JP3805672B2 - 中通し浮き及びこれを用いた仕掛け - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、海釣り等で使用される釣り用浮きの一種である中通し浮き、及びこれを用いた仕掛けに関する。
【0002】
【従来の技術】
釣竿の長さよりもはるかに深い水深(棚)にいる魚を釣る場合には、一般に、釣糸に完全には固定されない中通し浮きを用いた仕掛けが使われる。図8に示す従来の中通し浮き(3)は、浮き本体(3a)の中心部に図中上下方向へ延び、浮き本体(3a)の中心部を貫通する直径の大きな糸通し孔(3b)が形成されただけのものであった。このため、この中通し浮き(3)を用いた仕掛けは、釣糸(12)の所定位置に浮き止め(14)を装着し、この釣糸(12)を糸通し孔(3b)より直径の大きいシモリ玉(1)に及び中通し浮き(3)に順次挿通し、釣糸(12)の先端部に図示しない錘や釣針を取り付けて作られていた。
【0003】
この仕掛けを釣ポイントへ投入すると、中通し浮き(3)はその浮力により水面に留まるが、錘や釣針は、その重みで水中へ沈降する。従って、釣糸(12)が水中へ引き込まれ、予定していた水深(棚)で釣糸(12)の所定位置に装着されている浮き止め(14)がシモリ玉(1)に係止され、更に、シモリ玉(1)が糸通し孔(3b)の上端に係止される。これにより、釣糸(12)のそれ以上の引き込みが阻止されて、錘や釣針が所定の水深に位置決めされる。
【0004】
上述の従来技術では、(a)中通し浮き(3)とは別にシモリ玉(1)が用いられていたため、仕掛けの投入時には、これらの飛行抵抗(即ち、飛行時の空気抵抗)の違いにより仕掛けが絡まるという問題があった。また、(b)仕掛けの投入後には、中通し浮き(3)の外にあるシモリ玉(1)が風や水流の影響を受けるため、中通し浮き(3)の安定性や方向性が悪くなるという問題もあった。更に、(c)波や潮の動きに反して中通し浮きをある一定の場所に留めようとした場合には、中通し浮き(3)と浮き止め(14)とが乖離する所謂「アソビ」や「フケ」が生じ易く、魚信が中通し浮き(3)に伝わりにくいという問題もあった。
【0005】
そこで、最近では、これらの問題を解決し得る技術が提案されており、その一例が、実開昭63−10878号公報や特開平8−33443号公報に開示されている。即ち、前者には、図9に示すように、糸通し孔(5)の内面にリング(7)を固定し、浮き止め(14)をリング(7)に係止させることによりシモリ玉を不要とした中通し浮き(4)が開示されており、後者には、図10に示すように、シモリ玉(1)が収納され、その底部(9a)に細い係止用小孔(9b)が穿設されている挿入孔(9)を有する中通し浮き(6)が開示されている。
【0006】
しかしながら、これら改良された従来技術によっても、波や潮の動きに抗して中通し浮きをある一定の場所に留めようとした時に中通し浮き(3)と浮き止め(14)とが乖離して魚信が中通し浮き(3)に伝わりにくく、上述の問題点(c)を解決することはできなかった。また、これら改良された従来技術では、細いリング(7)や、フラットに形成された底部(9a)の細い係止用小孔(9b)に釣糸(12)を通すのが困難であるという別の問題も生じた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主たる課題は、「アソビ」や「フケ」の生じるのを防止でき、しかも、投入時に仕掛けが絡まるのを防止でき、更なる課題は、釣糸を容易に通すことのできる中通し浮き及びこれを用いた仕掛けを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、「釣糸挿通用の糸通し孔(16)が貫通するように形成されている浮き本体(10a)を備え、前記釣糸(12)の所定位置に装着された浮き止め(14)を糸通し孔(16)の入口部分(21)と出口部分(19)とで係止させることにより、前記釣糸(12)に取り付けられた釣針を所定の水深に位置決めする中通し浮き(10)であって、前記糸通し孔(16)の出口部分(19)に設けられ、糸通し孔(16)の出口側への引き出し方向に移動した前記浮き止め(14)が係止される浮き止め係止部(18)、及び前記糸通し孔(16)の入口部分(21)に設けられ、前記浮き止め(14)の糸通し孔(16)内への順方向の通過が容易で、かつ、糸通し孔(16)外への逆方向の通過が困難なかえし部(20)を備える」ことを特徴とする中通し浮き(10)である。
【0009】
仕掛けが釣ポイントへ投入されると、中通し浮き(10)は水面を漂い、釣糸(12)は先端に取り付けられた錘によって水中へ引き込まれる。この時点では浮き止め(14)は、かえし部(20)と浮き止め係止部(18)との間に位置している。釣り針と錘とが所定の水深に達すると同時に水中へ引き込まれている釣糸(12)の所定位置に装着された浮き止め(14)が、浮き止め係止部(18)に係止される。これにより、仕掛けが所定の水深に位置決めされる。
【0010】
竿をしゃくったり移動させたりして投入時とは逆の方向へ釣糸(12)を引っ張ると、浮き止め(14)は糸通し孔(16)の入口側に引き出されてかえし部(20)に係止され、この時、浮き止め(14)が糸通し孔(16)から容易には抜け出ないため、中通し浮き(10)と共に引き戻される。そして釣りの間中、浮き止め(14)は、かえし部(20)と浮き止め係止部(18)との僅かな間に位置しているので、魚信があった場合には、魚に引っ張られた釣糸(12)の浮き止め(14)が直ちに浮き止め係止部(18)に係合して中通し浮き(30)を海中に引き込み魚信を鋭敏に伝える。
【0011】
請求項2は請求項1に記載の中通し浮き(10)の浮き止め係止部(18)に関し「前記浮き止め係止部(18)の孔内面(16a)が糸通し孔(16)の出口方向に向けて凹成され、前記浮き止め係止部(18)の凹成された孔内面(16a)から浮き本体(10a)の外面にかけて前記釣糸(12)を通すが浮き止め(14)が係止される係止用小孔(18a)が形成されている」ことを特徴とするもので、係止用小孔(18a)が穿設されている浮き止め係止部(18)の孔内面(16a)が凹面に形成されていることにより、糸通し孔(16)に挿入された釣糸(12)の先端は凹面状態の孔内面(16a)に沿って係止用小孔(18a)に自動的に導かれ、簡単に小さな係止用小孔(18a)に釣糸(12)を挿通することができる。
【0012】
請求項3は請求項1又は2に記載の中通し浮き(10)のかえし部(20)の第1実施例に関し、「前記弾性を有するかえし部(20)の外面(20d)が糸通し孔(16)の出口方向に向けて凹成され、前記かえし部(20)に浮き止め(14)の通過可能なかえし用小孔(20a)が形成されている」ことを特徴とするもので、かえし部(20)に至った浮き止め(14)は凹面状の外面(20d)に沿ってかえし用小孔(20a)に導かれてそのまま円滑に糸通し孔(16)に引き込まれることになる。
【0013】
請求項4は、請求項1又は2に記載の中通し浮き(10)のかえし部(20)の第2実施例に関し「前記かえし部(20)が弾性を有するフラットな板で形成され、前記かえし部(20)に浮き止め(14)の通過可能なかえし用小孔(20a)が形成されている」ことを特徴とするもので、この場合は前述のようにかえし部(20)に至った浮き止め(14)は凹面状の外面(20d)に沿ってかえし用小孔(20a)に導かれてそのまま円滑に糸通し孔(16)に引き込まれるというものではないが、かえし部(20)に至った浮き止め(14)はかえし部(20)を撓ませてかえし用小孔(20a)内に円滑に引き込まれていくことになる。
【0014】
請求項5は請求項1〜4のいずれかに記載の中通し浮き(10)の前記かえし部(20)の更なる限定で、かえし用小孔(20a)の内周縁からスリット(20b)が形成されていることを特徴とするものである。このようにすることにより、かえし部(20)に至った浮き止め(14)のかえし用小孔(20a)内へのより円滑な引き込まれが可能となる。
【0015】
請求項6は、請求項1〜5のいずれかに記載の中通し浮き(10)を利用した仕掛けに関し、前記中通し浮き(10)と、釣糸(12)に装着されて前記中通し浮き(10)内に係止される浮き止め(14)とを備えたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。本発明の一実施例(図1参照)の中通し浮き(10)は、釣糸(12)の所定位置に装着された浮き止め(14)を中通し浮き(10)の浮き止め係止部(18)に係止させることにより、釣糸(12)の先端部に取り付けられた錘(図示せず)や釣針(図示せず)を所定の水深(棚)に位置決めするものである。
【0017】
ここで、釣糸(12)は釣竿(図示せず)に取り付けられたリール(図示せず)から繰り出されるものであり、浮き止め(14)は、釣糸(12)の所定位置に他の釣糸を巻き付けること等により形成されるものである。そして、釣糸(12)には釣条件に応じたサイズの錘及び釣針等が中通し浮き(10)及び浮き止め(14)と共に取り付けられ、これにより仕掛けが構成される。
【0018】
本実施例の浮き止め(14)は、釣糸(12)の所定位置にテグスを結わえ付け、その取付部(14a)から引き出された部分を切断してその切断部分を短いV字状の一対又はそれ以上の弾力性があるひげ状の弾性部(14b)としたもので、その先端方向は入口側を向いている。勿論、浮き止め(14)は前記形状に限られるものではないが、かえし部(20)から糸通し孔(16)に挿入しやすく、逆に糸通し孔(16)から出にくい形状、たとえば取付部(14a)から先端へ向けて外径が拡大する漏斗状の弾性部(14b)が取付部(14a)に設けられてもよい。その他、浮き止め(14)としては、ゴム等からなる筒状のものや、その他の任意のものを用いてもよい。
【0019】
浮き止め(14)の固定強度は釣糸(12)の所定位置から移動しないように強く固定してもよいし、ある程度の抵抗(中通し浮き(10)から受ける力によって移動しない程度の抵抗力)をもって移動できるようにしてもよい。
【0020】
中通し浮き(10)は、卵型の浮き本体(10a)と、浮き本体(10a)に取り付けられたかえし部(20)とにより構成される。浮き本体(10a)は、浮力が必要なため、比重が1未満の木材、発泡樹脂等で形成され、浮き本体(10a)の中心部には、図中上下方向へ延び、浮き本体(10a)を貫通した糸通し孔(16)が形成され、糸通し孔(16)の出口部分(19)には、浮き止め係止部(18)が形成されている。
【0021】
第1実施例の糸通し孔(16)は、入口部分(21)から出口部分(19)に至る太径孔部(17)と出口部分(19)に設けられた係止用小孔(18a)とで構成され、太径孔部(17)と係止用小孔(18a)との境界部分は太径孔部(17)から係止用小孔(18a)に至るテーパ孔或いは凹面状に凹成されており、この凹成された孔内面(16a)が第1実施例の浮き止め係止部(18)となる。
【0022】
ここで、浮き止め(14)を係止させるものであるから、浮き止め係止部(18)より入口側における糸通し孔(16)の太径孔部(17)の内径は、浮き止め(14)を収容し得るように浮き止め(14)の最大外径よりも十分に大きく設定される。係止用小孔(18a)の内径は、釣糸(12)の通過を容認し、且つ浮き止め(14)の通過を阻止し得るように、釣糸(12)の外径よりも大きく、且つ浮き止め(14)の取付部(14a)の最大外径よりも小さく設定される。
【0023】
かえし部(20)は浮き止め(14)の糸通し孔(16)内部への通過が容易で、且つ上方への通過が困難なものであり、具体的には、以下の構成を有する。即ち、かえし部(20)は、内外両面が糸通し孔(16)の外部から内部に向けて凹面状に凹成された薄肉部材で、弾性を持たせるため例えばプラスチック等の可撓性材料又はゴム等の弾性材料により形成される。そしてかえし部(20)の凹面中心には、釣糸(12)を通すかえし用小孔(20a)が形成されている。前記かえし部(20)は、1枚の円板状の弾性材料で形成されているか、或いは弾性に乏しい場合(勿論、弾性に富む場合も言えることであるが)にはかえし用小孔(20a)の内周縁から放射状に延びる4つ(勿論、4つに限られず、それ以上でもよいし、それ以下でもよい。)のスリット(20b)を形成して弾性を付与している。かえし用小孔(20a)の内径及び各スリット(20b)の幅は、浮き止め(14)の最大外径(弾性部(14b)が存在する場合には、その弾性部(14b))よりもやや小さく設定される。
【0024】
中通し浮き(10)を用いて仕掛けを作る際には、まず、釣糸(12)の所定位置に浮き止め(14)を装着し、この釣糸(12)を中通し浮き(10)に挿通し、釣糸(12)の先端部に錘や釣針等を取り付ける。
【0025】
即ち、釣糸(12)の所定位置に浮き止め(14)を装着した後、錘や釣針等を取り付ける前の釣糸(12)の先端をかえし部(20)の中心部分に持っていくと釣糸(12)の先端がかえし部(20)の凹面によりかえし用小孔(20a)へ案内され、そこから糸通し孔(16)内に挿入される。
【0026】
更に、糸通し孔(16)内では浮き止め係止部(18)の凹面状の孔内面(16a)により釣糸(12)が係止用小孔(18a)へ自動的に案内されるので、この挿通作業を極めて容易に行う事が出来る。そして、前述のように釣針と錘その他を取り付ける。
【0027】
次に或いはその前に釣糸(12)の先端側を引っ張って浮き止め(14)をかえし部(20)側に移動させる。浮き止め(14)がかえし部(20)側に移動するとかえし部(20)の外面(又はその凹面)に沿ってかえし用小孔(20a)へ案内され、かえし部(20)を通過して糸通し孔(16)内に引き込まれる。
【0028】
この時、かえし部(20)は弾性を有しているので、(そして、その外面が糸通し孔(16)の孔内へ向けて凹成されているので、更なる場合には、スリット(20b)が形成されているので、)浮き止め(14)がかえし部(20)を孔内に向けて通過する際には、浮き止め(14)からかえし部(20)に対して押圧力が付与され、この押圧力によりかえし用小孔(20a)の内径又はスリット(20b)の幅が容易に拡げられ(逆に、浮き止め(14)がかえし部(20)から押圧力を受け、この押圧力により浮き止め(14)[弾性部(14b)が存在する場合はこれ]が縮径し)、浮き止め(14)はかえし部(20)を孔内に向けて容易に通過する。
【0029】
このようにして仕掛けを形成した後、仕掛けを釣ポイントへ投入すると、中通し浮き(10)はその浮力により水面に留まるが、錘や釣針等は水中へ沈降し、それに伴って釣糸(12)が水中へ引き込まれる。この時点では浮き止め(14)は、かえし部(20)と浮き止め係止部(18)との間に位置している。仕掛けが所定の水深(棚)に達すると、水中へ沈降している釣糸(12)に装着された浮き止め(14)が、糸通し孔(16)内の浮き止め係止部(18)に接触してここで係止される。これにより水面に漂う中通し浮き(10)から所定の水深(棚)に対する錘や釣針の位置決めがなされる。
【0030】
波や潮の動きなどにより仕掛けが流されると、釣竿を操作して釣糸(12)を引っ張り仕掛けを元の場所に戻す事がある。釣糸(12)を単に引っ張った場合には、浮き止め(14)がかえし部(20)の孔側内面に接触して中通し浮き(10)は釣糸(12)と共に元の場所に戻るのであるが、V字状のひげ状の弾性部(14b)を有する浮き止め(14)の場合は、はかえし部(20)に係合・接触して糸通し孔(16)から簡単には抜け出ない。
【0031】
つまり、図2に示すように、浮き止め(14)がかえし部(20)を通過して孔外へ抜け出ようとする際には、浮き止め(14)のV字状の弾性部(14b)がかえし部(20)の孔側内面に当接してV字が開き、かえし用小孔(20a)の内径より大きくなり(或いは、スリット(20b)の溝幅より大きくなり)釣糸(12)を引っ張った程度の力では、浮き止め(14)がかえし部(20)を通過しない。その結果、釣糸(12)と共に中通し浮き(10)を元の釣りポイントに引き戻す事が出来る。
【0032】
一方、魚信があると釣糸(12)が水中に引き込まれるが、糸通し孔(16)のかえし部(20)と浮き止め係止部(18)との間に存在する浮き止め(14)は、糸通し孔(16)の出口部分(19)の浮き止め係止部(18)に係止され、中通し浮き(10)は釣糸(12)と共に水中に引き込まれ、魚信のあったことを知らせる。この時、浮き止め(14)はかえし部(20)と浮き止め係止部(18)との間の僅かな間に位置しているため、魚信とほぼ同時に浮き止め係止部(18)に係止され、鋭敏に魚信を伝える。以上から分かるように浮き止め(14)は、釣りの間中、糸通し孔(16)内に収納されて容易には抜け出ないので、浮き止め(14)と中通し浮き(10)との間に「アソビ」や「フケ」が生じるのを防止できる。
【0033】
そして、餌や仕掛けを取り替える際には、リールを回して釣糸(12)を巻き取ることになる。釣糸(12)を巻き取ると、中通し浮き(10)は、かえし部(20)において浮き止め(14)に係止された状態のまま引き上げられ、釣竿先端のガイドに到達する。この状態から、更にリールを回して釣糸(12)を巻き取ると、かえし部(20)が浮き止め(14)により押圧されて弾性変形され、かえし用小孔(20a)又はスリット(20b)が押し広げられて、そこから浮き止め(14)が引き出される。これにより、浮き止め(14)とかえし部(20)との係止状態が解除され、浮き止め(14)から仕掛けまでの釣糸(12)が巻き取られる。
【0034】
なお、浮き本体(10a)の形状としては、上述の第1実施例(10A)のような卵型に代えて、図3の第2実施例(10B)として示す弾丸型や、図示しない球型や、その他の任意の形状であってもよい。また、浮き本体(10a)を中空に形成してもよい。浮き本体(10a)を中空に形成する場合には、中空部において浮力を確保できるので、比重が1を超える材料(プラスチック等)を用いることができる。
【0035】
また、上述の第1実施例(10A)では、浮き止め係止部(18)の上面、即ち太径部(17)から係止用小孔(18a)に至る孔内面(16a)を凹椀状に形成しているが、例えば図4の第3実施例(10C)に示すように、係止用小孔(18a)の上方における糸通し孔(16a)の内面全体を係止用小孔(18a)に向けてテーパー状に収束させ、浮き止め(14)の取付部(14a)より細い係止用小孔(18a)部分を浮き止め係止部(18)としてもよい。
【0036】
また、図5に示す第4実施例(10D)のように、糸通し孔(16b)の内径を全長に亘って略均一にし、別途形成された椀状の浮き止め係止部材(24)を糸通し孔(16)の出口部分(19)内の段部(23)に取り付けるようにしてもよい。更に、浮き止め係止部(18)がかえし部(20)よりも出口側に位置する限り、浮き止め係止部(18)及びかえし部(20)の位置を適宜変更してもよい。
【0037】
また、かえし部(20)に形成されるスリット(20b)の数は、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。また、かえし部(20)は、図6に示す第5実施例(10E)のように、プラスチック等からなる複数の舌状部材(26)を漏斗状に集合させることにより構成されていてもよい。
【0038】
図7はかえし部(20)が前記の場合と異なりフラットな弾性を有する円板材で構成されている場合[第6実施例(10F)]である。それ以外の部分は前記実施例と同じであるので、前記実施例の説明を援用して本実施例の説明に代える。
【0039】
かえし部(20)は、プラスチック等からなる板材によって、糸通し孔(16)の入口部分(21)に設けられたものであり、このかえし部(20)の中央部には、浮き止め(14)の取付部(14a)の外径よりも大きく、かつ、弾性部(14b)の最大幅よりも小さな内径を有するかえし用小孔(20a)が設けられる。スリットは形成されていない。(勿論、かえし部(20)の肉厚が十分厚く強度がある場合、前述同様、スリットを形成してもよい。)
【0040】
この仕掛けにおいて、浮き止め(14)がかえし部(20)を糸通し孔(16)の孔内に向けて通過しようとすると、略V字状に拡がった弾性部(14b)がかえし用小孔(20a)に対して順方向に挿入されるため(換言すれば、取付部(14a)側から挿入されるため)、かえし用小孔(20a)の内面(32b)に押圧されて容易に縮小される。従って、浮き止め(14)はかえし部(20)を容易に通過し得る。浮き止め(34)がかえし部(20)を通過すると弾性部(14b)は復元力により元の略V字状に復元する。
【0041】
前記実施例と同様、釣糸(12)を引っ張った場合等に、浮き止め(14)がかえし部(20)から孔外へ向けて通過しようとすると、略V字状に拡がった弾性部(14b)の上端部が、前述同様、かえし部(20)の孔内面に係止して拡大する。従って、浮き止め(14)は、かえし部(20)を容易に通過することはなく容易に抜け出る心配はない。
【0042】
しかし、釣糸(12)の巻き取り時には、中通し浮き(10)が釣竿先端のガイドに係止された状態で、釣糸(12)が強い力で引っ張られるので、かえし部(20)に係止された弾性部(14b)は、その力を受けて弾性変形され、かえし孔(12a)から浮き止め(14)が引き出される。
【0043】
なお、かえし部(20)は、糸通し孔(16)の内径を部分的に縮小し得るものであればよく、その形状は上記第1〜6実施例に限定されるものではない。従って、たとえば糸通し孔(36)の内面に突出する突起等によりかえし部(20)が構成されてもよい。
【0044】
【発明の効果】
この発明によれば、糸通し孔の出口部分に設けられた浮き止め係止部と、糸通し孔の入口部分に設けられたかえし部とによって、釣りの間、浮き止めを糸通し孔内に位置決めすることができるので、どのように釣り竿を操作しても中通し浮きと浮き止めとの間に「アソビ」や「フケ」が生じるのを防止でき、確実に魚信を捕らえることができる。加えてシモリ玉を必要とせず、前述のように浮き止めを糸通し孔に収納しているので、仕掛け投入時の絡みも防止できる。
【0045】
更に、浮き止め係止部の孔内面及びかえし部の外面を釣糸の挿入方向に凹成させてあるので、これらを釣糸のガイドとして機能させることができるので、釣糸をスムーズに通すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1実施例の主要部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の浮き本体の変形例を示す斜視図である。
【図4】本発明の浮き止め係止部の変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明の浮き止め係止部の他の変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明のかえし部の変形例を示す拡大断面図である。
【図7】本発明の他の実施例(かえし部と浮き止め)を示す拡大断面図である。
【図8】従来技術を示す斜視図である。
【図9】他の従来技術を示す斜視図である。
【図10】他の従来技術を示す斜視図である。
【符号の説明】
(10)…釣り用中通し浮き
(10a)…浮き本体
(12)…釣糸
(14)…浮き止め
(16)…糸通し孔
(18)…浮き止め係止部
(20)…かえし部

Claims (6)

  1. 釣糸挿通用の糸通し孔が貫通するように形成されている浮き本体を備え、前記釣糸の所定位置に装着された浮き止めを糸通し孔の入口部分と出口部分とで係止させることにより、前記釣糸に取り付けられた釣針を所定の水深に位置決めする中通し浮きであって、
    前記糸通し孔の出口部分に設けられ、糸通し孔の出口側への引き出し方向に移動した前記浮き止めが係止される浮き止め係止部、及び
    前記糸通し孔の入口部分に設けられ、前記浮き止めの糸通し孔内への順方向の通過が容易で、かつ、糸通し孔外への逆方向の通過が困難なかえし部を備えることを特徴とする中通し浮き。
  2. 前記浮き止め係止部の孔内面が糸通し孔の出口方向に向けて凹成され、前記浮き止め係止部の凹成された孔内面から浮き本体の外面にかけて前記釣糸を通すが浮き止めが係止される係止用小孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の中通し浮き。
  3. 前記弾性を有するかえし部の外面が糸通し孔の出口方向に向けて凹成され、前記かえし部に浮き止めの通過可能なかえし用小孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の中通し浮き。
  4. 前記かえし部が弾性を有するフラットな板で形成され、前記かえし部に浮き止めの通過可能なかえし用小孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の中通し浮き。
  5. 前記かえし部には、かえし用小孔の内周縁からスリットが形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中通し浮き。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の中通し浮きと、釣糸に装着されて前記中通し浮き内に係止される浮き止めとを備えたことを特徴とする仕掛け。
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