JP3808114B2 - スパッタリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はスパッタリング装置に関し、特に、比較的広い面積を有する基板の表面に、ターゲット面の全体を有効に消費しながら、均一な厚みの薄膜を作成できるマグネトロンカソード電極を備えたスパッタリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスパッタリング装置では各種方式のカソード電極構造が提案されているが、その中で、工業的には、マグネトロン方式のカソード電極構造が最も多く使用されている。その理由は、膜形成速度が大きいからである。従来のマグネトロン方式の電極には、さまざまなタイプが存在する。これらのタイプは、例えば“Thin Film Process”(アカデミック・プレス出版、1978年、J. L. VossenとW. Kernによる編集)の75〜173頁に、または「薄膜ハンドブック」(1983年、日本学術振興会薄膜第131委員会編集)の186〜189頁に記述されている。
【0003】
現在のところ、マグネトロン方式のカソード電極の中で、特に、平面形状を有するターゲットを備えた平板マグネトロンカソード電極が工業的に最も有用である。
【0004】
矩形の平面形状を有する平板マグネトロンカソード電極を用いた従来のスパッタリング装置では、矩形ターゲットの表面に平行に基板を搬送しながらスパッタリングを行って、基板の表面に薄膜を形成する方式、いわゆる基板並進方式が採用されていた。しかし、基板の大面積化に伴い、(1)装置の巨大化、(2)ターゲットの不均一消耗による不経済性、(3)基板におけるスパッタリング膜の不均質性、などの問題が挙げられるようになった。
【0005】
現在では、これらの問題の解決のために、基板よりも面積の広い矩形ターゲットを配置したスパッタリング装置の内部において、基板を静止した状態で矩形ターゲットに平行に基板を配置してスパッタリングを行う、いわゆる基板静止方式が採用されるようになってきた。以下に、基板静止方式のマグネトロンカソード電極について、図7と図8を用いて説明する。
【0006】
図7はマグネトロンカソード電極に内蔵される複数の磁石ユニットの一つを示したものである。図7(A)は矩形の磁石ユニットをその短辺に平行な平面で切断した断面図、(B)はこの磁石ユニットの平面図、(C)はその斜視図である。図7(A)において、磁石ユニット10は、平面形状が矩形のヨーク12の上に、矩形の板状の中心磁石14と、その周囲に配置された矩形リング形状の周辺磁石16とから構成される。中心磁石14のヨーク12側の磁極はN極、その反対側はS極であり、周辺磁石16のヨーク12側の磁極はS極、その反対側はN極である。この磁極配置によって、ターゲット側では、周辺磁石16から中心磁石14へ向かう磁力線18が形成される。したがって、周辺磁石16の上方ではターゲット表面から磁力線18が出ていき、中心磁石14の上方ではターゲット表面に磁力線18が入っていく。この磁力線18は、図7(C)に示すように、環状に閉じたトンネル経路を形成する。
【0007】
図8は複数の磁石ユニット10の従来の配置を示す平面図である。ターゲットの背面には、磁石ユニット10を、その長辺が隣り合うように、複数個並べて、磁石組立体を構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
複数の磁石ユニットを上述のように並べて配置すると、次の問題が生じる。各磁石ユニットの磁極配置を同一にした場合には、各磁石ユニットの磁場同士が相互干渉して、ターゲット表面に平行な成分の磁場強度に関して、磁場強度の不均一な部分、すなわち「むら」が発生する。この磁場干渉による磁場強度「むら」に応じて、ターゲット面上でイオン電流密度の「むら」が生じ、その結果、スパッタ量の「むら」が発生する。したがって、膜厚分布や膜質分布の不均一性を生じる。
【0009】
この磁場強度「むら」の解決のために、いくつかの方法が知られている。特開平5−239640号公報に記載されたスパッタリング装置では、磁極配置が互いに異なる2種類の磁石ユニットを交互に配置する構造が提案された。この構造は有用ではあるが、近接した異極同士による磁場の打ち消しあいのために、磁場強度が弱くなり易い。そのため、強い磁場を得るためには、磁石寸法を大きくする必要があり、また、そのための費用も高くなる問題があった。一方、特開平6−192833号公報に記載されたスパッタリング装置では、この磁場強度「むら」の解決のために、磁極配置が同一の隣接する磁石ユニットの間に、強磁性体からなる磁気シールド壁を設置することを提案している。この方法においても、磁気シールドを設置するために、磁石組立体は大型化してしまうという問題があった。
【0010】
また、基板静止方式により大面積基板に薄膜を作成する場合、膜厚分布は不均一になりやすく、特に基板の端部に近づくに従って膜厚は薄くなりやすい。そこで、上述の特開平6−192833号では、両側の2つの磁石ユニットを、その内側の磁石ユニットよりもターゲット表面に近づけることにより、両側の2つの磁石ユニットの作る磁場を、内側の磁石ユニットの作る磁場よりも大きくしている。これにより、基板端部でイオン電流が増加し、基板端部での膜厚低下を防ぐことができ、膜厚分布の均一性が改善される。ところが、この方法では、磁石ユニットの短辺方向についての膜厚分布の均一性は改善されるが、磁石ユニットの長辺方向についての膜厚分布の均一性は改善されない。その理由は、磁石ユニットの長辺方向においては磁石ユニットが1つであることから、長辺方向において磁石ユニットとターゲット表面との距離を変化させることができないためである。
【0011】
また、上述の特開平6−192833号では、磁石組立体を磁石ユニットの短辺方向に往復運動させることによって、ターゲットの利用効率を向上させている。すなわち、ドリフト電子による環状軌跡が磁石ユニットの短辺方向に往復運動することにより、これまでスパッタリングされなかったターゲット部分もスパッタリングされるようになる。しかし、この方法においても、磁石ユニットの長辺方向におけるターゲットのスパッタエッチング量が不均一であるという問題はそのままである。以下に、磁石ユニットの長辺方向の膜厚不均一性について、図9と図10を用いて説明する。
【0012】
図9は、図8の磁石組立体をターゲット背面に配置した場合のターゲット表面上のエロージョン領域を示す平面図である。4個の磁石ユニット10に対応して4個の環状のエロージョン領域20が形成される。また、図10(A)は、磁石ユニットを静止してスパッタリングした場合の一つの磁石ユニットに対応したエロージョン領域を拡大して等高線表示で示した平面図である。図10(B)はエロージョンの深さ分布を示すグラフであり、横軸はエロージョンを横切る切断線上の位置、縦軸はエロージョンの深さである。図10(B)の曲線B1は、(A)のB1−B1切断面におけるグラフであり、曲線B2は、(A)のB2−B2切断面におけるグラフである。このグラフから分かるように、B2切断面は、B1切断面よりも、エロージョン領域の断面積が大きい。したがって、B1切断面(エロージョン領域の長手方向中央部)に比べてB2切断面(エロージョン領域の長手方向両端部近傍)の方がスパッタエッチング量が多くなる。図9に示すようにエロージョン領域が並んで形成される場合、ターゲット背後の磁石組立体を矢印22の方向に往復移動させると、エロージョン領域の長手方向両端部近傍が通過するターゲット領域24は、エロージョンの長手方向中央部に比べて深く削られてしまう。したがって、磁石ユニットを往復移動しても、磁石ユニットの長辺方向においてはスパッタエッチング量は不均一になる。
【0013】
本発明の目的は、矩形ターゲットが不均一に消耗されることによる不経済性を解消するとともに、基板に堆積される膜の膜厚の不均一性の問題を解決できるスパッタリング装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、マグネトロンカソード電極の背面に配置される磁石総組立体の構造に特徴がある。本発明の適用されるカソード電極は矩形平面状ターゲットを備えており、磁石総組立体の形状も、ターゲットの表面に平行な断面形状が矩形である。この磁石総組立体はターゲットの矩形の1辺に平行な方向に往復運動が可能である。この磁石総組立体は、前記往復運動に垂直な方向に延びる複数の短冊状組立体から構成され、この短冊状組立体の長辺の長さは、前記磁石総組立体の矩形の1辺の長さに等しくて、これらの短冊状組立体はその長辺が互いに隣り合うように配置されている。短冊状組立体のそれぞれは、前記往復運動に垂直な方向に一列に配置された複数の磁石ユニットから構成され、磁石ユニットのそれぞれは、ターゲットの表面に平行な断面形状が矩形をしていて、かつ、ターゲットの表面上に環状の電子ドリフト運動軌跡を生じさせるような磁場を形成している。そして、各短冊状組立体における磁石ユニット間の境界線の位置が、前記往復運動に垂直な方向において、隣り合う短冊状組立体同士でずれている、ことを特徴としている。好ましくは、各磁石ユニットのターゲット側の磁極面からターゲット表面までの距離を任意に設定できるようにする。
【0015】
【作用】
本発明によれば、磁石総組立体を複数の短冊状組立体で構成して、この短冊状組立体をさらに複数の磁石ユニットで構成し、さらに、各短冊状組立体における磁石ユニット間の境界線の位置が、前記往復運動に垂直な方向において、隣り合う短冊状組立体同士でずれるようにしたので、磁石総組立体を往復運動させたときに、エロージョン断面積の大きい部分と小さい部分とがターゲット上で重なるようになる。その結果、往復運動方向のスパッタエッチング量が均一になるのに加えて、往復運動に垂直な方向のスパッタエッチング量も均一になり、ターゲットの利用効率は大幅に改善される。
【0016】
また、前記磁石ユニットが、磁石総組立体の往復運動方向だけでなく、往復運動に垂直な方向にも複数並んでおり、かつ、各磁石ユニットのターゲット側の磁極面からターゲット表面までの距離を任意に可変できるような構造にしたことにより、複数個の磁石ユニットを並べて配置した場合に発生する磁場強度の「むら」を、往復運動方向に垂直な方向に対しても調節できる。従って、膜厚分布の均一性をさらに改善できる。また、磁石ユニット間の磁気シールドは必要なくなり、磁石総組立体を小型化できる。
【0017】
【実施例】
図3は、本発明における一実施例のスパッタリング装置の基本的な構成を示す正面断面図である。このスパッタリング装置は、基板トレイ挿入室26と、トレイに装着された基板の面に対して薄膜作製を行うためのスパッタリング室28と、基板トレイ取出し室30とから構成される。基板トレイ挿入室26と、スパッタリング室28と、基板トレイ取出し室30は、互いに直列的に連結される。これらの室は、それぞれ独立に排気して真空状態に保持できる構成を有した真空容器で形成される。基板トレイ挿入室26とスパッタリング室28の間にはゲートバルブ32が設けられ、スパッタリング室28と基板トレイ取出し室30の間にはゲートバルブ34が設けられる。
【0018】
スパッタリング室28は、通常、常に真空状態に保持・管理される。基板トレイ挿入室26は、リークバルブ36を用いて大気に開放することができ、基板トレイ取出し室30は、リークバルブ38を用いて大気に開放することができる。基板トレイ挿入室26では、排気バルブを経由して排気ポンプ(図示せず)で矢印40の方向へ排気される。基板トレイ取出し室30では、排気バルブを経由して排気ポンプ(図示せず)で矢印42の方向へ排気される。基板トレイ挿入室26の図3における左端は入り口扉44であり、基板トレイ取出し室30の図3における右端は出口扉46である。
【0019】
基板が装着されたトレイ48は、入り口扉44から基板トレイ挿入室26の内部に搬入される。トレイ48は基板を保持するための器具である。トレイ48が搬入された後、入り口扉44とゲートバルブ32を閉じた状態で、排気系を用いて排気が行われる。基板トレイ挿入室26の内部圧力が十分に低下した時点でゲートバルブ32が開かれ、トレイ48はレール(図示せず)に案内されて矢印50の方向に搬送され、スパッタリング室28に送り込まれる。
【0020】
スパッタリング室28では、トレイ48に装着された基板の表面に、スパッタリング法により薄膜が形成される。この実施例では、基板に薄膜を堆積するときには、トレイ48は静止した状態にある。基板に薄膜を形成した後、トレイ48は、ゲートバルブ34を経由して基板トレイ取出し室30に送り込まれる。トレイ48が基板トレイ取出し室30に送られた後に、ゲートバルブ34が閉じられ、リークバルブ38が開かれる。こうして、トレイ48に装着された基板は、大気圧環境の中に置かれ、その後、出口扉46を開いて、トレイ48を取り出す。
【0021】
スパッタリング室28では、図示しないガスボンベからガス導入管52を経て、矢印54の方向からガスが導入される。またスパッタリング室28では、図示しない排気ポンプにより排気口56を経て矢印58の方向に排気される。この結果、導入ガス流量と排気ガス流量が均衡した状態で、スパッタリング室28は、スパッタリングを行うのに適した10‐3〜10‐2Torrの圧力範囲内の一定圧力に保たれる。
【0022】
スパッタリング室28の内部のゲートバルブ32に近い箇所(前段側)には、必要に応じて、基板加熱ランプ60が配置される。基板加熱ランプ60の輻射熱により、薄膜を形成する前に基板の温度を高めることができる。スパッタリング室28の後段側には、矩形平面状の大型ターゲットを備えるマグネトロンカソード電極62(以下、単にカソード電極という。)が絶縁体64を介して設置される。カソード電極62の上部にはターゲット組立体66が取り付けられる。図3のターゲット組立体66の上面がターゲット面である。また、カソード電極62には電源68が接続されて電力が供給される。
【0023】
スパッタリング室28において、トレイ48はカソード電極62に対して静止する。この静止状態で、トレイ48上の基板は、ターゲット組立体66のターゲット面に対向する。ターゲットに対向する基板面には、ターゲット組立体62から飛来するスパッタリング粒子が堆積し、基板上に薄膜が形成される。図3における例では、1つのトレイ48と1つのカソード電極62との組み合わせが示されているが、スパッタリング室28の内部には、任意の数のカソード電極62を設けることができる。スパッタリング室28の壁は接地されている。
【0024】
図4はカソード電極62をその中心線で左右に分離して上下に配置して示した正面断面図であり、この図を参照してカソード電極62の構造を詳述する。カソード電極62は、電極ハウジング70と、この電極ハウジング70の内部に配置された磁石総組立体72と、ターゲット組立体66とから構成される。カソード電極62は、スパッタリング室を形成する真空容器の壁部73に形成された開口部74に対して、ターゲット組立体66のターゲット面が真空室の内部に露出するように、絶縁体64を介して取り付けられる。取り付けのための固定具の図示は省略してある。
【0025】
ターゲット組立体66は、ターゲット板76とターゲット押え治具78とターゲット裏板80とからなり、図示されない結合具により電極ハウジング70に固定される。
【0026】
電極ハウジング70の内部に形成された凹状空間82には、本発明による磁石総組立体72が配置される。磁石総組立体72では、磁石固定板84の上に複数の磁石ユニット86が固定されている。
【0027】
なお、図示されていないが、凹状空間82には、電極ハウジング70の外部から冷却水が導入される。冷却水はターゲット裏板80に接触して、これを冷却する。これにより、ターゲット組立体66のターゲット面に発生する熱を、冷却水を媒体として外部に放出している。
【0028】
電極ハウジング70とターゲット裏板80の間にはOリング88が配置されて気密性を保つ。電極ハウジング70と絶縁体64の間の気密性はOリング90により、絶縁体64と真空容器の壁部73の気密性はOリング92により、それぞれ維持される。
【0029】
ターゲット組立体66のうち、スパッタリングすべき面以外の箇所がイオン衝撃されるのは望ましくない。そこで、スパッタリングされたくない面がイオン衝撃されるのを防止するために、ターゲットシールド94が、壁部73の内面の開口部74の周辺部分に取り付けられる。
【0030】
電極ハウジング70の内部の前記凹状空間82には、磁石総組立体72が往復運動できるように、磁石ユニット1個の幅に相当する空間96が残存する。したがって、凹状空間82内において、磁石総組立体72を、矢印98の方向に往復移動させることが可能になる。磁石総組立体72は、モータとカムを用いた往復運動機構により往復運動する。
【0031】
図1は磁石総組立体72の平面図である。この磁石総組立体72は、全体として矩形の形状をしていて、その長辺の長さLHが625mm、短辺の長さLWが470mmである。この磁石総組立体72は、図7に示した構造の磁石ユニットを2種類用意して、これを多数組み合わせて構成してある。第1の磁石ユニット100は、長辺の長さLA1が100mm、短辺の長さLBが90mmである。第2の磁石ユニット102は、長辺の長さLA2が152.5mm、短辺の長さLBが90mmである。すなわち、短辺の長さが同じで長辺の長さが異なる2種類の磁石ユニットが存在する。
【0032】
また、磁石総組立体72は、2種類の短冊状組立体104、106を合計で5列並べて構成してある。いずれの短冊状組立体も、その幅は磁石ユニット100、102の幅LBと等しく、その長さは磁石総組立体72の長辺の長さLHに等しい。第1列と第3列と第5列の短冊状組立体104は、5個の磁石ユニットを一列に並べて構成してあり、両側(図1において上端と下端)の2個が第2の磁石ユニット102であり、中央の3個が第1の磁石ユニット100である。また、第2列と第4列の短冊状組立体106は、6個の磁石ユニットを一列に並べて構成してあり、その6個の全てが第1の磁石ユニット100である。
【0033】
この磁石総組立体72は矢印98の方向に、短冊状組立体104、106の幅に等しい距離だけ往復移動できる。
【0034】
短冊状組立体104における磁石ユニットの境界線110は、隣の短冊状組立体106における磁石ユニットの境界線112とは、その位置がずれている。すなわち、往復運動98に垂直な方向において、境界線110の位置と境界線112の位置が互いにずれている。特に、この実施例の磁石総組立体では、短冊状組立体104における3本の(すなわち全ての)境界線110の位置は、その隣の短冊状組立体106における1対の境界線112の中央に位置している。このように境界線110、112が配置される結果、磁石総組立体72を全体として見ると、磁石ユニットの境界線110、112は千鳥配置となっている。
【0035】
図2は、図1の磁石総組立体をターゲット背面に配置した場合の、ターゲット表面における電子ドリフトの運動軌跡を示した平面図である。この図では、磁石ユニット100、102の外形線と電子ドリフトの運動軌跡114だけを示してある。
【0036】
図5(A)はターゲット表面に形成されるエロージョン領域の配列状態を示す平面図であり、図5(B)は、図5(A)の5B−5B線で切断した断面図である。エロージョン領域116は、図2に示す電子ドリフトの運動軌跡114に対応している。エロージョン領域116におけるスパッタエッチング量の深さ分布は、図5(B)の斜線部Sのようになる。ところで、本実施例では、磁石総組立体72が矢印98の方向に往復運動するので、エロージョン領域116も同様に往復運動する。したがって、エロージョン断面は、一点鎖線118で示すように均一化される。さらに、磁石ユニットの境界線が千鳥状に配置されているので、エロージョン領域116の配置も千鳥状になり、例えば、C−C線の断面においては、図10のB1のエロージョン断面とB2のエロージョン断面とが交互に配列される。したがって、磁石総組立体を矢印98の方向に往復移動させれば、C−C断面において、B1のエロージョン断面とB2のエロージョン断面とがターゲット表面上で重なることになり、B1とB2を平均化したようなエロージョン断面が得られる。このような状況は、往復運動に垂直な方向に沿ったそれぞれの位置において生じるので、往復運動に垂直な方向においても、エロージョン断面が平均化される。
【0037】
以上説明したような磁石総組立体を用いて、次のような条件で、基板上に薄膜の作成を行った。スパッタリング条件は、ターゲットと基板の距離が125mm、Arガスの圧力が5mTorrであり、ターゲット材料は銅を用いた。磁石総組立体は往復移動させている。矩形の基板の寸法は、磁石ユニットの短辺に平行な方向がX=450mm、磁石ユニットの長辺に平行な方向がY=550mmである。基板上に成膜した薄膜の膜厚測定範囲は、磁石ユニットの短辺に平行な方向がLX=400mm、長辺に平行な方向がLY=500mmであり、このうち、膜厚の均一性の評価範囲(目的とする有効領域)はLX=360mm、LY=450mmである。このような条件で成膜した薄膜は、上記評価範囲において、膜厚の均一性は±5%以内になった。これに対して、図8に示す従来の磁石配置を用いて磁石ユニットを往復移動させて成膜した場合は、膜厚の均一性は±10%程度である。したがって、本発明の磁石配置により膜厚の均一性が改善された。
【0038】
図6(A)は、図1の6A−6A線で切断した断面図であるが、このように、すべての磁石ユニット100、102において、磁石ユニットのターゲット側の磁極面からターゲット表面までの距離を同じにした場合、磁場の相互干渉で発生する磁場強度の「むら」と、基板端部の膜厚の落ち込み、の理由により、膜厚分布の均一性が悪くなる。そこで、図6(B)に示すように、磁石ユニット100、102と磁石固定板84の間にスペーサ120を入れるのが好ましい。スペーサ120の厚さは、個々の磁石ユニット100、102によって異なり、膜厚分布が均一になるよう調整する。一般的には、両側の磁石ユニットほど中央の磁石ユニットよりもターゲットに近づける。このような磁石総組立体を往復運動させながら薄膜の作成を行うと、膜厚分布の均一性とターゲットの利用効率は大幅に改善される。上述の説明では図1の往復運動方向98に沿って、各磁石ユニットに挿入するスペーサの厚さを変更しているが、往復運動に垂直な方向に沿っても、各磁石ユニットに挿入するスペーサの厚さを変更するのが好ましい。このようにすると、往復運動に垂直な方向においても膜厚分布の均一性を改善できる。
【0039】
本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、次のような変更が可能である。(1)磁石総組立体及び磁石ユニットの寸法、材料、個数等は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく任意の変更が可能である。(2)上述の実施例では、磁石ユニットの磁極配置として、中心磁石のターゲット側の磁極面がS極で、周辺磁石のターゲット側の磁極面がN極となっているが、これと反対の磁極配置を採用してもよい。(3)上述の磁石総組立体の磁場強度の調節は、磁石ユニットと磁石固定板との間にスペーサを入れる方法をとっているが、これ以外の方法(例えば、磁石自体の強度を磁石ユニットごとに変更するなど)を採用することもできる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、各短冊状組立体における磁石ユニット間の境界線の位置が、往復運動に垂直な方向において、隣り合う短冊状組立体同士でずれているので、磁石総組立体を往復運動させたときに、エロージョン断面積の大きい部分と小さい部分とがターゲット上で重なるようになる。その結果、往復運動方向のスパッタエッチング量が均一になるのに加えて、往復運動に垂直な方向のスパッタエッチング量も均一になり、ターゲットの利用効率は大幅に改善される。
【0041】
また、前記磁石ユニットが、磁石総組立体の往復運動方向だけでなく、往復運動に垂直な方向にも複数並んでおり、かつ、各磁石ユニットのターゲット側の磁極面からターゲット表面までの距離を任意に可変できるような構造にしたことにより、複数個の磁石ユニットを並べて配置した場合に発生する磁場強度の「むら」を、往復運動方向に垂直な方向に対しても調節できる。従って、膜厚分布の均一性をさらに改善できる。また、磁石ユニット間の磁気シールドは必要なくなり、磁石総組立体を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における磁石総組立体の平面図である。
【図2】ターゲット表面における電子ドリフトの運動軌跡を示した平面図である。
【図3】本発明の一実施例のスパッタリング装置の基本的な構成を示す正面断面図である。
【図4】カソード電極をその中心線で左右に分離して上下に配置して示した正面断面図である。
【図5】ターゲット表面に形成されるエロージョン領域を示す平面図と、その断面図である。
【図6】磁石ユニットと磁石固定板の間にスペーサを挿入することを説明する断面図である。
【図7】磁石ユニットの断面図、平面図及び斜視図である。
【図8】複数の磁石ユニットの従来の配置を示す平面図である。
【図9】従来の磁石配置の場合のターゲット表面上のエロージョン領域を示す平面図である。
【図10】エロージョン領域を拡大して等高線表示で示した平面図と、エロージョンの深さ分布を示すグラフである。
【符号の説明】
66 ターゲット組立体
70 電極ハウジング
72 磁石総組立体
76 ターゲット板
82 凹状空間
84 磁石固定板
86 磁石ユニット
96 残存空間
98 往復運動の矢印
100 第1の磁石ユニット
102 第2の磁石ユニット
104、106 短冊状組立体
110、112 境界線
114 電子ドリフトの運動軌跡
116 エロージョン領域
120 スペーサ

Claims (2)

  1. 成膜処理される基板を取り付ける基板保持部材と、基板に対向する位置に配置されたマグネトロンカソード電極とを備えるスパッタリング装置において、
    前記マグネトロンカソード電極は、矩形平面状ターゲットと、このターゲットの背面に配置されてターゲットの表面に平行な断面形状が矩形の磁石総組立体とを備え、
    前記磁石総組立体は、前記ターゲットの矩形の1辺に平行な方向に往復運動が可能であり、
    前記磁石総組立体は、前記往復運動に垂直な方向に延びる複数の短冊状組立体から構成され、
    前記短冊状組立体の長辺の長さは、前記磁石総組立体の矩形の1辺の長さに等しくて、これらの短冊状組立体はその長辺が互いに隣り合うように配置され、
    前記短冊状組立体のそれぞれは、前記往復運動に垂直な方向に一列に配置された複数の磁石ユニットから構成され、
    前記磁石ユニットのそれぞれは、ターゲットの表面に平行な断面形状が矩形をしていて、かつ、ターゲットの表面上に環状の電子ドリフト運動軌跡を生じさせるような磁場を形成しており、
    前記各短冊状組立体における磁石ユニット間の境界線の位置は、前記往復運動に垂直な方向において、隣り合う短冊状組立体同士でずれている、ことを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 請求項1記載のスパッタリング装置において、前記各磁石ユニットのターゲット側の磁極面からターゲット表面までの距離を任意に設定できることを特徴としたスパッタリング装置。
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