JP3805051B2 - 平版印刷版用原版 - Google Patents

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浩一 川村
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は平版印刷版に関するものであり、特に水現像可能あるいは現像することなしにそのまま印刷機に装着し、印刷することができる平版印刷用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に平版印刷版は、露光工程の後に、支持体表面の上に設けられた感光層を画像状に除去するための湿式による現像工程および現像処理された印刷版を水洗水で水洗したり、界面活性剤を含有するリンス液、アラビアガム、澱粉誘導体を含む不感脂化液で処理する後処理工程が含まれる。
【0003】
一方、近年の製版印刷業界では現像廃液がアルカリ性であるため環境問題が生じてきている。また製版作業の合理化が進められており、上記のような複雑な湿式現像処理を必要とせず、露光後にそのまま印刷に使用できる印刷版用原版が望まれている。
【0004】
画像露光後に現像処理を必要としない印刷版用原版については、例えば、US5、258、263号に、露光領域で硬化叉は不溶化が促進される感光性親水層と感光性疎水層とを支持体上に積層した平版印刷プレートが開示されている。しかしこのプレートは2 層構成のため上層と下層との接着力が問題となり多くの印刷物を刷ることができない。
【0005】
また画像形成後、湿式現像処理を必要としない平版印刷版材として、シリコーン層と、その下層にレーザ感熱層を設けた版材が米国特許(以下、USと記す)5、353、705号、US5、379、698号に開示されている。これらは湿式現像は必要としないが、レーザアブレージョンによるシリコーン層の除去を完結させるための、こすりや特殊なローラーによる処理が必要となり、処理が煩雑になる欠点を持つ。
【0006】
ポリオレフィン類をスルホン化したフィルムを版材として用い、熱書き込みにより、表面の親水性を変化させることにより、現像処理を必要としない版材を形成することが、特開平5ー77574号、特開平4ー125189号、US5、187、047号、特開昭62ー195646号等に開示されている。このシステムでは、熱書き込みにより、感材表面のスルホン基を脱スルホンさせ画像形成しており、現像処理は不溶になるが、書き込み時に有害なガスを発生させる欠点を有する。
【0007】
US5102771号、US5225316号には酸感受性基を側鎖にもつポリマーと光酸発生剤を組み合わせた感材が提示されており、無現像システムが提案されている。この版材は発生する酸がカルボン酸であるために、限られた親水性しか持たず、版材の耐久性や印刷画像の鮮明さに劣る欠点を持つ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、高感度であり、且つ、水現像可能な、あるいは画像露光後に湿式現像処理やこすり等の特別な処理を必要としない、平版印刷版用原版を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、酸の作用によりスルホン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物と光酸発生剤を含むことを特徴とする平版印刷材料を用いることにより達成された。
即ち、本発明の平版印刷版用原版は、支持体上に、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される酸の作用によりスルホン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物と光酸発生剤を含む記録層を設けたことを特徴とする。
【0010】
【化3】
Figure 0003805051
(一般式(1)中、Lは一般式(1)で示される構造単位をポリマー骨格に連結するのに必要な、下記構造を単独で或いはこれらを組合せて構成される非金属原子から成る多価の有機基を表し、R1 は置換もしくは無置換のアリール基、または、置換もしくは無置換アルキル基を示す。)
(一般式(2)中、Lは一般式(2)で示される構造単位をポリマー骨格に連結するのに必要な、下記構造を単独で或いはこれらを組合せて構成される非金属原子から成る多価の有機基を表し、R2 は置換もしくは無置換アルキル基を示す。)
【化4】
Figure 0003805051
【0011】
【化4】
Figure 0003805051
【0012】
スルホン酸を発生する官能基を有するスルホン酸エステルタイプのポリマーとしては、特開平4−121748号に記載されているようなベンジルエステルタイプのものが知られているが、これを酸発生剤と組み合わせると感光材料の経時安定性が著しく悪化するため、前記の如き構造の官能基を有するポリマーが好ましく用いられる。
【0013】
また、前記一般式(1)で表される官能基を側鎖に有する高分子化合物を含有する感光性平版印刷版は米国特許第3,834,906号で知られている。本発明はこのような化合物が酸により分解してスルホン酸を発生すること、及びこれを光酸発生剤と組み合わせると、画像露光の後、現像工程がなくても、良好な画像を形成し得ることを特徴とするものであり、単にこの高分子化合物を含有する感光性平版に比較して良好な感度を有し、さらに、現像工程の省略を可能とした。
【0014】
また、本発明の平版印刷版用原版を用いて印刷を行う場合は、前記の平版印刷版用原版を画像露光したのち、必要であれば加熱処理を行い、水で現像するか、又はそのまま印刷機に装着して、印刷することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の平版印刷版用原版は支持体上に感光性組成物からなる記録層を設けてなるものであるが、その記録層を構成する主要な成分について以下に述べる。
【0016】
[酸の作用によりスルホン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物]
本発明に用いる酸の作用によりスルホン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物(以下、適宜、スルホン酸発生型高分子化合物と称する)として、第1に上記一般式(1)に示す官能基を側鎖に有する高分子化合物が挙げられる。
本発明における上記一般式(1)で示される構造単位を有するポリマーについて更に具体的に説明する。
1 がアリール基もしくは置換アリール基を表わすとき、アリール基としては、炭素環式アリール基と複素環式アリール基が含まれる。炭素環式アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基など炭素数6から19のものが用いられる。また、複素環式アリール基としてはピリジル基、フリル基、その他ベンゼン環が縮環したキノリル基、ベンゾフリル基、チオキサントン基、カルバゾール基などの炭素数3〜20、ヘテロ原子数1〜5を含むものが用いられる。Rがアルキル基もしくは置換アルキル基を表わすとき、当該アルキル基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロへキシル基などの直鎖状もしくは分岐状、もしくは環状の炭素数1から25までを含むものが用いられる。
【0017】
1 が置換アリール基、置換ヘテロアリール基、置換アルキル基であるとき、置換基としてはメトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜10までのアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基のようなハロゲン置換されたアルキル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、p−クロロフェニルオキシカルボニルなどの炭素数2から15までのアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基;水酸基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−ジフェニルアミノベンゾイルオキシなどのアシルオキシ基;t−ブチルオキシカルボニルオキシ基などのカルボネート基;t−ブチルオキシカルボニルメチルオキシ基、2−ピラニルオキシ基などのエーテル基;アミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、モルフォリノ基、アセチルアミノ基などの置換、非置換のアミノ基;メチルチオ基、フェニルチオ基などのチオエーテル基;ビニル基、ステリル基などのアルケニル基;ニトロ基;シアノ基;ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;ピリジル基のようなヘテロアリール基を挙げることができる。またRが置換アリール基、置換ヘテロアリール基であるとき、置換基として前述したものの他にもメチル基、エチル基などのアルキル基を用いることができる。
【0018】
上記のうちR1 として特に好ましいものはハロゲン、シアノ、ニトロ、等の電子吸引性基で置換されたアリール基、およびハロゲン、シアノ、ニトロ、等の電子吸引性基で置換されたアルキル基、また2級、および3級の分岐状のアルキル基、環状アルキルおよび環状イミドである。
Lで表される非金属原子からなる多価の連結基とは、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つものであり、具体的な連結基としては下記の構造単位が単独で或いはこれらが組み合わさって構成されるものを挙げることができる。
【0019】
【化5】
Figure 0003805051
【0020】
多価の連結基が置換基を有する場合、置換基としてはメチル、エチルなどの炭素数1から20までのアルキル基、フェニル、ナフチルなどの炭素数6から16までのアリール基、水酸基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシのような炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ、エトキシのような炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素のようなハロゲン原子、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニルのような炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネートのような炭酸エステル基などを用いることができる。 また、本発明に用いることのできるスルホン酸発生型高分子化合物の第2の例は、前記一般式(2)で表される官能基を側鎖に有する高分子化合物である。
ここでLの多価の非金属原子から成る有機基、およびR2 の置換もしくは無置換アルキル基の具体例としては一般式(1)で用いたものと同じものを用いることができる。
本発明による一般式(1)又は(2)に示す官能基を側鎖に有する高分子化合物をより具体的に示すと、下記に示すモノマーをラジカル重合して得られる高分子化合物を挙げることができる。モノマーの具体例としては下記化合物(1)〜(23)を挙げることができる。
【0021】
【化6】
Figure 0003805051
【0022】
【化7】
Figure 0003805051
【0023】
【化8】
Figure 0003805051
【0024】
【化9】
Figure 0003805051
【0025】
本発明では、好ましくは一般式(1)又は(2)で表される構造単位を有するモノマーの内、少なくともいずれか一つを用い、ラジカル重合により得られるポリマーを使用するが、一般式(1)又は(2)で表される構造単位を有するモノマーのうち、一種のみを用いた単独重合体を使用しても良いが、2種以上を用いた共重合体を使用しても良い。
本発明において、さらに好適に使用される高分子化合物は、上記モノマーと他の公知のモノマーを用い、ラジカル重合により得られる共重合体である。
【0026】
共重合体に用いられる他のモノマーとしては、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーが挙げられる。
アクリル酸エステル類の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−またはi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−またはt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、ヒドロキシベンジルアクリレート、ヒドロキシフェネチルアクリレート、ジヒドロキシフェネチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。
【0027】
メタクリル酸エステル類の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(n−またはi−)プロピルメタクリレート、(n−、i−、sec−またはt−)ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、ヒドロキシベンジルメタクリレート、ヒドロキシフェネチルメタクリレート、ジヒドロキシフェネチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルメタクリレート等が挙げられる。
【0028】
アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0029】
メタクリルアミド類の具体例としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0030】
ビニルエステル類の具体例としては、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。
スチレン類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
【0031】
これらの他のモノマーのうち特に好適に使用されるのは、炭素数20以下のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類及び、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリルである。
また架橋反応性を有するモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、N−メチロールメタクリルアミド、オメガー(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレートなどが好ましい。
これらを用いた共重合体中に含まれる一般式(1)〜(2)で表される構成単位の割合は、6 mol%以上であることが好ましく、さらに好ましくは31 mol%以上である。6 mol%より少ないと現像できなく、また31 mol%より少ないと現像残膜が発生する虞がある。
また、本発明で使用される一般式(1)又は(2)で表される構成単位の内、少なくともいずれか一つを有するポリマーの分子量は好ましくは重量平均分子量で2000以上であり、更に好ましくは5000〜30万の範囲であり、数平均分子量で好ましくは800以上であり、更に好ましくは1000〜25万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、更に好ましくは1.1〜10の範囲である。
これらのポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでも良いが、ランダムポリマーであることが好ましい。
【0032】
本発明で使用されるポリマーを合成する際に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独であるいは2種以上混合して用いられる。
本発明で使用されるポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が使用できる。
【0033】
本発明で使用される高分子化合物は単独で用いても混合して用いてもよい。これら高分子化合物の添加量は、画像記録材料全固形分に対し25〜98重量%、好ましくは60〜97重量%の割合で画像記録材料中に添加される。添加量が25重量%未満の場合は印刷画像が不鮮明になる。また添加量が98重量%を超える場合は画像形成が十分できなくなる。十分に鮮明な画像を得るには60〜97重量%の割合で画像記録材料中に添加しなければならない。
【0034】
[光酸発生剤]
本発明の印刷用原版の記録層に含まれる光酸発生剤とは、光または放射線の照射により分解して酸を発生させる化合物をさし、この光酸発生剤としては、公知のものを適宜選択して用いることができる。
本発明に用いる光酸発生剤としては、波長400nm以上に吸収を有するものが好ましく、また、400nm以上に吸収がなくとも400nm以上に吸収を有する増感剤と組み合わせて酸を発生するものであれば好適に使用することができる。400nm以上に吸収がないものを、所定の増感剤と組み合わせることなく使用した場合、感度が低くなる虞がある。
【0035】
たとえば S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号、特開平3-140,140 号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977) 、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988) 、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,049 号、同第410,201 号、特開平2-150,848 号、特開平2-296,514 号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73(1985) 、J.V.Crivello etal.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt etal,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984) 、J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693 号、米国特許3,902,114 号,欧州特許第233,567 号、同297,443 号、同297,442 号、米国特許第4,933,377 号、同410,201 号、同339,049 号、同4,760,013 号、同4,734,444 号、同2,833,827 号、獨国特許第2,904,626 号、同3,604,580 号、同3,604,581 号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,1047(1979) 等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815 号、特公昭46-4605 号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-239736 号、特開昭61-169835 号、特開昭61-169837 号、特開昭62-58241号、特開昭62-212401 号、特開昭63-70243号、特開昭63-298339 号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier etal,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill etal,Inorg.Chem.,19,3007(1980) 、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896) 、特開平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、 E.Reichmanis etal,J.Pholymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu etal,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、 B.Amit etal,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、 D.H.R.Barton etal,J.Chem Soc.,3571(1965)、 P.M.Collins etal,J.Chem.SoC.,Perkin I,1695(1975)、 M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker etalJ.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、 S.C.Busman etal,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、 H.M.Houlihan etal,Macormolecules,21,2001(1988)、 P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase etal,Macromolecules,18,1799(1985)、 E.Reichmanis etal,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、 F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083 号、同156,535 号、同271,851 号、同0,388,343 号、 米国特許第3,901,710 号、同4,181,531 号、特開昭60-198538 号、特開昭53-133022 号等に記載の0−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKチ etal,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner etal,J.Rad.Curing,13(4)、 W.J.Mijs etal,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、 H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、 欧州特許第0199,672号、同84515 号、同199,672 号、同044,115 号、同0101,122号、米国特許第4,618,564 号、同4,371,605 号、同4,431,774 号、特開昭64-18143号、特開平2-245756号、特願平3-140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61-166544 号等に記載のジスルホン化合物、特開昭50ー36209号(米国特許第3969118号)記載のoーナフトキノンジアジドー4ースルホン酸ハライド、特開昭55ー62444号(英国特許第2038801号)記載あるいは特公平1ー11935号記載のoーナフトキノンジアジド化合物を挙げることができる。
【0036】
上記活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体または一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0037】
【化10】
Figure 0003805051
【0038】
式中、R1 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R2 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−CY3 をしめす。Yは塩素原子または臭素原子を示す。 具体的には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0039】
【化11】
Figure 0003805051
【0040】
【化12】
Figure 0003805051
【0041】
(2)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、または一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩、もしくはジアソニウム塩。
【0042】
【化13】
Figure 0003805051
【0043】
ここで式Ar1 、Ar2 は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、メルカプト基およびハロゲン原子が挙げられる。
【0044】
3 、R4 、R5 は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましくは炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基およびそれらの置換誘導体である。好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基である。
【0045】
- は対アニオンを示し、例えば BF4 - 、AsF6 - 、PF6 - 、SbF6 - 、SiF6 2-、ClO4 - 、CF3SO3 - 等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の結合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0046】
またR3 、R4 、R5 のうちの2つおよびAr1 、Ar2 はそれぞれの単結合または置換基を介して結合してもよい。
【0047】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
【化14】
Figure 0003805051
【0049】
【化15】
Figure 0003805051
【0050】
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、たとえばJ. W. Knapczyk etal, J. Am. Chem. Soc., 91, 145(1969) 、A. L. Maycok etal, J. Org. Chem., 35, 2532, (1970)、B. Goethas etal, Bull. Soc. Chem. Belg., 73, 546, (1964) 、H. M. Leicester, J. Ame. Chem. Soc., 51, 3587(1929) 、J. V. Crivello etal, J. Polym. Chem. Ed., 18, 2677(1980)、US2,807,648号および同4,247,473号、特開昭53−101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0051】
(3)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体または一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0052】
【化16】
Figure 0003805051
【0053】
式中Ar3 、Ar4 は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。R6 は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
【化17】
Figure 0003805051
【0055】
【化18】
Figure 0003805051
【0056】
これらの光酸発生剤の含有量は、記録層を構成する感光性組成物の全固形分に対して通常0.1〜30重量%より好ましくは1〜15重量%である。1%より少ないと感度が低く15%より多いと画像強度が落ちる。
【0057】
[その他の成分]
本発明では、記録層に含有される成分として上述の2つの成分が必須であるが、必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加しても良い。
例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。 具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI.42555)、メチルバイオレット(CI.42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI.145170B)、マラカイトグリーン(CI.42000)、メチレンブルー(CI.52015)など、あるいは特開昭62−293247号公報、特願平7−335145号に記載されている染料を挙げることができる。
なお、添加量は、感光性組成物全固形分に対し、0.1〜20重量%の割合であることが好ましい。添加量が0.1重量%未満の場合感度が低下し、20重量%を超える場合には経時安定性が低下する。より好ましい範囲は1.0〜15重量%である。
【0058】
また、本発明における感光性組成物中には、印刷条件に対する安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。 上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0059】
更に本発明に係る感光性組成物中には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマーおよびポリマー等が用いられる。
【0060】
これら以外にも、エポキシ化合物及び、ビニルエーテル類、さらには特願平7−18120に記載のヒドロキシメチル基を持つフェノール化合物、アルコキシメチル基を有するフェノール化合物等を添加しても良い。更に塗膜の強度を向上させるために他の高分子化合物を添加してもよい。
【0061】
本発明の感光性組成物は、通常上記各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布することにより製造することができる。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、水等をあげることができるがこれに限定されるものではない。 これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。また塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、平版印刷用版材についていえば一般的に0.5〜5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
【0062】
本発明における感光性組成物中には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全感光性組成物固形分中0.01〜1重量%さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0063】
マット層;
上記のようにして設けられた感光層の表面には、真空焼き枠を用いた密着露光の際の真空引きの時間を短縮し、且つ焼きボケを防ぐため、マット層を設けることが好ましい。具体的には、特開昭50−125805号、特公昭57−6582号、同61−28986号の各公報に記載されているようなマット層を設ける方法、特公昭62−62337号公報に記載されているような固体粉末を熱融着させる方法などが挙げられる。
【0064】
感光性平版印刷版等に使用される支持体は、寸度的に安定な板状物であり、これ迄印刷版の支持体として使用されたものが含まれ、好適に使用することができる。かかる支持体としては、紙、プラスチックス(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)がラミネートされた紙、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、鉄、銅などのような金属の板、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどのようなプラスチックスのフイルム、上記のような金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどが含まれるが、特にアルミニウム板が好ましい。アルミニウム板には純アルミニウム板及びアルミニウム合金板が含まれる。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、例えばけい素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属とアルミニウムの合金が用いられる。これらの組成物は、いくらかの鉄およびチタンに加えてその他無視し得る程度の量の不純物をも含むものである。
【0065】
支持体は、必要に応じて表面処理される。例えば感光性平版印刷版の場合には、支持体の表面に、親水化処理が施される。
また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、砂目立て処理、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。また、米国特許第2,714,066号明細書に記載されているように、砂目立てしたのち珪酸ナトリウム水溶液に浸漬処理したアルミニウム板、米国特許第3,181,461号明細書に記載されているようにアルミニウム板を陽極酸化処理を行った後にアルカリ金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適に使用される。上記陽極酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の無機酸、若しくは蓚酸、スルファミン酸等の有機酸またはこれらの塩の水溶液又は非水溶液の単独又は二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。
【0066】
また、米国特許第3,658,662号明細書に記載されているようなシリケート電着も有効である。
これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とする為に施される以外に、その上に設けられる感光性組成物との有害な反応を防ぐ為や、感光層との密着性を向上させる為に施されるものである。
アルミニウム板を砂目立てするに先立って、必要に応じて表面の圧延油を除去すること及び清浄なアルミニウム面を表出させるためにその表面の前処理を施しても良い。前者のためには、トリクレン等の溶剤、界面活性剤等が用いられている。又後者のためには水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ・エッチング剤を用いる方法が広く行われている。
【0067】
砂目立て方法としては、機械的、化学的および電気化学的な方法のいずれの方法も有効である。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラスト研磨法、軽石のような研磨剤の水分散スラリーをナイロンブラシで擦りつけるブラシ研磨法などがあり、化学的方法としては、特開昭54−31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適しており、電気化学的方法としては塩酸、硝酸またはこれらの組合せのような酸性電解液中で交流電解する方法が好ましい。このような粗面化方法の内、特に特開昭55−137993号公報に記載されているような機械的粗面化と電気化学的粗面化を組合せた粗面化方法は、感脂性画像の支持体への接着力が強いので好ましい。
上記の如き方法による砂目立ては、アルミニウム板の表面の中心線表面粗さ(Ha)が0.3〜1.0μとなるような範囲で施されることが好ましい。
このようにして砂目立てされたアルミニウム板は必要に応じて水洗および化学的にエッチングされる。
【0068】
エッチング処理液は、通常アルミニウムを溶解する塩基あるいは酸の水溶液より選ばれる。この場合、エッチングされた表面に、エッチング液成分から誘導されるアルミニウムと異なる被膜が形成されないものでなければならない。好ましいエッチング剤を例示すれば、塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム等;酸性物質としては硫酸、過硫酸、リン酸、塩酸及びその塩等であるが、アルミニウムよりイオン化傾向の低い金属例えば亜鉛、クロム、コバルト、ニッケル、銅等の塩はエッチング表面に不必要な被膜を形成するから好ましくない。
これ等のエッチング剤は、使用濃度、温度の設定において、使用するアルミニウムあるいは合金の溶解速度が浸漬時間1分あたり0.3グラムから40g/m2になる様に行なわれるのが最も好ましいが、これを上回るあるいは下回るものであっても差支えない。
【0069】
エッチングは上記エッチング液にアルミニウム板を浸漬したり、該アルミニウム板にエッチング液を塗布すること等により行われ、エッチング量が0.5〜10g/m2の範囲となるように処理されることが好ましい。
上記エッチング剤としては、そのエッチング速度が早いという特長から塩基の水溶液を使用することが望ましい。この場合、スマットが生成するので、通常デスマット処理される。デスマット処理に使用される酸は、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。
エッチング処理されたアルミニウム板は、必要により水洗及び陽極酸化される。陽極酸化は、この分野で従来より行なわれている方法で行なうことができる。具体的には、硫酸、りん酸、クロム酸、蓚酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはそれらの二種類以上を組み合せた水溶液又は非水溶液中でアルミニウムに直流または交流の電流を流すと、アルミニウム支持体表面に陽極酸化被膜を形成させることができる。
【0070】
陽極酸化の処理条件は使用される電解液によって種々変化するので一般には決定され得ないが一般的には電解液の濃度が1〜80重量%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜100V、電解時間30秒〜50分の範囲が適当である。
これらの陽極酸化処理の内でも、とくに英国特許第1,412,768号明細書に記載されている硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法および米国特許第3,511,661号明細書に記載されている燐酸を電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。
上記のように粗面化され、さらに陽極酸化されたアルミニウム板は、必要に応じて親水化処理しても良く、その好ましい例としては米国特許第2,714,066号及び同第3,181,461号に開示されているようなアルカリ金属シリケート、例えば珪酸ナトリウム水溶液または特公昭36−22063号公報に開示されている弗化ジルコニウム酸カリウムおよび米国特許第4,153,461号明細書に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法がある。
【0071】
有機下塗層;
本発明の感光性平版印刷版には感光層を塗設する前に有機下塗層を設けることが非画像部の感光層残りを減らす上で好ましい。かかる有機下塗層に用いられる有機化合物としては例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩などから選ばれるが、二種以上混合して用いてもよい。
【0072】
その他ポリ(p−ビニル安息香酸)など下記一般式(3)で示される構造単位を分子中に有する高分子化合物群の中から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。
【0073】
【化19】
Figure 0003805051
【0074】
前記一般式(3)において、R1 は水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表すが、好ましくは、水素原子、塩素原子、または炭素数1〜4個のアルキル基を表す。特に好ましくは水素原子またはメチル基を表す。
2 とR3 は各々独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香族基、置換芳香族基、−R4 、−COOR5 、−CONHR6 、−COR7 もしくは−CNを表すか、またはR2 とR3 が結合して環を形成しても良い。ここでR4 〜R7 は各々アルキル基または芳香族基を表す。より好ましいR2 とR3 は、各々独立して、水素原子、水酸基、塩素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、−R4 、−COOR5 、−CONHR6 、−COR7 、−CNであり、ここでR4 〜R7 は炭素数1〜4個のアルキル基またはフェニル基である。特に好ましいR2 とR3 は、各々独立して、水素原子、水酸基、メチル基またはメトキシ基である。
【0075】
Xは水素原子、金属原子、NR8 9 1011を表し、ここで、R8 〜R11は、各々独立して、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、芳香族基、置換芳香族基を表すか、またはR8 とR9 が結合して環を形成しても良い。より好ましいXは、水素原子、一価の金属原子、NR8 9 1011であり、ここで、R8 〜R11は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基またはフェニル基である。特に好ましいXは、水素原子、ナトリウム、カリウムまたはNR8 9 1011を表し、ここで、R8 〜R11は、各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基を表す。
nは1〜3の整数を表すが、好ましくは1または2を表し、より好ましくは1を表す。
【0076】
この有機下塗層は次のような方法で設けることが出来る。即ち、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記有機化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。
【0077】
これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpHを調節し、pH1〜12の範囲で使用することもできる。また、感光性平版印刷版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。
有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。上記の被覆量が2mg/m2より少ないと十分な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2より大きくても同様である。
【0078】
バックコート;
支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174号公報記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4 、Si(OC2 5)4 、Si(OC3 7)4 、Si(OC4 9)4 、などの珪素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆層が親水性に優れており特に好ましい。
【0079】
以上のようにして、本発明の感光性組成物を用いた平版印刷用版材を作成することができる。この平版印刷用版材は、メタルハライドランプ、タングステンランプ、キセノンランプ、水銀灯、カーボンアーク灯、可視、紫外の各種レーザー等により画像露光される。また、露光には赤外線、特に波長760〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーを用いることもできる。本発明においては、露光部分は水分により可溶化する特性を有するようになり、このため、露光後に水現像し、さらに必要であればガム引きを行ったのち、印刷機に版を装着し印刷を行ってもよいが、露光後ただちに、即ち、水現像を行うことなく、印刷機に版を装着し印刷を行うことできる。水現像処理の有無に係わらず、露光後に加熱処理を行うことが版材の耐刷性向上の観点から好ましい。
水現像を行う場合、シャワーにより水をかける方法或いは水槽に浸漬する方法を適用し得るが、共に、1分間水に接することで充分に現像することができる。
また、露光後に行われる加熱処理の条件は、80℃〜200℃の範囲内で10秒〜5分間行うことが好ましい。この加熱処理により、露光時に記録に必要なエネルギーを減少させることができる。
【0080】
この様な処理によって得られた平版印刷版は水現像されるかあるいはそのままオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0081】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[加熱によりスルホン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物の合成]
モノマー(化合物4)の合成
アセトニトリル200ml、シクロヘキシルアルコール11gおよびピリジン8.8 gとを500ml の三口フラスコにいれ撹拌した。氷で冷却しながらビニルベンゼンスルホニルクロリド20.2gを滴下した。滴下後室温にて2 時間撹拌したのち、1 Lの水にあけ酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシュウムで乾燥した後溶媒を減圧留去し、シリカゲルをもちいたカラムクロマトを行い精製することにより、化合物4 を得た。元素分析、計算値C:63.13 %、H:6.81%、実測値C:63.01 %、H:6.85%。
【0082】
合成ポリマー(1)の合成
200 mlの3口フラスコに化合物4を20gおよびメチルエチルケトンを40g入れ65℃、窒素気流下、アゾビスジメチルバレロニトリル0.25gを加えた。5時間撹拌しながら同温度に保った後減圧下溶媒を留去し、固体を得た。GPCにより1.04万の重量平均分子量のポリマーであることが分かった。
合成ポリマー(1)の合成
200 mlの3口フラスコに化合物4を14.4g、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(東京化成社製) 1.5g及びメチルエチルケトン40gを入れ、65℃、窒素気流下、アゾビスジメチルバレロニトリル0.25gを加えた。6時間撹拌しながら同温度に保った後、室温に冷却し、固体を得た。GPCにより 万の重量平均分子量のポリマーであることが分かった。
ポリマー(2)〜(8)の合成
ポリマー(1)の合成と同様に合成した。重量平均分子量(GPC、ポリスチレン標準)はいずれも1万〜3万の範囲であった。
ポリマー(9)、(11)(12)の合成
ポリマー(12)の合成と同様に合成した。重量平均分子量(GPC、ポリスチレン標準)はいずれも1万から5万の範囲であった。
【0083】
(実施例1〜4、7、、参考例5、6
厚さ0.30mmのアルミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレン洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミストン−水懸濁液を用いその表面を砂目立てし、よく水で洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い水洗後、更に2%HNO3 に20秒間浸漬して水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2 であった。次にこの板を7%H2 SO4 を電解液として電流密度15A/dm2 で2. 4g/m2 の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗乾燥した。
【0084】
次に、下記溶液〔A〕において、本発明の、或いは、参考例の酸の作用によりスルホン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物の種類を変えて、8種類の溶液〔A−1〕〜〔A−8〕を調整した。この溶液をそれぞれ、上記の処理済みのアルミニウム板に塗布し、80℃で3分間乾燥して平版印刷用版材〔A−1〕〜〔A−8〕を得て、それぞれ実施例1〜4、7、、参考例5、6とした。使用した高分子化合物を下記表1に示した。乾燥後の塗布量は1.2g/m2 であった。
【0085】
Figure 0003805051
【0086】
【表1】
Figure 0003805051
【0087】
使用した高分子化合物の構造を以下に示す。
【0088】
【化20】
Figure 0003805051
【0089】
得られた平版印刷用版材〔A−1〕〜〔A−8〕を、富士写真フィルム(株)製ステップエッジ(各段濃度差が0. 15)を通して1mの距離から3kwのメタルハライドランプにより1分間露光を行った。露光後、水現像しハイデルSOR- Mで印刷したものを処理(A)として評価した。同様に、100度で3分加熱処理した後水現像しハイデルSOR- Mで印刷したものを処理(B)、そのままハイデルSOR- Mで印刷したものを処理(C)、100度で3分加熱処理した後、ハイデルSOR- Mで印刷したものを処理(D)として以下の評価を行った。この際、ポジ画像が得られたため完全にインクが着いているステップエッジの段数を調べて感度を評価した。(段数が大き程高感度である。)また、非画像部に平版の欠陥に起因する汚れが発生しているかどうかを調べた。結果を前記表1に示した。
すべて良好な印刷物であったが、なかでも100度で3分加熱処理した後、印刷したものは特に高感度であった。
【0090】
(実施例9〜12)
下記溶液〔B〕において、本発明によるポリマーの種類を変えて、4種類の溶液〔B−1〕〜〔B−4〕を調整した。この溶液をそれぞれ、実施例1〜8で用いた処理済みのアルミニウム板に塗布し、100℃で2分間乾燥後、さらに100℃で一時間加熱して平版印刷用版材〔B−1〕〜〔B−4〕を得て、それぞれ実施例9〜12とした。使用した高分子化合物を下記表1に示した。乾燥後の塗布量は1.7g/m2 であった。
【0091】
Figure 0003805051
【0092】
【表2】
Figure 0003805051
【0093】
使用した高分子化合物の構造を以下に示す。
【0094】
【化21】
Figure 0003805051
【0095】
得られた平版印刷用版材〔B−1〕〜〔Bー4〕を、、富士写真フィルム(株)製ステップエッジ(各段濃度差が0. 15)を通して1mの距離から3kwのメタルハライドランプにより1分間露光を行った。露光後そのままハイデルSOR- Mで印刷したものを処理(A)、100度で3分加熱処理した後水現像しハイデルSOR- Mで印刷したものを処理(B)として評価した。
実施例1〜8と同様に評価した結果を上記表2に併記した。
すべて良好な印刷物であったが、なかでも100度で3分加熱処理したものは高感度であった。
【0096】
(実施例13〜16および比較例1)
下記溶液(C)において光酸発生剤の種類を変え、溶液(C−1)〜(C−4)を作成した。また光酸発生剤を除いた溶液(C−5)を比較例1として作成した。この溶液をそれぞれ、実施例1〜8で用いた処理済みのアルミニウム板に塗布し、80℃で3分間乾燥して平版印刷用版材〔C−1〕〜〔C−5〕を得て、それぞれ実施例13〜16および比較例1とした。用いた光酸発生剤を下記表3に示す。乾燥後の塗布量は1.2g/m2 であった。
Figure 0003805051
【0097】
【表3】
Figure 0003805051
【0098】
使用した光酸発生剤の構造を以下に示す。
【0099】
【化22】
Figure 0003805051
【0100】
得られた平版印刷用版材〔C−1〕〜〔C−5〕を、富士写真フィルム(株)製ステップエッジ(各段濃度差が0. 15)を通して1mの距離から3kwのメタルハライドランプにより1分間露光を行った。露光後100度で3分加熱処理した後、ハイデルSOR- Mで印刷した。この際、ポジ画像が得られたため完全にインクが着いているステップエッジの段数を数えて感度を評価し、さらに、非画像部に汚れが発生しているかどうかを調べた。結果は前記表3に併記した。
光酸発生剤を除いたものは画像が得られなかった。一方、光酸発生剤を加えたものは、いずれも高感度かつ良好な印刷物であった。
【0101】
(実施例17および比較例2)
下記溶液(D)において高分子化合物及び光酸発生剤の種類を下記表4のように変え、溶液(D−1)、(D−2)を作成した。
この溶液をそれぞれ、実施例1〜8で用いた処理済みのアルミニウム板に塗布し、80℃で3分間乾燥して平版印刷用版材〔D−1〕、〔D−2〕を得て、それぞれ実施例17および比較例2とした。用いた高分子化合物及び光酸発生剤を下記表4に示す。乾燥後の塗布量は1.2g/m2 であった。
Figure 0003805051
【0102】
【表4】
Figure 0003805051
【0103】
使用した高分子化合物及び光酸発生剤は前記表4に示した。
【0104】
得られた平版印刷用版材〔D−1〕及び〔D−2〕を、富士写真フィルム(株)製ステップエッジ(各段濃度差が0. 15)を通して1mの距離から3kwのメタルハライドランプにより1分間露光を行った。露光後120度で3分加熱処理した後、20℃の水に30秒間浸漬し、現像した。得られた平版を用いてハイデルSOR- Mで印刷した。この際、感光層が残存し始めているステップエッジの段数を数えて感度を評価した。数値が大きいほど高感度である。結果は前記表4に併記した。
本発明により得られた平版印刷版用版材は、米国特許第5,225,316号に記載の版材よりも高感度であることが確認された。
【0105】
【発明の効果】
本発明は、高感度であり、且つ、水現像可能な、あるいは画像露光後における湿式現像処理やこすり等の特別な処理を必要としない、平版印刷版用原版を提供することができる。

Claims (1)

  1. 支持体上に、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される官能基より選択される、酸の作用によりスルホン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物と光酸発生剤を含む記録層を設けたことを特徴とする平版印刷用原版。
    Figure 0003805051
    (一般式(1)中、Lは一般式(1)で示される構造単位をポリマー骨格に連結するのに必要な、下記構造を単独で或いはこれらを組合せて構成される非金属原子から成る多価の有機基を表し、R1は置換もしくは無置換のアリール基、または、置換もしくは無置換アルキル基を示す。)
    (一般式(2)中、Lは一般式(2)で示される構造単位をポリマー骨格に連結するのに必要な、下記構造を単独で或いはこれらを組合せて構成される非金属原子から成る多価の有機基を表し、R2は置換もしくは無置換アルキル基を示す。)
    Figure 0003805051
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