JP3804931B2 - 電気音響変換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカやマイクロホンの如き電気音響変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピーカは振動板を有し、この振動板の外周はエッジを介し支持されているが、このエッジについても所望の音響特性を得るべく、形状、材質等種々の特性が要求されている。
【0003】
スピーカとしては種々のタイプのものが存在するが、このうち図7はアップロール型のエッジ20を設けた従来のスピーカの縦断面図、図8は同従来のスピーカにおいて、振動板26が前後方向に動いたときのアップロール型のエッジ20が排除する空気量の違いを示す説明図である。
【0004】
図7に示すスピーカは、スピーカの底部を構成するヨーク21と、このヨーク21の上面に取り付けられたマグネット22と、このマグネット22の上面に取り付けられたポールピース23と、前記ヨーク21とポールピース23間の磁気ギャップ内に保持されたボイスコイル25およびボイスコイルボビン24と、このボイスコイルボビン24の上端部に固着したドーム状の振動板26と、この振動板26の外周部に設けたアップロール型のエッジ20と、前記各部材を保持するフレーム27とを備えて構成されている。
【0005】
前記スピーカでは、振動板26はその外周部がエッジ20によって振動可能に支持されている。この振動板26の支持部の入力に対する直線性は、振幅が増加するにつれて上下非対称となり、高調波歪の発生原因となっている。例えば、アップロール型のエッジの場合、図8に示すように、振動板26が前方および後方に同じ変位量だけ動いた場合でも、エッジが排除する空気量A1およびA2は異なったものとなる。また、振動板26の変位量が増加する程、その差も大きくなる。
【0006】
そして、弾性制御域ではスピーカの音圧は振動板26とエッジ20が排除する空気量の和に比例する。このため、振動板26の振幅が増加するにつれて前後の音圧差が増え、その結果、偶数次の歪を発生する。
【0007】
その対策として、例えば特開平11−168793号に示されるような電気音響変換器が提案されている。すなわち、この電気音響変換器は、図5および図6に示すように、振動面2’に対して上下対称なロール形状を周方向に交互に等間隔に形成し、上ロール形状6’と下ロール形状7’とを切替面8’によって接続した構成としている。
【0008】
なお、図6は上記図5のX−X’線断面図である。
【0009】
このエッジ1’においては、エッジ部の円周方向に隣合うロールの上ロール形状6’と下ロール形状7’とを互い違いに形成しているため、エッジ部の円周方向に隣合うロール部分から排除される空気量の和が、エッジ部が前方に動いた場合と後方に動いた場合とで同等となり、その結果エッジ部から排除される空気量も前方と後方に動いた場合とで同等となる。これにより、振動板とエッジ1’が排除する空気量が前方と後方に動いた場合とで同等となり、したがって偶数次の高調波歪の発生を少なくすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、図5に示すように、上ロール形状6’および下ロール形状7’の内周部は外周部に対して面積が少ない形状となっているため、変位が増加するにつれて周方向のゆがみが生じ、スティフネスが大きく変化する、という課題がある。
【0011】
また、上ロール形状6’と下ロール形状7’とを接ぐ切替面8’の形状は巾広で、切替面8’の外周部は全体としてほぼリング状をなすエッジ1’の外周方向側に位置し、エッジ巾があり、有効振動面積を稼ごうとすると制約を受ける、という課題があった。
【0012】
この発明は、上記のことに鑑み提案されたもので、その目的とするところは、同じストロークを得るのにエッジ巾を小さくでき、よって相対的に有効振動面積を増やすことができ、音圧の向上化を図ることができ、また、変位の増加に対するスティフネスの増加を一定に保つことを可能とし、ボイスコイルの入力増加に伴う主にfo近辺の奇数次の歪の増加を押え得る電気音響変換器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明はエッジ1を、振動面2に対して上ロール形状6および下ロール形状7を周方向に交互に等間隔に形成するとともに、上ロール形状6および下ロール形状7を接ぐ切替面8をロール内周3およびロール外周4にほぼ接する曲線Aに沿わせて構成することにより、上記目的を達成している。
【0014】
また、この場合、切替面8は振動面2に対し一定の角度Cをなし、この角度Cはロール立上り部の曲率に対応した構成としている。
【0015】
また、上記角度Cは45°〜90°の範囲としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って本発明の実施例を説明する。
【0017】
【実施例】
図1は本発明に用いられるエッジ1の平面図、図2は図1中X−X’線断面で、図中2は振動面である。
【0018】
図1において、エッジ1には円形のロール内周3、およびその外周側に間隔を介してロール外周4が形成され、このロール内周3、ロール外周4によってリング状のロール部5が区画形成され、このロール部5の周方向には、上ロール形状6、下ロール形状7等が交互に等間隔に形成されている。
【0019】
隣合う各上ロール形状6、下ロール形状7は上下対称となっており、エッジ1が前後動した場合、これら上ロール形状6および下ロール形状7から排除される空気量の和は、前方、後方に動いた場合とで同等となるようになっている。したがって、これらからなる上下ロール形状6、7を備えてなるエッジ1から排除される空気量も前方と後方とに動いた場合とで同等になり、高周波歪の発生を低減することができるよう構成されている。
【0020】
8は上ロール形状6と下ロール形状7とを接ぐ切替面で、この切替面8は上ロール形状6、これと隣接する下ロール形状7との間にそれぞれ形成されている。
【0021】
本発明に用いられるエッジ1では、この切替面8をロール内周3およびロール外周4にほぼ接する曲線Aに沿って形成し、切替面8の距離を長くしたことに特徴を有している。
【0022】
このため、上下のロール形状6、7の切替面8が周方向に沿った状態となり、この分ロール部5が径方向に対して見掛け上長くなるので、同じストロークを得るのにロール部5の巾を小さくでき、ひいてはエッジ1の巾を小さくできる。
【0023】
したがって、その分、相対的に有効振動面積を増やすことができ、音圧の向上を図ることができる。
【0024】
また、曲線Aに沿って形成された切替面8は、図1中右側に示すように、振動面2に対し一定角度C°としている。
【0025】
この角度Cはロール立上り部の曲率に対応し、45°〜90°の範囲内である。なお、90°はロール部5が半円状の場合である。
【0026】
図5に示した従来のロール形状では、ロールの内周部は外周部に対して面積が少ない分、変位が増加するにつれ周方向のゆがみが生じ、スティフネスが大きく変化する。前記本発明の構成によれば、ロール部5の各部位に対し常に略直交する形で切替面8があるため、内外周のゆがみを切替面8で解消し得る効果を有する。
【0027】
これによりボイスコイルの入力増加に伴う主にfo近辺の奇数次の歪の増加を押えることが可能となり、音質を良好とすることができる。
【0028】
図3は上記エッジ1にドーム状の振動板9を組み込んでなる本発明の一実施例にかかるスピーカSの一例の断面図である。
【0029】
すなわち、エッジ1の内側に振動板9が設けられ、かつ外側はフレーム10側に結合、支持されている。
【0030】
振動板9の下面には円筒状のボイスコイル11の上部が結合され、かつこのボイスコイル11は磁気回路12の磁気ギャップ間に位置される。
【0031】
磁気回路12はスピーカSの底部をなすヨーク13と、その上に設けられたマグネット14と、その上に設けられた円板状のプレート15とを備え、プレート15の外周と、これと対向するヨーク13の内周面間の磁気ギャップにボイスコイル11が設けられ、エッジ1によって支持された振動板9がボイスコイル11に入力信号を加えると、それに応じて振動し、前方に音を放射するように構成されている。
【0032】
図4は、エッジの荷重−変位特性であり、図5に示した従来例と上記本発明品とを比較した説明図を示す。
【0033】
振動板9の上下動に伴いエッジ1に荷重がかかり変位するが、従来例に比べ本発明では、荷重−変位特性がリニアである。すなわち、本発明では、振動板9の支持部(エッジ)の入力に対する直線性が変化せず一定であり、高調波歪発生を抑制し得る。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、上、下ロール形状6、7間の切替面8を、ロール内、外周3、4にほぼ接する曲線Aに沿わせて形成した請求項1記載の構成の本発明によれば、同じストロークを得るのにエッジ巾を小さくでき、相対的に有効振動面積を増やすことができるため、音圧の向上を図ることができる。
【0035】
また、従来の形状に比べ、ロール部の各部位に対し常に略直交する形で切替面8が形成されているため、変位の増加に対するスティフネスの増加を一定に保つことができ、かつボイスコイルの入力増加に伴う主にfo近辺の奇数次の歪の増加を押えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いられるエッジの平面図を示す。
【図2】 図1中X−X’線断面図を示す。
【図3】 本発明の一実施例にかかるエッジを有する振動板を組込んだ電気音響変換器の一例の断面図を示す。
【図4】 本発明と従来例とを対比した荷重−変位特性図。
【図5】 本発明に用いられるエッジと対応する従来のエッジの平面図を示す。
【図6】 図5中X−X’線断面図を示す。
【図7】 従来例のスピーカの断面図を示す。
【図8】 同上の動作説明図を示す。
【符号の説明】
A ロール内、外周にほぼ接する曲線
1 エッジ
2 振動面
3 ロール内周
4 ロール外周
5 ロール部
6 上ロール形状
7 下ロール形状
8 切替面
9 振動板
10 フレーム
11 ボイスコイル
12 磁気回路
13 ヨーク
14 マグネット
15 プレート
Claims (3)
- 振動面(2)に対して上ロール形状(6)および下ロール形状(7)を周方向に交互に等間隔に形成するとともに、上ロール形状(6)および下ロール形状(7)を接ぐ切替面(8)をロール内周(3)およびロール外周(4)にほぼ接する曲線(A)に沿わせて形成したエッジ(1)を備えてなることを特徴とする電気音響変換器。
- 請求項1記載において、切替面(8)は、振動面(2)に対し一定の角度Cをなし、この角度Cはロール立上り部の曲率に対応することを特徴とする電気音響変換器。
- 請求項2記載において、前記角度Cは45°〜90°の範囲であることを特徴とする電気音響変換器。
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