JP3807011B2 - 電気掃除機用床ノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機用床ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気掃除機用床ノズルは、実開昭60−9448号公報に示すものがあった。この構成を図7により説明する。すなわち、拭き掃除用のカバー2が床ノズル本体1全体を覆うように取り付けられている。このカバー2の取り付け、取り外しのために、カバー2の一部にファスナー3を設け、このファスナー3を開閉することにより床ノズル本体1に対して着脱自在に取り付け可能としていた。また、カバー2の床ノズル本体1の底面に対応する部分には拭き効果の得られるような材料で構成していた。
【0003】
また、実開平2−55861号公報に示す電気掃除機用床ノズルもあった。この構成を図8により説明する。すなわち、床ノズル本体4の底面とモップ5の上面にそれぞれ面ファスナー6を設け、この面ファスナー6によってモップ5を床ノズル本体4の底面に着脱自在に取り付けていた。
【0004】
以上の構成によって、床拭き時には拭き掃除用のカバー2を床ノズル本体1にかぶせてファスナー3によって装着したり、またモップ5を面ファスナー6によって床ノズル本体4底面に固定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成では、拭き掃除用のカバー2やモップ5が床ノズル本体1、4の底面全体を覆うことになり、塵埃の種類によっては拭き掃除用のカバー2やモップ5が塵埃を押してしまい、十分に吸引できないことがあった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するもので、塵埃の吸引と床拭きの両方を効率的に行う電気掃除機用床ノズルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、底面に吸込口を有する床ノズル本体と、前記吸込口の前部及び/又は後部に前記床ノズル本体の底面より出没自在に設けた床拭き部と、前記床ノズル本体の走行方向を検知する走行方向検知部とを備え、前記走行方向検知部を、前記床ノズル本体に回転自在に取着されたローラーと、前記ローラーの周面に設けられ床面に接するリップと、前記ローラーの回動を前記床拭き部に伝達する回転連結部とから構成し、前記床ノズル本体の走行方向と反対側の床拭き部が前記リップによるローラーの回 動で突出するように構成したもので、床ノズルの進行方向に対して床拭き部が吸込口より前方に位置する場合には、走行方向検知部が床拭き部を床ノズル本体1の底面より没するようにするので、床拭き部により床上の塵埃が押されて吸込口から吸引されることがないようにしている。また、進行方向に対して床拭き部が吸込口の後方に位置する場合には、走行方向検知部が床拭き部を床ノズル本体1の底面より突出させるので、床拭き部により床上を拭き取ることができるとともに、床拭き部は吸込口より後に位置することになるので、床上の塵埃が吸込口に至るまでに床拭き部が押し出してしまうこともない。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、底面に吸込口を有する床ノズル本体と、前記吸込口の前部及び/又は後部に前記床ノズル本体の底面より出没自在に設けた床拭き部と、前記床ノズル本体の走行方向を検知する走行方向検知部とを備え、前記走行方向検知部を、前記床ノズル本体に回転自在に取着されたローラーと、前記ローラーの周面に設けられ床面に接するリップと、前記ローラーの回動を前記床拭き部に伝達する回転連結部とから構成し、前記床ノズル本体の走行方向と反対側の床拭き部が前記リップによるローラーの回動で突出するように構成したもので、この構成によれば、床ノズルの進行方向に対して床拭き部が吸込口より前方に位置する場合には、走行方向検知部が床拭き部を床ノズル本体1の底面より没するようにするので、床拭き部により床上の塵埃が押されて吸込口から吸引されることがない。また、進行方向に対して床拭き部が吸込口の後方に位置する場合には、走行方向検知部が床拭き部を床ノズル本体1の底面より突出させるので、床拭き部により床上を拭き取ることができるとともに、床拭き部は吸込口より後に位置することになるので、床上の塵埃が吸込口に至るまでに床拭き部が押し出してしまうこともない。
【0009】
本発明の請求項記載の発明は、床拭き部が床ノズル本体底面より突出しない方向に前記ローラーの回転を附勢するばね体を備え、リップが床面と接しなくなると床ノズルが没することを特徴としたもので、この構成によれば、床ノズル本体を持ち上げ、リップを介して伝達されていた床ノズル本体の移動力がローラーに伝わらなくなると、ばね体がローラーを回動させて床拭き部が突出しない方向、すなわち床ノズル本体内に収納されるように移動させるので、床ノズル本体を持ち上げて移動する場合に、不用意に床拭き部が他の物に当たり、破損したりすることを防止できる。
【0010】
【実施例】
(実施例)
以下、本発明の第1の実施例を図1〜3を用いて説明する。
【0011】
図において、11は床ノズル本体で、その底面には吸込口22を設けている。この吸込口22は床ノズル本体11の後方に回動自在に設けた接続管21を介して電気掃除機本体側の吸引力が作用するようになっている。12は床拭き部で、床ノズル本体11の底面に出没自在に取り付けられている。床拭き部12は吸込口22の前方および後方にそれぞれ配されており、これら床拭き部12を収納するために、床ノズル本体11の前後には収納用凹部が設けられている。14は床ノズル走行方向検知部で、回転自在なローラー23と、このローラー23の周面に設けられ、床ノズル本体1の底面よりと出するリップ15と、リップ15により回転するローラー23の回転を受け、この回転を床拭き部12の出没方向の動きに変換する回転連結部16から構成されている。
【0012】
床ノズル本体11の前後に設けられた収納用凹部13は、床ノズル本体11の底面に開口部を有しており、しかも、この収納用凹部内を断面略くの字状の床拭き部12が摺動するようになっている。床拭き部12は断面くの字状とすることにより、床面と接する面が床面と平行となり、斜め方向に床拭き部12を移動させても床面接する面とは常に平行に保たれ、確実に床拭き部12が面接触できるように構成している。
【0013】
上記構成による作用は以下の通りである。
【0014】
床ノズル本体11の前進時には図2に示すように、床ノズル本体11の底面から突出し、床面に接地するリップ15は、床ノズル本体11の前進方向とは逆方向(矢印A)へと移動する。ここで、前方の走行方向検知部14のリップ15は最初から矢印Aに移動しているので(図1参照)、これ以上後方に移動することはなく、後方の走行方向検知部14のリップ15のみが移動する。したがって、前進時には後方の走行方向検知部14のみが動作することとなり、ローラー23、回転連結部16がリップ15の動きを床拭き部12に伝達し、後方の床拭き部12が床ノズル本体11の底面から突出する。
【0015】
逆に、床ノズル本体11の後進時には図3に示すように、前方のリップ15のみが後進方向と逆方向(矢印B)に移動する。後方の走行方向検知部14のリップ15は図1に示すように最初から矢印B方向に移動している。したがって、後進時には前方の走行方向検知部14のみが動作することとなり、ローラー23、回転連結部16がリップ15の動きを床拭き部12に伝達し前方の床拭き部12が床ノズル本体11の底面から突出する。
【0016】
このように、床ノズル本体11の前進時には、後方の床拭き部12のみが突出し、逆に、床ノズル本体11の後進時には、前方の床拭き部12のみが突出するので、前進および後進とも、まず、吸込口22が床上の塵埃を吸引した後、床拭き部12がその床上を拭き取ることになるので、床上の塵埃を床拭き部12が押し出してしまい、吸込口22からの塵埃吸引を阻害することもない。
【0017】
また、図4に示すように、走行方向検知部14を構成するローラー23の周面にギヤを設け、このギヤと噛み合うギヤを回転連結部17の周面にも設け、さらに、回転連結部17のギヤに噛み合う凹凸を床拭き部材の側面に設けることにより、確実にリップ15の動きを床拭き部12の出没移動方向の動きに変えることができる。
【0018】
なお、リップ15は上述したとおり回転範囲が規制されるので、必要以上にリップ15を回動させようとする力を逃がす必要があるが、そのため、リップ15は可撓性を有する材料で形成しており、好ましくは合成樹脂製あるいはゴム材料で形成することで、可撓性性のほかに床面を傷つけることも防止することができる。
【0019】
また、本実施例では、吸込口22の前後にそれぞれ床拭き部12を配したが、吸込口22の前方あるいは後方のみに床拭き部12を配してもよく、この場合には、本実施例の床拭き部12の動作と同様に、床ノズル本体11の進行方向に対して吸込口22の方が床拭き部12より前方に位置する場合のみ、床拭き部12を床ノズル本体11の底面から突出するようにする。例えば、吸込口22より床拭き部12を前方に設けた場合には、床ノズル本体11を前進させる場合には、床拭き部12を床ノズル本体11から突出させないようにし、逆に、床ノズル本体11を後進させる場合には、床ノズル本体11から床拭き部12を突出させるようにすることで、床拭き部12が吸込口22の吸引動作の妨げとなることを防止できる。吸込口22の後方に床拭き部12を設けた場合には上記前方の場合と逆にすればよい。
【0020】
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例を図5を用いて説明する。
【0021】
走行方向検知部14のローラー23と床ノズル本体11の一部を接続するコイルばね18を設け、走行方向検知部14に外力がかからない際、このばね18によって床拭き部12を床ノズル本体11の収納用凹部13内に収納する方向にローラー23の回転方向を付勢する。
【0022】
上記構成による作用は以下の通りである。
【0023】
床ノズル本体11を持ち上げた際、床ノズル本体11の走行方向検知部14のリップ15に外力がかからないため、走行方向検知部14のローラー23に接続したばね18がローラー23を回動させ、回転連結部16が床ノズル本体11の床拭き部12を収納用凹部13内に収納する方向に移動させる。よって、床ノズル本体11を持ち上げた場合には、床拭き部12が床ノズル本体11より突出していることがなく、床ノズル本体11を持ち上げて移動する場合に、突出した床拭き部12が他の物と衝突して破損することを防止できる。
【0024】
(実施例3)
本発明の第3の実施例を図6を用いて説明する。
【0025】
床拭き部12の下部に溝部19を設け、この溝部19に係合して着脱する床面接触部20を設ける。
【0026】
上記構成による作用は、以下の通りである。
【0027】
床拭き部12、床面接触部20が汚れた場合、あるいは磨耗、破損した場合、容易に新しい床面接触部20に交換が可能となる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の発明では、底面に吸込口を有する床ノズル本体と、前記吸込口の前部及び/又は後部に前記床ノズル本体の底面より出没自在に設けた床拭き部と、前記床ノズル本体の走行方向を検知する走行方向検知部とを備え、前記走行方向検知部を、前記床ノズル本体に回転自在に取着されたローラーと、前記ローラーの周面に設けられ床面に接するリップと、前記ローラーの回動を前記床拭き部に伝達する回転連結部とから構成し、前記床ノズル本体の走行方向と反対側の床拭き部が前記リップによるローラーの回動で突出するように構成しているので、床拭き部により床上を拭き取ることができるとともに、床上の塵埃が吸込口に至るまでに床拭き部が押し出してしまうこともなく、吸込口の吸引動作と床拭き動作の両方を効率よく行うことができる。
【0029】
本発明の請求項記載の発明では、走行方向検知部を、床ノズル本体に回転自在に取着されたローラーと、前記ローラの周面に設けられ床面に接するリップと、前記ローラーの回動を床拭き部に伝達する回転連結部と、前記床拭き部が床ノズル本体底面より突出しない方向に前記ローラーの回転を附勢するばね体とから構成したので、床ノズル本体を持ち上げて移動する場合に、不用意に床拭き部が他の物に当たり、破損したりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第の実施例を示した床ノズルの断面図
【図2】 本発明の第1の実施例を示した床ノズルの前進時の断面図
【図3】 本発明の第1の実施例を示した床ノズルの後退時の断面図
【図4】 本発明の第1の実施例を示した床ノズルの要部断面図
【図5】 本発明の第2の実施例を示した床ノズルの要部断面図
【図6】 本発明の第3の実施例を示した床ノズルの床拭き部の分解斜視図
【図7】 従来例を示した床ノズルの断面図
【図8】 他の従来例を示した床ノズルの断面図
【符号の説明】
11 床ノズル本体
12 床拭き部
14 走行方向検知部
15 リップ
16 回転連結部
18 コイルばね
20 床面接触部
22 吸込口
23 ローラー

Claims (2)

  1. 底面に吸込口を有する床ノズル本体と、前記吸込口の前部及び/又は後部に前記床ノズル本体の底面より出没自在に設けた床拭き部と、前記床ノズル本体の走行方向を検知する走行方向検知部とを備え、前記走行方向検知部を、前記床ノズル本体に回転自在に取着されたローラーと、前記ローラーの周面に設けられ床面に接するリップと、前記ローラーの回動を前記床拭き部に伝達する回転連結部とから構成し、前記床ノズル本体の走行方向と反対側の床拭き部が前記リップによるローラーの回動で突出するように構成した電気掃除機用床ノズル。
  2. 床拭き部が床ノズル本体底面より突出しない方向に前記ローラーの回転を附勢するばね体を備え、リップが床面と接しなくなると床ノズルが没することを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機用床ノズル。
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