JP3805433B2 - 自動式カニューレ先端ガード付き静脈カテーテルアセンブリ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静脈カテーテルアセンブリに係り、特に使用後は使用済みカニューレによる穿刺事故を防ぐため自動的にカニューレ先端を覆うカニューレ先端ガードを備えたカテーテルアセンブリに関する。
【０００２】
【従来の技術】
患者の周辺静脈に流体を送り込むための静脈カテーテルは、静脈治療において最もよく使用される装置の一つである。そして、オーバー・ザ・ニードル(over-the-needle) カテーテルと呼ばれる型のカテーテルの場合は、カニューレおよびこれと同心円をなして外側に配置されるカテーテルがともに静脈内に挿入され、適切な位置に据えつけたカテーテルからカニューレだけを引き出す。
【０００３】
典型的なオーバー・ザ・ニードル（手術針）型の静脈カテーテルの場合は、ニードルの先端とカテーテルが患者の静脈内で適切な位置まで進んだら、ユーザは汚染されたニードルを取り外して廃棄しなければならない。ニードルをカテーテルから引き抜いた後、ユーザが急いでしなければならないのは、カテーテルを注入セットと接続し、カテーテルを患者にテープで止めることを含めて適切な位置の確保することである。これらの処置は、緊急を要するため、手術針は、都合のよいよう近くに置き、後で拾い上げることが多い。しかし、この時点では、手術針は、体内の環境に曝され、ユーザがカテーテルの作業を終えようとしている場所の比較に置かれるため、医療スタッフが針を自分に刺してしまう事故は珍しくない。ユーザを肝炎やエイズの危険から守るため、ユーザをカニューレによる穿刺事故から保護する必要が高まっている。
【０００４】
この必要に応ずるカテーテルの設計が米国特許第4,762,516 号に示されている。この特許に開示されたカテーテルは、スライドするニードルガードを納める長手のボディを備える。ニードルが体内に配置したカテーテルから引き抜かれると、ユーザはニードルガードの遠方端にあるタブを雄。そうすると、ガードの遠方端がニードルの先端を覆い、ガードの手前端がハウジング内でロック状態になるまで、ニードルガードはハウジングからスライドしニードルに沿って出てくる。こうして、ニードルとガードは、十分に保護されたニードル先端の傍に置かれる。
【０００５】
一方、米国特許第5,084,023 号にはもう一つのニードルガードが開示されている。このニードルガードは、ガードを戻し弁アセンブリに固定するためのロック用リングを有する鞘を備える。ガードはまた、ニードルがガードから引き出されないようニードルの対応する凹部に係合するノッチも備える。
【０００６】
米国特許第4,834,718 号も、ニードル先端ガードを開示している。この特許のガードは、ハブ部がカテーテルハブの内部に取り付けられ、弾性の突起を具備する。この突起は、ニードルがガードに挿入されると、外側に撓み、カテーテルハブにある凹部に係合する。そしてニードルがガードに引き込められると、突起は内側に撓んでガードをハブから解放する。ガードはさらに、血液室の全長に相当する長さを有するハウジングから構成される。ハウジングの端部にあるラッチ機構は、ニードルの先端をガード内に把持する。
【０００７】
上述の各特許に記載された装置は、ユーザを偶発的な穿刺事故から保護するものであるが、これらの装置はいずれも、かなり長さをもち、また嵩張るアセンブリを必要とする。さらに、これらの装置は大型であることから、手や指が小さいユーザにとっては、操作が面倒である。
【０００８】
このため、小さなニードルガードで確実にニードルが保護される装置が望まれており、特に、ニードルを患者から引き抜くと同時に、ユーザが特別な動きをとらなくても自動的にニードルの先端に被さる位置に移動するニードルガードが最も好ましい。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、圧潰型に設計されたノーズを用いる自動カニューレガードを備えた静脈カテーテルを提供するものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は圧潰型のノーズをもつ自動カニューレガードを備えた静脈カテーテルに関するものである。本発明によれば、カテーテルハブに取り付けられるカテーテルを備えたカテーテルアセンブリが提供される。また、このカテーテルアセンブリにおいては、遠方端を有するカニューレは、カテーテルハブを通して前記カテーテルに挿入される。ベースとこのベースから延びる複数の弾性フィンガーを備える先端ガードは、カニューレをカテーテルから引き抜いた後このカニューレが穿刺事故を引き起こすのを防止する自動保護機構を提供する。複数のフィンガーは各、フィンガーの遠方端が接触して先端ガード内に閉じたチャンバを形成するよう、ばね付勢される。これらのフィンガーはまた、径方向外側に撓むことにより、カニューレを先端ガードを通してカテーテルハブに挿入させる。さらに、このフィンガーは、カニューレの遠方端がカテーテルから先端ガードに引き入れられたときは、ばね付勢された接触位置に戻って、カニューレ遠方端を前記閉じたチャンバ内に固定させる。また、カニューレがカテーテルハブを通して挿入されるとき、先端ガードをカテーテルハブに係合させるため、ロック機構が提供される。このロック機構は、カニューレの遠方端がカテーテルから先端ガードに引き入れられるときは、先端ガードをカテーテルハブから解放するよう構成される。
【００１１】
本発明のもう一つの態様によれば、先端ガードの複数のフィンガーは、ベースから各フィンガーの遠方端まで通路を形成するようばね付勢される。この通路の径は、カニューレの径より小さい。さらに、各フィンガーは、ベースから、ファインがーの遠方端から離隔された位置まで延びるチャネルを有する。このフィンガーチャネルは、カニューレの径とほぼ等しい径を有するチャンバを形成する。そして、これらのフィンガーは、径方向外側に撓むことにより、カニューレを先端ガードを通してカテーテルに挿入させる。またこのフィンガーは、カニューレの遠方端がカテーテルから先端ガードに引き入れられたときは、ばね付勢された接触位置に戻ってカニューレ遠方端を、先の閉じたチャンバ内に固定させ、カニューレの遠方端が先端ガードフィンガーの遠方端を通って再挿入されるのを防止する。
【００１２】
前述のロック機構はフィンガーの遠方端につめを有し、またこのつめに対応する凹部をカテーテルハブに有する。フィンガーが、径方向外側に撓んで、カニューレを先端ガードを通してカテーテルに挿入させるときは、このフィンガーにあるつめは、凹部にあるハブと係合する。カニューレが厚みを有するため、フィンガーはこの撓んだ状態に保持され、先端ガードをハブにロックする。
【００１３】
本発明のカテーテルアセンブリはさらに、カニューレをカニューレの手前端に係合させるカニューレハウジング、このカニューレハウジングに取り付けられる血液フラッシュチャンバおよびカニューレガードを備える。このカニューレガードは先端ガードに取り付けられ、カニューレの一部の上に被さって径方向に延びる。好ましくは、カニューレガードは、前記カニューレの周壁の半分より少ない領域の被さって径方向に延び、小さな傾斜角度での挿入を可能にするのがよい。
【００１４】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明に係るカテーテルアセンブリ１０の模式的な側面図である。カテーテルアセンブリ１０は、カテーテルハブ１４に取り付けられたカテーテル１２を具備する。鋭利な遠方端１８を有するカニューレ１６は、カテーテルハブ１４を通してカテーテル１２に挿入することができる。カテーテルアセンブリ１０はまた、カニューレをカテーテル１２に刺し込みまたこれから引き出すためにカニューレの手前端２２と係合するカテーテルハウジング２０を具備する。血液フラッシュチャンバ２４は、ハウジング２０に取り付けられ、またその開放端がプラグ２６に封止される。カテーテルアセンブリ１０はさらに、先端ガード２４とカニューレガード３０を備える。
【００１５】
図２（ａ）、図２（ｂ）および図３は、本発明の一態様に係る先端ガードを詳細に示す。先端ガード３２は、ベース３６から延びる複数の弾性フィンガー３４を備える。先端ガード３２はまた、カテーテルハブ１４に載りかかる取り付け用フランジ３８とハウジング２２の中に付着する部分３９を備える。図２（ａ）には二個のフィンガー３４が示されているが、三個あるいはそれ以上でもよい。複数のフィンガー３４は、各フィンガーの遠方端４０が符号４２で示す箇所で接触し、先端ガード３２内に閉鎖チャンバ４４を形成するよう、ばねで付勢される。これらのフィンガー３４は、図３に示すように、カニューレ１６が先端ガード３２を通してカテーテルハブ１４の中に挿入されるよう、径方向外側に撓むように形成される。フィンガー３４はまた、角度を付けた顎部材などの機械的手段によって、カニューレが先端ガードの中をこれに触れずに進むのに十分な広さを有するよう、径方向外側に撓まされる。
【００１６】
各フィンガー３４は、フィンガーの本体から径方向外側に延びるつめ４６を有する。つめ４６は、図３に示すように、カニューレ１６が先端ガード３２を通して挿入されるときは、カテーテルハブ１４にある対応する凹部５０の中にぴったり収まる。凹部５０に収まるつめ４６とフランジ３８に接するハブ１４が組み合わさることによって、先端ガード３２はカテーテルハブ１４内でロックされる。図２（ａ）に示すように、先端１８がチャンバ４４の中に収まるようカニューレ１６がカテーテルから引き抜かれると、フィンガー３４のばね付勢力により、遠方端４０はカニューレ先端１８が閉止したチャンバ４４内で固定された状態で、再び符号４２で示す地点で互いに接する。このため、先端ガード３２は、カニューレがカテーテルから引き出されたときのための自動的な先端保護機構と、カニューレがカテーテルに挿入されたとき先端ガードをカテーテルハブに係合させるための自動ロック機構の二つを与えることになる。先端ガードのベース内には、カニューレを先端ガード内に封止しておくためのガスケット５２が設置される。
【００１７】
図４〜１１は、本発明のもう一つの態様に係る先端ガードを示す。図４において、先端ガード５４は、ベース５８からそれぞれの遠方端６０まで延びる複数のフィンガー５６を備える。フィンガー５６は、ベース５８から各フィンガーの遠方端６０まで延びる通路６２を形成するようばねで付勢される。各フィンガー５６はまた、チャネル６４を含む。通路６２の径６６は、カニューレ１６の径６８より小さい。複数のチャネル６４の組合せにより、カニューレ１６の径とほぼ等しい径７２を有するチャンバ７０が形成される。フィンガー５６はまた、カテーテルハブにある対応する凹部（図示せず）にロックするためのつめ７４も備える。
【００１８】
図５に示すように、フィンガー５６は、カニューレ１６を先端ガード５４を通して挿入するために径方向外側に撓むように形成される。すでに述べたように、角度のついた顎部材にような機械的手段は、カニューレが先端ガードの中をこれに触れずに進めるよう、フィンガーを径方向外側に撓ませるのに使用される。図６に示すように、カニューレ１６が先端ガード５４を通じて挿入されると、フィンガー５６は、角度のついた顎部材から開放され、ばねで押し戻されてカニューレ１６の外面と接する。この位置にあるフィンガー５６は、径方向にわずかに拡がり、カニューレにかすかなばね引張り力を与える。この引張り力により、カニューレは先端ガードにぴったり合わさるが、カニューレはさらに、カテーテルの中に差し入れ、また先端ガード５４を通してカテーテルから引き出すこともできる。図７に示すように、カニューレ先端が先端ガード５４内にとどまるようにしてカニューレ１６を引き抜くと、フィンガー５６は元の付勢位置までばねで押し戻される。カニューレ１６はついで、チャネル６４によって形成されるチャンバ７０内に固定される。同図から分るように、通路６２の径は、カニューレ１６の外径より小さく、フィンガー５６の遠方端を通っての再度の挿入は防止される。再挿入をするときは、カニューレの先端１８は、チャネル６４の端壁７６に接触して、先端ガード５４から出てくることはできない。
【００１９】
図８は、図４に示した先端ガード５４の８−８線断面図である。遠方端６０には、径６６の通路６２が設けられる。図９は、図４に示した先端ガード５４の９−９線断面図である。フィンガー５６は、カテーテルハブにある対応する凹部に係合するためのつめ７４をフィンガーのボディから突出する形で備える。チャンバ７０の径７２は、通路６２の径６６より小さい。図１０は、図４に示した先端ガード５４の１０−１０線断面図であり、ベース５８と、ガスケット壁７８に包含けられるガスケット７６を示す。通路６２とチャンバ７０は、ガスケット７６にある中央部の開口を通して見通すことができる。図１１は、図４の１１−１１線断面図で、先端ガード５４の後方部分８０を示す。カニューレガード３０を押して嵌めることにより先端ガード５４に取り付けるためのスロット８２が設けられている。この態様における後方部分８０は、ハウジング２２にある対応するスロットに嵌り込む三角形のリブ８１を有するＵ字形部材から構成される。
【００２０】
すでに述べたように、フィンガーにあるつめとカテーテルハブにある対応する凹部は、先端ガードをカテーテルハブに係合させるためのロック手段を構成する。例えば図８に示すつめの凹部は、比較的深く、角度もある。しかし、図１２に示すもう一つの態様においては、つめ８４は丸型で高さもなく、凹部もこれに対応している。例えば、つめと凹部は、高さ（深さ）が0.002 〜0.008 インチである。つめの凹部が浅いと成形が簡単になり、先端ガードとカテーテルハブの両方について、ストレートプル簡単な成形型を用いることができる。さらに、円形の設計にすると、先端ガードは必要ならば幾分力を加えればカテーテルハブから取り外せるようになるし、容易に外れないようにすることもできる。丸型のつめを有する先端ガードを形成する成形においては、アンダーカットは、芯を形成するブレードを引っ張れば容易に形成することができる。これらのブレードを引っ張ると、プラスチックには隙間が生じ、アンダーカットが容易に突出できるようになる。
【００２１】
図１３は、基本的なカテーテルハブ８８を示す。標準的なハブと本発明で用いるハブの違いは、凹部９０を有することだけである。先端ガードのときと同じように、丸型の凹部があれば、成形時に圧潰コイルや特別なツールを用いず、ストレートプルを用いることができる。
【００２２】
図１４〜１９は、図１に示したカテーテルハウジング２０の一つの態様を示す。図１４は、ハウジング９０の端面図である。カニューレ１６は、ハウジングの中心を通って延び、また血液フラッシュチャンバを納めるため凹部９２が設けられる。つめ９１と溝９３は、カニューレガードを定位置に保持し、またスロット９６とともに、カニューレガードが前方後方に円滑に移動できるようにする。図１５は、図１４のハウジング９０についての１５−１５線断面図である。カニューレを挿入するために通路９４が設けられ、すでに述べたように、スロット９６がカニューレガードを収める。図１６は、図１４のハウジング９０についての１６−１６線断面図である。段差の付いた領域９８には、フィンガーホールが設けられ、ユーザは、カニューレをカテーテルに挿入し、またカニューレをカテーテルから取り外すために、ハウジングを握ることができる。スロット１００は、先端ガードにあるリブを収める。図１７は、図１６の１７−１７線断面図で、カニューレガードに固定された先端ガードを保持する三角形リブ８１を収めるスロット１００を示す。また、血液チャンバを受け取る穴１０２も設けられる。図１８は、図１６の１８−１８線断面図で、穴１０２、つめ９１および溝９３を示す。図１９は、図１６の１９−１９線断面図で、スチールを撓ませずに簡単な成形が行われるように切り出された領域１０４を示す。
【００２３】
先端ガードがカニューレの鋭利な先端を完全に包囲し、封止している間、本発明のもう一つの様相によるカニューレガードは、カニューレのシャフトを片側で包囲しているだけである。本発明のこの特徴は、図２０（ａ）と２０（ｂ）に示してある。図２０（ａ）は、一部が血液フラッシュチャンバ２４内にまで延びるカニューレ１６を示す。カニューレガード３０は、カニューレ１６あるいは血液フラッシュチャンバ２４を完全には包囲せず、カニューレ１６の位置を包囲するのみである。好ましい態様においては、カニューレガード３０は、カニューレの外周の半分より小さい領域を包囲するのみである。カニューレガードがカニューレの片側を覆うだけの場合は、軽量、細めでかつ短めのカテーテルアセンブリは小さい角度での挿入を可能にする。また、図２０（ａ）に示すように、つめ１０５は、カニューレガードのカニューレから前方への動きを制限する。
【００２４】
本発明のカテーテルアセンブリは、従来のカテーテルアセンブリに比べて多くの利点を有する。本発明の圧潰ノーズを用いた設計にすると、挿入の方法によらず、カニューレ先端を保護する自動保護機構が得られる。さらに、本発明の先端ガードは、ガードをカテーテルハブに自動ロックする。カテーテルアセンブリは、細め、軽量そして短めで、斜めになる角度が小さい挿入を可能にする。またこのカテーテルアセンブリは、非常に大型で、長く容易に見分けのつく血液フラッシュチャンバを備える。さらに、手の平がカテーテルをカニューレ上で動かしてしまうことも防止される。ユーザは、カニューレ機構とガード機構の間に透明な材料もしくは色の差が存在するため、挿入の最中に、カニューレを直接見て操作することができる。本発明のカテーテルアセンブリは安価で、成形も細工もそして組立ても容易である。また、この片面保護のガードは、血液チャンバを非常に大きなものにできるという利点を有する。さらに、血液チャンバは、カニューレガードより長く、事故で前方に進を防止する。
【００２５】
操作するときは、図２１に示すように、まずカテーテルアセンブリに、先端ガード２８、カテーテルハブ１４およびカテーテル１２を通して、カニューレを挿入する。カテーテル１２とカニューレ１６は、ついで静脈１０６に挿入する。カニューレ１６を静脈１０６に挿入したら、矢印１０８で示すように、血液チャンバ２４を充填していく血液を観察する。カニューレ１６はついで、カテーテルハブ１４が依然として先端ガード２８にロックされているため、カテーテルハブ１４あるいはカニューレガード３０を押したり引いたりしながら、静脈１０６ににじ込まれる。カテーテル１２が、図２２に示すように、適当な位置に設定されたら、カニューレ１６をカテーテル１２から引き抜く。カニューレの引き抜きは、ハウジングを後方へ動かす）ガード３０にあるつめ１０５によって制限される）ことによって制御される。カニューレ１６が先端ガード２８に入り込むと、図２８に示すように、フィンガー４８は圧潰し、先端ガード２８をカテーテルハブ１４から解放して、カニューレの鋭利な先端１２を事項的に保護する。カテーテル１２５おカテーテルハブ１４は、患者の体内に残され、保護・ロックされたカテーテルアセンブリは廃棄される。
【００２６】
以上本発明の態様をいくつか説明してきたが、当業者には、特許請求の範囲に謳う本発明の趣旨・原理を逸脱しない範囲で手術の変更・修正例を想起することができるであろう。
【００２７】
本発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
Ａ）カテーテルアセンブリであって、
カテーテルハブに取り付けられるカテーテルと、
遠方端を有し、前記カテーテルハブを通して前記カテーテルに挿入されるカニューレと、
ベースとこのベースから延びる複数の弾性フィンガーを備える先端ガードであって、前記複数のフィンガーは各フィンガーの遠方端が接触して先端ガード内に閉じたチャンバを形成するようばね付勢され、前記フィンガーは径方向外側に撓んでカニューレを前記先端ガードを通して前記カテーテルハブに挿入させ、またこのフィンガーは、カニューレの遠方端がカテーテルから先端ガードに引き入れられたときは、ばね付勢された接触位置に戻ってカニューレ遠方端を前記閉じたチャンバ内に固定させる先端ガードと、
前記カニューレが前記カテーテルハブを通して挿入されるとき前記先端ガードを前記カテーテルハブに係合させるロック機構であって、カニューレの遠方端がカテーテルから先端ガードに引き入れられるときは前記先端ガードを前記カテーテルハブから解放するロック機構を具備するカテーテルアセンブリ。
１）前記ロック機構は前記フィンガーの遠方端につめを有し、またこのつめに対応する凹部をカテーテルハブに有する上記実施態様Ａ）記載のカテーテルアセンブリ。
２）前記カテーテルアセンブリはさらに、前記カニューレとカニューレの手前端で係合するカニューレハウジング、このカニューレハウジングに取り付けられる血液フラッシュチャンバおよびカニューレガードを備える上記実施態様Ａ）記載のカテーテルアセンブリ。
３）前記カニューレガードは前記先端ガードに取り付けられる上記実施態様２）記載のカテーテルアセンブリ。
４）前記カニューレガードは、前記カニューレの一部の上に被さって径方向に延びる上記実施態様３）記載のカテーテルアセンブリ。
５）前記カニューレガードは、前記カニューレの周壁の半分より少ない領域に被さって径方向に延びる上記実施態様４）記載のカテーテルアセンブリ。
【００２８】
Ｂ）カテーテルアセンブリであって、
カテーテルハブに取り付けられるカテーテルと、
遠方端を有し、前記カテーテルハブを通して前記カテーテルに挿入されるカニューレと、
ベースとこのベースから延びる複数の弾性フィンガーを備える先端ガードであって、前記複数のフィンガーは前記ベースから各フィンガーの遠方端まで通路を形成するようばね付勢され、前記通路はカニューレの径より小さい径をもち、各フィンガーは前記ベースから前記遠方端から離隔された位置まで延びるチャネルを有し、前記フィンガーのチャネルは前記カニューレの径とほぼ等しい径を有するチャンバを形成し、前記フィンガーは径方向外側に撓んでカニューレを前記先端ガードを通して前記カテーテルハブに挿入させ、またこのフィンガーは、カニューレの遠方端がカテーテルから先端ガードに引き入れられたときは、ばね付勢された接触位置に戻ってカニューレ遠方端を前記閉じたチャンバ内に固定させ、カニューレの遠方端が先端ガードフィンガーの遠方端を通って再挿入されるのを防止する先端ガードと、
前記カニューレが前記カテーテルハブを通して挿入されるとき前記先端ガードを前記カテーテルハブに係合させるロック機構であって、カニューレの遠方端がカテーテルから先端ガードに引き入れられるときは前記先端ガードを前記カテーテルハブから解放するロック機構を具備するカテーテルアセンブリ。
６）前記ロック手段は、前記フィンガーの遠方端につめを、またカテーテルハブに対応する凹部を備える上記実施態様Ｂ）記載のカテーテルアセンブリ。
７）前記カテーテルアセンブリはさらに、前記カニューレとカニューレの手前端で係合するカニューレハウジング、このカニューレハウジングに取り付けられる血液フラッシュチャンバおよびカニューレガードを備える上記実施態様Ｂ）記載のカテーテルアセンブリ。
８）前記カニューレガードは前記先端ガードに取り付けられる上記実施態様７）記載のカテーテルアセンブリ。
９）前記カニューレガードは、前記カニューレの一部の上に被さって径方向に延びる上記実施態様８）記載のカテーテルアセンブリ。
１０）前記カニューレガードは、前記カニューレの周壁の半分より少ない領域に被さって径方向に延びる上記実施態様９）記載のカテーテルアセンブリ。
【００２９】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、圧潰型に設計されたノーズを用いる自動カニューレガードを備えた静脈カテーテルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一態様に係るカテーテルアセンブリの模式的断面図。
【図２】（ａ）は本発明の一態様に係る先端ガードの側面図、（ｂ）は同先端ガードの側面図。
【図３】図２（ａ），（ｂ）に示した先端ガードにカニューレが挿入されたときの側面図。
【図４】本発明の第二の態様に係る先端ガードの側面図。
【図５】図４の先端ガードにおいてカニューレの挿入と引き出しを示す側面図。
【図６】図４の先端ガードにおいてカニューレの挿入と引き出しを示す側面図。
【図７】図４の先端ガードにおいてカニューレの挿入と引き出しを示す側面図。
【図８】図４の８−８線断面図。
【図９】図４の９−９線断面図。
【図１０】図４の１０−１０線断面図。
【図１１】図４の１１−１１線断面図。
【図１２】先端ガードをカテーテルハブにロックする一態様に係る手段の断面図。
【図１３】本発明に係るカテーテルアセンブリのカテーテルハブの断面図。
【図１４】本発明に係るカテーテルアセンブリのカテーテルハウジングの端面図。
【図１５】図１４の１５−１５線断面図。
【図１６】図１４の１６−１６線断面図。
【図１７】図１６の１７−１７線断面図。
【図１８】図１６の１８−１８線断面図。
【図１９】図１６の１９−１９線断面図。
【図２０】（ａ）は本発明に係るカテーテルアセンブリのカニューレガードと血液フラッシュチャンバの側面図、（ｂ）はこれらの端面図。
【図２１】本発明に係るカテーテルアセンブリの静脈への挿入操作を示す模式図。
【図２２】本発明に係るカテーテルアセンブリの引き出し操作を示す模式図。
【図２３】本発明に係るカテーテルアセンブリの先端ガードによる保護操作を示す模式図。

Claims (6)

1. カテーテルアセンブリであって、
   ａ．カテーテルハブに取り付けられたカテーテルと、
   ｂ．遠方端を有し、前記カテーテルハブを通して前記カテーテルに挿入可能なカニューレと、
   ｃ．ベースとこのベースから延びる複数の弾性フィンガーとを有する先端ガードであって、前記複数のフィンガーは前記ベースから各フィンガーの遠方端まで通路を形成するようばね付勢され、前記通路はカニューレの径より小さい径を有し、前記フィンガーの各々は前記ベースから前記遠方端から離隔された位置まで延びるチャネルを有し、前記フィンガーのチャネルは前記カニューレの径と実質的に等しい径を有するチャンバを形成し、前記フィンガーは径方向外側に曲がり前記カニューレが前記先端ガードを通して前記カテーテルハブに挿入されるように構成され、前記フィンガーは前記カニューレの遠方端がカテーテルから先端ガードに引き入れられるときにばね付勢された位置に戻り前記遠方端を前記チャンバ内に固定して前記カニューレの前記遠方端が前記先端ガードのフィンガーの前記遠方端を通って再挿入されるのを防止する先端ガードと、
   ｄ．前記カニューレが前記カテーテルハブを通して挿入されるときに前記先端ガードを前記カテーテルハブに係合させるロック手段であって、前記カニューレの遠方端が前記カテーテルから前記先端ガードに引き入れられるときに前記先端ガードを前記カテーテルハブから解放するように構成されたロック手段と
   を備えたカテーテルアセンブリ。
2. 前記ロック手段は、前記フィンガーの前記遠方端にとめと、前記カテーテルハブに対応する凹部とを含む請求項１記載のカテーテルアセンブリ。
3. さらに、前記カニューレの手前端で前記カニューレに係合するカニューレハウジングと、前記カニューレハウジングに取り付けられた血液フラッシュチャンバと、カニューレガードとを含む請求項１記載のカテーテルアセンブリ。
4. 前記カニューレガードは、前記チップガードに取り付けられる請求項３記載のカテーテルアセンブリ。
5. 前記カニューレガードは、前記カニューレの一部の上に径方向に延びる請求項４記載のカテーテルアセンブリ。
6. 前記カニューレガードは、前記カニューレの周囲の半分より少ない部分の上に径方向に延びる請求項５記載のカテーテルアセンブリ。

Images