JP3804845B2 - リードスイッチの自己保持作動方法および近接スイッチ - Google Patents

リードスイッチの自己保持作動方法および近接スイッチ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自己保持型リードスイッチの励磁技術に関し、特に永久磁石のような固定的な磁場を与える磁石とリードスイッチとを相対的に直線移動させるだけで、リードスイッチのオン・オフ動作が行なうことが可能であり、かつその磁石がリードスイッチに磁気的な影響を与えなくなる程度まで走逸した場合に、リードスイッチの動作の保持を行なえるようにしたリードスイッチの自己保持作動方法および近接スイッチに関する。
【0002】
この発明は、例えば、自動搬送機の位置検出やエレべータのかご位置検出等に用いる磁気形近接スイッチのリードスイッチの作動に有利に適用することができる。
【0003】
【従来の技術】
従来の自己保持型リードスイッチに関しては、例えば、リードスイッチにバイアス磁石を取り付ける方法が特公昭50−11072号公報に開示されている。この開示された従来技術では、リードスイッチを自己保持させるために、リードスイッチにバイアス磁石を取付け、リードスイッチの1対のリード片に予めリードスイッチが感動(感応して作動する意味)する磁力と、開放する磁力の中間の磁力が与えられる。そして、外部からの永久磁石またはコイルからの磁気に対応し、リードスイッチが作動するが、その中間の磁力の影響によりリードスイッチの作動状態がそのまま保持されるようになっている。
【0004】
さらに、特殊なリードスイッチとして、リード片に半硬質磁性材料を用いた自己保持型リードスイッチも提案されている(例えば、丸善株式会社発行「硬質磁性材料」昭和51年10月30日発行、第212項以下)。この自己保持型リードスイッチは、1対のリード片の各接点が同じ磁性を持つように磁化されたとき、または各リード片の磁性をなくすように減磁されたとき、各接点が開き、他方、各リード片が異なる磁性を持つように磁化されたとき、各接点が閉じ、半硬質性磁性材料の残留磁気によってその状態が保持される。このように、1対のリード片の各接点に対して、同じ極性を持って磁化または磁性を無くすように減磁するか、異なる極性を持って磁化するかは、通常、駆動コイルによる励磁が用いられる。このような自己保持型リードスイッチは、本来、電話用の電子交換通信部品としてのフェリードやラッチングリレー用として利用されているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特公昭50−11072号公報に開示された第1の従来技術では、自己保持型リードスイッチを提供することが可能なものの、リードスイッチの特性のばらつきにより、バイアス磁石の磁力調整が難しく、そのため磁気特性の精度の高いバイアス磁石を用意し、リードスイッチとそのバイアス磁石の間隔を高精度で位置決めするための構造物が必要であり、その結果として高価になってしまうという解決すべき点と、リードスイッチを上述の「中間の磁力」で磁化しているためにその周囲の金属、磁界の影響により自己保持の状態が保てなくなることがあるという解決すべき点とがあった。
【0006】
他方、上述した第2の従来技術となる、リード片に半硬質磁性材料を用いた自己保持型リードスイッチは、一般のリードスイッチと比べて開閉容量が小さく、接点溶着などのトラブルをおこしやすいという解決すべき点と、その接点の閉の状態が半硬質磁性材料の残留磁気によって保持されているが、その残留磁気はあまり大きくはないために、周囲の磁界の影響により自己保持の状態が保てなくなることがあるという解決すべき点とがあった。
【0007】
そこで、この発明の目的は、上述の従来技術の解決すべき課題に鑑み、例えば永久磁石のような固定的な磁気を与える磁石を、一定の方向に向けながら、リードスイッチに対してある一定の相対的直線移動をさせるだけで、当該リードスイッチをオン・オフ動作させ、かつその状態を保持できるようにしたリードスイッチの自己保持作動方法および近接スイッチを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、固定的な磁気を与える検出用磁石と、該検出用磁石の接近を検知して接点を閉じる第1のリードスイッチと、該第1のリードスイッチを自己保持動作させる励磁コイルと、前記第1のリードスイッチに対して略並行に配置され前記検出用磁石の接近を検知して接点を閉じることにより前記励磁コイルの駆動を制御する第2のリードスイッチとを設け、前記第1と第2のリードスイッチに対する前記検出用磁石の相対位置により前記第1と第2のリードスイッチの接点が閉となる範囲が重複するように、かつ前記検出用磁石を前記第のリードスイッチの接点が開の位置から前記第1のリードスイッチの向きに直線上を相対移動させた場合に前記第のリードスイッチ前記第のリードスイッチの順にそれら接点が閉じ、また前記の向きと反対方向に前記検出用磁石を相対移動させた場合に前記第のリードスイッチ前記第のリードスイッチの順にそれら接点が開放するように、前記第1、第2のリードスイッチ、前記励磁コイルおよび前記検出用磁石とを位置づけたことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記検出用磁石の配置方向を、当該磁石の磁束が前記第1、第2のリードスイッチのリード片の延びる方向に、該第1、第2のリードスイッチを貫く向きに定めるとしてよい。
【0010】
また、前記検出用磁石を、前記第1、第2のリードスイッチの上方に所定の間隔を保って、相対的直線移動経路に沿って相対移動可能に配置するとしてよい。
【0011】
さらに、前記相対的直線移動経路を、前記検出用磁石に棒状の永久磁石を用いる場合には、前記第1、第2のリードスイッチのリード片の伸びる方向に対し、垂直な向きに、かつ前記第1のリードスイッチ、前記第2のリードスイッチから成る平面に水平となる向きに選んだとしてよい。
【0012】
さらに、前記第1のリードスイッチ、前記第2のリードスイッチおよび前記励磁コイルから構成した電気回路が、前記第2のリードスイッチと前記励磁コイルとを並列接続し、これと前記第1のリードスイッチとを直列接続して成るとしてよい。
【0013】
さらに、前記検出用磁石が前記第1のリードスイッチを励磁のときと同じ向きの磁力で、該第1のリードスイッチを励磁する極性で、前記励磁コイルに電流が流れるようにすることで、該第1のリードスイッチが閉じ、前記第2のリードスイッチが開いた時にのみ、該励磁コイルに電流が流れ、その後、前記第2のリードスイッチが閉じることにより該励磁コイルの磁化が消去されるとしてよい。
【0014】
さらに、前記励磁コイルに印加する電圧を一定にするための回路と、前記励磁コイルに流れる電流を調節するための可変抵抗と、前記第1のリードスイッチの接点作動状態を表示する表示灯点灯回路と、前記励磁コイルの作動状態を表示する表示灯点灯回路とを前記電気回路に接続したとしてよい。
【0015】
さらに、前記励磁コイル内を貫通して前記第1のリードスイッチを配置し、該第1のリードスイッチの接点が閉じた状態を保持し、前記第2のリードスイッチが開いている場合には、前記励磁コイルにより該第1のリードスイッチが磁化され、該第1のリードスイッチの接点を閉じた状態に保持している状態で、前記第2のリードスイッチが閉じた状態に変わってときに第1のリードスイッチを磁化する前記励磁コイルの磁界が取り除かれるようにしたとしてよい。
【0016】
さらに、前記検出用磁石は、棒状の永久磁石、またはヨークと複数の磁石との組み合わせたもの、あるいは電磁石であるとすることができる。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載のリードスイッチの自己保持作動方法を用いて構成した近接スイッチであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
図1はこの発明を具体化した一実施形態におけるリードスイッチ・デバイスの概略外観構造を示す。図1に示すように、検出用磁石4の接近を検知する第1のリードスイッチ1と、このリードスイッチ1を自己保持動作させる励磁コイル3を駆動するための第2のリードスイッチ2とを所定の間隔で略並行にプリント基板6上に配置する。検出用磁石4の配置方向は、当該磁石の磁束がリードスイッチ1、2のリード片の延びる方向に、リードスイッチ1、2を貫く向きに定める。そして、この検出用磁石4を、リードスイッチ1、2上方に所定の間隔を保って近接配置し、相対的直線移動経路5に沿って往復移動(スライド)可能に配設する。なお、検出用磁石4を移動する機構は、説明を簡潔にするため図示を省略してあるが、この移動機構としては、この種のスイッチ等で使用されているような一般的な公知の機構を適用することが可能である。
【0020】
さらに、検出用磁石4の相対位置によりそれぞれのリードスイッチ1,2の接点が閉となる範囲が重複し、かつ検出用磁石4を第のリードスイッチ2の接点が開の位置から第1のリードスイッチ1の向きに移動経路5上を相対移動させた場合に、第のリードスイッチ2,のリードスイッチ1の順にそれら接点が閉じ、またその向きと反対方向に検出用磁石4を相対移動させた場合に、第のリードスイッチ1,前記第のリードスイッチ2の順にそれら接点が開放する様に、第1、第2のリードスイッチ1,2、および検出用磁石4を位置付けして配置し、かつ励磁コイル3をリードスイッチ1を駆動するように配置する。
【0021】
検出用磁石4の相対的直線移動経路5は、検出用磁石4に例えば図1に示すような棒状の永久磁石を用いる場合には、リードスイッチ1、2のリード片の伸びる方向に対し、ほぼ垂直な向きに、かつリードスイッチ1、リードスイッチ2から成る平面にほぼ水平となる向きに選ぶ。
【0022】
以上の配置構成の第1のリードスイッチ1、第2のリードスイッチ2及び励磁コイル3から構成された電気回路を設ける。
【0023】
図2はこの発明に係るその電気回路の原理を示す。この電気回路は、第2のリードスイッチ2と励磁コイル3とを並列に接続し、これらと第1のリードスイッチ1とを直列に接続し、それとともに上記検出用磁石4が第1のリードスイッチ1を励磁のときと同じ向きの磁力で第1のリードスイッチ1を励磁する極性で、励磁コイル3の電流が流れるように構成する。図2から分かるように、第1のリードスイッチ1が閉じ、第2のリードスイッチが開いた時にのみ、励磁コイル3に電流が流れる。
【0024】
図3はこの発明を具体化した一実施形態の電気回路を示す。この電気回路は、図3に示すように、図2の電気回路に、励磁コイル3に印加する電圧を一定にするための回路9、励磁コイル3に流れる電流を調節するための可変抵抗10、および第1のリードスイッチ1の接点作動状態を表示する表示灯点灯回路7、励磁コイル3の作動状態を表示する表示灯点灯回路8とを追加接続したものである。このため、第1のリードスイッチ1の作動状態の安定・判別を表示灯点灯回路7、8で表示することができる。すなわち、表示灯表示回路7、8の点灯・消灯が同じであれば、安定した作動状態、いづれか一方のみ点灯(または消灯)していれば、第1のリードスイッチ1の励磁状態が開放値、もしくは感動値の近傍にあり、不安定な動作状態にあると判別する
【0025】
したがって、リードスイッチ1、2として一般のリードスイッチを用いながら、この発明にかかる作動方法を用いて近接スイッチを構成すれば、簡単かつ廉価な構成により、磁石4の位置を容易に判別することの可能な近接スイッチを提供することができる。
【0026】
図4は、この発明を具体化した一実施形態において、上記の第1のリードスイッチ1、第2のリードスイッチ2、検出用磁石4および励磁コイル3、リードスイッチ1、2単体での磁石4との組み合わせでの接点オン・オフ位置、磁石4の相対直線移動経路を示す。ここで、11〜19は相対的直線移動経路5上での磁石4の位置である。20はリードスイッチ1の動作特性(オン位置)、21はリードスイッチ1の動作特性(オフ位置)、22はリードスイッチ2の動作特性(オン位置)、23はリードスイッチ2の動作特性(オフ位置)である。また、24はリードスイッチ1と表示灯点灯回路7の動作チャート、25はリードスイッチ2の動作チャート、26は励磁コイル3と表示灯点灯回路8の動作チャート、27は安定動作のチャートである。
【0027】
この例示においては、検出用磁石4として棒状の永久磁石が用いられ、第1のリードスイッチ1、第2のリードスイッチ2及び励磁コイル3は、図1のプリント基板6上に、図4の動作特性20、21、22、23を満たす位置に実装されている。また、磁石4とリードスイッチ1、2の相対直線移動経路5は、図4に示すような使用可能な間隔の範囲内に設定されている。
【0028】
さらに、図4の24〜27の曲線を具体的に説明すると、リードスイッチ1と表示灯点灯回路7の動作を示す曲線24は、検出用磁石4が相対的移動経路5上を図4中の左から右へ位置11から14へと移動する場合では、位置13に切り替わるタイミングt4で立ち上がり(開:消灯→閉:点灯)、検出用磁石4が相対的移動経路5上を図4中の右から左へ位置14´17へと移動する場合では、位置15から16に切り替わるタイミングt3で立ち下がる(閉:点灯→開:消灯)。ここで、開・閉はリードスイッチ1の開・閉を表し、点灯・消灯は表示灯点灯回路7のLED(発光ダイオード)の点灯・ 消灯を表す。リードスイッチ2の動作を示す曲線24は、検出用磁石4が相対的移動経路5上を図4中の左から右へ位置11から14へと移動する場合では、位置11から12に切り替わるタイミングt2で立ち上がり(開→閉)かつ位置13から14に切り替わるタイミングt6で立ち下がり(閉→開)、検出用磁石4が相対的移動経路5上を図4中の右から左へ位置14´から17へと移動する場合では、位置15に切り替わるタイミングt5で立ち上がり(開→閉)かつ位置17に相当するタイミングt1で立ち下がる(閉→開)。ここで、開・閉はリードスイッチ2の開・閉を表す。
【0029】
励磁コイル3と表示灯点灯回路8の動作を示す曲線26は、検出用磁石4が相対的移動経路5上を図4中の左から右へ位置11から14へと移動する場合では、位置13から14に切り替わるタイミングt6で立ち上がり(遮断・消灯→導通・点灯)、検出用磁石4が相対的移動経路5上を図4中の右から左へ位置14´から17へと移動する場合では、位置15に切り替わるタイミングt5で立ち下がる(導通・点灯→遮断・消灯)。また、安定動作を示す曲線(すなわち、作動状態の安定・判別を示す曲線)27は、表示灯点灯回路7、8の点灯・消灯状態を示す曲線24,26から、検出用磁石4が相対的移動経路5上を図4中の左から右へ位置11から14へと移動する場合では、位置12から13に切り替わるタイミングt4で立ち下がり(安定→不安定)かつ位置13から14に切り替わるタイミングt6で立ち上がり(不安定→安定)、検出用磁石4が相対的移動経路5上を図4中の右から左へ位置14´から17へと移動する場合では、位置15に切り替わるタイミングt5で立ち下がり(安定→不安定)かつ位置15から16に切り替わるタイミングt3で立ち上がる(不安定→安定)。
【0030】
次に、図4および図3を参照して、この発明の一実施形態のリードスイッチ・ ニットの構成要素の位置関係と動作について詳細に説明する。
【0031】
検出用磁石4が上記の相対的移動経路5上を図4中の左から右へ位置11から14へと移動する場合では、位置11において、第1のリードスイッチ1と第2のリードスイッチ2の接点は共に開いて、励磁コイル3に電流は流れず、次の位置12において、第2のリードスイッチ2の接点のみ閉じる。次の位置13において、第1のリードスイッチ1の接点が閉じて、第1のリードスイッチ1に電流が流れるが、励磁コイル3には電流は流れない。次の位置14において、第2のリードスイッチ2の接点が開き、励磁コイル3に電流が流れ、そのため例え検出用磁石4が位置18から図4中の右方向に走逸した場合でも、第1リードスイッチ1は接点を閉じた状態を保持する。
【0032】
また、当該検出用磁石4が、上記の相対的移動経路5上を図4中の右から左へ位置14´から17へと移動する場合では、位置14´において、第2のリードスイッチ2の接点が開いた状態で励磁コイル3に電流が流れ、第1のリードスイッチ1は接点を閉じた状態を保持している。次の位置15において、第2のリードスイッチ2の接点が閉じ、励磁コイル3の電流が遮断されるが、第1のリードスイッチ1の接点は閉じた状態にある。次の位置16において第1のリードスイッチ1の接点が開き、次の位置17において第2のリードスイッチ2の接点が開くので、例え検出用磁石4が位置19から図4中の左方向に走逸した場合でも、第1のリードスイッチ1は接点を開いた状態を保持する。
【0033】
また、上記のように、第1のリードスイッチ1の接点が閉じた状態を保持している場合には、励磁コイル3により第1のリードスイッチ1が十分に磁化される。一方、上記のように第1のリードスイッチ1の接点を開いた状態に保持している状態では、第1のリードスイッチ1を磁化する磁界が十分に取り除かれている。このため、第1のリードスイッチ1はその周囲の金属や、磁界の影響を受けにくくなる。その結果、リードスイッチを安定に作動させることができる。
【0034】
なお、図1に示すように、上述の実施形態では、検出用磁石として棒状の磁石を1個のみ用いたが、ヨークと複数の磁石との組み合わせたもの、または電磁石を検出用磁石として構成してもよいことは勿論である。また、図1において磁石4をプリント基板6に対して移動すると説明したが、磁石4を固定してプリント基板6の方を直線移動経路5に沿って動かしても、あるいは磁石4とプリント基板6とを直線移動経路5に沿って同時に動かすようにしても、同様な作用・効果が得られることは勿論である。さらに上述した実施形態では外箱(ハウジング、筐体)を図示していないが、当然外箱を用いてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、リードスイッチに固定的な磁力を与える永久磁石のような磁石をリードスイッチに対して相対的に直線移動させるだけで、そのリードスイッチを確実にオン・オフ作動させ、かつその動作を保持させることができる。
【0036】
また、この発明によれば、第1のリードスイッチの接点が閉じた状態を保持している場合には、励磁コイルにより第1のリードスイッチが十分に磁化され、第1のリードスイッチの接点を開いた状態に保持している状態では、第1のリードスイッチを磁化する磁界が十分に取り除かれているので、リードスイッチの周囲の金属や、磁界の影響を受けにくくなり、その結果、リードスイッチを安定に作動させることができる。
【0037】
さらに、この発明では、従来から市販されているような一般的なリードスイッチ、磁石およびコイルを組み合わせて構成することができ、前述の従来技術2で述べたような特殊なリードスイッチ、あるいは従来技術1で述べたようなバイアス用の磁石を用いる必要が無いので、その特殊なリードスイッチおよび高精度の磁気特性を要するバイアス磁石自体と、その磁石を高精度に位置決めするための部品等が不必要となり、従来例と比べて比較的簡易な構造で廉価に近接スイッチを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した一実施形態におけるリードスイッチ・デバイスの外観構造を示す斜視図である。
【図2】この発明に係る電気回路の原理を示す回路図である。
【図3】この発明を具体化した一実施形態の電気回路を示す回路図である。
【図4】この発明を具体化した一実施形態における第1のリードスイッチ、第2のリードスイッチ、検出用磁石および励磁コイル、リードスイッチ単体での磁石との組み合わせでの接点オン・オフ位置、磁石の相対直線移動経路を示すタイミング図である。
【符号の説明】
1 第1のリードスイッチ
2 第2のリードスイッチ
3 励磁コイル
4 検出用磁石
5 磁石の相対的直線移動経路
6 プリント基板
7 リードスイッチ1の接点作動状態を表示する表示灯点灯回路
8 励磁コイル3の作動状態を表示する表示灯点灯回路
9 励磁コイル3に印加する電圧を一定にするための回路
10 励磁コイル3に流れる電流を調節するための可変抵抗
11〜19 相対的直線移動経路上での磁石の位置
20 リードスイッチ1の動作特性(オン位置)
21 リードスイッチ1の動作特性(オフ位置)
22 リードスイッチ2の動作特性(オン位置)
23 リードスイッチ2の動作特性(オフ位置)
24 リードスイッチ1、表示灯点灯回路7の動作チャート
25 リードスイッチ2の動作チャート
26 励磁コイル3、表示灯点灯回路8の動作チャート
27 安定動作のチャート

Claims (10)

  1. 固定的な磁気を与える検出用磁石と、
    該検出用磁石の接近を検知して接点を閉じる第1のリードスイッチと、
    該第1のリードスイッチを自己保持動作させる励磁コイルと、
    前記第1のリードスイッチに対して略並行に配置され前記検出用磁石の接近を検知して接点を閉じることにより前記励磁コイルの駆動を制御する第2のリードスイッチと
    を設け、
    前記第1と第2のリードスイッチに対する前記検出用磁石の相対位置により前記第1と第2のリードスイッチの接点が閉となる範囲が重複するように、かつ前記検出用磁石を前記第のリードスイッチの接点が開の位置から前記第1のリードスイッチの向きに直線上を相対移動させた場合に前記第のリードスイッチ前記第のリードスイッチの順にそれら接点が閉じ、また前記の向きと反対方向に前記検出用磁石を相対移動させた場合に前記第のリードスイッチ前記第のリードスイッチの順にそれら接点が開放するように、前記第1、第2のリードスイッチ、前記励磁コイルおよび前記検出用磁石とを位置づけたことを特徴とするリードスイッチの自己保持作動方法。
  2. 前記検出用磁石の配置方向を、当該磁石の磁束が前記第1、第2のリードスイッチのリード片の延びる方向に、該第1、第2のリードスイッチを貫く向きに定めたことを特徴とする請求項1に記載のリードスイッチの自己保持作動方法。
  3. 前記検出用磁石を、前記第1、第2のリードスイッチの上方に所定の間隔を保って、相対的直線移動経路に沿って相対移動可能に配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のリードスイッチの自己保持作動方法。
  4. 前記相対的直線移動経路を、前記検出用磁石に棒状の永久磁石を用いる場合には、前記第1、第2のリードスイッチのリード片の伸びる方向に対し、垂直な向きに、かつ前記第1のリードスイッチ、前記第2のリードスイッチから成る平面に水平となる向きに選んだことを特徴とする請求項3に記載のリードスイッチの自己保持作動方法。
  5. 前記第1のリードスイッチ、前記第2のリードスイッチおよび前記励磁コイルから構成した電気回路が、前記第2のリードスイッチと前記励磁コイルとを並列接続し、これと前記第1のリードスイッチとを直列接続して成ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリードスイッチの自己保持作動方法。
  6. 前記検出用磁石が前記第1のリードスイッチを励磁のときと同じ向きの磁力で、該第1のリードスイッチを励磁する極性で、前記励磁コイルに電流が流れるようにすることで、該第1のリードスイッチが閉じ、前記第2のリードスイッチが開いた時にのみ、該励磁コイルに電流が流れ、その後、前記第2のリードスイッチが閉じることにより該励磁コイルの磁化が消去されることを特徴とする請求項5に記載のリードスイッチの自己保持作動方法。
  7. 前記励磁コイルに印加する電圧を一定に
    するための回路と、
    前記励磁コイルに流れる電流を調節するための可変抵抗と、
    前記第1のリードスイッチの接点作動状態を表示する表示灯点灯回路と、
    前記励磁コイルの作動状態を表示する表示灯点灯回路とを前記電気回路に接続したことを特徴とする請求項5または6に記載のリードスイッチの自己保持作動方法。
  8. 前記励磁コイル内を貫通して前記第1のリードスイッチを配置し、該第1のリードスイッチの接点が閉じた状態を保持し、前記第2のリードスイッチが開いている場合には、前記励磁コイルにより該第1のリードスイッチが磁化され、該第1のリードスイッチの接点を閉じた状態に保持している状態で、前記第2のリードスイッチが閉じた状態に変わってときに第1のリードスイッチを磁化する前記励磁コイルの磁界が取り除かれるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のリードスイッチの自己保持作動方法。
  9. 前記検出用磁石は、棒状の永久磁石、またはヨークと複数の磁石との組み合わせたもの、あるいは電磁石であることを特徴とする請求項1に記載のリードスイッチの自己保持作動方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のリードスイッチの自己保持作動方法を用いて構成したことを特徴とする近接スイッチ。
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