JP3809466B2 - 植物繁茂ユニットと植物繁茂方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塀や建物の壁面、屋根、屋上等の緑化に関し、また園芸の分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−84450号公報には、塀や建築物の壁面に草花や芝、苔などの植物体を繁茂させるための植物体繁茂壁として、壁面にラス網を固定し、土壌と藁小片と植物の種子とを水で練った土を壁面に塗りこみ、表面を保護用樹脂網で被着する構成が開示されている。また、特開平9−308317号公報には、蘚苔類植物の育苗用ブロックとして、育苗用培土をバインダで固めて構成した育苗用ブロック上に蘚苔類植物を粘着剤で固定した水溶性シートを粘着剤等により固定したものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、壁面にラス網を固定し土を塗りこむ方法では、施工が大掛かりになり施工コストが高いうえ、簡便に壁面等の緑化を行うことはできない。一方、上記蘚苔類植物の育苗用ブロックでは、育苗可能な植物が限られるうえ保水のうえで問題がある。
【0004】
本発明は、簡略な構成かつ低コストで塀や建物の壁面、屋根、屋上、テラス等を緑化することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の植物繁茂ユニットは、多数の隙間を有するウェブ状部材を備え、このウェブ状部材の隙間が植物を培養するための培養土を保持するとともに、培養土の流出を防止し、かつ隙間を通して植物が芽を出すことが可能であることを特徴としている。
【0006】
培養土は植物の種子を含有することが好ましく、隙間を介して植物を育苗可能である。高い保水力を得るために培養土は吸水性ポリマーを含有することが好ましい。また、ウェブ状部材は例えば天然麻素材からなり、ウェブ状部材に形成される隙間は好ましくは0.5mm2乃至2mm2の大きさを有し、より好ましくは1mm2の大きさを有する。
【0007】
植物繁茂ユニットは、植物繁茂ユニットを保持する保持部材へ植物繁茂ユニットを取り付けるための装着部を備える。例えば、保持部材はボルトからなるとともに、装着部は鳩目からなり、ボルトが鳩目を介し壁面に設けられた雌ネジに装着されることにより植物繁茂ユニットが壁面に保持される。また例えば、保持部材は壁面に固着された鉤状部材からなるとともに、装着部は鳩目からなり、鳩目が鉤状部材に掛けられることにより植物繁茂ユニットが壁面に保持される。あるいは、保持部材はバンド部材からなるとともに、装着部は鳩目からなり、鳩目が斜面に取り付けられたネットにバンド部材により取り付けられることにより、植物繁茂ユニットが斜面に保持される。
【0008】
植物繁茂ユニットは例えば、植物を直接培養土に植栽するための開口を有する。このとき植物ユニットは、植物の根を固定するための根固定手段を有することが好ましい。また植物繁茂ユニットは例えば、ウェブ状部材により培養土が保持される領域が取り囲んでなる凹部を有し、この凹部に盛り土をすることが可能であり、この盛り土に植物を植栽可能である。これにより、ウェブ状部材の隙間を通って育苗される植物以外の植物を容易に植栽することができる。 また、ウェブ状部材は、一部が開閉自在とされた袋状に成形されていることが好ましい。これにより、植物繁茂ユニット内の培養土の交換が容易となる。
【0009】
また、散水を簡単または自動化するためには、植物繁茂ユニットに水を供給するための給水システムを備えることが好ましい。また更に、培養土の交換をより簡便にし、繁茂させる植物の種類や培養土の配合を簡単に選択できるようにするには、水溶性の素材からなる培養土用袋に培養土を充填して用いることが好ましい。
【0010】
本発明の植物繁茂方法は、植物の種子と吸水性ポリマーを含有し植物を培養するための培養土をウェブ状部材で保持し、培養土は植物の種子を含有し、植物がウェブ状部材の隙間から芽を出し育苗可能であるとともに、培養土の流出が隙間により防止されることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である植物繁茂ユニットの正面図である。
【0012】
植物繁茂ユニット10は、2枚に折り畳まれたウェブ状部材、例えば天然又は人工の素材からなる織布、ネット、穴あきシートからなり、好ましくは天然麻布素材からなる。その形状は例えばブロックと略同寸法の横長の矩形を呈する。植物繁茂ユニット10の周縁は破線11で示されるように植物繁茂ユニット10の四辺に沿って縫製がなされており、全体として袋状に成形される。破線11で取り囲まれる矩形領域11Aの内側は、更に破線12で示されるように縫製がなされており、矩形領域11Aよりも一回り小さい矩形領域12Aが形成される。矩形領域12Aは例えば左右上下が対称となるように8つの植物繁茂領域12a〜12hに分割される。すなわち、矩形領域12Aは、縦方向の破線13で示される縫製により左右に略2等分され、水平方向の3つの破線14、15、16で示される縫製により上下方向に略4等分される。
【0013】
矩形領域11Aよりも内側で、かつ矩形領域12Aよりも外側の周縁領域17Aには、例えば8mmの6つの鳩目(装着部)18a〜18fが設けられる。すなわち、植物繁茂ユニット10の4隅の周縁領域17A内には鳩目18a、18b、18e、18fが設けられ、植物繁茂ユニット10の上辺及び下辺の略中央周縁領域17A内には鳩目18c、18dが設けられる。
【0014】
フェッブ状部材には、充填される培養土が漏れ出ず、かつ培養する植物が芽を出すことが可能な程度の大きさの多数の隙間が形成される。隙間の大きさは約0.5mm2〜2mm2であることが好ましく、より好ましくは約1mm2である。ウェブ状部材として天然麻布が使用される場合、例えば10cm2に縦糸約35〜55本、横糸約35〜55本有し、約0.5mm2〜2mm2の隙間が縦糸横糸により形成される。また、より好ましくは、10cm2に縦糸約46本、横糸約46本を有し、約1mm2の隙間が形成される。
【0015】
図2に図1の線分LLに沿った植物繁茂ユニット10の断面の一部を示す。 植物繁茂領域12a〜12h(12a及び12bのみ図示)には、培養土30が装填されている。培養土30としては、例えば腐葉土300gに対して、バーミキュライト(商品名)50g、植物成長促進堆肥30g、吸水ポリマー10g、芝などの種子10gを混合したものが用いられる。植物繁茂領域12a〜12hの各々に培養土30を装填し、植物繁茂ユニット10全体に水を含ませると、培養土30に含まれる吸水ポリマーが水分を吸収し膨張する。これにより、図2に示すように各植物繁茂領域12a〜12hは培養土30により充填される。培養土30に混合された芝の種子は発芽すると麻布19の隙間から芽を出し成長し、植物繁茂領域12a〜12hには芝31が繁茂する。
【0016】
図3に、第1の実施形態の植物繁茂ユニット10をブロック20に装着した状態を示す。ブロック20の表面には、植物繁茂ユニット10の6つの鳩目18a〜18fに対応する位置に6つのネジ山が設けられた穿孔が形成されている。植物繁茂ユニット10は、各鳩目18a〜18fを挿通しブロック20に設けられた6つの穿孔に係合されるボルト(保持部材)21a〜21fによりブロック20に固定される。なお、図3において矩形領域12Aに繁茂する芝は省略されている。
【0017】
図4にネジ山が設けられた穿孔が形成されたブロックの断面図の一例を示す。
ブロック20には穿孔22が形成されており、穿孔22には雌ネジ部材23が取り付けられる。雌ネジ部材は例えば金属や樹脂等からなり、ネジ山23aが形成されている。
【0018】
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、簡略な構成かつ低コストで塀や建物の壁面を緑化することができる。また、植物繁茂ユニットに用いられる培養土には吸水性ポリマーが含まれているので保水性に優れ、少ない土でも植物を育成させることができる。これによりユニットの軽量化が可能になるとともに散水の手間を軽減することができる。また、培養土には予め育成させる植物の種子が混入され、植物は織布の目(ウェブ状部材の隙間)を通って育苗されるため織布の目(ウェブ状部材の隙間)の大きさを調整することにより様々な種類の植物を繁茂させることができる。更に、本実施形態では織布に天然麻素材を利用しているため廃棄時の環境への負荷が少なくてすむ。
【0019】
次に図5を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、ブロック20に取り付けられた第2の実施形態の植物繁茂ユニット40の斜視図である。
【0020】
ブロック20には2つの植物繁茂ユニット40がボルト21a〜21fにより取り付けられる。植物繁茂ユニット40は、第1の実施形態と同様に例えば袋状に形成された天然麻素材等の織布からなり、その内部には第1の実施形態と同様に培養土30が充填される。袋状に成形された領域の前面の植物繁茂領域40Aには培養土30に混合された種子の植物(例えば芝)が育苗されその表面を覆う(図示せず)。植物繁茂領域40Aの上方には、例えば横長の開口41が形成されその周縁は補強部材42により補強される。補強部材42は例えば天然または人工の皮革や厚布等からなる。開口41には、例えば茎が太く織布の目を介して育苗するのには適さない草花等の植物32が培養土に直接植栽される。
【0021】
以上のように第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また第2の実施形態では、開口部が設けられ植物を培養土に直接植栽することができるのでより変化に富んだ緑化が可能である。
【0022】
次に図6を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第1又は第2の実施形態と略同様であるが、植物繁茂ユニット10、40のブロックへの取り付け方法が異なる。
【0023】
図6に示されるように、ブロック20には予め鉤状部材(保持部材)24が設けられている。鉤状部材24は植物繁茂ユニット10、40等の鳩目の位置に適合する位置に設けられる。鉤状部材24は例えばステンレス、真鍮、鉄等の金属部材からなる鉤状の金具である。第3の実施形態では、植物繁茂ユニット10、40は、鳩目を鉤状部材24の鉤部24aに引っ掛けてブロック20に取り付けられるので、鉤状部材24は各植物繁茂ユニット10、40の上部に設けられた鳩目(18a、18c、18e等)に対応する位置にのみ設けられる。なお鉤状部材24の根元部24bはブロック20に設けられた穿孔22に固着される。
【0024】
以上により、第3の実施形態によっても第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。また、第3の実施形態では、鉤状部材に鳩目を引っ掛けるだけで植物繁茂ユニットをブロックに取り付けられるのでより容易に取り付けを行うことができる。
【0025】
図7を参照して本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は第1の実施形態の植物繁茂ユニット10を屋根等の斜面に取り付けたものである。
【0026】
植物繁茂ユニット10は、家屋の屋根に設置されたネット50の上に配置され、バンド部材51によりネット50に固定される。バンド部材51は例えば樹脂等から構成されるバンド状の部材である。バンド部材51はリング状に固定され、植物繁茂ユニット10の鳩目(18a〜18fとネット50の格子点とを連結する。ネット50は例えば屋根全体を覆うように設置され、その端は金具等により軒先に固定される。図7には、
1つの植物繁茂ユニット10のみが示されているが、植物繁茂ユニット10は屋根全体を覆うように多数配置される。
【0027】
以上のように、本発明の第4の実施形態によれば、簡略な構成かつ低コストで建物の屋根等を緑化することができる。
【0028】
次に図8を参照して本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は第4の実施形態の植物繁茂ユニット20の一部の構成を変更したものである。したがって、第4の実施形態と同一部分に関しては説明を省略する。
【0029】
第4の実施形態(第1の実施形態)において植物繁茂ユニット20の矩形領域12Aは8つの植物繁茂領域12a〜12hに分割されていたが、第5の実施形態の植物繁茂ユニット45では、矩形領域12Aの略中央に凹部35が形成される。凹部35には腐葉土等からなる土が盛られ草花等の植物が直接植栽される。凹部35の周囲を取り囲む矩形領域12Aは、第1、第4の実施形態と同様に袋状に成形され培養土30が充填され、培養土30に混ぜられた芝等の植物の種子が天然麻の隙間を通って芽を出し繁茂する。植物繁茂ユニット45は、第4の実施形態と同様にネット50(図7参照)に取り付けられ、屋根等の斜面に載置される。
【0030】
以上のように、第5の実施形態によれば、第4の実施形態と同様の効果が得られるとともに、第2の実施形態と同様に植物を凹部の盛土に直接植栽することができるのでより変化に富んだ緑化が可能である。
【0031】
次に、図9を参照して本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、第1〜5の実施形態で説明した植物繁茂ユニット10、40、45に水遣りのための給水システム60を取り付けたものである。図9には、植物繁茂ユニット40に吸水システム60を取り付けた場合を例示している。
【0032】
吸水システム60は、例えば、連結管61、散水管62、止水栓63、配水管64から構成される。連結管61は例えば可撓性を有する管であり、散水管62と配水管64との間や、散水管62同士の間を連結する。連結管が、可撓性を有する場合、連結管61は、例えばゴム管やビニール管、あるいはこれらと強化繊維等を複合した部材からなる。散水管62は、例えば略等間隔で複数の穿孔62hが設けられた管であり、例えばプラスチックやステンレス等の金属素材、可撓性を有するゴムやビニール管、または、これらと強化繊維等を複合した部材から成る。また、散水管62の両端には、連結管61や止水栓63を取り付けるための接続部が設けられている(接続部は散水管に着脱自在あるいは連結管に設けられていてもよい)。
【0033】
図9では、上下2段に配置された4つの植物繁茂ユニット40の上辺に沿って2本の散水管62がそれぞれ取り付けられており、上段に取り付けられた散水管62の右端は止水栓63で封止されている。一方、上段の散水管62の左端は、連結管61の一方の端に接続され、この連結管61の他端は下段の散水管の左端に接続されている。また、下段の散水管62の右端は、別の連結管61により配水管64に接続されている。
【0034】
上段の散水管62は、植物繁茂ユニット40の外側に、取付部材65(例えば帯状の布等をわっか状にしたもの)により装着される。また、下段の散水管62は、植物繁茂ユニット40の内側を通される。すなわち、下段の植物繁茂ユニット40の上辺両端には、開口が設けられており、散水管62は、この開口を通して植物繁茂ユニット40の内部に通され保持される。なお、下段の植物繁茂ユニット40では、散水ユニットが一体的に構成され、これらを連結管で連結することにより給水システムを簡単に構成することができる。
【0035】
配水管64は、複数の連結管61を接続可能であり、連結管61を接続するための接続管64Aを複数有する。各接続管64Aには弁64Bがそれぞれ設けられており、各接続管64Aへの配水は、供給弁64Bを開閉することにより制御される。配水管64には、矢印Aの方向から水が供給され、散水管62には連結管61を介して所定の圧力の水が供給される。散水管62に供給された水は、穿孔62hを通って染み出し植物繁茂ユニット40内に充填された培養土に供給される(下段の散水管62では、穿孔は省略されている)。なお、配水管64は、水道の蛇口や給水タンク等の給水源(図示せず)に接続される。また、例えば日時等に基づいて自動的に弁の開閉が制御される自動給水装置等を給水源に取り付けて給水を制御してもよい。
【0036】
以上のように、第6の実施形態によれば、植物繁茂ユニットへの散水を容易に行なうことができる。また、自動給水装置を用いれば、散水を自動かすることができる。
【0037】
次に、図10を参照して本発明の第7の実施形態について説明する。第7の実施形態の植物繁茂ユニットも、上記植物繁茂ユニット40と略同様であり、その構成が異なる部分のみ説明する。
【0038】
第7の実施形態の植物繁茂ユニット70は、例えば一つの辺が開閉可能に構成されている。図10では、植物繁茂ユニット70の右辺が開閉自在とされている。例えば、右辺開口部の内側には、縁に沿ってマジックテープ(登録商標)が展着されている。すなわち、植物繁茂ユニット70の裏地の内側には、フック状の突起が多数設けられた布帯71aが展着されており、表地の裏側には、パイル状の突起が多数設けられた布帯71bが展着されている。右辺の開口部からは、矢印Bの方向に、培養土が充填された袋30が挿入され、その後、右辺はマジックテープ(71a、71b)により閉じられる。袋30は、水溶性の素材からなり、植物繁茂ユニット70に水が掛けられると溶解する。植物繁茂ユニット70内の培養土を交換するときには、右辺を開いて充填された培養土を捨て、新たに袋30を植物繁茂ユニット70に装填する。
【0039】
以上により、第7の実施形態によれば、培養土の装填、交換を容易に行なうことができる。また、培養土内に混入される種子の種類や、培養土の配合の異なる袋を用意することにより、手軽に様々な種類の植物を選択して繁茂させることができる。なお、第7の実施形態では、植物繁茂ユニット40の一辺を開閉自在にした例を示したが、植物繁茂ユニット10、45にこれを適用できることは言うまでもない。また、開閉のための手段として、本実施形態では、マジックテープを例にとって説明を行なったが、ジッパー等の樹脂性のファスナを用いてもよく、開口の位置も周縁に限定されるものではない。
【0040】
次に図11を参照して本発明の第8の実施形態について説明する。第8の実施形態は、第2の実施形態と略同様である。以下第2の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0041】
第8の実施形態の植物繁茂ユニット40には、例えば結束バンドや、紐、布帯等を用いた根固定部が設けられている。すなわち、植物繁茂ユニット40の前面には例えば2つの穴が設けられ、この穴に例えば結束バンド80が通されている。結束バンド80は、植物繁茂ユニット40の内側で植物32の根(根を含む土)33を保持・固定するように輪を作る。このようにすると、培養土を植物繁茂ユニット40に充填する際に根33が動かないので作業が容易となる。培養土の充填作業が終了すると結束バンド80は取り外される。
【0042】
以上のように第8の実施形態によれば、第2の実施形態と略同様の効果が得られるとともに、植物繁茂ユニットにより容易に培養土を充填することができる。なお、根固定部として、例えば、袋状にしたウェブを用いてもよい。
【0043】
本実施形態では、織布として天然麻を用いたが、綿や人工繊維を用いた織布であってもよい。また、本実施形態では鳩目を用いて植物繁茂ユニットを壁面や屋根に取り付けたが、取り付け方法はこれに限られるものではない。また、第4、第5の実施形態ではネットを利用して植物繁茂ユニットを屋根等の斜面に取り付けたが、ネットに替え木材やステンレス等からなるガイド材を用いてもよく、これらのガイド材は壁面への取り付けに用いることも可能である。
【0044】
なお第1、第4及び第5の実施形態において、植物繁茂ユニット10、45は壁面や屋根等の傾斜面に取り付けられたが、屋上やテラス等の平坦部に載置してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、簡略な構成かつ低コストで塀や建物の壁面、屋根、屋上、テラス等を緑化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の植物繁茂ユニットの正面図である。
【図2】図1に示す植物繁茂ユニットの線分LLに沿った一部の断面図である。
【図3】第1の実施形態の植物繁茂ユニットをブロックに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】第1の実施形態において植物繁茂ユニットが取り付けられる穿孔が設けられたブロックの断面を模式的に示す図である。
【図5】第2の実施形態の植物繁茂ユニットの斜視図である。
【図6】第3の実施形態のブロックの断面を模式的に示す図である。
【図7】第4の実施形態における植物繁茂ユニットの取り付け方法を示す図である。
【図8】第5の実施形態の植物繁茂ユニットの正面図である。
【図9】給水システムが設けられた第6の実施形態における植物繁茂ユニットの配置図である。
【図10】第7の実施形態における植物繁茂ユニットの概観図である。
【図11】第8の実施形態における植物繁茂ユニットの概観図である。
【符号の説明】
19 天然麻布(織布)
30 培養土
31 芝(育苗植物)
Claims (13)
- 多数の隙間を有するウェブ状部材を備え、前記ウェブ状部材の隙間が植物を培養するための培養土を保持するとともに、前記培養土の流出を防止し、かつ前記隙間を通して前記植物が芽を出すことが可能であり、前記ウェブ状部材に形成される前記隙間が0.5mm 2 乃至2mm 2 の大きさを有することを特徴とする植物繁茂ユニット。
- 前記培養土が前記植物の種子を含有し、前記植物を前記隙間を介して育苗可能であることを特徴とする請求項1に記載の植物繁茂ユニット。
- 前記培養土が吸水性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の植物繁茂ユニット。
- 前記ウェブ状部材が天然麻素材からなることを特徴とする請求項1に記載の植物繁茂ユニット。
- 前記植物繁茂ユニットを保持する保持部材へ前記植物繁茂ユニットを取り付けるための装着部を備えることを特徴とする請求項1に記載の植物繁茂ユニット。
- 前記保持部材がボルトからなるとともに、前記装着部が鳩目からなり、前記ボルトが前記鳩目を介し壁面に設けられた雌ネジに装着されることにより前記植物繁茂ユニットが前記壁面に保持されることを特徴とする請求項5に記載の植物繁茂ユニット。
- 前記保持部材が壁面に固着された鉤状部材からなるとともに、前記装着部が鳩目からなり、前記鳩目が前記鉤状部材に掛けられることにより前記植物繁茂ユニットが前記壁面に保持されることを特徴とする請求項5に記載の植物繁茂ユニット。
- 前記保持部材がバンド部材からなるとともに、前記装着部が鳩目からなり、前記鳩目が斜面に取り付けられたネットに前記バンド部材により取り付けられることにより、前記植物繁茂ユニットが前記斜面に保持されることを特徴とする請求項5に記載の植物繁茂ユニット。
- 前記植物繁茂ユニットが植物を直接前記培養土に植栽するための開口を有することを特徴とする請求項1に記載の植物繁茂ユニット。
- 前記植物繁茂ユニットが、前記植物の根を固定するための根固定手段を有することを特徴とする請求項9に記載の植物繁茂ユニット。
- 前記フェブ状部材により前記培養土が保持される領域が取り囲んでなる凹部を有し、前記凹部に盛り土をすることが可能であり、前記盛り土に植物を植栽可能であることを特徴とする請求項1に記載の植物繁茂ユニット。
- 前記ウェブ状部材が、一部が開閉自在とされた袋状に成形されていることを特徴とする請求項1に記載の植物繁茂ユニット。
- 前記植物繁茂ユニットが散水のための給水システムを備えることを特徴とする請求項1に記載の植物繁茂ユニット。
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