JP3803703B2 - セパレーツ型伸縮性運動着 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上衣と下衣とを有する新規な構造のセパレーツ型伸縮性運動着に関する。
【0002】
【従来の技術】
女性用の伸縮性運動具、例えば、水着としては、ワンピース型とセパレーツ型に大別される。セパレーツ型の水着は、着用者の上半身を覆う水着上衣と、下半身を覆う水着下衣とで構成される。ワンピース型の水着のメリットとしては、着用時の一体感、フィット感に優れること、腹部の保温性が高いこと等が挙げられる。一方、セパレーツ型の水着のメリットとしては、デザイン的な自由度が高いことに加え、着脱が容易であること等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のセパレーツ型の水着においては、水中で水着上衣の裾部がめくれ上がって腹部が露出し、肌寒く感じる場合があった。特に水中運動や歩行などでは、上下運動が多いため、頻繁にめくれてしまい、不快に感じる場合があった。このような問題は、水着に限らず、エアロビクス等の運動に使用されるレオタード等にも当てはまる。
【0004】
そこで、本発明においては、従来のセパレーツ型とワンピース型の双方のメリットを併せ持った新規なセパレーツ型伸縮性運動着を提供することを目的とする。すなわち、着脱しやすく、腹部が露出し難くい、全く新規なセパレーツ型伸縮性運動着を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、上衣は、表地と;当該表地の内側において、少なくとも着用者の腰部周辺に配置され、上縁部のみが固定された帯状のインナー部とを有する構造としている。また、インナー部の裾部が下衣の中に収納可能な構造としている。そして、着用時に、表地の裾部が下衣の上に被さるように構成される。
【0006】
上記のような構成とすることにより、着用時に上衣の裾部がめくれ上がって腹部が露出し難くなり、冷え、不快を解消することが可能なる。仮に、表地の裾が捲れ上がっても、インナー部によって肌の露出を防止できる。
【0007】
また、インナー部をネオプレーン等の保温性素材で成形することにより、腹部の保温性が向上する。上衣のインナー部又は下衣の少なくとも一方に、滑り止め加工を施した場合には、激しい運動を行った場合にも、上衣のインナー部が下衣から抜け出ることがなくなる。更に、インナー部を表地よりも収縮力の強い素材で成形することにより、着用者の腹部が締め付けられ、体型補正効果が得られる。
【0008】
好ましくは、表地の首周りから下方に延びて開閉自在にするファスナーを設ける。例えば、表地の首周りから裾部に渡って全開するようにファスナーを設けるとともに、インナー部には、表地のファスナーに沿って前部が開放するように切り込みを形成する。このような構成により、着脱容易性が更に向上する。
【0009】
更に、インナー部を表地に直接縫いつけるのではなく、裏地に縫いつけることにより、表面に縫い目が出ることが無く、見た目にも優れたものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、伸縮性運動着の一態様としてセパレーツ型の水着を例に採り、添付図面を参照して説明する。なお、本発明に係る伸縮性運動着は、海やプールでの水泳、水中運動、水中歩行等の際に着用する水着の他に、エアロビクス等のフィットネス用のレオタードにも適用可能である。基本的には、年齢、性別を問わず使用可能であるが、特に女性に適している。例えば、妊婦の場合には、健常者に比べて、水着(運動着)の着脱が困難であると同時に、腹部を冷やすことは好ましくないため、本発明にかかる運動着の効果が顕著となる。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施例に係るセパレーツ水着10の構成を示す斜視図である。図2は、第1の実施例に係る水着10の上衣12、図3は下衣の構成を示す平面図である。本実施例に係るセパレーツ水着10は、伸縮性に優れた生地から成形される水着上衣12と水着下衣14とから構成される。水着上衣12は、裾部が着用者の下腹部付近まで延びる表地12aと、当該表地12aの裾部よりも更に長く下方に延びるインナー部12bとから構成される。着用時には、インナー部12bの裾部は、水着下衣14の中に納められる。水着上衣12、水着下衣14を構成する生地としては、例えば、伸縮性を有するナイロンもしくはポリエステルとポリウレタンの交編ツーウェイトリコット等を使用することができる。
【0012】
表地12aの裾部とインナー部12bとは固定されず、表地12aの裾部から長さL1だけ上方で当該表地12aとインナー部12bとが縫い合わされる。縫い合わせ位置18において、インナー部12bの上縁部のみが表地12aと縫い合わされて固定される。着用時には、表地12aの裾部が水着下衣14の上に被さるようになる。L1は、10cm〜20cm程度、好ましくは、10cm〜15cm、例えば、12cmとする。
【0013】
インナー部12bは表地12aの裾から長さL2だけ下方にはみ出した構造となる。L2としては、5cm〜15cm程度、例えば、10cmとすることが好ましい。特に、エアロビクス等のように激しい運動用途に使用する場合には、L2の長さを長めにすることが好ましい。特に背中側を長くすることが好ましい。
【0014】
表地12aには、首周りから下方に延びて開閉自在にするファスナー16が設けられており、ファスナー16は表地12aの裾部に渡って全開するように設けられている。一方、インナー部12bには、ファスナー16に沿って前部が開放するように切り込み20が形成されている。このような構造とすることにより、水着10の前面が完全に開放可能となり、着脱が非常に容易となる。
【0015】
インナー部12bの切り込み20の対向する縁部同士を係止するように、当該縁部にはホック、メカニカルファスナー等の係止部材22が設けられている。ホック22の位置は、例えば、表地12aとインナー部12bの縫い目18から各々1cm、8cmとする。なお、ホック22の数、位置は適宜変更可能である。
【0016】
水着上衣12のインナー部12bは、ネオプレーン等の保温性素材で成形することができる。この場合には、腹部の保温性が向上し、年配者や妊婦等に適する。
【0017】
また、インナー部12bは表地12aよりも収縮力の強い素材で成形することもできる。これにより、着用者の腹部が締め付けられ、体型補正効果が得られる。
【0018】
更に、インナー部12bの裾部領域23に対して、必要に応じて滑り止め加工を施し、あるいは滑りにくい素材とすることができる。この場合には、着用者が激しい運動を行った場合にも水着上衣のインナー部12bが下衣14から抜け出ることがなくなる。
【0019】
図3に示すように、水着下衣14の上縁部領域24には、必要に応じて滑り止め加工を施することができる。これによる効果は、上述したように、上衣インナー部12bに滑り止め加工をした場合と同様である。
【0020】
水着下衣14の股上の長さ(高さ)L3は、上衣12のインナー部12bを内部に収納するのに十分な長さを必要とする。水着10自体のサイズにもよるが、20cm〜35cm、例えば、27cm〜32cmとすることができる。
【0021】
図4は、本発明の第2の実施例に係るセパレーツ水着の上衣の構成を示す平面図である。本実施例に係る水着上衣12は、図2に示す水着の構造をシンプルにしたものである。すなわち、表地12aのファスナー16、インナー部12bのホック22を設けない構造となっている。なお、他の構成、構造については、図2に示す第1実施例と同様である。
【0022】
図5は、本発明の第3の実施例に係るセパレーツ水着10の構成を示す斜視図である。図6は、第3の実施例に係る水着10の上衣12の裏側裾部周辺の様子を示す平面図である。本実施例に係るセパレーツ水着10は、上述した第1の実施例に係る水着(図1〜図3)と基本的な構造は同一であるが、インナー部12bの取り付け方法が大きく異なる。なお、既に説明した実施例と同一又は対応する構成要素については、同一の参照符号を付し、重複した説明は省略する。
【0023】
本実施例に係る水着10においては、インナー部12bの上縁部(28)は、裏地26にのみ縫いつけられている。裏地26は、表地12と縁部において縫い合わされている。裏地26としては、伸縮性に優れたメッシュ素材を使用することができる。図6に示すように、インナー部12bの上縁部は縫い合わせ領域28においてのみ裏地26に固定される。領域28は、ホックの雄側22aと雌側22bの付近には形成されず、ホックによるスムーズな係止動作を阻害しないように配慮されている。
【0024】
また、本実施例の他の特徴としては、インナー部12bの形状にある。インナー部12bの裾(下縁部)は、正面腹部付近においては、表地12aの裾より上側にあってはみ出していないが、腰部から背中に向かって徐々にははみ出した状態になる。
【0025】
その他の構造、改良については、上述した第1及び第2の実施例と同様であり、重複した説明は省略する。
【0026】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に示された技術的思想の範疇において変更可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例に係るセパレーツ水着の構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、第1の実施例に係る水着の上衣の構成を示す平面図である。
【図3】図3は、第1の実施例に係る水着の下衣の構成を示す平面図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施例に係るセパレーツ水着の上衣の構成を示す平面図である。
【図5】図5は、本発明の第3の実施例に係るセパレーツ水着の構成を示す斜視図である。
【図6】図6は、第3の実施例に係るセパレーツ水着の裏地の一部とインナー部との構成を示す平面図である。
【符号の説明】
10 セパレーツ水着
12 水着上衣
12a 表地
12b インナー部
14 水着下衣
16 ファスナー
18 縫い目
20 切り込み
22 ホック
26 裏地
28 縫い合わせ部(インナー部+裏地)
Claims (19)
- 上衣と下衣とを有するセパレーツ型伸縮性運動着において、
前記上衣は、表地と;当該表地の内側において、少なくとも着用者の腰部周辺に配置され、上縁部のみが固定された帯状のインナー部とを有し、
前記インナー部の裾部が前記下衣の中に収納可能な構造であり、
前記表地の首周りから下方に延び、前記表地の前記首周りから裾部に渡って全開可能に開閉にするファスナーが設けられ、
前記インナー部には、前記表地のファスナーに沿って前部が開放するように切り込みが形成されていることを特徴とするセパレーツ型伸縮性運動着。 - 前記インナー部の切り込みの対面する縁部同士を係止するように、当該縁部に係止部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 前記係止部材は、ホックであることを特徴とする請求項2に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 着用時に、前記表地の裾が前記下衣の上縁部に被さる構造であることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 前記上衣において、前記インナー部の裾が前記表地の裾より下方にはみ出していることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 前記表地とインナー部とは同一の素材によって成形されることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 前記インナー部は、前記表地よりも収縮力の強い素材で成形されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 前記インナー部は、保温性素材で成形されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 前記保温性素材はネオプレーンであることを特徴とする請求項8に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 前記インナー部は、少なくとも前記裾部付近に滑り止め加工が施されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 前記上衣は、前記表地と縁部において縫い合わせられる裏地を更に備え、
前記インナー部の上縁部が前記裏地に縫い合わされていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。 - 前記裏地は伸縮性のメッシュ素材で成形されることを特徴とする請求項11に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 前記上衣及び下衣は、ナイロンもしくはポリエステルとポリウレタンの交編ツーウェイトリコットで成形されることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又は12に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 前記下衣において、少なくとも上縁部付近に滑り止め加工が施されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12又は13に記載のセパレーツ型伸縮性運動着。
- 上衣と下衣とを有するセパレーツ型水着において、
前記上衣は、表地と;当該表地の内側において、少なくとも着用者の腰部周辺に配置され、上縁部のみが固定された帯状のインナー部とを有し、
前記インナー部の裾部が前記下衣の中に収納可能な構造であり、
前記表地の首周りから下方に延び、前記表地の前記首周りから裾部に渡って全開可能に開閉にするファスナーが設けられ、
前記インナー部には、前記表地のファスナーに沿って前部が開放するように切り込みが形成されていることを特徴とする水着。 - 前記インナー部は、保温性素材で成形されていることを特徴とする請求項15に記載の水着。
- 前記保温性素材はネオプレーンであることを特徴とする請求項16に記載の水着。
- 前記上衣は、前記表地と縁部において縫い合わせられる裏地を更に備え、
前記インナー部の上縁部が前記裏地に縫い合わされていることを特徴とする請求項15,16又は17に記載の水着。 - 前記裏地は伸縮性のメッシュ素材で成形されることを特徴とする請求項18に記載の水着。
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