JP3805417B2 - アプリケーションプログラムの保全性をベリファイする方法及び装置 - Google Patents
アプリケーションプログラムの保全性をベリファイする方法及び装置 Download PDFInfo
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、一般に、個別の基本マシン命令セットを用いる複数のコンピュータプラットフォーム上のコンピュータソフトウェアの利用法に関する。特に、ネットワークサーバまたは他のソースから得られるコンピュータソフトウェアの保全性をベリファイ(検証)する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に一般的に示されているように、典型的な従来のネットワーク化されたコンピュータシステム100に於いて、第1コンピュータ102は、第2コンピュータ104にあるコンピュータプログラム103をダウンロードすることができる。この例では、第1ユーザノード102は、典型的には、中央演算装置(CPU)106、ユーザインタフェース108、プログラム実行用の主メモリ110(例えばRAM)、オペレーティングシステム113、文献及び他のデータを格納するための補助記憶装置112(例えばハードディスク)、及びコンピュータネットワーク120(例えばインターネット、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワーク)に接続するためのモデムなどのコミニュケーションインタフェース114を有するユーザワークステーションである。コンピュータ102及び104は、“ネットワーク上のノード”または“ネットワークノード”と呼ばれることもある。
【0003】
第2コンピュータ104はネットワークサーバであるのが一般的だが、第2ユーザワークステーションであっても良く、通常、第1コンピュータと基本的に同じコンピュータ要素を含んでいる。
【0004】
従来、第1コンピュータ102が第2コンピュータ104からコンピュータプログラム103のコピーをダウンロードした後に、第1コンピュータ102のユーザが、ダウンロードされたプログラム103の保全性をベリファイするのを支援するための標準的なツールは実質的にない。特に、第1コンピュータのユーザが、ダウンロードされたプログラムのソースコードを調べない限り、従来技術のツールを用いて、ダウンロードされたプログラム103がスタックに対しアンダーフローやオーバフローとならないか、或いはダウンロードされたプログラム103がユーザコンピュータのファイルや他のリソースに悪影響を与えないかどうかを判断することは実質的に不可能である。
【0005】
あるコンピュータから別のコンピュータへのコンピュータソフトウェアのダウンロードに関する別の問題は、個別の基本マシン命令セットを用いているコンピュータプラットフォーム間のコンピュータソフトウェアの転送の問題である。従来も、プラットフォームに依存しないコンピュータプログラムやプラットフォームに依存しないコンピュータプログラミング言語の例はいくつかある。従来技術に欠けているのは、ネットワークサーバまたは他のソースから得られる、プラットフォームに依存しないコンピュータソフトウェアの保全性を、そのソフトウェアを受け取った人がベリファイするのを可能にする信頼の置ける自動ソフトウェアベリフィケーション(verification)ツールである。
【0006】
本発明の別の側面は、遠隔からダウンロードするオブジェクトまたはファイルをユーザが選択した後に、そのオブジェクトまたはファイルに関連するソフトウェアを自動的にダウンロードするための方法に関する。例えば、“ワールドワイドウェブ(World Wide Web:WWW)”として知られている、インターネットで広く用いられている機能があるが、このWWW上で、ある文献を検索しているとき、その文献のあるページに、他の文献またはオブジェクトへのリファレンス(参照)が含まれていることがある。ユーザは、所与のオブジェクトを選択することによって、関連するハイパーリンクを介し、それらの文献またはオブジェクトにアクセスすることができる。そのような選択は、通常、ユーザがワークステーションノードのグラフィカルユーザインタフェースを使い、ポインタデバイスを用いてハイパーリンクを表すグラフィックイメージを指定し、ポインタデバイス上のボタンを押すことによって行われる。ハイパーリンクの選択に応答して、ユーザのウェブアクセスプログラムは、参照したい文献またはオブジェクトが格納されているサーバ(その時見ている文献またはオブジェクト内のハイパーリンクに組み込まれているデータによって示されている)への接続を開き、それらの文献またはオブジェクトをダウンロードする。しかしながら、ダウンロードされる文献またはオブジェクトのデータタイプが、ユーザのウェブアクセスプログラムにとって既知でない場合、ユーザはダウンロードした文献を見ることができないか、或いは見ることはできても用いることができない。
【0007】
このようなことが起きると、ユーザは、しばしば文献またはオブジェクトを検索してきたサーバや、或いは他のサーバのプログラムライブラリを調べて、ダウンロードした文献またはオブジェクトに対応するビューワ(viewer)をマニュアルで見つけようと試みるかもしれない。ユーザのコンピュータプラットフォームとコンパチビリティ(compatibility)のあるビューワが見つかると、ユーザはそのビューワをダウンロードし、それを起動(実行)して、前にダウンロードしたオブジェクトを見ようとするだろう。しかしながら、出所のはっきりしないビューワを実行することには、かなり大きなリスクがある。例えば、ダウンロードしたビューワプログラムが“ウィルス”に感染しており、ユーザのコンピュータの保全性を損なうかもしれない。或いは、ユーザの期待に反して、ダウンロードしたプログラム自身がリソースへのアクセス及び/またはユーザコンピュータのデータの破壊を行う可能性もある。本発明は、文献乃至オブジェクトに対応するビューワを自動的にダウンロードするとともに、ダウンロードしたビューワを起動する前に、そのプログラムの保全性を自動的にベリファイすることによってこのような問題を解消するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、本発明の主な目的は、参照しようとする、他のコンピュータ(サーバなど)に含まれる文献またはオブジェクトに対応するビューワを自動的にダウンロードするとともに、ダウンロードしたビューワを起動する前に、そのプログラムの保全性を自動的にベリファイするコンピュータを含む分散型コンピュータシステム及びその動作方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、遠隔のコンピュータノードからオブジェクト及びオブジェクトビューワを検索(即ちダウンロード)したり、オブジェクトを見るべく、格納したオブジェクトビューワを起動したりするための“クラスローダ(class loader)”に関する。ユーザが、例えばWWWのハイパーリンク機能を用いることによって見たいオブジェクトを選択すると、従来と同様に、参照されるオブジェクト(被参照オブジェクトとよぶこともある)のダウンロードが開始される。しかしながら、本発明のクラスローダは、オブジェクトのダウンロードプロセス開始時に受け取るデータタイプ情報を用いて、参照するオブジェクトに対応するビューワが、ユーザワークステーションに於いて入手可能かどうかをまず調べる。
【0010】
適切なビューワがそのワークステーションに於いて得られない場合、クラスローダは、オブジェクトをダウンロードしているサーバ、或いはユーザのワークステーションが認識している他の適切なサーバから適切なビューワを自動的に見つける。クラスローダは、見つけたビューワをダウンロードした後、このビューワを起動する前に、その保全性をベリファイするためプログラムベリフィケーションプロシージャを呼び出す。いったんベリファイされると、ビューワはユーザのローカルビューワライブラリに加えられ、被参照オブジェクトのダウンロードは終了し、ダウンロードしたオブジェクトを見るためのビューワの起動がイネーブルされる。
【0011】
適切なビューワが見つからないか、或いは見つけた唯一のビューワがベリフィケーションプロシージャを通過できない場合は、参照しようとしていたオブジェクトのダウンロードはアボートされる。
【0012】
本発明では、限定された、データタイプに依存したバイトコードセットを用いたバイトコード言語(“OAK言語(OAK language)”として商品化されている)で書かれたコンピュータプログラムの保全性をベリファイする。この言語で使用可能なソースコードのバイトコードは、(A)処理可能なデータタイプについて制約があるスタックデータ消費型バイトコードである、(B)スタックデータは使用しないが、データタイプが既知であるデータをスタックに加えたり、データタイプに関係なくスタックからデータを取り出したりすることによってスタックに影響を与える、或いは(C)スタックデータの使用も、スタックへのデータの付加もしないのいずれかである。
【0013】
本発明によると、バイトコードプログラムを実行する前に、データタイプがマッチしていないデータを処理しようとする命令がないかどうか、あるいはその指定されたプログラム内のバイトコード命令の実行によってオペランドスタックのアンダーフローやオーバフローが生じないかどうかをチェックし、そのようなプログラムを使用するのを避けるための方法及びベリファイヤが提供される。
【0014】
本発明のバイトコードプログラムベリファイヤは、指定されたバイトコードプログラムを実行するとき、プログラムオペランドスタック内に格納されるデータを示すスタック情報を一時的に格納するための仮想スタック(virtual stack)を含んでいる。このベリファイヤは、プログラムの各ポイントに於いてオペランドスタックに格納されるであろうデータの数、順番、及びデータタイプを示すように仮想オペランドスタックを更新しながらプログラムの各バイトコード命令を順次処理していくことによって、指定されたプログラムを処理する。このベリファイヤは、仮想スタックの情報と、各バイトコード命令のデータタイプに関する制約とを比べて、プログラムを実行したときオペランドスタックにバイトコード命令のデータタイプに関する制約に適合しないデータが含まれるようなことがないかどうか判定するとともに、指定されたプログラム内のバイトコード命令によってオペランドスタックのアンダーフローやオーバフローが生じるようなことはないかどうかチェックする。
【0015】
バイトコードプログラムの命令の流れを細かく分析しなくていいように、またバイトコード命令を何度もベリファイしなくていいように、指定されたプログラム内に於いて別個の2以上のバイトコードの実行の直後に実行され得る全てのポイント(多重エントリポイントと呼ぶ)がリストアップされる。一般に、そのような先行する2以上の別個のバイトコードの少なくとも一つは、ジャンプ/分岐バイトコードである。指定されたプログラムの処理時、ベリファイヤは、各多重エントリポイントの直前(即ち、先行するバイトコード命令の一つの後)の仮想オペランドスタックの“スナップショット”をとり、このスナップショットを、同じ多重エントリポイントに対する他の先行するバイトコード命令の各々を処理した後の仮想スタックステータスと比較して、仮想スタックステータスが同一でない場合はプログラムフォールト(program fault)を生成する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の好適実施例について詳細に説明する。これらの例は添付の図面に図示されている。本発明を好適実施例に基づいて説明するが、理解されるように、それらは本発明をそれらの実施例に限定することを意図するものではない。本発明は、特許請求の範囲によって画定される本発明の精神及び範囲に含まれるべき変形変更及び等価物を含むものである。
【0017】
図2に示す分散型コンピュータシステム200を参照されたい。第1コンピュータノード202は、例えばインターネットのようなコンピュータコミュニケーションネットワーク216を介して第2コンピュータノード204とつながっている。第1コンピュータノード202は、中央演算装置(CPU)206、ユーザインタフェース208、主メモリ(RAM)210、補助記憶装置(ディスク記憶装置)212、及び第1コンピュータノード202をコンピュータコミュニケーションネットワーク216につなげるためのモデムその他のコミュニケーションインタフェース214を含んでいる。ディスク記憶装置212は、データファイルその他の情報と共に、CPU206によって実行されるプログラムを格納する。
【0018】
第2コンピュータノード204(ここでは、ファイルや他の情報のサーバとして構成されているものとする)は、CPU218、ユーザインタフェース220、主メモリ(RAM)222、補助記憶装置(ディスク記憶装置)224、及びコンピュータコミュニケーションネットワーク216と第2コンピュータノードとを接続するためのモデムその他のコミュニケーションインタフェース226を含んでいる。ディスク記憶装置224は、ファイル及び/またはオブジェクトディレクトリ228(ディスクディレクトリまたはカタログと呼ばれることもある)を含んでいる。ディスクディレクトリ228は、補助記憶装置224内に格納されている情報、即ち、CPU218によって実行されたり他のコンピュータノードに配布されたりするプログラム234、ビューワライブラリ232、及びオブジェクト230の位置を示す。
【0019】
第1コンピュータノード202及び第2コンピュータノード204は、それぞれが異なるコンピュータプラットフォーム及びオペレーティングシステム236、237を用い、これらの2つのコンピュータノードの一方で実行されるオブジェクトコードプログラムが、他方のコンピュータでは実行できないことがあってもよい。例えば、サーバノード204をUnixオペレーティングシステムを用いたサン・マイクロシステムズ社のコンピュータとし、ユーザワークステーションノード202を80486マイクロプロセッサとマイクロソフト社のDOSオペレーティングシステムを用いたIBM互換機とすることもできる。更に、同じネットワークに接続され、同じサーバ204を利用する他のユーザワークステーションに於いて、様々なコンピュータプラットフォーム及びオペレーティングシステムを用いてもよい。
【0020】
これまで、様々なタイプのコンピュータを有するネットワークでソフトウェアを配布するためのサーバ204は、各コンピュータプラットフォーム(例えば、Unix、ウィンドウズ、DOS、マッキントッシュなど)に対して個別のソフトウェアライブラリ(例えば個別のビューワライブラリ232)を有していた。その結果、様々なシステムのユーザの要望に応えるため、サーバは同じコンピュータプログラムの様々なバージョン(例えば238、239)と、複数のオブジェクトビューワ(例えば241、243)の両方を、各コンピュータプラットフォームタイプに対し一つずつ格納する必要があった。しかしながら、本発明を用いると、一種類のバイトコードバージョンのプログラムを配布することによって、多様なユーザをサポートすることができる。
【0021】
図3に、本発明に従った分散型コンピュータシステム250を示す。第1コンピュータノード252は、例えばインターネットのようなコンピュータコミュニケーションネットワーク266を介して第2コンピュータノード254につながっている。ここでもまた、従来と同様に、第1コンピュータノード252と第2コンピュータノード254が、別個のコンピュータプラットフォーム及びオペレーティングシステム255、256を用い、一方のコンピュータで実行されるオブジェクトコードプログラムが他方のコンピュータで実行できなくても良い。例えば、図2を参照して上述したように、サーバノード254がUnixオペレーティングシステムを用いたサンマイクロシステムズ社のコンピュータで、ユーザワークステーションノード252が80486マイクロプロセッサとマイクロソフト社のDOSオペレーティングシステムを用いたIBM互換機であってもよい。第1コンピュータノード252は、CPU257、ユーザインタフェース258、主メモリ(RAM)260、補助記憶装置(ディスク記憶装置)262、及びコンピュータコミュニケーションネットワーク266に第1コンピュータノード252を接続するためのモデムその他のコミュニケーションインタフェース264を含んでいる。ディスク記憶装置262は、CPU257によって実行されるプログラムを格納する。これらのプログラムの少なくとも一つは実行可能形式のバイトコードプログラム267である。説明のため、第1コンピュータノード252が、第2コンピュータノード254からコンピュータコミュニケーションネットワーク266を介してバイトコードプログラム267を受け取ることとする。その詳細について、クラスローダと共に以下に説明する。
【0022】
好適実施例では、バイトコードプログラムはOAKアプリケーションとして書かれており、コンパイルまたはインタープリットされて、一連の実行可能な命令になる。OAK命令セットの全ソースコードバイトコード命令(source code bytecode instructions)のリストを表1に示す。OAK命令セットは、データタイプに依存する(即ちデータタイプが特定されている)バイトコード命令によって特徴付けられる。詳述すると、OAK命令セットでは、異なるデータタイプに対する同じ基本操作に別個の操作コード(opcode)を付すことによって、それらを区別している。その結果、同じ基本機能(例えば2つの数字の加算)を実行するために、それぞれ対応する特定のデータタイプのデータだけを処理する複数のバイトコードが命令セット内に含まれている。更に、OAK命令セットに含まれていない命令についても注意されたい。例えば、OAK言語命令セットには“計算されたgoto(computed goto)”命令はなく、オブジェクトリファレンスを変更したり、新たなオブジェクトリファレンスを生成する命令もない(既存のオブジェクトリファレンスのコピー命令は除く)。OAK命令セットに関するこれらの2つの制約は、他の制約とともに、OAK命令セットに含まれるデータタイプが特定された命令と同じようにデータを用いるバイトコードプログラムであれば、ユーザのコンピュータシステムの保全性を損なうことはないということを保証するのに役立っている。
【0023】
好適実施例では、使用可能なデータタイプは、整数、倍長整数(long integer)、ショートインテジャ(16ビット信号の整数)、単精度浮動小数点数、倍精度浮動小数点数、バイト、キャラクタ、及びオブジェクトポインタ(本明細書中では、オブジェクトリファレンスと呼ぶこともある)がある。各“オブジェクトリファレンス”データタイプはデータタイプの一部としてオブジェクトクラス仕様(object class specification)を含むことができるため、“オブジェクトリファレンス”データタイプに含まれるデータのサブタイプの数には実質的に制限がない。更に、プログラム内で用いられる定数もデータタイプを有しており、好適実施例で使用される定数のデータタイプには、上述したデータタイプに加えて、class、fieldref、methodref、string、及びAscizが含まれる。それらは全て特定の目的を持った2バイト以上の定数データを表す。
【0024】
データタイプに依存しないバイトコードの中には、スタック操作機能を有するものがいくつかある。スタック操作機能には(A)スタック上の1または複数のワードを複製して、それらをスタック内の特定の位置に配置し、それによってデータタイプが既知のより多くのスタックアイテム(stack item)を生成する機能、(B)1または複数のアイテムをスタックから消去する機能などが含まれる。他の少数のデータタイプに依存しないバイトコードには、スタック上のワードを全く用いずスタックを変化させなかったり、あるいは、スタック上にあるワードを使用することはないがスタックにワードを加えたりするものがある。これらのバイトコードは、それらが実効される前のスタックの内容についてデータタイプに関する制約はないが、スタック内のアイテムのデータタイプに関してスタックの内容を変化させる。ただし、その変化のさせかたは全く予測可能である。従って、スタック内の全てのオペランドのデータタイプ及びその数は、100%の精度で常に予測(即ち計算)可能である。
【0025】
第2コンピュータノード254(ここではファイルまたは他の情報サーバとして構成されているものとする)は、CPU268、ユーザインタフェース270、主メモリ(RAM)272、補助記憶装置(ディスク記憶装置)274、及びコンピュータコミュニケーションネットワーク266に第2コンピュータノードを接続するためのモデムその他のコミュニケーションインタフェース276を含んでいる。ディスク記憶装置274は、ディスクディレクトリ280、第1オブジェクト283を含むオブジェクト282、ビューワライブラリ284、及びCPU268によって実行されたり、及び/または他のコンピュータノードに配布されたりするプログラム286(それらのうちの少なくとも一つはコンピュータノード252に転送されるバイトコードプログラム267である)を含んでいる。
【0026】
図3に示されているように、第1コンピュータノード252の補助記憶装置262内には、他のコンピュータノードからオブジェクトビューワやオブジェクトを検索(即ちダウンロード)し、格納したオブジェクトビューワを呼び出してオブジェクトを見るためのクラスローダプログラム296が格納されている。また、クラスローダ296は、ダウンロードされたオブジェクトビューワがユーザによって起動される前に、そのビューワを(エンドユーザワークステーションノードに於いて)自動的にベリファイし、その保全性をチェックする。
【0027】
この特許出願の目的に於いては、対応するビューワを用いることによって“見る”ことが可能な“オブジェクト”は、(A)JPEG、GIF、MPEG、あるいはMPEG2データといった特定のタイプまたはフォーマットのデータを含むファイルその他のデータ構造の、メソッド(method)またはソフトウェアが組み込まれていないデータオンリー型オブジェクト(data-only type of object)、あるいは(B)1または複数のメソッドが組み込まれており、オプションとしてデータも含み得るファイルその他のデータ構造の、メソッド格納型オブジェクト(method-storing object)のいずれかである。例えばJPEGやGIFのようなイメージデータタイプを格納しているデータオンリー型オブジェクトを見るため、あるいは、例えばMPEGやMPEG2のようなビデオプログラムデータタイプを格納しているデータオンリー型オブジェクトを見るためには、特定のビューワが必要であろう。他の例として、データの図表を見るためのビューワや、(解読のキーがユーザに既知の場合)暗号化されたデータを見るためのデータ解読ソフトウェアが含まれたビューワなどがあり得る。
【0028】
更に、様々なタイプの内部プログラムを用いたメソッド格納型オブジェクトに対して特定のビューワが必要となることがある。例えば、様々なメソッド格納型オブジェクトの様々なタイプの内部プログラムが、特定の記述言語を用いていたり、ユーティリティプログラムの様々なライブラリの使用を仮定していたりすることによって、特定のビューワが必要となることがある。
【0029】
“ビューワ(インタープリタと呼ぶこともある)”は、指定されたオブジェクト内のデータ及び/または命令のデコードを行う。また、一般に特定のデータタイプまたはクラスのオブジェクトを使用可能にするために必要とされている計算及び処理を全て実行する。本発明では、そのようなオブジェクトビューワは、ソースコードバイトコード言語(source code bytecode language)で書かれたバイトコードプログラムであり、各オブジェクトビューワの保全性は、バイトコードプログラムベリファイヤ240を実行することによって、エンドユーザにより個別にベリファイすることができる。バイトコードプログラムのベリフィケーションについて、以下により詳細に説明する。
【0030】
分散型コンピュータシステム250は、本発明によるプラットフォームに依存しないオブジェクトビューワを含むことができるとともに、プラットフォームに依存し、本発明によるバイトコードプログラムベリファイヤ240及びクラスローダ296を用いてベリファイすることのできない他のオブジェクトビューワも含むことができるという点に注意されたい。このようなハイブリッドシステムでは、本発明による自動ビューワ保全性ベリフィケーションは、バイトコードビューワプログラムに対しては利点があるが、他のビューワプログラムに対しては利点がない。
【0031】
クラスローダ296は、遠隔にあるサーバからのオブジェクトビューワ及びオブジェクトのロード及びベリフィケーション用実行可能プログラムである。例えば、インターネットのWWW上である文献を検索するとき、その文献のあるページに他の文献またはオブジェクトへのリファレンスが含まれていることがある。ユーザは、そのような他の文献またはオブジェクトに、関連するハイパーリンクを介して所与のオブジェクトを選択することによってアクセスすることができる。そのような選択操作は、通常、ワークステーションノード上のグラフィカルユーザインタフェースを利用して、ポインタデバイスを用いてハイパーリンク選択を表すグラフィックイメージを指し示し、ポインタデバイス上のボタンを押すことによって、ユーザにより為される。
【0032】
選択プロセスに於いて、そのとき見ている文献またはオブジェクトにリファレンスが含まれている他の文献またはオブジェクトの中には、データタイプがユーザのワークステーションに既知でないものもあるだろう。本発明のクラスローダは“既知でない”データタイプに対応するビューワを見つけると共に、ダウンロードされたバイトコードプログラムがユーザによって実行される前に、それらの保全性をベリファイするのに用いられる。
【0033】
クラスローダ296には3つの主要な機能がある。第1に、クラスローダはダウンロードされたオブジェクト(及びそれらの関連するバイトコードプログラム)のデータタイプをチェックし、ユーザワークステーションが、その固有の記憶装置262に格納されている“ビューワライブラリ”298内に、対応するビューワを有しているかどうかを調べる。第2に、適切なビューワを見つけることができなかった場合、クラスローダは、ソースサーバと、認識している他のサーバとに対してサーチルーチンを実行し、適切なビューワを見つけてダウンロードすることを試みる。ビューワを見つけることができなかった場合は、ダウンロードされているオブジェクト及び/またはバイトコードプログラムを、適切なビューワがないという理由でリジェクトする。最後に、リモートソースに適切なビューワが見つかった場合、クラスローダは、バイトコードベリファイヤ240を起動し、バイトコードプログラムインタープリタ242によってビューワが実行される前に、またはバイトコードプログラムコンパイラ244によってコンパイルされる前に、ダウンロードされたビューワをチェックする。ベリフィケーション後、ダウンロードされたビューワは、ユーザのローカルビューワライブラリ298内に格納される。
【0034】
図3、図4及び付録1には、クラスローダプログラム296の動きが、関連するオブジェクトを介したバイトコードプログラムの検索に対し詳細に記載されている。付録1は、クラスローダプログラムを表す疑似コード(pseudocode)のリストである。付録1で用いられている疑似コードは、本質的には、従来の汎用コンピュータ言語を用いたコンピュータ言語と同等である。本願中で用いられている疑似コードは、本発明を説明する目的で作られたものであり、本分野で標準的な知識を有するコンピュータプログラマであれば容易に理解することができるように意図して書き下してある。
【0035】
図4に示されているように、ユーザワークステーション252は、ダウンロードされるオブジェクト283が格納されているサーバ254への接続を開き、ダウンロードプロセスを開始する(304)。クラスローダ296は、オブジェクトのハイパーリンク選択により、オブジェクトバイトコードプログラムの転送を開始し、サーバ254は参照されるオブジェクトに対する“ハンドル(handle)”を、ユーザワークステーション252に転送する(306)。ハンドルは、参照されるオブジェクト本体に先だって検索される。また、ハンドルには、オブジェクトのデータタイプ(オブジェクトクラスと呼ぶこともある)を含む、被参照オブジェクトの属性に関する情報が含まれる。
【0036】
最初のチェックに於いて、検索されるオブジェクトに関連するデータタイプが、ユーザシステムに既知であるかどうかが判定される(308)。詳述すると、クラスローダは、ユーザワークステーション252の補助記憶装置262内にあるビューワライブラリ298をサーチして、特定のデータタイプを有するこのオブジェクトに対する適切なビューワが、アクセス可能かどうかチェックする。ビューワライブラリ298には、その時々に於いてユーザワークステーションによってアクセス可能な全てのデータタイプのビューワと、それらのメモリ内の位置とを示すリストが含まれている。このようにして、クラスローダは、参照されるオブジェクト本体を実際にダウンロードする前に、最初のハンドシェイクプロセスに於いてダウンロードされるオブジェクトを前処理し、そのオブジェクトとユーザワークステーションプラットフォームのコンパチビリティをチェックする。適切なビューワが見つかった場合、クラスローダは被参照オブジェクトのダウンロードを完了する(310)。
【0037】
適切なビューワが、ビューワライブラリ298内に見つからなかった場合(即ち、選択されたオブジェクトのデータタイプがユーザワークステーション252に既知でないことを意味する)、クラスローダは適切なビューワのサーチを行う。通常、ビューワのサーチを試みる最初の場所は、選択されたオブジェクトが格納されているのと同じサーバである。従って、クラスローダは、被参照オブジェクトが格納されているのと同じサーバに対して第2の接続を開き(312)、指示されているデータタイプに対応するビューワをリクエストする(314)。このサーバが適切なビューワを含んでいる場合、そのビューワはユーザワークステーションにダウンロードされる(315)。
【0038】
ビューワのダウンロードが完了すると、ダウンロードされたビューワがバイトコードプログラムの場合(316)、クラスローダは、バイトコードプログラムベリファイヤ240を呼び出して、そのビューワプログラムのベリフィケーションを開始する(317)。バイトコードプログラムベリファイヤ240は実行可能プログラムであり、CPU257によってバイトコードプログラムが実行される前に、指定されたバイトコード(ソース)プログラムを、スタック操作の適正さや、オペランドデータタイプコンパチビリティについてベリファイする。バイトコードベリファイヤプログラム240の動作については、後により詳細に説明する。ベリフィケーション結果が正常の場合(318)、サーバサーチャ(server searcher)はベリファイされたオブジェクトビューワをビューワライブラリ298内に格納し、新たなデータタイプビューワが使用可能になったことが反映されるようにライブラリ内のディレクトリを更新する(319)。ベリフィケーションが正常でなかった場合、ダウンロードされたビューワは削除される(320)。
【0039】
本発明の実施例には、自動ダウンロードが可能で、かつベリファイ可能なオブジェクトビューワとベリファイ不能なオブジェクトビューワの両方を使用することができるものもある。このような実施例では、オブジェクトビューワのダウンロード(315)の後、ダウンロードされたオブジェクトビューワがバイトコードプログラムでない場合(316)、そのオブジェクトビューワをアクセプトするか否かに対し判定がなされる(321)。例えば、そのオブジェクトビューワをアクセプトするかどうかユーザに質問してもよく、あるいはそのようなオブジェクトビューワをアクセプトするかどうかを予め決めてコンフィギュレーションファイル(configuration file)に含ませておいてもよい。ベリファイ不能なオブジェクトビューワがアクセプトされる場合、そのオブジェクトビューワはビューワライブラリ内に格納される(319)。アクセプトされない場合、ダウンロードされたビューワは削除される(320)。
【0040】
サーバもユーザワークステーションも適切なビューワを格納しておらず、ステップ308及び314で、選択されたオブジェクトに対し用いるのに適切なビューワが見つからなかった場合、クラスローダは、ユーザワークステーションに認識されている他のサーバまたはリモートユーザワークステーション(例えば認識されているサーバのリスト327)を含むように探索範囲を広げる。再度図3を参照されたい。図3に示されている第2サーバ324は、ビューワライブラリ326を有する補助記憶装置(ディスク記憶装置)325を含んでいる。適切なビューワが第2サーバ324のビューワライブラリ326内で見つかった場合、クラスローダは、上述したステップ315〜321に従って、そのビューワプログラムをダウンロードしベリファイする。クラスローダはこのプロセスを繰り返し、全ての認識されているリソースについて調べ尽くすか、または適切なビューワを見つけてベリファイするまで、順次サーバをチェックする。最終的に、適切なビューワを見つけることができなかった場合、被参照オブジェクトのダウンロードはアボートされ、被参照オブジェクトに対応するビューワが見つからなかったことをユーザに通知するべく、ユーザメッセージが生成される(328)。
【0041】
上述したように、適切なオブジェクトビューワが予めユーザワークステーション上のビューワライブラリ298に格納されていた場合(308)、或いは適切なオブジェクトビューワのダウンロード、ベリフィケーション、及びユーザビューワライブラリへの組み込みが成功した場合、選択されたオブジェクトのロードが完了する(310)。ダウンロードされたオブジェクトに1または複数のバイトコードプログラムが組み込まれている場合、従ってメソッド格納型オブジェクトである場合(330)、ダウンロードされたオブジェクト内のバイトコードプログラムは、これらの組み込みプログラムに関し、バイトコードベリファイヤを実行することによりベリファイされる(332)。組み込みプログラムの処理が終了し、ベリファイヤが“成功”リターンコードを生成する場合(334)、ダウンロードされたオブジェクトは対応するオブジェクトビューワによって見ることができる(335)。ベリファイヤの要求に従わないプログラムを検出することによって、ベリファイヤが組み込みプログラムの処理をアボートした場合(334)、ダウンロードされたオブジェクトは削除され(336)、適切なユーザメッセージが生成される。
【0042】
ダウンロードされたオブジェクトに組み込みバイトコードプログラムが含まれていない場合(330)、ステップ332乃至334はスキップされ、オブジェクトは適切なビューワによって見ることができる(335)。
【0043】
再度図3を参照されたい。図示されているように、第1コンピュータノード252は、その補助記憶装置262内に、指定されたバイトコードプログラムの保全性をベリファイするためのバイトコードベリファイヤプログラム240と、指定されたバイトコードプログラムを実行するためのバイトコードインタープリタ242を格納している。別の手段として、または追加して、第1コンピュータノード252は、ベリファイされたバイトコードプログラムをオブジェクトコードプログラムに変換し、インタープリタ242より効率的にバイトコードプログラムを実効するバイトコードコンパイラ244を格納していてもよい。
【0044】
バイトコードベリファイヤ240は実行可能プログラムであり、バイトコードプログラムがバイトコードインタープリタ242の制御下でCPU257によって実行される前に(またはバイトコードプログラムがコンパイラ244によってコンパイルされる前に)、指定されたバイトコード(ソース)プログラムに於けるスタック操作の適正さや、オペランドデータタイプコンパチビリティをベリファイする。各バイトコードプログラム267(ダウンロードされたオブジェクトベリファイヤを含む)は、対応するベリフィケーションステータス302を有しており、この値はプログラムが他の場所からダウンロードされたとき、最初“偽(False)”にセットされる。プログラムに対するベリフィケーションステータス302は、プログラムがベリファイされ、ベリファイヤ240によって行われるデータタイプテスト及びスタックの使用に関するテストの全てに適合したときのみバイトコードベリファイヤ240によって“真(True)”にセットされる。
【0045】
バイトコードプログラムベリファイヤ
図5を参照されたい。バイトコードプログラムベリファイヤ240の処理について、特定のバイトコードプログラム340に関連して説明する。ベリファイヤ240は、ベリフィケーションプロセスに於いて必要とする情報を格納するため、いくつかの一時的なデータ構造(temporary data structure)を使用する。特に、ベリファイヤ240は、スタックカウンタ342、仮想スタック344、仮想ローカル変数アレイ345、及びスタックスナップショット格納構造346を使用する。
【0046】
スタックカウンタ342は、仮想スタック操作を追跡し、その時々の仮想スタック344のエントリ数が反映されるように、ベリファイヤ240によって更新される。
【0047】
仮想スタック344は、実際の実行時にバイトコードプログラム340によってオペランドスタック内に格納される各データに関するデータタイプ情報を格納する。好適実施例では、仮想スタック344は正規のスタックと同様に用いられるが、実際のデータ及び定数を記憶するのではなく、プログラムを実際に実行したときオペランドスタック内に格納される各データに対応するデータタイプを示す値を格納する点が異なる。従って、例えば、もし実際に実行したとき、スタックに3つの値:
HandleToObjectA
5
1
が格納されるとすると、対応する仮想スタックエントリは、
R
I
I
となる。ここで、仮想スタック内の“R”は、オブジェクトリファレンスを示し、仮想スタック内の各“I”は、整数を示す。更に、この例では、スタックカウンタ342は、仮想スタック344に格納されている3つの値に対応して、値3を格納する。
【0048】
各データタイプのデータには、対応する仮想スタックマーカ値(例えば、整数(I)、倍長整数(L)、単精度浮動小数点数(F)、倍精度浮動小数点数(D)、バイト(B)、ショート(S)、オブジェクトリファレンス(R))が割り当てられる。オブジェクトリファレンスに対するマーカ値には、しばしばオブジェクトクラス値が含まれる(例えば、R:point、ここで“point”はオブジェクトクラスである)。
【0049】
仮想ローカル変数アレイ345は、仮想スタック344と同じ基本機能を果たす。即ち、仮想ローカル変数アレイ345は、指定されたバイトコードプログラムが使用するローカル変数に対するデータタイプ情報を格納するのに用いられる。データは、しばしばプログラムによってローカル変数とオペランドスタックとの間で転送されるため、そのようなデータ転送を実行するか、あるいはそのようなデータ転送はしないがローカル変数を使用するようなバイトコード命令についてチェックすることにより、各バイトコード命令によってアクセスされるローカル変数が、これらのバイトコード命令に関するデータタイプの制約に適合するということを保証することができる。
【0050】
動作時、ベリファイヤ240は、スタックからのデータのポップ(pop)をリクエストする各データバイト命令を処理するとともに、同数のデータタイプ値を仮想スタック344からポップする。続いて、ベリファイヤは仮想スタック344から“ポップされた”データタイプ値と、バイトコード命令のデータタイプに関する要求とを比較する。同様に、スタックにデータをプッシュするようにリクエストする各バイトコード命令に対し、ベリファイヤは、対応するデータタイプ値を仮想スタックにプッシュする。
【0051】
本発明によるプログラムベリフィケーションの一側面によると、オペランドスタックステータス(operand stack status)に於けるオペランドの数とデータタイプが、ある特定の命令が実行されるとき常に同一となるかという点についてベリフィケーションがなされる。ある特定のバイトコード命令が2以上の異なる命令の直後に処理され得る場合、これらの異なる先行命令の各々を処理した直後の仮想スタックステータスを比較する必要がある。通常、これらの異なる先行命令の内の少なくとも一つは、条件付きまたは無条件ジャンプまたは分岐命令である。上述したような“スタックの一致(stack consistency)”を要求する結果として、各プログラムループ(program loop)によって、オペランドスタック内に格納されるオペランド数の正味の増加や減少が起こるようなことはなくなる。
【0052】
スタックスナップショット格納構造346は、スタックカウンタ342及び仮想スタック344の“スナップショット”を格納するのに用いられ、プログラムの様々な点に於ける仮想スタックステータスを効果的に比較することを可能としている。格納されるスタックスナップショットの各々は、例えば: SC、DT1、DT2、DT3、...、DTnのような形であり、ここでSCはスタックカウンタの値、DT1は仮想オペランドスタック内の最初のデータタイプ値、DT2は仮想オペランドスタック内の2番目のデータタイプ値であり、DTnまで同様である。DTnは仮想オペランドスタック内の、全アイテム中最後のアイテムに対するデータタイプ値である。
【0053】
スタックスナップショット格納構造346は、ディレクトリ部348とスナップショット部350の2つに分かれる。ディレクトリ部348はターゲット命令識別子(例えば、各ターゲット命令の絶対または相対アドレス)を格納するのに用いられ、スナップショット部350は、これらのターゲット命令識別子(target instruction identifier)に関連する仮想スタック344のスナップショットを格納するのに用いられる。“ターゲット”命令は、ジャンプまたは分岐命令の行き先となり得るバイトコード命令として定義される。例えば、条件付き分岐命令は、条件(満たされることも満たされないこともある)と、条件が成立したとき、処理が“ジャンプ”すべきプログラム内の場所(ターゲット)を示す分岐先支持部とを含む。条件付きジャンプ命令を評価する際、ベリファイヤ240は、スタックスナップショット格納構造346を用いて、ジャンプする直前の、ターゲット命令識別子をディレクトリ部348内に格納するとともに、仮想スタック344のステータスをスナップショット部350内に格納する。スタックスナップショット格納構造346の動作については、バイトコードベリファイヤプログラムの動作と共に、後により詳細に説明する。
【0054】
上述したように、バイトコードプログラム340は、データタイプに依存する複数の命令を含んでおり、それらの命令の各々は、本発明のベリファイヤ240によって評価される。バイトコードプログラム350は、スタック操作に関する命令352(スタックへの整数のプッシュ)及び354(スタックからの整数のポップ)、前方ジャンプ356とその関連するターゲット364、後方ジャンプ366とその関連するターゲット362、及びDOループ358とその終わり(end)360(DOループのタイプによって、条件付きまたは無条件分岐命令であってもよい)を含んでいる。本発明の好適実施例のベリファイヤ240は、スタック操作及びデータタイプコンパチビリティをベリファイするだけなので、このバイトコードベリファイヤの動作は、これらの代表的な命令セットを用いることによって説明することができる。
【0055】
図6乃至図12、及び付録2を参照して、バイトコードベリファイヤプログラム240の動作について以下に詳細に説明する。付録2は、ベリファイヤプログラムを疑似コードで表したものである。付録2の疑似コードは、本質的には、汎用コンピュータ言語形式を用いたコンピュータ言語と同等である。この疑似コードは、本発明の説明のためにのみ作られたものであって、本分野の通常の知識を有するコンピュータプログラマであれば容易に理解されるように意図して書かれている。
【0056】
図6に示されているように、ダウンロードされたバイトコードプログラムは、処理のためバイトコードベリファイヤ240にロードされる(400)。ベリファイヤ240は、オペランド及びローカル変数のデータタイプ情報を格納するため、メモリ内にアレイ状に位置を指定することによって、仮想スタック344及び仮想ローカル変数アレイ345を生成する(402)。同様に、ベリファイヤは、スナップショット情報を格納するため、メモリ内にアレイ上に位置を指定することによってスタックスナップショット格納構造を生成する(404)。最後に、ベリファイヤは、仮想スタックのエントリ数を追跡するためのスタックカウンタ342として働くレジスタを指定する(406)。
【0057】
第1パスは、条件付き及び無条件ジャンプ及びループ命令に関連するターゲット情報を抽出するべく、バイトコードプログラム内に形成されたものである。第1パスに於いて、ベリファイヤ300は全ての命令を順次処理していき(ステップ408、410、412)、命令が条件付きまたは無条件ジャンプ命令の場合(ステップ414)、かつそのジャンプに対するターゲット位置がまだディレクトリ348内に記憶されていない場合(ステップ418)、ターゲット位置を示す情報をスタックスナップショット格納構造346のディレクトリ部348に格納する(ステップ416)。例えば、ターゲット命令の絶対または相対アドレスを、ディレクトリ部348の次に使用可能なスロットに格納しても良い。他のタイプのバイトコード命令は、この第1パスでは無視される。
【0058】
プログラム内の全ての命令に対し処理が終了した後、ディレクトリ部348をソートして、リストアップされたターゲット位置をアドレス順に並び替えることが好ましい(420)。
【0059】
再度図5を参照されたい。図5では、説明のため、スタックスナップショット格納構造346は、既にベリフィケーションの第1パスがバイトコードプログラム350内に示されているバイトコード命令に基づいて終了したように、ディレクトリ部348内に情報が格納され、ロードされている。即ち、ディレクトリ部には、バイトコードプログラム内にある条件付き及び無条件ジャンプ命令の全てのターゲットのアドレスがロードされている。
【0060】
図7では、バイトコードプログラムによるオペランドスタック及びデータタイプの使用が適切かどうかをベリファイするため、バイトコードプログラムの第2のパスが開始される。バイトコードプログラムの最初の命令が選択されると(430)、ベリファイヤは、選択された命令に対するアドレスが、上述した第1パスに於いて既にスタックスナップショット格納構造346のディレクトリ部348内に格納されているかどうかチェックする(432)。
【0061】
選択された命令のアドレスがディレクトリ348内にある場合(即ち、選択された命令が条件付きまたは無条件ジャンプのターゲットであることを意味している)、ベリファイヤは関連するスタックスナップショットがスタックスナップショット格納構造346のスナップショット部350内に格納されているかどうかをチェックする(434)。スタックスナップショットが格納されていない場合(即ち、命令が後方ジャンプのターゲットであることを意味する)、スタックカウンタ及び仮想スタックの内容が、スタックスナップショット格納構造346内に格納される(436)。スナップショットは、処理中の命令を実行する直前の仮想スタックのステータスに関する情報を含み、それにはスタックにプッシュされている各データに対するデータタイプ値も含まれる。ベリファイヤは、その後ベリフィケーションプロセスを続け、後に述べるように、ステップ450からは個々の命令に対し解析を開始する。
【0062】
スタックスナップショットが、選択されている命令に対し格納されている場合(このターゲット命令に関連するジャンプ命令が既に処理されているということを意味する)、ベリファイヤは、スタックスナップショット格納構造346のスナップショット部350内に格納されている、この命令に対する仮想スタックスナップショット情報と、仮想スタックのそのときの状態とを比較する(438)。比較の結果、仮想スタックの状態とスナップショットとがマッチしないことが示された場合(スタックステータスミスマッチ)、スタックステータスミスマッチが発生したバイトコードプログラム内の場所を示すエラーメッセージまたは信号が生成される(440)。好適実施例では、仮想スタックとスナップショットが同数または同タイプのエントリを含んでいない場合にミスマッチが発生する。ベリファイヤは、その後、そのプログラムが“偽(False)”であることを示すようにベリフィケーションステータス245をセットし、ベリフィケーションプロセスをアボートする(442)。プログラムが“偽”であることを示すようにベリフィケーションステータス245をセットすることにより、バイトコードインタープリタ242によるプログラムの実行が阻止される(図3)。
【0063】
選択されている命令に対し既に格納されているスタックスナップショットと、その時の仮想スタックの状態とがマッチする場合(438)、ベリファイヤはベリフィケーションプロセスを続け、後に述べるようにステップ450から個々の命令に対して分析を開始する。
【0064】
選択されている命令のアドレスがスタックスナップショット格納構造346のディレクトリ部348内に見つからない場合、またはスタックステータスミスマッチが検出されない場合、ベリファイヤは、その命令特有のスタック使用法及び機能に応じて、命令に対する一連のチェックのうち、いくつかを選択して実行する。
【0065】
図8を参照されたい。最初に行われるチェックは、オペランドスタックからデータをポップさせる命令に関する。選択されている命令によってデータがスタックからポップされる場合(450)、スタックカウンタが調べられ、命令のデータポップ要求を満足する十分なデータがスタック内にあるかどうかが判定される(452)。
【0066】
オペランドスタックがその命令に対し十分なデータを持っていない場合(452)、これはスタックアンダーフローと呼ばれ、スタックアンダーフローが検出されたプログラム内の場所を示すエラー信号またはメッセージが生成される(454)。更にベリファイヤはプログラムが“偽”であることを示すようにベリフィケーションステータス245をセットし、ベリフィケーションプロセスをアボートする(456)。
【0067】
スタックアンダーフロー状態が検出されない場合、ベリファイヤは、予め仮想スタック内に格納されているデータタイプコード情報と、(もしあれば)選択されている命令のデータタイプ要求とを比較する。例えば、分析されるている命令の操作コード(opcode)がスタックからポップされた値の整数型の加算(integer add)を要求する場合、ベリファイヤは、ポップされている仮想スタックのアイテムのオペランド情報を比較して、それが適切なデータタイプであること、即ち整数であることを確認する。比較がマッチする結果となった場合、ベリファイヤは、ポップされているエントリに関連する情報を仮想スタックから削除し、仮想スタック344からポップされたエントリ数が反映されるようにスタックカウンタ342を更新する。
【0068】
仮想スタック344のポップされているエントリのオペランド情報と、選択されている命令のデータタイプ要求との間でミスマッチが検出された場合(458)は、ミスマッチがバイトコードプログラム内のどこで発生したかを示すメッセージが生成される(462)。更に、ベリファイヤは、プログラムが“偽”であることを示すようにベリフィケーションステータス245をセットし、ベリフィケーションプロセスをアボートする(456)。これで、ポップベリフィケーションプロセスが終了する。
【0069】
次に、図9を参照されたい。選択されている命令がデータをスタックにプッシュしようとする場合(470)、スタックカウンタが調べられ、その命令がプッシュしようとするデータを格納するための十分な余地がスタックにあるかどうかが判定される(472)。オペランドスタックに、その命令がプッシュしようとするデータを格納するための十分な余地がない場合(472)、これはスタックオーバフローと呼ばれ、スタックオーバフローが検出されたプログラム内の場所を示すエラー信号またはメッセージが生成される(474)。更に、ベリファイヤは、プログラムが“偽”であることを示すようにベリフィケーションステータス245をセットし、ベリフィケーションプロセスをアボートする(476)。
【0070】
スタックオーバフロー状態が検出されない場合、ベリファイヤは、選択されている命令によってスタックにプッシュされる各データに対し、(実際にプログラムが実行される際に)オペランドスタックにプッシュされるデータ(オペランド)のタイプを示すエントリを仮想スタックに加える(478)。この情報は、本発明の好適実施例のバイトコードプログラムで用いられている、データタイプが特定された操作コードから導かれる。また、ベリファイヤは、スタックカウンタ342を更新して、仮想スタックに追加された1または複数のエントリが反映されるようにする。これでスタックプッシュベリフィケーションプロセスが終了する。
【0071】
図10を参照されたい。選択されている命令により、通常の逐次的ステップを飛び越すような、条件付きまたは無条件の前方ジャンプまたは分岐が発生する場合(480)、ベリファイヤは、まずそのジャンプ命令のターゲット位置に対するスナップショットがスタックスナップショット格納構造346内に格納されているかどうかをチェックする。スタックスナップショットが格納されていない場合、(そのジャンプに関連する仮想スタックの更新がなされた後の)仮想スタック状態が、スタックスナップショット格納構造346内の、そのターゲットプログラム位置に関連する位置に格納される(484)。このジャンプに関連するスタックポップ操作は、既に実行されているステップ460に於いて仮想スタック内に反映されていることに注意されたい(図8参照)。
【0072】
スタックスナップショットが格納されている場合(このターゲットに関連する他のエントリポイント(entry point)が既に処理されていることを示す)、ベリファイヤは、スタックスナップショット格納構造346のスナップショット部350内に格納されている仮想スタックスナップショット情報と、仮想スタックのその時の状態とを比較する。比較の結果、スナップショットと仮想スタックの状態とがマッチしていないことが示された場合(スタックステータスミスマッチ)、スタックステータスミスマッチが発生したバイトコードプログラム内の場所を示すエラーメッセージが生成される(488)。好適実施例では、スナップショットとその時の仮想スタックが、同数または同タイプのエントリを含んでいないときミスマッチが発生する。更に、その時の仮想スタック内の1以上のデータタイプ値が、スナップショット内の対応するデータタイプ値に一致しないときにもミスマッチが発生する。ベリファイヤは、その後プログラムが“偽”であることを示すようにベリフィケーションステータス245をセットし、ベリフィケーションプロセスをアボートする(490)。ステップ486でスタックステータスマッチングが検出された場合、ベリファイヤはステップ500へと処理を継続する(図11)。
【0073】
図11を参照されたい。選択されている命令によってプログラムの後方に向かう条件付きまたは無条件ジャンプまたは分岐が発生する場合(ステップ500)、ベリファイヤは、スタックスナップショット格納構造346のスナップショット部350内に格納されている、その後方ジャンプのターゲットに関連する仮想スタックスナップショット情報(ステップ436で格納した)と、仮想スタックのその時の状態とを比較する。比較の結果、スナップショットとその時のステータスがマッチしないことが示された場合(スタックステータスミスマッチ)、スタックステータスミスマッチが発生したバイトコードプログラム内の場所を示すエラーメッセージが生成される(504)。好適実施例では、ミスマッチは、その時の仮想スタックとスナップショットが同数または同タイプのエントリを含んでいないか、あるいは仮想スタック内のデータタイプエントリのどれかが、スナップショット内の対応するデータタイプエントリとマッチしない場合に発生する。ベリファイヤは、その後プログラムが“偽”であることを示すようにベリフィケーションステータス245をセットし、ベリフィケーションプロセスをアボートする(506)。
【0074】
スタックステータスがマッチしていることが検出されるか(ステップ502)、または命令が後方ジャンプでない場合(ステップ500)、ベリファイヤはステップ510へと処理を継続する。
【0075】
選択されている命令が、ローカル変数からデータを読み出す場合(510)、ベリファイヤは対応する仮想ローカル変数内に予め格納されているデータタイプコード情報と、(もしあれば)選択されている命令のデータタイプ要求とを比較する。仮想ローカル変数に格納されているデータタイプ情報と選択されている命令のデータタイプ要求との間にミスマッチが検出された場合(512)、ミスマッチが発生したバイトコードプログラム内の場所を示すメッセージが生成される(514)。その後、ベリファイヤはプログラムが“偽”であることを示すようにベリフィケーションステータス245をセットし、ベリフィケーションプロセスをアボートする(516)。
【0076】
その時選択されている命令がローカル変数からデータを読み出さない場合(510)、またはステップ512に於けるデータタイプの比較がマッチする結果となった場合、ベリファイヤは、選択されている命令の処理を更にステップ520へと継続する。
【0077】
図12を参照されたい。選択されている命令によってデータがローカル変数に格納される場合(520)、対応する仮想ローカル変数が調べられ、その仮想ローカル変数がデータタイプ値を格納しているかどうかが判定される(522)。その仮想ローカル変数がデータタイプ値を格納している場合(即ちそのデータは以前にそのローカル変数内に格納されたことを意味する)、ベリファイヤは、その仮想ローカル変数内にあるデータタイプ情報と、選択されているバイトコード命令に関するデータタイプとを比較する(524)。仮想ローカル変数内に格納されているデータタイプ情報と、選択されている命令によって要求されているデータタイプとの間にミスマッチが検出されると(524)、ミスマッチが発生したバイトコードプログラム内の場所を示すメッセージが生成される(526)。その後、ベリファイヤはプログラムが“偽”であることを示すようにベリフィケーションステータス245をセットし、ベリフィケーションプロセスをアボートする(528)。
【0078】
選択されている命令が、ローカル変数にデータを格納しない場合(520)、選択されている命令に対する処理は終了する。選択されている命令によってデータがローカル変数内に格納されるが、その仮想ローカル変数がデータタイプ値を格納していない場合(即ち、そのローカル変数にデータを格納するような命令がベリファイヤによってまだ処理されていないことを示す)、選択されているバイトコード命令に関連するデータタイプが、その仮想ローカル変数に格納される(ステップ530)。
【0079】
続いて、ベリファイヤは、その命令が処理中のバイトコードプログラム340の最後の命令であるかどうかをチェックする(540)。処理すべき命令がまだ残っている場合、ベリファイヤは次の命令をロードし(542)、ベリフィケーションプロセスをステップ432から繰り返す。それ以上処理する命令がない場合は、ベリファイヤはプログラムが“真”であることを示すようにベリフィケーションステータス245をセットし(544)、ベリフィケーションプロセスの終了を伝える。
【0080】
バイトコードインタープリタ
図13のフローチャート及び付録3を参照しつつ、バイトコードインタープリタ242の動作について説明する。付録3は、バイトコードインタープリタを疑似コードで表したものである。
【0081】
指定されたバイトコードプログラムが与えられた場合、即ち、実行すべきプログラムとして選択された後(560)、バイトコードプログラムインタープリタ242は、指定されたバイトコードプログラムの保全性をベリファイするべく、バイトコードベリファイヤ240を呼び出す(562)。バイトコードベリファイヤについては既に上述した。
【0082】
ベリファイヤが“ベリフィケーション失敗(verification failure)”をリターンしてきた場合(564)、指定されたバイトコードプログラムのインタープリタによって実行されることなくアボートされる(566)。
【0083】
ベリファイヤ242が“ベリフィケーション成功”をリターンしてきた場合(564)、指定されたバイトコードプログラムはリソースユーティリティプログラムにリンクされ(568)、更に、そのプログラムによって参照される他のプログラム、関数、及びオブジェクトにもリンクされる。そのようなリンク過程は多くのプログラムインタープリタに於ける従来の前処理(pre-execution)過程と同様である。その後リンクされたバイトコードプログラムはインタープリタによってインタープリットされ実行される(570)。本発明のバイトコードインタープリタは、プログラムの実行中、オペランドスタックオーバフロー及びアンダーフローのチェックをしない。また、オペランドスタック内に格納されているデータに対するデータタイプのチェックもしない。このような従来インタープリット過程で行われていたスタックオーバフロー/アンダーフロー、及びデータタイプのチェックは、本発明では省略することができる。これは、ベリファイヤによって、このようなエラーがプログラム実行中に発生しないことが既にベリファイされているためである。
【0084】
本発明のプログラムインタープリタは、何度も繰り返し実行される命令ループ(instruction loop)を有するバイトコードプログラムの実行に対し、特に効果的である。なぜなら、本発明では、そのような各命令ループ内の各バイトコードに対して、オペランドスタックチェック命令は一度だけしか行われないからである。対照的に、従来のインタープリタによるプログラムの実行に於いては、インタープリタは、オーバフロー(即ち、スタックが格納できるより多くのデータがスタックに加えられる)やアンダーフロー(即ち、スタックが空の時にスタックからデータをポップしようとする)が生じていないかどうか、オペランドスタックを連続的にモニタする必要がある。そのようなスタックモニタリングは、通常、スタックのステータスを変化させる全ての命令(即ち、ほとんど全ての命令)に対して実行しなければならない。多くのプログラムで、インタープリタによって実行されるスタックモニタリング命令は、インタープリットされるコンピュータプログラムの実行時間の約80%に達する。その結果、本発明のインタープリタは、しばしば、同じコンピュータ上で実行される従来のプログラムインタープリタの2倍から5倍の速さでプログラムを実行する。
【0085】
本発明の特定の実施例について行った上述の説明は、例示を目的としたものであり、本発明を網羅的に記載することを意図したものでも、本発明を開示した形態そのものに限定することを意図したものでもなく、上述したことから多くの変形変更が可能であることは明らかであろう。上記の実施例は、本発明の原理とその実際的な応用が最も良く説明されるように選択及び記述したものであり、それによって当業者が本発明を最も良く利用して、特定の使用に合うように様々な改良を加えた変形実施態様が可能なようにしたものである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって画定される。
【0086】
【実施例】
【0087】
【0088】
【0089】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ネットワークを介して接続された2つのコンピュータを示している。
【図2】図2は、ネットワークを介して接続された2つのコンピュータを示しており、それらのコンピュータのうち少なくとも一つは、様々な実行可能形式のソースプログラムの複数のコピーを格納するための補助記憶装置(ディスク記憶装置)を含んでいる。
【図3】図3は、ネットワークを介して接続された2つのコンピュータを示しており、それらのコンピュータのうち少なくとも一つは、本発明によるバイトコードプログラムベリファイヤとクラスローダを含んでいる。
【図4】図4は、本発明の好適実施例に従って、リモートサーバ内にあるビューワとバイトコードプログラムにアクセスするためのロードプロセスのフローチャートである。
【図5】図5は、本発明によるバイトコードプログラムのベリフィケーションに於いてバイトコードベリファイヤによって維持されるデータ構造を示している。
【図6】図6は、本発明の好適実施例に於けるバイトコードプログラムベリフィケーションプロセスのフローチャートの一部である。
【図7】図7は、本発明の好適実施例に於けるバイトコードプログラムベリフィケーションプロセスのフローチャートの一部である。
【図8】図8は、本発明の好適実施例に於けるバイトコードプログラムベリフィケーションプロセスのフローチャートの一部である。
【図9】図9は、本発明の好適実施例に於けるバイトコードプログラムベリフィケーションプロセスのフローチャートの一部である。
【図10】図10は、本発明の好適実施例に於けるバイトコードプログラムベリフィケーションプロセスのフローチャートの一部である。
【図11】図11は、本発明の好適実施例に於けるバイトコードプログラムベリフィケーションプロセスのフローチャートの一部である。
【図12】図12は、本発明の好適実施例に於けるバイトコードプログラムベリフィケーションプロセスのフローチャートの一部である。
【図13】図13は、本発明の好適実施例に於けるバイトコードプログラムインタープリットプロセスのフローチャートである。
【符号の説明】
100 従来の分散型コンピュータシステム
102 第1コンピュータ
103 コンピュータプログラム
104 第2コンピュータ
106 CPU
108 ユーザインタフェース
110 主メモリ(RAM)
112 補助記憶装置
113 オペレーティングシステム
114 コミニュケーションインタフェース(モデム)
120 コンピュータネットワーク
200 従来の分散型コンピュータシステム
202 第1コンピュータノード(ユーザワークステーションノード)
204 第2コンピュータノード(サーバノード)
206 CPU
208 ユーザインタフェース
210 主メモリ(RAM)
212 補助記憶装置(ディスク記憶装置)
214 コミュニケーションインタフェース(モデム)
216 コンピュータコミュニケーションネットワーク
218 CPU
220 ユーザインタフェース
222 主メモリ(RAM)
224 補助記憶装置(ディスク記憶装置)
226 コミュニケーションインタフェース(モデム)
228 ディスクディレクトリ
230 オブジェクト
232 ビューワライブラリ
234 プログラム
236 オペレーティングシステム
237 オペレーティングシステム
238 プログラム
239 プログラム
240 バイトコードプログラムベリファイヤ
241 ビューワ
242 バイトコードプログラムインタープリタ
243 ビューワ
244 バイトコードプログラムコンパイラ
245 ベリフィケーションステータス
250 本発明による分散型コンピュータシステム
252 第1コンピュータノード(ユーザワークステーションノード)
254 第2コンピュータノード(サーバノード)
255 オペレーティングシステム
256 オペレーティングシステム
257 CPU
258 ユーザインタフェース
260 主メモリ(RAM)
262 補助記憶装置(ディスク記憶装置)
264 コミュニケーションインタフェース(モデム)
266 コンピュータコミュニケーションネットワーク(インターネット)
267 バイトコードプログラム
268 CPU
270 ユーザインタフェース
272 主メモリ(RAM)
274 補助記憶装置(ディスク記憶装置)
276 コミュニケーションインタフェース(モデム)
280 ディスクディレクトリ
282 オブジェクト
283 オブジェクト
284 ビューワライブラリ
286 プログラム
296 クラスローダプログラム
298 ビューワライブラリ
302 ベリフィケーションステータス
324 第2サーバ
325 補助記憶装置(ディスク記憶装置)
327 認識されているサーバのリスト
326 ビューワライブラリ
340 バイトコードプログラム
342 スタックカウンタ
344 仮想スタック
345 仮想ローカル変数アレイ
346 スタックスナップショット格納構造
348 ディレクトリ部
350 スナップショット部
352 バイトコード命令
354 バイトコード命令
356 バイトコード命令
358 バイトコード命令
360 バイトコード命令
362 バイトコード命令
364 バイトコード命令
366 バイトコード命令
368 バイトコード命令
Claims (8)
- 複数の個別のコンピュータを有する分散型コンピュータシステムにおいて遠隔からダウンロードしたオブジェクトをユーザが見ることを可能ならしめるための第1コンピュータの動作方法であって、
(a)ユーザインタフェースデバイスが、前記第1コンピュータのユーザによる、第2コンピュータに対応する記憶装置に格納されたオブジェクトへのリファレンスの選択を可能ならしめる過程と、
(b)データタイプ判定手段が、前記選択されたオブジェクトのデータタイプを判定する過程と、
(c)サーチ手段が、前記選択されたオブジェクトのデータタイプに対応するビューワプログラムが前記第1コンピュータに対応する記憶装置に格納されているかどうか判定する過程と、
(d)前記ビューワプログラムが前記第1コンピュータに対応する記憶装置に格納されていないと判定されたとき、前記サーチ手段が、前記選択されたオブジェクトのデータタイプに対応するビューワプログラムが前記第2コンピュータに対応する記憶装置に格納されているかどうか判定する過程と、
(e)前記ビューワプログラムが前記第2コンピュータに対応する記憶装置に格納されていると判定されたとき、ローディング手段が、前記選択されたオブジェクトのデータタイプに対応する前記ビューワプログラムのコピーを前記第1コンピュータにロードする過程と、
(f)前記ロード過程の後で、ベリフィケーション手段が、前記コピーされたビューワプログラムが所定のオペランドスタック使用基準を含む所定のプログラムコレクトネス基準に適合するかどうか判定する過程と、
(g)前記コピーされたビューワプログラムが前記所定のプログラムコレクトネス基準に適合すると判定されたとき、実行手段が、前記コピーされたビューワプログラムを実行する過程とを含むことを特徴とする方法。 - 前記ビューワプログラムが前記第2コンピュータに対応する記憶装置に格納されていないと判定されたとき、前記サーチ手段が、前記選択されたオブジェクトのデータタイプに対応するビューワプログラムが所定のコンピュータ群に含まれる別のコンピュータに対応する記憶装置に格納されているかどうか判定し、前記別のコンピュータに対応する記憶装置に格納されていると判定されたとき、前記ローディング手段が前記ロード過程を実行する過程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 複数の個別のコンピュータを有する分散型コンピュータシステムにおいて遠隔からダウンロードしたオブジェクトをユーザが見ることを可能ならしめるための第1コンピュータの動作方法であって、
(a)ユーザインタフェースデバイスが、第1データタイプに対応する第1オブジェクトのデータに含まれるリンクデータであって第2コンピュータに対応する記憶装置に格納された第2データタイプに対応する第2オブジェクトを参照する該リンクデータをユーザが選択することを可能ならしめる過程と、
(b)コンピュータ間リンクデバイスが、前記リンクデータのユーザ選択に応じて前記第1コンピュータと前記第2コンピュータとの間に第1通信リンクを確立する過程と、
(c)データタイプ検索手段が、前記第2オブジェクトに対応するデータタイプ情報を検索する過程と、
(d)サーチ手段が、前記第2データタイプに対応するオブジェクトアプリケーションプログラムが前記第1コンピュータに対応する記憶装置に格納されているかどうか判定する過程と、
(e)前記第2データタイプに対応するオブジェクトアプリケーションプログラムが前記第1コンピュータに対応する記憶装置に格納されていないと判定されたとき、前記サーチ手段が、前記第2データタイプに対応するオブジェクトアプリケーションプログラムが前記第2コンピュータに対応する記憶装置に格納されているかどうか判定する過程と、
(f)前記第2データタイプに対応するオブジェクトアプリケーションプログラムが前記第2コンピュータに対応する記憶装置に格納されていると判定されたとき、ローディング手段が、前記第2データタイプに対応する前記オブジェクトアプリケーションプログラムのコピーを前記第1コンピュータに対応する記憶装置にロードする過程と、
(g)前記ロード過程の後で、ベリフィケーション手段が、前記コピーされたオブジェクトアプリケーションプログラムが所定のオペランドスタック使用基準を含む所定のプログラムコレクトネス基準に適合するかどうか判定する過程と、
(h)前記コピーされたオブジェクトアプリケーションプログラムが前記所定のプログラムコレクトネス基準に適合すると判定されたとき、実行手段が、前記コピーされたオブジェクトアプリケーションプログラムを実行する過程とを含むことを特徴とする方法。 - 前記オブジェクトアプリケーションプログラムが前記第2コンピュータに対応する記憶装置に格納されていないと判定されたとき、前記判定手段が、前記第2データタイプに対応するオブジェクトアプリケーションプログラムが所定のコンピュータ群に含まれる別のコンピュータに対応する記憶装置に格納されているかどうか判定し、前記別のコンピュータに対応する記憶装置に格納されていると判定されたとき、前記ローディング手段が前記ロード過程を実行する過程を更に含んでいることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 複数の個別のコンピュータを有する分散型コンピュータシステムにおいて遠隔からダウンロードしたオブジェクトをユーザが見ることを可能ならしめるために特定コンピュータに備えられる装置であって、
対応するデータタイプのオブジェクトを見ることを可能ならしめるビューワプログラムを格納するためのメモリと、
前記他のコンピュータに格納されたオブジェクトを含むオブジェクトへのリファレンスの前記ユーザによる選択を可能ならしめるユーザインタフェースデバイスと、
前記選択されたオブジェクトリファレンスの情報に従って識別される前記他のコンピュータへの第1通信リンクを確立するコンピュータ間リンクデバイスと、
前記ユーザによってなされる、前記他のコンピュータに対応する記憶装置に格納された前記オブジェクトの1つを参照する前記オブジェクトリファレンスの1つの選択に応じて、前記参照されたオブジェクトに対応する検索データタイプ情報を含む前記選択されたオブジェクトリファレンスによって参照される前記オブジェクトの検索を開始するサーチ手段であって、前記被検索データタイプに対応するビューワプログラムが前記メモリに格納されているかどうか判定し、前記被検索データタイプに対応するビューワプログラムが前記メモリに格納されていないと判定されたとき、前記他のコンピュータに対してサーチルーチンを実行し、前記被検索データタイプに対応するビューワプログラムを見つけることを試みる該サーチ手段と、
前記被検索データタイプに対応するビューワプログラムが前記他のコンピュータにおいて見つけられたとき、前記被検索データタイプに対応するビューワプログラムのコピーを前記メモリにロードするロード手段と、
前記コピーされたビューワプログラムが所定のオペランドスタック使用基準を含む所定のプログラムコレクトネス基準に適合するかどうか判定するベリフィケーション手段と、
前記コピーされたビューワプログラムが前記所定のプログラムコレクトネス基準に適合すると判定されたとき、前記コピーされたビューワプログラムを実行する実行手段とを含むことを特徴とする装置。 - 前記コンピュータ間リンクデバイスが、前記被検索データタイプに対応する前記ビューワプログラムのコピーをダウンロードするため、所定のコンピュータ群に含まれる別のコンピュータへの第2通信リンクを確立することを特徴とする請求項6に記載の装置。
- 複数の個別のコンピュータを有する分散型コンピュータシステムにおいて遠隔からダウンロードしたオブジェクトの利用を可能ならしめるために特定コンピュータに備えられる装置であって、
対応するデータタイプのオブジェクトの利用を可能ならしめるオブジェクトアプリケーションプログラムを格納するためのメモリと、
前記オブジェクトリファレンスの情報に従って識別される前記他のコンピュータへの第1通信リンクを確立するコンピュータ間リンクデバイスと、
前記ユーザによってなされる、前記他のコンピュータに格納された前記オブジェクトを参照するオブジェクトリファレンスの選択に応じて、前記参照されたオブジェクトに対応する検索データタイプ情報を含む前記オブジェクトリファレンスによって参照される前記オブジェクトの検索を開始するサーチ手段であって、前記被検索データタイプに対応するオブジェクトアプリケーションプログラムが前記メモリに格納されているかどうか判定し、前記被検索データタイプに対応するオブジェクトアプリケーションプログラムが前記メモリに格納されていないと判定されたとき、前記他のコンピュータに対してサーチルーチンを実行し、前記被検索データタイプに対応するビューワプログラムを見つけることを試みる該サーチ手段と、
前記被検索データタイプに対応するオブジェクトアプリケーションプログラムが前記他のコンピュータにおいて見つけられたとき、前記被検索データタイプに対応する前記オブジェクトアプリケーションプログラムのコピーを前記メモリにロードするロード手段と、
前記コピーされたオブジェクトアプリケーションプログラムが所定のオペランドスタック使用基準を含む所定のプログラムコレクトネス基準に適合するかどうか判定するベリフィケーション手段と、
前記コピーされたオブジェクトアプリケーションプログラムが前記所定のプログラムコレクトネス基準に適合すると判定されたとき、前記コピーされたオブジェクトアプリケーションプログラムを実行する実行手段とを含むことを特徴とする装置。 - 前記コンピュータ間リンクデバイスが、前記被検索データタイプに対応する前記オブジェクトアプリケーションプログラムのコピーをダウンロードするため、所定のコンピュータ群に含まれる別のコンピュータへの第2通信リンクを確立することを特徴とする請求項7に記載の装置。
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