JP3809344B2 - スペクトラム拡散通信用スライディングコリレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトラム拡散通信方式の受信機で用いられるスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータに係り、特にサンプルの位相制御に容易に対応でき、回路規模を縮小できるスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信又は無線LAN(Local Area Network)等に用いられるスペクトラム拡散通信方式では、無線送信を行う際に、送信機側で送信データに対して狭帯域変調(1次変調)と拡散変調(2次変調)の二段階変調を行っている。
このため受信機では、無線送信されたデータを受信すると、まず逆拡散を行って1次変調の状態に戻した後に、検波回路によりベースバンド信号の再生を行っている。つまり受信機では、送信機における二段階変調に対応して受信データを復調するような構成となっている。
【0003】
スペクトラム拡散通信方式の受信機では、受信したデータの復調を行うための相関値を出力するスペクトラム拡散通信用相関回路が用いられており、この回路は受信データに対して逆拡散及び相関出力を行う逆拡散回路と、逆拡散回路の出力結果を基に復調を行う符号分割多重変調波の復調回路で構成されている。
【0004】
スペクトラム拡散通信用相関回路の逆拡散回路として、受信データの同期捕捉を行い、検出された同期位相で相関を取るために、論理回路で構成されたスライディングコリレータ(Sliding Correlater:以下SCという)が従来から用いられている。
【0005】
SCは、送信側で用いられた符号系列を1チップ単位でシフトさせ受信データの逆拡散を行い、受信側の符号系列との相関を求めるものである。SCでは、符号系列長分のチップ数について受信データの逆拡散を行うことにより、受信データの相関値を得ることができる。
【0006】
従来のスペクトラム拡散通信方式のSCの構成及び動作について、図11を用いて説明する。図11は、従来のスペクトラム拡散通信用SCの構成ブロック図である。図11のSCは、符号分割多重(Code Division Multiple Access:以下CDMAという)変調された受信データの相関を求めるものである。
【0007】
従来のスペクトラム拡散通信用SCは、A/D変換器111と、PNコードレジスタA112と、乗算器113と、加算器114と、遅延回路115とから構成されている。
ここで遅延回路115には、1シンボル分の受信データの処理が完了する毎に相関値をリセットする必要があるため、リセット機能のあるF/F(Flip Flop)又はレジスタを用いている。
【0008】
次に、従来のスペクトラム拡散通信用SCの動作について、図11を用いて説明する。
送信機よりCDMA変調されて送信されたアナログ信号は、受信機のアンテナ(図示せず)において受信された後、A/D変換器111に入力され、デジタルの受信データに変換される。
ここでアナログ信号のチップレートは4Mcpsであり、A/D変換器111におけるデジタル変換はオーバーサンプリングのため、通常その4倍にあたる16Mbpsで、同一のアナログ信号1ビットに対して多ビット出力される。
【0009】
A/D変換器111でデジタル信号に変換された受信データは1サンプルずつ乗算器113に出力され、乗算器113においてPNコードレジスタA112に記憶されているPN(Pseudo Random Noise)符号コードとの乗算、すなわち逆拡散が行われる。PNコードは送信機でCDMA変調の際に用いられたものと同一である。
乗算器113は1チップ当たり1サンプルのデータとPNコードの乗算を行う。PNコードレジスタ112は4MbpsでPNコードを1ビットずつ乗算器113に出力している。
【0010】
乗算器113の乗算結果は逐次、加算器114に出力される。加算器114は遅延回路115に格納されている累積加算結果と乗算結果の加算を行い、新たな累積加算結果を相関出力として出力すると共に遅延回路115にも出力する。遅延回路115は、入力された累積加算結果を格納する。また遅延回路115は、途中の累積加算結果をCDMA復調回路(図示せず)に出力することができ、出力結果は受信データの復調に用いられる。
ここで加算器114及び遅延回路115は乗算器113に対応して、4Mbpsの速度で累積加算及び累積加算結果の入出力を行っている。
【0011】
1シンボル分の乗算結果の累積加算による積分が終了すると、加算器114からは積分値が相関出力として出力されたことになる。図11のSCにおいて、加算器114の出力結果は遅延回路115に格納されるので、相関値は遅延回路115から出力するようにしても同様の結果を得ることができる。1シンボル分の相関値が出力されると、次のシンボルの相関出力に備えるため、遅延回路115は格納されている累積加算結果をリセットする。
加算器114から1シンボル単位に出力される相関出力を基として、さらにCDMA復調回路において受信データの復調が行われる。以上が従来のスペクトラム拡散通信用SCの動作である。
【0012】
また、CDMA通信では、2次変調として直交変調が用いられることもある。上述した従来のスペクトラム拡散通信用SCは、直交変調された受信データに対して相関出力を行う複素型のSCにも応用できる。
【0013】
直交変調された受信データの復調方法について、以下に説明する。直交変調された受信データはそれぞれ、同相成分、直交成分とに分類できる。ここで同相成分をRI、直交成分をRq、拡散符号の同相成分をCI、直交成分をCqとすると、逆拡散することで得られる復調信号Dは
D=(RI+jRq)(CI−jCq)
=(RI*CI+Rq*Cq)+j(−RI*Cq+Rq*CI) (1)
と表される。(1)式より、復調信号の同相成分DIと直交成分Dqはそれぞれ
DI=RI*CI+Rq*Cq (2)
Dq=−RI*Cq+Rq*CI (3)
と表される。(2)及び(3)式のDI、Dqについて累積加算を行い、両成分についての相関値を出力することが複素型SCの目的である。
【0014】
上述した受信データの復調方法を実現する複素型SCの構成ブロック図を図12に示す。図12の複素型SCにおいて、受信機のアンテナ(図示せず)で受信されたCDMA変調アナログ信号は、同相成分及び直交成分とに分類され、それぞれA/D変換器121A、121Bとに入力される。
また、拡散符号の同相成分及び直交成分はそれぞれ、PNコードレジスタI123A、PNコードレジスタQ123Bに記憶されている。
【0015】
図12の複素型SCにおいて、A/D変換器及びPNコードレジスタから出力されたデジタル受信データ及び拡散符号は、位相を揃えるためレジスタ125A〜125Dに格納された後、相関演算部127に入力される。相関演算部127では、デジタル受信データ及び拡散符号は乗算器122A〜122D、加算器124A〜124Bによって各成分の復調信号の導出式(2)及び(3)式の演算が行われ、さらに累積加算器128で同相成分と直交成分の1シンボル分の相関値をそれぞれ算出し、相関出力I及び相関出力Qとして出力する。
図12の複素型SCでは、CDMA変調アナログ信号は4Mbpsのチップレートで送信され、複素型SCの各素子には16Mbpsクロックが入力されることにより、16Mbpsの速度で動作している。
【0016】
さらに図12の複素型SCに位相補正機能を持たせたものを図13に示す。位相補正としては従来、マッチドフィルタを用いて受信データのシンボルの先頭位置を検出し、拡散符号の発生タイミングを調整する方法が用いられてきたが、マッチドフィルタでは検出精度が充分でない上時間による位相変化も発生するため、同期はずれを起こし目的の精度の相関出力を得ることができない場合がある。図13の複素型SCは、相関出力結果から最適な位相を検出することによって復調位相を補正することを特徴としている。
また、SCはマッチドフィルタと比較して、回路規模が1/100〜1/1000と極端に小さいことから、CDMA変調の相関出力の際に多用されている。
【0017】
図13の複素型SCでは、PNコードレジスタI133A及びPNコードレジスタQ133BからのPNコードの位相をサンプル時間単位でずらし、それぞれのタイミングのPNコードをレジスタ列135C〜135E、135F〜135Hに入力している。
図13の複素型SCでは、各レジスタ列には3つのレジスタが接続されており、クロック毎に右方向のレジスタにPNコードをシフトさせる構成となっており、3通りのサンプルに対応したPNコードを出力できる。
【0018】
各サンプル間隔でレジスタ列に入力されたPNコードは、A/D変換器131A及び131Bでデジタル変換された受信データの同相成分及び直交成分と共に3つの相関演算部137A〜137Cにそれぞれ入力される。相関演算部137A〜137Cは、図12の相関演算部127と同一の構成であり、3通りのサンプル(図ではそれぞれEarly、Main、Lateとしている)に対応した同相成分及び直交成分の相関出力を出力する。
図13の複素型SCも図12と同様、CDMA変調アナログ信号は4Mbpsのチップレートで送信され、複素型SCの各素子には16Mbpsクロックが入力されることにより、16Mbpsの速度で動作している。
【0019】
図13の複素型SCでは、異なるタイミングでPNコードを出力させ、これに対応した相関出力をすることによって、相関出力の結果から最適なタイミングを検出して受信データの位相のずれを確認することができる。また、タイミングの検出結果をPNコードレジスタなどにフィードバックすることにより、CDMA変調アナログ信号と同期した最適な状態で復調処理を行うことができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスペクトラム拡散通信用SCでは、復調するチャネル数だけ相関演算部が必要であるため、受信機における回路規模が増大するという問題点があった。
【0021】
特に近年の移動体通信の利用の急増に伴い、多数のチャネルの受信データの復調を行うことができ、且つ安価に開発できるようなスペクトラム拡散通信対応の受信機が求められている。
例えば基地局は多くのチャネルの信号受信及び復号処理が必要とされる機器の一つである。一般的な基地局では、4つの搬送波で送信される無線信号を扱っており、搬送波あたり32ユーザ、すなわち32チャネル割り振られているため、全部で128チャネルの復調に対応している。
【0022】
単純に全てのチャネルに対して上述したような相関処理を送受信の際に行うには、アンテナ数を2、遅延波成分を少なくとも3つ取るものとして、128x2x3=768本の信号に対する処理を行わなければならない。このため処理する信号ごとにSC回路を用意するような従来の方法では、基地局の回路規模が増大し、結果として開発費用の上昇を招くことになる。
【0023】
回路規模を縮小できる従来のスペクトラム拡散通信対応の受信機の一例として、平成8年3月26日公開の特開平8−84098号「スペクトラム拡散通信装置」(出願人:キヤノン株式会社、発明者:加藤伊智郎)、平成11年11月5日公開の特開平11−308149号「4相相関器」(出願人:三菱電機株式会社、発明者:石岡和明他)が挙げられる。
【0024】
しかし、従来のスペクトラム拡散通信対応の受信機でも、1チャネルの受信データを復調するSC回路の回路規模を縮小したにとどまっており、従来通り多チャネルの受信データを復調させるには相当数のSC回路が必要となるため、回路規模を縮小する根本的な解決には至っていなかった。
【0025】
また、移動体通信では通信の性質上、伝送路の環境の変化によって、復調時間位置が時間的に変化する現象が発生するが、従来のスペクトラム拡散通信用SCではこのような現象に容易に対応できないため、復調の精度が悪化するという問題点があった。
【0026】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、伝送路の環境変化に対応でき、かつ回路規模を縮小できるスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータを提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号に対し、拡散符号に対応した逆拡散符号との相関演算を行い、相関演算結果を累積加算して相関出力として出力するスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、累積加算処理を行う前に空き時間を1チップ時間内に1つ以上設け、アナログ受信信号の位相のずれがない場合、空き時間には累積加算処理を行わず、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれが発生した場合には、ずれに応じて逆拡散符号の出力位相を調整すると共に、累積加算処理において、空き時間に累積加算を行うか又は空き時間を追加することを特徴とするものであり、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小することができる。
【0028】
また、本発明は、スペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、位相制御信号に基づいて、拡散符号に対応した逆拡散符号を出力する逆拡散符号発生部と、デジタル受信信号と逆拡散符号との相関演算をサンプル別に行い、1チップ時間内に一つ以上の空き時間を含むようになった演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、位相制御信号に基づいて、復調演算部から出力された復調信号をサンプル別に空き時間を除いて累積加算を行い、若しくは空き時間において累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするものであり、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小することができる。
【0029】
また、本発明は、スペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、位相制御信号に基づいて、拡散符号に対応した逆拡散符号を出力する逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号をサンプル別に遅延時間を調整して出力する逆拡散符号遅延時間調整部と、サンプル別に設けられ、デジタル受信信号と、逆拡散符号遅延時間調整部から出力された逆拡散符号との相関演算を行い、演算結果を復調信号として出力する複数の復調演算部と、全ての復調演算器から出力された各サンプルの復調信号を、1チップ時間内で出力する復調信号遅延時間調整部と、復調信号遅延時間調整部から出力された復調信号をサンプル別に切り替えて、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて出力する復調信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、復調信号セレクタから出力された復調信号をサンプル別に空き時間を除いて累積加算を行い、若しくは空き時間において累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするものであり、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小することができる。
【0030】
また、本発明は、スペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、デジタル受信信号を、サンプル別に遅延時間を調整する受信信号遅延時間調整部と、受信信号遅延時間調整部から出力されたデジタル受信信号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めてサンプル別に切り替えて出力する受信信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、拡散符号に対応した逆拡散符号を出力する逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する逆拡散符号遅延時間調整部と、逆拡散符号遅延時間調整部から出力された逆拡散符号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めてサンプル別に切り替えて出力する逆拡散符号セレクタと、受信信号遅延時間調整部から出力されたデジタル受信信号と、逆拡散符号セレクタから出力された逆拡散符号との相関演算をサンプル別に行い、演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、位相制御信号に基づいて、復調演算部から出力された復調信号をサンプル別に空き時間を除いて累積加算を行い、若しくは空き時間において累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするものであり、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小することができる。
【0031】
また、本発明は、スペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、複数種の拡散符号によりスペクトラム拡散変調された複数のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、位相制御信号に基づいて、各々のアナログ受信信号で用いられた拡散符号に対応した逆拡散符号をそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号をサンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、サンプル別に設けられ、各々の逆拡散符号発生部から出力された各サンプルの逆拡散符号を逆拡散符号の種別に、サンプルレートの整数倍の速さで切り替えて出力する複数の逆拡散符号セレクタと、サンプル別に設けられ、デジタル受信信号と、対応するサンプルの逆拡散符号セレクタから出力された逆拡散符号との相関演算をサンプルレートの整数倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する複数の復調演算部と、全ての復調演算器から出力された各サンプルの復調信号を、1チップ時間内で出力する復調信号遅延時間調整部と、復調信号遅延時間調整部から出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に、サンプルレートの整数倍の速さで切り替えて、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて出力する復調信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、復調信号セレクタから出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするものであり、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小することができる。
【0032】
また、本発明は、スペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、複数種の拡散符号によりスペクトラム拡散変調された複数のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、デジタル受信信号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する受信信号遅延時間調整部と、受信信号遅延時間調整部から出力されたデジタル受信信号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めてサンプル別に切り替えて出力する受信信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、各々のアナログ受信信号で用いられた拡散符号に対応した逆拡散符号をそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、各々の逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて、サンプルレートの整数倍の速さで切り替えて出力する逆拡散符号セレクタと、デジタル受信信号と、逆拡散符号セレクタから出力された逆拡散符号との相関演算を逆拡散符号の種別及びサンプル別に、サンプルレートの整数倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、位相制御信号に基づいて、復調演算部から出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするものであり、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小することができる。
【0033】
また、本発明は、スペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、直交変調に対応した拡散符号によりスペクトラム拡散変調された同相成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第1のA/D変換器と、拡散符号によりスペクトラム拡散変調された直交成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第2のA/D変換器と、各A/D変換器から出力された各成分のデジタル受信信号をサンプルレートの2倍の速度で、交互に切り替えて出力する第1の受信信号セレクタと、各A/D変換器から出力された各成分のデジタル受信信号のうち、同相成分については符号を反転し、サンプルレートの2倍の速度で、各成分のデジタル受信信号を交互に切り替えて出力する第2の受信信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、アナログ受信信号で用いられた複素拡散符号に対応した逆拡散符号を成分別にそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号をサンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、サンプル別に設けられ、第1、第2の受信信号セレクタから出力されたデジタル受信信号と、逆拡散符号との相関演算を成分毎にサンプルレートの2倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する複数の復調演算部と、全ての復調演算器から出力された各サンプルの復調信号を、1チップ時間内で出力する復調信号遅延時間調整部と、復調信号遅延時間調整部から出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速さで切り替えて、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて出力する復調信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、復調信号セレクタから出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするものであり、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小することができる。
【0034】
また、本発明は、スペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、直交変調に対応した拡散符号によりスペクトラム拡散変調された同相成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第1のA/D変換器と、拡散符号によりスペクトラム拡散変調された直交成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第2のA/D変換器と、A/D変換器毎に設けられ、対応するA/D変換器から出力されたデジタル受信信号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の受信信号遅延時間調整部と、各々の受信信号遅延時間調整部から出力された各成分のデジタル受信信号を、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収め、成分別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速度で交互に切り替えて出力する第1の受信信号セレクタと、各々のA/D変換器から出力された各成分のデジタル受信信号のうち、同相成分については符号を反転し、各成分のデジタル受信信号を、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収め、成分別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速度で交互に切り替えて出力する第2の受信信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、アナログ受信信号で用いられた複素拡散符号に対応した逆拡散符号を成分別にそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、各々の逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収め、成分別及びサンプル別にサンプルレートの速さで切り替えて出力する複数の逆拡散符号セレクタと、第1、第2の受信信号セレクタから出力されたデジタル受信信号と、逆拡散符号セレクタから出力された逆拡散符号との相関演算を成分別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、位相制御信号に基づいて、復調演算器から出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするものであり、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCは、拡散信号によりスペクトラム拡散されたアナログ受信信号をオーバーサンプルレートでディジタル信号に変換し、ディジタル信号及び逆拡散信号をサンプル毎に切り替えて出力し、ディジタル信号及び逆拡散信号との相関演算を行ってサンプル毎の相関演算結果を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収まるよう出力し、相関演算の累積加算を行ってサンプル毎の1シンボル分の累積加算結果を相関出力として出力し、アナログ受信信号の位相のずれを検出して、ずれに応じた位相制御信号を出力して逆拡散信号の出力タイミング及び相関演算の累積加算時の空き時間の処理制御を行うことで位相制御を行うものであり、これにより伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、且つ回路規模を縮小することができる。
【0036】
尚、請求項における逆拡散符号発生部は図1及び図5〜10のPNコードレジスタに、逆拡散符号遅延時間調整部は図5のF/F55B〜55F、図6のF/F65B〜65F及び65J〜65L、図7のF/F95B〜95K、図8のF/F105B〜105K及び105O〜105T、図9の75C〜75L、図10の85C〜85L及び85S〜85Xに、受信信号遅延時間調整部は図6のF/F65G〜65I、図8のF/F105L〜105N、図10のF/F85M〜85Rに、復調演算部は図1の乗算器13A〜13Dと加算器14A〜14B及び図5〜図10の乗算加算器に、復調信号遅延時間調整部は図5のF/F55G〜55I、図7のF/F95L〜95Q、図9のF/F75M〜75Rに、累積加算部は図1及び図5〜図10の累積加算器に、受信信号セレクタは図6のセレクタ69A、図8のセレクタ109A、図9のセレクタ79A及び79B、図10のセレクタ89A及び89Bに、逆拡散符号セレクタは図6のセレクタ69B、図7のセレクタ99A〜99C、図8のセレクタ109B、図10のセレクタ89C及び89Dに、復調信号セレクタは図5のセレクタ59、図7のセレクタ99D及び図9のセレクタ79Cに、制御部は図1及び図5〜図10の制御装置にそれぞれ相当する。
【0037】
まず本発明のスペクトラム拡散通信用SCの前提となる、チップタイミングの位相制御の概念について説明する。
スペクトラム拡散通信用SCのような逆拡散装置では、受信したCDMA変調アナログ信号に同期して、PNコードレジスタにおいてPNコードが生成される。PNコードを同期して生成するため、PNコードレジスタにはタイミング信号が入力されており、タイミング信号は相関演算値がピークとなるようなタイミングで調整、生成されている。
【0038】
移動体通信では通信の性質上、伝送路の環境の変化によって、復調時間位置が時間的に変化する場合がある。よって正確な受信データの復調結果を得るには、この時間的変化に対応してタイミング信号のタイミングを早めたり、遅らせたりする位相制御を行う必要がある。このタイミング信号のタイミングを早めたり、遅らせたりする位相制御を、「位相制御によるチップタイミングの延長及び短縮」ということにする。
CDMA受信機では具体的に、相関出力等に基づいて伝送路の環境の変化を検知し、検知結果に基づいて同期回路等から出力される位相制御信号によって、チップタイミングの延長及び短縮を行っている。また位相制御の対象となるタイミング信号には、フレーム、スロット、シンボル、チップがあるが、本発明ではチップタイミングの位相制御を取り上げる。
【0039】
図14は、従来及び本発明におけるチップタイミングとサンプルの関係を示した図であり、上部は従来の、下部は本発明におけるチップタイミングとサンプルの関係をそれぞれ示している。
【0040】
図14上部に示されているように、従来は、4倍オーバーサンプリングの場合では、3通りのサンプルEarly、Main、Lateはそれぞれ1サンプル時間置きにサンプリングしており、このような時間構成に従って各サンプルごとの相関出力を行い、位相制御を行っていた。
具体的には、図13に示されるようなSCを用いて、各サンプルに対応した相関演算部から出力された相関出力に基づき、サンプル別に位相制御を行っていた。
【0041】
本発明では1チップ時間中、サンプルEarly、Main、Lateはそれぞれ、連続したサンプル時間となるように調整し、残りのサンプル時間は空き時間とするような時間構成とし、この時間構成に従ってサンプル別の相関演算及び相関出力を行う。
本発明のスペクトラム拡散通信用SCでは、図14下部に示したサンプルの時間構成に基づいてチップタイミングの位相制御を行うものとする。以下、図14上部、図14下部に示したサンプルの時間構成をそれぞれ、「従来のサンプル時間構成」「本発明のサンプル時間構成」という。
【0042】
本発明のサンプル時間構成は、ユーザ別、成分別等にサンプルを割り当てた場合、すなわち複数ユーザや複数成分等の復調処理についても、1チップ時間中に連続した3サンプル時間を複数ユーザ等に、残り1サンプル時間を空き時間として割り当てることで対応できる。尚、図14では4倍オーバーサンプリング時の時間構成図を示したが、異なるオーバーサンプリング数やサンプル数についても、本発明のサンプル時間構成は適用できるものである。
【0043】
図4は位相制御時におけるチップタイミングのタイムチャート図である。図4のタイムチャート図において、図4(a)はチップタイミングが短縮された場合の、図4(b)はチップタイミングが延長された場合の処理のタイムチャート図を表している。
図4(a)では、1チップ時間中、累積加算処理を行わないサンプル時間、すなわち空き時間をないものとみなすことによって、1チップ時間を3サンプル時間に短縮して、新たなチップ時間としている。一方図4(b)では、1チップ時間中の空き時間を延長することによって、1チップ時間を5サンプル時間に延長して、新たなチップ時間としている。図4で示したタイムチャート図では、1チップ時間における空きのサンプル時間を調整することによって、位相制御が行われている。
【0044】
以上説明したように、本発明のサンプルの時間構成によれば、1チップ時間内に1サンプル時間の空き時間を設けることによって、位相制御によるチップタイミングの延長及び短縮に柔軟に対応できる。
【0045】
実際にはチップタイミングの位相制御は、どのタイミングで行ってもよく、例えばシンボルの開始時点、途中、あるいはシンボルをまたいで行ってもよい。
しかし位相制御の量は、1チップ時間内に1サンプル時間間隔でしか行われない。これは各チップタイミングにおいて、位相制御のために設けられている空き時間が1サンプル時間しかないためである。
【0046】
例えば10サンプル時間の位相制御を行う場合には、10チップ時間をかけてそれぞれのチップに対して1サンプル時間の位相制御を行うことになる。また複数のユーザをサンプルとして位相制御を行う場合には、位相制御を1度に行えるユーザ数は1であるため、回数を分けてそれぞれのユーザに対して位相制御を行う。
位相制御が行われることで新たなチップタイミングが決定され、移動体端末内の他の装置あるいは各種信号についてもこのチップタイミングに基づいて処理が行われる。
【0047】
本発明の第1の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCの構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態(以下、実施の形態1という)に係るスペクトラム拡散通信用SCの構成ブロック図である。図1のスペクトラム拡散通信用SCは、本発明のサンプル時間構成に従って相関出力を行う位相補正機能を有する複素型SCである。
【0048】
本発明の実施の形態1に係るスペクトラム拡散通信用SCは、A/D変換器11A及び11Bと、PNコードレジスタI12Aと、PNコードレジスタQ12Bと、相関演算部17とから構成される。
このうち相関演算部17は、乗算器13A〜13Dと、加算器14A及び14Bと、F/F15E及び15Fと、累積加算器18とで構成されている。さらに累積加算器18は、加算器14C及び14DとF/F16A〜16Hとから構成されている。
また、本発明の実施の形態1に係るスペクトラム拡散通信用SCでは、受信データの相関結果に基づいて位相制御信号をPNコードレジスタI12A及びPNコードレジスタQ12Bに出力する制御装置(図示せず)が設けられている。
【0049】
A/D変換器11A及び11Bは、アンテナ(図示せず)で受信したCDMA直交変調アナログ信号をデジタル変換し、受信データとして出力する。このうち、A/D変換器11Aはアナログ信号の同相成分のデジタル変換を行い、結果をF/F15Aに出力し、A/D変換器11Bはアナログ信号の直交成分のデジタル変換を行い、結果をF/F15Bに出力する。
本発明のスペクトラム拡散通信用SCでは、アナログ信号のチップレートが4Mcpsであるため、A/D変換器11A及び11Bは、オーバーサンプリングのため、4倍にあたる16Mbpsの速度でデジタル変換し、同一のアナログ信号1ビットに対して多ビットの出力を行う。
【0050】
PNコードレジスタI12Aは、送信機でアナログ信号の同相成分のCDMA変調の際に用いられた拡散符号であるPNコードIを記憶しており、PNコードIを1ビットずつF/F15Cに出力する。
PNコードレジスタQ12Bは、送信機でアナログ信号の直交成分のCDMA変調の際に用いられた拡散符号であるPNコードQを記憶しており、PNコードQを1ビットずつF/F15Dに出力する。
【0051】
PNコードレジスタI12AとPNコードレジスタQ12Bはそれぞれ、16Mbpsの速度で1ビットずつPNコードを出力する。また、PNコードレジスタI12AとPNコードレジスタQ12Bには、符号発生器を用いてもよい。
PNコードレジスタI12A及びPNコードレジスタQ12Bには、制御装置から出力される位相制御信号が入力されており、位相制御信号に基づいた出力タイミングに従ってPNコードIとPNコードQをそれぞれ出力している。
【0052】
F/F15A〜15Dは、各A/D変換器によってデジタル変換された受信データ又は各PNコードレジスタから出力されたPNコードを1ビットずつ格納し、クロックに同期して相関演算部17に出力する。各F/Fには16Mbpsのクロック周波数が入力され、この周波数に同期してデータの入出力を行っている。
【0053】
乗算器13A〜13Dは、F/F15A〜15Dから出力された受信データとPNコードの乗算を行う。
加算器14A及び14Bは、各乗算器の乗算結果の加算を行う。乗算器13A及び13Bの乗算結果は加算器14Aへ、乗算器13C及び13Dの乗算結果は加算器14Bに出力されそれぞれ加算が行われ、復調信号としてそれぞれF/F15EとF/F15Fに出力される。乗算器15A〜15D及び加算器14A及び14Bはそれぞれ16Mbpsの速度で演算を行う。
【0054】
F/F15E〜15Fは、各加算器から出力された加算結果、すなわち復調信号を格納し、クロックに同期して累積加算器18に出力する。各F/Fには16Mbpsのクロック周波数が入力され、この周波数に同期してデータの入出力を行っている。
【0055】
累積加算器18は、F/F15E及び15Fから出力される同相成分又は直交成分の受信データの復調信号を1シンボル分累積加算して、相関出力としてCDMA復調回路(図示せず)に出力する。
【0056】
累積加算器18において、加算器14Cは同相成分の累積加算結果と新たに入力された同相成分の復調信号との加算を行い、加算結果を新たな累積加算結果としてF/F16C及び16Dに出力する。同様に加算器14Dは直交成分についての累積加算を行い、加算結果をF/F16G及び16Hに出力する。
【0057】
F/F16A〜16Cは加算器14Cの累積加算結果を格納する。F/F16A〜16Cは直列に接続されており、累積加算結果が格納されると順次左側へシフトされる。またF/F16Dも累積加算結果を格納し、位相制御信号に基づいて受信データの同相成分の相関出力としてCDMA復調回路に出力する。
同様に、F/F16E〜16Gは加算器14Dの累積加算結果を格納する。F/F16A〜16Cは直列に接続されており、累積加算結果が格納されると順次左側へシフトされる。またF/F16Hも累積加算結果を格納し、位相制御信号に基づいて受信データの直交成分の相関出力としてCDMA復調回路に出力する。
図1のスペクトラム拡散通信用SCでは、F/F16A〜16Hにはイネーブル付きF/Fを用いており、制御装置から出力される位相制御信号に基づいてデータの入出力及びリセットを行っている。
【0058】
制御装置は、受信データから伝送路の環境変化に基づく位相のずれを検出し、チップタイミングが遅れた場合はチップタイミング中の空き時間を延長し、チップタイミングが早くなった場合は空き時間を短縮する旨の位相制御信号をPNコードレジスタI12A、PNコードレジスタQ12B及び累積加算器に出力し、位相制御を行う。
【0059】
上述したスペクトラム拡散通信用SCでは、相関演算部17からの相関出力を復調するCDMA復調回路が設けられている。
尚、上記制御装置をCDMA復調回路とは別に設けてもよいし、CDMA復調回路内に設けてもよい。
【0060】
次に、本発明の実施の形態1に係るスペクトラム拡散通信用SCの動作について、図1を用いて説明する。
送信機よりCDMA直交変調されて送信されたアナログ信号は、受信機のアンテナ(図示せず)において受信され、同相成分及び直交成分に分離される。ここでアナログ信号は、4Mcpsのチップレートで送信されている。
アナログ信号の同相成分はA/D変換器11Aに、直交成分はA/D変換器11Bに入力され、それぞれデジタルの受信データに16Mbpsの速度で変換される。A/D変換器11Aと11Bから出力される受信データはそれぞれ、1ビットずつF/F15Aと15Bに格納され、クロック周波数と同期して相関演算部17に出力される。
【0061】
また、PNコードレジスタI12AとPNコードレジスタQ12Bに記憶されている同相成分と直交成分のPNコードは1ビットずつ16Mbpsの速度で出力され、F/F15Cと15Dにそれぞれ格納される。F/F15Cと15Dに格納されたPNコードは、制御信号が入力されることで相関演算部17に出力される。
図1において、PNコードレジスタI12AとPNコードレジスタQ12Bはそれぞれ、本発明のサンプル時間構成に従って同相成分と直交成分のPNコードを出力している。すなわち1チップ時間中、最初の連続した3サンプル時間で同相成分と直交成分のPNコードを出力しており、残りの1サンプル時間を空き時間としている。
【0062】
F/F15A〜15Dから出力された受信データ及びPNコードは、相関演算部17において乗算器13A〜13Dにそれぞれ入力され、乗算が行われる。また乗算器13A及び13Bの乗算結果は加算器14Aで、乗算器13C及び13Dの乗算結果は加算器14Bでそれぞれ加算される。
相関演算部17の乗算器及び加算器の構成により、既述した直交変調に対する復調信号の導出式(2)及び(3)式を実現することができる。すなわち加算器14Aでは同相成分の復調信号を、加算器14Bでは直交成分の復調信号を出力することができる。また同相成分と直交成分の復調信号は、同一のPNコードに基づいた復調結果が、1チップ時間中最初の連続した3サンプル時間出力され、残りの1サンプル時間が空き時間として出力されることになる。
【0063】
加算器14Aと14Bから出力された同相成分と直交成分の復調信号は、それぞれF/F15Eと15Fに格納され、クロック周波数に同期して累積加算器18に出力される。同相成分の復調信号は累積加算器18において、まず加算器14Cに出力される。
加算器14Cでは、F/F15Eから出力された復調信号と、F/F16Aに格納されていた累積加算結果との加算が行われ、新たな累積加算結果はF/F16C及び16Dに格納される。同時にF/F16Cに格納されていた累積加算結果はF/F16Bに、F/F16Bに格納されていた累積加算結果はF/F16Aにそれぞれシフトされる。F/Fのシフト動作は、制御装置から出力される位相制御信号に基づいて行われる。
【0064】
このようなシフト制御は通常、1チップ時間、すなわち4サンプル時間中、最初の3サンプル時間だけ行われ、空き時間には行われない。すなわち空き時間には累積加算結果がレジスタ列又はF/Fに格納されないため、空き時間には実質累積加算処理が行われないこととなる。
F/F16A〜16Cで形成されるレジスタ列にはサンプル時間毎に累積加算結果が入力されるため、シフトすることによって3通りのサンプル(以下Early、Main、Lateという)に分類され、これらのサンプル別に相関演算を行うことができる。
【0065】
それぞれのサンプルについて1シンボル分の累積加算が終了すると、F/F16Dは位相制御信号に基づいて、格納されている累積加算結果を相関出力としてCDMA復調回路に出力する。またすべてのサンプルにおける相関出力を出力した後、F/F16A〜16Dは、格納されている累積加算結果をリセットし、新たな累積加算結果を格納できる状態にする。
【0066】
上述した累積加算器18における復調信号の累積加算は、直交成分の復調信号に対しても行われる。すなわち、新たに入力された直交成分の復調信号と、F/F16E〜16Gに格納されている各サンプルの累積加算結果との累積加算が加算器14Dで行われ、得られた累積加算結果はさらにF/F16E〜16Gのレジスタ列及びF/F16Hに出力される。各サンプルにおいて1シンボル分の累積加算が終了すると、F/F16Hは格納されている累積加算結果を相関出力としてCDMA復調回路に出力する。
すなわち累積加算器18において、同相成分の復調信号は上段の回路群で、直交成分の復調信号は下段の回路群において累積加算が行われ、各サンプルの相関出力が得られることになる。
【0067】
本発明のスペクトラム拡散通信用SCを有するCDMA受信機では、位相補正及び位相制御が行われる。すなわち位相補正ではCDMA復調回路においてEarly、Main、Lateの各サンプルの相関結果に基づいて最適なタイミングを検出し、以後このタイミングをシンボルの先頭位置と認識する処理が行われる。
【0068】
位相制御では制御装置において、受信データの位相のずれを検出し、位相のずれに応じた位相制御信号をPNコードレジスタI12A及びPNコードレジスタQ12Bに出力する処理が行われる。PNコードレジスタI12A及びPNコードレジスタQ12Bでは、1チップ時間中の空き時間を延長又は短縮して得られたチップタイミングで各PNコードを生成する処理が行われる。
【0069】
また制御装置は位相制御信号を累積加算器18にも出力する。位相制御信号は累積加算器18においてF/F16A〜16C、16E〜16G及びF/F16D、16Hに出力される。
上述したように、累積加算器18では位相制御信号に基づいて、1サンプル時間相当の空き時間には累積加算処理を行わないようになっている。受信データが遅れていると判断した場合には、制御装置は空き時間を延長する旨の位相制御信号を出力するので、累積加算器18はこれに基づいて、既存の空き時間を追加し、追加した空き時間にも累積加算処理を行わないよう制御される。
受信データが進んでいると判断した場合、制御装置は空き時間を短縮する旨の位相制御信号を出力するので、累積加算器18はこれに基づいて、既存の空き時間においても累積加算処理を行うよう制御される。
【0070】
図2は、図1のスペクトラム拡散通信用SCにおける累積加算器18に用いられる、各成分の累積加算を行う回路群の構成ブロック図である。図2において、加算器24C、F/F26A〜26Dは図1の累積加算器18における加算器及びF/Fと同一である。
【0071】
図2において、カウンタ27はF/F26A〜26Cに対してイネーブル信号を出力することで累積加算結果のシフトを行っている。カウンタ27は1チップ時間に3回シフトを行うようシフト回数のカウントを行っている。また、Earlyのチップタイミングでクロック生成器(図示せず)から出力されたクロック周波数が入力されることで、カウンタ27ではシフト回数のカウントがリセットされる。すなわちカウンタ27は1シンボル時間中、累積加算を行わない空き時間において、リセット処理を行っている。
【0072】
また、F/F26A〜26C及びF/F26Dには、位相制御信号が入力されることにより、各サンプルにおける1シンボルの相関出力をCDMA復調回路に出力している。空き時間における累積加算結果は各F/Fには格納されない。
【0073】
図3は、図1のスペクトラム拡散通信用SCにおける累積加算器18に用いられる、各成分の累積加算を行う回路群の他の構成ブロック図である。
図3の回路群では、レジスタ列の代わりにRAM39を用いることによって復調信号の累積加算を実現している。RAM39は、Early、Main、Lateの各サンプルの累積加算結果を規定されたアドレスに格納する。また、新たな累積加算結果が入力されると、それまで格納されていた累積加算結果を加算器34Cに出力し、規定されたアドレスに新たな累積加算結果を格納する。
【0074】
F/F36DとRAM39には、位相制御信号が入力されており、これに基づいてF/F36Dは各サンプルにおける1シンボルの相関出力をCDMA復調回路に出力し、RAM39は、格納されているそれぞれのタイミングの累積加算結果をリセットする。空き時間には上述したような制御は行われない。
【0075】
本発明の実施の形態1のスペクトラム拡散通信用SCによれば、累積加算器18において本発明のサンプル時間構成に従ってサンプル数分の復調信号の累積加算処理を行い、1シンボル分の累積加算処理が終了するとサンプル毎の累積加算結果が相関出力として出力されるようにしたので、伝送路の環境変化に対応した位相制御を容易に行うことのできるスペクトラム拡散通信用SCを提供することができる。
【0076】
また相関演算部を一つ設置するだけで済むため、SC回路規模を縮小できる。特に相関演算部においては、累積加算器の加算器が回路の大半を占めているため、大幅な回路規模の縮小を実現できる。
また、累積加算器18に図3のRAMで構成された回路群を用いることにより、レジスタを複数配列した場合と比較して、累積加算結果の格納箇所の回路規模を縮小でき、一層SC回路の規模を縮小することができる。
【0077】
また、本発明の実施の形態1のスペクトラム拡散通信用SCは、位相制御によるチップタイミングの延長及び短縮が行われた後においても、本発明のサンプル時間構成によってサンプル毎の相関出力を得ることができるものである。
【0078】
また、本発明の実施の形態1のスペクトラム拡散通信用SCは、サンプル対象が減って空き時間が増えた場合にも適用できるものである。例えば4オーバーサンプリングにおいてMainだけをとるような場合、Mainのタイミングに合わせてPNコードが出力され、他の3サンプル時間は空き時間となる。相関演算時でも1チップ時間中Mainのタイミングのみで相関演算が行われ、他は空き時間として処理される。
【0079】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る、スペクトラム拡散通信用SCについて、図5を用いて説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態に係る、スペクトラム拡散通信用SCの構成ブロック図である。このスペクトラム拡散通信用SCは、本発明のサンプル時間構成に従って受信データ及びPNコードの出力タイミングを調整した上で相関出力を行う、位相補正機能を有する複素型SCである。
【0080】
図1のスペクトラム拡散通信用SCでは、Early、Main、Lateの各サンプルが連続したサンプル時間に割り当てられていた場合に対応していたが、本発明の第2の実施の形態(以下、実施の形態2という)に係るスペクトラム拡散通信用SCでは、各サンプルが1サンプル時間置きにサンプリングされている場合、すなわち従来のサンプル時間構成に対応して、各サンプルにおける相関出力を行う。
【0081】
本発明の実施の形態2に係るスペクトラム拡散通信用SCは、A/D変換器51と、PNコードレジスタ52と、F/F55A〜55Fと、相関演算部57とから構成されている。また相関演算部57は、乗算加算器53A〜53Cと、F/F55G〜55Jと、セレクタ59と、累積加算器58とから構成されている。
【0082】
また、本発明の実施の形態2に係るスペクトラム拡散通信用SCでは、受信データの位相のずれに応じて位相制御信号をPNコードレジスタ52及び累積加算器58に出力する制御装置(図示せず)が設けられている。本発明の実施の形態2に係るスペクトラム拡散通信用SCの制御装置の構成及び動作は、本発明の実施の形態1に係るスペクトラム拡散通信用SCの制御装置と同一である。
【0083】
本発明の実施の形態2のスペクトラム拡散通信用SCにおいて、図5では紙面の都合上、同相成分又は直交成分のうち、いずれか一方の成分の相関出力をするための構成のみ図示している。
例えば図5では、A/D変換器51とF/F55A、PNコードレジスタ52とF/F55B〜55Fは一組ずつしか図示されていないが、実際には同相成分及び直交成分の受信データ又はPNコードを出力するため、それぞれ2系列設置する必要がある。
また、本発明の実施の形態2のスペクトラム拡散通信用SCの各F/Fには、データの入出力を行わせるため16Mbpsのクロック周波数が入力されるが、図5では省略している。
【0084】
送信機よりCDMA直交変調されて送信されたアナログ信号は、受信機のアンテナ(図示せず)において受信され、同相成分及び直交成分に分離される。ここでアナログ信号は、4Mcpsのチップレートで送信されている。
アナログ信号はA/D変換器51に入力され、成分別にデジタルの受信データに16Mbpsの速度で変換される。A/D変換器51から出力される受信データは、1ビットずつF/F55Aに格納され、クロック周波数と同期して相関演算部57に出力される。
【0085】
また、PNコードレジスタ52に記憶されている同相成分又は直交成分のPNコードは1ビットずつ16Mbpsの速度で出力され、まずF/F55Bに格納される。
次にF/F55Bに格納されたPNコードは、クロック周波数と同期して相関演算部57及びF/F55Cに出力される。F/F55CはF/F55Dと直列に接続されており、クロック周波数と共に右へシフトされる。F/F55Dに格納されたPNコードは、クロック周波数に同期して相関演算部57に出力される。
さらにF/F55Dに格納されたPNコードは、クロック周波数と同期して相関演算部57及びF/F55Eに出力される。F/F55EもF/F55Fと直列に接続された構成になっており、クロック周波数と共に右へシフトされる。F/F55Fに格納されたPNコードは、クロック周波数と同期して相関演算部57に出力される。
【0086】
図5のスペクトラム拡散通信用SCでは、PNコードを複数のレジスタ列でシフトさせ遅延させることにより受信データを1サンプル時間置きとなるように調整、すなわち従来のサンプル時間構成となるようにして相関演算部57に出力させている。具体的にはF/F55Bから直接相関演算部57に出力されたPNコードはサンプルEarlyの、F/F55DからはサンプルMainの、F/F55FからはサンプルLateのPNコードとして認識される。
相関演算部出力前の受信データ及び各サンプルにおけるPNコードの出力タイミングは、図5の下段左のタイムチャート図に示す通りである。
【0087】
F/F55A及びF/F55B〜55Fから出力された受信データ及びPNコードは、相関演算部57において乗算加算器53A〜53Cにそれぞれ入力され、乗算及び加算が行われる。
ここで乗算加算器53A〜53Cはそれぞれ、図1のスペクトラム拡散通信用SCにおける乗算器13A〜13D及び加算器14A〜14Bと同一の構成からなる。すなわちそれぞれの乗算加算器では図1のスペクトラム拡散通信用SCと同様、直交変調に対する復調信号の導出式(2)及び(3)式に基づいて、各成分における復調信号を出力することができる。
また乗算加算器のうち、乗算加算器53AはサンプルEarlyの、乗算加算器53BはサンプルMainの、乗算加算器53CはサンプルLateの受信データ及びPNコードが入力され、各サンプルにおける各成分の復調信号を出力する。
【0088】
各乗算加算器から出力される相関値である復調信号のタイムチャート図は図5の中央上段の通りであり、この時点では未だ各サンプルはそれぞれ1サンプル時間置きに出力されている。
【0089】
乗算加算器53A〜53Cから出力された同相成分又は直交成分の復調信号は、それぞれの経路に設置されたF/Fに格納され、異なるタイミングで累積加算器58に出力される。
乗算加算器53Aから出力された各成分の復調信号は、F/F55Gに出力される。F/F55GはF/F55Hに直列に接続されており、クロック周波数と共に右へシフトされる。F/F55Hに格納されたPNコードは、クロック周波数と同期してセレクタ59に出力される。
乗算加算器53Bから出力された各成分の復調信号は、F/F55Iに出力され、クロック周波数と同期してセレクタ59に出力される。
また、乗算加算器53Cから出力された各成分の復調信号は、直接セレクタ59に出力される。
【0090】
相関演算部57では、各乗算加算器から出力された復調信号に対して、複数のレジスタ列でシフトさせ遅延させることにより、本発明のサンプル時間構成で復調信号をセレクタ59に出力している。
セレクタに入力される復調信号のタイムチャート図は図5の中央下段のようになり、この時点で各サンプルは連続したサンプル時間に配置される。上述した制御により、相関演算部57は本発明のサンプル時間構成に従って、1チップ時間内で各サンプルの相関出力を行うことが可能となる。
【0091】
図5のスペクトラム拡散通信用SCでは、それぞれの乗算加算器には1系列のレジスタ列が接続されているが、実際には乗算加算器は同相成分及び直交成分の復調信号を出力するため、それぞれの乗算加算器につき、2系列のレジスタ列が必要となる。
【0092】
セレクタ59は入力された各サンプルの復調信号をF/F55Jに出力する。セレクタ59は、本発明のサンプル時間構成に従って、サンプル毎に復調信号を16Mbpsの速度で切り替えてF/F55Jに出力する。すなわちセレクタ59は、1チップ時間中、各サンプルの復調信号を連続した3サンプル時間で出力し、残りの1サンプル時間を空き時間として出力する。
【0093】
既述した通り、図5のスペクトラム拡散通信用SCでは1成分の相関出力を行う場合を想定しているためセレクタは1つであるが、2成分の相関出力を行うためには、成分別にセレクタ59及びF/F55Jを2つ設置する必要がある。
位相制御が行われていない場合のセレクタ59から出力される復調信号のタイムチャート図は図5右側の通りである。
【0094】
F/F55Jに格納された各成分の復調信号は、クロック周波数に同期して累積加算器58に出力される。累積加算器58は、図1のスペクトラム拡散通信用SCにおける累積加算器18と同一の構成であり、位相制御信号に基づいて各サンプルにおける同相成分及び直交成分の復調信号を1シンボル分累積加算し、相関出力する。
【0095】
累積加算器58は図1の累積加算器18と同様、通常空き時間には累積加算処理は行われない。すなわち累積加算器58では、各成分の復調信号の累積加算が行われ、異なるサンプルの相関出力が成分別に得られる。
累積加算器58から出力された相関出力は、CDMA復調回路(図示せず)に入力され、受信データの復調処理が行われる。
【0096】
また、制御装置は受信データの位相のずれを検出し、位相のずれに応じた位相制御信号をPNコードレジスタ52及び累積加算器58に出力する。位相のずれが検出された場合、PNコードレジスタ52では、位相制御信号に基づいて1チップ時間中の空き時間が延長又は短縮され、各成分のPNコードの出力タイミングが調整されることによって位相制御が行われる。
【0097】
同様に累積加算器58は、位相制御信号に基づき、空き時間において累積加算処理を行うか、空き時間を追加するかの制御を行うことによって、位相制御が行われる。
図5のスペクトラム拡散通信用SCにおいて、累積加算器58には、図3で示すようなRAMで構成される回路群を用いた累積加算器を用いてもよい。
【0098】
図6は、本発明の実施の形態2に係るスペクトラム拡散通信用SCの他の構成ブロック図である。図6のスペクトラム拡散通信用SCも、受信データの各サンプルが1サンプル時間置きにサンプリングされる場合に対応して、各サンプルにおける相関出力を行う。
図5のスペクトラム拡散通信用SCでは、各サンプルの受信データの復調演算時にPNコードを受信データのタイミングに合わせて相関演算部に出力し、相関演算部において1チップ時間に累積加算処理を行うよう復調信号の出力タイミングを調整していた。
図6のスペクトラム拡散通信用SCでは、これらのタイミングの調整を相関演算部67に受信データ及びPNコードを出力する前に完了させるよう、レジスタ列を相関演算部67の手前に設置したことを特徴としている。
【0099】
図6のスペクトラム拡散通信用SCにおいて、F/F65B〜65Fは、PNコードを受信データのタイミングに対応させるためのレジスタ列であり、図5のF/F55B〜55Fと同様の役割を果たす。
一方、F/F65G〜65I、F/F65J〜65Lは、本発明のサンプル時間構成に従って1チップ時間に累積加算処理を行わせるように受信データ及びPNコードのタイミングを調整させるためのレジスタ列であり、図5のF/F55G〜55Iに対応している。
【0100】
またセレクタ69A、69Bはそれぞれ、各成分の受信データとPNコードを16Mbpsの速度で順に切り替えて相関演算部67に出力する。セレクタ69A、69Bはそれぞれ、1サンプル時間において、3サンプル時間で受信データ、PNコードをサンプル別に出力し、残りの1サンプル時間を空き時間として出力する。
【0101】
また図6のスペクトラム拡散通信用SCでは、受信データの位相のずれに応じて位相制御信号をPNコードレジスタ62及び累積加算器64に出力する制御装置(図示せず)が設けられている。図6のスペクトラム拡散通信用SCの制御装置の構成及び動作は、本発明の実施の形態1、2に係るスペクトラム拡散通信用SCの制御装置と同一である。
図6を構成するその他の装置については、図5と同一の構成及び動作であるため、説明は省略する。
【0102】
尚、図6のスペクトラム拡散通信用SCにおいても、1成分の相関出力をするための構成のみ図示しており、実際にはA/D変換器61からセレクタ69Aまでの受信データ出力系列と、PNコードレジスタ62からセレクタ69BまでのPNコード出力系列はそれぞれ、成分別に2系列必要になる。
【0103】
本発明の実施の形態2のスペクトラム拡散通信用SCによれば、遅延させるタイミング数分PNコードレジスタに遅延レジスタを接続し、相関演算部において本発明のサンプル時間構成に従って1チップ時間内で各サンプルの相関出力を行うよう復調信号のタイミング調整を行った後サンプル毎の相関出力を行うようにしたので、従来のサンプル時間構成に従う受信データのサンプリングにも対応して相関出力ができ、伝送路の環境変化に対応した位相制御を容易に行える効果がある。また相関演算部を一つ設置すればよいため、SC回路規模を縮小できる効果がある。
【0104】
また図6の構成により、相関演算部67には1チップ時間内でサンプル数分の受信データ及びPNコードが入力されるため、乗算加算器63を一つ設置するだけで足りる。図5のスペクトラム拡散通信用SCと比較して、相関演算部における乗算加算器の数を低減することができるため、相関演算部67の回路規模を縮小でき、SC回路規模を一層縮小することができる。
【0105】
また、本発明の実施の形態2のスペクトラム拡散通信用SCによれば、制御装置によってチップタイミングの延長又は短縮に対応してPNコード生成のタイミング及び累積加算処理を調整する位相制御を実現しているので、伝送路の環境変化が起きた場合でも、サンプルデータ毎の相関出力を正確に得ることができる効果がある。
【0106】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCについて、図7を用いて説明する。図7は、本発明の第3の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCの構成ブロック図である。本発明の第3の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCは、本発明のサンプル時間構成に従って受信データ及びPNコードの出力タイミングを調整した上で相関出力を行う、複数ユーザ毎に位相補正機能を有する複素型SCである。
本発明の第3の実施の形態(以下、実施の形態3という)に係るスペクトラム拡散通信用SCは、異なる拡散符号で変調された2ユーザ分の受信データを1サンプル時間置きにサンプリングする場合、すなわち従来のサンプル時間構成に対応して、各ユーザに対して各サンプルにおける相関出力を行う。
【0107】
本発明の実施の形態3に係るスペクトラム拡散通信用SCは、A/D変換器91と、PNコード1レジスタ92Aと、PNコード2レジスタ92Bと、F/F95A〜95Kと、セレクタ99A〜99Cと、相関演算部97とから構成されている。また相関演算部97は、乗算加算器93A〜93Cと、F/F95L〜95Rと、セレクタ99Dと、累積加算器98とから構成されている。
【0108】
また、本発明の実施の形態3に係るスペクトラム拡散通信用SCでは、受信データの位相のずれに応じた位相制御信号をPNコード1レジスタ92Aと、PNコード2レジスタ92B及び累積加算器98に出力する制御装置(図示せず)が設けられている。本発明の実施の形態3に係るスペクトラム拡散通信用SCの制御装置の構成及び動作は、本発明の実施の形態1に係るスペクトラム拡散通信用SCの制御装置と同様である。
【0109】
本発明の実施の形態3のスペクトラム拡散通信用SCにおいて、図7では紙面の都合上、同相成分又は直交成分のうち、いずれか一方の成分の相関出力をするための構成のみ図示している。
例えば図7では、A/D変換器91とF/F95A、PNコード1レジスタ92AとF/F95B〜95Gのレジスタ列、PNコード2レジスタ92BとF/F95C〜95Kのレジスタ列は一組ずつしか図示されていないが、実際には同相成分及び直交成分の受信データ又はPNコードを出力するため、それぞれ2系列設置する必要がある。
また、本発明の実施の形態3のスペクトラム拡散通信用SCで用いられるF/Fのうち、相関演算部97で用いられるF/Fには32Mbpsの、それ以外のF/Fには16Mbpsのクロック周波数が入力されるが、図7では省略している。
【0110】
送信機よりCDMA直交変調されて送信されたアナログ信号は、受信機のアンテナ(図示せず)において受信され、同相成分及び直交成分に分離される。ここでアナログ信号は、4Mcpsのチップレートで送信されており、2ユーザ分の送信データがそれぞれ異なる変調信号で変調され、合成されている。
アナログ信号はA/D変換器91に入力され、成分別にデジタルの受信データに16Mbpsの速度で変換される。A/D変換器91から出力される受信データは、1ビットずつF/F95Aに格納され、クロック周波数と同期して相関演算部97に出力される。
【0111】
PNコード1レジスタ92A、PNコード2レジスタ92Bにはそれぞれ、ユーザ1及びユーザ2からの受信データの変調の際に用いられた各成分のPNコードが記憶されており、それぞれ16Mbpsの速度でF/F95B、95CにPNコードを1ビットずつ出力する。
また、PNコード1レジスタ92A及びPNコード2レジスタ92Bには、制御装置から位相制御信号が入力されており、位相制御信号に基づく出力タイミングでPNコードを出力している。
【0112】
PNコード1レジスタ92Aから出力されたPNコードは、F/F95B及び95D〜95Gで形成される多段の構成からなるレジスタ列のいずれかを通ることで遅延化され、それぞれが1サンプル時間置きに配置された同一のPNコードを出力することができる。
【0113】
同様に、PNコード2レジスタ92Bから出力されたPNコードは、F/F95C及び95H〜95Kで形成される多段の構成からなるレジスタ列のいずれかを通ることで遅延化され、それぞれが1サンプル時間置きで同一のPNコードを出力することができる。
すなわち図9のスペクトラム拡散通信用SCでは、ユーザ1及びユーザ2のPNコードを複数のレジスタ列でシフトさせ遅延させることにより、受信データのサンプリングに対応させてセレクタ99A〜99Cに出力させている。
【0114】
セレクタ99A〜99Cのうち、セレクタ99AにはサンプルEarlyのユーザ1及びユーザ2のPNコードが、セレクタ99BにはサンプルMainのユーザ1及びユーザ2のPNコードが、セレクタ99CにはサンプルLateのユーザ1及びユーザ2のPNコードが入力される。
セレクタ99A〜99Cは、入力されたPNコードをサンプルレートのユーザ数倍、すなわち32Mbpsの速度で切り替えて相関演算部97に出力する。
【0115】
F/F95Aから出力された受信データ及びセレクタ99A〜99Cから出力された各ユーザのPNコードは、相関演算部97において乗算加算器93A〜93Cにそれぞれ入力され、乗算及び加算が行われ、復調信号が出力される。
ここで乗算加算器93A〜93Cはそれぞれ、図1のスペクトラム拡散通信用SCにおける乗算器13A〜13D及び加算器14A〜14Bと同一の構成からなるが、演算速度は32Mbpsの速度で行われる。
また乗算加算器のうち、乗算加算器93AはサンプルEarlyの、乗算加算器93BはサンプルMainの、乗算加算器93CはサンプルLateの受信データ及びPNコードが入力され、各サンプルにおける各成分の復調信号を出力する。
【0116】
乗算加算器93A〜93Cから出力された同相成分又は直交成分の復調信号は、それぞれの経路に設置されたF/Fに格納、遅延され、本発明のサンプル時間構成に従ってセレクタ99Dに出力される。
乗算加算器93Aから出力された各成分の復調信号は、F/F95L〜95Oに出力される。F/F95L〜95Oは直列に接続されており、32Mbpsのクロック周波数と共に順に右へシフトされる。F/F95Oに格納された復調信号は、クロック周波数と同期してセレクタ99Dに出力される。
乗算加算器93Bから出力された各成分の復調信号は、F/F95P〜95Qに出力される。F/F95P〜95Qは直列に接続されており、32Mbpsのクロック周波数と共に順に右へシフトされる。F/F95Qに格納された復調信号は、クロック周波数と同期してセレクタ99Dに出力される。
また、乗算加算器93Cから出力された各成分の復調信号は、直接セレクタ99Dに出力される。
【0117】
相関演算部97では、各乗算加算器から出力された復調信号に対して、複数のレジスタ列でシフトさせ遅延させることにより、本発明のサンプル時間構成で復調信号をセレクタ99Dに出力している。
上述した制御により、相関演算部97は本発明のサンプル時間構成に従って、1チップ時間内で各ユーザにおける各サンプルの相関出力を行うことが可能となる。
【0118】
図7のスペクトラム拡散通信用SCでは、それぞれの乗算加算器には1系列のレジスタ列が接続されているが、実際には乗算加算器は同相成分及び直交成分の復調信号を出力するため、それぞれの乗算加算器につき、2系列のレジスタ列が必要となる。
【0119】
セレクタ99Dは入力された各タイミングの復調信号を、ユーザ毎かつサンプル毎に32Mbpsの速度で切り替えてF/F95Rに出力する。すなわちセレクタ99Dは1チップ時間において、ユーザ1のEarly、Main、Late、ユーザ2のEarly、Main、Late、といった順番で復調信号を切り替えてF/F95Rに出力し、残りの1サンプル時間を空き時間として出力する。
既述したように、図7のスペクトラム拡散通信用SCでは1成分の相関出力を行う場合を想定しているためセレクタは1つであるが、2成分の相関出力を行うためには、成分別にセレクタ99D及びF/F95Rを設置する必要がある。
【0120】
F/F95Rに格納された各成分の復調信号は、32Mbpsのクロック周波数に同期して累積加算器98に出力される。累積加算器98は、図3で示されるRAMで構成される回路群を用いた累積加算器であり、各RAMは2ユーザ分の各サンプルの累積加算結果を格納できるよう、格納用のアドレスを6つ有するような構成となる。
累積加算器98は、位相制御信号に基づいて、各ユーザの復調信号をサンプル毎に1シンボル分累積加算を行い、累積加算結果を相関出力として出力する。
【0121】
累積加算器98から出力された相関出力は、CDMA復調回路(図示せず)に入力され、受信データの復調処理が行われる。
制御装置は受信データの位相のずれを検出し、位相のずれに応じた位相制御信号をPNコード1レジスタ92AとPNコード2レジスタ92B及び累積加算器98に出力する。位相のずれが検出された場合、PNコードレジスタでは、位相制御信号に基づいて1チップ時間中の空き時間が延長又は短縮され、各成分のPNコードの出力タイミングが調整されることによって位相制御が行われる。
【0122】
同様に累積加算器98は、位相制御信号に基づき、空き時間において累積加算処理を行うか、空き時間を追加するかの制御を行われることによって、位相制御が行われる。
【0123】
図8は、本発明の実施の形態3に係るスペクトラム拡散通信用SCの他の構成ブロック図である。図8のスペクトラム拡散通信用SCも、受信データの各サンプルが1サンプル時間置きに入力される場合に対応して、各ユーザに対して各サンプルにおける相関出力を行う。
図7のスペクトラム拡散通信用SCでは、各サンプルの受信データの復調演算時にPNコードを受信データのタイミングに合わせて相関演算部に出力し、相関演算部において1チップ時間に累積加算処理を行うよう復調信号の出力タイミングを調整していた。
図8のスペクトラム拡散通信用SCでは、これらのタイミングの調整を相関演算部97に受信データ及びPNコードを出力する前に完了させるよう、レジスタ列を相関演算部97の手前に設置したことを特徴としている。
【0124】
図8のスペクトラム拡散通信用SCにおいて、F/F105B及びF/F105D〜105G、F/F105C及びF/F105H〜105Kは、PNコードを受信データのタイミングに対応させるためのレジスタ列であり、図7のF/F95B及びF/F95D〜95G、F/F95C及びF/F95H〜95Kと同様の役割を果たす。
【0125】
一方、F/F105L〜105N、F/F105O〜105Q、F/F105R〜105Tは、本発明のサンプル時間構成に従って1チップ時間に累積加算処理を行わせるように受信データ及びPNコードのタイミングを調整させるためのレジスタ列であり、図7の95L〜95Qに対応している。
【0126】
またセレクタ109Aは、各成分の受信データをサンプル別に、16Mbpsの速度で切り替えて相関演算部107に出力する。セレクタ109Bは、各成分のPNコードを、ユーザ別且つサンプル別に、32Mbpsの速度で切り替えて相関演算部107に出力する。セレクタ109A、109Bはそれぞれ、1チップ時間において、3サンプル時間で受信データ、PNコードをユーザ別且つサンプル別に出力し、残りの1サンプル時間を空き時間として出力する。
【0127】
また図8のスペクトラム拡散通信用SCでは、受信データの位相のずれに応じて位相制御信号をPNコード1レジスタ102A、PNコード2レジスタ102B及び累積加算器108に出力する制御装置(図示せず)が設けられている。図8のスペクトラム拡散通信用SCの制御装置の構成及び動作は、図7の制御装置と同一である。
図8を構成するその他の装置については、図9と同一の構成及び動作であるため、説明は省略する。
【0128】
尚、図8のスペクトラム拡散通信用SCにおいても、1成分の相関出力をするための構成のみ図示しており、実際にはA/D変換器101からセレクタ109Aまでの受信データ出力系列と、各PNコードレジスタからセレクタ109BまでのPNコード出力系列はそれぞれ、成分別に2系列必要になる。
【0129】
本発明の実施の形態3のスペクトラム拡散通信用SCによれば、遅延させるタイミング数分PNコードレジスタに遅延レジスタを接続し、サンプルレートのユーザ数倍の速度で受信データ又はPNコードを切り替えて相関演算部に出力するセレクタを設け、相関演算部において1チップ時間内で各サンプルの相関出力を行うよう復調信号のタイミング調整を行い、サンプル毎の相関出力を行うようにしたので、従来のサンプル時間構成に従う受信データのサンプリングにも対応してサンプル毎に複数ユーザの相関出力ができ、かつSC回路規模を縮小できる効果がある。
【0130】
また図8の構成により、相関演算部107には1チップ時間内でサンプル数分の受信データ及びPNコードが入力されるため、乗算加算器103を一つ設置するだけで足りる。図7のスペクトラム拡散通信用SCと比較して、相関演算部における乗算加算器の数を低減することができるため、相関演算部の回路規模を縮小することができ、SC回路規模を一層縮小できる効果がある。
【0131】
また、本発明の実施の形態3のスペクトラム拡散通信用SCは、本発明の実施の形態2のスペクトラム拡散通信用SCと同様に、制御装置によってチップタイミングの延長又は短縮に対応してPNコード生成のタイミング及び累積加算処理を調整する位相制御を実現しているので、伝送路の環境変化が起きた場合でも、サンプルデータ毎の相関出力を正確に得ることができる効果がある。
【0132】
次に、本発明の第4の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCについて、図9を用いて説明する。図9は、本発明の第4の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCの構成ブロック図である。本発明の第4の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCは、本発明のサンプル時間構成に従って受信データ及びPNコードの出力タイミングを調整し、成分別に相関演算をして相関出力を行う、位相補正機能を有する複素型SCである。
本発明の第4の実施の形態(以下、実施の形態4という)に係るスペクトラム拡散通信用SCは、受信データを1サンプル時間置きにサンプリングする場合、すなわち従来のサンプル時間構成に対応して、各サンプルにおける相関出力を行う。
【0133】
本発明の実施の形態4に係るスペクトラム拡散通信用SCは、A/D変換器71A及び71Bと、PNコードレジスタI72Aと、PNコード2レジスタQ72Bと、F/F75A〜75Lと、セレクタ79A及び79Bと、相関演算部77とから構成されている。また相関演算部77は、乗算加算器73A〜73Cと、F/F75M〜75Rと、セレクタ79Cと、累積加算器78とから構成されている。
【0134】
また、本発明の実施の形態4に係るスペクトラム拡散通信用SCでは、受信データの位相のずれに応じて、位相制御信号をPNコードレジスタI72AとPNコードレジスタQ72B及び累積加算器78に出力する制御装置(図示せず)が設けられている。本発明の実施の形態4に係るスペクトラム拡散通信用SCの制御装置の構成及び動作は、本発明の実施の形態1に係るスペクトラム拡散通信用SCの制御装置と同様である。
【0135】
また、本発明の実施の形態4のスペクトラム拡散通信用SCで用いられるF/Fのうち、相関演算部77で用いられるF/Fには32Mbpsの、それ以外のF/Fには16Mbpsのクロック周波数が入力されるが、図9では省略している。
【0136】
送信機よりCDMA直交変調されて送信されたアナログ信号は、受信機のアンテナ(図示せず)において受信され、同相成分及び直交成分に分離される。ここでアナログ信号は、4Mcpsのチップレートで送信されている。
アナログ信号の同相成分はA/D変換器71Aに、直交成分はA/D変換器71Bに入力され、それぞれデジタルの受信データに16Mbpsの速度で変換される。A/D変換器71Aと71Bから出力される受信データはそれぞれ、1ビットずつF/F15Aと15Bに格納され、クロック周波数と同期してセレクタ79A及び79Bに出力される。
【0137】
各成分の受信データは、セレクタ79A及び79Bに出力される際に、必要に応じて符号が反転される。例えばF/F75Aから出力される同相成分の受信データは、セレクタ79Bに出力されると、符号が反転される。その他の場合については、そのままセレクタ79A及び79Bに出力される。
セレクタ79A及び79Bは32Mbpsの速度で、入力された各成分の受信データを交互に切り替えて相関演算部77に出力する。セレクタ79A及び79Bには、いずれの受信データを出力するかを制御する制御信号(図示せず)が入力されており、この制御信号に従って受信データが出力される。図9のスペクトラム拡散通信用SCにおいて、制御信号は、例えばクロック周波数を用いてもよい。
図9のSCにおいて、受信データの反転を行うために、セレクタ79Bの入力端子の手前には、例えば反転器などを設けてもよい。
【0138】
PNコードレジスタI72A、PNコードレジスタQ72Bにはそれぞれ、受信データの変調の際に用いられた同相成分と直交成分のPNコードが記憶されており、それぞれ16Mbpsの速度でF/F75C、75DにPNコードを1ビットずつ出力する。
また、PNコードレジスタI72A及びPNコードレジスタQ72Bには、制御装置から位相制御信号が入力されており、位相制御に基づく出力タイミングでPNコードを出力している。
【0139】
PNコードレジスタI72Aから出力されたPNコードは、F/F75C及び75D〜75Gで形成される多段の構成からなるレジスタ列のいずれかを通ることで遅延化され、それぞれが1サンプル時間置きに同一の同相成分のPNコードを出力することができる。
【0140】
同様に、PNコードレジスタQ72Bから出力されたPNコードは、F/F75H及び75I〜75Lで形成される多段の構成からなるレジスタ列のいずれかを通ることで遅延化され、それぞれが1サンプル時間置きに同一の直交成分のPNコードを出力することができる。
すなわち図9のスペクトラム拡散通信用SCでは、同相成分及び直交成分のPNコードを複数のレジスタ列でシフトさせ遅延させることにより、受信データのサンプリングに対応させて相関演算部77に出力させている。
【0141】
セレクタ79A及び79Bから出力された各成分の受信データと、F/F75C及び75D〜75G、75H及び75I〜75Lから出力された各成分のPNコードは、相関演算部77において乗算加算器73A〜73Cにそれぞれ入力され、乗算及び加算が行われ、復調信号が出力される。
【0142】
図15は本発明の第4の実施の形態のスペクトラム拡散通信用SCの基本構成ブロック図であり、1サンプルの受信データについて相関出力を行うものである。尚、図15のSCにおける各素子についての構成及び動作は、図9の対応する各素子と同一である。
【0143】
図15において、相関演算部157における乗算器153A及び153Bと、加算器154は図9の乗算加算器に相当する。セレクタ159A、159Bから出力される各成分の受信データはそれぞれ、乗算器153A、153Bに出力される。セレクタ159A及び159Bは各成分の受信データを交互に出力するため、乗算器153A及び153Bと加算器154の構成で、各成分の相関演算を行うことができる。
【0144】
すなわち、セレクタ159Aからは同相、直交、同相、といった順番で、セレクタ159Bからは直交、同相、直交、といった順番で受信データを出力することにより、乗算器153A及び153Bと加算器154によって(2)(3)式を実現でき、サンプルにおける同相成分及び直交成分の相関演算結果が交互に得られる。
図9のSCでは、異なるサンプル毎に乗算加算器73A〜73Cが設けられており、各サンプルにおける各成分の相関演算結果を交互に出力できる。また、乗算加算器73A〜73Cにおける演算速度は32Mbpsの速度で行われる。
【0145】
乗算加算器のうち、乗算加算器73AにはEarlyの、乗算加算器73BにはMainの、乗算加算器73CにはLateの各サンプルの受信データ及びPNコードが入力され、各サンプルにおける各成分の復調信号を出力する。
【0146】
乗算加算器73A〜73Cから出力された同相成分又は直交成分の復調信号は、それぞれの経路に設置されたF/Fに格納、遅延され、本発明のサンプル時間構成に従ってセレクタ79Cに出力される。
乗算加算器73Aから出力された各成分の復調信号は、F/F75M〜75Pに出力される。F/F75M〜75Pは直列に接続されており、32Mbpsのクロック周波数と共に順に右へシフトされる。F/F75Pに格納された復調信号は、クロック周波数と同期してセレクタ79Cに出力される。
乗算加算器73Bから出力された各成分の復調信号は、F/F75Q〜75Rに出力される。F/F95Q〜75Rは直列に接続されており、32Mbpsのクロック周波数と共に順に右へシフトされる。F/F95Qに格納された復調信号は、クロック周波数と同期してセレクタ79Cに出力される。
また、乗算加算器73Cから出力された各成分の復調信号は、直接セレクタ79Cに出力される。
【0147】
相関演算部77では、各乗算加算器から出力された復調信号に対して、複数のレジスタ列でシフトさせ遅延させることにより、本発明のサンプル時間構成で復調信号をセレクタ79Dに出力している。
上述した制御により、相関演算部77は本発明のサンプル時間構成に従って、1チップ時間内で各ユーザにおける各サンプルの相関出力を行うことが可能となる。
【0148】
セレクタ79Cは入力された各タイミングの復調信号を、サンプル毎に且つ成分毎に32Mbpsの速度で切り替えてF/F75Sに出力する。すなわちセレクタ79Cは1チップ時間において、同相成分のEarly、直交成分のEarly、同相成分のMain、直交成分のMain、といった順番で復調信号を切り替えてF/F75Sに出力し、全ての復調信号を出力し終わった後で、残りの1サンプル時間を空き時間として出力する。
【0149】
F/F75Sに格納された各成分の復調信号は、32Mbpsのクロック周波数に同期して累積加算器78に出力される。累積加算器78は、図3で示されるRAMで構成される回路群を用いた累積加算器であり、各RAMは両成分の各サンプルの累積加算結果を格納できるよう、格納用のアドレスを6つ有するような構成となる。
累積加算器78は、位相制御信号に基づいて、各成分の復調信号をサンプル毎に1シンボル分累積加算を行い、累積加算結果を相関出力として出力する。
【0150】
累積加算器78から出力された相関出力は、CDMA復調回路(図示せず)に入力され、受信データの復調処理が行われる。
制御装置は受信データの位相のずれを検出し、これに基づいて位相制御信号をPNコードレジスタI72AとPNコードレジスタQ72B及び累積加算器78に出力する。位相のずれが検出された場合、PNコードレジスタでは、位相制御信号に基づいて1チップ時間中の空き時間が延長又は短縮され、各成分のPNコードの出力タイミングが調整されることによって位相制御が行われる。
【0151】
同様に累積加算器78は、位相制御信号に基づき、空き時間において累積加算処理を行うか、空き時間を追加するかの制御が行われることによって、位相制御が行われる。
【0152】
図10は、本発明の実施の形態4に係るスペクトラム拡散通信用SCの他の構成ブロック図である。図10のスペクトラム拡散通信用SCも、受信データが1サンプル時間置きに入力される場合に対応して、各サンプルにおける相関出力を行う。
図9のスペクトラム拡散通信用SCでは、各サンプルの受信データの復調演算時にPNコードを受信データのタイミングに合わせて相関演算部に出力し、相関演算部において1チップ時間に累積加算処理を行うよう復調信号の出力タイミングを調整していた。
図10のスペクトラム拡散通信用SCでは、これらのタイミングの調整を相関演算部87に受信データ及びPNコードを出力する前に完了させるよう、レジスタ列を相関演算部87の手前に設置したことを特徴としている。
【0153】
図10のスペクトラム拡散通信用SCにおいて、F/F85C及びF/F85E〜85H、F/F85D及びF/F85I〜85Lは、PNコードを受信データのタイミングに対応させるためのレジスタ列であり、F/F85M〜85O、F/F85P〜85R、F/F85S〜85U、F/F85V〜85Xは、本発明のサンプル時間構成に従って1チップ時間に累積加算処理を行わせるように受信データ及びPNコードのタイミングを調整させるためのレジスタ列である。
【0154】
またセレクタ89A及び89Bは、各成分の受信データをサンプル別に、32Mbpsの速度で交互に切り替えて相関演算部87に出力する。またセレクタ89Bでは、符号の反転が行われた上で同相成分の受信データの入力が行われる。セレクタ89Aは1チップ時間において、受信データを、同相成分のEarly、直交成分のEarly、同相成分のMain、直交成分のMain、といった順番で出力し、全ての受信データを出力し終わった後で、残りの1サンプル時間を空き時間として出力する。
セレクタ89Bは1チップ時間において、受信データを、直交成分のEarly、同相成分のEarly、直交成分のMain、同相成分のMain、といった順番で出力し、全ての受信データを出力し終わった後で、残りの1サンプル時間を空き時間として出力する。
セレクタ89A及び89Bには、いずれの受信データを出力するかを制御する制御信号(図示せず)が入力されており、この制御信号に従って受信データが出力される。図10のスペクトラム拡散通信用SCにおいて、制御信号は、例えばクロック周波数を用いてもよい。
【0155】
セレクタ89C、89Dはそれぞれ、同相成分、直交成分のPNコードをサンプル別に、32Mbpsの速度で切り替えて相関演算部87に出力する。セレクタ89C及び89Dは、1チップ時間において、3サンプル時間で各成分のPNコードをサンプル別に出力し、残りの1サンプル時間を空き時間として出力する。
【0156】
また図10のスペクトラム拡散通信用SCでは、受信データの位相のずれに応じて位相制御信号をPNコードレジスタI82AとPNコードレジスタQ82B及び累積加算器88に出力する制御装置(図示せず)が設けられている。図10のスペクトラム拡散通信用SCの制御装置の構成及び動作は、図9の制御装置と同一である。
図10を構成するその他の装置については、図9と同一の構成及び動作であるため、説明は省略する。
【0157】
本発明の実施の形態4のスペクトラム拡散通信用SCによれば、遅延させるタイミング数分PNコードレジスタに遅延レジスタを接続し、サンプルレートのユーザ数倍の速度で受信データ又はPNコードを切り替えて相関演算部に出力するセレクタを設け、相関演算部において1チップ時間内で各サンプルの相関出力を行うよう復調信号のタイミング調整を行い、サンプル毎の相関出力を行うようにしたので、従来のサンプル時間構成に従う受信データのサンプリングにも対応してサンプル毎に相関出力ができ、かつSC回路規模を縮小できる効果がある。
特に乗算加算器の動作速度を倍にしたことで、乗算器及び加算器の組が一系列で済むため乗算加算器の回路規模を半減でき、一層SC回路規模を縮小できる効果がある。
【0158】
また図10の構成により、相関演算部87には1チップ時間内でサンプル数分の受信データ及びPNコードが入力されるため、乗算加算器83を一つ設置するだけで足りる。図9のスペクトラム拡散通信用SCと比較して、相関演算部における乗算加算器の数を低減することができるため、相関演算部の回路規模を縮小することができ、SC回路規模をさらに縮小できる効果がある。
【0159】
また、本発明の実施の形態4のスペクトラム拡散通信用SCは、本発明の実施の形態2及び3のスペクトラム拡散通信用SCと同様に、制御装置によってチップタイミングの延長又は短縮に対応してPNコード生成のタイミングを調整する位相制御を実現しているので、伝送路の環境変化が起きた場合でも、サンプルデータ毎の相関出力を正確に得ることができる効果がある。
【0160】
図9及び図10のSCは、一つの拡散符号で変調された受信データの相関出力を行うものであるが、SCを構成する各素子の動作速度を整数倍にすることで、複数の拡散符号で変調された受信データの相関出力を行うことができる。
【0161】
本発明の各々の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCは、受信データのサンプリング数、ユーザ数及びアンテナ数によらず適用できるものである。また、A/D変換器のデジタル変換速度、クロック周波数の速度も、用いる回路の性能に応じて決定してよい。
また、本発明の各々の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCは、直交変調方式だけでなく、他の直接拡散変調方式にも対応できるものである。
【0162】
【発明の効果】
本発明によれば、拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号に対し、拡散符号に対応した逆拡散符号との相関演算を行い、相関演算結果を累積加算して相関出力として出力するスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、累積加算処理を行う前に空き時間を1チップ時間内に1つ以上設け、アナログ受信信号の位相のずれがない場合、空き時間には累積加算処理を行わず、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれが発生した場合には、ずれに応じて逆拡散符号の出力位相を調整すると共に、累積加算処理において、空き時間に累積加算を行うか又は空き時間を追加するスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータとしたことにより、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小できる効果がある。
【0163】
また、本発明によれば、拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、位相制御信号に基づいて、拡散符号に対応した逆拡散符号を出力する逆拡散符号発生部と、デジタル受信信号と逆拡散符号との相関演算をサンプル別に行い、1チップ時間内に一つ以上の空き時間を含むようになった演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、位相制御信号に基づいて、復調演算部から出力された復調信号をサンプル別に空き時間を除いて累積加算を行い、若しくは空き時間において累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えるスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータとしたことにより、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小できる効果がある。
【0164】
また、本発明によれば、スペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、位相制御信号に基づいて、拡散符号に対応した逆拡散符号を出力する逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号をサンプル別に遅延時間を調整して出力する逆拡散符号遅延時間調整部と、サンプル別に設けられ、デジタル受信信号と、逆拡散符号遅延時間調整部から出力された逆拡散符号との相関演算を行い、演算結果を復調信号として出力する複数の復調演算部と、全ての復調演算器から出力された各サンプルの復調信号を、1チップ時間内で出力する復調信号遅延時間調整部と、復調信号遅延時間調整部から出力された復調信号をサンプル別に切り替えて、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて出力する復調信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、復調信号セレクタから出力された復調信号をサンプル別に空き時間を除いて累積加算を行い、若しくは空き時間において累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えるスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータとしたことにより、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小できる効果がある。
【0165】
また、本発明によれば、スペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、デジタル受信信号を、サンプル別に遅延時間を調整する受信信号遅延時間調整部と、受信信号遅延時間調整部から出力されたデジタル受信信号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めてサンプル別に切り替えて出力する受信信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、拡散符号に対応した逆拡散符号を出力する逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する逆拡散符号遅延時間調整部と、逆拡散符号遅延時間調整部から出力された逆拡散符号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めてサンプル別に切り替えて出力する逆拡散符号セレクタと、受信信号遅延時間調整部から出力されたデジタル受信信号と、逆拡散符号セレクタから出力された逆拡散符号との相関演算をサンプル別に行い、演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、位相制御信号に基づいて、復調演算部から出力された復調信号をサンプル別に空き時間を除いて累積加算を行い、若しくは空き時間において累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えるスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータとしたことにより、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小できる効果がある。
【0166】
また、本発明によれば、複数種の拡散符号によりスペクトラム拡散変調された複数のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、位相制御信号に基づいて、各々のアナログ受信信号で用いられた拡散符号に対応した逆拡散符号をそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号をサンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、サンプル別に設けられ、各々の逆拡散符号発生部から出力された各サンプルの逆拡散符号を逆拡散符号の種別に、サンプルレートの整数倍の速さで切り替えて出力する複数の逆拡散符号セレクタと、サンプル別に設けられ、デジタル受信信号と、対応するサンプルの逆拡散符号セレクタから出力された逆拡散符号との相関演算をサンプルレートの整数倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する複数の復調演算部と、全ての復調演算器から出力された各サンプルの復調信号を、1チップ時間内で出力する復調信号遅延時間調整部と、復調信号遅延時間調整部から出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に、サンプルレートの整数倍の速さで切り替えて、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて出力する復調信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、復調信号セレクタから出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えるスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータとしたことにより、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小できる効果がある。
【0167】
また、本発明によれば、複数種の拡散符号によりスペクトラム拡散変調された複数のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、デジタル受信信号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する受信信号遅延時間調整部と、受信信号遅延時間調整部から出力されたデジタル受信信号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めてサンプル別に切り替えて出力する受信信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、各々のアナログ受信信号で用いられた拡散符号に対応した逆拡散符号をそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、各々の逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて、サンプルレートの整数倍の速さで切り替えて出力する逆拡散符号セレクタと、デジタル受信信号と、逆拡散符号セレクタから出力された逆拡散符号との相関演算を逆拡散符号の種別及びサンプル別に、サンプルレートの整数倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、位相制御信号に基づいて、復調演算部から出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えるスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータとしたことにより、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小できる効果がある。
【0168】
また、本発明によれば、スペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、直交変調に対応した拡散符号によりスペクトラム拡散変調された同相成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第1のA/D変換器と、拡散符号によりスペクトラム拡散変調された直交成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第2のA/D変換器と、各A/D変換器から出力された各成分のデジタル受信信号をサンプルレートの2倍の速度で、交互に切り替えて出力する第1の受信信号セレクタと、各A/D変換器から出力された各成分のデジタル受信信号のうち、同相成分については符号を反転し、サンプルレートの2倍の速度で、各成分のデジタル受信信号を交互に切り替えて出力する第2の受信信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、アナログ受信信号で用いられた複素拡散符号に対応した逆拡散符号を成分別にそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号をサンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、サンプル別に設けられ、第1、第2の受信信号セレクタから出力されたデジタル受信信号と、逆拡散符号との相関演算を成分毎にサンプルレートの2倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する複数の復調演算部と、全ての復調演算器から出力された各サンプルの復調信号を、1チップ時間内で出力する復調信号遅延時間調整部と、復調信号遅延時間調整部から出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速さで切り替えて、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて出力する復調信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、復調信号セレクタから出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えるスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータとしたことにより、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小できる効果がある。
【0169】
また、本発明によれば、直交変調に対応した拡散符号によりスペクトラム拡散変調された同相成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第1のA/D変換器と、拡散符号によりスペクトラム拡散変調された直交成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第2のA/D変換器と、A/D変換器毎に設けられ、対応するA/D変換器から出力されたデジタル受信信号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の受信信号遅延時間調整部と、各々の受信信号遅延時間調整部から出力された各成分のデジタル受信信号を、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収め、成分別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速度で交互に切り替えて出力する第1の受信信号セレクタと、各々のA/D変換器から出力された各成分のデジタル受信信号のうち、同相成分については符号を反転し、各成分のデジタル受信信号を、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収め、成分別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速度で交互に切り替えて出力する第2の受信信号セレクタと、位相制御信号に基づいて、アナログ受信信号で用いられた複素拡散符号に対応した逆拡散符号を成分別にそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、各々の逆拡散符号発生部から出力された逆拡散符号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収め、成分別及びサンプル別にサンプルレートの速さで切り替えて出力する複数の逆拡散符号セレクタと、第1、第2の受信信号セレクタから出力されたデジタル受信信号と、逆拡散符号セレクタから出力された逆拡散符号との相関演算を成分別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、位相制御信号に基づいて、復調演算器から出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、伝送路の環境の変化によるアナログ受信信号の位相のずれを検出し、ずれに応じた位相制御信号を出力し、位相制御信号を用いて逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えるスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータとしたことにより、伝送路の環境変化に対応して相関出力を行うことができ、かつ回路規模を縮小できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCの構成ブロック図である。
【図2】図1のスペクトラム拡散通信用SCにおける累積加算器に用いられる、各成分の累積加算を行う回路群の構成ブロック図である。
【図3】図1のスペクトラム拡散通信用SCにおける累積加算器に用いられる、各成分の累積加算を行う回路群の他の構成ブロック図である。
【図4】チップタイミングの位相制御時におけるタイムチャート図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCの構成ブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCの他の構成ブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCの構成ブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCの他の構成ブロック図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCの構成ブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCの他の構成ブロック図である。
【図11】従来のスペクトラム拡散通信用SCの構成ブロック図である。
【図12】従来のスペクトラム拡散通信用複素型SCの構成ブロック図である。
【図13】位相補正機能を有する、従来のスペクトラム拡散通信用複素型SCの構成ブロック図である。
【図14】従来及び本発明におけるチップタイミングとサンプルの関係を示した図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信用SCの基本構成ブロック図である。
【符号の説明】
11A,11B,51,61,71A,71B,81A,81B,91,101,111,121A,121B,131A,131B,151A,151B…A/D変換器、 12A,12B,52,62,72A,72B,82A,82B,92A,92B,102A,102B,112,123A,123B,133A,133B,152A,152B…PNコードレジスタ、 17,57,67,77,87,97,107,127,137A,137B,137C,157…相関演算部、 18,58,64,78,88,98,108,128,158…累積加算器
Claims (8)
- 拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号に対し、前記拡散符号に対応した逆拡散符号との相関演算を行い、相関演算結果を累積加算して相関出力として出力するスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータにおいて、
前記累積加算処理を行う前に空き時間を1チップ時間内に一つ以上設け、
前記アナログ受信信号の位相のずれがない場合、空き時間には前記累積加算処理を行わず、
伝送路の環境の変化による前記アナログ受信信号の位相のずれが発生した場合には、前記ずれに応じて前記逆拡散符号の出力位相を調整すると共に、前記累積加算処理において、空き時間に累積加算を行うか又は空き時間を追加することを特徴とするスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータ。 - 拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、
位相制御信号に基づいて、前記拡散符号に対応した逆拡散符号を出力する逆拡散符号発生部と、
前記デジタル受信信号と前記逆拡散符号との相関演算をサンプル別に行い、1チップ時間内に一つ以上の空き時間を含むようになった演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、
位相制御信号に基づいて、前記復調演算部から出力された復調信号をサンプル別に空き時間を除いて累積加算を行い、若しくは空き時間において累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、
伝送路の環境の変化による前記アナログ受信信号の位相のずれを検出し、前記ずれに応じた位相制御信号を出力し、前記位相制御信号を用いて前記逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、前記累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータ。 - 拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、
位相制御信号に基づいて、前記拡散符号に対応した逆拡散符号を出力する逆拡散符号発生部と、
前記逆拡散符号発生部から出力された前記逆拡散符号をサンプル別に遅延時間を調整して出力する逆拡散符号遅延時間調整部と、
サンプル別に設けられ、前記デジタル受信信号と、前記逆拡散符号遅延時間調整部から出力された前記逆拡散符号との相関演算を行い、演算結果を復調信号として出力する複数の復調演算部と、
全ての前記復調演算器から出力された各サンプルの復調信号を、1チップ時間内で出力する復調信号遅延時間調整部と、
前記復調信号遅延時間調整部から出力された前記復調信号をサンプル別に切り替えて、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて出力する復調信号セレクタと、
位相制御信号に基づいて、前記復調信号セレクタから出力された復調信号をサンプル別に空き時間を除いて累積加算を行い、若しくは空き時間において累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、
伝送路の環境の変化による前記アナログ受信信号の位相のずれを検出し、前記ずれに応じた位相制御信号を出力し、前記位相制御信号を用いて前記逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、前記累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータ。 - 拡散符号によりスペクトラム拡散変調されたアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、
前記デジタル受信信号を、サンプル別に遅延時間を調整する受信信号遅延時間調整部と、
前記受信信号遅延時間調整部から出力された前記デジタル受信信号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めてサンプル別に切り替えて出力する受信信号セレクタと、
位相制御信号に基づいて、前記拡散符号に対応した逆拡散符号を出力する逆拡散符号発生部と、
前記逆拡散符号発生部から出力された前記逆拡散符号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する逆拡散符号遅延時間調整部と、
前記逆拡散符号遅延時間調整部から出力された前記逆拡散符号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めてサンプル別に切り替えて出力する逆拡散符号セレクタと、
前記受信信号遅延時間調整部から出力された前記デジタル受信信号と、前記逆拡散符号セレクタから出力された前記逆拡散符号との相関演算をサンプル別に行い、演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、
位相制御信号に基づいて、前記復調演算部から出力された復調信号をサンプル別に空き時間を除いて累積加算を行い、若しくは空き時間において累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、
伝送路の環境の変化による前記アナログ受信信号の位相のずれを検出し、前記ずれに応じた位相制御信号を出力し、前記位相制御信号を用いて前記逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、前記累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータ。 - 複数種の拡散符号によりスペクトラム拡散変調された複数のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、
位相制御信号に基づいて、各々の前記アナログ受信信号で用いられた拡散符号に対応した逆拡散符号をそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、
前記逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する前記逆拡散符号発生部から出力された前記逆拡散符号をサンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、
サンプル別に設けられ、各々の前記逆拡散符号発生部から出力された各サンプルの前記逆拡散符号を逆拡散符号の種別に、サンプルレートの整数倍の速さで切り替えて出力する複数の逆拡散符号セレクタと、
サンプル別に設けられ、前記デジタル受信信号と、対応するサンプルの逆拡散符号セレクタから出力された前記逆拡散符号との相関演算をサンプルレートの整数倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する複数の復調演算部と、
全ての前記復調演算器から出力された各サンプルの復調信号を、1チップ時間内で出力する復調信号遅延時間調整部と、
前記復調信号遅延時間調整部から出力された前記復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に、サンプルレートの整数倍の速さで切り替えて、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて出力する復調信号セレクタと、
位相制御信号に基づいて、前記復調信号セレクタから出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、
伝送路の環境の変化による前記アナログ受信信号の位相のずれを検出し、前記ずれに応じた位相制御信号を出力し、前記位相制御信号を用いて前記逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、前記累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータ。 - 複数種の拡散符号によりスペクトラム拡散変調された複数のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換するA/D変換器と、
前記デジタル受信信号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する受信信号遅延時間調整部と、
前記受信信号遅延時間調整部から出力された前記デジタル受信信号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めてサンプル別に切り替えて出力する受信信号セレクタと、
位相制御信号に基づいて、各々の前記アナログ受信信号で用いられた拡散符号に対応した逆拡散符号をそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、
前記逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する前記逆拡散符号発生部から出力された前記逆拡散符号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、
各々の前記逆拡散符号発生部から出力された前記逆拡散符号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて、サンプルレートの整数倍の速さで切り替えて出力する逆拡散符号セレクタと、
前記デジタル受信信号と、前記逆拡散符号セレクタから出力された前記逆拡散符号との相関演算を逆拡散符号の種別及びサンプル別に、サンプルレートの整数倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、
位相制御信号に基づいて、前記復調演算部から出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの整数倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、
伝送路の環境の変化による前記アナログ受信信号の位相のずれを検出し、前記ずれに応じた位相制御信号を出力し、前記位相制御信号を用いて前記逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、前記累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータ。 - 直交変調に対応した拡散符号によりスペクトラム拡散変調された同相成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第1のA/D変換器と、
前記拡散符号によりスペクトラム拡散変調された直交成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第2のA/D変換器と、
前記各A/D変換器から出力された各成分の前記デジタル受信信号をサンプルレートの2倍の速度で、交互に切り替えて出力する第1の受信信号セレクタと、
前記各A/D変換器から出力された各成分の前記デジタル受信信号のうち、同相成分については符号を反転し、サンプルレートの2倍の速度で、各成分の前記デジタル受信信号を交互に切り替えて出力する第2の受信信号セレクタと、
位相制御信号に基づいて、前記アナログ受信信号で用いられた複素拡散符号に対応した逆拡散符号を成分別にそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、
前記逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する前記逆拡散符号発生部から出力された前記逆拡散符号をサンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、
サンプル別に設けられ、前記第1、第2の受信信号セレクタから出力された前記デジタル受信信号と、前記逆拡散符号との相関演算を成分毎にサンプルレートの2倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する複数の復調演算部と、
全ての前記復調演算器から出力された各サンプルの復調信号を、1チップ時間内で出力する復調信号遅延時間調整部と、
前記復調信号遅延時間調整部から出力された前記復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速さで切り替えて、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収めて出力する復調信号セレクタと、
位相制御信号に基づいて、前記復調信号セレクタから出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、
伝送路の環境の変化による前記アナログ受信信号の位相のずれを検出し、前記ずれに応じた位相制御信号を出力し、前記位相制御信号を用いて前記逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、前記累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータ。 - 直交変調に対応した拡散符号によりスペクトラム拡散変調された同相成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第1のA/D変換器と、
前記拡散符号によりスペクトラム拡散変調された直交成分のアナログ受信信号を一定のサンプルレートでデジタル受信信号に変換する第2のA/D変換器と、
前記A/D変換器毎に設けられ、対応する前記A/D変換器から出力された前記デジタル受信信号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の受信信号遅延時間調整部と、
各々の前記受信信号遅延時間調整部から出力された各成分の前記デジタル受信信号を、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収め、成分別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速度で交互に切り替えて出力する第1の受信信号セレクタと、
各々の前記A/D変換器から出力された各成分の前記デジタル受信信号のうち、同相成分については符号を反転し、各成分の前記デジタル受信信号を、一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収め、成分別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速度で交互に切り替えて出力する第2の受信信号セレクタと、
位相制御信号に基づいて、前記アナログ受信信号で用いられた複素拡散符号に対応した逆拡散符号を成分別にそれぞれ出力する複数の逆拡散符号発生部と、
前記逆拡散符号発生部毎に設けられ、対応する前記逆拡散符号発生部から出力された前記逆拡散符号を、サンプル別に遅延時間を調整して出力する複数の逆拡散符号遅延時間調整部と、
各々の前記逆拡散符号発生部から出力された前記逆拡散符号を一つ以上の空き時間を含めて1チップ時間内に収め、成分別及びサンプル別にサンプルレートの速さで切り替えて出力する複数の逆拡散符号セレクタと、
前記第1、第2の受信信号セレクタから出力された前記デジタル受信信号と、前記逆拡散符号セレクタから出力された前記逆拡散符号との相関演算を成分別及びサンプル別に、サンプルレートの2倍の速さで行い、演算結果を復調信号として出力する復調演算部と、
位相制御信号に基づいて、前記復調演算器から出力された復調信号を逆拡散符号の種別及びサンプル別に空き時間を除いてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間においてサンプルレートの2倍の速さで累積加算を行い、若しくは空き時間を追加する処理を行い、累積加算結果を相関出力として出力する累積加算部と、
伝送路の環境の変化による前記アナログ受信信号の位相のずれを検出し、前記ずれに応じた位相制御信号を出力し、前記位相制御信号を用いて前記逆拡散符号発生部からの出力位相を調整すると共に、前記累積加算部に対して空き時間において累積加算処理を行わせるか又は空き時間を追加させる処理を行わせる制御部を備えることを特徴とするスペクトラム拡散通信用スライディングコリレータ。
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