JP3805789B2 - 炎症性サイトカインの阻害剤として有用な、n−置換−(ジヒドロキシボリル)アルキルプリン、インドールおよびピリミジン誘導体 - Google Patents

炎症性サイトカインの阻害剤として有用な、n−置換−(ジヒドロキシボリル)アルキルプリン、インドールおよびピリミジン誘導体 Download PDF

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Description

発明の背景
カケクチンとしても知られる、腫瘍壊死因子α(TNF-α)は、好中球、活性化リンパ球、マクロファージ、NK細胞、LAK細胞、星状細胞、内皮細胞、平滑筋細胞および幾つかの形質転換細胞によって生産される17kDaのタンパク質である。TNF-αが、主としてマクロファージによって生産され、これがインビトロ並びにインビボで生産できることを、多数の研究が明らかにしている。このサイトカインは、腫瘍細胞に対する細胞毒性作用、好中球の活性化、正常細胞の成長促進、および免疫炎症性、免疫調節、および抗−ウイルス性応答等を包含する広範囲に渡る生物学的活性を媒介する。TNF-αは、またインターロイキン-1(IL-1)の分泌を誘発し、しかも炎症および内毒素−誘発性ショックの一次媒介体である。26kDaの膜型のTNF-αが、単球および活性化T細胞の表面上に表示されている。この分子は細胞内の連絡並びに細胞毒性活性に関与している可能性があり、またリンパ球活性化に関する表面マーカーである。種々の技術によって、TNFは水性溶液中で三量体として存在することが示されており、ヒトTNF分子のほんの僅かな部分のみが、生理的イオンpHにおいてモノマーとして存在するに過ぎない。
2つの別々のTNF-α受容体、即ち75kDaの受容体および55kDaの受容体(それぞれTNFR-αおよびTNFR-β)が同定されている。これら2つのTNF受容体型の細胞内ドメインは見掛け上無関係であり、このことはこれらが異なるシグナル変換経路を利用することを示唆している。両受容体はTNFを結合し、かつ転写因子NFkBを活性化するが、各受容体の発現は独立かつ特異的に調節されているものと考えられる。ヒトTNF-αは、ヒト細胞上で、等しいアフィニティーでこれら両型の受容体と結合するであろう。
TNFは、様々な多数の侵入性の諸疾患、感染症、および炎症状態の病態生理学的作用の重要な媒介体であることが分かっている。組織内でのその生産(または過剰生産)および細胞環境における他のサイトカインの存在の結果として、TNFは、最終的に宿主に利益供与するか、あるいはこれを害する可能性がある。例えば、これが急激に生産され、かつ重度の細菌感染の際に、その循環系に大量に放出された場合、TNFは極めて高い死亡率(30〜90%)を伴う、ショック状態および組織傷害(敗血症性ショック症候群)の状態を引き起こす。3つの主な証拠は、TNFが敗血症性ショックの発症において中心的な役割を演じていることを示している。該3つの証拠とは、(1)哺乳動物への該サイトカインの投与が、殆ど敗血症性のショックと識別不可能なショックおよび組織傷害状態を誘発すること、(2)敗血症性ショックにおけるTNFの阻害が、これらショックおよび組織傷害両者の発症を防止し、かつ有意な生存性を与えること、および(3)TNFが、実験的および臨床的敗血症性ショック症候群の発症中に、動物およびヒト体内で生産されることである。
慢性的疾患状態にある際に生産される場合、TNFはカヘキシー、食欲不振によって特徴付けられる症候群、促進された異化作用、体重減少、貧血、および体組織の喪失を媒介する。体重減少は、しばしば慢性疾患中に生じ、体重増加がみられなければ、該疾患が根絶される前に、該宿主は死亡する恐れがある。例えば、AIDS癌に苦しめられた患者にとっては、体重の50%を喪失することおよび栄養不良の合併症に冒されることは、異常なことではない。タンパク質−保存性適合応答が最大の効力を発揮する飢餓とは対照的に、カヘキシー性宿主は、抑制された取り込みにも拘らず、身体エネルギーの蓄えを異化作用し、かくしてその死を早める傾向がある。
敗血症性ショックおよびカヘキシーに加えて、TNFは、リウマトイド関節炎(RA)、炎症性腸疾患(IBD)、多発性硬化症(MS)およびAIDSの病態生理学に関連性があり、かつ恐らくアルツハイマー病(AD)および/またはAD患者に関連する体重減少の発生において重要な役割を演じているものと示唆されている。
例えば、リウマトイド関節炎においては、血清における多量の2種のモノカイン、即ちTNF-αおよびIL-1の表示を伴う、マクロファージの活性化の証拠があるが、滑液中ではより顕著である。TNF-α、即ちIL-1の誘発物質は、リウマトイド関節炎において有意に増大するが、反応性関節炎においては増大しない。更に、RA中のTNF-α濃度は、該滑液中の白血球数およびESR(赤血球沈降速度)と相関関係をもつ。TNFは、免疫性および炎症の重要な媒介体であり、また生物学的活性(好中球の活性化、滑膜細胞からのアラキドン酸代謝産物の遊離、軟骨再吸収の誘発および軟骨におけるプロテオグリカン遊離の阻害の故に、マクロファージ走化性活性化タンパク質([MCAP])は、慢性活性炎における可能な媒介体の1種である。種々の研究は、TNFに対するモノクローナル抗体が、ハツカネズミのコラーゲン−誘発性関節炎における関節疾患を改善できることを示した。これらの研究においては、疾患の発症前に投与された抗-TNFが、脚の腫れおよび組織学的な関節炎の重度を減じた。但し、関節炎の発生率または循環抗−タイプIIコラーゲンIgG濃度を減じることはなかった。ヒト疾患に対してより関連性の高いのは、臨床的な関節炎の発症後に注入した場合においてさえ、臨床的評点、脚の腫れ、および疾患の組織学的な重度を減じる、該抗体の能力であった。
極最近、活動性のリウマトイド関節炎に罹った20名の患者を、8週間に渡るオープンフェイズI/IIトライアル(open phase I/II trial)において、20mg/kgのキメラヒト/マウスモノクローナル抗−TNF-αで処置した。この処置は十分に許容され、かつ有意な改善が、リッチーアーティキュラーインデックス(Ritchie Articular Index)、腫れをもつ関節数、および他の主な臨床的評価において見られた。有意な減少が、血清アミロイジA、IL-6およびc-反応性タンパク質に見られた。
多発性硬化症(MS)は、中枢神経系(CNS)の慢性で炎症性の脱髄疾患である。該脱髄部位における浸潤細胞の大部分は、マクロファージおよびT-細胞である。CSF中のIL-1およびTNFは、不活性MSまたは他の神経学的疾患に罹った患者におけるよりも、激しい多発性硬化症に罹った患者中において高濃度でかつより高頻度で検出される。MS患者の研究において、ベック(Beck)とその共同研究者等は、疾患の再燃の2週間前における、抹消血単核細胞によるTNFおよびインターフェロン産生の増加を見出した。実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)が、動物における該CNSの最も良く特徴付けされた脱髄性疾患である。EAEおよびMSは多くの特徴を共有している。ルドゥル(Ruddle)およびその共同研究者等は、マウス内のEAEを治療するために、TNFを中和するモノクローナル抗体を使用した。これについては、ルドゥル(Ruddle)等,J.Exp.Med.,1990,172:1193-1200を参照。この抗体で治療したマウス内のEAEの発病率およびその重度は画期的に減じられ、かつ該疾患の発症は遅延された。その上、該著者は、予防的治療は長期間維持されて、観測した5カ月間に及んだことを報告した。
TNF-α濃度を、73名のHIV-1血清反応陽性患者由来の血清サンプルおよび2つのコントロール群由来のサンプルについて測定した。HIV-1-感染患者の全臨床群は、併発疾患とは無関係に、両型の可溶性TNF受容体(sTNFRs)および免疫反応性TNF-αの、有意に高い濃度を有していた。最高の濃度はAIDS患者中に見られた。これらのTNFパラメータは減少したCD4+リンパ球数と有意な相関関係を有していた。免疫反応性のTNFおよびsTNFRsの高い濃度は、HIV-1感染中の、該TNF-α系の活性化を強く示唆している。濃度は疾患の進行および免疫不全の度合いに応じて増大する。TNF-α合成の選択的阻害剤であるサリドマイドは、単球様(U1)細胞系内の潜在的HIV-1の活性化を抑制することが示されている。HIV-1の阻害に関連して、作用物質−誘発TNF-αタンパクおよびmRNA産生における減少があった。また、サリドマイドの存在は、進行性HIV-1感染およびAIDSに罹った17名の患者中16名の抹消血単核細胞中でウイルスの活性化を阻止することが示された。最近の研究では、ホモジナイズした脳組織について、逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応を利用して、TNF-αに対するmRNAの相対的発現と、認識的損傷およびHIV感染患者中の神経病理的変化とを相関付けた。前頭の皮質下白質由来のTNF-αに対するmRNAの濃度は、痴呆を伴わないAIDS患者または血清反応陰性コントロールにおけるよりも、HIVD(HIV関連痴呆症)に罹った患者において、有意に高かった。HIVDにおける、TNF-αに対するmRNA濃度が高いことは、異常なサイトカイン発現がHIVDの病因に寄与していることを示している。TNF-αの遊離を遮断することが知られている薬物であるペントキシフィリン(PTX)を、HIV-血清反応陽性患者のフェイズI/IIクリニカルトライアルにおいて、単独でまたはジドブジン(ZDV)との組み合わせでテストした。定量的ポリメラーゼ連鎖反応技術によって測定されるような、平均HIV-1ウイルス負荷(viral load)は、一方の試薬のみを投与した患者(p<0.05)における8-〜9-倍もの高い濃度に比して、PTXおよびZDVを投与した12週間後のベースライン値上1.9-倍の値であった。TNF-α濃度は、組み合わせ薬物治療が施された患者におけるウイルス負荷(p<0.0001)と相関している。
クローン病および潰瘍性大腸炎は、病因未知の慢性炎症性腸疾患であるが、免疫機構が該腸の病巣の病因において重要な役割を演じており、またリンパ球様細胞により生産されるサイトカインが、該疾患の腸管外続発症にとって重要であり得るという、情況証拠がある。これらクローン病および潰瘍性大腸炎両者においては、マクロファージの活性化が重要な特徴であると考えられ、かつマクロファージに誘導されたサイトカインTNF-α、IL-1およびIL-6の高い生産性が、これら両疾患において報告されている。最近の研究により、慢性の炎症性腸疾患に罹った24名の患者(15名はクローン病、9名は潰瘍性大腸炎)および11名のコントロール(14)由来の腸の検体中での、TNF-αに対する免疫反応性の細胞の位置および組織密度が測定された。これら潰瘍性大腸炎およびクローン病両者の固有層において、TNF-α免疫反応性細胞の有意に高い密度が見られ、このことはこの程度のTNF-α生産性が、上皮および内皮膜の保全性を損ない、炎症性細胞のリクルートメントの増大、および血管内皮に及ぼすプロトロンビン作用によって、これら潰瘍性大腸炎およびクローン病両者の病因に対して有意に寄与するものと考えられる。
発明の概要
本発明は、IL-1b、IL-6、IL-8、TNF-αあるいは組織因子等の炎症性サイトカインの阻害剤として有用な、N-置換-(ジヒドロキシボリル)アルキルプリン、インドールおよびピリミジン誘導体に関するものである。更に詳しく言えば、本発明は、新規な炎症性サイトカインの阻害剤、即ち以下の一般式Iで示される化合物および製薬上許容されるその塩に関する:
P-(CH2)n-B(OR1)(OR2) (I)
ここで、R1およびR2両者は水素原子を表すか、あるいは一緒に該2個の酸素原子を架橋するプロピレン鎖を表し、nは2〜6であり、またPはプリン塩基の場合にはN9を、インドールまたはピリミジン塩基の場合にはN1を介して結合したプリン、インドールまたはピリミジン塩基の残基を表す。
従って、本発明の目的の一つは、N-置換-(ジヒドロキシボリル)アルキルプリン、インドールおよびピリミジン誘電体を提供することにあり、該誘電体はその炎症性サイトカイン阻害能のために、侵襲性諸疾患、感染および炎症状態、特に敗血症性ショック、カヘキシー、リウマトイド関節炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、AIDSおよびアルツハイマー病の治療のための治療薬として有用である。
本発明の更なる目的は、これらの新規なN-置換-(ジヒドロキシボリル)アルキルプリン、インドールおよびピリミジン誘電体の調製のための合成手順を提供することにある。
更に別の本発明の目的は、敗血症性ショック、カヘキシー、リウマトイド関節炎、炎症性腸疾患および多発性硬化症に罹った哺乳動物を治療するための方法を提供することにあり、該方法は炎症性サイトカインの阻害剤、即ちN-置換-(ジヒドロキシボリル)アルキルプリン、N-置換-(ジヒドロキシボリル)アルキルインドールまたはN-置換-(ジヒドロキシボリル)アルキルピリミジンを投与する工程を含む。
従って、本発明の更なる目的は、AIDS療法を提供することにあり、該方法では炎症性サイトカイン阻害作用をもつ、N-置換-(ジヒドロキシボリル)アルキルプリン、インドールまたはピリミジンを投与することにより、カヘキシーを減ずると共に、ウイルス負荷をも低下させる。
本発明の更に他の目的は、治療薬、即ちカヘキシーの媒介体であるTNFおよび他の炎症性サイトカインを阻害することによって、該疾患の発症を阻害する、N-置換-(ジヒドロキシボリル)アルキルプリン、インドールまたはピリミジンを提供することにある。
本発明のもう一つの局面においては、上記式Iの化合物と、1種以上の製薬上許容された担体、賦形剤または希釈剤とを含む製剤を提供する。
発明の詳細な説明
ピリミジン塩基構造において、その置換基の公知の番号付けは以下の通りである。
Figure 0003805789
上記式Iの化合物のピリミジン塩基部分は、その1-位(N1)において、窒素原子を介して該構造の残りの部分に結合している。
プリン塩基構造における置換基の公知の番号付けは、以下の通りである。
Figure 0003805789
上記式Iの化合物のプリン塩基部分は、その9-位(N9)において、窒素原子を介して該構造の残りの部分に結合している。
同様に、インドール塩基構造において、その置換基の公知の番号付けは以下の通りである。
Figure 0003805789
上記式Iの化合物のインドール塩基部分は、(その1-位において)窒素原子を介して該構造の残りの部分に結合している。
上記式Iの化合物におけるピリミジン、プリンまたはインドール塩基残基は、天然産のピリミジン塩基、即ちウラシル、チミンまたはシトシン、天然産のプリン塩基、即ちアデニンおよびグアニン、または市販品として入手可能なインドール塩基から誘導できる。ここで、「プリン、インドールまたはピリミジン塩基」なる用語はこれら塩基並びにプリンおよびピリミジン、並びにその類似体、例えばアルキル、アラルキル、ハロゲン、アセチル、ヒドロキシメチル、アミド、および/またはカルバメート置換基を含む誘電体等を意味するものとする。従って、本発明のジヒドロキシボリル塩基は天然産の塩基、例えばアデニン、チミン、シトシン、グアニン、ウラシル、キサンチン、またはハイポキサンチン(後者の2つは天然の分解生成物である)、インドールまたは当分野で公知の化学的に合成された種々のその類似体から誘導することができる。
6-置換および2,6-ジ置換プリン誘導体の幾つかの例は、米国特許第4,199,574号に記載された最終生成物のための出発物質として記載されているものであり、該特許の開示事項を本発明の参考とする。これらプリンは以下の式で表される:
Figure 0003805789
ここで、R*は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ、アルコキシ、アジド、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ基を表し、R**は水素原子、ハロゲン原子、アルキルチオ、アシルアミノ、アミノまたはアジド基である。この式において、ハロゲン原子はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含し、アルキル基は1〜6個の炭素原子を含み、またアシル基は2〜7個の炭素原子を含む。
他の有用なプリンおよびピリミジン塩基は、「核酸化学(Nucleic Acid Chemistry)」,レロイB.タウンゼント(Leroy B.Townsend) & R.スチュアートギブソン(R.Stuart Gibson)編,ウイリーインターサイエンス社(Wiley Interscience)の第I〜III巻に記載されているものである。
本発明の実施に際して、好ましいプリンおよびピリミジン塩基は、シトシン、チミン、ウラジル、6-クロロプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、アデニン、グアニン、キサンチンおよびハイポキサンチンからなる群から選ばれる。勿論、2-アミノ-6-クロロプリンが、本発明の化合物の調製に際して使用するのに極めて好ましいプリン塩基である。
上記式Iにおいて、基-(CH2)n-(ここで、nは2〜6の整数である)は2〜6個の炭素原子をもつアルキレン基である。このような基の代表例は、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、およびその対応する分枝鎖をもつ異性体である。
従って、好ましい式Iの化合物は、ピリミジン塩基部分がシトシン、チミン、ウラシルを由来とし、プリン塩基部分が6-クロロプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、アデニン、グアニン、キサンチンまたはハイポキサンチンを由来とし、あるいはインドール塩基部分がインドールを由来とする、ジヒドロキシボリル−プリン、インドールまたはピリミジン誘導体である。
式Iの化合物と等価なものは、該化合物の生体適合性かつ製薬上許容される塩である。
該式Iの新規な化合物は以下の化学反応式IおよびIIに示された合成経路によって製造できる。
反応式Iにおける合成工程は、R1およびR2が両者共に水素原子である、式Iの化合物の調製のために与えられる。
反応式IIにおける合成工程は、R1およびR2が一緒に2個の酸素原子を架橋するプロピレン鎖であるような、式Iの化合物の調製のために与えられる。
反応式I:
P-H(II)+(HO)2-B-(CH2)n-Br(III)--->P-(CH2)n-B(OR1)(OR2) (I)
ここで、R1およびR2は両者共に水素原子であり、かつPおよびnは上記定義通りである。
この反応式Iにおいて、式IIのプリン、インドールまたはピリミジン塩基は、式IIIのジヒドロキシボリルアルキルブロミドと反応して、塩基および酸受容体の存在下で、R1およびR2が両者共に水素原子であるような、上記式Iの化合物を与える。典型的には、該塩基は無機塩基、例えば炭酸カリウムまたは水素化ナトリウムであり、該酸受容体は炭酸カリウムである。反応時間は12〜48時間の範囲内で変えることができ、また通常反応温度は室温である。
反応式II:
Figure 0003805789
この反応式IIにおいては、R1およびR2が両者共に水素原子であり、かつPおよびnは上記定義通りであるような式Iにの化合物を、極性の無水溶媒、例えばテトラヒドロフラン中でプロパンジオールと反応させ、R1およびR2が一緒に2個の酸素原子を架橋するプロピレン鎖であるような、式Iの所定の化合物を得る。典型的には、この反応は約4〜16時間、室温にて実施する。
該出発物質、即ち式IIIのジヒドロキシボリルアルキルブロミドは、有利にはγ−ブロモ-1-アルケンとカテコールボランとの反応によって調製される。典型的には、この反応は約2〜6時間の期間に渡り、約80〜100℃の温度にて、窒素雰囲気下で行われ、この反応に次いで、水性媒体中で加水分解することにより所定の生成物を得る。必要ならば、この出発物質ジヒドロキシボリルアルキルブロミドは、クロロホルムから再結晶することができる。
該式Iの化合物の有用性は、以下の説明する、標準化されたアッセイにおける活性によって立証することができる。
特に述べない限り、使用したヒト細胞培養アッセイ用の培地は以下に規定するものである:即ち、RPMI-1640であり、これには100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、2mMのL-グルタミン、1mMのNaピルベート、1%MEM非−必須アミノ酸および25mMのHEPES(これらは全てMD州ガイザースバーグのギブコ(GIBCO)社から入手したものである)が補充されている。完全培地とは、5%のプールし、加熱−不活性化した(56℃、30分)ヒトAB血清(WI州、ブラウンディアーのペル−フリーズ(Pel-freeze)社)を補充した培地として定義される。
全血中でのLPS-刺激によるサイトカイン産生の阻害
クエン酸処理した(citrated)静脈血液を瀉血した正常なドナーから入手し、1mlづつ、1.5mlのエッペンドルフ(Eppendorf)微量遠心管(NY州、ウエストバリーのプリンクマンインストルメンツ(Brinkman Instruments)社製)中にアリコートとして分配した。テスト化合物は、100%DMSOに溶解した100mMの原液を作成することにより調製し、全ての以下の1/10希釈物も100%DMSOで調製した。次いで、テスト化合物(1.0μl)またはDMSOのみを1mlの全血に添加して、最終的なDMSOの含有率を0.1%とした。次いで、該サンプルを37℃にて1時間遠心処理し、それからLPS(S.ティフォザ(typhosa),MO州、セントルイスのシグマ(SIGMA)社)を、最終濃度10ng/mlとなるように、適当なサンプルに添加した。全てのサンプルを、37℃にて更に14時間遠心処理し、それから微量遠心装置内で2〜3分間高速で旋回させて、血漿を収穫した。次いで、サンプルをPBS中に1/25、1/100および1/250に希釈し、それぞれTNF-α、IL-1βおよびIL-6について、ELISA(MN州、ミネアポリスのR & Dシステム(Systems)社)によってアッセイした。
内毒素テスト
媒体および試薬の全てのバッチをテストして、これらを使用する前に、これらが内毒素を含まないことを確かめる。この実験では、内毒素の測定のために、速度論的色素法(カイネティック(Kinetic)QCL;ウイッタカーバイオプローダクツ(Whittaker Bioproducts)社)を使用し、モレキュラーデバイスズ(Molecular Devices)社から入手したサーモマックスプレートリーダー(Thermomax Plate reader)を利用して実施した。このプレートリーダーには、あらゆるデータのコンピュータ解析用の専用のソフトウエアが組み込まれている。サンプルを、該製造業者等の指示に従って、3つの異なる濃度にて、3回づつテストする。10,000内毒素ユニット/mlの濃度にて入手した、リファレンススタンダードエンドトキシン(Reference Standard Endotoxin)(ユナイテッドステーツファルマコペイア(United States Pharmacopeia))を使用して、標準曲線を作成し、サンプル中の内毒素の実際の濃度を測定する(感度=/>0.005内毒素ユニット/ml)。
ヒト抹消血単核細胞(PBMC)の単離
静脈血を健康なボランティアから入手し、等体積の無菌等張塩水/10mM HEPESと混合し、30mlのアリコートとして、50mlの円錐型ポリプロピレン管に入れる。希釈した血液の各アリコートの下には、20-25mlの無菌リンホサイトセパレーションメディウム(Lymphocyte Separation Medium)(LSM,NC州、ダラムのオルガノン−テクニカ(Organon-Technika)社)を敷く。これら管を、室温にて400gで40分間遠心処理する。界面におけるこの単核細胞を、取り出し、無菌等張塩水/10mM HEPESで2回洗浄し、意図した用途に応じて、ハンクスバランストソルトソリューション(Hank' s Balanced Salt Solution(HBSS))または血清を含まないRPMIで洗浄する。各ドナーについての細胞濃度は、血液学的分析器(セロノ−ベーカー(Serono-Baker)社)内で計数することにより測定する。
マイトジョンに対するPBMC増殖(PHA)
PBMCを、完全培地内で、4×106/mlに調節する。96ウエルをもつ平底組織培養プレート(ファルコン(Falcon)3072)の各ウエルに、50μlの細胞懸濁液を添加する。テスト物質(所定の最終濃度の2倍まで、完全培地中に希釈)を、各ウエルに100μlの体積で添加する。全てのサンプルを、4種の濃度(3logs10に渡る)にて、4回テストする。コントロールウエルには、完全培地のみを入れる。バックグラウンド応答用のウエルには、付随的な50μlの完全培地を入れ、一方でその他の全てのウエルには、50μlのマイトジェン(所定の最終濃度の4倍まで、完全培地中に希釈)を入れる。最終濃度10nMのデキサメタゾン(50μl)を、阻害の内部標準として、各アッセイ中に含める。使用した該マイトジェンおよびその最終濃度は、OKT3(抗-CD3抗体;100ng/ml;オルト(Ortho))およびPHA(フィトヘムアグルチニンA;1.0μg/ml;シグマ(Sigma))である。次いで、これらプレートを、加湿した5%CO2中にて、37℃で3日間インキュベートし、最後の6時間を3H-チミジン(6.7Ci/mM;IL州、アーリントンハイツのアマーシャム(Amersham)社)の0.5μCi/ウエルによって、50μlの完全培地内でパルス処理する。これらウエルの内容物を、多重自動化サンプル収穫装置(トムテック(Tomtec)社製)を使用して、ガラス繊維フィルタ上に収穫し、その組み込まれた3H−チミジンを、液体シンチレーション分光光度法によって測定し、ウエル当たり組み込まれたcpm(カウント/分)で表す。
2−方向(Two-Way)混合リンパ球反応(MLR)
PBMCは上記マイトジェンアッセイについて説明したように調製したが、完全培地中に2×106細胞/mlにて再懸濁する。次いで、2種の異なる個体由来の細胞懸濁液50μlを、96−ウエルの平底組織培養プレートの各ウエルに添加する。次に、追加の100μlの完全培地、デキサメタゾンまたはテスト化合物を各ウエルに添加し、該プレートを37℃にて6日間インキュベートし、次いで3H−チミジンでパルス処理し、前に説明した如く収穫する。
サイトカインおよび成長因子の単球の遊離
NC州、ダラム(Durham)のデュークホスピタル(Duke Hospital)にあるフォレシス(Phoresis)研究所において、正常なボランティア(ロイコパック(leukopaks))の白血球伝動(leukophoresis)により得た、抹消血単核細胞からの遠心向流式エルトリエーション(centrifugal counterflow elutriation)によって調製される。我々は現在、24名の健康なドナーのパネルを蓄積しており、該ドナーは、予めスクリーニングされており、かつその抹消血単核細胞(PBMC)は、マイトジェン刺激に対しておよび特定の抗原(破傷風トキソイド)による刺激に対して正常な様式で応答することが分かっているものである。その単球も、またインビトロでリポポリサッカライド(LPS)で活性化した場合に、正常な様式で応答することが分かっている。
全細胞はエルトリエーション前にロイコパックから採取され、マイトジェンおよび抗原に対するヒトPBMC応答を測定するインビトロアッセイを実施するために使用する。(上記のように)LSM勾配上で分離することにより得たPBMCを、PBS中に再懸濁し、ベックマン(Beckman)エルトリエータを使用して、リンパ球と単球とに分離する。90%を越える純度をもつ109個の単球を日常的に得る。
上記のようにして調製し精製した単球を、完全培地中に、4×106細胞/mlなる密度にて懸濁する。48−ウエルの平底組織培養プレートの各ウエルに、0.125mlの細胞懸濁液を添加する。テスト物質(所定の最終濃度の2倍にまで、完全培地で希釈)を、各ウエルに250μlづつ添加する。コントロールウエルには、250μlの完全培地または250μlのIL-4(50ng/mlなる所定の最終濃度の2倍にまで希釈)を入れる。全てのサンプルは、100ng/ml LPS(125μlなる所定の最終添加濃度の4倍)の存在下または不在下で、4種の濃度にてテストし、加湿した5% CO2中で、37℃にて16時間インキュベートする。この時点において、培養物上澄を吸引除去し、かつ未付着細胞および細胞デブリスを、10,000g.lにて微量遠心装置内で2分間遠心処理することにより除去する。サイトカインおよび成長因子の放出を、ELISAキャプチャー(capture)アッセイを利用して、細胞を含まない上澄中で測定する。このようにして、IL-1β、TNF-α、IL-1受容体アンタゴニスト、IL-6、IL-8、GM-CSFおよびPDGFについてのテストを実施する。
単球凝結促進活性(組織因子)
上記の上澄の除去後の、該48−ウエル組織培養プレート上に残留している、付着した単球を使用して、組織因子(Tissue Factor)産生のレベルを測定する。該細胞を、PBS中に分散させた10%トライトン(Triton)-X100中で4℃にて一夜可溶化し、PBSで1%トライトン-X100まで希釈し、次いで組織因子についてELISA法によりアッセイする。
PGE 2 、LTB 4 およびPAFの単球の遊離
上記のように単離した単球を洗浄し、5mg/mlのHSAを含有するRPM1中に、2×106細胞/mlなる密度にて再懸濁し、48−ウエルのにプレートの各ウエルに添加した。これら細胞を2時間付着させ、次いでHBSS-BSA-HEPESバッファー中で洗浄した。テスト物質を4種の濃度にて60分間添加(175μl)し、次いで該単球を、300mg/mlのジモサン(zymosan)A(175μl、即ち所定の最終添加濃度の2倍)の添加により刺激した。インキュベーションの90分後に、上澄培地をこれらウエルから集め、かつアッセイまで-20℃にて保存した。上澄を、特異的シンチレーション近接アッセイ(specific scintillation proximity assays(SPA))を利用して、PGE2、LTB4またはPAFにつきアッセイした。
単球スーパーオキサイド(Superoxide)アニオン(O 2 )放出
単球を上記のように調製し、かつ10mMのHEPES、2g/lのグルコース、0.1%のBSAを含有し、pH7.2のHBSS中に、5×106細胞/mlなる密度にて再懸濁する。96−ウエルの平底型組織培養プレートの各ウエルに、100μlの細胞懸濁液と、100μlのバッファーまたはテスト物質とを添加する。サンプルを4回に渡りテストする。該プレートを60分間37℃にてインキュベートし、シトクロームC(5mg/ml;タイプVI,ウマ心臓,シグマ(Sigma)社)を含有するバッファー50μlを添加し、次いでジモサンA(ZYM;750μg/ml;シグマ(Sigma)社)の存在下で、ウシ肝臓カタラーゼ(1500U/ml;シグマ(Sigma)社)を添加する。該プレートを、37℃にて、更に120分間インキュベートし、その間550nmにおける吸光度、速度論的分析用の専用ソフトウエアを組み込んで、マイクロプレートリーダー(CA州、メンローパークのモレキュラーデバイスズ(Molecular Devices)社)を使用して監視する。
単球走化性の阻害
単球を上記のように調製し、0.1%のBSAを含有するHBSS(HBSS-BSA)中に、5×106細胞/mlなる密度にて再懸濁する。最終濃度2μMにて、上記細胞にカルセイン(calcein)-AMを添加することにより、該細胞の発蛍光団による標識を実施する。加湿した5% CO2中37℃での30分間に渡るインキュベーションの後、該標識した単球を2度洗浄し、該テスト物質の種々の希釈率範囲内で、湿潤した5% CO2中で37℃にて60分間インキュベートする。この予備処理した、カルセイン−AM処理した細胞を、次にニューロプローブ(NeuroProbe;キャビン(Cabin),ジョン(John),M.D.)96-ウエル走化性チャンバーの上部区画のウエルに3個宛て添加(2×105細胞/ウエル)し、10μmの厚みをもつ結合ポリカーボネート膜(5μmの多孔度、ニューロプローブ(NeuroProbe)社、キャビン(Cabin),ジョン(John),M.D.)を介して、5×10-9Mで化学吸引物質(FMLP)を含有する下方の区画のウエルに向けて移動させる。加湿したチャンバー内で、37℃にて90分間インキュベーションした後、該上部チャンバーのウエルを吸引して、該単球−関連膜を除去し、移動しなかった細胞を拭い取り、該フィルタを15分間風乾する。該膜を介して移動した細胞の数を、蛍光マイクロプレートリーダー(サイトフルオア(CytoFluor)2300,MA州、ベッドフォードのミリポア社(Millipore Corp.))内で該移動細胞の蛍光強度を測定することにより定量化する。
血管内皮細胞への単球の付着
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)をクロネティックス社(Clonetics;CA州サンジエゴ)から入手する。上皮細胞の融合層を、96−ウエルのプレートに、2×104細胞/ウエルにて接種し、加湿した5% CO2中で37℃にて24時間インキュベートすることにより調製する。次いで、TNF-α(50μg)を、単球の添加前に各ウエルに添加(5ng/mlの原液10μl)した。単球を蛍光標識し、上記の如くテスト物質で予備処理し、完全培地中に最終濃度2×106細胞/mlにて再懸濁し、加湿した5% CO2中で37℃にて60分間ウエル中で各3個宛て(100μl/ウエル)インキュベートする。次いで、プレートを封止し、250gにて5分間遠心処理して、付着しなかった単球を除去し、付着した細胞の数を、蛍光マイクロプレートリーダー上でプレートを読み取ることにより測定する。
上記の標準化されたアッセイでテストした場合、上記式Iの代表的な化合物、即ち2-アミノ-6-クロロ-9-(4-ジヒドロキシボリルブチル)プリンは、以下の第1表に与えられた結果を与えることが分かった。
Figure 0003805789
上記式Iの化合物の、種々の炎症性サイトカインの作用を阻害する能力は、広範囲の治療法において該化合物を有用なものとしている。具体的には、TNF-αの作用を媒介または阻害する能力は、種々の侵襲性の諸疾患、感染症、および炎症状態の治療において、これら化合物を有用なものとしている。特に重要なのは、重度の細菌感染中に大量に生産され、ショック状態および組織傷害(敗血症性ショック症候群)を誘発する可能性のあるTNFを阻害することにある。
上記式Iの化合物の更に重要な用途の一つは、慢性疾患状態において生産されるカヘキシーを媒介することが知られているTNFを阻害することである。かくして、これらの化合物は、AIDSおよび癌患者の、これら慢性疾患状態中に生産されるカヘキシーによる結果を低減および/または改善するための付随的な治療において特に有用である。
本発明の化合物が特に有用な、更に特定の治療法の一つは、多量の炎症性のサイトカイン、TNF-αおよびIL-1が存在する、リウマトイド関節炎の治療である。これらサイトカインの作用を媒介および/または阻害するその能力によって、炎症および該疾患状態の重度を低減しもしくは排除することができる。
本発明の化合物は、また多発性硬化症(MS)、クローン病および潰瘍性大腸炎の基となる炎症性サイトカインの活性を阻害することにより、これら諸疾患の治療においても利用できる。
本発明の化合物は、同様に腫瘍壊死因子のアンタゴニストとして機能するその能力のために、米国特許第5,306,732号に記載されている治療法においても有用である。本発明の方法において使用するための化合物は、薬剤即ち薬理組成物として投与することができ、またそうすることが好ましい。
動物およびヒトに投与する本発明の方法において使用する該薬理組成物は、製薬担体または賦形剤との組み合わせで、上記式Iの化合物を含む。
この医薬は、本発明の化合物を含有する錠剤(トローチ剤および顆粒剤を包含する)、糖剤、カプセル剤、ピル、アンプル剤または坐剤の剤形であり得る。
本発明明細書で使用する「医薬」なる用語は、医療上の投与に適した、物理的に別々の、凝集性の部分を意味する。本発明明細書で使用する「投与単位形状の医薬」とは、医療上の投与に適した、物理的に別々の凝集性の部分であって、その各々が、担体との組み合わせでおよび/または包封体内に封入された本発明の活性化合物の1日の投与量を、あるいは1日当たりの投与量の多数回分(4倍まで)またはその分割量(1/40までの量)を含有することを意味する。該医薬が1日当たりの投与量または例えば1日当たりの投与量の1/2、1/3または1/4を含有するか否かは、該医薬がそれぞれ1日に1回あるいは例えば2回、3回投与されるかどうかに依存するであろう。
有利には、該組成物は投与単位形として処方され、その各単位は、活性成分の一定の投与量を供給するのに適したものである。錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、アンプル剤および坐剤が、本発明による好ましい投与剤形の例である。唯一の要件は、該活性成分が有効量を構成する、即ち適当な有効投薬量が、一回のまたは多数回の単位投薬形において使用される投薬形状と一致するであろうことである。正確な個々の投薬量並びに1日の投薬量は、勿論医師または獣医師の指示の下に標準的な医療原理に従って決定されるであろう。上記式Iの化合物は、また水性または非−水性希釈剤中に本発明の活性化合物を分散させた懸濁剤、溶液およびエマルション、シロップ剤、顆粒剤または粉剤として投与することもできる。
本発明の活性化合物を含有し、錠剤、糖剤、カプセル剤およびピルに成形される薬理組成物(例えば、顆粒剤)で使用することができる希釈剤は以下の例を包含する:即ち、(a)フィラーおよび増量剤、例えば澱粉、糖、マンニトールおよび珪酸、(b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、アルギネート、ゼラチンおよびポリビニルピロリドン、(c)保湿剤、例えばグリセリン、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウムおよび重炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば四級アンモニウム化合物、(g)界面活性剤、例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート、(g)吸着性担体、例えばカオリンおよびベントナイト、(i)滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウムおよびマグネシウムおよび固体ポリエチレングリコール等である。
本発明の活性化合物を含有する上記の錠剤、糖剤、カプセル剤およびピルは、通常の被覆、薬袋および保護マトリックス(これらは不透明化剤を含むことができる)を含むことができる。これらは、該活性成分を、可能ならばある一定の期間に渡り、腸管の特定の部分のみに、あるいは好ましくは該特定部分に放出するように構成することも可能である。該被覆、薬袋および保護マトリックスは、例えばポリマー物質またはワックスから作ることができる。
上記式Iの化合物は、また1種または数種の上記希釈剤と共に、マイクロカプセル化形状で作成することも可能である。
坐剤に形成するのに適した薬理組成物で使用する該希釈剤は、例えば通常の水溶性希釈剤、例えばポリエチレングリコールおよび脂質(例えば、ココア油および高級エステル(例えば、C14-アルコールとC16-脂肪酸とのエステル))またはこれら希釈剤の混合物であり得る。
溶液またはエマルション状態にある該薬理組成物は、例えば通常の希釈剤(勿論、界面活性剤の存在を除き、200以下の分子量を有する溶媒に関する上記例外がある)、例えば溶媒、溶解剤および乳化剤を含むことができる。このような希釈剤の具体的かつ非−限定的な例は、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(例えば、粉砕ナッツ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビトールの脂肪酸エステルまたはその混合物である。
非経口投与に対しては、溶液および懸濁液、例えばアンプル中に含まれる水または落花生油は滅菌し、かつ適当な場合には血液−等張性とすべきである。
懸濁剤としての該薬理組成物は、通常の希釈剤、例えば水、エチルアルコール、プロピレングリコール等の液状希釈剤、界面活性剤(例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル)、微晶質セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガカンスゴム、またはその混合物を含むことができる。
本発明の薬理組成物は、また着色剤および保存剤並びに香料および矯味・矯臭剤(例えば、ペパーミント油およびユーカリ油)および甘味料(例えば、サッカリンおよびアスパルテーム)を含むこともできる。
本発明の薬理組成物は、一般的に該組成物全重量基準で、0.5〜90%の範囲の該活性成分を含むであろう。
上記式Iの化合物に加えて、本発明の薬理組成物および医薬は、また他の薬理活性成分を含むこともできる。
本発明の医薬中の任意の希釈剤は、本発明の薬理組成物に関連して上記したものの何れであってもよい。このような医薬は、唯一の希釈剤として200未満の分子量をもつ溶媒を含むことができる。
本発明では、上記式Iの化合物を、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、皮下、経皮または静脈内)経路で、経直腸であるいは局部的に、好ましくは経口または非経口、特に舌下または静脈内投与することを意図する。
例えば、体重1kg当たり0.05〜20mgなる投与割合は、治療すべきヒトまたは動物の性質および体重、一般的治療対象の個々の反応性、該活性成分を投与する処方の型、該投与を実施する様式(投与形式)および該疾患の進行における位置または該薬物を投与する間隔の関数である。従って、幾つかの場合においては、最小の投与割合未満を使用することで十分であるが、他の場合には所定の結果を達成するために、上限を越えて使用する必要性もあり得る。より大量の該薬物を投与する場合、該薬物を1日のクールに渡り投与する数個の部分に分割することが推奨される。
以下の実施例は、本発明の例示的な化合物および組成物を詳細に説明するものである。当業者には物質並びに方法両者において、本開示の目的並びに意図を逸脱することなしに、多くの変更を実施することが可能であると理解されよう。
実施例
全ての融点は、トーマスフーバー(Thomas Hoover)融点測定装置を使用して測定され、補正されていない値である。赤外吸収(IR)は、パーキン−エルマー(Perkin-Elmer)1320分光光度計により記録されたものである。1H NMRスペクトルはブルッカー(Bruker)AC-300 NMR装置を使用して得た。複雑なNMRシグナルの帰属は、既知の標準スペクトルとの比較により行った。化学シフトは、内部標準物質としてのテトラメチルシランに相対的なppm単位で与えた。元素分析は、アトランティックマイクロラボ社(Atlantic Microlab Inc.)(ノークロス,GA)により行われ、エレクトロスプレイ(electrospray)マススペクトルは、Dr.デービッドミリングトン(David Millington),スクールオブメディシン(School of Medicine),デュークユニバーシティー(Duke University),NCダラムによって行われた。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、13インチの蛍光予備被覆ファットマンシリカゲル(Whatman Silica Gel)60Å TLCプレート上で実施した。該TLCプレートはUV光、ヨウ素蒸気、あるいは硫酸の噴霧後の炭化によって可視化した。フィッシャーサイエンティフィック(Fisher Scientific)社から入手したシリカゲル(70-230メッシュ)をカラムクロマトグラフィーのために使用した。試薬はアルドリッチ(Aldrich)社から購入した。アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、塩化メチレンおよびテトラヒドロフラン(THF)を包含する溶媒は、使用前に分子篩(4Å)上に2週間置くことにより乾燥させた。
実施例A
4-ブロモブチルボロン酸(boronic acid)
4-ブロモ-1-ブテン(5.4g;40mM)をカテコールボラン(5.76g;48mM)に添加した。この反応混合物を窒素雰囲気下で攪拌し、95℃にて4時間加熱した。未反応の出発物質を室温にて高真空下(1mmHg)で蒸留した。水(70ml)を、得られた僅かに黄色の液状残渣に添加し、2時間攪拌した。白色の固体を濾別し、クロロホルムから再結晶化した。結晶(5.6g)が得られ、これを更に精製することなしに次の工程で使用した。収率78%;mp81-83℃;1H NMR(DMSO-D6):0.58-0.67(t,B CH 2),1.40-1.52(m,BCH2 CH 2),1.61-1.85(m,CH 2CH2Br),3.48-3.58(t,CH2 CH 2Br),7.40-7.48(s,(HO)2B)。
実施例1
1-(4-ジヒドロキシボリルブチル)チミン
炭酸カリウム(0.6g;4.4mM)を、ジメチルホルムアミド(15ml)に溶解したチミン(0.56g;4.4mM)の溶液に添加し、30分間攪拌した。この反応混合物に、ジメチルホルムアミド(5ml)に溶解した4-ブロモブチルボロン酸(0.4g;2.2mM)を滴下し、室温にて2日間攪拌を続けた。該炭酸カリウムを濾別した後、ジメチルホルムアミドを高真空下で蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルカラム上で、クロロホルム/メタノール(95:5,85:15)の不連続勾配で溶出することにより精製した。適当なTLC-均質画分をプールし、蒸発させて、0.22gの純粋な生成物を得た:収率44%;mp130-132℃;1H NMR(DMSO-D6):0.58-0.68(t,B CH 2),1.22-1.35(m,BCH2 CH 2),1.42-1.60(m,B CH2CH2 CH 2),1.72-1.78(s,CH 3C5チミン),3.52-3.63(CH2 CH 2N),7.40-7.43(s,(HO)2B),7.48-7.51(s, H C6 チミン),11.12-11.18(s, HN チミン)。元素分析(C9H15BO4N2);理論値 C 47.82%,H 6.69%,N 12.40%;実測値 C 47.71%,H 6.72%,N 12.35%。
実施例2
6-クロロ-9-(4-ジヒドロキシボリルブチル)プリン
水素化ナトリウム(0.22g;7.2mM)を、ジメチルホルムアミド(20ml)に溶解した6-クロロプリン(0.93g;6.0mM)の溶液に添加し、10分間攪拌した。4-ブロモブチルボロン酸(1.1g;6.0mM)をジメチルホルムアミド(5ml)に溶解した溶液を、該反応混合物に添加し、室温にて16時間攪拌した。高真空下でジメチルホルムアミドを除去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノールの不連続勾配(95:5,9:1)により精製して、0.78gの純粋な生成物を得た:収率51%;mp135-138℃;1H NMR(DMSO-D6):0.55-0.68(t,B CH 2),1.22-1.35(m,BCH2 CH 2),1.78-1.91(m,B CH2CH2 CH 2),4.26-4.32(t,CH2 CH 2N),7.40-7.42(s,(HO)2B),8.68-8.70(s, H C8 プリン),8.80-8.81(s, HC2プリン)。元素分析(C9H12BO2N4Cl);理論値 C 42.47%,H 4.75%,N 22.02%;実測値 C 42.48%,H 4.80%,N 22.06%。
実施例3
2-アミノ-6-クロロ-9-(4-ジヒドロキシボリルブチル)プリン
ジメチルホルムアミド(20ml)中で、2-アミノ-6-クロロプリン(1.36g;8mM)、4-ブロモブチルボロン酸(1.45g;8mM)および炭酸カリウム(1.66g;12,mM)を使用して、実施例1の化合物と同様な方法で、表記化合物を合成した:収率56%;Wt.1.2g;mp154-156℃;1H NMR(DMSO-D6):0.55-0.68(t,B CH 2),1.20-1.32(m,BCH2 CH 2),1.68-1.77(m,B CH2CH2 CH 2),4.00-4.08(t,CH2 CH 2N),6.85-6.92(s,H 2N C2 プリン),7.40-7.42(s,(HO)2B),8.10-8.12(s, H C8 プリン);エレクトロスプレイマススペクトル(MH)+(低解像度);理論値270.09(C9H13O2N5BCl);実測値270.10(37ppm)。
実施例4
9-(4-ジヒドロキシボリルブチル)グアニン
実施例3で調製した化合物、即ち2-アミノ-6-クロロ-9-(4-ジヒドロキシボリルブチル)プリン(0.5g;1.85mM)を、水性HCl(5ml;2N)に添加し、この反応混合物を5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、水性NaOH(10%)を添加して、該反応混合物を中和し、pHを7とした。高真空下で水を蒸発させ、得られた残渣にメタノールを添加し、未反応の出発物質を除去した。残された固体を水洗(3X20ml)し、次いで水中にて一夜攪拌した。濾過後、生成物を2日間風乾した:収率81%;Wt.0.38g;mp202-205℃;1H NMR(DMSO-D6):0.55-0.68(t,B CH 2),1.20-1.32(m,BCH2 CH 2),1.62-1.75(m,B CH2CH2 CH 2),3.88-3.98(t,CH2 CH 2N),6.33-6.50(s,H 2N C2 グアニン),7.40-7.45(s,(HO)2B),7.68-7.71(s, H C8 グアニン),10.47-10.53(H N3グアニン);エレクトロスプレイマススペクトル(MH)+(低解像度);理論値252.12(C9H14O3N5B);実測値252.10(79ppm)。
実施例5
9-(4-ジヒドロキシボリルブチル)ハイポキサンチン
(実施例2で調製したような)6-クロロ-9-(4-ジヒドロキシボリルブチル)プリン(88mg;0.35mM)から、実施例4の手順に従って表記化合物を合成した:収率82%;Wt.67mg;mp182-184℃;1H NMR(DMSO-D6):0.55-0.68(t,B CH 2),1.22-1.35(m,BCH2 CH 2),1.70-1.82(m,B CH2CH2 CH 2),4.05-4.16(t,CH2 CH 2N),7.38-7.40(s,(HO)2B),8.01-8.03(s, H C8 ハイポキサンチン),8.04-8.10(s, H C2 ハイポキサンチン),12.20-12.30(H N3ハイポキサンチン);エレクトロスプレイマススペクトル(MH)+(低解像度);理論値236.11(C9H13O3N4B);実測値236.10(42ppm)。
実施例6
6-クロロ-9-[4-(1,3-プロピルジオキサボリルブチル)プリン
(実施例2で調製したような)6-クロロ-9-(4-ジヒドロキシボリルブチル)プリン(70mg;0.28mM)および1,3-プロパンジオール(22mg;0.28mM)をテトラヒドロフラン(10ml)中に溶解し、室温にて一夜攪拌した。テトラヒドロフランを窒素の吹き込みによって蒸発させた。ヘキサン−エーテル(95:5)を使用して、該生成物を溶解させた。固体残渣を捨て、純生成物(60mg)は該溶媒の蒸発後に得られた:収率74%;Wt.60mg;mp85-87℃;1H NMR(DMSO-D6):0.55-0.68(t,B CH 2),1.22-1.35(m,BCH2 CH 2),1.80-1.90(m,B CH2CH2 CH 2;OCH2 CH 2CH2O),3.82-3.95(m,O CH 2CH2 CH 2O),4.22-4.36(t,CH2 CH 2N),8.68-8.70(s, H C8 プリン),8.80-8.81(s, H C2 プリン)。
実施例7
出発物質としてインドールを使用して、実施例4に詳述した手順を繰り返して、1-(4-ジヒドロキシボリルブチル)インドールを得る。
実施例8
Figure 0003805789
式Iの化合物、該澱粉の一部および該ラクトースを併合し、スターチペーストと共に湿式造粒した。この湿った顆粒をトレーに入れ、45℃の温度にて一夜乾燥させた。この乾燥した顆粒を、粒径約20メッシュとなるまで、微粉砕機内で微粉砕する。ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸および該澱粉の残部を加え、適当な打錠機上で圧縮する前に、全混合物をブレンドする。11/32インチのパンチを使用して、4kgの硬度をもつ重量232mgの錠剤に圧縮する。

Claims (8)

  1. 以下の一般式Iで示される化合物および製薬上許容されるその塩:
    P-(CH2)n-B(OR1)(OR2) (I)
    (ここで、R1およびR2両者は水素原子を表すか、あるいは一緒に該2個の酸素原子を架橋するプロピレン鎖を表し、nは2〜6であり、またPはプリン、インドールまたはピリミジン塩基の残基を表し、該塩基がプリン塩基の場合にはN9を、インドールまたはピリミジン塩基の場合にはN1を介して結合している)。
  2. R1およびR2が共に水素原子である、請求の範囲第1項に記載の化合物。
  3. nが4である、請求の範囲第2項に記載の化合物。
  4. 該ピリミジン塩基の残基がチミン由来のものである、請求の範囲第3項に記載の化合物。
  5. 該プリン塩基の残基がグアニン由来のものである、請求の範囲第3項に記載の化合物。
  6. 該プリン塩基の残基がハイポキサンチン由来のものである、請求の範囲第3項に記載の化合物。
  7. 該プリン塩基の残基が6-クロロプリン由来のものである、請求の範囲第3項に記載の化合物。
  8. 該プリン塩基の残基が2-アミノ-6-クロロプリン由来のものである、請求の範囲第3項に記載の化合物。
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