JP3806891B2 - 自動車エンジン用燃料供給装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、自動車エンジン用の燃料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、自動車エンジン用燃料供給装置は図2の概略図で示すような構成となっており、燃料タンク1内に設けられた燃料ポンプ2にはフィードチューブ3が接続されており、このフィードチューブ3はデリバリチューブ4に接続されて、このデリバリチューブ4にはフューエルインジェクタ5が取り付けられており、プレッシャーレギュレータ6によりデリバリチューブ4内の燃料圧力が調圧されて、各フューエルインジェクタ5から適正な圧力で燃料が噴射されるように構成されており、噴射されなかった余り燃料はリターンチューブ7を通り燃料タンク1内に戻されるように構成されている。
このような従来の自動車エンジン用燃料供給装置にあっては、高温になるエンジンルームH内で燃料の温度が上昇し、燃料タンク1へ戻されるため、燃料タンク1内の燃料温度が上昇して、燃料タンク1内に揮発燃料が発生し易く、この揮発燃料を処理するために、大型のキャニスター等が必要となってしまうという問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、燃料タンク内の燃料温度の上昇を抑えて揮発燃料を低減させることのできる自動車エンジン用燃料供給装置を提供せんことを目的とし、その第1の要旨は、燃料タンク内の燃料をフィードチューブを通しフューエルインジェクタから噴射させ、余った燃料をリターンチューブを通し前記燃料タンクへ戻すように構成してなる自動車エンジン用燃料供給装置において、前記リターンチューブの途中に接続された第1バイパス管と、該第1バイパス管に接続されたサージタンクと、前記リターンチューブから前記第1バイパス管を通して前記サージタンク内に流入する前記燃料の逆流を防止する前記第1バイパス管内に設けられた第1逆止弁と、該サージタンクに接続されるとともに前記フィードチューブに接続された第2バイパス管と、前記サージタンクから前記第2バイパス管を通して前記フィードチューブに押し出される前記燃料の逆流を防止する前記第2バイパス管内に設けられた第2逆止弁と、前記サージタンク の内部に配設されたピストンと、一端がエンジンの吸気管に接続されるとともに他端が該ピストンにより仕切られて前記サージタンク内に形成された負圧室側に連通接続された負圧管と、を備えることである。
また、第2の要旨は、前記サージタンクは、外周に冷却用フィンが突設されてなることである。
【0004】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本例の自動車エンジン用燃料供給装置の概略構成図であり、燃料タンク1内には燃料ポンプ2が設けられて、燃料ポンプ2の作動により燃料はフィードチューブ3を通りデリバリチューブ4内に流入され、デリバリチューブ4に取り付けられたフューエルインジェクタ5,5,5からエンジンの吸気管8内に噴射されるように構成されており、燃料の噴射圧はプレッシャーレギュレータ6で適正圧力に調圧されるものとなっており、フューエルインジェクタ5,5,5から噴射されなかった余った燃料はリターンチューブ7を通り燃料タンク1内に戻されるように構成されているが、本例では、このリターンチューブ7の途中にバイパス管11aが接続されて、このバイパス管11a内には逆止弁12aが設けられたものとなっており、バイパス管11aにはサージタンク10が接続されて、さらにサージタンク10の他端側には、逆止弁12bを内装したバイパス管11bが接続されて、このバイパス管11bは前記フィードチューブ3に接続されたものとなっている。
【0005】
従って、本例では、フィードチューブ3とリターンチューブ7間にバイパスさせてサージタンク10が配設されたものとなっており、このサージタンク10内には、ピストン13が移動可能にスプリング14を介在させて配設されており、また、サージタンク10の外周には冷却用のフィン15が多数突設されたものとなっている。また、サージタンク10のピストン13で仕切られた負圧室10a側には負圧管9が連通接続されており、この負圧管9は前記エンジンの吸気管8に他端を接続して、吸気管8内の負圧が負圧管9を通し負圧室10aに導かれるように構成されている。
【0006】
なお、自動車が走行する際の走行風がサージタンク10の冷却フィン15に当たり、良好にサージタンク10を冷却できるように、風のよく当たる位置にサージタンク10はレイアウトして配置させておくことが好ましい。
【0007】
なお、エンジンの低負荷運転時にはリターンチューブ7を通り燃料タンク1側へ戻されてくる燃料が多くなり、エンジンの高負荷運転時にはリターンチューブ7を通り戻されてくる燃料は少なくなるものであり、また、エンジンの低負荷運転時には、前記エンジンの吸気管8内が大気圧より低い負圧となって、この負圧が負圧管9を通りサージタンク10の負圧室10aに導かれて、これによりピストン13は上昇することとなり、このエンジンの低負荷運転時にピストン13が上昇移動した時に、前記リターンチューブ7内を戻される燃料をバイパス管11a及び逆止弁12aを通しサージタンク10内に流入させ、戻される燃料をサージタンク10内に溜めて、サージタンク10内で良好に冷却することができる。
【0008】
なお、エンジンの高負荷運転時にはエンジンの吸気管8内は大気圧に近い状態となり負圧が少ないため、ピストン13はスプリング14の付勢力により下降し、これによりサージタンク10内に溜められている燃料がバイパス管11b及び逆止弁12bを通ってフィードチューブ3側に押し出され、押し出された燃料は再びデリバリチューブ4に流入され、フューエルインジェクタ5で噴射されることとなる。
【0009】
従って、本例では、燃料タンク1へ戻す燃料を少なくして、サージタンク10内に溜めて、そこで一旦冷却させて再びフィードチューブ3へ送り、これにより、燃料タンク1へ戻る燃料流量を低減させつつ燃料温度の上昇を抑制することにより、燃料タンク1内の燃料温度の上昇を抑えて燃料の揮発を低減させることができるものとなる。従って、キャニスターの大型化等に掛かるコストを低減させることができるものとなる。
【0010】
【発明の効果】
本発明は、燃料タンク内の燃料をフィードチューブを通しフューエルインジェクタから噴射させ、余った燃料をリターンチューブを通し前記燃料タンクへ戻すように構成してなる自動車エンジン用燃料供給装置において、前記リターンチューブの途中に接続された第1バイパス管と、該第1バイパス管に接続されたサージタンクと、前記リターンチューブから前記第1バイパス管を通して前記サージタンク内に流入する前記燃料の逆流を防止する前記第1バイパス管内に設けられた第1逆止弁と、該サージタンクに接続されるとともに前記フィードチューブに接続された第2バイパス管と、前記サージタンクから前記第2バイパス管を通して前記フィードチューブに押し出される前記燃料の逆流を防止する前記第2バイパス管内に設けられた第2逆止弁と、前記サージタンクの内部に配設されたピストンと、一端がエンジンの吸気管に接続されるとともに他端が該ピストンにより仕切られて前記サージタンク内に形成された負圧室側に連通接続された負圧管と、を備えることにより、エンジンの低負荷運転時に燃料タンクに戻される燃料を一旦サージタンク内に溜めて、このサージタンク内で冷却させることができ、エンジンの高負荷運転時にこのサージタンク内で冷やされた燃料をフィードチューブへ吐出して、フューエルインジェクタから噴射させることができ、燃料タンクへ戻る燃料流量を低減させ、かつ燃料温度の上昇を抑制することができて燃料タンク内の燃料温度の上昇が抑えられ、燃料タンク内での揮発燃料が低減されて小型のキャニスターでも対応できるものとなる。
また、エンジンの低負荷運転時にはエンジンの吸気管内が負圧となり、この負圧を負圧管を通してピストンに導き、ピストンを負圧により良好に移動させて、サージタンク内に戻り燃料を良好に流入させることができ、また、エンジンの高負荷運転時にはエンジンの吸気管内の負圧が高くならないので、ピストンによりサージタンク内に溜めた燃料をフィードチューブを通しフューエルインジェクタへ良好に送ることができ、エンジンの運転状態に対応させて良好にピストンを移動させることができるものとなる。
【0011】
また、前記サージタンクは、外周に冷却用フィンが突設されてなることにより、自動車が走行する際の走行風がサージタンクの冷却フィンに当たり、良好にサージタンクを冷却できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 サージタンクを設けた自動車エンジン用燃料供給装置の概略構成図である。
【図2】 従来の自動車エンジン用燃料供給装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2 燃料ポンプ
3 フィードチューブ
4 デリバリチューブ
5 フューエルインジェクタ
6 プレッシャーレギュレータ
7 リターンチューブ
8 吸気管
9 負圧管
10 サージタンク
10a 負圧室
11a,11b バイパス管
12a,12b 逆止弁
13 ピストン
14 スプリング
15 冷却フィン
Claims (2)
- 燃料タンク内の燃料をフィードチューブを通しフューエルインジェクタから噴射させ、余った燃料をリターンチューブを通し前記燃料タンクへ戻すように構成してなる自動車エンジン用燃料供給装置において、
前記リターンチューブの途中に接続された第1バイパス管と、
該第1バイパス管に接続されたサージタンクと、
前記リターンチューブから前記第1バイパス管を通して前記サージタンク内に流入する前記燃料の逆流を防止する前記第1バイパス管内に設けられた第1逆止弁と、
該サージタンクに接続されるとともに前記フィードチューブに接続された第2バイパス管と、
前記サージタンクから前記第2バイパス管を通して前記フィードチューブに押し出される前記燃料の逆流を防止する前記第2バイパス管内に設けられた第2逆止弁と、
前記サージタンクの内部に配設されたピストンと、
一端がエンジンの吸気管に接続されるとともに他端が該ピストンにより仕切られて前記サージタンク内に形成された負圧室側に連通接続された負圧管と、
を備える自動車エンジン用燃料供給装置。 - 前記サージタンクは、外周に冷却用フィンが突設されてなる請求項1に記載の自動車エンジン用燃料供給装置。
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