JP3805804B2 - 動脈硬化防止剤 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、動脈硬化防止剤に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、変性低密度リポタンパク質(以下低密度リポタンパク質をLDLと記載する)のマクロファージへの取り込みを阻害することにより、血管壁へのコレステロール沈着を防止し、動脈硬化症を予防またはその進行を防止する動脈硬化防止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
虚血性心疾患および脳梗塞等の動脈硬化症は、動脈壁にコレステロールエステルが蓄積して脂肪層(fatty streak)を形成し、この脂肪層がさらにアテローム性プラークを形成して血管を狭窄、閉塞することが原因とされている。このコレステロールエステルの蓄積は、コレステロールエステルを大量に含む泡沫細胞(foam cell) の集簇によるが、初期の動脈硬化病巣にはマクロファージ由来の泡沫細胞が多く認められることから、マクロファージが動脈硬化発症に重要な役割を果たすことが明らかになってきた[アメリカン・ジャーナル・オブ・パソロジー(American Journal of Pathology) 、第103巻、第181ページ、1981年]。
【0003】
マクロファージには、正常LDLを認識して取り込むLDL受容体はあまり存在せず、生体内で化学修飾を受けた変性LDLを特異的に認識して取り込むスカベンジャー受容体が発達しており、マクロファージはスカベンジャー受容体を経由して変性LDLを過剰に取り込むことによりコレステロールエステルを蓄積し泡沫化する[プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスイズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) 、第76巻、第333ページ、1979年]。スカベンジャー受容体が認識する変性LDLとしては、アセチル化LDL、マレイル化LDL、酸化LDL等、特に陰性電荷が増加した変性LDLを例示できるが、実際の生体内ではフリーラジカルによるLDLの酸化が変性LDL生成の主要経路と考えられている[ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine) 、第320巻、第915ページ、1989年]。
【0004】
一方、高密度リポタンパク質(以下HDLと記載する)は、一旦形成された泡沫細胞からのコレステロールの汲み出し作用があることが報告されており、HDLの動脈硬化抑制作用にはこの機構が関与していることが示唆されている[ジャーナル・オブ・リピッド・リサーチ(Journal of Lipid Research) 、第21巻、第391ページ、1980年]。
【0005】
動脈硬化症がこのような機構によって発症することから、動脈硬化症の予防またはその進行の防止には、従来、次のような方策が採用されていた[ザ・リピッド(The Lipid) 、第2巻、第494ページ、1991年]。
a)LDLコレステロールを低下させる
b)LDLの変性(特に酸化)を抑制する
c)マクロファージの泡沫化を抑制する
d)泡沫細胞からのコレステロールを汲み出しを促進する
前記a)に関しては、食事中のコレステロールの低減、食物繊維および多価不飽和脂肪酸の摂取等による食事療法、コンパクチン等のコレステロール合成阻害剤、イオン交換樹脂等のコレステロール排泄促進剤等による薬物療法が広く実施されている。
【0006】
また、前記b)に関しては、プロブコール等の薬剤にLDLの酸化抑制作用があることが明らかになってきている。さらに、前記d)に関しては、その作用を持つHDLを上昇させるために前記a)と同類の食事療法、薬物療法が実施されている。HDLの他、サイログロブリンやカゼインに泡沫細胞からコレステロールを汲み出す作用が見い出されているが[ジャーナル・オブ・リピッド・リサーチ(Journal of Lipid Research) 、第21巻、第391ページ、1980年]、実用化には至っていない。なお、この文献に記載のカゼインは全カゼイン画分であり、κ−カゼインに泡沫細胞のコレステロールを汲み出す作用があるか否かは知られていない。
【0007】
さらに、前記c)に関しては、アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ等のマクロファージ内に存在する泡沫化に関与する酵素の阻害剤にこの作用があることが知られているが、変性LDLのマクロファージへの取り込みを阻害して泡沫化を抑制することによる動脈硬化症の予防、またはその進行の防止に関してはほとんど検討されておらず、ましてやκ−カゼインおよびその加水分解物に変性LDLのマクロファージへの取り込みを阻害する作用があることは全く知られていない。
【0008】
一方、κ−カゼインは、乳汁のカゼイン画分に含有される分子量約19000ダルトンの糖蛋白質である。牛乳では全カゼイン画分の約15%を占め、人乳では全カゼイン画分の約30%を占める。κ−カゼインは、カゼインミセルの形成およびカードの形成に物理化学的に重要な役割を果たすが、特異的な生理作用に関しては特に顕著な作用は知られていない。κ−カゼインが変性LDLのマクロファージへの取り込みを阻害することは、従来全く知られておらず、文献が皆無である。
【0009】
さらに、κ−カゼインの加水分解物については、κ−カゼインからレンネットの作用により得られるグリコマクロペプチドに、ビフィズス菌増殖作用、胃酸分泌抑制作用、病原菌付着防止作用(特開平3−220130号公報)、感染防御作用(特開昭63−284133号公報)、抗歯垢作用および抗齲歯作用(特開昭63−233911号公報)等が、その他の潜在性ペプチドにオピオイドアンタゴニスト作用、血小板凝集抑制作用[ミルク総合事典、第113ページ、朝倉書店、1992年]等が知られているが、変性LDLのマクロファージへの取り込みを阻害することは、従来全く知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の発明者らは、先にラクトフェリンおよび/またはラクトフェリンの加水分解物に動脈硬化症防止作用があることを見い出し、既に特許出願を行った(特願平5−23055号。以下先願と記載する)。
この発明の発明者らは、先願出願後、動脈硬化症防止作用を有する物質についてさらに検索を行った結果、κ−カゼインおよび/またはκ−カゼインの加水分解物が変性LDLのマクロファージへの取り込みを阻害してマクロファージの泡沫化を抑制すること、さらには全カゼイン画分に比較し、全カゼイン画分からκ−カゼインを精製して用いることによりその活性が顕著に上昇することを見い出した。
【0011】
この発明は、以上のとおりの新たな知見に基づき、従来の動脈硬化症予防方法、またはその進行防止方法とは異なった新しい動脈硬化症予防、またはその進行防止に有用な薬剤を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記の課題を解決するものとして、κ−カゼインを有効成分とする動脈硬化防止剤を提供する。
また、この発明は、κ−カゼインの加水分解物を有効成分とする動脈硬化防止剤を提供する。
【0013】
さらにこの発明は、κ−カゼインおよびκ−カゼインの加水分解物を有効成分とする動脈硬化防止剤をも提供する。
以下、この発明について詳しく説明する。
この発明の動脈硬化防止剤に用いるκ−カゼインは、市販のκ−カゼイン、ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ等の乳等から常法(例えば、尿素硫酸法)により単離したもの、または遺伝子組換え技術等によって生産されたものであってもよい。
【0014】
この発明の動脈硬化防止剤に用いるκ−カゼインの加水分解物は、例えば、前記κ−カゼインを酸またはプロテアーゼにより公知の方法で加水分解することにより製造することができる。しかし、低分子化することによりその効果が低下するので、特に制限はないが、分子量1000ダルトン以上の画分が全体の30%(重量。以下特に断りのない限り同じ)以上の割合で加水分解を停止するのが望ましい。
【0015】
この発明においては、κ−カゼインまたはκ−カゼインの加水分解物を単独で用いることも、両者を併用することもできる。ただし、後述するようにカゼイン画分に含有される他のカゼイン、例えばαs −カゼインまたはβ−カゼインとの併用は、その作用を抑制するので、望ましくない。
この発明の動脈硬化防止剤は、経口的に通常の食品、薬品の形態で生体に投与することができる。また、非経口的に静脈内、動脈内、筋肉内、皮下、腹腔内等に投与することができ、例えば、無菌的に生理食塩水等の溶液に溶解して注射剤として投与することができる。非経口的に投与する場合、投与対象となる動物と異種の由来のκ−カゼインを用いるとその抗原性が問題となるので、同種動物由来のκ−カゼインまたはその加水分解物を用いるのが望ましい。
【0016】
κ−カゼインまたはκ−カゼインの加水分解物の投与量は、動物の種類、年齢および症状によって変動するが、経口投与の場合、通常5mg〜1000mg/kg体重/日、望ましくは10mg〜200mg/kg体重/日であり、非経口投与の場合、通常0.5mg〜100mg/kg体重/日、望ましくは1mg〜20mg/kg体重/日である。
【0017】
κ−カゼインまたはκ−カゼインの加水分解物の急性毒性は、後記する試験例3から明らかなように、いずれもLD50は4000mg/kg体重以上であり、毒性は極めて低い。
次に試験例を示してこの発明をさらに詳しく説明する。
(試験例1)
この試験は、マクロファージのスカベンジャー受容体に対する変性LDLの特異的結合に及ぼすκ−カゼインの影響を調べるために行った。
1)試料の調製
正常ヒト血清から常法(社団法人日本生化学会編、「続生化学実験講座3」、第599ページ、東京化学同人、1986年)によりLDLを調製し、そのLDLから常法(社団法人日本生化学会編、「続生化学実験講座3」、第672ページ、東京化学同人、1986年)によりアセチル化LDLを調製した。
【0018】
得られたアセチル化LDLを放射性ヨウ化ナトリウム(Na125 I)を用いて常法(社団法人日本生化学会編、「続生化学実験講座3」、第667ページ、東京化学同人、1986年)により標識し、放射活性400cpm/ng蛋白質の125 I−アセチル化LDLを調製した。
2)試験方法
ウィスター系雄ラット(日本SLC社から購入。体重200g前後)から常法により腹腔マクロファージを採集し、1×106 個のマクロファージを100μl のダルベッコ改変イーグル培地(3%のウシ血清アルブミン、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンを含有する。以下この培地を培地Aと記載する)に懸濁し、1μgの125 I−アセチル化LDLと種々の濃度のアセチル化LDLまたは常法[ジャーナル・オブ・デイリー・サイエンス(Journal of Dairy Science)、第46巻、第1183ページ、1963年]により精製したウシκ−カゼインを添加して、4℃で1時間インキュベートした。遠心分離と1%のウシ血清アルブミンを含有するリン酸緩衝液(以下リン酸緩衝液をPBSと記載する)による洗浄を3回反復し、マクロファージに結合している放射活性をγ−カウンター(アロカ社製)によって測定した。
3)試験結果
この試験の結果は、図1に示すとおりである。図1は、125 I−アセチル化LDLのマクロファージへの結合と試料濃度との関係を示し、縦軸および横軸は、それぞれ対照に対する125 I−アセチル化LDLのマクロファージへの結合の百分率、および試料濃度を示す。図中○および●は、それぞれアセチル化LDLおよびウシκ−カゼインを示す。
【0019】
図1から明らかなように、アセチル化LDLの添加により125 I−アセチル化LDLのマクロファージへの結合は阻害されるが、この阻害される部分がマクロファージのスカベンジャー受容体に対するアセチル化LDLの特異的結合である。κ−カゼインは濃度に依存してこの特異的結合を阻害し、高濃度においてはほぼ完全に阻害した。すなわち、κ−カゼインは、変性LDLがマクロファージのスカベンジャー受容体に特異的に結合するのを阻害することが明らかに認められた。
【0020】
なお、他の動物由来のκ−カゼインおよびκ−カゼインの加水分解物についてもほぼ同様の結果が得られた。
(試験例2)
この試験は、各種カゼインがマクロファージの泡沫化に与える影響を調べるために行った。
1)試料
▲1▼ウシα−カゼイン(シグマ社製。αs −カゼイン含量約85%)
▲2▼ウシβ−カゼイン(シグマ社製)
▲3▼ウシκ−カゼイン(シグマ社製)
▲4▼前記▲3▼のウシκ−カゼインをビオプラーゼ(ナガセ生化学工業社製)で10分間加水分解したウシκ−カゼイン加水分解物
▲5▼前記▲1▼▲2▼▲3▼と同一のα−カゼイン、β−カゼインおよびκ−カゼインを、50:35:15の比率(牛乳のカゼイン中の比率)で混合した混合物
▲6▼ウシ全カゼイン画分[牛乳から常法(津郷友吉著、「牛乳の化学」、第7ページ、地球社、1975年)により調製]
2)試験方法
培地Aに懸濁した3×106 個/mlのラット腹腔マクロファージ(試験例1と同一の方法により調製)を、市販の12穴プレートに1mlずつ播種し、37℃で2時間培養し、プレートの底面に接着させた。このマクロファージをPBSで3回洗浄した後、100μg/mlのアセチル化LDLおよび種々の濃度の試料を含む培地A1mlに入れ替え、37℃で16時間培養した。0.2%のウシ血清アルブミンを含むPBSおよび含まないPBSを用いて十分洗浄し、細胞内の脂質を抽出し、総コレステロールと遊離コレステロールを酵素法[ジャーナル・オブ・リピッド・リサーチ(Journal of Lipid Research) 、第19巻、第514ページ、1978年]により測定し、その差からコレステロールエステルの量を算出した。
3)試験結果
この試験の結果は、図2に示すとおりである。図2は、マクロファージ内に蓄積したコレステロールエステルと試料濃度との関係を示し、縦軸および横軸は、それぞれ対照に対するマクロファージ内に蓄積したコレステロールエステルの百分率、および試料濃度を示す。
【0021】
図2から明らかなように、α−カゼイン、β−カゼインの作用に比較して、κ−カゼインはマクロファージへのコレステロールエステルの蓄積を顕著に抑制した。また、κ−カゼインの加水分解物にもこの作用が認められた。すなわち、κ−カゼインおよびその加水分解物は、変性LDLによるマクロファージの泡沫化を特異的に抑制することが明らかになった。
【0022】
一方、全カゼイン画分ならびにα−カゼイン、β−カゼインおよびκ−カゼインの混合物にもマクロファージへのコレステロールエステルの蓄積を抑制する作用が認められたが、これらの作用はκ−カゼインまたはその加水分解物を単独で用いた場合と比較して極めて弱いものであった。すなわち、変性LDLによるマクロファージの泡沫化を抑制する作用は、これらに含有されるκ−カゼインの割合(約15%)から予測される作用よりも弱く、全カゼイン画分からκ−カゼインを精製して用いることによりその活性が顕著に上昇することが明らかになった。κ−カゼインはαs −カゼインおよびβ−カゼインと会合してカゼインミセルを形成していることが知られており(津郷友吉著、「牛乳の化学」、第20ページ、地球社、1975年)、この会合によってκ−カゼインの作用が抑制されているものと推測される。
【0023】
なお、マクロファージを泡沫化させる変性LDLとして、アセチル化LDLの代わりに常法[ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(Journal of Clinical Investigation) 、第81巻、第720ページ、1988年]により調製した酸化LDLを用いて同様の試験を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
(試験例3)
この試験は、κ−カゼインおよびκ−カゼインの加水分解物の急性毒性を調べるために行った。
1)試験動物
6週齢のCD(SD)系のラットの両性(日本チャールス・リバー社から購入)を、無作為にそれぞれ8群(1群5匹)に分けた。
2)試験方法
ウシκ−カゼイン(試験例1と同一のもの)およびウシκ−カゼイン(試験例1と同一のもの)をビオプラーゼ(ナガセ生化学工業社製)で10分間加水分解して調製した加水分解物を注射用水(大塚製薬社製)に溶解し、体重1kg当り1000、2000および4000mgの割合で、金属製玉付き針を用いて単回強制経口投与し、急性毒性を試験した。
3)試験結果
この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から明らかなようにウシκ−カゼインおよびウシκ−カゼイン加水分解物を投与した全例ともに死亡例は認められなかった。従って、ウシκ−カゼインおよびウシκ−カゼイン加水分解物のLD50はともに4000mg/kg以上であった。なお、κ−カゼインおよびκ−カゼイン加水分解物の種類を変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0024】
【表1】
Figure 0003805804
【0025】
次に実施例を示してこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の例に限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
実施例1
1錠当り次の組成からなる錠剤の動脈硬化防止剤を調製した。
ウシκ−カゼイン加水分解物 20.0(mg)
[ウシκ−カゼイン(試験例1と同一のもの)をビオプラーゼ(ナガセ生化学工業社製)で10分間加水分解して調製]
乳糖一水和物(和光純薬工業社製) 30.0
トウモロコシデンプン(和光純薬工業社製) 19.8
結晶セルロース(旭化成工業社製) 28.0
珪酸マグネシウム五水和物(和光純薬工業社製) 2.0
ステアリン酸マグネシウム(和光純薬工業社製) 0.2
ウシκ−カゼイン加水分解物、乳糖一水和物、トウモロコシデンプンおよび結晶セルロースの混合物に滅菌精製水を適宜添加しながら均一に混練し、50℃で3時間乾燥させ、得られた乾燥物に珪酸マグネシウム五水和物およびステアリン酸マグネシウムを添加して混合し、常法により打錠機で打錠した。
実施例2
注射用水(大塚製薬社製)1mlに、公知の方法[ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemistry) 、第90巻、第1005ページ、1981年)で精製したヒトκ−カゼイン10mgおよびD−マンニット(和光純薬工業社製)49.5mgの割合で溶解し、リン酸緩衝剤粉末(和光純薬工業社製)の水溶液でpHを約7に調整し、濾過滅菌し、常法により10mlずつバイアル瓶に充填し、凍結乾燥し、注射用の凍結乾燥動脈硬化防止剤を調製した。
実施例3
精製したウシκ−カゼイン(試験例1と同一のもの)50部(重量。以下同じ)、このウシκ−カゼインをレンニン(シグマ社製)で30分間加水分解して得られた加水分解物30部に、コーンスターチ(松谷化学工業社製)50部、しょ糖(東洋精糖社製)50部およびL−アスコルビン酸ナトリウム(日本ロッシュ社製)20部の割合の原料を充分に混合し、混合物を2gずつ袋に詰め、経口摂取用の粉末状動脈硬化防止剤を調製した。
【0027】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、変性LDLのマクロファージへの取り込みを特異的に阻害することによりマクロファージの泡沫化を抑制する動脈硬化防止剤が提供される。これによって、動脈硬化症の効果的な予防またはその進行防止が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 125I−アセチル化LDLのマクロファージへの結合と試料濃度との関係を示す。
【図2】 マクロファージ内に蓄積したコレステロールエステルと試料濃度との関係を示す。四角はそれぞれウシα−カゼインおよびウシβ―カゼインを、三角はそれぞれウシα−、β−、κ−カゼインの混合物およびウシ全カゼインを、丸はそれぞれウシκ−カゼインおよびウシκ−カゼイン加水分解物を示す。

Claims (3)

  1. κ−カゼインを有効成分とする動脈硬化防止剤。
  2. κ−カゼインをビオプラーゼで10分間加水分解して調製したκ−カゼインの加水分解物、またはκ−カゼインをレイニンで30分間加水分解して調製したκ−カゼインの加水分解物を有効成分とする動脈硬化防止剤。
  3. κ−カゼインおよび請求項2のκ−カゼインの加水分解物を有効成分とする動脈硬化防止剤。
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