JP3808137B2 - 伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置 - Google Patents

伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高所作業車等の伸縮ブーム式作業機においては、伸縮ブームを伸縮させながら起伏動や旋回動を行なわせることにより作業範囲内で伸縮ブームを任意方向に直線移動を行なわせることができる。
【0003】
伸縮ブームのこのような直線移動の過程において、伸縮ブームが最も縮小された,全縮小状態となる場合には、伸縮ブームをさらに短くすることができないので、伸縮ブームが全縮小状態となった点で伸縮ブームの直線移動が停止されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように伸縮ブームの直線移動が途中で停止すると、その作業機による作業効率が損なわれることになる。
【0005】
また、伸縮ブームが全縮小状態となった後においても伸縮以外の起伏や旋回のみで伸縮ブームの駆動をそのまま継続して行なうこととした場合、伸縮ブームの移動が意図する直線から大きく逸脱することもあるので、かえって作業効率を損なうこともある。
【0006】
この発明は、このような事情に基づいてなされたもので、伸縮ブームの直線移動において、伸縮ブームが全縮小状態となった場合であってもその後の伸縮ブームの移動が前記直線から過度に逸脱しない場合にはその伸縮ブームの移動を許容することとして、伸縮ブームの停止頻度を少なくして、伸縮ブーム式作業機における作業効率を向上させることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項1記載の発明は、起伏自在な伸縮ブームを備え、伸縮ブームの移動方向を選択する操作レバーと、伸縮ブームを起伏駆動と伸縮駆動をする起伏駆動手段と伸縮駆動手段と、伸縮ブームを操作レバー方向に移動させるように前記起伏駆動手段と伸縮駆動手段とを駆動制御する演算装置を有し、伸縮ブームの先端が鉛直方向とは交差して傾斜する直線方向に制御する伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置において、伸縮ブームが全縮小を検出したか否かを検出する全縮小センサと前記伸縮ブームの起伏角度を検出する起伏角センサとを備え、前記演算装置は、前記全縮小センサが伸縮ブームの全縮小を検出したときに、操作レバーにより入力された伸縮ブームの移動方向となる直線と全縮小状態における伸縮ブーム先端部の起伏半径軌跡との間隔を演算するものとし、その演算の結果から前記直線が前記起伏半径軌跡内を通過するものとなる場合、前記直線からの前記起伏半径軌跡のはみ出し量を算出して、この算出値を予め定めた所定の長さと比較し、この比較の結果、前記算出値が所定の長さより小さい場合には、前記直線からはみ出している部分では伸縮ブームを前記起伏半径軌跡に沿って移動させるよう前記起伏駆動手段を駆動制御するようにし、前記全縮小センサが伸縮ブームの全縮小を検出しないときに、操作レバーにより入力された伸縮ブームの移動方向となる直線を演算し、その演算結果から伸縮ブームを前記直線に沿って移動させるよう前記起伏駆動手段を駆動制御するようにしたことを特徴とする伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置である。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、旋回および起伏自在な伸縮ブームを備え、伸縮ブームの移動方向を選択する操作レバーと、伸縮ブームを起伏駆動と伸縮駆動と旋回駆動をする起伏駆動手段と伸縮駆動手段と旋回駆動手段と、伸縮ブームを操作レバー方向に移動させるように前記起伏駆動手段と伸縮駆動手段と旋回駆動手段を駆動制御する演算装置を有し、伸縮ブームの先端が鉛直方向とは交差して傾斜する直線方向に制御する伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置において、伸縮ブームが全縮小を検出したか否かを検出する全縮小センサと前記伸縮ブームの起伏角度を検出する起伏角センサとを備え、前記演算装置は、前記全縮小センサが伸縮ブームの全縮小を検出したときに、操作レバーにより入力された伸縮ブームの移動方向を起伏面上と水平面上に射影した直線に分解し、起伏面上に射影した直線と全縮小状態における伸縮ブーム先端部の起伏半径軌跡との間隔を演算するものとし、その演算の結果から前記直線が前記起伏半径軌跡内を通過するものとなる場合、前記直線からの前記起伏半径軌跡のはみ出し量を算出して、この算出値を予め定めた所定の長さと比較し、この比較の結果、前記算出値が所定の長さより小さい場合には、前記直線からはみ出している部分では伸縮ブームを前記起伏半径軌跡に沿って移動させ、前記水平面上に射影した直線と全縮小状態における伸縮ブーム先端部の旋回半径軌跡との間隔を演算するものとし、その演算の結果から前記直線が前記旋回半径軌跡内を通過するものとなる場合、前記直線からの前記旋回半径軌跡のはみ出し量を算出して、この算出値を予め定めた所定の長さと比較し、この比較の結果、前記算出値が所定の長さより小さい場合には、前記直線からはみ出している部分では伸縮ブームを前記旋回半径軌跡に沿って移動させるよう、前記起伏駆動手段と旋回駆動手段を駆動制御するようにし、前記全縮小センサが伸縮ブームの全縮小を検出しないときに、操作レバーにより入力された伸縮ブームの移動方向となる直線を演算し、その演算結果から伸縮ブームを前記直線に沿って移動させるよう前記起伏駆動手段を駆動制御するようにしたことを特徴とする伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、伸縮ブーム式作業機としての高所作業車における実施の形態によりこの発明を説明するが、第1の実施の形態は請求項2に対応するものであり、第2の実施の形態は請求項1に対応するものである。
【0010】
まず、第1の実施の形態について、図1から図6を参照しつつ説明する。
【0011】
図2において、1は高所作業車を示し、2は車体である。
【0012】
車体2上には、不図示の旋回台を介して伸縮ブーム4が設置されており、この伸縮ブーム4は鉛直軸O1回りに旋回駆動されるとともに、水平軸O2回りに起伏駆動されるようになっている。
【0013】
伸縮ブーム4は、基端ブーム4aと先端ブーム4bとの2段構成であって、互いにはめ合わされ、テレスコピックに伸縮駆動するようになっている。
【0014】
そして、先端ブーム4bの先端部には、作業員が搭乗して高所作業を行なうバケット6が取付金具を介して装着されており、このバケット6は鉛直軸P回りで首振り駆動するようになっている。
【0015】
このような高所作業車1の伸縮ブーム4は、図3に示す油圧回路7により駆動され、前記バケット6を適宜の空中位置に位置させることができる。
【0016】
図3に示す油圧回路7において、11は伸縮ブーム4を伸縮駆動する伸縮シリンダ,12は伸縮ブーム4を起伏駆動する起伏シリンダであり、13は旋回台を駆動して伸縮ブーム4を旋回させる旋回モータである。
【0017】
この油圧回路7は、油圧ポンプ18と第1の電磁流量制御弁21と第2の電磁流量制御弁22と第3の電磁流量制御弁23とを有するもので、これらの第1〜第3の電磁流量制御弁21〜23は前記油圧ポンプ18の吐出側管路とオイルタンク24に至る管路との間に互いに並列に接続されている。
【0018】
前記第1の電磁流量制御弁21は伸縮シリンダ11に、第2の電磁流量制御弁22は起伏シリンダ12に、第3の電磁流量制御弁23は旋回モータ13にそれぞれ対応して設置されており、各電磁流量制御弁はそれぞれが対応する各アクチュエータに供給する圧油の流量を制御し、かつ切り換えを行なうものである。
【0019】
そして、これらの第1〜第3の電磁流量制御弁21〜23のソレノイド部にはこれらを電気的に制御するための電気回路17が接続されている。
【0020】
電気回路17は、マイクロコンピュータからなる演算装置26と記憶装置27とが設けられ、前記演算装置26には、伸縮ブーム4の長さを検出するブーム長さセンサ31,伸縮ブーム4の対地角度を検出する起伏角センサ32および伸縮ブーム4の旋回角を検出する旋回角センサ33からの電気信号を入力するようになっている。
【0021】
また、この演算装置26には、バケット6に設置され、そのバケット6,すなわち伸縮ブーム4の先端の移動方向を手動操作するための操作レバー34からの信号が入力されるようになっている。
【0022】
この演算装置26は、図4に示すように、はみ出し量演算装置35と比較器36と目標速度演算装置37と出力演算装置38とを有するものである。
【0023】
はみ出し量演算装置35における演算の内容は記憶装置27に予め記憶されており、図1に示す手順で行なわれるものである。
【0024】
以下、図5および図6を参照しつつその演算の内容を説明する。
【0025】
なお、この明細書でいう,はみ出し量とは、操作レバー34により入力されたバケット6の移動方向直線から、全縮小状態とした場合のブーム長さによる半径軌跡が膨らみだしている長さ寸法のことであり、第1の実施の形態のはみ出し量演算装置35においては、水平面でのはみ出し量の演算と垂直面でのはみ出し量の演算とが行なわれので、前記の半径軌跡としては、水平面での半径軌跡(旋回半径軌跡)と伸縮ブームが起伏する起伏面での半径軌跡(起伏半径軌跡)とが用いられる。
【0026】
まず、水平面でのはみ出し量の演算内容について説明する(主に、図1の上段部分および図5参照)。
【0027】
なお、図5において、直線Aは操作レバー34からの入力によるバケット6の移動方向直線を水平面に示したもの(水平面移動方向直線)であり、円弧Bは全縮小状態の伸縮ブームによる旋回半径軌跡を示したものである。
【0028】
操作レバー34からの信号は、X−Y座標成分に分けて出力されるので、これらの成分毎の出力をX,Yとして次式を演算することにより、水平面レバー方向角度ωと、水平面レバー操作量Vhとが算出される。
【0029】
水平面レバー方向角度ω= tan -1 (VY/VX)… (1)
水平面レバー操作量V h =(VX 2 +VY 2 1/2 (2)
そして、前記(1)式で得られた水平面レバー方向角度ωと、バケット6の首振り角度ψとを用いて次式により水平面移動方向角度を算出する。
【0030】
水平面移動方向角度=ω+ψ…(3)
このようにして得られた水平面移動方向角度と旋回半径Rとを用いて、伸縮ブーム4の旋回中心O1と水平面移動方向直線Aとの距離,すなわち水平面距離dを算出する。
【0031】
水平面距離d=R×sin(ω+ψ)…(4)
なお、旋回半径Rは、ブーム長さセンサ31によるブーム長さLと,起伏角度センサ32によるブーム起伏角θと,鉛直軸O1と水平軸O2との間隔距離Kとから、次式で算出される。
【0032】
旋回半径R=L×cosθ−K…(5)
この実施の形態においては、前記のように首振り角度ψを用いて水平面移動方向角度を算出しているが、首振り動作を行なわない高所作業車の場合には、操作レバーからの信号を直接分解して水平面距離dを算出することも可能である。
【0033】
この後、前記(4)式で得られた水平面距離dと旋回半径Rから水平面はみ出し量を次式により得ることができる。
【0034】
水平面はみ出し量=R−d…(6)
次に、垂直面(伸縮ブームが起伏する面)でのはみ出し量の演算内容について説明する(主に、図1の下段部分および図6参照)。
【0035】
なお、図6において、直線Cは操作レバー34からの入力によるバケット6の移動方向直線を垂直面に示したもの(垂直面移動方向直線)であり、円弧Dは全縮小状態の伸縮ブームによる起伏半径軌跡である。
【0036】
なお、起伏半径は、伸縮ブーム4が起伏する面での伸縮ブーム4の全縮小状態でのブーム長さであるから、前記ブーム長さセンサ31からのブーム長さLをそのまま用いることができる。
【0037】
前記(2)式で算出された水平面レバー操作量Vhと、前記(3)式で得られた水平面移動方向角度ω+ψとを用いて、次式により垂直面に投影した水平方向成分Vrを算出する。
【0038】
水平方向成分Vr=Vh×cos|ω+ψ|…(7)
そして、このようにして得られた水平方向成分Vrと伸縮ブーム4の昇降操作を行なう昇降操作レバーからの出力Zを用いて、垂直面移動方向角度δを算出する。
【0039】
垂直面移動方向角度δ= tan -1 (VZ/V r )… (8)
このようにして得られた垂直面移動方向角度δと、ブーム長さセンサ31によるブーム長さに等しい起伏半径Lと、起伏角センサ32による起伏角度θとを用いて、次式によりブーム根元ピンO2と垂直面移動方向直線Cとの垂直面距離hを算出する。
【0040】
垂直面距離h=L×sin(θ+δ)…(9)
そして、この垂直面距離hと起伏半径Lから垂直面はみ出し量を次式により得ることができる。
【0041】
垂直面はみ出し量=L−h…(10)
このようにしてはみ出し量演算装置35で得られた水平面はみ出し量および垂直面はみ出し量の算出値は、比較器36に入力され、記憶装置27に予め記憶されている許容はみ出し量(長さのデイメンジョンであり、例えば20cmに相当する長さに設定する)との比較が行なわれる(図4参照)。
【0042】
この場合、許容はみ出し量の数値は水平面はみ出し量と垂直面はみ出し量とに共通の値として設定するが、個別に異なる数値を設定してもよい。
【0043】
そして、比較器36での水平面はみ出し量および垂直面はみ出し量の算出値と許容はみ出し量との比較の結果、少なくとも一方の算出値が許容はみ出し量より大きい場合には、比較器36は後述する目標速度演算装置37の目標速度演算部37bに向けて伸縮ブーム4の動作禁止の信号を出力する。また、両方の算出値が許容はみ出し量以下である場合には、伸縮ブーム4を全縮小状態に維持したままでの伸縮ブーム4の動作を許容する。
【0044】
目標速度演算装置37は、幾何演算部37aと目標速度演算部37bとを有する。
【0045】
幾何演算部37aは、操作レバー34により入力された操作量を伸縮シリンダ11,起伏シリンダ12および旋回モータ13の各アクチュエータ毎の動作に分解するものであり、目標速度演算部37bは前記幾何演算部37aで分解された操作量に応じたアクチュエータ毎の目標速度を演算するものである。
【0046】
そして、前記比較器36から動作禁止信号が入力された場合には、前記目標速度演算部37bは全てのアクチュエータに対する目標速度を0とする。
【0047】
また、前記の水平面はみ出し量と垂直面はみ出し量との両方の算出値がともに許容はみ出し量以下の場合には、伸縮シリンダ11の目標速度のみを0とし、起伏シリンダ12および旋回モータ13の目標速度は直線AまたはC上を移動するのと同様に出力するものである。
【0048】
このような目標速度演算部37bからの出力は、出力演算装置38に入力され、最終的な目標速度に対応する出力を演算して前記第1〜第3の電磁流量制御弁21〜23に向けて出力され、伸縮ブーム4の動作が制御される。
【0049】
この実施の形態の高所作業車1においては、水平面と垂直面との双方において前記のようにはみ出し量を算出して伸縮ブーム4の動作を制御することとしたので、伸縮ブーム4の移動直線が垂直面内にない3次元的に傾斜したものであっても、伸縮ブーム4が全縮小状態となっても作業上で支障の無い範囲である場合には伸縮ブーム4の動作を停止させずに済み、作業効率を向上することができる。
【0050】
なお、この第1の実施の形態においては、ブーム長さセンサ31により伸縮ブーム4が全縮小状態にあることを検出するとともに、伸縮ブーム4の全縮小状態でのブーム長さを得ることとしているが、これに代えて伸縮ブーム4が全縮小状態にあることを検出する専用の全縮小センサを設置し、全縮小状態での伸縮ブーム4のブーム長さを記憶装置に予め記憶させておくこととしてもよい。
【0051】
また、この第1の実施の形態においては、前記したようにはみ出し量が所定の長さを越える場合に交点で伸縮ブーム4を停止させることとしたが、伸縮ブーム4の長さが全縮小状態の時に限らず,常時前記のはみ出し量を演算することとすれば、はみ出し量が所定の長さに達するまで、伸縮ブーム4を旋回半径軌跡Bまたは起伏半径軌跡Dに沿って移動させ、はみ出し量が所定の長さに達したときに伸縮ブーム4を停止させることも可能である。
【0052】
次に、図7と図8により、請求項1に対応する第2の実施の形態を説明する。
【0053】
この第2の実施の形態は、はみ出し演算装置35の演算の内容のみが前記第1の実施の形態と相違し、高所作業車1の機械的構成や駆動用の油圧回路7およびこれを電気的に制御するための電気回路17の構成等は前記第1の実施の形態と共通である。
【0054】
以下の説明においては、前記第1の実施の形態と異なる事項についてのみ説明を行なうこととし、前記第1の実施の形態との共通事項については説明を繰り返さない。
【0055】
この第2の実施の形態におけるはみ出し演算装置35の演算の内容は、伸縮ブーム4についての前記と同様の制御を起伏面のみについて行なうものであり、はみ出し量演算装置35における演算の内容が記憶装置27に予め記憶されていることも前記第1の実施の形態と同様である。
【0056】
この第2の実施の形態での演算内容は、図7に示す手順で行なわれるものであり、図8中Eは移動方向直線,Fは起伏半径軌跡を示す。
【0057】
まず、伸縮ブーム4の水平操作を行なう操作レバーからの出力VXと昇降操作を行なう昇降操作レバーからの出力VZを用いて、垂直面移動方向角度δを算出する。
【0058】
垂直面移動方向角度δ=tan-1(VZ/VX)…(11)
このようにして得られた垂直面移動方向角度δと、ブーム長さセンサ31によるブーム長さに等しい起伏半径Lと、起伏角センサ32による起伏角度θとを用いて、次式によりブーム根元ピンO2と(垂直面)移動方向直線Eとの垂直面距離hを算出する。
【0059】
垂直面距離h=L×sin(θ+δ)…(12)
そして、この垂直面距離hと起伏半径Lから垂直面はみ出し量を次式により得ることができる。
【0060】
垂直面はみ出し量=L−h…(13)
このようにして算出された垂直面はみ出し量は、前記した第1の実施の形態の場合と同様に、比較器36に入力され、記憶装置27に予め記憶されている許容はみ出し量との比較が行なわれる。
【0061】
そして、比較器36での比較の結果、算出値が許容はみ出し量より大きい場合には、比較器36は後述する目標速度演算装置37の目標速度演算部37bに向けて伸縮ブーム4の動作禁止の信号を出力し、算出値が許容はみ出し量以下である場合には、伸縮ブーム4を全縮小状態に維持したままでの起伏動作が許容される。
【0062】
なお、この発明は、高所作業車に限らず、その他クレーン車等の伸縮ブーム式作業機においても実施することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、起伏面内での伸縮ブームの先端が鉛直方向とは交差して傾斜する直線移動において、伸縮ブームが全縮小状態となった場合であってもその後の伸縮ブームの移動が前記直線から過度に逸脱しない場合にはその伸縮ブームの移動を許容することとしてあるので、伸縮ブームの停止頻度が少なくなり、伸縮ブーム式作業機における作業効率を向上させることができる。
【0064】
また、請求項2記載の発明によれば、操作レバーによる伸縮ブームの移動直線が起伏面内に限らず起伏面と交差して傾斜したものである場合に、伸縮ブームが全縮小状態となった場合であってもその後の伸縮ブームの移動が前記直線から過度に逸脱しない場合にはその伸縮ブームの移動を許容することとしてあるので、伸縮ブームの各種の直線移動での停止頻度が少なく、伸縮ブーム式作業機における作業効率の向上が顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】はみ出し量演算部における演算手順を示すブロック図である。
【図2】高所作業車の平面図である。
【図3】伸縮ブームを駆動する回路図である。
【図4】演算装置のブロック図である。
【図5】水平面はみ出し量の説明図である。
【図6】垂直面はみ出し量の説明図である。
【図7】第2の実施の態様におけるはみ出し量演算部での演算手順を示すブロック図である。
【図8】第2の実施の態様における垂直面はみ出し量の説明図である。
【符号の説明】
A 水平面移動方向直線
B 旋回半径軌跡
C 垂直面移動方向直線
D 起伏半径軌跡
E 移動方向直線
F 起伏半径軌跡
R 旋回半径
L 起伏半径
1 高所作業車
4 伸縮ブーム
11 伸縮シリンダ(伸縮駆動手段)
12 起伏シリンダ(起伏駆動手段)
13 旋回モータ(旋回駆動手段)
26 演算装置
31 ブーム長さセンサ(全縮小センサ)
32 起伏角センサ
33 旋回角センサ
34 操作レバー

Claims (2)

  1. 起伏自在な伸縮ブームを備え、伸縮ブームの移動方向を選択する操作レバーと、伸縮ブームを起伏駆動と伸縮駆動をする起伏駆動手段と伸縮駆動手段と、伸縮ブームを操作レバー方向に移動させるように前記起伏駆動手段と伸縮駆動手段とを駆動制御する演算装置を有し、伸縮ブームの先端が鉛直方向とは交差して傾斜する直線方向に制御する伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置において、
    伸縮ブームが全縮小を検出したか否かを検出する全縮小センサと前記伸縮ブームの起伏角度を検出する起伏角センサとを備え、前記演算装置は、
    前記全縮小センサが伸縮ブームの全縮小を検出したときに、操作レバーにより入力された伸縮ブームの移動方向となる直線と全縮小状態における伸縮ブーム先端部の起伏半径軌跡との間隔を演算するものとし、その演算の結果から前記直線が前記起伏半径軌跡内を通過するものとなる場合、前記直線からの前記起伏半径軌跡のはみ出し量を算出して、この算出値を予め定めた所定の長さと比較し、この比較の結果、前記算出値が所定の長さより小さい場合には、前記直線からはみ出している部分では伸縮ブームを前記起伏半径軌跡に沿って移動させるよう前記起伏駆動手段を駆動制御するようにし、
    前記全縮小センサが伸縮ブームの全縮小を検出しないときに、操作レバーにより入力された伸縮ブームの移動方向となる直線を演算し、その演算結果から伸縮ブームを前記直線に沿って移動させるよう前記起伏駆動手段を駆動制御するようにしたことを特徴とする伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置。
  2. 旋回および起伏自在な伸縮ブームを備え、伸縮ブームの移動方向を選択する操作レバーと、伸縮ブームを起伏駆動と伸縮駆動と旋回駆動をする起伏駆動手段と伸縮駆動手段と旋回駆動手段と、伸縮ブームを操作レバー方向に移動させるように前記起伏駆動手段と伸縮駆動手段と旋回駆動手段を駆動制御する演算装置を有し、伸縮ブームの先端が鉛直方向とは交差して傾斜する直線方向に制御する伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置において、
    伸縮ブームが全縮小を検出したか否かを検出する全縮小センサと前記伸縮ブームの起伏角度を検出する起伏角センサとを備え、前記演算装置は、
    前記全縮小センサが伸縮ブームの全縮小を検出したときに、操作レバーにより入力された伸縮ブームの移動方向を起伏面上と水平面上に射影した直線に分解し、起伏面上に射影した直線と全縮小状態における伸縮ブーム先端部の起伏半径軌跡との間隔を演算するものとし、その演算の結果から前記直線が前記起伏半径軌跡内を通過するものとなる場合、前記直線からの前記起伏半径軌跡のはみ出し量を算出して、この算出値を予め定めた所定の長さと比較し、この比較の結果、前記算出値が所定の長さより小さい場合には、前記直線からはみ出している部分では伸縮ブームを前記起伏半径軌跡に沿って移動させ、前記水平面上に射影した直線と全縮小状態における伸縮ブーム先端部の旋回半径軌跡との間隔を演算するものとし、その演算の結果から前記直線が前記旋回半径軌跡内を通過するものとなる場合、前記直線からの前記旋回半径軌跡のはみ出し量を算出して、この算出値を予め定めた所定の長さと比較し、この比較の結果、前記算出値が所定の長さより小さい場合には、前記直線からはみ出している部分では伸縮ブームを前記旋回半径軌跡に沿って移動させるよう、前記起伏駆動手段と旋回駆動手段を駆動制御するようにし、
    前記全縮小センサが伸縮ブームの全縮小を検出しないときに、操作レバーにより入力された伸縮ブームの移動方向となる直線を演算し、その演算結果から伸縮ブームを前記直線に沿って移動させるよう前記起伏駆動手段を駆動制御するようにしたことを特徴とする伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置。
JP20477096A 1996-08-02 1996-08-02 伸縮ブーム式作業機のブーム制御装置 Expired - Fee Related JP3808137B2 (ja)

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