JP3808604B2 - X線ct装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リフォメーション(Reformation)画像の生成方法およびX線CT(Computed Tomography)装置に関し、さらに詳しくは、リコン(Reconstruction)画像の平面と交わる平面の画像であるリフォメーション画像をリコン画像の生成と並行して生成することが出来るリフォメーション画像の生成方法およびX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図15は、従来のX線CT装置の一例の構成図である。
このX線CT装置500は、スキャナ装置1と,処理装置52と,大容量記憶装置3と,表示モニタ4と,入力装置5とを具備して構成されている。
【0003】
前記スキャナ装置1は、被検体に対してX線管および検出器を一つの軸(通常は被検体の体軸に合致する)に沿って相対移動し、当該軸上の断面位置で止め、前記軸の周りにX線管および検出器を回転させて画像データの生成に必要な全ビューのデータを収集する。なお、X線管のみ回転させ、検出器を回転させない場合もある。
【0004】
前記処理装置52は、データ取得部2aと,リコン画像生成部2b’と,ボリュームデータ生成部2hと,リフォメーション画像生成部2c’と,画像表示部2dとを具備している。
【0005】
図16は、操作者による設定のフローチャートである。
ステップO1では、図18に示すように、Z軸(この軸に沿って、被検体に対してX線管および検出器を相対移動する)上の複数の断面位置S1〜S6を操作者が設定する。
ステップO2では、図24に示すように、リフォメーション平面Rf_Pを操作者が設定する。
【0006】
図17は、前記データ取得部2aの処理のフローチャートである。なお、フローチャートはPAD(Program Analysis Diagram)で示している。
ステップV1では、被検体に対してX線管および検出器をZ軸に沿って相対移動し、各断面位置S1,…,S6ごとにステップV2を繰り返す。なお、相対移動するとは、被検体を静止しX線管および検出器をZ軸に沿って移動させる場合とX線管および検出器を静止し被検体をZ軸に沿って移動させる場合の両方を含む意味である。
ステップV2では、X線管と検出器とをZ軸の周り(被検体の周り)に回転させてビュー(view)を変え、各ビューごとにステップV3を繰り返す。
ステップV3では、検出器からデータを取得する。
以上により、各断面位置S1,…,S6でのリコン画像の生成に必要な全ビューのデータ(以下、データセットという)が得られる。
【0007】
図19は、前記リコン画像生成部2b’の処理のフローチャートである。
ステップJ1’では、各ビューのデータのコンボリューション演算を行い、コンボリューション・データを求める。
ステップJ2では、各断面位置S1,…,S6でのデータセットごとにステップJ3’〜J5を繰り返す。
ステップJ3’では、データセットに対して画像再構成演算(逆投影演算)を行い、リコン画像を求める。そして、リコン画像を大容量記憶装置3に記憶する。
ステップJ4では、リコン画像を表示するように操作者が指示したかを判定する。操作者が指示したなら、ステップJ5に進む。操作者が指示してないなら、前記ステップJ2に戻る。
ステップJ5では、リコン画像を画像表示部2dに渡し、リコン画像を表示させる。そして、前記ステップJ2に戻る。
以上により、図20に示すように、各断面位置S1,…,S6でのリコン画像G1,…,G6が順に生成され、表示される。
【0008】
図21は、前記ボリュームデータ生成部2hの処理を示すフローチャートである。
ステップL1では、全ての断面位置S1〜S6でのリコン画像G1〜G6を大容量記憶装置3から読み出す。
ステップL2では、図22に示すように、リコン画像G1〜G6により各断面位置S1〜S6の間を補間して、ボリュームデータVDを算出する。
【0009】
図23は、前記リフォメーション画像生成部2c’の処理のフローチャートである。
ステップF1では、図24に示すように、リフォメーション平面Rf_P上のボリュームデータVDを取り出し、リフォメーション画像Rfを生成する。そして、リフォメーション画像Rfを大容量記憶装置3に記憶する。
ステップF2では、リフォメーション画像Rfを画像表示部2dに渡し、表示モニタ4で表示させる。
【0010】
図25は、前記データ取得部2aと前記リコン画像生成部2b’と前記ボリュームデータ生成部2hと前記リフォメーション画像生成部2c’の各処理のタイムチャートである。
時刻t0は、スキャン開始時刻である。時刻tjは、リフォメーション画像Rfが得られる時刻である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のX線CT装置500では、次の問題点がある。
(1)リコン画像を全て生成した後からボリュームデータを生成し、それからリフォメーション画像Rfを生成するため、リフォメーション画像Rfが得られるまでの時間が長くかかる。また、検査の現場において断層像の表示と並行して李フォーメーション画像を表示することのリアルタイム性が得られない。
(2)高画質のリフォメーション画像Rfを得るためには、密な間隔でリコン画像を生成すればよいが、そうすると時間がかかり過ぎるため、実際上、ある程度リコン画像の間隔を疎にして画質では妥協せざるを得ない。
そこで、本発明の目的は、リコン画像の生成と並行してリフォメーション画像を高速に生成でき、画質も高水準に維持することが可能なリフォメーション画像の生成方法およびその方法を好適に実施しうるX線CT装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の観点では、本発明は、被検体の体軸上に任意に定められた複数の断面位置の各断面位置おいて前記被検体の体軸周りに少なくともX線管を回転させ、該被検体をはさんで該X線管と対向する検出器にてビューデータを取得し、前記複数の断面位置の各断面位置に定められるリコン画像平面上にリコン画像を生成するとともに、該リコン画像平面と交わる任意の平面をリフォメーション画像平面として定め、該リフォ一メーション画像平面上にリフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成方法であって、前記リコン画像の生成と並行して、ひとつのリコン画像平面とこれに隣り合う他方のリコン画像平面との間をこれらのリコン画像平面と平行な分割乎面にて分割したときの該分割平面と前記リフォメーション画像平面との交線上における前記リフォメーション画像の画像情報の算出を順次行い、リフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成方法を提供する。
ある断面位置を第1の断面位置とし、その一つ後の断面位置を第2の断面位置とする。そして、第1の断面位置で得られた第iビューのデータをData1(i)で表し、当該断面位置におけるリフォメーション画像部分(当該断面位置に含まれるリフォメーション画像Rfの部分)をRI▲1▼とし、その生成に必要なビュー数をmとし、Conv{}をコンボリューション関数とするとき、リフォメーション画像部分RI▲1▼は、次式で与えられる。この式は第1の断面位置におけるリコン画像平面とリフォメーション画像平面との交線における画像情報を与える。
RI▲1▼=i=1 mΣ{Conv{Data1(i)}} …(1)
次に、第1の断面位置と第2の断面位置の間をこれらのリコン画像平面と平行な平面でm分割したとき、これらの平面とリフォメーション画像平面の交線にあたる各中間位置におけるリフォメーション画像部分をそれぞれRI▲1▼(1:m)〜RI▲1▼(m-1:m)とし、第2の断面位置で得られた第iビューのデータをData2(i)で表すとき、リフォメーション画像部分RI▲1▼(1:m)は、次式で与えられる。
RI▲1▼(1:m)=RI▲1▼+Conv{Data2(1)}−Conv{Data1(1)} …(2)
なぜなら、リフォメーション画像部分RI▲1▼(1:m)は、第1の断面位置でのデータと第2の断面位置でのデータを(m−1):1で含んでいるため、その比率で第1の断面位置と第2の断面位置の間を内分した位置に対応すると考えられるからである。
同様に、第1の断層位置から第2の断層位置の間のリフォメーション画像部分RIは、次式で与えられる。
RI▲1▼(2:m)=RI▲1▼(1:m)+Conv{Data2(2)}−Conv{Data1(2)} …(3)
…
RI▲1▼(m-1:m)=RI▲1▼(m-2:m)+Conv{Data2(m-1)}−Conv{Data1(m-1)}
ここで、リフォメーション画像部分RI▲1▼は、第1の断面位置におけるリコン画像G1の一部を取り出せばよいから、上記(1)式は実際には計算しなくてもよい。また、上記(2)式以降に使うコンボリューション・データConv{Data1(1)}〜Conv{Data2(m-1)}は、リコン画像Gを生成するために元々使用していたデータである。よって、リフォメーション画像部分RI▲1▼(1:m)〜RI▲1▼(m-1:m)を求めるために新たに必要になる処理は加減算だけであり、僅かな処理の増加だけで済む。
上記リフォメーション画像部分RI▲1▼(1:m)〜RI▲1▼(m-1:m)を合成すれば、第1の断層位置と第2の断層位置の間のリフォメーション画像部分RI1-2が得られる。第2の断層位置と第3の断層位置の間およびそれ以後の断層位置の間でも同様の処理を繰り返し、得られたリフォメーション画像部分RI1-2,RI2-3,…を合成すれば、リフォメーション画像Rfが得られる。
なお、上記リフォメーション画像部分RI▲1▼(1:m)〜RI▲1▼(m-1:m)を全て求めれば高画質のリフォメーション画像Rfを生成できるが、データ量を減らすため、画質の低下を許容できる範囲で適当に間引いて(上記(2)式以降の式を適当にまとめて)、リフォメーション画像部分を求めてもよい。
【0013】
さて、上記第1の観点によるリフォメーション画像の生成方法では、ある断面位置と一つ後の断面位置の間の前記軸方向の所定位置のリフォメーション画像部分の生成に必要なビューのデータを前記一つ後の断面位置で取得する毎に、上記(2)式以降の式(または(2)式以降の式を適当にまとめた式)を用いて前記所定位置のリフォメーション画像部分を生成することを、前記軸方向に前記所定位置を移動させながら繰り返す。よって、リコン画像の生成と並行して高速にリフォメーション画像を生成でき、リコン画像の断層像の表示とリフォメーション画像の表示とが連動することによるリアルタイム性が得られる。また、画質も高水準に維持される。
【0014】
第2の観点では、本発明は、X線管及び被検体をはさんで該X線管と対向する検出器に対して被検体を該被検体の体軸方向に相対移動しながら、前記被検体の体軸周りに少なくともX線管を回転させ、該検出器にてビューデータを取得し、被検体の体軸上に任意に定められた複数の断面位置の各断面位置に定められるリコン画像平面上にリコン画像を生成するとともに、該リコン画像の平面と交わる任意の平面をリフォメーション画像平面として定め、該リフォメーション画像平面上にリフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成方法であって、前記リコン画像の生成と並行して、リコン画像平面と平行であって所望の数のビユーに対応したピッチで想定された平面と前記リフォメーション画像平面との交線上における前記リフォメーション画像の画像情報の算出を順次行い、リフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成方法を提供する。
ヘリカルスキャンにより軸方向の各撮影位置で得られたデータを順にDatah(1),Datah(2),Datah(3),…で表し、軸方向の第1の所定位置におけるリフォメーション画像部分をRI▲1▼とし、その生成に必要なビュー数をmとし、Conv{}をコンボリューション関数とするとき、リフォメーション画像部分RI▲1▼は、次式で与えられる。但し、軸方向の第1の所定位置には1つのビューのデータしかないため、他のビューのデータは前後の撮影位置のデータから補間処理により求める。
RI▲1▼=i=1 mΣ{Conv{Datah(i)}} …(4)
次に、第1の所定位置から1ビュー分進んだ第2の所定位置におけるリフォメーション画像部分をRI▲1▼(1)とするとき、リフォメーション画像部分RI▲1▼(1)は、次式で与えられる。
RI▲1▼(1)=RI▲1▼+Conv{Datah(m+1)}−Conv{Datah(1)} …(5)
なぜなら、リフォメーション画像部分RI▲1▼(1)は、第1の所定位置で用いたデータよりも1ビュー分だけ進んだ第2の所定位置でのデータを用いているため、1ビュー分だけ進んだ第2の所定位置に対応すると考えられるからである。
同様に、新たなビューのデータを取得した第2の所定位置以後の所定位置でのリフォメーション画像部分RIは、次式で与えられる。
RI▲1▼(2)=RI▲1▼(1)+Conv{Datah(m+2)}−Conv{Datah(2)} …(6)
RI▲1▼(3)=RI▲1▼(2)+Conv{Datah(m+3)}−Conv{Datah(3)}
…
ここで、リコン画像G1を生成する断面位置を第1の所定位置とすれば、リフォメーション画像部分RI▲1▼は、リコン画像G1の一部を取り出せばよいから、上記(4)式は実際には計算しなくてもよい。また、上記(5)式以降に使うコンボリューション・データConv{Datah(i)}は、リコン画像Gを生成するために元々使用していたデータである。よって、リフォメーション画像部分RI▲1▼(1),RI▲1▼(2),…を求めるために新たに必要になる処理は加減算だけであり、僅かな処理の増加だけで済む。
上記リフォメーション画像部分RI▲1▼(1),RI▲1▼(2),…を合成すれば、リフォメーション画像Rfが得られる。
なお、上記リフォメーション画像部分RI▲1▼(1),RI▲1▼(2),…を全て求めれば高画質のリフォメーション画像Rfを生成できるが、データ量を減らすため、画質の低下を許容できる範囲で適当に間引いて(上記(5)式以降の式を適当にまとめて)、リフォメーション画像部分を求めてもよい。
【0015】
さて、上記第2の観点によるリフォメーション画像の生成方法では、所定位置のリフォメーション画像部分の生成に必要なビューのデータを取得する毎に、上記(5)式以降の式(または(5)式以降の式を適当にまとめた式)を用いて前記所定位置のリフォメーション画像部分を生成することを、前記軸方向に前記所定位置を移動させながら繰り返す。よって、リコン画像の生成と並行して高速にリフォメーション画像を生成でき、リコン画像の断層像の表示とリフォメーション画像の表示とが連動することによるリアルタイム性が得られる。また、画質も高水準に維持される。
【0016】
第3の観点では、本発明は、被検体の体軸上に任意に定められた複数の断面位置の各断面位置において前記体軸周りに回転可能なX線管と、該被検体をはさんで該X線管と対向しうる位置に設けられ、ビューデータを取得する検出器と、前記複数の断面位置の各断面位置に定められるリコン画像平面上にリコン画像を生成するリコン画像生成手段と、該リコン画像の平面と交わる任意の平面をリフォメーション画像平面として定めたとき、該リフォメーション画像平面上にリフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成手段であって、前記リコン画像の生成と並行して、ひとつのリコン画像平面とこれに隣り合う他方のリコン面像平面との間をこれらのリコン画像平面と平行な分割平面にて分割したときの該分割平面と前記リフォメーション画像平面との交線上における前記リフォメーション画像の画像情報の算出を順次行い、リフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成手段とを具備したX線CT装置を提供する。
上記第3の観点によるX線CT装置では、上記第1の観点によるリフォメーション画像の生成方法を好適に実施できる。
【0017】
第4の観点では、本発明は、X線管及び被検体をはさんで該X線管と対向する検出器に対して被検体を該被検体の体軸方向に相対移動しながら、前記被検体の体軸周りに少なくともX線管を回転させ、該検出器にてビューデータを取得し、被検体の体軸上に任意に定められた複数の断面位置の各断面位置に定められるリコン画像平面上にリコン画像を生成するX線CT装置において、該リコン画像の平面と交わる任意の平面をリフォメーション面像平面として定め、該リフォメーション画像平面上にリフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成手段であって、前記リコン面像の生成と並行して、リコン画像平面と平行であって所望の数のビューに対応したピッチで想定された平面と前記リフォメーション画像平面との交線上における前記リフォメーション画像の画像情報の算出を順次行い、リフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成手段を設けたことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第4の観点によるX線CT装置では、上記第2の観点によるリフォメーション画像の生成方法を好適に実施できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す本発明の実施形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0019】
−第1の実施形態−
図1は、本発明の第1の実施形態のX線CT装置の構成図である。
このX線CT装置100は、スキャナ装置1と,処理装置2と,大容量記憶装置3と,表示モニタ4と,入力装置5とを具備して構成されている。
【0020】
前記スキャナ装置1は、被検体に対してX線管および検出器を一つの軸(通常は被検体の体軸に合致する)に沿って相対移動し、当該軸上の断面位置で止め、前記軸の周りにX線管および検出器を回転させてリコン画像の生成に必要な全ビューのデータを収集する。なお、X線管のみ回転させ、検出器を回転させない場合もある。
前記処理装置2は、データ取得部2aと,リコン画像生成部2bと,リフォメーション画像逐次生成部2cと,画像表示部2dとを具備している。
【0021】
図2は、操作者による設定のフローチャートである。
ステップO1では、図18に示すように、Z軸(この軸に沿って、被検体に対してX線管および検出器を相対移動する)上の複数の断面位置S1〜S6を操作者が設定する。
ステップO2では、図24に示すように、リフォメーション平面Rf_Pを操作者が設定する。
【0022】
図3は、前記データ取得部2aの処理のフローチャートである。なお、フローチャートはPAD(Program Analysis Diagram)で示している。
ステップV1では、被検体に対してX線管および検出器をZ軸に沿って相対移動し、各断面位置S1,…,S6ごとにステップV2を繰り返す。なお、相対移動するとは、被検体を静止しX線管および検出器をZ軸に沿って移動させる場合とX線管および検出器を静止し被検体をZ軸に沿って移動させる場合の両方を含む意味である。
ステップV2では、X線管と検出器とをZ軸の周り(被検体の周り)に回転させてビュー(view)を変え、各ビューごとにステップV3を繰り返す。
ステップV3では、検出器からデータを取得する。
以上により、各断面位置S1,…,S6でのリコン画像の生成に必要な全ビューのデータ(以下、データセットという)が得られる。
【0023】
図4は、前記リコン画像生成部2bの処理のフローチャートである。
ステップJ1では、各ビューのデータのコンボリューション演算を行い、コンボリューション・データを求めると共にリフォメーション画像生成部2cに渡す。
ステップJ2では、各断面位置S1,…,S6でのデータセットごとにステップJ3〜J5を繰り返す。
ステップJ3では、データセットに対して画像再構成演算(逆投影演算)を行い、リコン画像を求める。そして、リコン画像を、大容量記憶装置3に記憶すると共にリフォメーション画像生成部2cに渡す。
ステップJ4では、リコン画像を表示するように操作者が指示したかを判定する。操作者が指示したなら、ステップJ5に進む。操作者が指示してないなら、前記ステップJ2に戻る。
ステップJ5では、リコン画像を画像表示部2dに渡し、リコン画像を表示させる。そして、前記ステップJ2に戻る。
以上により、図20に示すように、各断面位置S1,…,S6でのリコン画像G1,…,G6が順に生成され、表示される。
【0024】
図5は、前記リフォメーション画像生成部2cの処理を示すフローチャートである。
ステップA1では、リコン画像生成部2bからリコン画像が渡される毎にステップA2を実行する。
ステップA2では、リコン画像生成部2bから渡されたリコン画像におけるリフォメーション画像部分(当該リコン画像に含まれるリフォメーション画像Rfの部分)を取り出す。このようなリフォメーション画像部分は、図6に示すRI▲1▼やRI▲2▼の部分である。
ステップA3では、リコン画像とリコン画像の間の位置のリフォメーション画像部分を生成できるコンボリューション・データが得られる毎にステップA4を実行する。このようなリフォメーション画像部分は、図6に示すRI▲1▼(1:m)やRI▲1▼(2:m)やRI▲1▼(3:m)の部分である。
ステップA4では、先述の(2)式以降の式を用いて、リコン画像とリコン画像の間の位置のリフォメーション画像部分を生成する。
ステップA5では、図6に示すように、それまでに生成したリフォメーション画像部分RI▲1▼(1:m),RI▲1▼(2:m),RI▲1▼(3:m),…を合成し、徐々にリフォメーション画像Rfを完成させる。
ステップA6では、徐々に完成して行くリフォメーション画像Rfを画像表示部2dに渡し、表示させる。
【0025】
図7は、前記データ取得部2aと前記リコン画像生成部2bと前記リフォメーション画像生成部2cの各処理のタイムチャートである。
リコン画像の生成を行うのと並列にリフォメーション画像Rfの生成を進めるため、リフォメーション画像Rfを高速に生成でき、リアルタイム性が得られるようになる。また、高画質を得ることも可能になる。
【0026】
−第2の実施形態−
図8は、本発明の第2の実施形態のX線CT装置の構成図である。
このX線CT装置200は、スキャナ装置1と,処理装置20と,大容量記憶装置3と,表示モニタ4と,入力装置5とを具備して構成されている。
【0027】
前記スキャナ装置1は、被検体に対してX線管および検出器を一つの軸に沿って相対移動しながら当該軸の周りにX線管および検出器を回転させてリコン画像の生成に必要な各ビューのデータを次々に収集するヘリカルスキャン(helical scan)を行うことが出来る。なお、X線管のみ回転させ、検出器を回転させない場合もある。
前記処理装置20は、データ取得部2eと,リコン画像生成部2fと,リフォメーション画像生成部2gと,画像表示部2dとを具備している。
【0028】
図9は、操作者による設定のフローチャートである。
ステップO11では、Z軸(この軸に沿って、被検体に対してX線管および検出器を相対移動する)上の撮影範囲とピッチ(X線管の1回転に対応するZ軸上の移動距離)を操作者が設定する。
ステップO12では、図18に示すように、Z軸上の複数の断面位置S1〜S6を操作者が設定する。
ステップO13では、図24に示すように、リフォメーション平面Rf_Pを操作者が設定する。
【0029】
図10は、前記データ取得部2eの処理のフローチャートである。
ステップH1では、ヘリカルスキャンによりリコン画像の生成に必要な各ビューのデータを次々に取得する。
【0030】
図11は、前記リコン画像生成部2fの処理のフローチャートである。
ステップR1では、リコン画像の生成に必要なビューのデータを補間処理により求める。ここで、必要なビューのデータとは、リコン画像を画像再構成演算により生成するためのデータセットを補間演算により算出するのに必要なデータ(例えばリコン画像に対応するZ軸上の位置の前後180゜回転分のデータや前後360゜回転分のデータ)を意味する。また、オーバーラップリコン(特開平9−51892号)の場合は、先に生成したリコン画像に重み付け加減算して次のリコン画像を生成するのに必要なデータを意味する。
ステップR2では、各ビューのデータのコンボリューション演算を行い、コンボリューション・データを求めると共にリフォメーション画像生成部2gに渡す。
ステップR3では、各断面位置S1,…,S6でのデータセットごとにステップR4〜R6を繰り返す。
ステップR4では、データセットに対して画像再構成演算(逆投影演算)を行い、リコン画像を求める。そして、リコン画像を、大容量記憶装置3に記憶すると共にリフォメーション画像生成部2gに渡す。
ステップR5では、リコン画像を表示するように操作者が指示したかを判定する。操作者が指示したなら、ステップR6に進む。操作者が指示してないなら、前記ステップR3に戻る。
ステップR6では、リコン画像を画像表示部2dに渡し、リコン画像を表示させる。そして、前記ステップR3に戻る。
以上により、図20に示すように、各断面位置S1,…,S6でのリコン画像G1,…,G6が順に生成され、表示される。
【0031】
図12は、前記リフォメーション画像生成部2gの処理のフローチャートである。
ステップB1では、リコン画像生成部2fからリコン画像が渡される毎にステップB2を実行する。
ステップB2では、リコン画像生成部2fから渡されたリコン画像におけるリフォメーション画像部分(当該リコン画像に含まれるリフォメーション画像Rfの部分)を取り出す。このようなリフォメーション画像部分は、図13に示すRI▲1▼やRI▲2▼の部分である。
ステップB3では、新たなリフォメーション画像部分を生成できるコンボリューション・データが得られる毎にステップB4を実行する。このようなリフォメーション画像部分は、図13に示すRI▲1▼(1),RI▲1▼(2),RI▲1▼(3),…の部分である。
ステップB4では、先述の(5)式以降の式を用いて、新たなリフォメーション画像部分を生成する。
ステップB5では、図13に示すように、それまでに生成したリフォメーション画像部分RI▲1▼(1),RI▲1▼(2),RI▲1▼(3),…を合成し、徐々にリフォメーション画像Rfを完成させる。
ステップB6では、徐々に完成して行くリフォメーション画像Rfを画像表示部2dに渡し、表示させる。
【0032】
図14は、前記データ取得部2eと前記リコン画像生成部2fと前記リフォメーション画像生成部2gの各処理のタイムチャートである。
リコン画像の生成を行うのと並列にリフォメーション画像Rfの生成を進めるため、リフォメーション画像Rfを高速に生成でき、リアルタイム性が得られるようになる。また、高画質を得ることも可能になる。また、ヘリカルスキャンを行うため、スキャン時間を短縮できる。
【0033】
【発明の効果】
本発明のリフォメーション画像の生成方法およびX線CT装置によれば、リコン画像の生成を行うのと並列にリフォメーション画像Rfの生成を進めることが出来る。このため、リフォメーション画像Rfを高速に生成でき、リコン画像の断層像の表示とリフォメーション画像の表示とが連動することによるリアルタイム性が得られる。また、画質も高水準に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のX線CT装置の構成図である。
【図2】図1のX線CT装置における操作者による設定のフローチャートである。
【図3】図1のX線CT装置におけるデータ取得処理のフローチャートである。
【図4】図1のX線CT装置におけるリコン画像生成処理のフローチャートである。
【図5】図1のX線CT装置におけるリフォメーション画像生成処理のフローチャートである。
【図6】リフォメーション画像部分の説明図である。
【図7】図1のX線CT装置の動作のタイムチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態のX線CT装置の構成図である。
【図9】図8のX線CT装置における操作者による設定のフローチャートである。
【図10】図8のX線CT装置におけるデータ取得処理のフローチャートである。
【図11】図8のX線CT装置におけるリコン画像生成処理のフローチャートである。
【図12】図8のX線CT装置におけるリフォメーション画像生成処理のフローチャートである。
【図13】リフォメーション画像部分の説明図である。
【図14】図8のX線CT装置の動作のタイムチャートである。
【図15】従来のX線CT装置の一例の構成図である。
【図16】図8のX線CT装置における操作者による設定のフローチャートである。
【図17】図15のX線CT装置におけるデータ取得処理のフローチャートである。
【図18】複数の断面位置の説明図である。
【図19】図15のX線CT装置によるリコン画像生成処理のフローチャートである。
【図20】複数のリコン画像の説明図である。
【図21】図15のX線CT装置におけるボリュームデータ生成処理のフローチャートである。
【図22】ボリュームデータの説明図である。
【図23】図15のX線CT装置におけるリフォメーション画像生成処理を示すフローチャートである。
【図24】リフォメーション画像の説明図である。
【図25】図15のX線CT装置の動作のタイムチャートである。
【符号の説明】
100,200 X線CT装置
1 スキャナ装置
2,20 処理装置
2a,2e データ取得部
2b,2f リコン画像生成部
2c,2g リフォメーション画像生成部
2d 画像表示部
3 大容量記憶装置
4 表示モニタ
5 入力装置
Claims (4)
- 被検体の体軸上に任意に定められた複数の断面位置の各断面位置において前記体軸周りに回転可能なX線管と、
該被検体をはさんで該X線管と対向しうる位置に設けられ、ビューデータを取得する検出器と、
前記複数の断面位置の各断面位置に定められるリコン画像平面上にリコン画像を生成するリコン画像生成手段と、
該リコン画像の平面と交わる任意の平面をリフォメーション画像平面として定めたとき、該リフォメーション画像平面上にリフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成手段であって、ひとつのリコン画像平面とこれに隣り合う他方のリコン画像平面との間をこれらのリコン画像平面と平行な分割平面にてm分割し、前記ひとつのリコン画像平面で得られた第iビューのデータをData1(i)とし、そのリコン画像平面におけるリフォメーション画像部分をRI1とし、コンボリューション関数をConv{}としたとき、RI1が
RI1=i=1 mΣ{Conv{Data1(i)}}
で与えられることに基づいて、前記リコン画像の生成と並行して、前記分割平面と前記リフォメーション画像平面との交線上における前記リフォメーション画像の画像情報の算出を順次行い、リフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項1に記載のX線CT装置において、
前記リフォメーション画像生成手段は、前記m分割したとき、前記交線にあたる各中間位置におけるリフォメーション画像部分をそれぞれRI1(1:m)〜RI1(m-1:m)とし、前記他方のリコン画像平面で得られた第iビューのデータをData2(i)としたとき、リフォメーション画像部分が、
RI1(1:m)=RI1+Conv{Data2(1)}− Conv{Data1(1)}
RI1(2:m)=RI1(1:m)+Conv{Data2(2)}− Conv{Data1(2)}
・・・
RI1(m-1:m)=RI1(m-2:m)+Conv{Data2(m-1)}− Conv{Data1(m-1)}
で与えられることに基づいて、リフォメーション画像を生成することを特徴とするX線CT装置。 - X線管及び被検体をはさんで該X線管と対向する検出器に対して被検体を該被検体の体軸方向に相対移動しながら、前記被検体の体軸周りに少なくともX線管を回転させてヘリカルスキャンを行い、該検出器にてビューデータを取得し、被検体の体軸上に任意に定められた複数の断面位置の各断面位置に定められるリコン画像平面上にリコン画像を生成するX線CT装置において、
該リコン画像の平面と交わる任意の平面をリフォメーション画像平面として定め、該リフォメーション画像平面上にリフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成手段であって、前記ヘリカルスキャンにより体軸方向の各撮影位置で得られたデータを順にDatah(1), Datah(2), Datah(3), ・・・とし、体軸方向の第1の所定位置におけるリフォメーション画像部分をRI1とし、その生成に必要なビュー数をmとし、コンボリューション関数をConv{}としたとき、RI1が
RI1=i=1 mΣ{Conv{Datah(i)}}
で与えられることに基づいて、前記リコン画像の生成と並行して、リコン画像平面と平行であって所望の数のビューに対応したピッチで想定された平面と前記リフォメーション画像平面との交線上における前記リフォメーション画像の画像情報の算出を順次行い、リフォメーション画像を生成するリフォメーション画像生成手段を具備したことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項3に記載のX線CT装置において、
前記リフォメーション画像生成手段は、前記第1の所定位置から1ビュー分進んだ第2の所定位置におけるリフォメーション画像部分をRI1(1)としたとき、RI1(1)が、
RI1(1)=RI1+Conv{Datah(m+1)}− Conv{Datah(1)}
で与えられ、同様に、前記第2の所定位置から1ビュー分進んだ第3の所定位置におけるリフォメーション画像部分をRI1(2)としたとき、RI1(2)が、
RI1(2)=RI1+Conv{Datah(m+2)}− Conv{Datah(2)}
で与えられることを進めていって与えられたリフォメーション画像部分に基づいて、リフォメーション画像を生成することを特徴とするX線CT装置。
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