JP3808077B2 - 自転車用タイヤ - Google Patents
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具体的には、走行性や操縦性の向上のために前記ノブ2の大型化を図ると、前記ノブ2相互間の溝部Gが狭くなり泥はけ性が悪くなると共に、自転車用タイヤ1の重量も増加する。また、耐久性のために前記トレッド面10からの前記ノブ2の立ち上がり角度θ4を小さくして周壁面20のテーパ量を大きくすると、路面との接触する前記ノブ2の頂面21の面積が小さくなり駆動力の伝達効率が低下されるから、走行性や操縦性が悪くなると共に、摩擦力の低下によりブレーキ性能やコーナリング性能も低下する。泥はけ性の向上のために前記ノブ2をスパイク状に形成させると、前記ノブ2と路面との接触面積の減少により走行性や操縦性が悪くなると共に、前記ノブ2の強度が低下されて磨耗又は破損されやすく耐久性も低下する。
そのため、実際の自転車用タイヤ1の設計においては、各自転車の用途や路面などの走行条件などを考慮して、特に重視すべき性能の向上を優先して前記ノブ2の形状や配置パターンを決定している。
前記ブロック部と前記基台部とは、互いの周壁面が連続するように重ね合わされており、前記トレッド面に対する前記ブロック部の周壁面の立ち上がり角度が、前記基台部の周壁面の立ち上がり角度よりも大きく且つ90度以下である』ことを特徴とするものである。
これによれば、前記ノブ2は、トレッド面10からの立ち上がり角度θ1が小さい基台部4と立ち上がり角度θ2が大きいブロック部3とが重なり合った二段構造となっているから、自転車の駆動時に路面に接触して進行方向と逆の方向の力を受ける柱状のブロック部3の高さMを小さくできると共に、基台部4によって支持されるから前記ブロック部3の変形が抑えられる。同様に、ブレーキング時やコーナリング時においても、前記基台部4によって前記ノブ2の進行方向への変形が抑えられる。そのため、前記ノブ2の変形によって生じる転がり抵抗が低減されると共に、前記ノブ2の磨耗や破損も防止される。
これによれば、前記基台部4の進行方向の前方に位置する周壁面40aのテーパ量が大きく、前記トレッド面10と基台部4の周壁面40aとによって形成される角度も大きくなるから、前記トレッド面10と基台部4との連接部Cに泥が付着しにくく、付着しても容易に取り除かれる。
これによれば、前記ノブ2によって路面を確実に捉えることができるから路面に効率よく駆動力を伝達できると共に、前記ノブ2の変形量を小さく抑えることができるから転がり抵抗が低減される。
これによれば、走行時やブレーキング時などに前記ノブ2にかかる負荷を前記周壁面30を構成する平面31a、31b全体で受け止めることができるため、前記基台部4とブロック部3とが断裂されにくい。
これによれば、前記ブロック部3の立ち上がり角度θ2が90度の場合に比べて、前記基台部4の周壁面40とブロック部3の周壁面30によって形成される角度が大きく且つ前記基台部4の立ち上がり角度θ1が小さくなる。これにより、前記立ち上がり角度θ2が90度のものよりも前記ノブ全体のテーパが大きくなるから、前記ノブ2相互間の溝部Gに泥が詰まりにくく、且つ、詰まった泥も排出されやすい。また、前記ブロック部3の変形が小さく抑えられるから磨耗又は破損されにくい。
また、前記トレッド面10と基台部4の周壁面40、前記周壁部40とブロック部3の周壁面30によって形成される角度がいずれも鈍角であり、前記ノブ2相互間の溝部Gが前記ノブ2の先端に向かって拡大しているから、前記ノブ2をスパイク状に形成することなく、泥詰まりを防止でき且つ詰まった泥をスムーズに排出させることができる。そのため、泥はけ性が優れている。
これらより、本発明の構成の自転車用タイヤにおいては、走行性、操縦性、ブレーキ性能、コーナリング性能、耐久性、泥はけ性の各性能が互いに相殺されることがなく、すべての性能について優れた自転車用タイヤを設計することができる。
請求項3に係る発明によれば、ブロック部3の高さMをノブの高さHの3分の1から3分の2の高さとしたことで、駆動力を効率よく伝達でき且つ転がり抵抗が低減されるから、走行性、操縦性が優れている。
請求項5に係る発明によれば、テーパ状のブロック部3としたことで、ノブ2相互間の溝部Gに泥が詰まりにくく且つ詰まった泥も排出されやすいから、泥はけ性が優れている。また、前記ブロック部3が磨耗又は破損されにくいから、耐久性も優れている。
請求項7に係る発明によれば、基台部4を角錐台としたことで、特定の方向からの負荷に対して前記ノブ2の強度を向上できるから、耐久性が優れている。
<実施の形態1>
本発明実施の形態の一例の自転車用タイヤ1を図1及び図2に示している。
このものは、図1に示されるように、トレッド面10に突設される断面台形状の基台部4と、前記基台部4に連接され駆動時に路面に接触する柱状のブロック部3とからなる二段構造のノブ2が周方向に沿って配置されたオフロード走行に対応した自転車用タイヤ1であり、前記基台部4とブロック部3とは、それぞれの異なる傾斜角度の周壁面40,30が連接部Cを介して連続するように形成されている。
さらに、この例のものでは、前記ブロック部3の周壁面30を構成する平面31a,31bが自転車用タイヤ1の進行方向に対して配置され、平面31c,31dが前記進行方向に平行に配置されているから、前記進行方向の前後左右からの負荷を平面全体で受け止めることができる。そのため、前記基台部4とブロック部3とが断裂されにくい。また、前記基台部4が円錐台であるから、何れの方向からの負荷に対しても前記基台部4が前記ブロック部3を支持して変形を小さく抑えることができるから、耐久性に優れている。
図4には、構成の異なるノブ2が配置された自転車用タイヤを示している。
この例のノブ2は、四角錐台からなる基台部4に四角柱のブロック部3が連接された構成であり、前述の実施の形態1と同様に、前記基台部4は、図5に示されるように、自転車用タイヤ1の進行方向の前方に位置する周壁面40aのテーパ量が大きくなるように、前記周壁面40aの立ち上がり角度θ1を後方及び左右側方の周壁面40bの立ち上がり角度θ3よりも小さくなるように形成されている。
このような構成であるから、この例の自転車用タイヤ1は、前述の実施の形態1と同様に、駆動時の前記ノブ2の変形によって生じる転がり抵抗が小さく、駆動力が路面に効率よく伝達されるから走行性、操縦性に優れている。
また、前記ノブ2の磨耗や破損も防止されるから耐久性にも優れている。特にこの例のものでは、前記平面31a、31b,41a,41bが前記自転車用タイヤ1の進行方向に対するように、前記平面31c,31d,41c,41dが前記進行方向と平行となるように前記ノブ2が配置されているから、前述の実施の形態1よりも前後左右からの負荷に対して前記ノブ2の強度が高く、耐久性に優れている。
前記ノブ2相互間の溝部Gが前記ノブ2の先端に向かって拡大しているから、前記溝部Gに泥が詰まりにくく、詰まってしまった泥もスムーズに排出されるため、泥はけ性に優れている。
本発明実施の形態の自転車用タイヤは、上記自転車用タイヤに限られるものではない。
前述の例において、前記ブロック部3はいずれも四角柱状に形成されているが、異なる立ち上がり角度を有する前記基台部4とブロック部3とが二段構造に連接されるものであれば、前記ブロック部3は円柱状であっても、多角形状であってもよい。
前述の例においては、同一形状のノブ2を配置しているが、形状の異なるノブ2と組み合わせて、自転車用タイヤの中心部と外側とで異なるパターンを有するように前記ノブ2を配置してもよい。
10 トレッド面
2 ノブ
21 頂面
3 ブロック部
4 基台部
20,30,40,40a〜40c 周壁面
31a〜31d,41a〜41d 平面
θ1,θ2,θ3,θ4 立ち上がり角度
G 溝部
Claims (7)
- トレッド面に複数のノブが配置される自転車用タイヤにおいて、
前記ノブは、前記トレッド面に突設される断面台形状の基台部と、前記基台部の頂面に連接される柱状のブロック部とからなり、
前記ブロック部と前記基台部とは、互いの周壁面が連続するように重ね合わされており、前記トレッド面に対する前記ブロック部の周壁面の立ち上がり角度が、前記基台部の周壁面の立ち上がり角度よりも大きく且つ90度以下であることを特徴とする自転車用タイヤ。 - 請求項1に記載の自転車用タイヤにおいて、
前記基台部は、前記ブロック部が連接される頂面の中心が底面の中心よりも自転車用タイヤの進行方向に対して後方に位置することを特徴とする自転車用タイヤ。 - 請求項1又は2に記載の自転車用タイヤにおいて、
前記ブロック部は、前記ノブ全体の高さの3分の1から3分の2の高さを占めることを特徴とする自転車用タイヤ。 - 請求項1から3のいずれかに記載の自転車用タイヤにおいて、
前記ブロック部は角柱状であり、前記周壁面を構成する平面が自転車用タイヤの進行方向に向かって配置されることを特徴とする自転車用タイヤ。 - 請求項1から4のいずれかに記載の自転車用タイヤにおいて、
前記ブロック部は、前記基台部との連接部に向かって拡大するテーパ状であることを特徴とする自転車用タイヤ。 - 請求項1から5のいずれかに記載の自転車用タイヤにおいて、
前記基台部は円錐台であることを特徴とする自転車用タイヤ。 - 請求項1から5のいずれかに記載の自転車用タイヤにおいて、
前記基台部は角錐台であることを特徴とする自転車用タイヤ。
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