析手法の開発も従来から進め
られている。しかし、これらは検体量が少ないとか、測
定項目に限りがあるなどで一般的な普及はしていない。
従って、現在の臨床生化学検査技術の開発の主流は、採
血時にできるだけ被検者に苦痛を与えず、且つより微量
の血液検体でより多くの項目を測定する方向に向けられ
ている。
【0005】しかし何れにしても、従来の臨床生化学検
査においては血液や尿などの検体の採取、搬送、保管、
分離分析など、測定までに手間と技術を要することが多
く、精度、迅速性、省力化などに問題を残しているとと
もに、被検者(患者)に無用な苦痛を与えている。これ
らが解消されれば、患者のみならず医療従事者にとって
も大きな福音になると思われる。
【0006】一方昔から、経験豊な医者は患者の発する
独特な臭気から病名を判断し、望診の際の重要な情報源
にしていると言われている。事実、糖尿病の場合には呼
気にアセトン様臭気や独特の甘い臭が感じられたり、肝
臓疾患や白血病の場合にはアンモニアや硫化物の臭がす
る等と言われている。しかし、これらの知見は経験によ
り得られるものであり、その判断には個人差があるしデ
ータで客観的に示すこともできないものであった。ま
た、呼気を検体にした臨床生化学検査については実用化
は勿論のこと、基礎研究すら殆ど進んでいないのが現状
である。
【0007】これは、一つには呼気が臨床生化学検査の
検体などになるはずが無いと言う先入観が関係者にある
こと、二つめには呼気中の検出対象ガスが極低濃度(pp
b 単位精々ppm 単位)であり、そのため、微量成分の濃
縮装置と大型の高感度ガス検出装置との組合せによって
初めて測定可能になるものであることによる。従って、
測定は特殊な機器や用具を熟練者が操作する実験室のみ
で行なわれ、この種の測定はわずかしか臨床報告例がな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、呼気は人
(或いは動物)が生命を維持している限り連続して間欠
的に放出されるものであり、その採取は簡単で何らの苦
痛も伴わず、用具を工夫すれば幼児や重症患者、意識障
害者等からも採取可能である。しかも、肺胞毛細血管を
流れる混合静脈血中の微量の揮発成分がガス交換により
呼気中に移動するため、揮発成分に関しては呼気と血液
の間には相関があると推察される。また、血液分析では
困難な揮発成分の分別測定も可能であるなど、呼気は臨
床生化学検査の検体として理想的なものであると言え
る。
【0009】ただ、呼気は容器に採取しておいても保管
や輸送に場所を取るし、ガス成分の中には不安定なもの
もあるので、血液と異なり分析センターなどに輸送して
大型装置で分析を行なうことはできない。従って、呼気
を検体とする臨床生化学検査は必然的にフェース対フェ
ースとなり、ベッドサイド検査や救急車内でのプレホス
ピタル検査、診療時のスクリーニング検査、更には患者
状態の監視(連続モニター)など、測定者(分析者)と
被検者(患者)とが対面して測定する場合に限って有効
に用いられると思われる。
【0010】従って、上述したように一部の実験室規模
で行われている濃縮装置と大型高感度ガス検出装置を組
み合わせた装置では実際上役に立たず、小型で可搬性が
あり、高感度でありながら操作が簡便で、安全性や測定
迅速性も優れた検査装置が要求される。勿論、データの
信頼性や経済性も要求される。更に、呼気中の水分が容
器の壁に結露して微量のガス成分を溶解吸着させること
も考えられるので、被検者(患者)から直接呼気を検査
装置に吸引して測定に供するタイプのものが好ましい。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記に鑑み
呼気を検体とする実用的な非観血無侵襲臨床検査装置及
び検査方法の開発を目指して鋭意研究をした結果本発明
を完成させたものである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0012】本発明の呼気検査装置は、検体として人
(或いは動物)の呼気を採用し、呼気中の微量化学物質
を分離測定して臨床生化学的な各種情報を得るものであ
る。ここに非観血とは血液以外の試料を検体とする検査
方法を意味し、また無侵襲とは非破壊の意味で人体に傷
を付けずに検体を採取する検査方法を意味する。
【0013】本発明の呼気検査装置は、大きく分けて呼
気吹込部、サンプル計量部、キャリアガス供給部、検出
部及び演算処理部から構成される。この内特に検出部に
関しては、高感度及び小型化の要請から特殊な構造のも
のが用いられる。一般に、ガス体の分析にはガスクロマ
トグラフィーが利用され、測定ガスの種類や分析目的に
応じて種々な検出器が用いられている。本発明装置で
も、複数項目測定や迅速測定の目的で分離カラム特にキ
ャピラリーを採用する。また検出器としては、PID
(Photo Ionization Detector :光イオン化検出器)や
IMS(Ion Mobility Spectrometer :イオン移動度ス
ペクトル検出器)或いはECD(Electron Capture Det
ector :電子捕獲型イオン検出器)のように、呼気中の
検出対象ガス成分に光や放射線等を照射してイオン化さ
せ、イオン化量に応じて測定信号を出力するタイプのも
のが用いられる。
【0014】このタイプの検出器は、FID(Flame Io
nization Detector :水素イオン化型検出器)やFPD
(Flame Photometric Detector:フレーム光度型検出
器)のように水素ガスの燃焼を伴わないため安全で小型
化でき、且つこれら以上に高感度高精度であるし、キャ
リアガスに安価な空気や窒素ガスを使用できる利点があ
る。また、非常に高感度高精度なAPIMS(Atomosph
eric Pressure Ionization Mass Spectrometry :大気
圧イオン化質量分析装置)は超大型であり本発明には採
用不可能である。その他、定電位電解式ガスセンサのよ
うに高感度高精度の検出器もあるが、これは検出対象ガ
スが一酸化炭素や水素化合物に限定されるなど選択性が
あり、同様に本発明には利用できないものである。尚、
前記した本発明に利用しうる検出器の内、PIDは放射
線を用いないため、最も好ましいものである。
【0015】次に呼気吹込部は、呼気(呼出ガス)をサ
ンプル計量部に供給するもので、マウスピースや呼気採
取用マスク等の呼気捕集器を採取チューブ(或いは採取
管)の先端に取付けたものから構成される。呼気吹込部
特に採取チューブ(採取管)は、その内面が体温と同じ
かそれより高め、例えば36〜100℃より好ましくは
40〜50℃程度になるように加温しておくことが望ま
しい。これは、採取チューブの内壁に呼気中の水分が凝
縮して付着し、ここにガス成分が溶解吸着されるのを防
止するためである。加温するために、採取チューブの周
囲や内部に発熱体を配置するか又はそれ自体が発熱性を
有する素材でチューブを構成し、その外周を断熱材で被
覆した構造にするとよい。また、調温機構を組み込んで
もよい。呼気捕集器はディスポ(使い捨て)タイプのも
のにすると、衛生的である。
【0016】尚、呼気は直接吹き込む代わりに一旦大型
の注射器や風船等の呼気採取器に採取し、これを採取チ
ューブから装置に供給するようにしてもよい。或いは、
シリンジで定量採取した呼気を、カラムの前方に設けた
呼気サンプル注入部から注入するようにしてもよい。こ
れらの場合も、注射器や風船、シリンジ等の呼気採取器
を保温したり加温して、その内部を体温以上に保ってお
くことが必要である。
【0017】サンプル計量部は、呼気吹込部から供給さ
れる呼気のうちの一定量を呼気サンプルとして採取し確
保する部分である。この採取は、患者が積極的に呼気を
押し込むようにして行ってもよいが、より好ましくはサ
ンプリングポンプで吸引或いは押込みを行なう。ポンプ
を用いると、幼児や意識不明者からも容易に呼気サンプ
ルを採取できるし、前の患者の呼気による採取チューブ
内壁の汚染(キャリーオーバー)を大気或いは次の患者
の呼気の吸引等によりパージして除去できるなどの利点
がある。
【0018】サンプル計量部の構造は、例えばキャリア
ガス流路の一部にバルブを2組設けその間を計量室と
し、該計量室の前端にバルブを介して採取チューブの末
端を連結するとか、公知の6方バルブ(インジェクショ
ンバルブ)を用いるとか、採取チューブの末端をシリン
ダーに連結し、そのシリンダーを計量室としてそこに採
取した呼気サンプルをキャリアガス流路に注入するなど
が考えられる。呼気サンプルの量は、検出部の容量にも
よるが0.05〜5.0ml程度である。より好ましくは、0.
1 〜0.8ml 程度である。尚、サンプル計量部特に計量室
も、水分付着の防止と呼気サンプルの質量を一定にする
ために体温以上の恒温状態(例えば採取チューブと同程
度)に保っておく必要がある。
【0019】キャリアガス供給部は、呼気サンプルを分
離カラムに送り込むキャリアガスを送出するもので、供
給源としては本検査装置の携帯性から考えて小型ガスボ
ンベが好ましい。但し、本検査装置を一定の箇所に据え
つけて使用するような場合には、大型のガスボンベも使
用可能である。本発明の場合は水素炎を使用しないの
で、キャリアガスとして安価な清浄空気やチッソガスを
使用できるが、ヘリウムその他通常用いられるガスはい
ずれも使用できる。
【0020】キャリアガスとして空気を用いる場合、ボ
ンベに詰めずに普通の空気を圧縮ポンプで供給するよう
にしてもよい。空気ボンベの場合、容器が重いし圧力調
整器も必要であり、ボンベ内蔵の場合はポータブル機能
が幾分損なわれる。更に、ガスボンベは高価であるし、
小型化するほど空気量は少なくなって頻繁に入れ換えす
るなど、手間とコストがかかる難点がある。これに対
し、まわりに無限にある空気をそのまま利用すれば、こ
のような手間やコストがかからないし、装置もより小型
化できる利点が生じる。但し、雰囲気中の微量のガス成
分の影響を排除するために、吸着剤等を組み込んだエア
フィルターで清浄化する必要がある。
【0021】即ち、普通の空気をオンマシンで清浄化す
るには、無限大に存在する大気(空気)を吸着フィルタ
ーを通して清浄化し、これを圧縮ポンプで与圧してキャ
リアガスとして使用する。吸着フィルターは、吸引した
大気中に含まれている微粒子(ダスト)や測定の妨げと
なる汚染(共存)分子を除去するためのもので、活性炭
やゼオライト製品等の吸着剤、繊維製品その他のフィル
ターシート、高電圧吸着、場合によっては紫外線ランプ
等の分解手段等も含まれるし、これらの組合せであって
もよい。圧縮ポンプは、平方センチ当たり0.5〜1.0Kg
程度の圧縮ができる小型電動ポンプでよい。従って、検
出器を含めても消費電力はわずかであり、電源としては
バッテリーで十分である。更に、加圧状態が安定してい
るか否かなど圧縮ポンプの安定性をモニターする圧力計
や、分離カラムへ送るキャリアガス(清浄空気)の流量
を制御するニードルバルブや流量計、キャリアガスをカ
ラムに通じないとき大気中へ解放するための三方電磁バ
ルブなど、関連の器具を組み込む。尚、圧縮ポンプの後
に圧縮エア溜めを設けてもよい。
【0022】一方、PIDやIMS、ECD等の検出器
は、酸素ガスをイオン化してオゾンガスを生成する。濃
度は10〜50ppm 程度ではあるが、特に呼気検査など
は病院内で行なわれるため、オゾンの発生は好ましくな
い。但し、オゾンガス自体は検出器に検知されないため
測定値に影響は与えない。そこで、このオゾンガスを吸
着したりある種の波長の紫外線で酸素ガスに還元するオ
ゾン処理槽を別途検出器の後ろに設けるとよい。或い
は、この排キャリアガスの一部又は全部を、第一の吸着
フィルターを通した一次清浄空気とミキシング槽で混合
し、次いで第二の吸着フィルターに通し、この二次清浄
空気を圧縮ポンプで与圧してキャリアガスとして使用す
るようにしてもよい。このミキシング槽では、排キャリ
アガス中のオゾンガスによって、一次清浄空気中に残存
していて検出器でノイズの原因となる有感成分を酸化す
る。その後で活性炭やゼオライト製品等の第二の吸着フ
ィルターを通して、高度に清浄化された空気を得ること
ができる。尚、空気中の水分は測定に影響しないので除
湿についてはさほど神経質になる必要はないが、必要な
らば吸着フィルターの一部に除湿剤を組み込むとよい。
【0023】検出部は、検出対象ガス成分を分離するカ
ラムと検出器から構成される。カラムとしては通常キャ
ピラリーカラムが用いられるが、検出対象ガスによって
はパックドカラムも使用できる。尚、パックドカラムの
充填剤或いはキャピラリーカラムの液層は、従来公知の
各種充填剤や液層の中から測定精度や再現性、迅速性な
ど検査に要求される諸条件を勘案して検出対象ガス毎に
選択する。この場合、一種類のガスを検出するには対応
する検出対象ガスの測定に最も適した充填剤を選べばよ
いが、検査項目によっては複数の検出対象ガスの測定が
必要になる場合があるし、省力化のために複数の項目を
一度に検査するために複数の検出対象ガスの測定を行な
う場合もある。このような場合に理想的な充填剤が見つ
からなければ、複数のカラムを並列使用するとか検出器
も複数組み込む等の工夫が必要になる。尚、分離カラム
は再現性などから一定の恒温状態にする必要があるが、
検出対象ガスの分解や変質を防止するためになるべく低
い温度例えば室温(20℃)〜50℃程度に保温するこ
とが望ましい。
【0024】検出器として最も好ましいのは、現在の段
階では前述したように光イオン検出器(PID)であ
る。この検出器は、検出ガス成分にそのイオン化ポテン
シャルよりも大きなエネルギーを持った光(紫外線)を
照射するとイオン化が起きる現象を利用したものであ
る。そして、イオン化量を電極でイオン電流に変換して
取り出し、イオン電流の大小で検出対象ガス成分の濃度
を判別するものである。他の使用可能な検出器のうちI
MS(イオン移動度スペクトル検出器)は、β線でイオ
ン化された検出対象ガス成分を周期的にシャッターで開
閉することで、大気圧の移動層へ導く。ここでイオン
は、イオン特性(大きさ、質量、形状)により分別され
る。即ち、それぞれのイオン特有の移動時間(drift ti
me)を持つ。予めマイクロプロセッサーに記憶させた標
準成分のパターンデータ(アルゴリズム)と比較して、
目的成分の同定を行なう。ECD(電子捕獲型イオン検
出器)もイオン化源はβ線であり、イオン化した検出対
象ガス成分を高感度に検出して同定するものである。
尚、将来これらと異なるイオン分析技術が開発され、そ
れらが高感度高精度で安全で小型化できるものであれ
ば、同様に利用できる。
【0025】演算処理部の主要部はマイクロコンピュー
タであり、検出器から出力される測定信号を受け入れて
演算処理し、予め記憶させている検量線から検出対象ガ
ス成分の濃度を算出し、臨床検査データとして記憶した
り、或いは表示装置(ディスプレイ)や記録装置(プリ
ンター)などの出力装置に信号を出力したり、キーボー
ドからの入力信号を受け入れるなど装置全体の作動プロ
グラムを管理するものである。
【0026】以上の構成による本発明の検査装置を使用
するに当たっては、まずサンプル捕集器を口或いは顔
面に装着し、キーボード上の測定開始ボタンを押と同時
に、患者が呼気を数秒間呼出する。呼出する前にしばら
く(10〜20秒間)呼吸を停止し呼出直後の呼気を少
量廃棄すると、残りの呼気は混合静脈血ガス分圧に平衡
した肺泡気成分として扱うことができ、再現性よく測定
を行なうことができる。次いで、呼気は採取チューブ
を通って吸引され、その一部が計量室に採取され、キャ
リアガスによって分離カラムに導入される。カラム内
で分離された微量の検出対象ガス成分は、検出器内でイ
オン化され、該イオン化量が高感度で検出される。検
出器の出力を演算処理し、記憶している検量線から検出
対象ガス成分の濃度を算出して、臨床検査データとして
記憶し或いは出力装置に出力する。1回の測定は、検出
対象ガスの種類にもよるが数十秒〜数分で完了し、呼気
中の単独或いは複数の特定ガス成分の濃度が迅速且つ正
確に測定できる。
【0027】次に本発明装置を用いた呼気検査を、糖尿
病検査と高アンモニア血症の場合を例に取って従来の血
液や尿の分析と比較して説明する。
【0028】糖尿病検査には、尿によるスクリーニング
(尿糖値)、血液による精密検査(血糖、糖負荷試験、
HbA1c 、糖化Hb試験など)の他に、血中のケトン体(ア
セトン、アセト酢酸、3−ヒドロキシ酪酸の3成分の総
称)の測定がある。糖尿病患者の場合、血中のケトン体
特に3−ヒドロキシ酪酸(3−OHBA)が増大すると
いわれている。現在では主に血中や尿中(スクリーニン
グ)のケトン体をニトロプルシッド法で測定している
が、この方法では3−ヒドロキシ酪酸の正確な測定は不
可能である。3 −ヒドロキシ酪酸脱水素酵素を用いた比
色法を利用する製品(ケトレックス:三和化学(株)
製)ではこの3−ヒドロキシ酪酸の測定ができるが、コ
ストが高いし試薬の長期保存ができないなどの難点があ
る。尿中濃度は血中濃度と相関が悪く、スクリーニング
にしても問題があり結局血液分析にたよることになる。
【0029】ところがこれらケトン体は、生体内(血
中)でアセト酢酸(AcAc)を中心に、化1で示すよ
うに平衡反応或いは分解反応により相互に関係してい
る。
【化1】 そして、呼気中には、肺胞を通して主にアセトン(A
c)として現出・排出されてくるが、それぞれ血中濃度
に相関した量として実測されている。本発明装置を用い
ることにより、何らの苦痛を与えることなく、ケトン体
(特に呼気中に出やすいアセトン)が、短時間で測定さ
れ、糖尿病、飢餓、栄養不良等のスクリーニング検査と
しては勿論のこと、精密検査やモニターとしても使用で
きる。
【0030】一方、肝機能障害特に新生児の場合や尿毒
症の場合、アンモニアが強い毒性を示すことから、例え
ば2mg/dl以上で昏睡するような中毒症状を呈し、重篤
な肝疾患では精神異常や意識混濁を引き起こす。従来血
中アンモニアの測定は、各種方法によりアンモニアを分
離して比色測定するとか、酵素反応後比色測定する等に
より行われている。しかしこれらの方法は、採血後に冷
却したり除蛋白をするなど特殊な分析用具や高度な技術
を必要とし、また手間がかかるとか妨害物質が存在する
などの難点を有している。更に、血中アンモニア量は一
般に微量でしかも採血後放置することにより増量するの
で、高感度の測定方法を用いて極力迅速に測定する必要
があるが、従来法では十分に対応しきれずまた測定精度
にも問題があった。
【0031】これに対し、本発明装置では呼気中のアン
モニア量を単に分別測定するだけで血中アンモニアと相
関のあるアンモニア濃度を迅速に測定でき、しかも患者
に何らの苦痛を与えることもない。
【0032】本発明の呼気検査装置は、上記したケトン
体やアンモニア以外に血液中に含まれる殆どのガス成分
の分析測定が可能である。例えば、肝機能検査(肝不
全)の指標としての低級脂肪酸の複数成分の迅速測定、
高アンモニア血症検査の指標としてのアンモニアとアミ
ンの同時迅速測定、肝臓病(肝不全)や口腔外科系疾患
(口臭)に起因する硫化水素やメルカプタン等の同時迅
速測定、過酸化脂質生成の有無(発ガン性指標因子)の
検査指標としての低級飽和炭化水素類(エタン、プロパ
ン、ブタン、ペンタン等)の同時迅速測定、化学物質に
よる中毒の症状把握(CO中毒、アルコール中毒、その
他の揮発性有害化学物質による中毒)のモニターや処置
前状態の把握のための迅速測定等である。
【0033】更に、現在尿分析により行なっているフェ
ニルケトン尿症に起因するフェニル酢酸の測定や、血液
や尿では測定不可能なメタンや水素(消化管通過障害や
腸内異常醗酵に起因)、エタンやペンタン等の低級炭化
水素(有機溶剤曝露、過酸化脂質に起因)の測定も可能
である。但し、硫化水素やメルカプタン等イオウ系悪臭
成分については、内臓疾患に起因するものか口腔外科的
疾患によるものかの判別がつかないことがある。この場
合には、清水や過酸化水素水でうがいしたり舌苔を除去
する事により口臭の影響を除去できるので、うがい等の
前後において呼気を測定してそれぞれに起因するガスの
検出を行なうようにするとよい。
【0034】更に、内臓疾患同士においても検出対象ガ
ス成分と疾患とが必ずしも一対一の関係に無いことは尿
や血液の場合と同様である。ただスクリーニング検査の
場合には、上記例のようにある一種類のガスを測定して
ある種の疾患の程度を予測することはできる。また、複
数のガス成分の検出ができるようにカラムの液層や測定
プログラムを設定し、疾患の複数項目測定や確度の高い
単項目測定を行わすこともできる。以下は、複数項目測
定における検出ガスの組合せの例である。 (a)成人(病)向 :スクリーニング ・アセトン ………………糖尿病 ・アンモニア ……………肝臓・腎臓 ・メチルメルカプタン……肝臓・腎臓 ・アセトアルデヒド ……肝臓・腎臓 ・ペンタン ………………過酸化脂質生成 (b)新生児、小児向 ・アンモニア………高アンモニア血症(先天性代謝異
常) ・フェニル酢酸……フェニルケトン症(先天性代謝異
常) ・イソ吉草酸………イソ吉草酸血症 (先天性代謝異
常) ・メチルメルカプタン…肝臓、腎臓
【0035】本発明の検査装置特にサンプリングポンプ
を備えたものにあっては、単に呼気を吹き込めばその後
は装置が自動的に処理するので、高年者、新生児、乳幼
児、意識障害者、重症衰弱患者など年齢、性別、病態の
如何にかかわらず手軽に検査ができる。更に、小型で操
作も簡単なため、代謝性疾患や中毒性疾患等のスクリー
ニングや診断のほか、負荷試験や病状経過のモニター、
救急搬送車内などにおけるプレホスピタル処置の検査機
器としても使用できるなど極めて応用範囲が広いもので
ある。
【0036】
【実施例】次に、本発明を図面に示す好適な実施例に基
づいて更に詳細に説明する。尚、本発明は図示のものに
何ら限定されるものではない。図1は、本発明に係る臨
床用呼気検査装置1のブロック図を示す。この検査装置
1は、呼気吹込部2、サンプル計量部3、キャリアガス
供給部4、検出部5、演算処理部6、入力装置としての
キーボード7、出力装置としてのプリンター8から構成
されている。
【0037】呼気吹込部2は、呼気捕集器としての呼気
採取マスク21を採取チューブ22の先端に取り付けた
ものから構成される。採取チューブ22は、内径が1〜
5mm程度長さが1m前後のテフロン管23の外周にヒー
タ24と保温材25を被せたもので、その内部を加温し
て呼気中の水分の付着を防止する。加温は、コントロー
ラで36〜100℃の任意の温度例えば40℃に調節し
て行なう。呼気採取マスク21の代わりにマウスピース
を用いてもよい。
【0038】サンプル計量部3は、キャリアガス流路3
1の一部に2組の三方電磁バルブ32、33を設けてそ
の間を計量室34とし、該計量室34の前端に電磁バル
ブ32を介して採取チューブ22の末端を連結してい
る。計量室34も採取チューブ22と同様の素材で同様
に構成し、同じく40℃程度に加温している。計量室3
4の容積は0.5ml程度である。後方の電磁バルブ33に
は排気チューブ35を介して吸引ポンプ36が連結され
ている。同じく、サンプル注入チューブ37が電磁バル
ブ33とカラム51を連結しており、キャリアガス流路
31はキャリアガス送出管42と計量室34及びサンプ
ル注入チューブ37によって形成されている。吸引ポン
プ36を省略したものにあっては、患者が呼気を圧入す
る形式をとる。
【0039】尚、呼気を直接吹込みする(風船や大型の
注射器を用いる場合を含む)代わりに、シリンジに一定
量の呼気を採取する場合、前記した呼気吹込部2の代わ
りに、図1に示すようにカラムの前方に呼気サンプル注
入部(インレット)54を設け、ここから計量した呼気
サンプルをカラムに供給するようにしてもよい。
【0040】キャリアガス供給部4は、清浄空気を入れ
た小型の空気ボンベ41とキャリアガス送出管42から
なり、キャリアガス送出管は電磁バルブ32に連なって
いる。符号43は三方電磁バルブである。図2に示すキ
ャリアガス供給部9は、キャリアガス供給部分の変形例
であり、空気ボンベ41の代わりに、装置周辺の空気を
圧縮ポンプ44で与圧して供給するものである。この場
合、雰囲気中の微量のガス成分の影響を排除するため
に、吸着材層を含んだエアフィルター45を用いる必要
がある。符号46は流量計である。
【0041】図3及び図4は、圧縮ポンプによるキャリ
アガス供給部の更に異なる他の変形例を示すブロック図
である。図3のキャリアガス供給部10は、大気或いは
雰囲気からの空気Aをエアフィルター45で微粒子(ダ
スト)や汚染共存分子が除去されて圧縮ポンプ44で与
圧されてキャリアガスCとなり、圧力計47やニードル
バルブ48などの流量調整具を経て三方電磁バルブ49
に到る。キャリアガスCは、この三方電磁バルブ49を
通ってカラム51に送り込まれるが、その途中において
サンプル計量部3の計量室34に蓄えられた呼気サンプ
ルSを巻き込んでカラムに送り込んで展開させる。試料
中の検出対象ガス成分はカラム51内で順次分離されて
検出器52に至り、検出器52からの測定信号を図外の
演算処理装置に出力する。尚、キャリアガスCをカラム
に送り込んでいない時、その一部を電磁バルブ49に連
結した排気チューブ35からリークさせるようにしても
よい。図中符号91は三方電磁バルブ又はインジェクシ
ョンバルブである。また、排キャリアガス中のオゾンガ
スを除去するために、検出器52の後にオゾン処理槽9
2を設けてもよい。符号93は圧縮空気溜めであるが、
これを組み込むと圧縮ポンプ44の稼働間隔を長くする
ことができる。
【0042】図4のキャリアガス供給部11は、まず、
大気或いは雰囲気からの空気Aは、一次エアフィルター
45Aで微粒子(ダスト)や汚染共存分子が除去されて
一次清浄空気A1となりミキシング槽94に到る。ここ
で、清浄空気A1中に残存している不純物が、後述する
排キャリアガスE中のオゾンガスにより酸化等の作用を
受け、これらの不純物が更に二次エアフィルター45B
で除去されて、二次清浄空気A2となる。この二次清浄
空気A2は圧縮ポンプ44で与圧されてキャリアガスC
となる。他は、前記例の場合と同じである。
【0043】検出部5は、検出対象ガス成分を分離する
カラム51と検出器52から構成される。カラム51と
してはキャピラリーカラムを用い、検出器52には光イ
オン検出器(PID)を用いている。この検出器は、検
出ガス成分にそのイオン化ポテンシャルよりも大きなエ
ネルギーを持った紫外線を照射してイオン化させ、その
イオン化量を電極でイオン電流に変換して出力するもの
で、極小型ながら高精度高感度のものである。これらカ
ラム51や検出器52は、ヒータ53により40℃程度
の恒温状態に保たれている。カラムの液層としては、検
査対象ガス例えばケトン体ならばケトン体の各種成分が
十数秒〜数分程度の保持時間になるように従来公知の各
種液層の中から選択して用いる。もっとも、検査項目に
よっては複数の検出対象ガスの測定が必要になる場合が
あるし、省力化のために複数の項目を一度に検査するた
めに複数の検出対象ガスの測定を行なう場合もある。こ
のような場合に理想的な充填剤や液層が見つからなけれ
ば、図5に示すように複数のカラム51を並列使用する
と、分離精度の向上と測定時間の短縮が図れる。カラム
51も検出器52も複数組み込むようにしてもよい。
【0044】演算処理部6の主要部はマイクロコンピュ
ータ61であり、検出器52から出力される測定信号を
受け入れて演算処理し、予め記憶させている検量線から
検出対象ガス成分の濃度を算出し、臨床検査データとし
てプリンター8に出力したり、キーボード7からの入力
信号を受け入れて各部の作動指令を出すなど装置全体の
作動プログラムを管理するものである。
【0045】本発明装置の使用に当たっては、まずキー
ボード7のメインスイッチを入れ、各部の温度を安定さ
せた後、患者の顔面に呼気採取マスク21をあてがい、
キーボード7上の測定開始ボタンを押す。呼出された呼
気Bは、吸引ポンプ36によって装置外に排出され、そ
の一部が計量室34に充満し、電磁バルブ32、33を
閉じることにより一定量の呼気サンプルSとして採取さ
れる。呼気の呼出は5秒程度である。この呼気サンプル
Sは、空気ボンベ41等から送出されるキャリアガスC
によってカラム51内に送り込まれ、各成分ガスの保持
時間の違いにより分離分画されて順次検出器52内でイ
オン化され、そのイオン化量が電気信号に変換されて出
力される。電気信号は、演算処理部6で演算処理され、
予め記憶させてある検量線から、呼気中の検出対象ガス
成分(例えばケトン体)の濃度を測定する。測定は、呼
出ガスを吸引後2.5分程度で終了する。
【0046】図6は、糖尿病、栄養不良、飢餓状態の検
査指標としてケトン体を代表したアセトンを測定した時
のガスクロマトグラムを示す。カラム温度45℃、キャ
リアガス(純空気)流量7.0ml/ 分で測定を行った。図
6中の破線は、アセトン5ppm (窒素バランス)の標準
ガスを測定したもので、アセトンは保持時間50.5秒で
検出された(ピーク#3A)。一方、図4中の実線は、
糖尿病外来患者(インスリン未治療)の呼気を測定した
ものである。そして、保持時間50.3秒の位置に鋭いピ
ーク(ピーク#3)を記録した。このことから、この患
者の呼気中にアセトンが約8ppm 含まれていることが判
る。その他のピークも、呼気中に含まれる成分であり、
ピーク#2はアセトアルデヒド、ピーク#5がエタノー
ルと同定されている。ピーク#1とピーク#4は未同定
である。このように、短時間で呼気中の他の成分の干渉
を受けずに、指標成分であるケトン体(アセトン)が測
定できることがわかる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、被検者の
呼気試料を分析して呼気中に含まれる微量なガス成分濃
度を測定する臨床生化学検査装置及び検査方法であっ
て、微量の検出対象ガス成分に紫外線或いは放射線を照
射してイオン化させて検出する検出器に、呼気吹込部或
いは呼気サンプル注入部から供給される呼気サンプルを
カラムを介して送り込み、検出対象ガス成分の濃度測定
を行なうものである。
【0048】従って、以下のような特徴を有する。 1)非観血、無侵襲の呼気を試料とするため、患者に苦
痛、恐怖感、圧迫感を与えない。そのため、負荷試験な
どの繰り返し測定や連続観察に対する患者の負担が完全
に解消する。 2)呼気捕集器から呼気を吹き込ませるだけであるの
で、術者に特別な教育訓練を施す必要は無く、またサン
プリングポンプを組み込んだものにあっては、幼児や重
症患者、意識障害者等からも容易に試料を採取できる。 3)呼気採取管の内癖を加温しておくので、呼気中の微
量成分の損失が無く、精度の良い測定値が再現性よく得
られる。 4)水素ガスの燃焼などが不要で、高感度且つ短時間測
定ができる検出器を使用しているため、装置の小型化、
操作の簡便化、測定の迅速化が図れるし、検査コストが
極めて安い。 5)装置が小型化するため、ベッドサイド機器として、
また救急車などの車載機器として、場所を選ばず使用で
きる。更に、測定結果は迅速(2〜3分程度)に判明し
且つ記録されるので即時に診療データとして活用できる
など、実地診療上での応用範囲を広げるものである。 6)キャリアガスとして、空気や窒素が使用できるため
ランニングコストが低く特に普通の空気をオンマシンで
清浄化して使用するものは装置のより一層の小型軽量
化、低ランニングコスト化が図れる。 7)排キャリアガスをオゾン処理槽に通したり、吸引し
た空気と混合させることによってオゾンガスの処理が行
なえるので、環境を汚染することがない。 8)複数カラムの採用により、保持時間(リテンション
タイム)の異なる複数の検出対象ガスを短時間に測定で
き、検査の迅速化が図れる。 9)全く被検者に苦痛を与えず、且つ即時に検査結果が
得られるため、必然的に病気の早期発見ができる。 10) 血液に比べて遥かに手軽且つ迅速に測定結果が得ら
れるし、尿その他の非観血無侵襲臨床検査方法に比べて
情報量が多いため、臨床報告例が急速に増加する可能性
がある。その結果、いままで不明であったある特定ガス
測定が新たな疾病の診断や同定などに役立つなど、現時
点では予測できない未知の現象が解明されるなど、医学
上に大きな貢献をなすと思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る臨床用呼気検査装置のブロック図
である。
【図2】キャリアガス供給部の変形例を示すブロック図
である。
【図3】キャリアガス供給部の他の例を示すブロック図
である。
【図4】キャリアガス供給部の異なる他の例を示すブロ
ック図である。
【図5】検出部の変形例を示す部分ブロック図である。
【図6】本発明装置で測定したケトン体(アセトン)の
ガスクロマトグラムで、破線は標準物質、実線は糖尿病
患者の呼気を試料にしたものを示す。
【符号の説明】
1 臨床用呼気検査装置 2 呼気吹込部 21 呼気採取用マスク 22 採取チューブ 3 サンプル計量部 34 計量室 36 吸引ポンプ 4 キャリアガス供給部 41 空気ボンベ 5 検出部 51 カラム 52 検出器 54 呼気サンプル注入部 6 演算処理部 A 空気 C キャリアガス B 呼気 S 呼気サンプル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 呼気吹込部と、該吹込部から供給される
    呼気のうちの一定量を呼気サンプルとして確保するサン
    プル計量部と、呼気サンプルをカラムに送り込むキャリ
    アガスを送出するキャリアガス供給部と、カラムで分離
    された呼気サンプル中の微量の検出対象ガス成分を紫外
    線或いは放射線を照射してイオン化させ、イオン化量に
    応じて測定信号を出力する小型高感度の検出器を含む検
    出部と、該測定信号を演算処理して予め記憶させている
    検量線から検出対象ガス成分の濃度を算出し、臨床検査
    データとして記憶し或いは出力装置に信号を出力する演
    算処理部を含んで構成されることを特徴とする臨床用呼
    気検査装置。
  2. 【請求項2】 呼気採取器に採取した呼気をカラムに供
    給する呼気サンプル注入部と、呼気サンプルをカラムに
    送り込むキャリアガスを送出するキャリアガス供給部
    と、カラムで分離された呼気サンプル中の微量の検出対
    象ガス成分を紫外線或いは放射線を照射してイオン化さ
    せ、イオン化量に応じて測定信号を出力する小型高感度
    の検出器を含む検出部と、該測定信号を演算処理して予
    め記憶させている検量線から検出対象ガス成分の濃度を
    算出し、臨床検査データとして記憶し或いは出力装置に
    信号を出力する演算処理部を含んで構成されることを特
    徴とする臨床用呼気検査装置。
  3. 【請求項3】 呼気吹込部或いは呼気注入部から供給さ
    れた呼気サンプルをカラムに通して成分ごとに分離し、
    該分離した微量の検出対象ガス成分を紫外線或いは放射
    線の照射によりイオン化させ、イオン化量に応じて測定
    信号を出力する小型高感度の検出器からの測定信号を演
    算処理して予め記憶させている検量線から検出対象ガス
    成分の濃度を算出し、臨床検査データとして記憶し或い
    は出力装置に信号を出力することを特徴とする呼気中の
    特定微量成分の濃度を測定する呼気検査方法。
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