JP3803558B2 - 給紙装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給紙装置に係り、特に、用紙に重ね記録をするために、重ね記録をする前の記録準備位置への用紙の搬送を円滑に行うのに好適な給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンピュータ、ワードプロセッサ、ファクシミリなどの出力装置として用いられている熱転写プリンタ、インクジェットプリンタ、レーザビームプリンタなどの各種のプリンタにおいては、用紙に所望の記録を行う場合、複数枚の用紙が収納された分離機構を具備する給紙トレイ(給紙カセット)をプリンタ本体に装着し、この給紙トレイに収納された用紙を回転駆動する給紙ローラに当接させて給紙ローラを回転駆動させることで、分離機構により上方から1枚づつ分離するとともに、紙送りローラに向かって搬送し、その後紙送りローラの回転駆動力をもって搬送することで給紙されるようになっている。
【0003】
すなわち、従来の給紙装置における給紙時の用紙の搬送は、用紙の給紙トレイから紙送りローラへの搬送を給紙ローラが分担し、その後の用紙の搬送を紙送りローラが分担するように構成されている。
【0004】
なお、紙送りローラによる用紙の搬送は、紙送りローラと、この紙送りローラの外周面に従動回転可能に配設された補助ローラとの間に挟持されるようにして走行可能とされている。
【0005】
また、従来の給紙装置は、小型化、低コスト化を図るため1つの駆動モータで紙送りローラおよび給紙ローラを駆動するとともに、給紙ローラが排紙ローラを兼用する構成とされているものが知られている。
【0006】
このような給紙装置においては、複数色のインクを重ねてフルカラー記録などの記録を行うことができるように、給紙時に給紙ローラによって紙送りローラに用紙を搬送し、その後紙送りローラによって用紙を記録準備位置に搬送し、用紙に記録を行う記録時に前記紙送りローラによって用紙を給紙時と逆方向に搬送しながら用紙への記録および排出を実行するとともに、記録時に用紙に重ね記録をする際には、記録後に給紙方向と同一方向に用紙を搬送することができるように形成されている。
【0007】
すなわち、最初に給紙ローラおよび紙送りローラを用いて用紙の給紙を実行し、その後、紙送りローラの駆動力によって給紙方向とは逆方向に用紙を搬送しながら用紙に記録を行う記録と、この記録後に、用紙を記録準備位置に戻すための紙送りローラの駆動力によって給紙方向に用紙を搬送して記録準備位置に戻す搬送とを所定回数繰り返し、最後の記録を行った後、用紙をそのまま外部に排出するように構成されている。
【0008】
したがって、記録時および排紙時における用紙の搬送方向を給紙時の紙送り方向に対して逆方向に搬送(逆搬送)し、重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時における用紙の搬送方向を給紙時の紙送り方向と同一方向に搬送するように構成されている。
【0009】
このため、給紙ローラを回転駆動する給紙ローラ駆動ギアの回転方向の切換を、紙送りローラを回転駆動させる紙送りローラ駆動ギアに接続される揺動ギアによって制御している。
【0010】
また、記録時、重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時、排紙時におけるそれぞれの用紙の搬送経路は、給紙ローラの外周面のうちの例えば給紙トレイに対向する下部と反対側に位置する上部を通過するように形成されており、この給紙ローラの外周部の給紙トレイとほぼ反対側の部位には、ガイドローラが用紙の搬送経路に臨むようにして配設されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の給紙装置においては、給紙時において給紙ローラの外周面の給紙トレイ側に位置する例えば下部を通過する用紙が、用紙を重ね記録をする前の記録準備位置へ搬送させる際には給紙ローラの外周面の例えば上部を通過するため、重ね記録をする前の記録準備位置への用紙の搬送時に用紙と接触する給紙ローラの表面は、用紙の搬送方向に対して逆方向に移動する。このため、用紙は、全体として紙送りローラと補助ローラとに挟持されて給紙方向に搬送されるものの、用紙の末尾側には給紙ローラによって用紙の移動方向に抗する力が加わり、駆動モータに加わる負荷が増加したり、給紙ローラの表面が摩耗したり、重ね記録をする前の記録準備位置へ搬送させる用紙がスリップして用紙の頭出し位置がずれてしまいインクを重ねる際に位置ずれを生じるなどの問題点があった。
【0012】
そこで、紙送りローラおよび給紙ローラを1つの駆動モータで駆動することができるとともに、用紙の重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時における搬送を円滑に行うことのできる給紙装置が求められている。
【0013】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、紙送りローラおよび給紙ローラを1つの駆動モータで駆動することができるとともに、用紙の重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時の搬送を円滑に行うことのできる給紙装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため本発明に係る給紙装置の特徴は、駆動モータの回転駆動力が伝達され、紙送りローラに回転駆動力を伝達するための紙送りローラ駆動ギアと、紙送りローラ駆動ギアに常に噛合する中間ギアと、中間ギアに常に噛合するメインギアおよびこのメインギアと同軸上に形成されメインギアと一体回転するサブギアを具備する主伝達ギアと、主伝達ギアと同軸上に回転自在に支持された揺動板に回転可能にそれぞれ支持され、それぞれ主伝達ギアのサブギアに常に噛合する第1ギアおよび第2ギアを具備する揺動ギアと、給紙時における主伝達ギアの一方の回転方向への駆動にともなって揺動ギアの第1ギアが選択的に噛合される副伝達ギアと、記録時における主伝達ギアの他方の回転方向への駆動にともなって揺動ギアの第2ギアが選択的に噛合され、給紙ローラに回転駆動力を伝達するための副伝達ギアに常に噛合する給紙ローラ駆動ギアと、給紙時、記録時、重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時、排紙時における駆動モータの回転方向を制御するための制御部とを有し、給紙ローラの周速が紙送りローラの周速より遅くなるように形成し、用紙に重ね記録をするために重ね記録をする前の記録準備位置への用紙の搬送を行う際には、揺動ギアの第2ギアが給紙ローラ駆動ギアに噛合した第2噛合状態を保持するように構成した点にある。
【0015】
そして、このような構成を採用したことにより、紙送りローラおよび給紙ローラを1つの駆動モータで駆動することができるとともに、給紙ローラと紙送りローラとのそれぞれの周速差によって、用紙の重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時に揺動ギアの第2ギアが給紙ローラ駆動ギアに噛合した状態を保持するように働く。その結果、用紙の重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時に用紙は紙送りローラによって給紙方向に移動し、給紙ローラは、用紙と接触する給紙ローラの表面が用紙の搬送方向に沿って移動するように回転する。したがって、紙送りローラおよび給紙ローラを1つの駆動モータで駆動することができるとともに、用紙の重ね記録をする前の記録準備位置への搬送を円滑に行うことができる。
【0016】
なお、給紙ローラの周速を紙送りローラの周速より遅くするには、紙送りローラ駆動ギアと給紙ローラ駆動ギアとの回転比あるいは径比により容易に達成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0018】
図1および図2は本発明に係る給紙装置の実施形態を示すものであり、図1は要部の正面図、図2はプリンタフレームに装着した状態の要部を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の給紙装置1は、紙送りローラ駆動ギア2を有している。この紙送りローラ駆動ギア2の左側には、紙送りローラ駆動ギア2と常に噛合するアイドルギア3が回転自在に配設されており、このアイドルギア3の左側には、アイドルギア3に常に噛合する2段ギアとされた出力ギア4が回転自在に配設されている。そして、出力ギア4の左側には、出力ギア4に常に噛合するピニオン5が配設されている。このピニオン5は、正・逆回転可能なサーボモータあるいはパルスモータなどからなる駆動モータ6の出力軸6aに固着されており、駆動モータ6の回転駆動力が、ピニオン5、出力ギア4およびアイドルギア3をこの順に介して紙送りローラ駆動ギア2に伝達されるようにされている。また、駆動モータ6は、後述する制御部7に電気的に接続されており、制御部7から送出される制御指令に基づいて回転駆動されるようになっている。なお、駆動モータ6の回転駆動力を紙送りローラ駆動ギア2に伝達する構成としては、駆動モータ6の配設位置によってピニオン5とローラ駆動ギア2との間に介在させるギアの数を変更することができ、特に、本実施形態の構成に限定されるものではない。
【0020】
前記紙送りローラ駆動ギア2の右側には、紙送りローラ駆動ギア2と常に噛合する中間ギア8が回転自在に配設されており、この中間ギア8の右側には、主伝達ギア9が回転自在に配設されている。そして、主伝達ギア9は、中間ギア8に常に噛合する大径のメインギア9aと、このメインギア9aと同軸上に形成されメインギア9aと一体回転する小径のサブギア9bとを有する2段ギアにより形成されている。
【0021】
前記主伝達ギア9を回転自在に支持している主伝達ギア支持軸10の先端部側には、サブギア9bに常に噛合する第1ギア11aおよび第2ギア11bを有する揺動ギア11が配設されている。これらの第1ギア11aおよび第2ギア11bは、主伝達ギア支持軸10の先端部側に回転自在に支持された揺動板11cに回転自在に支持されており、第1ギア11aおよび第2ギア11bは、ともにサブギア9bの回転にともなってサブギア9bの外周面を主伝達ギア支持軸10を中心として公転可能に形成されている。
【0022】
前記揺動ギア11の右下側には、第1ギア11aと選択的に噛合する副伝達ギア13が回転自在に配設されており、この副伝達ギア13は、給紙ローラ駆動ギア12と常に噛合されている。
【0023】
また、前記揺動ギア11の右上側には、第2ギア11bと選択的に噛合する給紙ローラ駆動ギア12が回転自在に配設されている。
【0024】
前記紙送りローラ駆動ギア2は、紙送りローラ14の紙送りローラ駆動軸14aの一端に固着されている。この紙送りローラ駆動軸14aは、図2に示すように、プリンタフレーム15の2つの側板15aによって、プリンタフレーム15のほぼ中央部に回転自在に支持されており、その上部には、補助ローラ16が従動回転可能に配設されている。また、プリンタフレーム15の内部には、図示しない記録ヘッドが配設されており、紙送りローラ14によって給紙される用紙P(図3、図4)の所定位置に文字や画像などの記録を施すことができるようになっている。なお、記録ヘッドとしては、プリンタの種類に応じたもの、例えばサーマルヘッド、ラインサーマルヘッド、インクジェットヘッド、活字ヘッドなどが使用される。さらにまた、記録ヘッドは、設計コンセプトなどの必要に応じて、紙送りローラ14の左側、あるいは、紙送りローラ14と後述する給紙ローラ21との間などに配置することができる。
【0025】
前記駆動モータ6は、図2手前側に示すプリンタフレーム15の一方の側板15aに固着されており、この側板15aの外側面には、図1に示す出力ギア4を回転自在に支持する出力ギア支持軸17、アイドルギア3を回転自在に支持するアイドルギア支持軸18、中間ギア8を回転自在に支持する中間ギア支持軸19、主伝達ギア9および揺動ギア11を回転自在に支持する主伝達ギア支持軸10、および、副伝達ギア13を回転自在に支持する副伝達ギア支持軸20などがその先端を外側に向けて立設されている。
【0026】
前記給紙ローラ駆動ギア12は、給紙ローラ21の給紙ローラ駆動軸21aの一端に固着されている。この給紙ローラ駆動軸21aは、プリンタフレーム15の両側板15aによって、プリンタフレーム15の右端部近傍に紙送りローラ14と平行に延在するようにして回転自在に支持されている。また、給紙ローラ21の給紙ローラ駆動軸21aには、2つのローラ体21bが適宜な間隔を隔てて固着されている。
【0027】
前記給紙ローラ21の下方には、従来公知の複数枚の用紙Pが収納された分離機構を具備する給紙トレイ(給紙カセット:図示せず)が装着可能とされており、用紙Pに所望の記録を行う場合には、給紙トレイに収納された最上部の用紙Pをローラ体21bに下方から当接させた状態で給紙ローラ21を回転駆動させることで、分離機構により上方から1枚づつ分離するとともに、紙送りローラ14に向かって搬送することができるようにされている。また、給紙ローラ21のローラ体21bの上部には、ガイドローラ22(図1)が配設されており、このガイドローラ22は、後述する記録時、重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時および排紙時における用紙Pの搬送経路に臨むように給紙ローラ21とほぼ接触するように配設されている。
【0028】
また、本実施形態においては、紙送りローラ駆動ギア2と給紙ローラ駆動ギア12との回転比、あるいは、紙送りローラ14と給紙ローラ21との径比により、給紙ローラ21の周速が紙送りローラ14の周速より遅くなるように形成されている。
【0029】
前記制御部7は、CPUと、適宜な容量のROM、RAMなどにより形成されたメモリ(共に図示せず)とを有しており、プリンタフレーム15の所望の位置に配設されている。そして、メモリには、少なくとも給紙動作制御を行うための制御プログラムたる搬送制御プログラムが記憶されている。この搬送制御プログラムとしては、用紙Pの給紙時および重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時に、紙送りローラ14を図1反時計方向へ回転させ、記録時および排紙時に紙送りローラ14を図1時計方向へ回転させるように駆動モータ6の回転方向を制御するプログラムを例示できる。なお、記録時、重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時および排紙時における用紙Pの搬送経路は、後述するように、給紙ローラ21とガイドローラ22との間を通過するように形成されている。
【0030】
また、用紙Pとしては、普通紙、厚紙、樹脂シート、カードなどの各種のものを用いることができる。
【0031】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0032】
図1は本実施形態の給紙装置の初期状態を示しており、図3から図7は本実施形態の給紙装置による用紙の搬送動作の途中経過を実行順に説明する正面図である。
【0033】
本実施形態の給紙装置1による用紙Pの搬送動作は、まず、給紙時の用紙Pの搬送を実行する。この給紙時の用紙Pの搬送動作は、図3に示すように、制御部7から送出される制御指令に基づいて駆動モータ6を一方の回転方向である図3時計方向に回転させることにより行う。そして、駆動モータ6を図3時計方向に回転させると、駆動モータ6の回転駆動力は、ピニオン5、出力ギア4およびアイドルギア3を介して紙送りローラ駆動軸14aの一端に取着された紙送りローラ駆動ギア2へ伝達し、紙送りローラ14を駆動モータ6の回転方向と逆方向へ回転させる。すなわち、駆動モータ6を一方の回転方向である図3時計方向に回転させると、紙送りローラ駆動ギア2が図3反半時計方向に回転する。
【0034】
前記紙送りローラ駆動ギア2の反時計方向への回転は、中間ギア8を介して主伝達ギア9のメインギア9aに伝達し、メインギア9aと一体回転する小径のサブギア9bを図3反時計方向へ回転させる。このサブギア9bの反時計方向への回転は、サブギア9bに噛合している揺動ギア11の第1ギア11aおよび第2ギア11bを、ともに主伝達ギア支持軸10を中心としてサブギア9bの外周面に沿って反時計方向へ公転させ、揺動ギア11の第1ギア11aを副伝達ギア13に噛合した第1噛合状態とし、第1ギア11aを図3時計方向へ回転させる。この第1ギア11aの時計方向への回転は、副伝達ギア13を反時計方向へ回転させ、副伝達ギア13に噛合する給紙ローラ駆動ギア12を紙送りローラ駆動ギア2とは逆方向の時計方向へ回転させる。これにより、給紙ローラ駆動軸21aに取着されている給紙ローラ21が図3時計方向に回転し、給紙ローラ21が上方から当接されている用紙Pは、給紙ローラ21から紙送りローラ14に向かう図3矢印Aにて示す紙送り方向に沿って搬送される。
【0035】
ついで、図3において破線にて示す用紙Pの紙送り方向の先頭に位置する先端縁Paが、紙送りローラ14と補助ローラ16との間に挟持されると、用紙Pの搬送が紙送りローラ14にひきつがれて、用紙Pは、紙送りローラ14によって所定の記録準備位置に搬送される。この用紙Pが紙送りローラ14によって記録準備位置に搬送された状態を図4に示す。
【0036】
ついで、記録時の用紙Pの搬送を実行する。この記録時の用紙Pの搬送動作は、制御部7から駆動モータ6の回転方向を逆回転させる制御指令を送出することにより開始する。そして、制御部7から駆動モータ6の回転方向を逆回転させる制御指令が送出されると、図5に示すように、駆動モータ6の逆回転による回転駆動力は、ピニオン5、出力ギア4およびアイドルギア3を介して紙送りローラ駆動ギア2へ伝達し、紙送りローラ駆動ギア2を駆動モータ6の回転方向と逆方向へ回転させる。これにより紙送りローラ14は、駆動モータ6の回転方向と逆方向へ回転する。すなわち、駆動モータ6を他方の回転方向である図5反時計方向に回転させると、紙送りローラ駆動ギア2とともに紙送りローラ14が図5時計方向に回転する。
【0037】
前記紙送りローラ駆動ギア2の時計方向への回転は、中間ギア8を介して主伝達ギア9のメインギア9aに伝達し、メインギア9aと一体回転する小径のサブギア9bを図5時計方向へ回転させる。このサブギア9bの時計方向への回転は、サブギア9bに噛合している揺動ギア11の第1ギア11aおよび第2ギア11bを、ともに主伝達ギア支持軸10を中心としてサブギア9bの外周面に沿って時計方向へ公転させ、揺動ギア11の第2ギア11bを給紙ローラ駆動ギア12に噛合した第2噛合状態とし、第2ギア11bを図5反時計方向へ回転させる。そして、第2ギア11bの反時計方向への回転は、第2ギア11bに噛合する給紙ローラ駆動ギア12を紙送りローラ駆動ギア2と同一の時計方向へ回転させる。
【0038】
したがって、記録時における紙送りローラ14は、用紙Pを図5矢印Bにて示すように、用紙Pの後端縁Pbを先頭にして給紙時の紙送り方向に対して逆方向に搬送されることになる。
【0039】
また、本実施形態においては、用紙Pが紙送りローラ14によって図4に示す記録準備位置から図3に示す給紙時とは逆方向に搬送されるときに、紙送りローラ14の左側に配設されている図示しない記録ヘッドが駆動されて用紙Pへの記録が行われる。つまり、用紙Pの給紙時に紙送りローラ14を越えた部分に記録が施される。
【0040】
さらに、重ね記録をする場合には、図6に示すように、図6において破線にて示す用紙Pの先端縁Paが紙送りローラ14と補助ローラ16との間に挟持された状態で記録時の逆搬送が停止される。
【0041】
ついで、重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時の用紙Pの搬送を実行する。この重ね記録をする前の記録準備位置への用紙Pの搬送動作は、図7に示すように、制御部7から送出される制御指令に基づいて駆動モータ6を給紙時と同様に図7時計方向に回転させることにより行う。そして、駆動モータ6を図7時計方向に回転させると、紙送りローラ駆動ギア2が図7反半時計方向に回転する。
【0042】
前記紙送りローラ駆動ギア2の反時計方向への回転は、給紙時と同様に、揺動ギア11の第1ギア11aおよび第2ギア11bを、ともに主伝達ギア支持軸10を中心としてサブギア9bの外周面に沿って反時計方向へ公転させ、揺動ギア11の第1ギア11aを副伝達ギア13に噛合した第1噛合状態とし、副伝達ギア13を反時計方向へ回転させ、副伝達ギア13に噛合する給紙ローラ駆動ギア12を紙送りローラ駆動ギア2とは逆方向の時計方向へ回転させようとする。
【0043】
しかしながら、本実施形態においては、給紙ローラ21の周速が紙送りローラ14の周速より遅くなるように形成されているため、紙送りローラ14によって搬送される用紙Pとの摩擦により、給紙ローラ21が従動回転し、記録時における第2ギア11bと給紙ローラ駆動ギア12との噛合状態が解けない。その結果、給紙ローラ21は、図7に矢印Aにて示す用紙Pの搬送方向と順方向の図7反時計方向に回転駆動する。
【0044】
ついで、用紙Pが図4に示す記録準備位置まで搬送されると用紙Pの搬送が停止され、その後前述した用紙Pの記録時の搬送が実行され、これによりつぎの色のインクによる記録が行われる。そして、つぎの色のインクを重ねるための用紙Pを記録準備位置に戻す重ね記録をする前の記録準備位置への搬送と、記録とを所定回数繰り返し、最後の記録を行った後、記録時の搬送が停止されずにそのまま継続され、用紙Pの先端縁Paが紙送りローラ14を外れた時点で、第2ギア11bと給紙ローラ駆動ギア12との噛合状態が解かれ、揺動ギア11の第1ギア11aが副伝達ギア13に噛合した第1噛合状態とされ、給紙ローラ21が時計方向に回転することで、用紙Pを給紙ローラ21とガイドローラ22との間で挟持してそのまま外部に排出することで1枚の用紙Pに対する搬送動作が終了する。
【0045】
なお、重ね記録を行わない場合には、最初の記録時の搬送動作が停止されずにそのまま継続され、用紙Pをそのまま外部に排出することで、1枚の用紙Pに対する搬送動作が終了する。
【0046】
このように本実施形態の給紙装置1によれば、用紙Pの重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時に、給紙ローラ21と紙送りローラ14とのそれぞれの周速差によって揺動ギア11の第2ギア11bが給紙ローラ駆動ギア12に噛合した第2噛合状態を保持するので、重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時に、用紙Pは紙送りローラ14によって給紙方向に移動し、給紙ローラ21は、用紙Pと接触する給紙ローラ14の表面が用紙Pの搬送方向に沿って移動するように回転する。
【0047】
したがって、本実施形態の給紙装置1によれば、紙送りローラ14および給紙ローラ21を1つの駆動モータ6で駆動することができるとともに、重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時における用紙Pの搬送を円滑に行うことができる。
【0048】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することができる。例えば、中間ギアを設けずに紙送りローラ駆動ギアの出力を主伝達ギアに直接伝達させる構成としてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る給紙装置によれば、紙送りローラおよび給紙ローラを1つの駆動モータで駆動することができるとともに、重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時における用紙の搬送を円滑に行うことができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る給紙装置の実施形態の要部の正面図
【図2】 図1の給紙装置をプリンタフレームに装着した状態の要部を示す斜視図
【図3】 図1の給紙装置の搬送動作の途中経過における給紙時の状態を示す図1と同様の図
【図4】 図1の給紙装置の搬送動作の図3に続く途中経過における用紙が紙送りローラによって記録準備位置に搬送された状態を示す図1と同様の図
【図5】 図1の給紙装置の搬送動作の図4に続く途中経過における記録時の状態を示す図1と同様の図
【図6】 図1の給紙装置の搬送動作の図5に続く途中経過における記録時の用紙の搬送が停止された状態示す図1と同様の図
【図7】 図1の給紙装置の搬送動作の図6に続く途中経過における用紙の重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時の状態を示す図1と同様の図
【符号の説明】
1 給紙装置
2 紙送りローラ駆動ギア
6 駆動モータ
7 制御部
8 中間ギア
9 主伝達ギア
9a メインギア
9b サブギア
11 揺動ギア
11a 第1ギア
11b 第2ギア
11c 揺動板
12 給紙りローラ駆動ギア
13 副伝達ギア
14 紙送りローラ
14a 紙送りローラ駆動軸
21 給紙ローラ
21a 給紙ローラ駆動軸
22 ガイドローラ
P 用紙
Pa 先端縁
Pb 後端縁
Claims (3)
- 給紙時に給紙ローラによって紙送りローラに用紙を搬送し、その後紙送りローラによって用紙を記録準備位置に搬送し、記録時に前記紙送りローラによって用紙を給紙時と逆方向に搬送しながら用紙への記録および排紙を実行するとともに、記録時に用紙に重ね記録をする際には、記録後に給紙方向と同一方向に用紙を搬送することのできる給紙装置であって、
駆動モータの回転駆動力が伝達され、前記紙送りローラに回転駆動力を伝達するための紙送りローラ駆動ギアと、
前記紙送りローラ駆動ギアに常に噛合する中間ギアと、
前記中間ギアに常に噛合するメインギアおよびこのメインギアと同軸上に形成され前記メインギアと一体回転するサブギアを具備する主伝達ギアと、
前記主伝達ギアと同軸上に回転自在に支持された揺動板に回転可能にそれぞれ支持され、それぞれ前記主伝達ギアのサブギアに常に噛合する第1ギアおよび第2ギアを具備する揺動ギアと、
給紙時における前記主伝達ギアの一方の回転方向への駆動にともなって前記揺動ギアの第1ギアが選択的に噛合される副伝達ギアと、
記録時における前記主伝達ギアの他方の回転方向への駆動にともなって前記揺動ギアの第2ギアが選択的に噛合され、前記給紙ローラに回転駆動力を伝達するための前記副伝達ギアに常に噛合する給紙ローラ駆動ギアと、
給紙時、記録時、重ね記録をする前の記録準備位置への搬送時、排紙時における前記駆動モータの回転方向を制御するための制御部と、
を有し、
前記給紙ローラの周速が前記紙送りローラの周速より遅くなるように形成し、
前記用紙に重ね記録をするために重ね記録をする前の記録準備位置への用紙の搬送を行う際には、前記揺動ギアの第2ギアが前記給紙ローラ駆動ギアに噛合した状態を保持するように構成したことを特徴とする給紙装置。 - 前記給紙ローラの周速が、前記紙送りローラ駆動ギアと前記給紙ローラ駆動ギアとの回転比によって前記紙送りローラの周速より遅くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
- 前記給紙ローラの周速が、前記紙送りローラと前記給紙ローラとの径比によって前記紙送りローラの周速より遅くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
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