JP3808229B2 - 画像符号化装置及び画像復号化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像符号化装置及び画像復号化装置に関し、特に、符号化対象画像データを符号化すると共に、秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データの符号化の際に暗号化による秘匿処理をも併せて行う画像符号化装置、及び、符号化された復号化対象画像データを復号化すると共に、当該復号化対象画像データが暗号化されている場合には暗号解読処理をも併せて行う画像復号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、画像データの通信を行うときに、第三者に対して内容を秘匿する必要がある場合は、送信側から受信側に送信する画像データにパスワードを付帯させて通知し、受信側は、受信した画像データを無条件には出力しないで、メモリに蓄積しておき、受信側で入力されたパスワードと、送信側から通知されたパスワードとが一致した場合に限り、受信した画像データを出力する、いわゆる親展通信機能を用いる。
【0003】
また、画像データの通信を行うときに、傍受を考慮する場合は、画像データに対してスクランブルをかけることにより出力した画像が判別できないようにする方法が種々提案されている。しかしながら、高い秘匿性を得ようとするとアルゴリズムが複雑化したり、秘匿処理用の大規模な回路を設けなければならない等の問題点がある。
【0004】
特開平8−107506号公報に記載された「通信装置」においては、2値画像符号化方式の国際標準であるJBIG(Joint Bi-level Image experts Group)方式 (JIS X 4311: ISO/IEC 11544)のうちプログレッシブモード(復号化時に段階的に低解像度から高解像度へと画像が復元されていく符号化方式)に関する秘匿方式について述べている。
【0005】
当該通信装置においては、JBIG方式における最低解像度レイヤに対し暗号化処理を施すようにしている。JBIG方式では、復号化時には最低解像度レイヤの復元画像を参照しながら処理を進め、1段階解像度の高い画像を復元するため、最低解像度レイヤが暗号化されていれば、暗号を平文化しない限り、次段の解像度レイヤは正しく復号化することができず、さらに後段の高解像度レイヤに関しても、それぞれの前段解像度の画像を参照するため、その後の処理において画像を正しく再生することが不可能となり、画像の秘匿を達成している。
【0006】
一方、符号化された画像データを復号化して元の画像データに復元する際には、符号化された画像データが単に符号化されたものか、または、符号化されると共に暗号化されて秘匿処理をほどこされたものかを正しく認識して、単に符号化された画像データについては、単に復号化し、暗号化を伴い符号化された画像データについては、暗号の解読を伴う復号化を行う必要がある。
【0007】
そのため、符号化側から復号化側に符号化画像データを渡す際には、当該符号化画像データが暗号化されているか否かの情報を付帯させなければならない。具体的には、符号化側が、復号化側に渡す符号化画像データに、暗号化されいるか否かを示す情報をヘッダ情報として付加化するか、もしくは、符号化画像データの通信においては、送信側(符号化側)が、受信側(復号化側)に送信する符号化画像データが暗号化されいるか否かを示す情報をプロトコル信号により別途通知する必要がある。
【0008】
それにより、受信側(復号化側)は、送信側(符号化側)からの符号化画像データが暗号化されていないものであれば単に復号化し、暗号化されているものであれば、復号化すると共に所定の鍵情報に基づく暗号解読処理により元の画像データを復元できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、符号化画像データのヘッダ情報に暗号化の有無を記述したり、符号化画像データに付帯してプロトコル信号により暗号化の有無を通知する場合、暗号化の有無の情報が画像データ本体から分離していて、符号化画像データが暗号化されいるかが容易に分かってしまう。
【0010】
また、符号化画像データのファイルのヘッダ情報に暗号化の有無を記述するための特別なビットを設けたり、通信の場合には、プロトコル信号に暗号化の有無を示す特別なデータを乗せる必要があるため、暗号化していない符号化画像データとの互換性が無くなるか、あるいは互換性が低下してしまうという問題がある。
【0011】
一方、仮に、送信側(符号化側)から受信側(復号化側)へ符号化画像データの暗号化の有無を通知することなしに、受信側(復号化側)が暗号化された符号化画像データを復元するためには、受信側(復号化側)では、送信側(符号化側)からの符号化画像データは例外なく暗号化されたものであるとわかっている場合にしか元の画像データを復元することができない。すなわち、送信側(符号化側)からの符号化画像データが暗号化されたものであるか否かを受信側(復号化側)が自動的に判断して適応的に復号化を行うことができない。
【0012】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、通常の符号化画像データと暗号化された符号化画像データとの互換性を維持した符号化を行える画像符号化装置、及び、その画像符号化装置が符号化した画像データの暗号化の有無を自動的に識別して元の画像データに正しく復元できる画像復号化装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の画像符号化装置は、符号化対象画像データを符号化すると共に、秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データの符号化の際に暗号化による秘匿処理をも併せて行う画像符号化装置において、前記秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データの一部を、所定のマーカデータに置換するマーカ置換手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記マーカデータまで、及び、当該マーカデータを通常モードで符号化する通常符号化手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記マーカデータ以後の部分について暗号化を伴う符号化を行う秘匿符号化手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の画像符号化装置は、符号化対象画像データを符号化すると共に、秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データの符号化の際に暗号化による秘匿処理をも併せて行う画像符号化装置において、前記秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データ中に、所定のマーカデータに挿入するマーカ挿入手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記マーカデータまで、及び、当該マーカデータを通常モードで符号化する通常符号化手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記マーカデータ以後の部分について暗号化を伴う符号化を行う秘匿符号化手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の画像符号化装置は、請求項1または2のいずれかに記載の画像符号化装置において、前記マーカデータは、前記符号化対象画像データの先端に位置することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の画像符号化装置は、請求項1、2または3のいずれかに記載の画像符号化装置において、前記マーカデータは、複数ビットより成ることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の画像復号化装置は、符号化された復号化対象画像データを復号化すると共に、当該復号化対象画像データが暗号化されている場合には暗号解読処理をも併せて行う画像復号化装置において、前記復号化対象画像データを後記マーカ検出手段が所定のマーカデータを検出するまで通常モードで復号化する通常復号化手段と、その通常復号化手段により復号化された画像データから前記マーカデータを検出するマーカ検出手段と、そのマーカ検出手段により前記マーカデータが検出されると、それ以後、前記復号化対象画像データを暗号解読処理を伴う解読モードで復号化する解読復号化手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の画像復号化装置は、符号化された復号化対象画像データを復号化すると共に、当該復号化対象画像データが暗号化されている場合には暗号解読処理をも併せて行う画像復号化装置において、前記復号化対象画像データを後記マーカ検出手段が所定のマーカデータを検出されるまで通常モードで復号化する通常復号化手段と、その通常復号化手段により復号化された画像データから前記マーカデータを検出するマーカ検出手段と、そのマーカ検出手段により検出された前記マーカデータを復号化後の画像データから除去するマーカ除去手段と、前記マーカ検出手段により前記マーカデータが検出されると、それ以後、前記復号化対象画像データを暗号解読処理を伴う解読モードで復号化する解読復号化手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の画像符号化装置は、符号化対象画像データを符号化すると共に、秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データの符号化の際に暗号化による秘匿処理をも併せて行う画像符号化装置において、前記秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データの一部を、特定図形データに置換する特定図形置換手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記特定図形まで、及び、当該特定図形を通常モードで符号化する通常符号化手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記特定図形以後の部分について暗号化を伴う符号化を行う秘匿符号化手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の画像符号化装置は、請求項7に記載の画像符号化装置において、前記特定図形データは、前記符号化対象画像データの予め決められた特定の位置に位置することを特徴とする。
【0021】
請求項9に記載の画像符号化装置は、請求項7または8のいずれかに記載の画像符号化装置において、前記特定図形置換手段は、複数の前記特定図形データを前記符号化対象画像データ中に置換することを特徴とする。
【0022】
請求項10に記載の画像復号化装置は、符号化された復号化対象画像データを復号化すると共に、当該復号化対象画像データが暗号化されている場合には暗号解読処理をも併せて行う画像復号化装置において、前記復号化対象画像データを後記特定図形抽出手段が特定図形データを抽出するまで通常モードで復号化する通常復号化手段と、その通常復号化手段により復号化された画像データから前記特定図形データを抽出する特定図形抽出手段と、その特定図形抽出手段により前記特定図形データが抽出されると、それ以後、前記復号化対象画像データを暗号解読処理を伴う解読モードで復号化する解読復号化手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項11に記載の画像復号化装置は、請求項10に記載の画像復号化装置において、前記特定図形抽出手段は、前記復号化対象画像データの特定位置から前記特定図形データを抽出することを特徴とする。
【0024】
請求項12に記載の画像復号化装置は、符号化された復号化対象画像データを復号化すると共に、当該復号化対象画像データが暗号化されている場合には暗号解読処理をも併せて行う画像復号化装置において、前記復号化対象画像データを後記特定図形抽出手段が予め決められた組み合わせの複数の特定図形データを抽出するまで通常モードで復号化する通常復号化手段と、その通常復号化手段により復号化された画像データから前記複数の特定図形データを抽出する特定図形抽出手段と、その特定図形抽出手段により前記複数の特定図形データが抽出されると、それ以後、前記復号化対象画像データを暗号解読処理を伴う解読モードで復号化する解読復号化手段とを備えたことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
先ず、図1は、本発明の実施の形態に係る通信端末装置としてのファクシミリ装置1のブロック構成を示している。
【0027】
同図において、ファクシミリ装置1は、システム制御部2、ROM3、RAM4、画像入力手段5、画像出力手段6、符号化復号化部7、操作表示部8、通信制御部9、モデム10、網制御部11、及び、システムバス12により構成されている。
【0028】
システム制御部2は、ROM3書き込まれた制御プログラムに従って、RAM4を作業領域として使用しながら、装置各部を制御するマイクロコンピュータである。
【0029】
ROM3は、前述したように、システム制御部2が上記装置各部を制御するための制御プログラムが記憶されているリードオンリメモリである。
【0030】
RAM4は、前述したようにシステム制御部2の作業領域として使用されるランダムアクセスメモリであり、符号化前の画像データや符号化後の画像データの一時的な記憶のためにも使用される。
【0031】
スキャナ5は、3.85本/mm、7.7本/mm、15.4本/mm等の所定の読み取り線密度で原稿画像を読み取って画情報を得るためのものである。
【0032】
画像入力手段5は、ファクシミリ装置1に画像データを取り込むための手段であり、具体的には、原稿画像を読み取って必要な補正を行い量子化して画像データを得るためのスキャナ装置、CD−ROM、フロッピーディスク等の記憶媒体に記録された画像データを読み取るデータ読取装置、パソコン等の他装置から、セントロニクスインターフェースやローカルエリアネットワーク等を介して画像データの転送をうけるための、インターフェース装置等である。
【0033】
画像出力手段6は、ファクシミリ装置1から画像データを出力するための手段であり、具体的には、画像データを記録紙に可視出力するプロッタ装置、画像データをディスプレイに可視出力するディスプレイ装置、フロッピーディスク等の記憶媒体に画像データを記録するデータ記録装置、パソコン等の他装置へ、セントロニクスインターフェースやローカルエリアネットワーク等を介して画像データの転送するためのインターフェース装置等である。
【0034】
符号化復号化部7は、通常の符号化モード時においては、送信画像データを、G3、G4ファクシミリに適合する、MH符号化方式、MR符号化方式、MMR符号化方式、JBIG等等の所定の符号化方式で符号化圧縮する一方、通常の復号化モードにおいては、受信画像データをMH符号化方式、MR符号化方式、MMR符号化方式、JBIG等に対応する所定の復号化方式で復号伸長するものである。また、符号化復号化部7は、後述するように、秘匿モード時においては、所定の鍵情報に基づく暗号化を伴う符号化処理をも行う。
【0035】
操作表示部8は、宛先電話番号を指定するためのテンキー、送信スタートキー、ワンタッチダイヤルキー、及び、その他各種キーが配設される一方、液晶表示装置等の表示器を備え、ユーザに知らせるべき装置の動作状態や、各種メッセージを表示するものである。
【0036】
通信制御部9は、モデム10や網制御部11を制御してG3ファクシミリ通信を行うものである。モデム10は、G3ファクシミリモデムで、網制御部11を介して回線に送信するデータを変調する一方、網制御部11を介してPSTNまたはISDNの回線から受信した信号を復調してG3ファクシミリ通信を行い、符号化画像データの送受信を行うためのものである。また、モデム10は、入力されたダイヤル番号に対応したDTMF信号の送出も行う。網制御部11は、回線に接続されて、回線の直流ループの閉結・解放や、回線の極性反転の検出、回線解放の検出、発信音の検出、ビジートーン(話し中)等のトーン信号の検出、呼出信号の検出等の回線との接続制御や、ダイヤルパルスの生成を行いうものである。通信制御部9、モデム10及び網制御部11は、いわば、符号化画像データの入力装置及び出力装置として機能する。本実施の形態では、本発明に係る画像符号化装置及び画像復号化装置をファクシミリ装置1に適用した場合を例にとっているため、符号化画像データを回線(PSTNやISDN)を介して他装置との間で入出力するが、符号化画像データの他装置との間の入出力は、LAN、セントロニクスインターフェース、RS−232Cインターフェース等のその他の形態であってもよいのはいうまでもない。
【0037】
システムバス12は、上記各部がデータをやり取りするための信号ラインである。
【0038】
以上の構成のファクシミリ装置1は、図2に示すように、本発明に係るキーとして、操作表示部8に、[秘匿モード]キー8aを備えている。その[秘匿モード]キー8aが押下されるごとに、符号化モードが、「通常モード」または「秘匿モード」に切り替わり、「秘匿モード」時には、インジケータランプ8bを点灯させ、「通常モード」時には、インジケータランプ8bを消灯させて、現在のモード状態をユーザに示す。また、現在の符号化モードが「通常モード」または「秘匿モード」のずれであるかは、所定のフラグの値として、RAM4に記憶していて、システム制御部2は、RAM4に記憶されたフラグの値を読み出すことで、現在の符号化モードを知ることができる。
【0039】
また、ファクシミリ装置1は、後述する、図4または図6に示す符号化処理、及び、図8または図9に示す復号化処理のために、図3に示すように、ROM3の記憶領域3aにマーカデータを記憶している。
【0040】
図4に示す符号化処理手順について説明する。なお、図4に示す処理により符号化されるのは、画像入力手段5から入力された画像データであり、符号化後の画像データは、通信制御部9、モデム10及び網制御部11によりファクシミリメッセージとして回線を介して相手先に送信されるが、図4に示す処理では、ファクシミリ装置1が画像符号化装置として、符号化対象画像データを符号化する手順のみについて説明し、符号化画像データの送信手順については説明を省略する。
【0041】
図4において、システム制御部2は、画像入力手段5から入力され、RAM4に一時記憶された符号化対象画像データを読み込む(処理101)。なお、処理101の符号化対象画像データの読み込みは、RAM4を介さずに、画像入力手段5から直接行うようにしても良い。
【0042】
処理101の後、現在符号化モードが「秘匿モード」であるかをRAM4に記憶されているフラグの値により判断する(判断102)。そして、「秘匿モード」ではなく「通常モード」である場合は(判断102のNo)、暗号化による秘匿処理を伴わない、通常モードの符号化を、処理101で読み込んだデータに対して行い(処理103)、更に、符号化対象画像データを読み込んで(処理104)、通常モードで符号化する処理を(処理105)、符号化対象画像データの全データの読み込みが終了するまで繰り返す(判断106のNoループ)。符号化対象画像データの全データについての符号化が完了し読み込みが終了すると(判断106のYes)、処理を終了する。
【0043】
判断102において、符号化モードが「秘匿モード」である場合には(判断102のYes)、処理101で読み込んだ画像データの一部を、図3に示したようにROM3に予め記憶しているマーカデータに置換する(処理107)。これにより、符号化対象画像データの先頭がマーカデータに置換されることになる。
【0044】
そして、処理107で置換したマーカデータ分のデータを通常モードで符号化し(処理108)、更に、符号化対象画像データを読み込んで(処理109)、所定の鍵情報に基づく暗号化による秘匿モードで符号化する処理を(処理110)、符号化対象画像データの全データの読み込みが終了するまで繰り返す(判断111のNoループ)。符号化対象画像データの全データについての符号化が完了し読み込みが終了すると(判断111のYes)、処理を終了する。処理110における秘匿モードの符号化の形態により本発明は限定されるものではなく、符号化対象画像データをいったん暗号化したデータを更に符号化したり、符号化処理ものものが、暗号化処理を含むものであってもよい。
【0045】
図5(a)に、図4の判断102がNoとなった場合の、符号化後の画像データ列を示し、図5(b)に、図4の判断102がYesとなった場合の、符号化後の画像データ列を示す。図5(b)に示すように、図4の判断102がYesとなった場合には、符号化後の画像データ列の先頭部がマーカデータに置換される。
【0046】
次に、図4に示した符号化処理手順の変形例である図6に示す符号化処理について説明する。
【0047】
図6において、システム制御部2は、現在符号化モードが「秘匿モード」であるかをRAM4に記憶されているフラグの値により判断する(判断201)。そして、「秘匿モード」ではなく「通常モード」である場合は(判断201のNo)、画像入力手段5から入力され、RAM4に一時記憶された符号化対象画像データを読み込み(処理202)、暗号化による秘匿処理を伴わない、通常モードの符号化を、処理202で読み込んだデータに対して行う処理を(処理203)、符号化対象画像データの全データの読み込みが終了するまで繰り返す(判断204のNoループ)。符号化対象画像データの全データについての符号化が完了し読み込みが終了すると(判断204のYes)、処理を終了する。
【0048】
判断201において、符号化モードが「秘匿モード」である場合には(判断201のYes)、符号化対象画像データに、図3に示したようにROM3に予め記憶しているマーカデータを挿入する(処理205)。これにより、符号化対象画像データの先頭にマーカデータが挿入されることになる。
【0049】
そして、処理205で挿入したマーカデータ分のデータを通常モードで符号化し(処理206)、更に、符号化対象画像データを読み込んで(処理207)、所定の鍵情報にモードつく暗号化による秘匿モードで符号化する処理を(処理208)、符号化対象画像データの全データの読み込みが終了するまで繰り返す(判断209のNoループ)。符号化対象画像データの全データについての符号化が完了し読み込みが終了すると(判断209のYes)、処理を終了する。
【0050】
図7(a)に、図6の判断201がNoとなった場合の、符号化後の画像データ列を示し、図7(b)に、図6の判断201がYesとなった場合の、符号化後の画像データ列を示す。図7(b)に示すように、図6の判断201がYesとなった場合には、符号化後の画像データ列の先頭部がマーカデータが挿入され、符号化後の画像データ列がその分長くなるが、図4に示した符号化処理のように、画像データの一部がマーカデータに置換されるのではないため、画像データの本来の内容の欠落がなくなり、復号化側が、後述する図9に示す復号化処理により、復号化対象画像データに挿入されたマーカデータを復号化時に破棄すれば、元の画像データを情報の欠落なしに復元することができる。
【0051】
このように、図4の判断102または図6の判断201がNoで、符号化対象画像データの全データを通常モードで符号化して得られた画像データ、あるいは、図4の判断102または図6の判断201がYesで、符号化対象画像データの先頭部のマーカデータのみが通常モードで符号化され、そのマーカデータ以後のデータを秘匿モードで符号化した画像データは、区別なく相手先に回線を介して送信される。
【0052】
一方、受信側では、図4の判断102または図6の判断201がYesとなった場合でもNoとなった場合でも、復号化対象画像データとして受信した、符号化された画像データが、通常モードで符号化された符号列から開始されているため、マーカデータを検出するまでは通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により、元の画像データを復元できる。
【0053】
図4の判断102または図6の判断201がNoとなった場合は、復号化対象画像データにマーカデータが含まれないため、復号化対象画像データを最後まで通常モードで復号化すれば、正しい画像データを復元できる。
【0054】
一方、図4の判断102または図6の判断201がYesとなった場合は、復号化対象画像データにマーカデータが含まれるため、復号化対象画像データのマーカデータ以後のデータは、暗号化による秘匿処理を伴って符号化されているため、そのまま通常モードで復号化するとすると、正しい画像データは復元できず、図4に示す符号化処理手順に対応して後述する図8に示す復号化処理を行う必要があり、また、図6に示す符号化処理手順に対応して後述する図9に示す復号化処理を行う必要がある。
【0055】
しかし、符号化側(送信側)から復号化側(受信側)に送信する符号化画像データが暗号化しない通常モードで符号化されたものか、または、暗号化を伴う秘匿モードで符号かされたものかを示す情報が符号化画像データ内にマーカデータとして含まれているため、送信する符号化画像データが暗号化しない通常モードで符号化されたものか、または、暗号化を伴う秘匿モードで符号化されたものかを示す情報を、送信する符号化画像データに付帯させて、G3ファクシミリプロトコルの非標準機能設定信号NSS等のプロトコル信号により別途通知する必要がなく、通信プロトコル制御手順を、送信する符号化画像データの暗号化の有無によって変更する必要がない。
【0056】
また、図4や図6に示した処理手順により符号化された画像データを、ファイルとして符号側から復号化側に渡す場合について考えると、一般の画像ファイルは、ヘッダと呼ばれるデータを、画像データ列のはじめに持っている。ヘッダ中には画像サイズや符号化方式に関する情報等を記録することができる。しかし標準的ファイルフォーマットを用いる場合、暗号化を行っているか否か等の情報に関してもヘッダ情報中に記載する必要が生じるため、ファイルフォーマットが特別なものとなってしまう場合がある。
【0057】
しかし、図4や図6に示した符号化処理により得られる符号化画像データにおいては、符号化側から復号化側に渡す符号化画像データが暗号化しない通常モードで符号化されたものか、または、暗号化を伴う秘匿モードで符号化されたものかを示す情報が符号化画像データ内にマーカデータとして含まれているため、ヘッダ中に暗号化しているか否かの情報を記載する必要はない。
【0058】
それにより、たとえばヘッダ中に暗号化しているかどうかを記載する部分が無い画像フォーマットの場合も、暗号化された符号化画像データを格納することが可能となる。
【0059】
また、図4または図6の符号化処理手順では、符号化対象画像データの先頭に置換または挿入されたマーカデータのみが通常モードで符号され、そのマーカデータ以後のデータが秘匿モードで符号化されるが、本発明においては、マーカデータは、符号化対象画像データの任意の位置に置換または挿入でき、符号化対象画像データの、置換または挿入されたマーカデータまで、及びマーカデータ自身を通常モードで符号化し、そのマーカデータ以後のデータを秘匿モードで符号化するようにしてもよい。
【0060】
しかし、図4または図6に示したように、マーカデータを符号化対象画像データの先頭に置換または挿入することで、符号化対象画像データの全体を秘匿することができ、また、画像データの先頭という、予め決まった所定の位置にマーカデータが配置されることで、復号化側における復号化時に、復号化対象画像データが秘匿モードで符号化されていて、解読モードで復号化する必要があることを直ちに判断できるようになる。また、マーカデータを画像データの先頭に置換することで、任意の位置に置換した場合と比較して、復号化側で復号化され復元されたときに画像上に残るマーカデータが目立ちにくくなる利点がある。
【0061】
ただし、特別に画像データの途中までを暗号化せずに通常モードで符号化して、誰にでも見られるようにする必要がある場合などでは、該当する位置より後にマーカデータを置換または挿入して、以後のデータのみを秘匿モードで符号化する方がよい場合もある。
【0062】
また、図4や図6に示した符号化処理手順で置換するマーカデータは、複数ビットより成るものとして、ある程度の長さを持つビット列とすることが望ましい。それは、マーカコードより前の暗号化されていない画像データ中に偶然マーカコードと同じビット配列を持つデータが復号化側で復号化される場合に、当該ビット配列を通常モードの符号化と秘匿モードの符号化との境界を示すマーカコードであると誤判定して復号化を正しく行えなくなるおそれがあるためである。
【0063】
現実的には、マーカコードのサイズは、32ビット程度で十分であると考えられる。32あれば偶然にビット列が一致する確率が2^32(約40億)分の1以下となり、実用上十分である。また、図4に示した符号化処理手順のように、復号化後の画像データ上にマーカコードが残る場合でも、32ビットのマーカデータは200dpiの解像度では約4mm程度の長さの画像となりほとんど目立たず、解像度が200dpi以上であれば、いっそうより目立たなくなる。
【0064】
次に、図4に示した符号化処理手順に対応する復号化処理手順について、図8を参照して説明する。なお、図8に示す処理により復号化されるのは、相手先装置における図4に示す符号化処理手順により符号化され、通信制御部9、モデム10及び網制御部11によりファクシミリメッセージとして回線を介して受信した符号化画像データ(復号化対象画像データ)であり、復号化後の画像データは、画像出力手段6により出力されるが、図8に示す処理では、ファクシミリ装置1が画像復号化装置として、復号化対象画像データを復号化する手順のみについて説明し、符号化対象画像データの受信・出力手順については説明を省略する。
【0065】
図8において、システム制御部2は、相手先からファクシミリメッセージとして受信し、RAM4に一時記憶された復号化対象画像データから符号データを符号化復号化部7に入力し(処理301)、通常モードの符号化に対応する通常モードで復号化する(処理302)。
【0066】
そして、復号化後のデータ中に、図3に示したようにROM3に予め記憶したマーカデータがある否かを判断しつつ、復号化対象画像データの復号化が完了して復号化すべき符号データが終了するまで、処理301及び処理302を繰り返す(判断303のNo,判断304のNoループ)。
【0067】
そして、マーカデータが検出できないまま符号データが終了した場合(判断304のYes)、復号化処理を終了する。判断304がYesとなるのは、復号化対象画像データ中にマーカデータが含まれない場合、すなわち、復号化対象画像データが符号化側で通常モードで符号化されたものである場合である。これにより、通常モードで符号化された復号化対象画像データを正しく復号化して元の画像データに復元することができる。
【0068】
判断303でマーカデータがあった場合は(判断303のYes)、復号化対象画像データから符号データを更に符号化復号化部7に入力し(処理305)、秘匿モードの符号化において用いたものと同一の鍵情報に基づいた解読モードで復号化する処理を(処理306)、復号化対象画像データの復号化が完了して復号化すべき符号データが終了するまで繰り返す(判断307のNoループ)。復号化対象画像データの全データについての復号化が完了し符号データが終了すると(判断307のYes)、処理を終了する。
【0069】
これにより、図4に示した符号化処理により、通常モードで符号化された画像データも、秘匿モードで符号化された画像データも、復号化対象画像データに付帯した追加情報なしに正しく復号化して元の画像データを復元できる。
【0070】
次に、図8に示した復号化処理手順の変形例であり、図6に示した符号化処理手順に対応する復号化処理手順である図9に示す手順について説明する。
【0071】
図9において、システム制御部2は、相手先からファクシミリメッセージとして受信し、RAM4に一時記憶された復号化対象画像データから符号データを符号化復号化部7に入力し(処理401)、通常モードの符号化に対応する通常モードで復号化する(処理402)。
【0072】
そして、復号化後のデータ中に、図3に示したようにROM3に予め記憶したマーカデータがある否かを判断しつつ、復号化対象画像データの復号化が完了して復号化すべき符号データが終了するまで、処理401及び処理402を繰り返す(判断403のNo,判断404のNoループ)。
【0073】
そして、マーカデータが検出できないまま符号データが終了した場合(判断404のYes)、復号化処理を終了する。判断404がYesとなるのは、復号化対象画像データ中にマーカデータが含まれない場合、すなわち、復号化対象画像データが符号化側で通常モードで符号化されたものである場合である。これにより、通常モードで符号化された復号化対象画像データを正しく復号化して元の画像データに復元することができる。
【0074】
判断403でマーカデータがあった場合は(判断403のYes)、復号化後の当該マーカデータを破棄して、復号化後の画像データ列から除去した上で(処理405)、復号化対象画像データから符号データを更に符号化復号化部7に入力し(処理406)、秘匿モードの符号化において用いたものと同一の鍵情報に基づいた解読モードで復号化する処理を(処理407)、復号化対象画像データの復号化が完了して復号化すべき符号データが終了するまで繰り返す(判断408のNoループ)。復号化対象画像データの全データについての復号化が完了し符号データが終了すると(判断408のYes)、処理を終了する。
【0075】
これにより、図6に示した符号化処理により、通常モードで符号化された画像データも、秘匿モードで符号化された画像データも、復号化対象画像データに付帯した追加情報なしに正しく復号化して元の画像データを復元できる。
【0076】
次に、これまで説明した、図4または図6に示した画像符号化処理、及び、図8または図9に示した画像復号化処理とは形態の異なる画像符号化処理及び画像復号化処理について以下説明する。
【0077】
なお、以下説明する画像符号化処理においては、図2に示したように、操作表示部8に、[秘匿モード]キー8aを備えていて、その[秘匿モード]キー8aが押下されるごとに、符号化モードが、「通常モード」または「秘匿モード」に切り替わり、「秘匿モード」時には、インジケータランプ8bを点灯させ、「通常モード」時には、インジケータランプ8bを消灯させて、現在のモード状態をユーザに示すと共に、現在の符号化モードが「通常モード」または「秘匿モード」のずれであるかを、所定のフラグの値として、RAM4に記憶していて、システム制御部2は、RAM4に記憶されたフラグの値を読み出すことで、現在の符号化モードを知ることができる点については、これまでに説明した画像符号化処理の場合と同様である。
【0078】
また、ファクシミリ装置1は、後述する、図11または図13に示す符号化処理、及び、図14または図16に示す復号化処理のために、図10に示すように、ROM3の記憶領域3bに特定図形データを記憶している。
【0079】
図11に示す符号化処理手順について説明する。なお、図11に示す処理により符号化されるのは、画像入力手段5から入力された画像データであり、符号化後の画像データは、通信制御部9、モデム10及び網制御部11によりファクシミリメッセージとして回線を介して相手先に送信されるが、図11に示す処理では、ファクシミリ装置1が画像符号化装置として、符号化対象画像データを符号化する手順のみについて説明し、符号化画像データの送信手順については説明を省略する。
【0080】
図11において、システム制御部2は、現在符号化モードが「秘匿モード」であるかをRAM4に記憶されているフラグの値により判断する(判断501)。そして、「秘匿モード」ではなく「通常モード」である場合は(判断501のNo)、符号化対象画像データを読み込んで(処理502)、通常モードで符号化する処理を(処理503)、符号化対象画像データの全データの読み込みが終了するまで繰り返す(判断504のNoループ)。符号化対象画像データの全データについての符号化が完了し読み込みが終了すると(判断504のYes)、処理を終了する。
【0081】
判断501において、符号化モードが「秘匿モード」である場合には(判断501のYes)、符号化対象画像データを読み込んで(処理505)、所定の特定図形挿入位置になったかを判断しつつ(判断506のNo)、通常モードで符号化する処理を、繰り返す(処理507)。
【0082】
そして、判断506で特定図形挿入位置になった場合は(判断506のYes)、処理505で読み込んだ画像データの一部を、図10に示したようにROM3に予め記憶している特定図形データに置換する(処理508)。これにより、符号化対象画像データの所定の特定図形挿入位置に特定図形データが置換されることになる。
【0083】
そして、処理508で置換した特定図形データを通常モードで符号化し(処理509)、更に、符号化対象画像データを読み込んで(処理510)、所定の鍵情報に基づく暗号化による秘匿モードで符号化する処理を(処理511)、符号化対象画像データの全データの読み込みが終了するまで繰り返す(判断512のNoループ)。符号化対象画像データの全データについての符号化が完了し読み込みが終了すると(判断512のYes)、処理を終了する。処理511における秘匿モードの符号化の形態により本発明は限定されるものではなく、符号化対象画像データをいったん暗号化したデータを更に符号化したり、符号化処理ものものが、暗号化処理を含むものであってもよい。
【0084】
図12に、図11の判断501がYesの場合に符号化された画像データを、復号後のイメージとして示す。図12において、図11の処理508で書き込まれる特定図形データは、星形のものであり、判断506における所定の特定図形挿入位置は、画像データの先頭であり、画像データのうちの特定図形データが置換された領域が通常モードで符号化され、特定図形データが置換された領域以後が秘匿モードで符号化される。もっとも、判断506における所定の特定図形挿入位置が画像データの先頭でない場合には、画像データのうちの特定図形データが置換された領域以前も、通じようモードで符号化される。なお、図12に示した特定図形データは分かりやすくするために、画像データの対して相対的に大きく記載している。
【0085】
次に、図11に示した符号化処理手順の変形例である図13に示す符号化処理について説明する。
【0086】
図13において、システム制御部2は、現在符号化モードが「秘匿モード」であるかをRAM4に記憶されているフラグの値により判断する(判断601)。そして、「秘匿モード」ではなく「通常モード」である場合は(判断601のNo)、符号化対象画像データを読み込んで(処理602)、通常モードで符号化する処理を(処理603)、符号化対象画像データの全データの読み込みが終了するまで繰り返す(判断604のNoループ)。符号化対象画像データの全データについての符号化が完了し読み込みが終了すると(判断604のYes)、処理を終了する。
【0087】
判断601において、符号化モードが「秘匿モード」である場合には(判断601のYes)、符号化対象画像データを読み込んで(処理605)、所定の特定図形挿入第1位置になったかを判断しつつ(判断606のNo)、通常モードで符号化する処理を、繰り返す(処理607)。
【0088】
そして、判断606で特定図形挿入第1位置になった場合は(判断606のYes)、処理605で読み込んだ画像データの一部を、図10に示したようにROM3に予め記憶している特定図形データに置換する(処理608)。これにより、符号化対象画像データの所定の特定図形挿入第1位置に特定図形データが置換されることになる。
【0089】
そして、処理608で置換した特定図形データを通常モードで符号化し(処理609)、更に、符号化対象画像データを読み込んで(処理610)、所定の特定図形挿入第2位置になったかを判断しつつ(判断611のNo)、通常モードで符号化する処理を、繰り返す(処理612)。
【0090】
そして、判断611で特定図形挿入第2位置になった場合は(判断611のYes)、処理610で読み込んだ画像データの一部を、図10に示したようにROM3に予め記憶している特定図形データに置換する(処理613)。これにより、符号化対象画像データの所定の特定図形挿入第2位置に特定図形データが置換されることになる。
【0091】
そして、処理613で置換した特定図形データを通常モードで符号化し(処理614)、更に、符号化対象画像データを読み込んで(処理615)、所定の鍵情報に基づく暗号化による秘匿モードで符号化する処理を(処理616)、符号化対象画像データの全データの読み込みが終了するまで繰り返す(判断617のNoループ)。符号化対象画像データの全データについての符号化が完了し読み込みが終了すると(判断617のYes)、処理を終了する。
【0092】
このように、図13に示した符号化処理手順においては、特定図形データを、符号化対象画像データ中の特定図形挿入第1位置及び第2位置のそれぞれ書き込むことにより、全くの偶然により、置換した特定図形データと同一パターンが符号化対象画像データ中に含まれてしまうような場合に、復号化側で間違って解読モードで復号化されてしまう事態を少なくすることができる。もちろん、符号化対象画像データ中に置換する特定図形データの数が多いほど、復号化側における誤判定は少なくなる。しかし、実際の画像データにとって、これらの特定画像データはノイズとなるため、極力少ない方がよく、置換する特定図形データの個数は、復号化側における誤判定の防止と、画像データの品質とのバランスを考慮して決める必要がある。また、視覚上、あるいは画像のレイアウト上、置換した特定図形データが目立たないような特定図形データの配置の方法もあると思われる。
【0093】
また、このように、図11の判断501または図13の判断601がNoで、符号化対象画像データの全データを通常モードで符号化して得られた画像データ、あるいは、図11の判断501または図13の判断601がYesで、符号化対象画像データの所定の特定図形挿入位置、または、所定の特定図形挿入第2位置に置換された特定図形データまでが通常モードで符号化され、その特定図形データ以後のデータを秘匿モードで符号化した画像データは、区別なく相手先に回線を介して送信される。
【0094】
一方、受信側では、図11の判断501または図13の判断601がYesとなった場合でもNoとなった場合でも、復号化対象画像データとして受信した、符号化された画像データが、通常モードで符号化された符号列から開始されているため、所定の特定図形挿入位置、または、所定の特定図形挿入第2位置の特定図形データを検出するまでは通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により、元の画像データを復元できる。
【0095】
図11の判断501または図13の判断601がNoとなった場合は、復号化対象画像データに特定図形データが含まれないため、復号化対象画像データを最後まで通常モードで復号化すれば、正しい画像データを復元できる。
【0096】
一方、図11の判断501または図6の判断601がYesとなった場合は、復号化対象画像データに特定図形データが含まれるため、復号化対象画像データの所定の特定図形挿入位置、または、所定の特定図形挿入第2位置に置換された特定図形データ以後のデータは、暗号化による秘匿処理を伴って符号化されているため、そのまま通常モードで復号化するとすると、正しい画像データは復元できず、図11に示す符号化処理手順に対応して後述する図14に示す復号化処理を行う必要があり、また、図13に示す符号化処理手順に対応して後述する図16に示す復号化処理を行う必要がある。
【0097】
しかし、符号化側(送信側)から復号化側(受信側)に送信する符号化画像データが暗号化しない通常モードで符号化されたものか、または、暗号化を伴う秘匿モードで符号かされたものかを示す情報が符号化画像データ内に特定図形データとして含まれているため、送信する符号化画像データが暗号化しない通常モードで符号化されたものか、または、暗号化を伴う秘匿モードで符号化されたものかを示す情報を、送信する符号化画像データに付帯させて、G3ファクシミリプロトコルの非標準機能設定信号NSS等のプロトコル信号により別途通知する必要がなく、通信プロトコル制御手順を、送信する符号化画像データの暗号化の有無によって変更する必要がない。
【0098】
また、図11や図13に示した処理手順により符号化された画像データを、ファイルとして符号側から復号化側に渡す場合について考えると、一般の画像ファイルは、ヘッダと呼ばれるデータを、画像データ列のはじめに持っている。ヘッダ中には画像サイズや符号化方式に関する情報等を記録することができる。しかし標準的ファイルフォーマットを用いる場合、暗号化を行っているか否か等の情報に関してもヘッダ情報中に記載する必要が生じるため、ファイルフォーマットが特別なものとなってしまう場合がある。
【0099】
しかし、図11や図13に示した符号化処理により得られる符号化画像データにおいては、符号化側から復号化側に渡す符号化画像データが暗号化しない通常モードで符号化されたものか、または、暗号化を伴う秘匿モードで符号化されたものかを示す情報が符号化画像データ内に特定図形データとして含まれているため、ヘッダ中に暗号化しているか否かの情報を記載する必要はない。
【0100】
それにより、たとえばヘッダ中に暗号化しているかどうかを記載する部分が無い画像フォーマットの場合も、暗号化された符号化画像データを格納することが可能となる。
【0101】
また、図11または図13の符号化処理手順では、符号化対象画像データ中の任意の位置ではなく、所定の特定図形挿入位置、または、所定の特定図形挿入対置位置及び第2位置に、特定図形データを置換するようにすることで、復号化側における特定図形データの探索処理を容易化することができ、探索処理に必要なメモリ量も減らすことができ、探索処理速度を高速化できる。また、所定の特定図形挿入位置、または、所定の特定図形挿入対置位置及び第2位置を符号化対象画像データの先頭とすれば、符号化対象画像データの全体を秘匿することができ、また、復号化側における復号化時に、復号化対象画像データが秘匿モードで符号化されていて、解読モードで復号化する必要があることを直ちに判断できるようになる。もっとも、符号化対象画像データ中の任意の位置に特定図形データを置換してもよいが、その場合、復号化側における特定図形データの探索処理は複雑化する。ただし、特別に画像データの途中までを暗号化せずに通常モードで符号化して、誰にでも見られるようにする必要がある場合などでは、該当する位置より後に特定図形データ置換して、以後のデータのみを秘匿モードで符号化する方がよい場合もある。
【0102】
次に、図11に示した符号化処理手順に対応する復号化処理手順について、図14を参照して説明する。なお、図14に示す処理により復号化されるのは、相手先装置における図11に示す符号化処理手順により符号化され、通信制御部9、モデム10及び網制御部11によりファクシミリメッセージとして回線を介して受信した符号化画像データ(復号化対象画像データ)であり、復号化後の画像データは、画像出力手段6により出力されるが、図11に示す処理では、ファクシミリ装置1が画像復号化装置として、復号化対象画像データを復号化する手順のみについて説明し、符号化対象画像データの受信・出力手順については説明を省略する。
【0103】
図14において、システム制御部2は、相手先からファクシミリメッセージとして受信し、RAM4に一時記憶された復号化対象画像データから符号データを符号化復号化部7に入力し(処理701)、通常モードの符号化に対応する通常モードで復号化し(処理702)、復号化後のデータ中に、図10に示したようにROM3に予め記憶した特定図形データがあるかを探索する処理を(処理703)、復号化対象画像データの復号化が完了して復号化すべき符号データが終了するか、または、処理703により特定図形データが見つかるまで繰り返す(判断704のNo,判断705のNoループ)。
【0104】
そして、特定図形データみつからないまま符号データが終了した場合は(判断705のYes)、復号化処理を終了する。判断705がYesとなるのは、復号化対象画像データ中に特定図形データが含まれない場合、すなわち、復号化対象画像データが符号化側で通常モードで符号化されたものである場合である。これにより、通常モードで符号化された復号化対象画像データを正しく復号化して元の画像データに復元することができる。
【0105】
判断704で特定図形データがあった場合は(判断704のYes)、復号化対象画像データから符号データを更に符号化復号化部7に入力し(処理706)、秘匿モードの符号化において用いたものと同一の鍵情報に基づいた解読モードで復号化する処理を(処理707)、復号化対象画像データの復号化が完了して復号化すべき符号データが終了するまで繰り返す(判断708のNoループ)。復号化対象画像データの全データについての復号化が完了し符号データが終了すると(判断708のYes)、処理を終了する。
【0106】
これにより、図11に示した符号化処理により、通常モードで符号化された画像データも、秘匿モードで符号化された画像データも、復号化対象画像データに付帯した追加情報なしに正しく復号化して元の画像データを復元できる。
【0107】
ここで、図14の処理703における特定図形データの探索方法について、図15を参照して説明する。
【0108】
同図(a)に示す黒画素群は、探索しようとする特定図形データである。そのようなビットマップの図形データを探索しようとすると、様々な方法があるが、例えば、同図(b)にに示すような5×4マトリクスのウインドウで復号化後の画像データを同図(c)に示すようにラスタスキャンし、ビットマップの状態が、見つけようとする同図(a)に示すパターンと同じになる部分を探す。このようにして、画像データ中の任意の位置に置換された特定図形データを図形を見つけだそうとすると、結局少なくとも4ライン程度のラインメモリが必要となり、必要なハードウェア資源が比較的大きくなってしまう。しかし、符号化側と復号化側とで、予め特定図形データの置換位置を定めておくことで、探索が容易になり、必要なハードウェア資源を減らすことができる。
【0109】
次に、図14に示した復号化処理手順の変形例であり、図13に示した符号化処理手順に対応する復号化処理手順である図16に示す手順について説明する。
【0110】
図16において、システム制御部2は、相手先からファクシミリメッセージとして受信し、RAM4に一時記憶された復号化対象画像データから符号データを符号化復号化部7に入力し(処理801)、通常モードの符号化に対応する通常モードで復号化し(処理802)、復号化後のデータ中に、図10に示したようにROM3に予め記憶した特定図形データがあるかを探索する処理を(処理803)、復号化対象画像データの復号化が完了して復号化すべき符号データが終了するか、または、処理803により特定図形データが見つかるまで繰り返す(判断804のNo,判断805のNoループ)。
【0111】
そして、特定図形データみつからないまま符号データが終了した場合は(判断805のYes)、復号化処理を終了する。判断805がYesとなるのは、復号化対象画像データ中に特定図形データが含まれない場合、すなわち、復号化対象画像データが符号化側で通常モードで符号化されたものである場合である。これにより、通常モードで符号化された復号化対象画像データを正しく復号化して元の画像データに復元することができる。
【0112】
判断804で特定図形データがあった場合は(判断804のYes)、復号化対象画像データから符号データを符号化復号化部7に入力し(処理801)、通常モードの符号化に対応する通常モードで復号化し(処理802)、復号化後のデータ中に、図10に示したようにROM3に予め記憶した特定図形データがあるかを探索する処理を(処理803)、復号化対象画像データの復号化が完了して復号化すべき符号データが終了するか、または、処理803により特定図形データが見つかるまで繰り返す(判断804のNo,判断805のNoループ)。
【0113】
そして、特定図形データみつからないまま符号データが終了した場合は(判断805のYes)、復号化処理を終了する。判断805がYesとなるのは、復号化対象画像データ中に特定図形データが含まれない場合、すなわち、復号化対象画像データが符号化側で通常モードで符号化されたものである場合である。これにより、通常モードで符号化された復号化対象画像データを正しく復号化して元の画像データに復元することができる。
【0114】
判断804で特定図形データがあった場合は(判断804のYes)、復号化対象画像データから符号データを更に符号化復号化部7に入力し(処理806)、通常モードの符号化に対応する通常モードで復号化し(処理807)、復号化後のデータ中に、図10に示したようにROM3に予め記憶した特定図形データがあるかを探索する処理を(処理808)、復号化対象画像データの復号化が完了して復号化すべき符号データが終了するか、または、処理808により特定図形データが見つかるまで繰り返す(判断809のNo,判断810のNoループ)。
【0115】
そして、特定図形データみつからないまま符号データが終了した場合は(判断810のYes)、復号化処理を終了する。判断805がYesとなるのは、2つ目の特定図形データが含まれない場合、すなわち、復号化対象画像データが符号化側で通常モードで符号化されたものである場合である。これにより、通常モードで符号化された復号化対象画像データを正しく復号化して元の画像データに復元することができる。
【0116】
判断809で特定図形データがあった場合は(判断804のYes)、復号化対象画像データから符号データを更に符号化復号化部7に入力し(処理811)、秘匿モードの符号化において用いたものと同一の鍵情報に基づいた解読モードで復号化する処理を(処理812)、復号化対象画像データの復号化が完了して復号化すべき符号データが終了するまで繰り返す(判断813のNoループ)。復号化対象画像データの全データについての復号化が完了し符号データが終了すると(判断813のYes)、処理を終了する。
【0117】
これにより、図13に示した符号化処理により、通常モードで符号化された画像データも、秘匿モードで符号化された画像データも、復号化対象画像データに付帯した追加情報なしに正しく復号化して元の画像データを復元できる。また、特定図形データと同一パターンが復号化対象画像データ中に含まれる場合に、誤って解読モードの復号化が行われてしまうことを防止できる。
【0118】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、前記秘匿モードでない通常モードである場合は、前記符号化対象画像データは、暗号化による秘匿処理を伴わない、通常モードで符号化される一方、前記秘匿モードである場合は、前記符号化対象画像データの一部が前記所定のマーカデータに置換され、当該符号化対象画像データのうちの当該マーカデータまでの部分、及び、当該マーカデータが、暗号化による秘匿処理を伴わない、通常モードで符号化され、当該符号化対象画像データのうちの当該マーカデータ以後の部分が、暗号化を伴う秘匿モードで符号化されるため、符号化後の当該符号化対象画像データを画像復号化装置側が復号化対象画像データとして復号する場合に、当該復号化対象画像データを前記通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記マーカデータを検出しなければ、通常モードで符号化された復号化対象画像データを正しく復号化でき、当該復号化対象画像データを前記通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記マーカデータを検出すれば、以後前記秘匿モードの符号化に対応する解読モードの復号化により、暗号化による秘匿処理を伴い符号化された復号化対象画像データを正しく復号化できる。したがって、前記復号化対象画像データが暗号化されたものであるか否かについての情報を、別途通知する必要がなく、通常の符号化画像データと暗号化された符号化画像データとの互換性を維持した符号化を行うことが可能となる効果が得られる。
【0119】
請求項2に係る発明によれば、前記秘匿モードでない通常モードである場合は、前記符号化対象画像データは、暗号化による秘匿処理を伴わない、通常モードで符号化される一方、前記秘匿モードである場合は、前記符号化対象画像データ中に前記所定のマーカデータが挿入され、当該符号化対象画像データのうちの当該マーカデータまでの部分、及び、当該マーカデータが、暗号化による秘匿処理を伴わない、通常モードで符号化され、当該符号化対象画像データのうちの当該マーカデータ以後の部分が、暗号化を伴う秘匿モードで符号化されるため、符号化後の当該符号化対象画像データを画像復号化装置側が復号化対象画像データとして復号する場合に、当該復号化対象画像データを前記通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記マーカデータを検出しなければ、通常モードで符号化された復号化対象画像データを正しく復号化でき、当該復号化対象画像データを前記通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記マーカデータを検出すれば、以後前記秘匿モードの符号化に対応する解読モードの復号化により、暗号化による秘匿処理を伴い符号化された復号化対象画像データを正しく復号化できる。したがって、前記復号化対象画像データが暗号化されたものであるか否かについての情報を、別途通知する必要がなく、通常の符号化画像データと暗号化された符号化画像データとの互換性を維持した符号化を行うことが可能となる効果が得られる。加えて、前記マーカデータは、前記符号化対象画像データの一部と置換されるのではなく、前記符号化対象画像データ中に挿入されるため、前記符号化対象画像データの内容が欠落することなく画像復号化装置に渡され、当該画像復号化装置において、前記マーカデータを破棄すれば、前記マーカデータを含まず内容の欠落もない元の画像データを復元することができる効果が得られる。
【0120】
請求項3に係る発明によれば、符号化後の前記符号化対象画像データを画像復号化装置側が復号化対象画像データとして復号する場合に、当該復号化対象画像データが暗号化されたものであるか否かを直ちに判断することが可能となる効果が有られる。
【0121】
請求項4に係る発明によれば、前記マーカデータが複数ビットより成るため、前記マーカデータを復号化装置側で検出する際の誤判定を、より少なくすることが可能となる効果が得られる。
【0122】
請求項5に係る発明によれば、前記復号化対象画像データを、請求項1に記載された画像符号化装置等における通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記マーカデータが検出されなければ、通常モードで符号化された符号化対象画像データを正しく復号化でき、当該復号化対象画像データを前記通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記マーカデータが検出されれば、以後請求項1に記載された画像符号化装置等における秘匿モードの符号化に対応する解読モードの復号化により、暗号化による秘匿処理を伴い符号化された符号化対象画像データを正しく復号化できる。したがって、前記復号化対象画像データが暗号化されたものであるか否かについての情報の、画像符号化装置からの通知が不要で、通常の符号化画像データと暗号化された符号化画像データとの互換性を維持した符号化を画像符号化装置側に行わせることができ、また、その画像符号化装置が符号化した画像データの暗号化の有無を自動的に識別して元の画像データに復元することが可能となる効果が得られる。
【0123】
請求項6に係る発明によれば、前記復号化対象画像データを、請求項2に記載された画像符号化装置等における通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記マーカデータが検出されなければ、通常モードで符号化された符号化対象画像データを正しく復号化でき、当該復号化対象画像データを前記通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記マーカデータが検出されれば、以後請求項1に記載のされた画像符号化装置等における秘匿モードの符号化に対応する解読モードの復号化により、暗号化による秘匿処理を伴い符号化された符号化対象画像データを正しく復号化でき、また、当該マーカデータが復号化後の画像データから除去される。したがって、前記復号化対象画像データが暗号化されたものであるか否かについての情報の、画像符号化装置からの通知が不要で、通常の符号化画像データと暗号化された符号化画像データとの互換性を維持した符号化を画像符号化装置側に行わせることができ、また、その画像符号化装置が符号化した画像データの暗号化の有無を自動的に識別して元の画像データに、前記マーカデータを含まず内容の欠落もなく復元することが可能となる効果が得られる。
【0124】
請求項7に係る発明によれば、前記秘匿モードでない通常モードである場合は、前記符号化対象画像データは、暗号化による秘匿処理を伴わない、通常モードで符号化される一方、前記秘匿モードである場合は、前記符号化対象画像データの一部が前記特定図形データに置換され、当該符号化対象画像データのうちの当該特定図形データまでの部分、及び、当該特定図形データが、暗号化による秘匿処理を伴わない、通常モードで符号化され、当該符号化対象画像データのうちの当該特定図形データ以後の部分が、暗号化を伴う秘匿モードで符号化されるため、符号化後の当該符号化対象画像データを画像復号化装置側が復号化対象画像データとして復号する場合に、当該復号化対象画像データを前記通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記特定図形データが抽出されなければ通常モードで符号化された復号化対象画像データを正しく復号化でき、当該復号化対象画像データを前記通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記特定図形データが抽出されれば、以後前記秘匿モードの符号化に対応する解読モードの復号化により、暗号化による秘匿処理を伴い符号化された復号化対象画像データを正しく復号化できる。したがって、前記復号化対象画像データが暗号化されたものであるか否かについての情報を、別途通知する必要がなく、通常の符号化画像データと暗号化された符号化画像データとの互換性を維持した符号化を行うことが可能となる効果が得られる。
【0125】
請求項8に係る発明によれば、前記特定図形データは、前記符号化対象画像データの予め決められた特定の位置に位置するため、画像復号化装置側における前記特定図形データの抽出が容易になり、復号化の処理速度が向上するという効果が得られる。
【0126】
請求項9に係る発明によれば、前記特定図形データが前記符号化対象画像データに複数存在することになるため、前記特定画像データを1つのみ前記符号化対象画像データ内に置換した場合に、全くの偶然で、前記特定図形データと同一の内容が前記符号化対象画像データ中に含まれていて、画像復号化装置側が御判定して解読モードの復号化の開始位置が本来の位置からずれたりして正常な復号化が行えなくなるような事態の発生を起きにくくすることが可能となる効果が得られる。
【0127】
請求項10に係る発明によれば、前記復号化対象画像データを、請求項7に記載された画像符号化装置等における通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記特定図形データが抽出されなければ、通常モードで符号化された符号化対象画像データを正しく復号化でき、当該復号化対象画像データを前記通常モードの符号化に対応する通常モードの復号化により最後まで順次復号化する間に前記特定図形データが検出されれば、以後請求項7に記載された画像符号化装置等における秘匿モードの符号化に対応する解読モードの復号化により、暗号化による秘匿処理を伴い符号化された符号化対象画像データを正しく復号化できる。したがって、前記復号化対象画像データが暗号化されたものであるか否かについての情報の、画像符号化装置からの通知が不要で、通常の符号化画像データと暗号化された符号化画像データとの互換性を維持した符号化を画像符号化装置側に行わせることができ、また、その画像符号化装置が符号化した画像データの暗号化の有無を自動的に識別して元の画像データに復元することが可能となる効果が得られる。
【0128】
請求項11に係る発明によれば、請求項8に記載の画像符号化装置等により前記復号化対象画像データの特定位置に置換されている前記特定図形データを抽出することができるため、当該復号化対象画像データが暗号化されたものであるか否かを迅速に判断でき、復号化の処理速度が向上するという効果が得られる。
【0129】
請求項12に係る発明によれば、請求項10と同様の効果に加えて、請求項9に記載の画像符号化装置等において、前記復号化対象画像データ内に複数置換された前記特定図形データを検出しないと、解読モードの復号化に移行しないため、画像符号化装置側において前記特定画像データを1つのみ前記復号化対象画像データ内に置換した場合に、全くの偶然で、前記特定図形データと同一の内容が前記復号化対象画像データ中に含まれていて、解読モードの復号化の開始位置が本来の位置からずれたりして正常な復号化が行えなくなるような事態の発生を起きにくくすることが可能となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像符号化装置及び画像復号化装置としてのファクシミリ装置のブロック構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置の操作表示部の部分構成について示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置のROMの記憶内容について示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置における符号化処理手順について示すフローチャートである。
【図5】画像データ列と、その画像データ列の一部と図4に示す処理により置換されるマーカデータとについて示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置における、図4に示すものとは別の符号化処理手順について示すフローチャートである。
【図7】画像データ列と、その画像データ列中に図6に示す処理により挿入されるマーカデータとについて示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置における復号化処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置における図8に示すものとは別の復号化処理手順について示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置のROMの記憶内容について示す、図3とは別の図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置における、図4または図6に示すものとは別の符号化処理手順について示すフローチャートである。
【図12】画像データ列と、その画像データ列の一部と図11に示す処理により置換される特定図形データとについて示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置における、図4、図6または図11に示すものとは別の符号化処理手順について示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置における図8または図9に示すものとは別の復号化処理手順について示すフローチャートである。
【図15】特定図形データの探索方法について示す模式図である。
【図16】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置における図8、図9または図14に示すものとは別の復号化処理手順について示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置
2 システム制御部
3 ROM
3a マーカデータのための記憶領域
3b 特定図形データのための記憶領域
4 RAM
5 画像入力手段
6 画像出力手段
7 符号化復号化部
8 操作表示部
8a [秘匿モード]キー
8b インジケータランプ
9 通信制御部
10 モデム
11 網制御部
12 システムバス
Claims (12)
- 符号化対象画像データを符号化すると共に、秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データの符号化の際に暗号化による秘匿処理をも併せて行う画像符号化装置において、
前記秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データの一部を、所定のマーカデータに置換するマーカ置換手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記マーカデータまで、及び、当該マーカデータを通常モードで符号化する通常符号化手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記マーカデータ以後の部分について暗号化を伴う符号化を行う秘匿符号化手段とを備えたことを特徴とする画像符号化装置。 - 符号化対象画像データを符号化すると共に、秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データの符号化の際に暗号化による秘匿処理をも併せて行う画像符号化装置において、
前記秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データ中に、所定のマーカデータに挿入するマーカ挿入手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記マーカデータまで、及び、当該マーカデータを通常モードで符号化する通常符号化手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記マーカデータ以後の部分について暗号化を伴う符号化を行う秘匿符号化手段とを備えたことを特徴とする画像符号化装置。 - 前記マーカデータは、前記符号化対象画像データの先端に位置することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の画像符号化装置。
- 前記マーカデータは、複数ビットより成ることを特徴とする請求項1、2または3のいずれかに記載の画像符号化装置。
- 符号化された復号化対象画像データを復号化すると共に、当該復号化対象画像データが暗号化されている場合には暗号解読処理をも併せて行う画像復号化装置において、
前記復号化対象画像データを後記マーカ検出手段が所定のマーカデータを検出するまで通常モードで復号化する通常復号化手段と、その通常復号化手段により復号化された画像データから前記マーカデータを検出するマーカ検出手段と、そのマーカ検出手段により前記マーカデータが検出されると、それ以後、前記復号化対象画像データを暗号解読処理を伴う解読モードで復号化する解読復号化手段とを備えたことを特徴とする画像復号化装置。 - 符号化された復号化対象画像データを復号化すると共に、当該復号化対象画像データが暗号化されている場合には暗号解読処理をも併せて行う画像復号化装置において、
前記復号化対象画像データを後記マーカ検出手段が所定のマーカデータを検出されるまで通常モードで復号化する通常復号化手段と、その通常復号化手段により復号化された画像データから前記マーカデータを検出するマーカ検出手段と、そのマーカ検出手段により検出された前記マーカデータを復号化後の画像データから除去するマーカ除去手段と、前記マーカ検出手段により前記マーカデータが検出されると、それ以後、前記復号化対象画像データを暗号解読処理を伴う解読モードで復号化する解読復号化手段とを備えたことを特徴とする画像復号化装置。 - 符号化対象画像データを符号化すると共に、秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データの符号化の際に暗号化による秘匿処理をも併せて行う画像符号化装置において、
前記秘匿モードに設定されている場合は、前記符号化対象画像データの一部を、特定図形データに置換する特定図形置換手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記特定図形まで、及び、当該特定図形を通常モードで符号化する通常符号化手段と、前記符号化対象画像データのうちの前記特定図形以後の部分について暗号化を伴う符号化を行う秘匿符号化手段とを備えたことを特徴とする画像符号化装置。 - 前記特定図形データは、前記符号化対象画像データの予め決められた特定の位置に位置することを特徴とする請求項7に記載の画像符号化装置。
- 前記特定図形置換手段は、複数の前記特定図形データを前記符号化対象画像データ中に置換することを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載の画像符号化装置。
- 符号化された復号化対象画像データを復号化すると共に、当該復号化対象画像データが暗号化されている場合には暗号解読処理をも併せて行う画像復号化装置において、
前記復号化対象画像データを後記特定図形抽出手段が特定図形データを抽出するまで通常モードで復号化する通常復号化手段と、その通常復号化手段により復号化された画像データから前記特定図形データを抽出する特定図形抽出手段と、その特定図形抽出手段により前記特定図形データが抽出されると、それ以後、前記復号化対象画像データを暗号解読処理を伴う解読モードで復号化する解読復号化手段とを備えたことを特徴とする画像復号化装置。 - 前記特定図形抽出手段は、前記復号化対象画像データの特定位置から前記特定図形データを抽出することを特徴とする請求項10に記載の画像復号化装置。
- 符号化された復号化対象画像データを復号化すると共に、当該復号化対象画像データが暗号化されている場合には暗号解読処理をも併せて行う画像復号化装置において、
前記復号化対象画像データを後記特定図形抽出手段が予め決められた組み合わせの複数の特定図形データを抽出するまで通常モードで復号化する通常復号化手段と、その通常復号化手段により復号化された画像データから前記複数の特定図形データを抽出する特定図形抽出手段と、その特定図形抽出手段により前記複数の特定図形データが抽出されると、それ以後、前記復号化対象画像データを暗号解読処理を伴う解読モードで復号化する解読復号化手段とを備えたことを特徴とする画像復号化装置。
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