JP3807547B2 - パラレルメカニズムの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の利用分野】
この発明はパラレルメカニズムの制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】
パラレルメカニズムは、モーションベースなどのエンドエフェクタを固定のベースに複数の並列なリンクで接続した機構であり、関節の一部が受動関節で、他が駆動関節である。パラレルメカニズムを用いると、従来からのシリアルメカニズムでは困難な、高剛性かつ高精度で、現在位置から目標位置へと直線的に高速運動ができる、と期待されている。しかしながらパラレルメカニズムでは受動関節が存在するため、順運動学的な計算は困難で、作業座標変数での制御はほとんど行われていない。これは特に、駆動関節座標変数を作業座標変数の推定値に変換する際に、ヤコビ行列Jの逆行列J-1 が必要になるからである。周知のようにヤコビ行列の各要素は、定数ではなく、作業座標変数の関数であり、この逆行列の値を作業座標変数の値毎に評価することは、計算上の負担が大きい。このような計算上の負担は、パラレルメカニズムの実用化での障害となる。
【0003】
【発明の課題】
この発明の基本的課題は、作業座標変数を求めるに際して、ヤコビ行列の逆行列J-1 を不要にすることにある。
請求項2の発明での追加の課題は、駆動関節へのフィードバックに際して、ヤコビ行列の転置行列の逆行列J-Tを不要にすることにある。
請求項3の発明での追加の課題は、エンドエフェクタの姿勢を一定に保ちながら、高剛性でエンドエフェクタを運動させることができる、パラレルメカニズムを提供することにある。
【0004】
【発明の構成】
この発明は、エンドエフェクタを複数の駆動関節と複数の受動関節とを用いて運動させるパラレルメカニズムを、逆運動学変換手段により、エンドエフェクタの作業座標変数の推定値を、駆動関節座標変数の推定値に変換し、順運動学変換手段により、推定した駆動関節座標変数と実際の駆動関節座標変数との偏差を解消するように、作業座標変数の推定値を更新し、制御手段により、目標作業座標変数と作業座標変数の推定値が一致するように、駆動関節をフィードバック制御するようにした、パラレルメカニズムの制御装置であって、前記順運動学変換手段では、前記偏差に、作業座標変数の微分を駆動関節座標変数の微分に変換するためのヤコビ行列の転置行列と、ゲインとを乗算し、積分して、作業座標変数の推定値を更新するようにしたことを特徴とする(請求項1)。
【0005】
好ましくは、前記制御手段では、目標作業座標変数と作業座標変数の推定値との偏差に、前記ヤコビ行列とゲインとを乗算して、駆動関節に対する制御量を求める(請求項2)。
【0006】
また好ましくは、制御対象のパラレルメカニズム本体が、固定ベースに対してエンドエフェクタの姿勢を一定に保つための機構と、エンドエフェクタの位置を変化させるための直動機構とからなり、該直動機構を駆動関節として制御する(請求項3)。
【0007】
【発明の作用と効果】
この発明のパラレルメカニズムの制御装置では、順運動学変換で、駆動関節座標変数から作業座標変数の推定値を求める過程で、ヤコビ行列の逆行列を用いる必要が無く、ヤコビ行列の転置行列を用いればよい。ヤコビ行列の転置行列はヤコビ行列が求まれば容易に求まるので、駆動関節座標を作業座標変数に変換する際の、計算上の負担を小さくできる(請求項1)。またこの構成で作業座標変数を推定し得ることを、発明者は実施例に記載の補題やシミュレーションで確認した。
【0008】
作業座標変数の推定値が得られ、目標作業座標変数との偏差が判明すると、駆動関節にフィードバックする必要がある。駆動関節に加える制御量を決定するには、ヤコビ行列の転置行列の逆行列が必要であるが、逆行列を求めるのは計算上の負担が大きい。そこで請求項2の発明では、偏差にヤコビ行列とゲインとを乗算して制御量を求めるので、ヤコビ行列の転置行列の逆行列を求める必要がない。なおこの構成でパラレルメカニズムを目標軌道に沿って制御し得ることを、発明者はシミュレーションで確認した。
【0009】
【実施例】
図1〜図13を参照して、実施例のパラレルメカニズムの制御装置2を説明する。パラレルメカニズムの制御装置2は、大別して、駆動関節座標変数qdからエンドエフェクタの作業座標変数の推定値Xcを求めるための順運動学処理部4と、求めた作業座標変数Xcと目標作業座標変数Xrとの偏差に応じて、パラレルメカニズム本体20へとフィードバック制御を行うための制御系18とからなっている。
【0010】
駆動関節座標変数qdとその推定値との偏差にヤコビ行列Jの逆行列J-1を乗算し、適当なゲインKを乗算した後、積分(積算)を施せば、作業座標変数XEの推定値Xcを得ることができる。このこと自体は公知である。ここで発明者は、ヤコビ行列の逆行列J-1ではなく、ヤコビ行列の転置行列JTを用いても、作業座標変数の推定値Xcを得られることを見い出した。
【0011】
図1において、6は逆運動学処理部で、作業座標変数の推定値Xcを駆動関節座標変数の推定値qcへ変換して出力する。減算器8では、エンコーダなどから求めた実際の駆動関節座標変数qdとの差分を求め、ヤコビ転置行列処理部10でヤコビ行列の転置行列JTを乗算し、ゲイン処理部12で定数あるいは行列のゲインKと乗算し、積分器14で積算して、作業座標変数の推定値Xc(エンドエフェクタの座標変数の推定値)を得る。
【0012】
順運動学処理部4は、仮想的なパラレルメカニズムに対して、駆動関節座標変数の推定値qcが実際の駆動関節座標変数qdに一致するように、フィードバック制御を施しているものと見なすことができる。減算器8の出力uは駆動関節座標での偏差であり、ヤコビ行列の転置行列を乗算した後の出力Fはエンドエフェクタに加わる仮想的な力やモーメントであり、これにゲインを乗算して積分すると、仮想的なエンドエフェクタの位置が定まる。順運動学処理部4では、作業座標変数の推定値Xcの初期値に適宜の値を入力し、この値を逆運動学計算により、駆動関節座標変数の推定値に変換し、実際の駆動関節座標変数からの偏差に応じて、ヤコビ行列の転置行列(以下ヤコビ転置行列という)を乗算する。これによって、仮想的なエンドエフェクタに加わる力やモーメントFを求め、これにゲインを乗算して、仮想的な制御量Wに変換し、積分して、作業座標変数の推定値Xcの値を更新する。
【0013】
一般にエンドエフェクタの作業座標変数をXEとし、駆動関節座標変数をqとすると、 q=f(XE) との関係が成り立つ。これを時間微分すると、(1)式が得られる。
q'=JXE', J=σf/σXE (1)
なおここで、'は微分記号を表し、実装上は差分を表している。ここで行列Jはヤコビ行列と呼ばれ、正方行列であるが、各要素は定数ではなく、作業座標変数XEの関数である。またこの明細書で座標や座標変数という時、単なる3次元座標をいうのではなく、一般にベクトル量で、例えば作業座標変数の場合はエンドエフェクタの位置と姿勢を特定する変数のセットを意味する。駆動関節座標変数qの場合は、複数の駆動関節の状態を指定し得る変数のセットからなるベクトルである。さらに式(1)において、ヤコビ行列Jが正則行列ではなくなる点を特異点という。
【0014】
エンドエフェクタに加わる力やモーメントをFとすると、各関節に加わる駆動力をuとして、次式が成り立つ。
F=JT(XE)u (2)
ここで、図1の順運動学処理部4では、作業座標変数の推定値の速度X'cが制御入力Wによって(3)式のように制御できるとものとする。するとX'cの積分で、作業座標変数の推定値が得られる。
X'c=W (3)
すると次の補題が成り立つ。
【0015】
【補題】
制御入力Wを式(4)に従って定める。
W=−KJ(Xc)T(qc−qd) (4)
この時、ある正数N,cに対して(5)式が成立すると、
N<σn(J(Xc)・J(Xc)T)、 ‖q'd‖<c (5)
任意のε0>0と、K>C/(ε0・N)となるKに対して、あるT≧0が存在し、(6)式が成立する。
‖qc−qd‖<ε0、(for all t≧T) (6)
ここでσnは最小特異解を表す。(6)式は、仮想的なエンドエフェクタに(4)式に従って制御入力を加えながら、時間T以上の間、仮想的なエンドエフェクタを運動させると、駆動関節座標の推定値は実際の駆動関節座標に収束することを意味している。ここで順運動学処理部4が実際のパラレルメカニズムと同一の機構を表現しているものと仮定できれば、即ちヤコビ行列Jや逆運動学処理部6が実際のパラレルメカニズムを表現していれば、エンドエフェクタの作業座標変数の推定値Xcはq=f(XE)の1つの解となる。
【0016】
図1の16は減算器で、作業座標変数の目標値Xrと作業座標変数の推定値Xcとの偏差を求めて、制御系18によりPD制御やPDI制御などを加えて、制御量(制御入力)を発生させて、パラレルメカニズム本体20を駆動する。実施例での記号を表1に示す。
【0017】
【表1】
Figure 0003807547
【0018】
図1の順運動学処理部による、作業座標変数Xの推定の妥当性を検証するため、図2のパラレルメカニズムをモデルとして、シミュレーションを行った。このパレルメカニズムは、図11に示すパラレルメカニズムをモデル化したもので、固定ベース30に対して、エンドエフェクタ32を、その姿勢が一定になるように受動関節を介して取り付ける。ここではエンドエフェクタ32の姿勢が、常に固定ベース30に平行になるように、受動関節により規制する。33〜35はサーボモータで、駆動関節の例であり、36〜38はボールネジで、サーボモータ33〜35とエンドエフェクタ32間のボールネジ36〜38の長さを、変数θ1〜θ3とする。またサーボモータ33〜35は、固定ベース30に2以上の揺動自由度のジョイントで支承され、ボールネジ36〜38の先端は、エンドエフェクタ32に2以上の揺動自由度で支承されているものとする。
【0019】
エンドエフェクタ32は姿勢が拘束されているので、自由度はX,Y,Zの3つの座標である。エンドエフェクタの中心位置が図3〜図5の破線のように運動し、3つのボールネジの長さθ1〜θ3が式(7)のように変化するものとする。エンドエフェクタ32の中心位置の初期位置(時刻0での実線位置)を適当に推定し、例えばここでは(1,1,1)とし、図1の順運動学処理部4により、エンドエフェクタ32の位置をシミュレーションした。結果を図3〜図5に示し、実線がエンドエフェクタ座標の推定値である。なおこのシミュレーションではゲインKを50とした。図3〜図5から明らかなように、エンドエフェクタの座標変数の推定値は1秒程度で実際の値に収束し、以下はリアルタイムでエンドエフェクタの位置を求めることができた。
θ1= sinπ/2 t + √10
θ2= sinπ/2 t + √10, K=50 (7)
θ3= sinπ/2 t + √10
【0020】
以上のように、図1の順運動学処理部4を用いると、ヤコビ行列の逆行列J-1を用いずに、ヤコビ行列の転置行列JTを用いて、エンドエフェクタの作業座標変数を推定できる。そこでこの値を推定できれば、作業座標変数の目標値Xrとの差を解消するように制御系18でフィードバック制御を行うことにより、目標の位置へあるいは目標の軌跡に沿って、エンドエフェクタを運動させることができる。
【0021】
図6にパラレルメカニズムの制御装置2での制御系18を示す。ここでは制御系18でPD制御を行うので、入力は目標座標変数Xrとその微分値Xr'並びに作業座標変数の推定値Xcとその微分値Xc'とである。PD制御に代えてPID制御などでも良く、制御の手法自体は任意である。
【0022】
運動学からすると、XrとXcとの変位などにゲインKPなどを乗算し、これにヤコビ転置行列の逆行列J-Tを乗算することにより、サーボモータなどへの制御量(制御入力)が得られる。しかしながらJ-Tを用いると、ヤコビ行列の逆行列J-1を求めるのと同程度の計算量が必要になり、処理上の負担が著しい。そこで発明者は、ゲインKPやゲインKDに代えて、J・KP・JTやJ・KD・JTを用いれば、 J-T・JTが恒等変換Iとなり、単にJ・KPやJ・KDなどの乗算で処理できることを見出した。ここにゲインKP,KDは行列であるが、定数でも良い。
【0023】
図6の制御系18はこのような着想に基づくもので、減算器16,17により、目標座標変数Xrと作業座標変数の推定値Xcとの差分や、目標座標変数の微分値Xr'と推定作業座標変数の微分値Xc'との差分を求め、比例制御部22で、J・KPを乗算し、微分制御部23でJ・KDを乗算し、加算器24でこれらの制御量を加算して、恒等変換部25で形式的に恒等変換して、パラレルメカニズム本体20に制御を加える。なお恒等変換部25は実装上は不要である。
【0024】
このような制御を加えても良い根拠として、ゲインKPやKDは基本的に正定行列であり、これに両側からヤコビ行列Jとその転置行列JTを乗算しても、やはり正定行列で、基本的な性質が変わらないことがある。
【0025】
Kの値を50000、KPを200、KDを50とし、図2のモデルを用いて、図6の制御系18での制御結果をシミュレーションした。結果を図7〜図9に示し、破線は目標軌道を表し、実線はシミュレーション結果である。このシミュレーションでは、時刻0において目標軌道上の位置と、作業座標変数の推定値を一致させてある。図7〜図9から明らかなように、Y座標において、目標軌道からの僅かな誤差が生じる他は、目標軌道を追従して制御できている。このように図6の制御系18を用いても、パラレルメカニズム本体20を安定に制御できる。
【0026】
図10に、パラレルメカニズムの制御装置40を示す。図1,図6の制御装置2との違いは、微分信号を得るための差分器42,43の存在を明示し、順運動学処理部4で作業座標変数の推定値が収束するまで、制御の開始を待つ、あるいはオープンループ制御するためのスイッチ44,45を明示した点である。加算器24の出力は、サーボモータ33〜35の駆動用のサーボドライバアンプ50〜52に加えられ、出力τ1〜τ3としてサーボモータへ加えられる。モータ33〜35の回転に伴うボールネジの位置あるいはモータの実際の回転角度やその積算値などは、駆動関節座標変数qdの成分θ1〜θ3として制御装置40へフィードバックされる。
【0027】
作業座標変数系での制御を行うことの利点を以下に示す。関節座標系で制御を行うと、それぞれの関節での目標値に対する誤差、即ち制御誤差が累積し、作業座標系でのエンドエフェクタの目標値に対する誤差を補償できない。それに対し、作業座標系で制御を行うと、エンドエフェクタの目標値に対する誤差を直接フィードバックできるため、それぞれの関節での誤差が累積することがなく、エンドエフェクタの運動を高精度に制御できる。
【0028】
図11に、実施例の制御装置40の制御対象としての、パラレルメカニズム本体20の例を示す。Gはグラウンドで、Hは例えば3本の支柱であり、固定ベース30が固定されている。回転軸60は例えば固定ベース30の表面に平行に取り付けられ、回転軸60に接続された第1リンク61の他端には、2自由度以上の関節63を介して、揺動自在に第2リンク62が取り付けてある。第2リンク62は平行な2本のアームからナリ、第2リンク62の先端は、2自由度以上の関節64を介して、揺動自在にエンドエフェクタ32に取り付けてある。回転軸60や関節63,64は受動関節で、関節63,64は2自由度に限らず、それ以上の自由度の関節であればよい。66はボールネジ36〜38の先端をエンドエフェクタ32に取り付けるためのジョイントで、ボールネジを2自由度以上の揺動運動が自在に取り付ける。
【0029】
図12に示すように、回転軸60が固定ベース30の表面に平行で、関節63,63を結ぶ直線も固定ベース30の表面に平行になり、その結果、関節64,64を結ぶ直線も固定ベース30の表面に平行になる。エンドエフェクタ32では、第2リンク62の先端の関節64,64を結ぶ3本の直線がいずれも固定ベース30に平行なので、絶えず固定ベース30に平行な姿勢をとるようになる。この結果、エンドエフェクタ32の表面は絶えず固定ベース30の表面に平行になる。このため半導体ウエハや液晶基板などの姿勢に敏感なものを搬送したり、正確な姿勢で加工や組立などの作業を行う場合に便利である。なおエンドエフェクタ32には適宜のハンドなどを取り付けるものとする。
【0030】
エンドエフェクタ32の位置は、ボールネジ36〜38の伸縮で定まり、これはサーボモータ33〜35の回転で定まる。そしてサーボモータ33〜35は、図13に示すように、固定ベース30の表面に対して2軸方向に揺動自在である。中間部材74は回転軸72,72を介して固定ベース30に取り付けられ、サーボモータ33は回転軸76,76を介して中間部材74に取り付けてある。この結果、サーボモータ33は固定ベース30に対して、2自由度で揺動自在である。他のサーボモータ34,35の取り付けも同様である。
【0031】
図11のパラレルメカニズム本体20では、エンドエフェクタ32の姿勢が絶えず一定に保たれ、その位置はボールネジ36〜38で調整され、直線運動型(直動型)の駆動関節を用いるので、高剛性で高精度に高速で運動できる。従ってエンドエフェクタ32の運動は、高速かつ高剛性でしかも高精度である。なおボールネジ36〜38に代えて、油圧や空圧のシリンダや、リニアモータなどで伸縮するロッドを用いても良い。
【0032】
実施例では、特定のパラレルメカニズム本体20の制御を例としたが、ヤコビ行列の逆行列J-1や、ヤコビ転置行列の逆行列J-Tなどの計算を不要にできるので、より複雑でかつより駆動関節の多いパラレルメカニズムでも容易に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のパラレルメカニズムの制御装置を、順運動学処理部を中心に示すブロック図
【図2】 実施例で用いたパラレルメカニズムを模式的に示す図
【図3】 図1の順運動学処理部を用いた作業座標変数Xのシミュレーション結果を示す図
【図4】 図1の順運動学処理部を用いた作業座標変数Yのシミュレーション結果を示す図
【図5】 図1の順運動学処理部を用いた作業座標変数Zのシミュレーション結果を示す図
【図6】 実施例のパラレルメカニズムの制御装置の制御系を示すブロック図
【図7】 実施例での、パラレルメカニズムの運動制御のシミュレーション結果を作業座標変数Xについて示す図
【図8】 実施例での、パラレルメカニズムの運動制御のシミュレーション結果を作業座標変数Yについて示す図
【図9】 実施例での、パラレルメカニズムの運動制御のシミュレーション結果を作業座標変数Zについて示す図
【図10】 実施例のパラレルメカニズムの制御装置の全体構成を示すブロック図
【図11】 実施例で用いたパラレルメカニズムの斜視図
【図12】 図11のパラレルメカニズムでの、固定ベースに対するエンドエフェクタの姿勢の保持機構を示す斜視図
【図13】 図11のパラレルメカニズムでの、ボールネジ駆動用サーボモータの姿勢の自由度を示す図
【符号の説明】
2 パラレルメカニズムの制御装置
4 順運動学処理部
6 逆運動学処理部
8 減算器
10 ヤコビ転置行列処理部
12 ゲイン処理部
14 積分器
16 減算器
18 制御系
20 パラレルメカニズム本体
22 比例制御部
23 微分制御部
24 加算器
25 恒等変換部
30 固定ベース
32 エンドエフェクタ
33〜35 サーボモータ
36〜38 ボールネジ
40 制御装置
42,43 差分器
44,45 スイッチ
50〜52 サーボドライバアンプ
54〜56 エンコーダ
60 回転軸
61 第1リンク
62 第2リンク
63 2自由度の関節
64 2自由度の関節
72,76 回転軸
74 中間部材
G グラウンド
H 支柱

Claims (3)

  1. エンドエフェクタを複数の駆動関節と複数の受動関節とを用いて運動させるパラレルメカニズムを、
    逆運動学変換手段により、エンドエフェクタの作業座標変数の推定値を、駆動関節座標変数の推定値に変換し、順運動学変換手段により、推定した駆動関節座標変数と実際の駆動関節座標変数との偏差を解消するように、作業座標変数の推定値を更新し、制御手段により、目標作業座標変数と作業座標変数の推定値が一致するように、駆動関節をフィードバック制御するようにした、パラレルメカニズムの制御装置であって、
    前記順運動学変換手段では、前記偏差に、作業座標変数の微分を駆動関節座標変数の微分に変換するためのヤコビ行列の転置行列と、ゲインとを乗算し、積分して、作業座標変数の推定値を更新するようにしたことを特徴とする、パラレルメカニズムの制御装置。
  2. 前記制御手段では、目標作業座標変数と作業座標変数の推定値との偏差に、前記ヤコビ行列とゲインとを乗算して、駆動関節に対する制御量を求めるようにしたことを特徴とする、請求項1のパラレルメカニズムの制御装置。
  3. 制御対象のパラレルメカニズム本体が、固定ベースに対してエンドエフェクタの姿勢を一定に保つための機構と、エンドエフェクタの位置を変化させるための直動機構とからなり、該直動機構を駆動関節として制御するようにしたことを特徴とする、請求項1または2のパラレルメカニズムの制御装置。
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