JP3805285B2 - 空気調和機のリモコン収納装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機のフロントパネルに収納されるリモートコントローラ(リモコン)のスイッチ部の扉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来の空気調和機のリモコンを収納した状態を示す全体斜視図、図10は同リモコンのスイッチ部の扉を開いた状態を示す斜視図、図11は同要部拡大斜視図である。図において、101は空気調和機本体、102は空気調和機本体101のフロントパネルの上部に収納されたリモコン、103はリモコン102のスイッチ部104の扉、105はリモコン102の前面下部両端に設けられた円形の軸部、106はこの軸部105と嵌合する扉103の下部両端に設けられた円形の軸受部である。
【0003】
次に動作について説明する。図9に示すようなリモコン102を空気調和機本体101に収納した状態でスイッチ部の扉103を開放する場合、図11に示すように扉103の軸受部106が軸部105と同様円形で遊びが無いため、扉103の下端部がリモコン102のスイッチ部104に当接し図10に示す角度程度しか開かない。そのため、スイッチ部104の下部のスイッチの操作性が悪い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の空気調和機は以上のように構成されているので、リモコン102を空気調和機本体101に収納した状態でスイッチ部の扉103を開放する場合、扉103の下端部がリモコン本体に当接するために開放角度を大きくすることができずスイッチの操作性が悪いという問題点があった。
また、扉の開放角度を大きくするために、扉103の下端部とリモコン本体との間に隙間を設けると意匠性が悪くなるという問題点があった。
【0005】
この発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、リモコンを空気調和機に収納しスイッチ部の扉を閉じた場合リモコン周囲に隙間がなく、かつリモコンが本体と同一面を成して意匠性を確保しながら、スイッチ部の扉の開放角度をスイッチの操作に支障ないように大きくすることのできる空気調和機のリモコンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の空気調和機のリモコン収納装置は、本体前面に設けられたリモコン収納部と、該リモコン収納部に収納され、回転開閉する前開きの扉を有するリモコンとを備え、扉は扉の略半円の円弧状の軸受部がリモコン本体側に固定された軸部に直接係合して開閉し、扉は閉じた状態から開放される場合に、開放角度が大きくなる位置に開閉の支点が、扉の一端部がリモコン本体により曲線状に案内されて扉側で円弧状に移動可能であり、90度より大きく開放されることを特徴とする。
【0007】
請求項2の空気調和機のリモコン収納装置は、請求項1記載のものにおいて、扉は上下方向に回転開閉することを特徴とする。
【0008】
請求項3の空気調和機のリモコン収納装置は、請求項1記載のものにおいて、扉は左右方向に回転開閉することを特徴とする。
【0009】
請求項4の空気調和機のリモコン収納装置は、請求項2又は請求項3記載のものにおいて、扉は一端部がリモコン本体端部と係合し、扉の他端部が開閉するものである。
【0010】
【作用】
請求項1の空気調和機のリモコン収納装置は、扉が閉じた状態から開放される場合に、開閉の支点が円弧状に移動することにより開放角度が大きくなる。
【0011】
請求項2の空気調和機のリモコン収納装置は、扉が閉じた状態から上下方向に開放される場合に、開閉の支点が上下方向に移動することにより開放角度が大きくなる。
【0012】
請求項3の空気調和機のリモコン収納装置は、扉が閉じた状態から左右方向に開放される場合に、開閉の支点が左右方向に移動することにより開放角度が大きくなる。
【0013】
請求項4の空気調和機のリモコン収納装置は、扉が閉じた状態から開放される場合に、開閉の支点が内側に移動することにより開放角度が大きくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図について説明する。図1はこの発明の実施の形態1による空気調和機のリモコンの斜視図、図2は同リモコンの空気調和機に収納された状態を示す縦断面図、図3は同リモコンの要部拡大斜視図、図4は同リモコンの扉の開閉動作を説明するための図である。図において、1は空気調和機本体、1aはこの本体1のフロントパネルにリモコン2を収納するリモコン収納部、1bはこのリモコン収納部1aの下部を構成し、コーナー部が曲面形状の第1のガイド部、2aはリモコン2の外装ケース(リモコン本体)、3は下部がリモコン本体2aと係合し、上部が開放される前開きの扉で閉じた場合、リモコン2のスイッチ部4をリモコン本体2a前面と同一面を成して、かつ隙間がないように覆う。5はリモコン本体2a前面下部左右に前方へ延出して設けられた軸部、6は扉3の左右側壁7下部の内側に設けられ、裏面側(閉じた状態でスイッチ部4側)に湾曲し扉3の上下方向に所定長さ設けられた円弧状の軸受部、7aはこの軸受部6の外側に形成された周囲側壁、8は扉3の上部先端に設けられ、リモコン本体2a側の本体側係合瓜9と係合する扉側係合瓜、10はリモコン本体2aの前面下部に設けられ、リモコン2を本体1に収納した場合前記フロントパネルの第1のガイド部1bに載置されると共に、コーナー部が第1のガイド部と略鏡面対称の曲面形状を成す第2のガイド部である。
【0015】
図2に示すようにリモコン2を本体1のリモコン収納部1aに収納した状態で扉3を閉じた場合、扉3の軸受部6の上端部に軸部5が嵌合し、扉側係合瓜8と本体側係合瓜9が係合して収納保持される。そしてこの状態ではリモコン2とフロントパネルのリモコン収納部1aとの周囲の隙間が最小となるように組み合わされる。
【0016】
また、図2に示すようにリモコン2の扉3を最大に開いた場合は、軸部5が扉3の軸受部6の下端部と嵌合し、かつ扉3の前面がリモコン収納部1aの第1のガイド部1bの前縁部に載置されて、約150度開く。
【0017】
次に動作について説明する。リモコン2の扉3が閉じた状態において、扉3を開く場合扉3の上端部に手を掛けて扉側係合瓜8と本体側係合瓜9の係合を外す。扉3が回転を開始すると、扉3の側壁7aの下端面が先ず曲面形状の第1のガイド部1bに当接するがその反力により大きい力(僅かな力ではあるが)で扉3を若干回転させると軸受部6をリモコン本体2aに固定された軸部5に沿って回転移動を開始して扉3が前方へ押し出され、扉3の側壁7aの下端面の第1のガイド部1bとの接触点も上方に移動する。そしてある角度以上に開放されると扉3の自重による回転力により同様の動作が連続に行なわれ、最終的には軸受部6の下端部に軸部5が嵌合した状態で扉3は回転し扉3の前面が第1のガイド部1bの前縁部に載置されて約150度開放される。この状態ではスイッチ部4の下部の操作を容易に行なうことができる。
【0018】
扉3が最大角度に開放された状態から閉じるには、手で扉3を持ち上げて回転させ、ある角度以下に達すると後は自重によって扉3が下方に軸受部6が軸部5に沿って移動し軸受部6の上端部に軸部5が嵌合すると共に、扉側係合瓜8と本体側係合瓜9が係合してリモコン2とリモコン収納部1aとの周囲の隙間が最小となる元のリモコン本体2aに装着された状態に戻る。
【0019】
この実施の形態によれば、リモコン2のスイッチ部4を覆う扉3に下部から中央に延設された円弧状の軸受部6を設け、閉じた状態ではリモコン本体2aの下部に前方へ延出して設けられた軸部5が軸受部6の上端部に嵌合し扉3が最小隙間で装着され、開き始めるに従い扉3が自重と第1のガイド部1bの作用により前方へ押し出される共に軸受部6が軸部5に沿って回転移動し、最終的には軸受部6の下端部に軸部5が嵌合して扉3が上に移動した状態になるため約150゜扉3を開放することができ、スイッチ部4の操作性が向上する。閉じる場合はある角度以下になると扉3が自重で下に移動し下部の隙間を最小にすることができ、意匠面でも優れたリモコン収納装置が得られる。
【0020】
実施の形態2.
実施の形態1で扉を約150度開放でき、スイッチ部の操作性が良く、かつ扉を閉じた場合にリモコンとリモコン収納部との周囲の隙間が最小にでき意匠面でも優れたリモコン収納装置を説明したが、最大開放角度が約150度のため空気調和機本体のフロントパネルとの間に約30度の間隔があり、開いた状態で扉に力が加えられると軸部もしくは軸受部が破損する恐れがある。この問題を解決するために、円弧状の軸受部下端部に斜面を設け、開いた状態で扉に力が加わった場合この斜面で軸部を軸受部から外れて扉が脱落し破損を防止する。
【0021】
以下、この発明の実施の形態2を図について説明する。図5はこの発明の実施の形態2による空気調和機のリモコンの扉を開いた状態の斜視図、図6は同扉の平面断面図である。図において、6aは扉3を最大開度に開いた状態で軸部5と係合する軸受部6の下端部に設けられた斜面である。また、軸部5のリモコン本体2aとの継ぎ部は実施の形態1よりも幅が狭まく設計され、撓みやすくなっている。
【0022】
次に動作について説明する。扉3が最大角度に開いた状態で、扉3に外力が加わると、軸部5と嵌合している軸受部6の下端部に形成された斜面6aが撓みやすく設計された軸部5を内側に押し出し軸部5が軸受部6から外れて扉3が脱落することにより、軸部5もしくは軸受部6の破損を防止する。
【0023】
この実施の形態によれば、軸受部6の下端部に斜面6aを形成すると共に、軸部5を撓みやすい形状にしたので、扉3の開放時に、扉3に力が加えられた場合でも扉3がリモコン本体2aから脱落して軸部5もしくは軸受部6の破損を防止することができる。
【0024】
実施の形態3.
実施の形態1、2では、扉側壁7に軸受部6を設けたものを示したが、これに限られたものでなく、例えば図7に示すように扉3の裏面下部の内側左右に軸受部6を設け、これに嵌合する軸部5をこれに対応する位置のリモコン本体2a前面下部に設けても同様の効果を奏する。
【0025】
実施の形態4.
上記実施の形態では、リモコン2の扉3が上下方向に回転するものを示したが、もちろんこれに限られたものではなく、図8に示すように左右方向に回転する横開きの扉3としても同様の効果が得られる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の空気調和機のリモコン収納装置は、本体前面に設けられたリモコン収納部と、該リモコン収納部に収納され、回転開閉する前開きの扉を有するリモコンとを備え、扉は扉の略半円の円弧状の軸受部がリモコン本体側に固定された軸部に直接係合して開閉し、扉は閉じた状態から開放される場合に、開放角度が大きくなる位置に開閉の支点が、扉の一端部がリモコン本体により曲線状に案内されて扉側で円弧状に移動可能であり、90度より大きく開放される構成にしたので、扉の開放角度を大きくできるのでリモコンの操作性が良く、かつ扉が閉じた場合のリモコンとリモコン収納部との隙間を最小にできるので意匠性も優れたものが得られる。
【0027】
請求項2の空気調和機のリモコン収納装置は、請求項1記載のものにおいて、扉は上下方向に回転開閉する構成にしたので、扉の上下方向の開放角度を大きくできるのでリモコンの操作性が良く、かつ扉が閉じた場合のリモコンとリモコン収納部との上下の隙間を最小にできるので意匠性も優れたものが得られる。
【0028】
請求項3の空気調和機のリモコン収納装置は、請求項1記載のものにおいて、扉は左右方向に回転開閉する構成にしたので、扉の左右方向の開放角度を大きくできるのでリモコンの操作性が良く、かつ扉が閉じた場合のリモコンとリモコン収納部との左右の隙間を最小にできるので意匠性も優れたものが得られる。
【0029】
請求項4の空気調和機のリモコン収納装置は、請求項2又は請求項3記載のものにおいて、扉は一端部がリモコン本体端部と係合し、扉の他端部が開閉する構成にしたので、扉の開放角度を大きくできるためリモコンの操作性が良く、かつ扉が閉じた場合のリモコンとリモコン収納部との端部の隙間を最小にでき意匠性も優れたものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による空気調和機のリモコン収納装置のリモコンの斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による空気調和機のリモコン収納装置の縦断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による空気調和機のリモコン収納装置の要部拡大斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による空気調和機のリモコン収納装置の動作を説明する縦断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による空気調和機のリモコン収納装置のリモコンの斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による空気調和機のリモコン収納装置の部分平面断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による空気調和機のリモコン収納装置のリモコンの斜視図である。
【図8】 この発明の実施の形態4による空気調和機のリモコン収納装置のリモコンの斜視図である。
【図9】 従来の空気調和機の全体斜視図である。
【図10】 従来の空気調和機のリモコンの斜視図である。
【図11】 従来の空気調和機のリモコンの要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 空気調和機本体、1a リモコン収納部、1b 第1のガイド、2 リモコン、2a リモコン本体、3 扉、5 軸部、6 軸受部、6a 斜面、7 側壁、10 第2のガイド。

Claims (4)

  1. 本体前面に設けられたリモコン収納部と、該リモコン収納部に収納され、回転開閉する前開きの扉を有するリモコンと、を備え、前記扉は該扉の略半円の円弧状の軸受部がリモコン本体側に固定された軸部に直接係合して開閉し、前記扉は閉じた状態から開放される場合に、開放角度が大きくなる位置に開閉の支点が、扉の一端部がリモコン本体により曲線状に案内されて前記扉側で円弧状に移動可能であり、90度より大きく開放されることを特徴とする空気調和機のリモコン収納装置。
  2. 扉は上下方向に回転開閉することを特徴とする請求項1記載の空気調和機のリモコン収納装置。
  3. 扉は左右方向に回転開閉することを特徴とする請求項1記載の空気調和機のリモコン収納装置。
  4. 扉は一端部がリモコン本体端部と係合し、該扉の他端部が開閉することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の空気調和機のリモコン収納装置。
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