JP3803502B2 - 薄板金属製作設備全体にわたって設計製作情報を分配する装置と方法 - Google Patents

薄板金属製作設備全体にわたって設計製作情報を分配する装置と方法 Download PDF

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Description

【0001】
関連出願データ
本出願は1996年5月6日出願の「薄板金属製作設備全体に亘って設計製作情報を管理し分配する装置と方法」と題したU.S.仮出願No. 60/016,948に準拠し、その明細書を全般的に参照する事によって本明細書に明白にとりいれていることを主張する。
【0002】
著作権についての注意書き
本特許文書の明細書の一部は、著作権保護の対象になっている。著作権保有者はU.S.特許・商標局の特許フアイルや記録に記載されている特許明細書の何人かによる複写には異議を申し立てないが、それ以外のものについては著作権保有者は著作権すべてを保留する。
【0003】
発明の背景
発明の分野
本発明は一般的に、製造分野及び薄板金属部品のような部品の製作に関するものである。特に、本発明は曲げ薄板金属部品の製作を容易にするために設計・製作情報を工場全体にわたって管理・分配する装置と方法に関するものである。
【0004】
背景情報
伝統的に、たとえば薄板金属の進歩的な製造設備での曲げ薄板金属の製作は、連続的な製作製造段階を含む。第一段階は設計段階で、そこでは顧客の仕様にもとづいて薄板金属部品の設計が行われる。通例顧客は特定の薄板金属部品の設備での製作を注文する。顧客の注文は通例、部品を工場で製造するのに必要な製品と設計の情報を含んでいる。この情報は、たとえば部品の幾何学的寸法、部品に必要な材料(たとえば鋼鉄、ステインレス鋼、またはアルミニウム)、特殊な成形の情報、分量、引き渡し年月日等を含むことがある。客先から要請された薄板金属部品は広範囲の種類の応用に設計・製作することが出来る。たとえば、製作された部品は最終的にはコンピュータのケース、配電盤、航空機の肘掛け、または自動車のドアのパネルに使われるかもしれない。
設計段階では、薄板金属部品の設計は、適当なコンピュータ支援設計(CAD)システムによって製造設備の設計部でなされる。顧客の仕様に応じて、プログラマーがCADシステムを用いて薄板金属部品の2次元(2ーD)モデルを作成することもできる。通例、客先は部品の重要な幾何学的寸法を含む青写真を提供する。この青写真は、部品に含まれる特別の成形や記号、または薄板金属部品の表面の孔や他の開口を示すこともある。設計プログラマーはCADシステムで2ーDモデルを作成するため、この青写真を度々用いる。この2ーDモデルはまた、薄板金属部品の曲げ線及び/または寸法情報を含む平面図と、一つまたは一つ以上の透視図を含むこともある。
【0005】
実際に薄板金属部品の曲げ加工を開始する前に、先ず原材料から部品を打ち抜き切断するか/または切断しなければならない。在庫材料の処理に当たって、打ち抜きプレスやプラズマまたはレーザー切断機を制御作動するのに、普通コンピュータ数値制御(CNC)または数値制御(NC)が用いられる。この在庫材料の処理を容易にするため、設計プログラマーは、コンピュータ支援製造(CAM)システムまたはCAD/CAM システムを用いて2ーDモデルにもとづいた制御コードを作成することが出来る。この制御コードには、打ち抜きプレス及び/または切断機にとりいれて、在庫材料からの薄板金属部品の打ち抜き、または切断に利用できる部品プログラムが含められていることもある。
【0006】
製造プロセスの次の段階は曲げ加工計画段階である.この段階で、曲げ加工計画が作業場で曲げ加工オペレータによって立てられる。オペレータには通常切断または打ち抜かれた一つまたは一つ以上の在庫材料とともに、部品の青写真または2ーD図面が渡される。これらの材料で曲げ加工オペレータは使用する工具と実施される曲げの手順を定める曲げ加工計画を立てる。曲げ作業場には、オペレータがデータを入力した曲げコード、または曲げ計画にもとづいたプログラムが作成できるCNCプレスブレーキのようなCNC金属曲げ機も含まれる。
【0007】
曲げ加工計画が作成されると、オペレータは曲げ加工の順序の初期テストのための作業場を設置する。このテスト段階では、打ち抜きまたは切断された材料はプレスブレーキに手で組み込まれ、プレスブレーキはプログラムされた順序に従って製作品に曲げを加工するように操作される。オペレータは出来上がった曲げ薄板金属部品を分析して顧客の仕様に適合しているかどうかを検査する。このプレスブレーキの初期作業の結果によって、オペレータは曲げプログラムを編集し、曲げ順序を修正することもある。オペレータはまた、薄板金属部品の設計が適当に修正出来るように、設計部に結果をフイードバックすることもある。テストは通常曲げ薄板金属部品が要求されている設計仕様内におさまるまで続けて行われる。
【0008】
製作プロセスの最後の段階の一つは曲げ段階である。曲げ計画が作成され、テストされた後、曲げオペレータは曲げ加工場に必要な工具を装備し、曲げ計画と記憶されている曲げプログラムまたはコードに従ってプレスブレーキを作動する。曲げ加工場に必要な量の打ち抜きまたは切断された材料が確保されるように、また他の作業が指定された引き渡し年月日までに完了しているように、作業日程も作成される。作業日程は製作過程の初期段階と/または全過程に平行して作業場監督によって作成または修正されることもある。最後の曲げ薄板金属部品の製作が完了すると、顧客への引き渡しのために部品は集められ、梱包される。
【0009】
通常の製作、製造過程は幾つかの欠点や不利な点がある。たとえば、各々顧客の設計製造データは通常物理的に(たとえば紙によってフアイルキャビネットに)、電子的に(たとえばデイスクまたは磁気テープに)保管されるが、こうしたデータは普通別々に保管されていて検索するのが容易でない。さらに、多くの工場環境では、重要な仕事情報の分配は工場全体にわたって配布される仕事または企画用紙の形をとる。その結果、データがしばしば紛失または損傷し、以前または類似の仕事に関する設計製造データを検索するのが困難になる。加うるに、データの保管方法の不備によって、設計製造情報を全工場の作業場やその他の場所に配布するのに貴重な時間が失われる。また部品の設計や曲げ計画の作成は、主として設計プログラマーと曲げオペレータによって行われ、個人の知識、手腕と経験によるところが大きいので、薄板金属部品と曲げ計画の作成の間に製造時間がかなり失われる。
【0010】
近年、慣習的な薄板金属製造過程を改善し、過程全体にわたる効率を改善するための開発と試みがなされてきた。たとえば、市販のCAD/CAMシステムにおける2次元(2-D)および3次元(3-D)モデル作成の使用と開発によって曲げ薄板金属の製作過程とモデル作成を促進され、改善された。今では設計プログラマーやオペレーターは2ーD及び3ーD表示を用いて、部品の形状をよりよく理解し、部品設計と曲げコードの順序をより効率的’に作成出来るようになっている。データを電子的に記憶し、トランスフアーする機能は、設計部から作業場への情報の流れを改善した。コンピュータとデータ通信ネットワークの進歩により、最早古い紙テープや磁気デイスクをキャビネットまたはフアイルから探し出すことが不要になった。
【0011】
こうした進歩があるにもかかわらず、組織と工場環境全体にわたる設計と製造情報の組織化と流れを改善する必要がまだある。たとえば、在来の製造システムでは、各顧客の注文の重要な設計及び製造情報が、工場のどの場所でも容易にアクセスでき、検索できるような論理的関係づけがなされていない。今までのシステムはまた、薄板金属部品の特徴や特質のような、色々な特色にもとづいた仕事情報を探索する機能をもたない。たとえば同一または類似の部品の探索にもとづいた、以前の仕事情報が探索でき、検索出来ることは、全体的な製作プロセスを大幅に増強し、将来の仕事の必要製造時間を短縮する。
【0012】
過去の試みはまた、設計プログラマーや作業場オペレータによる薄板金属部品の設計を容易にすることに欠けている。2ーDや3ーDモデリング・システムによって、設計者は部品の形状や幾何学をよりよく理解出来るようになったが、このシステムによって設計プログラマーや作業場オペレータに科せられた負担は軽減されていない。たとえば、これらのシステムによって設計プログラマーが現存の2ーD CADモデルを簡単に3ーD表示に変換することはできない。また作業場オペレータに曲げ加工計画を立てる助けとなる部品の2ーD及び/また3-D図面が提供されても、オペレータは必要な工具や曲げ手順を手で/または試行によって決めなければならない。
【0013】
発明の要約
上記に照らして、本発明は、発明の一つまたは一つ以上の見地、実施例及び/または特色あ、るいはサブコンポーネントを通して、以下にに特記する一つまたは一つ以上の目的と利点をもたらすために供するものである。
【0014】
本発明の一般的な目的は、曲げ薄板金属部品のような部品の製作を促進するために、設計と製造情報を全工場に亘って管理し、分配する装置と方法の提供である。
【0015】
さらに本発明の目的としては、たとえば進歩的な薄板金属製作設備における重要な仕事情報の紛失または破壊を防止し、専門的知識の蓄積の有効活用と整理を助長する装置と方法の提供がある。
【0016】
もう一つの本発明の目的は、各顧客の注文の設計と製造情報の双方を、論理的に記憶する装置と方法を備えることによって、工場のどの場所でも容易にアクセスでき、検索できるようにすることにある。
【0017】
さらにもう一つの本発明の目的は、仕事データが中央のデータベースまたはフアイルサーバーに、全工場のどの場所でも容易に探索し、検索できるよう論理的に記憶されている設計と製造情報を管理し、分配する装置と方法の提供にある。仕事データは仕事に関連した設計と製造情報ばかりでなく、必要な曲げ操作を遂行するための実際の曲げコードも提供できる。
【0018】
またさらに本発明の目的は、色々な探索基準にもとづいた、設計と製造情報を含む以前の仕事情報を探索する装置と方法の提供である。探索基準は、たとえばこれから製造される薄板金属部品の特色や特徴を含むことができ、これによって同一または類似の部品に関連した以前の仕事情報を、将来の仕事の全体的な製造時間の短縮に利用できる。
【0019】
本発明のもう一つの目的は、各顧客の注文に関連した従来の書類仕事または企画用紙を、工場の何処からでも瞬間的にアクセスできる電子的ジョッブシートに置き換えることである。電子的なジョッブシートはどの場所でも表示でき、部品の2ーD及び/または3-Dモデル像、工具の選択、最適曲げ手順、必要なステイジング情報やバーコードまたは認識番号を含む、仕事に関連した重要な設計と製造情報を含む。この電子的ジョッブシートには、曲げオペレータによって将来再び同じ、または類似の仕事を行うときに役立つと思われる、特別の指図または手順を録音録画したオーデイオ及び/またはビデオ部品も備えられる。
【0020】
本発明のもう一つの目的は薄板金属部品の2ーDと3-Dコンピュータ画像を提供することによって部品図面の解析に要する時間を短縮する事にある。固体3ーD画像モード、3ーDワイヤフレーム画像モード、2-D平面画像モード及び正射画像モードを含む、色々な画像が提供できる。薄板金属部品の解析に役立つズーミング、パンニング、回転及び自動寸法入れを含む色々な異なる画像機能も備えられる。
【0021】
さらに本発明は設計者の薄板金属部品の設計と曲げ計画の製作を容易にする装置と方法を提供する目的を持つ。たとえば、現存する部品の2ーDモデルから部品の3ーD表示を容易に製作することができるようにするのも本発明の目的である。さらにもう一つの本発明の目的として、曲げ計画とプログラムされた曲げコードを作成する時間を短縮するためのグラフィックスインターフエイスの提供がある。
【0022】
従って、この発明は、高知能製造設備において製造されるべき部品の曲げモデルを生成するための装置及び方法に向けられ、前記パーツは複数の面と少なくとも1つの曲げ線を有する。前記装置は前記パーツに関する初期パーツ情報を受け取るための受取システムを含み、前記パーツ情報は第1の所定の座標空間の中での前記パーツの表現に関連するデータを含む。面検出装置が更に設けられ、それは前記第1所定座標空間内において、前記初期パーツ情報に基づいて前記パーツの面を検出する。更に装置は、検出された面に基づいて前記パーツの少なくとも1つの曲げ線を特定するための曲げ線特定システムと前記面検出システムにより検出された面の各々に対して所定の操作を行なうことにより、第2の所定の座標空間内での前記パーツの表現に関連するデータを含み且つ前記パーツに関連する追加のパーツ情報を生成するためのシステムとを含む。前記所定の操作は、少なくとも初期パーツ情報と前記曲げ線特定システムにより特定される少なくとも1つの曲げ線に基づいて行なわれる。
【0023】
前記第1の所定の座標空間は2次元座標空間からなり前記第2の所定座標空間は3次元座標空間からなる。前記所定の操作は、前記面検出システムにより検出された前記面に対してなされる折り曲げ操作からなる。前記折り曲げ操作は、前記曲げ線特定システムにより特定された少なくとも1つの曲げ線に対して前記面検出システムにより特定された複数の面のうちの各々を回転し且つ並行移動する操作を含む。更に、前記初期パーツ情報は、更に前記パーツの少なくとも1つの曲げ線に関連する曲げ角度量を含み、前記折り曲げ操作は、この折り曲げ角度量に基づいて行なわれる。
【0024】
この発明の他の側面によれば、前記第1の所定の座標空間は3次元座標空間からなり第2の所定の座標空間は2次元座標空間からなり、前記所定の操作は、前記面検出システムにより検出された面に対してなされる展開操作からなる。前記展開操作は、前記曲げ線特定システムにより特定された少なくとも1つの曲げ線に対して前記面検出システムにより検出された複数の面の各々を回転し且つ並行移動する操作を含む。更に前記初期パーツ情報は更に前記パーツの少なくとも1つの曲げ線に関連する曲げ角度量を含み、前記展開操作は、この曲げ角度量に基づいて行なわれる。
【0025】
前記製造されるべきパーツは板金パーツからなり、前記第1の所定の座標空間内によるパーツの表現に関連するデータは、座標データ及び/又はベクトルデータを含む。更に、前記パーツの複数の面は、前記パーツの複数又は単数の基本的表面並びに前記パーツの屈曲された表面からなる。この発明の他の側面によれば、前記初期パーツ情報は、3次元空間におけるパーツの表現に関連するデータを含み、前記データは、前記3次元空間における前記パーツの厚さデータを含む。
曲げモデルを生成するための装置は更に、前記初期パーツ情報に関連するデータに対して自動装飾及びクリーンアップ操作を行ない、前記面検出システム及び曲げ線特性システムのためのデータを作成する自動装飾及びクリーンアップシステムを含む。前記データは少なくとも前記パーツの線分エンティティー及び曲げ線エンティティーを表現するパーツエンティティーデータを含み、前記自動装飾及びクリーンアップシステムは、前記エンティティーの交差点を検出し且つ検出された交差点において前記エンティティーを選択的に分断するためのシステムと検出された交差点に基づいて、結果としての分断されたエンティティーが共通端点を有するように割り当てるシステムとを含む。前記自動装飾及びクリーンアップシステムは、又、隣接するエンティティーの間の空白の交差領域を検出し且つ、共通端点を前記隣接したエンティティーに対して付与することにより隣接したエンティティーを選択的に接続するためのシステムを有する。
【0026】
空白交差領域は、前記隣接エンティティーの端点が相互に所定の間隔の間に存在すると判断される時空白交差領域を検出するための前記装置により検出される。
【0027】
この発明の更に他の特徴によれば、前記初期パーツ情報に関連するデータは、少なくとも前記パーツの線分エンティティーを表現するパーツエンティティーデータを含み、前記面検出システムは、前記パーツの複数の面を検出するために、前記パーツエンティティーデータに基づいて前記パーツのループ及びエンティティー分析を行なうようにされている。前記ループ及びエンティティー分析は、最初、前記パーツの外側境界に対して行なわれ、然る後、前記パーツの内側境界及び領域に対して行なわれる。前記面検出システムは、前記パーツの外側領域に対して前記ループ及びエンティティー分析を行なう際に、エンティティーの最初の結合されたリストを生成し、前記エンティティーの最初の結合されたリストは前記パーツの外側ループ及び境界を定義する。前記面検出システムは更に前記パーツの内部境界及び領域に対して前記ループ及びエンティティー分析を行なう際に前記エンティティーの追加の結合されたリストを生成し、前記エンティティーの追加の結合されたリストは、前記パーツの内部のループ及び境界を定義する。
【0028】
更に、前記面検出システムは更に前記エンティティーの初期連結リストにより定義される外側ループ及び前記エンティティーの追加の連結リストにより定義される内側ループに基づいてループツリーを生成するためのシステムを有する。更に前記面検出システムは前記ループツリー及び前記初期連結リストエンティティー及び前記エンティティーの追加の連結リストにより定義される境界のシーケンスに基づいて前記パーツの面を検出する。
【0029】
この発明の曲げ線特定システムは、前記エンティティーの最初の連結リストと前記エンティティーの追加の連結リストを解析し、前記面検出システムにより検出された面の間の共通の線分エンティティーを決定するシステムを有する。
【0030】
曲げ線は、前記面の1つが前記面の他の1つとただ1つの共通線分エンティティーを有することの検出に基づいて特定される。更に、前記曲げ線特定システムは、前記共通線分エンティティーを決定するためのシステムが前記面の間に1つ以上の共通線分が存在すると検出した時、前記パーツの曲げ線を特定するための所定のヒューリスティックを適用する。前記ヒューリスティックは、前記部品に対して最小数の全曲げ線が特定されるように前記パーツの曲げ線を特定する操作を含む。前記ヒューリスティックは又、前記面の1つが前記面の他の1つと1以上の共通線分エンティティーを有する時最も長い長さを有する共通線分エンティティーに基づいて前記部品の曲げ線を特定することを含む。
【0031】
この発明の他の特徴によれば、縮小量を受け取るためのシステムが設けられ、前記部品に関連する縮小量を受け取る。前記面に対して所定の操作を行なう際に前記縮小量に基づいて曲げ縮小についての補正を行なうための装置も設けてある。曲げ縮小についての補正を行なうための装置は、折り曲げ操作を行なう際に前記パーツの前記曲げ線の両側において前記縮小量の半分だけ前記面の寸法長さを増大する。前記曲げ縮小についての補正を行なうためのシステムは、更に、展開操作を行なう際に、前記パーツの前記曲げ線の両側において前記縮小量の半分だけ前記面の寸法長さを減少せしめるようになっている。
【0032】
前記曲げモデルを生成する方法は、以下の工程を含む。前記パーツに関連する初期パーツ情報を受け取る工程。前記初期パーツ情報は、第1の所定の座標空間内で前記パーツの表現に関連するデータを含む。前記第1所定座標空間内において前記初期パーツ情報に基づいて前記パーツの面を検出する工程。前記検出により検出された複数の面に基づいて前記パーツの少なくとも1つの曲げ線を特定する工程。前記検出により検出された前記複数の面の各々に対して所定の操作を行なうことにより、第2の所定の座標空間内における前記パーツの表現に関連するデータを含む追加のパーツ情報を生成する工程。前記操作は、前記初期パーツ情報及び前記特定操作により特定される少なくとも1つの曲げ線とに基づいて行なわれる。
【0033】
前記第1の所定の座標空間は2次元座標空間からなり、前記第2の所定の座標空間は3次元座標空間からなる。更に、前記方法は、前記検出の工程により検出された前記面に対して折り曲げ操作を行なう工程を含む。前記折り曲げ操作は、前記特定するための工程により特定された少なくとも1つの曲げ線に対して前記面の各々を回転し且つ並行移動する操作を含む。更に、前記初期パーツ情報は、前記パーツの少なくとも1つの曲げ線に関連する曲げ角度量を含み、前記折り曲げ操作は、この曲げ角度量に基づいて行なわれる。
【0034】
この発明の他の特徴によれば、前記第1の所定の座標空間は、3次元座標空間からなり、前記第2の所定座標空間は2次元座標空間からなる。前記方法は更に前記検出の工程により検出された面に対して展開操作を行なう工程を有する。この展開操作は、前記特定するという工程により特定された少なくとも1つの曲げ線に対して前記複数の面の各々を回転及び並行移動する操作を含む。更に前記初期パーツ情報は、前記パーツの少なくとも1つの曲げ線に関連する曲げ角度量を含み、前記展開操作は、この曲げ角度量に基づいて行なわれる。
【0035】
前記操作は、更に前記面を検出し且つ前記少なくとも1つの曲げ線を特定する前に、前記初期パーツ情報のデータに対して自動装飾及びクリーンアップ操作を行なう工程を有する。前記初期パーツ情報のデータは、前記パーツの少なくとも線分エンティティーを表現するパーツエンティティーデータを含み、前記面を検出する工程は、前記パーツの面を検出するために前記パーツエンティティーデータに基づいて前記パーツのループ及びエンティティー分析を行なうことを含む。前記ループ及びエンティティー分析は、最初に前記パーツの外側境界に対してなされ、次に前記パーツの内側境界及び領域に対してなされる。
【0036】
更にこの発明によれば、前記特定する工程は、更に前記面の間に1以上の共通端部が検出される時前記部品の曲げ線を特定するために所定のヒューリスティックを適応することを含む。前記ヒューリスティックは、前記パーツに対して最小数の全曲げ数が特定されるように前記パーツの曲げ線を特定する工程を含む。前記ヒューリスティックは又、前記面の1つが当該面の他の1つと1以上の共通線分エンティティーを有する時最も長い長さを有する共通線分エンティティーに基づいて前記部品の曲げ線を特定することを含む。
【0037】
この発明は製造設備において製造されるパーツの曲げモデルを生成するためのシステムを含み、そこにおいて前記パーツは複数の面と少なくとも1つの曲げ線を含む。前記システムは、前記部品に関連する初期パーツ情報を受け取る手段を含み、前記初期パーツ情報は、第1の所定の座標空間内での前記パーツの表現に関連するデータを含む。前記第1所定空間内で前記初期パーツ情報に基づいて前記パーツの面を検出するための検出手段もまた設けてある。システムは更に、前記面検出手段により検出された面に基づいて前記パーツの少なくとも1つの曲げ線を同定する手段を含む。前記システムは又、前記検出手段により検出された面に対して所定の操作を行なうことにより第2の所定の座標空間内での前記パーツの表現に関連するデータを含む追加のパーツ情報を生成する手段を含む。前記所定の操作は、前記システムの曲げ線決定手段により特定される曲げ線に少なくとも部分的には基づいて行なわれる。この発明の他の側面によれば、高知能製造設備において製造されるべきパーツのベンドモデルを生成するための装置及び方法が提供される。このシステムは、前記部品に関連する初期パーツ情報を受け取るための受取システムを備え、前記初期パーツ情報は、2次元空間内での前記パーツの複数の姿の各表現を含み、前記表現の各々は前記パーツのパーツ厚さ表現を含む。クリーンアップ操作システムが更に設けられ前記初期パーツ情報に対して2次元クリーンアップ操作を行ない、任意の余分な情報を消去し且つ、前記表現の各々を特定する。前記システムは又、前記特定された表現の各々におけるパーツ厚さ表現を選択的に消去し2次元座標空間内での厚さを有しない前記パーツの姿の修正された表現を提供する。前記システムはまた2次元座標空間内での厚さを有しない前記パーツの前記修正された表現に基づいて3次元座標空間内での前記パーツの表現を生成するシステムを含む。
【0038】
前記初期パーツ情報は、少なくとも前記パーツの線分エンティティーを表現するパーツエンティティーデータを含み、前記クリーンアップ操作は、前記エンティティーの交差点を検出し且つ、検出された交差点において前記エンティティーを選択的に分断するための分断・装飾システムを含む。更にこの分断・装飾システムは、前記検出された交差点に基づいて、前記結果としての分断エンティティーが共通端点を有するように割り付けを行なう。前記分断及び装飾システムは、更に、隣接するエンティティーの間の空白の交差領域を検出し且つそれらの隣接エンティティーに対して共通の端点を付与することによりそれらの隣接エンティティーを選択的に接続するためのシステムを有する。空白交差領域は、前記隣接するエンティティーの端点が相互に所定距離の間に存在すると判断される時、前記空白交差領域を検出するシステムにより検出される。
【0039】
この発明の他の側面によれば、前記クリーンアップ操作システムは、前記初期パーツ情報に基づいて連結性グラフ構造を展開するためのシステムを備え、前記クリーンアップ操作システムは、前記連結性グラフ構造に基づいて余分の情報を消去する。前記消去される余分の情報は、連結されない線分エンティティーを含み、前記連結されない線分エンティティーは少なくとも寸法線に関連する。
【0040】
前記初期パーツ情報は、パーツエンティティーデータ及びテキストに関連する余分の情報を特定するためのキーワードを含む。前記クリーンアップ操作システムは、前記初期パーツ情報に含まれるキーワードに基づいてテキストに関連する余分の情報を消去する。
【0041】
この発明の更に他の特徴によれば、クリーンアップ操作システムは、前記初期パーツ情報に基づいて前記パーツの平面図及び正面図及び右側面図の表現を検出するためのシステムを有する。ここに開示されるように、前記パーツの複数の姿(図)は、2次元座標空間における前記パーツの平面図及び正面図及び右側面図からなる。更に前記生成システムは、2次元座標空間におけるパーツの表現に基づいて3次元座標空間におけるパーツの表現を生成するための射影操作を行なうシステムを含む。前記射影操作は、前記複数の図面の各々の相対的な深さを検出し、これらの複数の図面の各々を3次元座標空間へ射影することを含む。
【0042】
曲げモデルを生成する方法は以下の工程を含む。前記パーツに関連する初期パーツ情報を受け取る工程。前記初期パーツ情報は、2次元座標空間における前記パーツの複数の図のそれぞれの表現を含み、前記表現の各々は前記パーツのパーツ厚さ表現を含む。前記初期パーツ情報に対して2次元クリーンアップ操作を行ない、余分の情報を消去し且つ前記表現の各々を特定する工程。前記特定された表現の各々においてパーツ厚さ表現を選択的に消去し2次元座標空間における厚さを有しない前記パーツの図面の修正された表現を提供する工程。前記2次元座標空間における厚さを有しないパーツの前記修正された表現に基づいて3次元座標空間における前記パーツの表現を生成する工程。前記初期パーツ情報は、少なくとも前記パーツの線分エンティティーを表現するパーツエンティティーデータを含み、前記操作の工程は、前記エンティティーの交差点を検出し前記検出された交差点において前記エンティティーを選択的に分断する工程を含み、結果としての分断されたエンティティーは、検出された交差点に基づいて1つの共通の端点を持つように割り付けられる。前記操作の工程は更に隣接するエンティティーの間の空白の交差領域を検出し当該隣接エンティティーに対して共通の端点を付与することにより当該隣接エンティティーを選択的に接続することを含む。空白交差領域は、隣接するエンティティーの端点が相互に所定距離の間に存在する時検出される。
【0043】
前記方法は更に、前記初期パーツ情報に基づいて連結性グラフ構造を生成し且つこの連結性グラフ構造に基づいて前記初期パーツ情報から余分の情報を消去する工程を含む。前記余分の情報は、連結されない線分エンティティーを含み、前記連結されない線分エンティティーは少なくとも寸法線に関連する。
【0044】
更に前記初期パーツ情報は、前記パーツエンティティーデータとテキストに関連する余分の情報とを特定するためのキーワードを含み、前記操作の工程は、前記キーワードに基づいてテキストに関連する余分の情報を削除する工程を含む。
【0045】
この発明の他の特徴によれば、前記パーツ厚さを選択的に消去する工程は、前記複数の図面の各々において消去されるべきパーツ厚さ表現を特定し且つ前記複数の図面の各々において残されるべきパーツの寸法を特定するようにユーザに促す操作を含む。前記パーツの寸法は、前記パーツの外側寸法又は内側寸法の1つを含む。更に前記生成の工程は、前記2次元空間におけるパーツの修正された表現に基づいて3次元空間におけるパーツの表現を生成するための射影操作を行なうことを含む。前記射影操作は、前記複数の図面の各々の相対的な深さを検出し且つ前記複数の図面の各々を3次元空間へ射影することを含む。
【0046】
上記の特徴に加えて、さらに特徴と/またはその変形を設けることができる、たとえば、発明を上述した特徴の色々な組み合わせ、または再組み合わせ及び/または下記の詳細な記述にある幾つかの特徴の組み合わせとの再組み合わせに適用させることができる。
【0047】
上に列記したものや他の本発明の対象物、特徴及び利点については、この後により詳細に記述する。
【0048】
付録の要約
本発明の詳細な記述をさらに促進するため、付記の限定されない本発明の望ましい実施例の例に沿っての発明の色々な特徴、操作及び機能に関するソースコードの例やコメントを記した、以下の多数の付録を参照する:
付録Aはたとえば一つの類似部品を探索するときの特徴抽出演算実行の典型的なソースコードであり;
付録Bはたとえば本発明の幾つかの類似部品の探索時に類似指数演算を行使する典型的なソースコードであり;
付録Cはこの発明で曲げ線検出操作を行う典型的なソースコードであり;
付録Dは本発明の2-Dクリーンアップを実行するための典型的なソースコードであり、これによって薄板金属部品の3-Dモデルを元の3方向からの2-D図面にもとづいて作成するのに使用出来;
付録Eは本発明の曲げモデルビューアーに色々なビュー モードや機能を実行するための典型的ソースコードであり;
付録F,G,HとIは本発明の自動寸法入れ特性を実行するための典型的なソースコードとコメントであり;
付録Jは本発明の曲げモデルビューアーの、部品・エンテイテイの観察可能性機能を実行するための典型的なソースコードであり;
付録Kは曲げモデルの実施と部品構造の構成に関する、本発明の色々な教訓をふまえた一般的なコメントを含み、
付録Lは与えられた部品の回転軸の動的計算による3-D操作とナビゲーションシステムを実行する典型的なソースコードである。
【0049】
本発明はこの後の詳細記述で限定されない本発明の望ましい実施例の例についての多数の図面を参照しながら記述されており、記述の中の同じ参照番号は全図面中の類似の部品を示す。
【0050】
詳細な説明
本発明の見地に沿って、全工場に亘って設計製造情報を管理分配し、工場内での部品の製造を促進するための装置と方法が具備される。この本発明の特徴は広範囲の工場環境や装置に利用することができ、特にこの発明は一続きの製作製造段階が異なる場所で行われる工場環境の充足に利用できる。限定されない実施例や種々の例を通じて、本発明を、たとえば進歩的な薄板金属製造設備における曲げ薄板金属部品の製作を参照しながら記述する。
【0051】
図1に、本発明の実施例に従って、進歩的な薄板金属製造設備38一般が、ブロック線図で図示されている。図1に示すように、薄板金属製造設備または工場38は全工場に分散している多数の場所10,12,14...20をもつ。
【0052】
これらの場所には設計事務所10、出荷作業場14、打ち抜き作業場16、曲げ作業場18及び溶接作業場20が含まれる。図1に画かれている薄板金属工場38には分離した場所が六つしかないが、勿論工場は六つ以上の分離した場所をもちうるし、また図1に画かれている各タイプの事務所または作業場は一つ以上の場所を占めることもある。たとえば設備38の大きさと製産必要容量により、一つ以上の打ち抜き作業場16、曲げ作業場18と/または溶接作業場20を設けることができる。さらに工場38は一つ以上の設計事務所10、組立作業場12または出荷作業場14をもちうるし、曲げ薄板金属部品の製作製造を促進するための他のタイプの場所をもちうる。
【0053】
工場38内の各場所10,12,14...20は部品の製作製造に伴う一つまたは一つ以上の別個の製作製造段階や処理に対応し、実行する用具を備えている。たとえば、設計事務所10は顧客の仕様にもとづいた薄板金属部品の設計を促進するために、適当なキャド/キャム(CAD/CAM)システムをもちうる。このCAD/CAMシステムには一つまたは一つ以上のパソコンとデイスプレイ、プリンター及び市販のCAD/CAMソフトウエアーを含みうる。限定されない例として、設計事務所10のCAD/CAMシステムはオートキャドまたはキャドキー、またはアマダ・アメリカ 社(以前はU.S.アマダ株式会社の社名で営業)ビユエナ パーク、カリフオルニアから入手できる アマダAP40またはAP60 CAD/CAMシステムを含みうる。さらに、ベールムのようなアシュラー社から入手できるウインドウズにもとづいたCADシステムも使用できる。このCAD/CAMシステムを用いて設計プログラマーは客先の注文にある図面やデータにもとづいて薄板金属部品の2-Dモデルと/または3-Dモデルを作成できる。設計プログラマーはまた薄板金属部品の設計にもとづいた制御コードを作成し、これによってたとえば被加工材から薄板金属部品を打ち抜きまたは切断するための、CNC打ち抜きプレスと/または切断機を制御する部品プログラムが作成できる。
【0054】
打ち抜き作業場16と曲げ作業場18は各々CNC及び/またはNC機械工具のどのような組み合わせでも備えられる。たとえば打ち抜き作業場16は、コマ・シリーズ及び/またはペガ・シリーズのアマダ・タレット打ち抜きプレス、あるいは他の市販されているCNC及び/またはNC打ち抜きプレス一つまたは一つ以上もつことができ、また曲げ作業場18は、RGシリーズ アマダ・プレスブレーキまたは他の市販されている多軸ゲージング・プレスブレーキのようなCNC及び/またはNCプレスブレーキを一つまたは一つ以上もつことができる。さらに溶接作業場20は、薄板金属部品に対して必要な如何なる溶接をも果たすために適当な溶接機器を備えることができる。打ち抜き作業場16、曲げ作業場18と溶接作業場20は設備38の工場内のどの場所にも設置出来、熟練オペレータ(たとえば打ち抜きプレスオペレータ、曲げ機オペレータ等)によって手動で動かすことができる機械も備えている。アマダ セルロボミニやアマダ プロムキャムのような全自動またはロボット支援機械もこれらの場所に備えることができる。必要な打ち抜きと曲げの作業、あるいは必要な如何なる溶接作業もこれらの作業場で製作過程中に行うことができる。
【0055】
さらに図1に示すように、進歩的な薄板金属設備38は組立作業場12と出荷作業場14も含む。組立作業場12と出荷作業場14には、顧客への製造部品の組立と出荷を促進するために必要な梱包、ルート割り当て及び/または輸送機器も含まれる。部品の組立と出荷は工場職員によって手動で行使または管理されるが、機械自動化及び/または機械支援にすることもできる。さらに組立作業場12と出荷作業場14は、物理的に工場作業場(たとえば打ち抜き作業場16、曲げ作業場18及び/または‘溶接作業場20に近接した)に近い場所に置くか、または薄板金属工場38とは別の設備または区域に置くことができる。
本発明の見地に沿って、重要な設計と製造情報の管理と分配は、設計と製造情報を電子的に記憶し、分配することによって行われる。伝統的な紙上の仕事の段取りまたはワークシートを、工場のどの場所からでも瞬時的にアクセスできる電子的なジョッブシートに置き換え、または補足することによって、本発明は工場の全体的な効率を改善することができる。加えて、本発明の色々な側面や特徴によって、記憶された設計製造情報の編成とアクセスが改善される。さらに類似または同一の薄板金属部品に関する以前の仕事情報のアクセスや検索が、この発明の色々な特徴を通じて出来るようになっている。
【0056】
この目的のため、本発明の色々な側面は、サーバーモジュール32とデータベース30を薄板金属設備38内の多数の場所10,12,14...20各々と結ぶ通信ネットワーク26を設けることによって実行される。このあと論ずるように、各場所10,12,14...20は通信ネットワーク26とデータベース30にインターフエイスするステーションモジュールをもつ。図1、2と3に発明のこれらの特色と実装の限定されない例を示す。
【0057】
図1と2に示すように、通信ネットワーク26は設備38の色々な場所10,12,14...20の各々とサーバーモジュール32とデータベース30を結んでいる。通信ネットワーク26はデータや情報を場所10,12,14...20とサーバーモジュール32とデータベース30間で伝送できるものであれば、どのようなネットワークでもよい。伝送は電子的または光学的に、無線周波数伝送または遠赤外伝送によって行われる。限定されない例として、通信ネットワーク26は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、エーテルネットまたは同様のネットワーク構造で構成出来る。後でさらに述べるように、場所10,12,14...20の各々はまた、通信ネットワーク26を通じて情報を伝送し、受信するためネットワーク終端接続装置(たとえばコンピュータ、ミニコンピュータまたはワークステイション)及び/または周辺機器(たとえばデイスプレイモニターまたは画面、プリンター、CD-ROM、及び/またはモデム)をもつことができる。ネットワーク終端接続装置と周辺機器は通信ネットワーク26とインターフエイスするためと、あとで詳しく論ずるよに、本発明の色々な特徴と側面を備えるためのハードウエアと適当なソフトウエアまたはプログラム論理を含む。工場内の場所にコンピュータを設置する場合のコンピュータは独立型、パソコンまたはその場所にある装備や機械類のインターフエイス装置の一部である汎用コンピュータであってもよい。たとえば、コンピュータはIBM互換性パソコンまたはアマダAMNCのような機械類のインターフエイス/制御システムの一部であるコンピュータであってもよい。
【0058】
サーバーモジュール32とデータベース30も通信ネットワークにつながれている。サーバーモジュール32は、通信ネットワーク26とインターフエイスするのに適したハードウエアとソフトウエアをもつパソコン、ミニコンまたはミニフレームを含む。 サーバーモジュール32はまた、あとで詳細に期述する、この発明の色々な特徴を満たすソフトウエアやフアームウエアも含められる。さらに本発明の見地に沿って、サーバーモジュール32は顧客の注文に関連する設計製造情報を記憶するためのデータベース30をもちうる。データベース30は十分な記憶容量をもつ市販のデータベースを備えることにより、工場の顧客の設計製造情報やその他のデータ、表、及び/またはプログラムを記憶しておくことができる。たとえば、データベース30に4GBまたはそれ以上の記憶容量をもつスカジー(SCSI)メモリー・デイスクを含めることができる。データベース30に記憶された設計製造情報をアクセスして、通信ネットワーク26を通じて薄板金属設備38の色々な場所10,12,14...20に分配することができる。構造的問い合わせ言語(SQL)のような、色々なデータフオーマットがデータベース30にデータをアクセスまたは記憶させるために使用されることができる。さらに、データベース30に記憶されている情報は色々な種類の記憶媒体、たとえば磁気テープ、光学デイスクあるいはフロッピーデでバックアップし、記憶しておくことができる。サーバーモジュール32とデータベース30の通信ネットワーク26との連結は、工場38内の別々の区域または場所で(たとえば図1参照)、あるいは予め定められたステイションの中で(たとえば設計事務所内)、またはこれに近接した場所で行うことができる。図1の実施例では、データベース30がサーバーモジュール32の一部で通信ネットワーク26とサーバーモジュールを通してインタフエースしているように画かれているが、データベース30は勿論サーバーモジュール32と物理的に離れた場所に置かれていて、図2に示すように通信ネットワーク26とネットワークデータベースモジュール34を介してつなぐことができる。
【0059】
本発明の望ましい実施例に沿った限定されない例として、サーバーモジュール32と各場所10,12,14...20は100-200MHzの、ペンテイアムまたは同等のマイクロプロセッサーを含む中央処理装置(CPU)と、少なくとも32MBの記憶容量と市販の800×600分解能をもつSVGAモニターのような高分解能デイスプレースクリーンをもつ、IBM互換機のようなパソコンを含む。サーバーモジュール32と場所10,12,14...20にはまた、情報のデイスプレイとのインターフエスと制御のための、ジョイステイックまたはマウスとサウンド・ブラスターまたはそれに代わる音響とゲームポートアダプターカードが含まれる。通信を支援するための実行システムのソフトウエアも備えられる。たとえば、サーバーモジュール32はマイクロソフトウィンドウズニューテクノロジー(NT)またはウインドウズ95実行システムソフトウエア(両方ともマイクロソフト社、レッドモンド、ワシントン州から入手できる)を備え、また各場所10,12,14...20はマイクロソフトウインドウズ95実行システムソフトウエアを含められる。さらにサーバーモジュール32と場所10,12,14...20は多数の言語(たとえば英語、日本語等)の支援に対応でき、またOLE2サーバーのようなオブジェクトリンクと埋め込み(OLE)サーバーの全面的な支援を具備できる。
【0060】
色々なデータベース言語と管理システムはまたデータベースに記憶された情報を創りだしたり、保持したり見たりすることに用いられる。構造的問い合わせ言語(SQL)のようなデータベース言語をデータベース30のデータを確定したり、操作したり、制御したりするのに用いることができる。たとえば、SQLサーバー(マイクロソフト社から入手できる小売り製品)は本発明の実施に利用できる。さらに、この発明は開放データベース連結オープン・データベース・コネクテイビテイー(ODBC)互換ドライバーを備えることによって通信ネットワーク26を通してのデータベース30からの情報のアクセスを促進できる。ODBCに関するより詳しい情報はマイクロソフトオープン・データベース。コネクテイビテイー・ソフトウエア開発キットプログラマー用レフアランス・マニュエルでえられる。
【0061】
図2は本発明の別の実施例に従って建設された進歩的な薄板金属製造設備のブロック線図である。図2の実施例では、データベース30とサーバーモジュール32は別々に設置されており、データベース30はネットワークデータベースモジュール34を介して通信ネットワーク26につながれている。上記のように、本発明はこの構成に限定されたものではなく、データベース30とサーバーモジュール32は一緒に設置でき(たとえば図1に示すように)、ネットワークデータベースモジュール34のデータベースにアクセスする機能をサーバーモジュールに取り入れることができる。図2はまた、薄板金属製造設備38内の色々な場所10,12,14...20に設置できるステイションモジュール36の例を示す。図示の目的で、図2には曲げステイション18に設置されたステイションモジュール36が例示されている。図2の例には示されていないが、同様のステーションモジュール36を設備38内の他の場所にも設置できる。
【0062】
図2に示すように、各モジュール(サーバーモジュール32、ネットワークデータベースモジュール34及びステイションモジュール36)はネットワークインターフエイスカードまたはポート42を介して通信ネットワーク26につなぐことができる。ネットワークインターフエイスカード26はベンダー専用で、選ばれた通信ネットワークの形式にもとづいて選択できる。 各モジュール32、34、36は通信ネットワーク26とインターフエイスするためのネットワークソフトウエアまたはプログラムされた論理を含むことができる。 通信ネットワーク26はイーサネット(Ethernet)で、10ベース/T(ツイスト対)、10ベース/2(同軸)、または10ベース/5(厚膜ケーブル)のような多くのタイプの市販ケーブルから設備38の大きさと必要なケーブル長さにもとづいて選んだタイプのケーブルを用いたものであってもよい。
【0063】
図2でサーバモジュール32はデイスプレイモニターまたはCRT44とキーボード、マウス及び/またはジョイステイックを含む入力/出力デバイスをもつパソコンを含めうる。ネットワークインターフエスカード42は備えられている拡張スロットまたはパソコン40のポートに挿入できる。さらに、パソコン40は100-200MHzの処理速度とペンテイアムまたはペンテイアム・プロ マイクロプロセッサーを含むことができる。パソコン40はまた、たとえば32MBまたはそれ以上の主記憶装置と1.2GBまたはそれ以上のランダムアクセス記憶装置(RAM)を含むことができる。デイスプレイ44は高解像度の表示画面、たとえば800×600の解像度をもつ市販のSVGAモニターを含むことができる。デイスプレイ44に表示された色々なグラフ一クスや情報を支援するため、パソコン40はまた、PCIグラフイックス・カードのような市販のグラフイックスクス・カードを含むことができる。さらに、コンピュータ40はサウンド・ブラスター、または互換の音声及びゲームポートアダプターカードを含み、入力/出力装置46はキーボード、ジョイステイックと/またはマウスを含むことができる。
【0064】
この発明の色々な特徴を実行するために、サーバーモジュール32にはソフトウエアや色々なパッケージソフトが備えられている。たとえば、サーバーモジュール32はマイクロソフト ウインドウズ NT(ワーク ステーション型)またはウインドウズ95を備えている。さらに、サーバーモジュールにこの発明特有の機能と特徴(たとえば図4を見よ)を持たせるために、サーバーモジュール32はソフトウエアまたはプログラムされた論理を備えたルーチンを含ませることができる。後でより詳しく論ずるように、これらのルーチンは、C++のような高レベルのプログラム言語とオブジェクト指向プログラミングによって作成できる。サーバーモジュール32はまた、顧客の仕様にもとづいた2-D及び3-D図面を入力及び/または作成するために、ベルムまたはアマダAP40またはAP60ソフトウエアのようなCADまたはCAD/CAMソフトウエアを含むか、インタフエースできるようになっている。この理由で、サーバーモジュールは製造設備38の設計事務所10におくことができる。データベース30からデータをアクセスするために、サーバーモジュール32は、マイクロソフトODBドライバーのようなODBCドライバーをもち、またSQLをデータ アクセスの標準に用いることができる。OLE2サーバーのようなOLEサーバーを、データをリンクするために備えることができる。
【0065】
図2の実施例では、データベース30はサーバーモジュール32から分離して備えられており、ネットワーク データベース モジュール34を経由して通信ネットワーク26につなげられている。先に述べたように、データベース30は工場38の規模と、データベースに記憶させる部品情報の量にもとづいて選ばれた、適当な記憶スペースをもったSCSIデイスク(たとえば1-4 GB)を含むことができる。ネットワーク データベース モジュール34は、ペンテイウム マイクロプロセッサーを備えたIBM互換機のようなパソコン40と、通信ネットワーク26とインターフェースするためのネットワーク インターフエース カード42を備えた拡張スロットを含むことができる。データベース30はデータ母線を介してパソコン40に連結でき、パソコン40は標準的なデイスプレイやデイスプレイ モニターまたはCRTとキーボードのような入力/出力デバイス(図2には示されていない)も含む。
【0066】
SQLに基づいたデータベース30へのアクセスを容易にするため、ネットワーク データベース モジュール 34のパソコン40は、 マイクロソフトSQLサーバーやオラクルSQLサーバーのような、市販のSQLサーバーと合わせて設置することができる。OLE2サーバーのようなOLEサーバーをデータをリンクするために備えておくことができる。パソコン40もDOSやマイクロソフト・ウインドウズNT(サーバー バージョン)のような、色々なソフトウエアを備えておくことができる。図2の実施例は一つのステーションモジュール36の典型的な実装例を含んでいる。この実施例では、ステーションモジュール36は、曲げステーション18に装備されている。図2に示すように、ステーションモジュール36はサーバーモジュール32と同様のハードウエアを含んでいる。つまり、各ステーションモジュール(たとえば図1に示す他のステーション)はデイスプレイ モニターまたはCRT44と、ジョイステイックまたはマウスを含む入力/出力デバイス46をもつコンピュータ48を備えている。ネットワーク・インターフエイス・カード42はコンピュータ40に備えられている拡張スロットまたはポートに差し込むことができる。前に論じたように、ステーションモジュール36のコンピュータは 独立型、またはパソコン、またはその場所に備えられた装置または機械類のインターフエイス ・デバイスの一部である汎用コンピュータであってもよい。たとえば、コンピュータ48は、100-200 MHzの動作速度とペンテイウムまたはペンテイウム プロマイクロプロセッサーをもつIBM互換機のような自立型パソコンであってもよいし、コンピュータ48はアマダAMNCシステムのような機械類のインターフエイス/制御システムの一部、あるいはシステムに組み込まれたコンピュータであってもよい。コンピュータ48はまた、たとえば32MBまたはそれ以上の主記憶と、1.2GBまたはすれ以上のランダム・アクセス記憶(RAM)を保有することができる。デイスプレイ44は高解像度デイスプレイ画面、市販のたとえば解像度800×600をもつSVGAモニターを含みうる。デイスプレイ44にデイスプレイされる色々なグラフイックスや情報を支援するために、コンピュータ48はPCIグラフイックス・カードのような市販のグラフイックス・カードを備えることができる。さらに、コンピュータ48はサウンド・ブラスター、または互換できる音響及びゲームポート・アダプターとそれを支援する入力/出力デバイス46のジョイステイックまたはマウスを含むことができる。
【0067】
この発明の色々な特徴を実行するために、ステイション・モジュール36はソフトウエアといろいろな市販ソフトウエアが配置されている。たとえば、ステーション・モジュール36はマイクロソフト・ウインドウズ95またはウインドウズNT(ワークステーション版)のような基本ソフトが備えられている。さらに、ステーション・モジュールに、この発明固有の機能と特徴をもたせるために(たとえば図5を見よ)、ステーション・モジュール36にソフトウエアまたはプログラム化論理装備ルチーンが備えられる。後でより詳しく論ずるように、これらのルチーンは高レベルのプログラム言語、たとえばC++、及びオブジェクト指向プログラミング技術を用いることによって開発できる。データをアクセスし、リンクするために、ステーション・モジュール36はマイクロシフトOBCDドライバーとOLE2サーバーのようなOLEサーバーが含まれている。サーバー・モジュール32と同様、ステーション・モジュールもSQLをデータベース30からデータをアクセスする基準に用いることができる。
【0068】
曲げステーション18のステーション・モジュール36が自立型パソコンとして備えられている場合、曲げコードデータを作成するためと曲げ機械類25(たとえばCNCまたはNC制御プレス・ブレーキ)とインターフエースするためのソフトウエアを装備できる。図2の実施例では、コンピュータ36はパソコンとして装備され、標準RS-232-C配線インターフエースを通じて曲げ機械25とインターフエースするソフトウエアを配備しているように画かれている。このインターフエースはステーション・モジュール36が、RS-232-Cインターフエースを通じて曲げ機械25と通信し、曲げコードを送受できるために装備されている。このインターフエースの実行はベンダー用であり、曲げ機械25に用いられるデータ書式と命令セットに依存する。ステーション・モジュール36から曲げ機械25に送られるすべてのデータは、機械に決められている機械命令セットにもとづいてフオーマットしたものでなければならない。ステーション・モジュール36のコンピュータ48は、曲げコード生成のため、市販で入手できるCNCまたはNCソフトウエアを備えることにより、このような機械類のためにCNCまたはNCシステム(たとえばアマダAMNC)の組み込みコンピュータに通常備わっている機能をシミュレートできる。
【0069】
図3はデータのサーバー・モジュール32、データベース30と薄板金属製造設備38の間のそれぞれのデータの流れを示す実施例の典型である。図で表すためと実施例におけるそれぞれのデータの流れの記述を容易にするため、図3ではサーバー・モジュール32とデータベース30(ネットワーク・データベース・モジュール34に統合されている)は、各々別々に通信ネットワーク26と直接に接続されていて、これらの構成要素間のデータの流れは通信ネットワークを通して行われる。勿論、この技術に熟練した人なら分かるように、これら構成要素間には多種多様のデータの流れ方式を用いることができる;また、データベース30がサーバー・モジュール32に直接接続されている場合、データと情報はサーバー・モジュールからデータベースに直接に、通信ネットワーク26を用いることなく伝達できる。さらに、記述を容易にするため、図3の通信ネットワーク26は簡略化されており、図には打ち抜きステーション16と曲げステーション18しか示されていない。しかしながら、場所10,12,14...20(工場内の他のあらゆる場所や区域も含めて)からのデータのやりとりの流れは、打ち抜きステーション16と曲げステーション18について示したのと同様の方法で行うことができる。
【0070】
各顧客の注文に関連した設計製造情報は、編成してデータベース30に記憶することができる。最初に顧客から注文を受けると、基本的な製品と設計情報がサーバー・モジュール32に入力され、それからデータベース30に伝送され、記憶される。前に論じたように、サーバー・モジュール32は、キーボードを備えたパソコン等のような、データを入力する適当な手段を備えている。サーバー・モジュール32でパソコンが用いられるとき、工場職員によるデータの入力を容易にするため、メニュー方式画面を生成するソフトウエアを備えることができる。データ入力プログラムは、たとえばマイクロソフト・ウインドウズをベースとしたアプリケーションで、ヘルプ及び/またはメニュー画面をもつものであってよい。限定されない例として、サーバー・モジュール32に入力され/または作成されて、データベース30に転送されたデータは、図3に一般的に示してあるように、部品情報、曲げモデル、特徴抽出データ及び曲げ線情報を含むことができる。
【0071】
部品情報は、たとえば部品または注文参照番号、顧客の名前、部品の簡単な説明、バッチの大きさまたは量及び引き渡し予定日を含むことができる。曲げモデルデータは、たとえば部品の全体的な寸法(たとえば幅、高さ、深さ)と材料のタイプ(たとえば鋼鉄、ステインレス鋼またはアルミニウム)、厚さ及び引っ張り強さのような部品材料の情報を含むことができる。さらに、特徴抽出データは手動による入力と/または自動的に生成することによって、部品の主要な特徴を識別し、データベースの類似部品の探索やその他の探索を容易にする。特徴抽出データはデータベース30の別のフアイルに格納するか、曲げモデルデータや各部品の仕事情報と一緒に格納することができる。特徴抽出データは、たとえば表面や面の数、曲げタイプの数(たとえば二面間の正の折り曲げ、または二面間の負の折り曲げ)、面の間の関係及び/または部品にある孔や他のタイプの開口の数を含むことができる。後でより詳しく論ずるように、このようなデータは特徴ベース部品マトリクスと/または逐次探索キー(たとえば下記の図6-10を見よ)によって表現し、編成できる。最後に、曲げ線情報はデータベース30に格納するため、サーバー・モジュール32に入力できる。曲げ線情報は、たとえば部品の各折り曲げの曲げ角度、曲げ長さ、曲げの内半径(IR)、縮小量及び曲げ方向(たとえば前方または後方)を含む主要な曲げ線情報を含む。
【0072】
通信ネットワーク26を通じてデータベース30へデータを送受信するため、各場所10,12,14...20は通信ネットワークに接続されているステーション・モジュール(前に述べたステーション・モジュール36のような)を含めることができる。図3には、打ち抜きステーション16と曲げステーション18は一般的にステーション・モジュールと合わせたブロック線図で示されている。前に論じたように、ステーション・モジュールは、たとえばソフトウエア、または制御論理と独立型パソコン、またはその場所に備えられた装置または機械類の一部である汎用コンピュータを含む。各顧客の注文に応じて、設計製造情報(部品情報、曲げ線情報および曲げモデル・データを含む)が、所定参照番号またはコードを入力することによってアクセスでき、検索できる。参照番号またはコードは手動(たとえばキーボードまたはデジタル入力パッドによって)またはバー・コードを、ステーション・モジュールに備えられているバー・コード読みとり装置またはスキャナーでスキャンすることによって入力できる。さらに、本発明の見地に沿って、以前の仕事情報はデータベース30から、工場内のどの場所10,12,14...20からでも、同様の部品探索を行うことによってアクセスし、検索できる。引き続く詳しい記述で論ずるように、類似部品の探索は、特徴抽出データ、またはデータベース30に記憶されている探索キーにもとづいて行うことができ、これによって同一または類似の部品に関する以前の仕事情報が検索され、将来の仕事の全体的な製造時間の短縮に利用できる。
【0073】
データベース30から検索された製造情報は、作業場オペレータが曲げ計画を作成し、テストするのに用いられる。たとえば、曲げステーション18の曲げオペレータは、薄板金属部品に必要な工具や最適な曲げ手順を決めるために、データベース30から部品情報、曲げ線情報や曲げモデル・データをアクセスし、検索することができる。本発明の見地に沿って、ODBCドライバーを備えることにより、各ステーション・モジュールがデータベース30とインターフエースし、データベースに記憶されている情報を表示できるようにすることができる。さらに、サーバー・モジュール32またはデータベース30のネットワーク・データベース・モジュールは、データベースに記憶されているデータのアクセスと検索を容易にするために、SQLサーバーを含むことができる。最終曲げ計画に基づいて曲げコードがプログラムされると、曲げコードは曲げ手順とともに、図3に一般的に示すように通信ネットワーク30を通じて、曲げステーションのステーション・モジュール18からデータベース30に送られる。この情報は、当該の仕事に関連する他の設計製造情報とともに記憶される。
【0074】
他の情報もデータベース30に記憶することができる。たとえば、部品の2-D及び/または3-D画像表現は曲げモデルデータとともに記憶することができる。この2-Dまたは3-D画像表現は設計ステーション10または他の場所でCAD/CAMシステムを用いて作成し、設計ステーション(あるいは他の適当な場所)のステーション・モジュールを介して通信ネットワーク26を通じ、データベース30に転送できる。あるいはまた、2-Dまたは3-D画像はサーバー・モジュール32で、後でより詳しく述べるように、適当なCAD/CAMシステムまたはモデル化ソフトウエアを用いて、一連の機能または演算を実行することによって作成できる。
【0075】
図4と5を参照しながら、サーバー・モジュール32と各場所10,12,14...20においてプログラムされ実行される処理や演算について詳述する。図4と5はサーバー・モジュール32と薄板金属製造設備38内の各場所10,12,14...20で実行される基本論理の流れの流れ図である。図5は、たとえば曲げステーション18で実行される典型的な処理や操作に対するものであるが、設備38内の特定な場所で実行される操作によっては、これ以外の処理やステップも実行できることは理解できよう。以下に述べる処理や操作はソフトウエア、または多種類のプログラム作成言語と技法の一つを利用することによって実施できる。たとえば、本発明の見地に沿って、関連図面を参照しながら記述する下記の処理や操作は、C++のような高レベルのプログラム作成言語とオブジェクト指向プログラミング技法を用いることによって実施できる。さらに、限定されない例として、ウインドウズ・ベースアプリケーション用にマイクロソフト社が作成した、プログラム作成言語のバージョンであるヴイジュアルC++を利用することができる。
【0076】
図4は本発明の見地に沿って、サーバー・モジュール 32が行う基本的な処理と操作の流れ図である。図4はサーバー・モジュール32がソフトウエアまたはプログラム化論理によって実行する処理と操作の基本論理フローである。サーバー・モジュール32は、オペレータまたはユーザーがサーバー・モジュールの色々な処理や操作の選択と実行を支援するためにツール・バーやヘルプ及び/またはメニュー画面をもつウインドウズ・ベース アプリケーションを含むことができる。処理は薄板金属製造設備38で顧客の注文を受けたステップS.1から開始される。顧客の注文は通常部品が工場で製造するのに必要な製品と設計の情報を含む。この情報は、たとえば部品の幾何学的寸法、部品に必要な材料や他の設計情報も含む。顧客から受けた情報をもとに、サーバー・モジュール32は、ステップS.3に画かれているように、データベース30に記憶されている以前の仕事情報の探索を実行する。データベース30に記憶されている仕事情報は多様な探索基準にもとづいて探索できる。たとえば、情報は事前定義参照または仕事番号にもとづいて探索でき、あるいは類似部品の探索は部品のある設計特徴にもとづいて実行でき、これによって同一または類似の部品に関する以前の仕事情報が現在の仕事のために検索でき、利用できる。利用できる類似部品探索のさらに詳しい記述は、図6-10を参照しながら以下に記す。
【0077】
ステップS.5では、データベースの検索結果が解析され、現在の顧客の注文が新しい部品か、以前の仕事に類似の部品か、あるいは以前の仕事の繰り返しかが決定される。同一の照合が見いだされる(たとえば同じ部品または参照番号が見いだされる)と、顧客の現在の注文は工場で行った以前の仕事の完全な繰り返しになり、仕事情報に対するこれ以上の修正は不必要で、以前の仕事情報をデータベース30からアクセスしてステップS.11に示すように現在の顧客の注文の遂行に利用できる。データベースの探索は以前の仕事の部品または参照番号及び/またはフアイル名を与え、それによってサーバー・モジュール32またはどのステーション・モジュールにいるオペレータでもデータベースから仕事情報をアクセスすることができる。部品または参照番号しかえられない場合、変換テーブルを備えることによって、オペレータが部品参照または仕事番号を入力することによって以前の仕事情報のフアイル名を決定し、アクセスできる。従って、たとえばサーバー・モジュール32にいるオペレータは、仕事情報と2-Dと3-Dモデル化情報をデータベース30からアクセスすることによって部品の幾何学を解析し、繰り返しの注文と類似であることを確認することができる。注文が繰り返しの注文であることが確認されると、曲げステーション18のステーション・モジュールにいる曲げオペレータは、さらに以前の仕事情報をアクセスし、曲げコードのデータと工具段取り情報を含む製造情報を曲げと部品の製作に利用することができる。かかる記憶された専門的知識を利用することによって、このようにして、繰り返しの注文をより効率的に、以前に入力され開発された仕事情報を必要とせずに製造することを可能にする。
【0078】
しかしステップS.5で、もし現在の顧客の注文が以前の仕事と類似か、以前の仕事と同じであるが、たとえば仕事または参照番号またはバッチの大きさ等の修正が必要と決定されれば、ステップS.7での探索で捜し出した以前の仕事情報データはデータベース30から検索され、サーバー・モジュール32にいるオペレータによって編集し、修正される。編集機能を備えることによって、以前の仕事データを編集し、修正して新しい仕事データを作成し、現在の顧客の注文のためにデータベース30に格納できる。必要とする編集の量は、以前の仕事と現在の仕事間の類似性の程度による。編集の量は、参照または仕事番号またはバッチの大きさの単なる修正から/または、部品の寸法や定められた曲げ手順の編集のような、より広範囲な修正を含むものにわたる。以前の仕事情報の編集が終わると、修正された仕事情報はステップS.9でデータベース30に格納される。修正された仕事情報は新しい参照または仕事番号で格納できる。さらに、色々なデータベース管理機能(コーピー、削除、保管、再命名等)を備えることによって、特別なコマンドの入力でデータベース30の以前の仕事情報の保持、または以前の仕事情報の消去または上書きができる。
【0079】
現在の仕事に適合する類似または同一のものが無く、従って現在の顧客の注文は新しい仕事に関係することが決定されると、論理フローは図4に示すステップS.15に進む。この場合、現在の仕事は新しい仕事に関するものになるので、設計製造情報を独立に作成し、入力しなければならない。サーバー・モジュール32からメニュー及び/またはヘルプ画面を提供することによって、オペレータが必要な仕事情報すべてを入力するのを支援することができる。本発明の見地に沿って、サーバー・モジュール32のオペレータは、最初に新しい仕事の基本的な部品情報を入力することによって新しいフアイルを作成できる。部品情報は、たとえば参照または仕事番号、顧客の名前、部品の簡単な記述、仕事に必要なバッチの大きさまたは量及び予定引き渡し年月日を含む。特徴抽出データまたは探索キーもステップS.15で入力できるし、また、以下に記すように、このデータを自動的に作成するか、曲げモデルデータの作成と同時に抽出することができる。他のデータや情報もステップS.15で入力するか、部品の各曲げ線の曲げ角度、半径や長さを含む曲げ線情報のような曲げモデルデータの入力後か入力中に入力できる。ステップS.15に引き続き、論理フローは図4に示すように、オペレータによって曲げモデルデータがサーバー・モジュール32で開発され、入力されるように進む。
【0080】
曲げモデルの開発と入力は、顧客から提供された原図や情報に依存する。顧客の注文は、たとえば製造される部品の2-Dの一方向平面図及び/または部品の2-D、三方向図(たとえば上面、前面、側面図)を含むかも知れない。たまには顧客は、部品材の厚さが図に示されている、またはいない部品の3-Dワイヤーフレームを提供することもある。本発明の見地に沿って、曲げモデルデータは、製造される部品の展開(2-D平面表示)と折りたたみ(3-D表示)情報を双方とも含む。従って顧客が2-D平面図しか提供しない場合、たとえば2-D図面に対して折りたたみアルゴリズムまたは処理を適用することによって3-D図面を作成する必要がある。これにひきかえ、部品の3-D図面が提供された場合、3-D図面に対して展開アルゴリズムまたはプロセスを適用することによって2-D平面図を作成しなければならない。本発明の別の見地に沿って、曲げモデルに保管されている2-D及び3-Dモデルは、薄板材料厚さなし(つまり厚さなし)で作成し表現できる。これが可能なのはすべての薄板金属部品に特有の対称性による。厚さなしの2-Dと3-D図面の提供と表現は、設計プログラマー、曲げオペレータや他のユーザがより容易に解釈され理解される部品のモデリングとシミュレーションの図を与える。厚さ情報を省くことはまた、サーバー・モジュールやステーション・モジュールで、文中に記述の本発明の色々な特徴を実行し達成するのに要する処理時間を短縮し、改善する。このような特徴のより詳細な記述や、本発明で利用することができる折りたたみと展開アルゴりズムについては、以下に付図を参照しながら記述する。
【0081】
図4は曲げモデルを開発するときに行われる一般的な処理と操作を示す。受理した、または顧客の注文にもとづいて開発され、曲げモデルデータを作成するために入力できる色々なタイプの図面は、一般的にステップS.19,S.23,S.27とS.31に示されている。 ツール・アイコン・バーとメニュー及び/またはヘルプ画面を、サーバー・モジュール32によって、これらの各ステップを選択し実施するオペレータを支援するために提供できる。これらの図面から曲げモデルのための部品の2-Dと3-Dモデルを作成する処理は、最初に提供された図面のタイプに依存する。これらの図面は、サーバー・モジュール32で手動で入力または作成するか、テープまたはデイスクからダウンロードできる。サーバー・モジュール32は、たとえば、設計事務所10にあるCAD/CAMシステムとインターフエイスするか、またはサーバー・モジュール32が独立型CAD/CAMシステムをもつことができる。さらに、2-Dと3-D図面は、DXFまたはIGESフアイルとして保管され、サーバー・モジュール32に取り入れられる。
【0082】
一方向平面図が提供された場合は、曲げモデルを作成する処理は、図4に示すようにステップS.19から始められる。ステップS.19で、受理または作成された2-D平面図はサーバー・モジュール32に入力される。部品の全体的な寸法(幅、高さ、深さ)のような他の曲げモデルデータ及び部品材料情報もステップS.19で入力できる。その後、折りたたみアルゴリズムまたは処理を用いて、ステップS.21に一般的に示されているように、元の2-D一方向図面にもとづいて3-Dモデル(材料の厚さのない)を作成することができる。2-D平面図から3-Dモデルを作成するのに行われる処理や操作の例は、図11-18を参照しながら後で述べる。
【0083】
部品の3-Dワイヤーフレーム図(材料厚さの無い)が受理または作成された場合、図の情報はステップS.27で入力される。さらに、他の曲げモデルデータ、たとえば部品の全体的な寸法(幅、高さ、深さ)及び部品材料情報もステップS.27で入力できる。この後に、ステップS.27に示すように、部品の2-Dモデルを作成するために、サーバー・モジュール32で展開のアルゴリズムまたは処理が実行される。2-Dモデルを3-D図面(厚さのない)から作成するために行われる処理と操作の例は、たとえば図19を参照しながら後で述べる。
【0084】
部品の2-Dと3-Dモデル表示は、その部品のための曲げモデルの一部として格納される。さらに、前に注記したように、2-Dと3-Dモデルの作成と格納の間に、他の曲げモデルデータ(部品材料情報やその他の製造情報のような)も入力し、曲げモデルデータとともにデータベース30に格納できる。曲げモデルデータを編成し、格納するために実施できる、いろいろな機能やデータ構造配列についてはあとでより詳しく記述する(たとえば図26と27を見よ)。
【0085】
図4に示すように、簡単な3-D図面(材料厚さなしの)がもともと作成または受理されていない場合は、最終的な2-Dモデルを作成するのに必要な展開アルゴリズムまたは処理を行う前に、部品の3-Dモデル(厚さなし)を作成するための付加的な処理が必要となる。ステップS.23、S.25、S.31とS.33は、ステップS.29で展開アルゴリズムを実行し、2-Dモデルを作成する前に、サーバー・モジュール32で一般に実施される付加的な処理と操作を示す。
【0086】
たとえば、部品の2-D、三方向図面(三面図)がはじめに提供または作成されている場合、ステップS.23で図面はサーバー・モジュール32に入力または取り入れることができる。さらに部品の全体的な寸法(幅、高さ、深さ)のような他の曲げモデルデータや部品材料情報もS.23で入力できる。引き続きステップS.25では、入力された2-D三方向図面にもとづいて、部品の簡単な3-D平面図が作成できる。作成された3-D図面は、図4に示すように、ステップS.29で2-Dモデルを作成するのに用いられる。3-Dモデルを2-D三方向図面から作成する処理と操作の例は、あとでたとえば図20を参照しながら述べる。
【0087】
しかしながら、もし材料厚さが入っている3-D図面がもともと受理または作成されている場合、展開アルゴリズムを適用する前に、さらに先の処理のため図面情報をステップS.31で入力する事ができる。他の曲げモデルデータ、部品の全体的な寸法(幅、高さ、深さ)と部品材料情報もステップS.31で入力できる。そのあとステップS.33で、3-D図面にある厚さを削除するための厚さ削除手順を行うことができる。本発明の見地に沿って、サーバー・モジュール32は、オペレータまたはユーザーが厚さ削除手順を実行するとき、図面に厚さを示し、どの表面(外側か内側か)を保存するかを示すように促すことがある。本発明で利用できる厚さ削除手順については、たとえば図24(a)と24(b)を参照しながら下記に述べる。ステップS.33で3-D図面の厚さが削除された後、論理の流れはステップS.29に進み、そこでは最終的2-Dモデルを作成するために、改訂された厚さの無い3-Dモデルを利用して適当な展開アルゴリズムまたは処理が施される。3-D図面から2-Dモデル作成するための展開処理と色々な処理や操作は、たとえば図19を参照しながら下記に述べる。
【0088】
図4に示すように、すべての重要な情報が作成され、入力された後、顧客の注文に関連する部品情報、曲げモデル情報及びその他のデータは、ステップS.35でサーバー・モジュール32からデータベース30に移されて格納される。データベース30に格納されたデータは、データベース探索を行うときに利用できる特徴抽出または探索データも含む。下記に述べるように、特徴抽出または探索データは、各仕事に関連した部品の基本的または主要な特徴を指示するデータも含まれ、これによって仕事情報や格納されている同一または類似部品に関する専門的知識の探索が実施できる。サーバー・モジュール32に入力されたデータと情報は、たとえば図3に示すように、直接データベース30に、または通信ネットワーク26を介して転送することができる。上述のように、曲げモデルデータを作成するときに、色々な図面に対して実施できる各種の処理や操作についての詳しい記述は、下記に付図を参照しながら記す。
【0089】
図5は薄板製造設備38の場所10,12,14...20に設けられ、各ステーション・モジュールで実施される基本的な処理や操作の流れ図を示す。例証のため、図5は、たとえば曲げステーション18に置かれたステーション・モジュールで実施される基本的な処理や操作の基本論理の流れの例を示す。本発明の教示にもとづく技術に熟練した者には理解できるように、図5に示す論理の流れは、各場所で実施される操作や処理の性格により、各ステーション・モジュールで修正できることは勿論である。さらに、サーバー・モジュール32と同様、下記に述べるステーション・モジュールでの処理や操作にはソフトウエアまたはプログラム化論理を装備できる。加うるに、ステーション・モジュールは、オペレータまたはユーザーによる色々な処理や操作の選択と実施を容易にするために、ツール・バー・アイコンまたはヘルプ及び/またはメニュー画面をもつウインドウズ・ベース・アプリケーションを含むことができる。このようなヘルプ及び/またはメニュー画面は、ステーション・モジュールにおいてデータの入力または転送を容易にするためにも設けることができる。
【0090】
図5に示すように、ステップS.51でステーション・モジュールを初期設定した後、オペレータはステップS.53で一つまたは一つ以上のデータベース探索基準またはキー項目を入力することができる。探索基準は、データベース30に格納されている以前の仕事情報、または新しいまたは現在の仕事に関する仕事情報を捜し出すために入力できる。オペレータは、たとえばデータベース30から特定の仕事情報を検索するために、予め定められた番号またはコードを入力できる。たとえば、本発明の見地に沿って、バーコード をルーチングシートに付すか、せん孔された材料につけて、ステーション・モジュールでバーコード読みとり装置でスキャンすることによって情報をアクセスすることができる。あるいは、参照コードまたは番号を、ステーション・モジュールでキーボードまたはデイジタル入力パッドを介して手動で入力できる。変換テーブルを備えることによって、部品参照または仕事番号のオペレータによる入力によって、以前の仕事情報を定めることもできる。さらに、探索基準またはキーを入力することによって、以前に格納した仕事情報の類似部品探索を行うことも予想される。このような探索は、部品の色々な設計特性または特徴抽出データにもとづいて行うことができる。本発明の見地に沿って実行できる類似部品探索の説明は、下記に図6-10を参照しながら記す。
【0091】
探索基準をステップS.53で入力した後、ステーション・モジュールはステップS.55で、通信ネットワーク26とネットワーク・データベース・モジュール34を介してデータベース30の探索を実行できる。探索の結果はステーション・モジュールに戻され、ステップS.57でオペレータまたはユーザーが新しい仕事または類似の以前の仕事に関する情報を要請したのか、または要請が以前の仕事の完全な繰り返しに関するものなのかを決めるために解析される。
【0092】
同一のものが見いだされる(たとえば同じ部品または参照番号が突きとめられる)と、以前の仕事の繰り返しが決定され、仕事に関する格納されている設計と製造情報がデータベース30からステーション・モジュールに転送され、ステップS.59に一般的に示しているように、オペレータが見られるように表示される。ステーション・モジュールは一つまたは一つ以上のメニュー表示画面または登録簿をもち、オペレータがデータベース30から検索された色々な情報を選択し、表示できるようになっている。オペレータは表示された情報をレビューし、ステップS.61における3-D曲げシミュレーションのような、色々なシミュレーションを走らせて、その仕事の曲げ手順の色々な段階を観察し、部品の幾何学を理解することができる。オペレータはまた、必要工具や仕事情報に記録されている他の特別な命令やメッセージのような他の情報をレビューすることもできる。仕事情報の確認が終わると、オペレータは曲げ、または他の必要な機械類を構成し(組立)、機械を操作して指定された薄板金属部品を製作することができる。データベース30から検索された仕事情報は、たとえば曲げステーション18の機械類を制御する曲げコードを含む最終曲げ計画データを含む。機械類の構成と実際の操作は、このようにして図5のステップS.63に一般的に示してあるように、オペレータによって遂行される。
【0093】
もし同一または類似の仕事情報が捜し出されず、情報が新しい仕事(つまりサーバー・モジュール32には予備的な仕事情報のみ入力され、完全な仕事情報が作成されていない)に関するものであることが決定した場合、部分的な部品情報と曲げモデルデータはデータベース30から引き出されてステーション・モジュールに送られ、ステップS.77でオペレータによって観察される。要請した情報は新しい仕事に関するものなので、オペレータは必要な工具と曲げ手順を含む曲げ計画を作成し、入力する必要がある。下記により詳しくのべるように、曲げオペレータによる曲げ計画の作成を容易にするため、ステーション・モジュールにグラフイカル・ユーザー・インターフエース(GUI)や他の機能を備えることができる。GUIは、たとえば工具の選択、部品と工具間の潜在的な不一致の自動点検、及び提案された曲げ手順の各中間段階のシミュレーションを表示することによってオペレータが曲げ計画を作成するのを支援するために設けることができる。サーバー・モジュールで曲げ計画を作成し、入力したオペレータは、ステップS.80で曲げコード(曲げ機械で曲げ手順を実行するためのCNCまたはNCコード)を生成するために曲げ手順をプログラムする。曲げコードは直接サーバー・モジュールで入力するか、曲げ機械類のCNCまたはNC制御装置とインターフエースしてサーバー・モジュールに取り入れることができる。しかる後、オペレータはステップS.81で、曲げ作業ステーションにおいてセットアップし、曲げ計画をテストすることができる。曲げ計画に必要なすべてのテストと必要な修正が完了すると、ステップS.83で最終的な曲げデータをデータベース30に入力し格納する。最終的な曲げデータは、曲げプログラムとともに、曲げ手順と工具構成情報を含む。この情報は、たとえば曲げステーション18のステーション・モジュールからデータベース30に送られ、新しい仕事に関する他の設計製造情報とともに格納される。
【0094】
図5のステップS.57で、情報が以前の仕事の類似部品または同じ部品に関係しているが、たとえば異なる参照あるいは仕事番号またはバッチ量等をもつことが決定されれば、論理の流れはステップS.65に進む。ステップS.65では、以前の仕事情報がデータベース30から検索され、曲げステーション18で表示される。曲げオペレータまたはユーザーはデータを見て、類似部品に必要なデータの変更が何かを決める。この場合もステーション・モジュールは一連のメニュー表示画面または登録簿(ディレクトリ)を備えて、オペレータが、表示する情報と、情報をどのように表示または修正するかの選択ができるようにされている。たとえば、ステップS.69では、オペレータの類似部品の曲げ計画の作成を容易にするため、検索された情報にもとづいた3-D曲げシミュレーションを備えることができる。以前の仕事情報をレビューした後、オペレータはステップS.70で、曲げプログラムとともに、工具と曲げ情報を修正する。部品の寸法、参照番号やバッチ量のような他の仕事情報もステップS.70で修正し、編集することができる。これが終わると、ステップS.71で実際の工具セットアップとテストが、オペレータによって作業場において、修正された曲げ計画をテストするために行われる。テストと曲げ計画をさらに修正することが完了すれば、オペレータはステップS.73で最終的な曲げデータを入力し、それに新しい参照番号または仕事番号をつけてデータベース30に格納する。上記のように、以前の仕事情報もデータベース30に、他の格納された仕事フアイルとともに保持できる。さらに、色々なデータベース管理機能を、データベースに格納されているフアイルを格納、消去、再命名等するために備えることができる。
【0095】
次に図6-10を参照しながら、本発明の教えるところに従って実行できる類似部品探索機能の例を詳しく述べる。本発明の見地に沿って、特徴ベース形態類似性探索アルゴリズムを利用する類似部品探索手続きを、データベース30から以前の仕事情報を探索し、検索するのに備えることができる。類似部品探索は製作される部品に関する設計特徴及び/または製造情報にもとづいた同一及び/または類似部品の探索を含むことがある。また類似部品探索は、たとえばサーバー・モジュール32及び/または工場38内の色々なステーション・モジュールにあるソフトウエアまたはプログラム化論理の使用によっても実施できる。類似部品探索はサーバー・モジュール32または薄板金属曲げ工場38内の場所10,12,14...20のいずれかで実行できる。C++またはマイクロソフト社のビジュアルC++プログラム言語のような、高レベルのプログラム言語とオブジェクト指向プログラム技法が類似部品探索の色々な処理や操作を実施するのに利用することができる。
【0096】
図6と7は利用できる類似部品探索アルゴリズムまたは処理の論理の流れを示す。図6に示すように、重要な部品モデルデータフアイルはステップS.100でアクセスできる。部品モデルには、たとえば設計事務所10に置かれたCADシステムで作成された曲げモデルデータ及び/またはサーバー・モジュール32で作成され、入力されたデータが含まれる。部品モデルには、たとえば部品の色々な表面または面及び曲げ線の向き、幾何学的関係及び相対位置を表す部品形態データ(部品トポロジーデータ)が含まれる。部品モデルデータが検索され、または曲げモデルデータが手動で入力された後、ステップS.102で、当該部品の曲げモデル及び/または部品形態データにもとづいた特徴抽出データを自動的に導出するための特徴抽出操作を行うことができる。
【0097】
本発明の見地に沿って、特徴抽出データは、薄板金属部品の色々な特徴を解析することによって導出できる。たとえば、部品の色々な面の解析によって、隣り合わせの面が開放または接触コーナーをもつかどうかを決めることができる。平行曲げ、直列曲げ、共線曲げまた対向曲げのような他の特徴も、各部品の明確かつ独特な特徴を決定し、抽出するために解析することができる。
【0098】
表1は類似部品探索を行うときに解析される色々な曲げと面の特徴を示す。特徴抽出操作に含めなければならない抽出特徴は、正の曲げ、負の曲げ特徴とともに接触コーナー、開放コーナー特徴である。さらに特徴抽出操作は、少なくとも平行曲げ、直列曲げ、共線曲げ、異相共線曲げ及び厚さオフセット曲げの特徴解析を含まなければならない。
【0099】
ステップS.102で行った特徴抽出操作は、各特徴の曲げモデルデータと形態(トポロジー)の解析、形態の修正、今後の解析のための形態にもとづく特徴ベース行列(特徴に基づく行列)の作成からなる一連の操作を含むこともある。例証のため、図8(a)―9(d)に接触コーナーをもつ4折り曲げ箱部品と開放コーナーをもつ4折り曲げ箱部品に対する特徴抽出操作を示す。
【0100】
【表1】
Figure 0003803502
例証のため、図8(a)-9(d)には隣接面のコーナー関係にもとづく特徴抽出が示されている。図8(a)に示す五つの面(1-5)をもつ閉じた4折り曲げ箱や、図8(b)に示す五つの面(1-5)をもつ開いた4折り曲げ箱については、いずれの部品を表すにも、図8(c)に示す同じ簡単な面形態が提供される。この形態は部品または曲げモデルデータとともに格納し、提供することができる。しかしながら、図8(c)の単純な面形態(面トポロジー)は、部品の面(1-5)の間の関係の基本的な情報しか与えず、隣接する面間のコーナーの関係や曲げの種類のような部品の色々な特徴の情報は与えない。従って、特徴抽出操作時に、部品または曲げモデルデータとともに格納されている関連面形態をを解析することにより、基本的な面形態が部品の色々な特徴についての付加的な情報を含むように修正することができる。
【0101】
たとえば、図8(a)の閉じた4折り曲げ箱の部品または曲げモデルデータを調べることにより、隣接面間のコーナーが解析でき、図9(a)に示されている修正された面形態が作成でき、これによって各面間の接触コーナー状況を示すことができる。同様に、図9(a)に示されている開いた4折り曲げ箱の部品または曲げモデルデータを調べることにより、図9(b)に示す修正された面形態を作成し、それによって部品の色々な隣接する面の間の開放コーナー関係を示すことができる。図9(a)と9(b)に示すように、面形態に面のコーナーの関係(たとえば接触または開放)を示す特別の連結線を加えることができる。他のデータも他の特徴(たとえば存在する曲げの形式)を示すため、及び特徴ベース面形態を作成するために加えることができる。特徴ベース情報が含められるように形態を修正した後、抽出情報をより簡単に解析し、比較するために行列を作成することができる。たとえば、図9(a)の特徴ベース面幾何学にもとづいて、図9(c)に示す行列を作成し、これによって図8(a)の閉じた4折り曲げ箱の色々な特徴を示すことができる。同様に、開いた4折り曲げ箱に対しては、たとえば図9(b)に示す特徴ベース面形態にもとづいて、図9(d)に示す行列を作成できる。他の特徴抽出データ、たとえば部品の曲げ特徴(たとえば90゜正の曲げ角度または90゜負の曲げ角度等)も行列の中に示すことができる。
【0102】
上記のように、ステップS.102の特徴抽出操作は、曲げモデルデータと形態を解析することによって、部品に色々な特徴が存在するかどうかを決めるために実施できる。本発明の見地に沿って、特徴抽出操作は部品に提供されている曲げモデルと形態データについて行うことができる。このデータは、面のデータ、曲げ線データ(たとえば曲げ線長さと位置等)、面―曲げ線関係データ、曲げ角度データ及び特別の特徴データ(たとえばZ―曲げや縁取り等)を含む、薄板金属部品に関するすべての重要な幾何学と位置のデータ(たとえば2-D空間(X,Y)及び/または3-D空間(X.Y.Z)における)を含む。線、曲げ線や他の構成要素はエンドポイント(端点)や/またはベクトルで定義することができる。たとえば各2D線は一組の2Dエンドポイント(たとえばX1,Y1とX2,Y2)、各3D線は一組の3Dエンドポイント(たとえばX1,Y1,Z1,とX2,Y2,Z2)で指定することができる。曲げ線は2Dまたは3D空間における場所とともに曲げ線の方向を示すベクトルで表すことができる。さらに、2Dの弧は2D空間データ(たとえば中心X、中心Y、半径、開始角度、終了角度)、3Dの弧は3D空間データ(たとえば中心X、中心Y、中心Z、ビユー行列、半径、角度開始、角度終了)で指定することができる。部品形態データも、部品の色々な面や曲げ線の場所やこれらの間の幾何学的関係を示すために提供することができる。各面は線と/または弧の集合または連結データリストで定義することができる。
【0103】
部品の特徴を抽出するため、曲げモデルと形態データの特徴抽出操作を行い、解析することによって、ある特徴が部品に存在するかどうかを定めることができる。このプロセスは、抽出する各特徴間の色々な特色や関係にもとづく、曲げモデルと形態データの解析を含むこともできる。各特徴の特色と関係を知るための曲げモデルと形態データの解析によって、ある特徴(たとえば面間の接触コーナー、開放コーナー特性、または平行または直列曲げ特性)の存在が検出できる。異なるプロセスを、各特徴の特定の特性と関係を特徴抽出操作で検出するために備えることもできる。解析される各特徴間の特性と関係の類似性にもとづいて、部品に一つ以上の特徴が存在するかどうかをチェックするために幾つかのプロセスを組み合わせるか作成することもできる。
【0104】
限定されない例として、ステップS.102における特徴抽出操作の際に、コーナーの特徴、たとえば同じ曲げ方向をもつ二つ面の接触コーナー特徴(表1のTouchCnr特徴)を抽出し、検出するために行うことができるプロセスについて述べる。下記のプロセスは、他の特徴の検出、たとえば逆曲げ方向をもつ二つの面の接触コーナー特徴(表1のtouchCnr特徴)または同じまたは逆曲げ方向を持つ二つの面の開放コーナー特徴(表1のOpenCnrとopenCnr特徴)に用いることもできる。プロセスを修正することによって、他の特徴も検出できる(たとえば平行曲げ、直列曲げ等)。さらに、面の可能な各組み合わせに関するデータを、抽出される各特徴の特性と関係を知るために解析することができる。
【0105】
たとえば、接触コーナーの特徴をもつTouchCnrの場合、検出する特徴または関係は:共通の面を持つ二つの面;同じ曲げ線方向;同じ頂点を(または頂点間の距離が事前に定めた範囲内にある頂点)をもつ曲げ線を含む。接触コーナーの特徴をもつtouchCnrの場合、同様の特性または関係を検出しなければならない;ただ同じ方向の曲げ線をもつ面ではなく、面は逆方向の曲げ線をもっていなければならない(たとえば表1をみよ)。開放コーナー特徴OpenCnrとopenCnrも同様に検出できるが、各特徴に接触コーナー関係の代わりに、面間に開放コーナーが存在する(たとえば面の曲げ線が事前設定の範囲の距離より大きく隔たっている)ことと、同じまたは逆の曲げ線方向(たとえば表1と表中のOpenCnrとopenCnrの定義をみよ)をもつ曲げ線を検出し、解析しなければならない。
【0106】
接触コーナー特徴(たとえば表1のTouchCnr特徴)を検出するためには、先ずある二つの面を解析し、二つの面が共通の面に接続しているかを決定する。これは各面の曲げ線データと各曲げ線の曲げ線―面関係データを探索して、共通面が存在するかどうかを決定することによって検出できる。もし二つの面が共通の面に接続していれば、各面の曲げ線方向を解析して同じ曲げ線方向(または、たとえばtouchCnr特徴を検出する場合は逆の曲げ線方向)をもつかを見る。これは、たとえば各面の曲げ線方向を示すベクトルデータを解析する事によって決められる。
【0107】
二つの面が共通の面をもち、曲げモデルと形態データにもとづいて同じ曲げ線方向をもつことが決定されると、データを検査することによって曲げ線が平行かどうかが検出される。色々な方法を用いて、曲げモデルと形態データにもとづいて曲げ線が平行かどうかを検出することができる。たとえば、平行曲げ線の検出は、曲げ線方向を定めるベクトルの外積をとることによって決められる。もしベクトルの外積がゼロ(または近似的にゼロ)であれば、曲げ線は平行であると決定される。もしベクトルの外積がゼロでなければ(または近似的にゼロでない)、二つの面の曲げ線は平行でない。
【0108】
二つの面が共通の面をもち、曲げ線方向が同じで曲げ線は平行ではないことが決まった後、面の間のコーナーの関係(たとえば接触か開放か)を決めるために、曲げモデルデータが解析される。二つの面のコーナー関係は、曲げモデルデータから、面の曲げ線が共通の頂点をもつかどうかを検出することによって決められる。曲げ線が共通の頂点をもっていれば、二つの面は同じ曲げ線方向の接触コーナー関係(表1のTouchCnr特徴)をもつ。曲げ線は共通の頂点をもっているが、二つの面の曲げ線方向が異なることが決まれば、二つの面は逆方向の接触コーナー関係(たとえば表1のtouchCnr特徴)をもつと決められる。
【0109】
二つの面が共通の頂点をもっていない場合でも、頂点間の距離が予め定められた範囲内であれば、二つの面は接触コーナー関係をもつと決定できる。しばしば部品の隣接する面の間に、たとえばパンチ工具を通すためのすき間として最小限のスペースが設けられることがある。このスペースは、通常フランジの高さのところでの工具の幅で決められる。例をあげれば、二つの面の曲げ線の頂点間の距離が0-5mm以内であれば、接触コーナー特徴の存在が決定できる。もし二つの面のコーナー間のスペースが、事前に定められた範囲より大きければ、開放コーナー特徴の存在が決定できる(たとえば表1のOpenCnrまたはopenCnr特徴)。
【0110】
上記のプロセスは部品の面のあらゆる組み合わせについて、各面のコーナー特徴を決めるために実施することができる。部品の面や曲げ線に関連する他の特徴も、同じように部品幾何学と形態データの解析によって行うことができる。ステップS.102における特徴抽出操作を実行するための典型的なコードを付録Aに示す。このコードはC++プログラム言語で書かれており、表1に記してあるような特徴を抽出検出するための色々なプロセスを含む。付録Aのコードには、使用されている論理やアルゴリズムの解析を容易にするためのコメントがついている。またこのコード例では、色々な特徴の理解を助けるために、表1と同じ特徴の用語が使われている。
【0111】
部品の色々な特徴が検出されると、部品の基本的な形態は修正され、抽出された特徴が含められる。特徴ベース形態を提供することは有用かもしれないが、このような形態をお互いに比較することは容易でない。その代わりに、本応用の発明者達は行列の形で提供された特徴抽出情報を比較する方が、より有効で容易であることを発見した。従って、本発明の一つの特徴として、特徴抽出操作の際に、検出された特徴にもとづいた特徴ベース部品行列(図9(c)と9(d)に示す代表的な行列のような)が作成される。作成された部品の特徴ベース行列は、他の所定の、格納された行列と比較することによって、どのような基本的な形や特徴が部品に含まれているかを決定する。
【0112】
特徴ベース行列は、部品の色々な特徴を検出し、抽出した後に、部品毎に作成され、格納される。図9(c)と9(d)に示すように、行列は対称的な2次元行列で部品の面の数に等しい次数をもつ。行列は部品のすべての検出された特徴情報を含み、各面の間の色々な特徴が行列の各場所に提供されている。特徴ベース行列は、一時的にサーバーまたはステーションモジュールの記憶装置に格納し、類似部品探索を実行するときにのみ使用し、所定の行列と比較することができる。あるいは、特徴ベース部品行列を永久的に他の仕事情報とともにデータベース30に格納し、工場内のどの場所でもアクセスできるようにすることができる。
【0113】
図6に戻ると、特徴抽出操作を行った後、引き出した特徴抽出データ行列を、特徴形態ライブラリに備えられている所定の特徴抽出データ行列と比較することができる。特徴形態ライブラリは、別のデータフアイルとして、データベース30のようなデータベース、またはサーバー・モジュールかステーション・モジュールに格納しておくことができる。特徴ライブラリは、基本的または基礎的な部品の形状(たとえば4折り曲げ箱、橋梁等)に対応するまたは定義する特徴抽出データを含む所定の行列よりなる。各所定特徴ベース行列は、特徴ベース部品行列とともに、ASCIIまたはテキストフアイルとして格納できる。ステップS.104のおける比較は、ステップS.106に図示されているように、薄板金属部品に存在する基本的または基礎的な形状/特徴を決めるために行われる。格納されたルックアップテーブルを、どの基礎的な形状が各所定特徴行列に対応するかを示すためにを備えておくことができる。一致するものが見いだされると、ステップS.106でどの基礎的形状が存在するかを決めるために、ルックアップテーブルがアクセスされる。事前定義ライブラリに存在する一致する行列は、特徴ベース部品行列と同じ次数であるか(この場合は部品はただ一つの基礎的形状を含み、精確に対応することが決定される)、または部品行列のサブ行列かもしれない(この場合は部品は一つ以上の基礎的形状を含むかもしれない)。
【0114】
特徴ベース部品行列を事前定義ライブラリにある行列と比較するために再帰プログラミング技法を利用することができる。含まれている情報を比較するとき、行列の指標を入れ替えることによって、データ割り当ての使用が避けられ、必要なプロセス時間が短縮される。再帰プログラミング技法と指標の入れ替えはまた、異なる次数と異なる基底面をもつ行列の比較を容易にする。
【0115】
本発明の見地に沿って、ステップS.104で実施される比較操作は、一連の比較よりなり、最初により複雑な形状(たとえば多数の曲げ、またはタブのような複雑な成形を含む形状)に関する行列の比較から開始し、より複雑でない形状(たとえば、より少ない曲げ、またはより複雑でない曲げ、より少ない数の面をもつ形状)へと進む。この一連の比較は部品に、所定数の基本的形状が見いだされるまで行われる。たとえば、比較操作はある特定の部品の三つの最も複雑な特徴または形状を抽出するために行うことができる。さらに、この操作を最初に、薄板金属部品によく、または度々みられる形状に関する行列のグループに対する一連の比較から始め、次により一般的でない形状に進むこともできる。部品を事前定義ライブラリと比較するために、色々な方法を有用な結果をうるために行うことができる。
【0116】
たとえば、一連の比較操作を先ず、多数の直角曲げを持つ長方形や正方形形状や直角曲げをもつ単純な部品のような、直角曲げをもつ基本形状を含む行列の直角グループに適用することができる。この行列のグループは、グループの中の、より複雑な行列(たとえば、タブをもつ四つ折り曲げ箱に対応する行列)からグループの中のより単純な行列(たとえば、単純ハット部品に関する行列)へと進める一連の比較にもとづいて探索することができる。それから一連の比較を多角形部品グループの行列に、さらに特別特徴グループの行列へ適用することができる。多角形部品グループは五つ以上の側面と、少なくとも90度以上の曲げを一つもつ部品を定める行列を含みうる。特別特徴グループの行列は、Z―曲げまたは縁取り曲げのような、特別な特徴または成形をもつ部品に関係する事前定義ライブラリ内の行列を含みうる。ここでもまた、部品の特徴ベース行列と各グループの所定行列との間の一連の比較は、複雑性の度合いの減少に従って行われる。この後に、部品の一つの面に二つまたは二つ以上の特徴をもつ多重特徴グループのような、所定行列の他のグループを比較することができる。
【0117】
複雑性の度合いに従って部品を事前定義ライブラリの行列と比較し、実現と使用頻度にもとづく行列のグループの一連の比較をすることによって、部品に存在する基本的な形状の決定するためのライブラリとのより効果的で有効な比較ができる。さらに、検出特徴の重複が防がれ、より複雑な形状のみが識別される。
【0118】
ステップS,108では、部品にある基本的な特徴または形状間の関係を決めるために特徴関係操作を行う。特徴または形状間の関係は距離によって定められる。二つの形状間の距離は、各々形状の基底面(基本面)の間の曲げ線または面の数にもとづいて決められる。あるいは、特徴間の関係は、部品及び、各特徴の基底面の相対位置と間隔を幾何学的に解析することにより、特徴間の物理的な距離または実際の寸法によって定めることができる。
【0119】
例示のため、ステップS.106で決定した部品の三つの最も複雑な特徴または形状は、図10(a)に示す4折り曲げ箱と、ブリッジと、もう一つの4折り曲げ箱とであるとしよう。このような部品については、特徴関係操作を、たとえば各基本的特徴の基底表面または面の間の曲げ線の数を決めるために行うことができる。図10(b)で示すように、第一の4折り曲げ箱の基底(1)とブリッジの基底(2)の間の特徴関係は、二つの曲げ線の間隔である。さらに、第一の4折り曲げ箱の基底(1)と第二の4折り曲げ箱の基底(3)の間の関係は、四つの曲げ線の間隔であり、ブリッジの基底(2)と第二の4折り曲げ箱の基底(3)の間の関係は、二つの曲げ線の間隔である。
【0120】
いろいろなプロセスによって、部品の基本形状の基底面間の曲げ線の数を決めることができる。たとえば、特徴ベース部品行列と所定形状行列を利用して、ステップS.108で特徴関係を決めることができる。最初に、部品行列にある各基本形状に対応する基底面を捜し出す。これは所定形状行列の基底面を、部品行列の面指標と相関することによって行うことができる。前に論じたように、比較操作で切り離した所定形状行列は、部品行列のサブ行列かもしれない。部品行列で各基本形状に対応する基底面を捜し出すには、部品行列内の形状行列の位置と行列の指標の間の相関を解析する。各基本形状の基底面は、予め定められており形状行列の第1列に位置しているので、部品行列内の対応する位置と基底面を捜しだすことができる。
【0121】
特徴ベース部品行列内の各基本形状の基底面を決定した後、特徴関係を決めるために、各形状の基底面間の距離を解析する。この解析は、如何なる二つの基底面間の距離をも同定する探索プロセスを含んでいる。部品行列内の特徴と曲げ線情報を見ることによって、どの二つの基底面間の曲げ線の数でも決定できる。二つの面の間に一つ以上の経路が可能な場合には、最小距離を用いてステップS.108において特徴関係を定義することができる。
【0122】
特徴関係操作を終えた後の論理の流れはステップS.110に続く。図7に示すように、ステップS.110では、データベースの類似部品探索に用いる探索キーを決めるために、データベース探索キーの同定が行われる。探索キーは、部品に同定された特徴や特徴関係の幾通りもの組み合わせを含みうる。さらに、探索キーをアセンブルするのに、どのような基準の階層も用いることができる。限定されない例として、下記の基準に従って探索キーを作成することができる:(i)部品に同定された一番目と二番目に複雑な特徴または形状;(ii)最も複雑な二つの特徴間の距離または特徴関係;(iii)部品に同定された三番目に複雑な特徴または形状;及び(iv)部品に同定された一番目に複雑な特徴と三番目に複雑な特徴間の特徴関係または距離、及び二番目に複雑な特徴と三番目に複雑な特徴間の距離または特徴関係。図10(c)に図10(a)の例にもとづいて開発された探索キーを示す。
【0123】
データベースの探索を容易にするために、探索キーは、形状ライブラリで定義された色々な基本形状に割り当てられた所定コードをもつ整数の列で表すことができる。たとえば、4折り曲げ箱に整数コード“16”が割り当てられ、ブリッジに整数コード“32”が割り当てられたとしよう。この場合、図10(c)の例の探索キーは、整数列“16,16,4,32,2,2”で表され、このなかで“4”と“2”は基本形状または特徴間の色々な距離を表す。しかしながら、探索キーの表示は、整数列に限定されるものではなく、どのような組み合わせの整数及び/または文字列を探索キーの表示に用いることができる。
【0124】
各部品の探索キーは、仕事情報とともに(別のフアイルまたは同じフアイルに)、データべース、たとえばデータベース30、に格納できる。特徴抽出データの代表的な探索キーは、手動で入力するか、上記のように自動的に作成できる。特徴ベース部品行列のような付加的特徴抽出データは、探索キーを用いて格納できる。探索キーが別のフアイルに格納してあるときには、各探索キーのセットと関連する部品情報を捜し出すための参照用テーブルを用意できる。あるいは、探索キーは部品情報を同定する(たとえば部品または参照番号によって)データフイールドとともに格納しておくことができる。
【0125】
ステップS.112では、同定された探索キーにもとづくデータベースの協調探索が行われる。協調探索は、協調データベース探索技法を用いる探索である。協調探索技法は、同一の探索キーをもつ部品ばかりでなく、類似の探索キーを持つ部品を捜し出す。これによってデータベースにある、類似および同一部品を同定することができる。特定の部品についての探索を行うと、その部品のものと同定された探索キーを、データベースにある他の探索キーデータと比較することができる。ステップS.112で行われる協調探索は、探索キーの順序を緩めるか修正することによって、データベースにある項目で、探索キーによって同定された特定の部品と正確に一致するか又は最も類似している項目を同定するように構成される。色々なプロセスと方法を、協調探索において探索キーを適合させるのに用いることができる。
たとえば、最初にデータベースの探索を、探索する部品のものと同定されたものと正確に一致する探索キーの順序をもつ部品を同定するために行うとする。これは同定された探索キーをデータベースに格納されている探索キーと比較することによって行われる。同じ探索キーをもつ部品(もしあれば)を同定した後、引き続き他の類似部品を捜しだすために、異なる修正された探索キー順序に基づくデータベースの探索を行うことができる。最初探索キーにある、あまり重要または敏感でない項目または基準(特徴関係または距離のような)は、より重要または敏感な探索項目(部品にある基本的な特徴または形状のような)を修正する前に修正し、探索することができる。さらに、これらの各項目は、項目の重要度に従って修正し、部品にある一番目と二番目に複雑な特徴または形状に関連する項目に、より高い重みまたは重要度を当てることができる。たとえば、ひき続き最初に行う探索は、三番目に複雑な特徴と一番目、二番目に複雑な特徴間の定義された距離を修正した後に行うことができる。この距離は、所定曲げ線数(たとえば1-3)だけ変更し又は現在の距離に基づいた距離の所定範囲を定義することによって修正できる。しかる後、一番目と二番目に複雑な特徴または形状間の距離を変更して、データベース探索用の修正された探索キーの組をもう一つ備えることができる。部品の特徴関係または距離の探索キーを修正した後、同定された形状を、協調探索における付加的な修正探索キーを導くために変えることができる。たとえば、三番目に複雑な特徴または形状に関する探索キー項目を、現在扱っているものの特徴または形状によって、関連するがより複雑でない形状に変えることができる(たとえばタブのある4折り曲げ箱を単純な4折り曲げ箱に)。さらに、一番目と二番目に複雑な特徴の探索キーを同じように変えることによって、さらに協調探索のための修正探索キーを加えることができる。
【0126】
探索キーに関係する距離と特徴/形状の、協調探索中の修正は、いろいろな方法と技法によって実行できる。上記のように、どのくらい距離を変えるかは、距離の現在値に依存する。距離の大きさ(たとえば4曲げ線)を、探索を拡張し、より協調的にするために距離の範囲(たとえば3-5)で修正することができる。特徴または形状についても、類似部品を同定するために探索キーを修正できる。特徴または形状は、特徴タイプの階層構造を通して修正できる。たとえば、現在扱っている特徴タイプ(たとえば4折り曲げ箱)を、関連し同じ特徴タイプに属するより複雑でない特徴タイプ(たとえば3折り曲げ箱)に修正することができる。特徴/形状を修正するに用いる階層構造は、複数の異なる技法、たとえば型抽象化階層(TAH)に基づいて事前に定義でき作成できる。TAHとTAH世代に関する詳しい情報は、たとえばチューら、ウエスリー、W(CHUWesley W.)による"型抽象化階層による協調的問い合わせ応答"(Cooperative Query Answering via Type Abstraction Hierarchy)CSD-900032,1990年10月、カリフォニア大学ロスアンジェレス(University of California,LosAngeles,October 1990)および1995年、コンピュータ科学哲学博士の博士論文、クオーロン・チアング“協調的問い合わせ応答のための型抽象化階層の自動生成”(CHIANG,Kuorong,Automatic Generation of Type Abstraction Hierarchies for Cooperative Query Answering )にあり、そこに開示されている情報すべてを参照することによってここに取り入れられている。
【0127】
協調探索の間に、他のプロセスやステップを実施するこができる。たとえば、部品の特徴に関連していると同定された探索キーに基づいたデータベースの探索に加えて、部品の製造情報に関連した探索基準に基づいて探索することもできる。たとえば、付加的な探索キーを利用して、一例として各部品に必要な機械構成を比較することができる。機械構成情報は機械のタイプまたは部品を製作するために必要な機械類、部品を製作するために用いる工具類や工具構成および/または機械類のバックゲージング設定を含む。付加的探索キーは、機械構成情報および/または他の製造情報に基づいて開発することができ、本発明の協調探索をする際に、同定された探索キーとともに用いることができる。その結果、製作される部品と同一または類似な部品は、部品の設計と製造特徴両方に基づいて同定することができる。
【0128】
最も類似した部品を選ぶために、選択部品探索をステップS.114で実行し、協調探索の結果のより詳しい比較と、探索された部品と同じまたは最も類似している部品を所定数だけ選ぶ。選択部品探索は、協調探索で同定された各部品に対する付加的な情報や特性の解析を伴いうる。これは部品の寸法や部品にある孔や開口の形のような、捜し出された部品の色々な特徴の解析を含む。さらに各部品に要する機械構成のような、捜し出された各部品の製造情報の比較も含みうる。上記のように、機械構成情報は、部品の製作に要する機械の種類または機械類、部品の製作に用いる工具や工具構成、及び/または機械類のバックゲージング設定を含む。選択部品探索を行うために、各部品の曲げモデルや他の仕事情報が、協調探索で同定された探索キーに基づいてデータベースからアクセスされる。上記のように、各探索キーの組に対応する仕事参照番号またはコードを提供するために、ルックアップ表や付加的データフイルドを設けることができる。データベースから部品情報を検索した後、各部品の付加的情報(たとえば部品寸法、材料のタイプ、特別な成形、部品の孔または開口等)を、どの部品が探索された部品に最も類似しているかを決めるために解析できる。このプロセスはオプションで、データベースの部品で、当該部品に最も類似の部品を選び集約する付加的な選択プロセスの役割を果たす。この部品の付加的情報または特性を解析し、照合することによって、選択部品探索を、所定の数または組の最類似部品を同定または選択するために行うことができる。たとえば、選択部品探索で、照合探索キーの数と付加的部品特性の照合に基づいて、五つの最類似部品を同定できる。選択部品探索で選択される部品の数は五つに限らず、工場の必要性とデータベースに実際に格納されている部品の数に基づいて選ぶことができる。この数は、より有効で役立つ探索結果をうるために選択的に修正でき、またユーザーに探索の組を変えるために、この数を修正する機会を与えることもできる。
【0129】
選択部品探索を行った後、ステップS.116で部品をランク付けする(特徴の類似性や突き合わせ探索キーの数に従って)ために、類似性指標を計算することができる。類似性指標はステップS.116で計算され、サーバーまたはステーションモジュールの出力として提供され、これによってユーザーはどの仕事フアイルをデータベースから検索し、画面に映し出すかを選択できる。類似性指標によって、選択された部品と探索部品の特徴の類似性の程度に基づいて、選択部品のランク付け(たとえば各部品の仕事または参照番号を付してランク1から5)ができる。このためには各部品の特徴ベース行列を探索部品のものと比較する。特徴ベース行列の比較は、選択部品と探索部品の間の類似性をよりよく示す。前のべたように、特徴ベース部品行列は各部品の探索キーとともに格納できる。しかしながら、各以前の仕事の特徴ベース部品行列を探索キーとともに永久格納することは、不必要に大きな記憶スペースを占有する(特にデータベースに多数の部品が格納されている場合)。従って各部品の探索キー・データのみを格納し、類似部品探索を行うときに自動的に各選択部品の特徴ベース行列を生成することしかできない。 従って、選択部品の曲げモデルと他の仕事情報を検索した後、前にステップS.102についてのべたように、特徴ベース行列は本発明の特徴ベース抽出操作を通じて作成する。そのあとで、類似部品探索時に一時的に格納した探索部品の特徴ベース行列を、作成した選択部品の特徴ベース行列の各々と比較できる。色々な方法とプロセスを、部品の特徴ベース行列の比較と部品間の類似性の決定に利用できる。たとえば、各選択部品の特徴ベース行列について、行列内の場所を探索部品のものと比較できる。行列内の各場所は、再帰的プログラム技法に基づいて比較できる。行列内の情報は、各行列内の対応する基底面の場所を決め、行列の指標を交換することによって比較できる。選択部品は探索部品の副特徴に対応するか又はその形状をもつこともあり、又行列の指標が同一でないか、または同じ番号付けがされていないこともあるので、含まれている情報を比較するときに、部品行列内で比較できる面を捜しだして指標を振り替えなければならない。さらに探索部品の中に一つ以上の副特徴が存在する場合、行列内の情報を比較するとき、同じ次数の行列を提供するために、一つまたは一つ以上の擬似面(行列の行と列で情報が無いか空白のもの)を導入しなければならないことがある。
【0130】
行列の情報を比較するときに、各選択部品と探索部品の類似性の程度を決めるために、複数の異なる順序づけ方式を用いることができる。たとえば、所定ペナルティレベルまたは量を、行列内の整合しない各位置に割り当てるペナルティベース順序づけ方式を用いることができる。行列内のすべての情報を比較した後、各選択部品の総ペナルティレベルを用いて類似性の程度を決めることができる。最も低いペナルティレベルをもつ選択部品が、探索部品に最も類似した部品と決定される。他の選択部品も、各部品に付せられた総ペナルティレベルに基づいて順序づけできる(たとえばペナルティレベルが低いほど類似指標が高い)。
【0131】
本発明のさらなる見地に沿って、各非整合位置のペナルティレベルは、その位置にある情報のタイプに基づいて割り当てることができる。ペナルティレベルは整数量で非整合情報の重大性または重要性に応じて変えることができる。たとえば、異なる、関係のない特徴グループ(たとえば平行曲げ特徴対直列曲げ特徴)に関する非整合位置に対しては、高いペナルティレベルまたは量を割り当てることができる。これと対照的なのは、異なるが類似の特徴グループ(たとえば同じ曲げ線方向をもつ接触コーナー特徴対逆の曲げ線方向をもつ接触コーナー特徴)である。ペナルティレベルまたは量は、非整合位置に存在する情報のタイプと相違のタイプに従って事前に定義、類別される。
【0132】
ステップS.116における類似性指標操作の典型的なコードは付録Bに示されている。このコードはC++言語で書かれており、上に記述した行列の比較と非整合位置に対するペナルティレベルの割り当てに関する色々なプロセスと操作を含んでいる。上に付記したように、比較された各選択部品の結果としてえられた総ペナルティレベルは、類似性指標を導き、表示するのに用いることができる。付録Bにあるコード・リステイングには、記されている典型プログラム・コードの理解を助けるためのコメントも含まれている。
【0133】
次に図11−25を参照しながら、曲げモデルの開発と、色々な2-D、3-D図面に基づいた部品の2-D、3-Dモデルの開発を、本発明の見地に沿ってより詳しく記述する。前に論じたように、各薄板金属部品に関する曲げモデルデータは、部品の2-D、3-D表現両方に関連するデータを含んでいる。顧客の注文に基づいて提供または作成された原図のタイプに基づいて、色々な折りたたみと展開アルゴリズムや他のプロセスを2-D及び3-Dモデルの開発に利用できる。特に図11-18は、部品の元の2-D一方向図面(2次元単一図面)に基づいて、3-Dモデルを作成するに利用できる折りたたみアルゴリズムの論理の流れの例を示す。図19は、3-D原図(厚さぬき)に基づいて2-Dモデルを作成するのに用いられる展開アルゴリズムや他のプロセスの基本的な論理の流れの例を示す。最後に図20-24と図25は、2-D三方向図面(2次元三面図)と厚さありの3-D図面から、厚さぬきの3-Dモデルを作成するのに実施できる色々なプロセスや操作の論理の流れの例を示す。これらのプロセスや操作でえられた3-Dモデル(厚さぬき)は、文中に明示されているように、展開アルゴリズムまたはプロセスに基づいて2-Dモデルを作成するのに利用できる。
【0134】
図11は2-D一方向図面から折りたたみアルゴリズムを用いて3-Dモデルを作成するプロセスと操作の論理の流れを示す。図11の流れ図で行われる機能や操作は、たとえばサーバー・モジュール32にあるソフトウエアまたはプログラム論理によって実施できる。ステップS.120では、顧客の仕様に基づいて提供された、あるいは新たに作成された2-D一方向平面図が、サーバーモジュール32に入力または取り入れられる。2-D平面図はCADソフトウエアを用いて作成し、サーバー・モジュール32に入力するか、ベルムまたはキャドキーのような、適当なCADまたはCAD/CAMシステムとインターフエイスすることによってサーバー・モジュールに取り入れることができる。2-D図面は、たとえばDXFまたはIGESフアイルとして格納され、曲げられる打ち抜き及び/または切断材料を図示することができる。2-D図面はまた、薄板金属部品の表面や面の曲げ線の位置や、孔または開口を示すことができる。2-D図面を後で処理するための準備として、ステップS.124における次の面検出プロセスとステップS.126における曲げ線検出作業を行う前に、ステップS.122でサーバー・モジュール32によって自動クリーニングやクリーンアップ機能を実施することもできる。
【0135】
本発明の自動トリミングとクリーンアップ機能は、2-D平面図を、処理に対して準備するために備えられている。2-D平面図は、薄板金属部品の展開状態の2-D表示で、部品の幾何学を構成し表現する線及び曲線の如き部品要素(エンティティ)を含むとともに、部品に存在する開口または孔の位置を示す。通常このような2-D平面図の構成要素(エンティティ)は、CADまたはCAD/CAMシステムを使用して入力し、作成する。しかし、2-D平面図を作成するとき、このような要素はしばしば誤って連結または重ね合わされ、一つの要素が一つ以上の面の境界を示すのに用いられることがある。さらに、部品の境界を決めている外側線が、境界の隣接するコーナーで分断されていて、部品と各面の外側の寸法の検出を難しくしている。さらに、2-D平面図は、寸法情報やテキストのような本質的でない情報を含みうる。このような異常は、元の2-D図面を正確に解析し、部品の面や曲げ線を均一に検出するのを難しくする。本発明の自動トリミングとクリーンアップ操作を備えることによって、各面は連結された要素の一義的なセット(セット)で表現できる。その結果、2-D平面図は、引き続き行われる処理と最終的に行われる3-Dモデル表現作成のための折りたたみのために、より簡単かつ効率よく解析できる。
【0136】
図12に示すように、元の2-D図面では面間のトリミングがされておらず、図中の一つの線要素が一つ以上の面の外側境界または複数の境界を定めていることがある。上記で論じたように、このような配置は各々の面の検出を困難にする。本発明の自動トリミング機能は、連結性情報を決定し、上記のような要素を交点で断ち切るために、各部品要素(線、弧や曲げ線のような)の終点と交点を解析するのに備えられている。このようなトリミング機能は、断ち切られた各要素の終点を決められた交点に設定する機能ももつ。たとえば、図12に図示されている交点をトリミングすることによって、各々が交点に終点を共有する三つの要素(二つの線と一つの曲げ線)がえられる。このようなトリミング機能を備えることによって、要素解析と連結に基づいて部品の面をより容易に検出することができる。実施できる面検出操作のさらに詳しい記述は、下記に図15(a)-16(c)を参照しながら提供される。
【0137】
色々なプロセスや操作を用いて2-D図面の要素の交点を検出することができる。このようなプロセスは、2-D図面のフアイルのデータのフオーマットと配列に基づいて作成できる。通例2-D平面図は幾何学データ(色々な部品要素を定義する)と非幾何学データ(たとえばテキスト等)を含む。幾何学データは、データの各行またはシーケンスにあるキーワードによって非幾何学データと区別できる。このようなキーワードは2-D図面のデータ書式に従って設定される。2-D、3-D図面によく用いられる書式としてDXFとTGES書式がある。各要素の幾何学データを解析することによって要素の終点や交点が検出でき、適当であればトリミングができる。
【0138】
上記で論じたように、線、曲げ線や他の要素は終点及び/またはベクトルで定義できる。たとえば2-D平面図では、各2-D線は2-D終点の組(たとえばX1,Y1とX2,Y2)で特定することができ、曲げ線は曲げ線の2-D空間位置とともに方向を示すベクトルで表すことができる。さらに2-D弧は2-D空間データ(たとえば中心X、中心Y、半径、開始角度、終了角度)で特定することができる。幾何学データはまた、色々なタイプの線要素(たとえば弧、実線、破線、鎖線等)を区別する属性をもつ。通常弧要素は薄板金属部品の孔や開口を、実線は部品の境界や形状を示すのに用いられる。曲げ線は普通破線で示され、部品の中心線は鎖線で示される。
【0139】
元の2-D図面の幾何学データを解析し、各要素の交点を決めることができる。データ割り当てやデータ反復のような、色々なデータ解析手法を2-D図面の各要素の幾何学データの解析に用いることができる。各要素の終点及び/または他の2-D空間データに基づいて、線や他の要素が交差するかどうかを決める簡単な幾何学解析をすることができる。二つの要素が交差することが決まれば、各要素を決定された交点で断ち切り、残った要素の終点には交点で定められた共有点を割り当てることができる。
【0140】
トリミングの方法は、交差することが検出された要素のタイプに基づいて行われる。たとえば二つの実線が交差することが検出されると、図13(a)に示すように、各線要素を断ち切ることによって、定められた交点で接する四つの線要素がえられる。また線要素と弧要素が、図13(b)に示すように交差することが決まると、各要素を断ち切ることによって共通の終点をもつ二つの線要素と二つの弧要素をうることができる。しかしながら、要素の交差が検出されても、トリミングを必要としないこともある。たとえば、如何なる要素でも中心線(たとえば鎖線要素)と交差することが決定した場合、どの部品の中心線も部品の面または曲げ線を定めたり区別したりすることはないので、トリミングの必要はない。また、連結しない要素でも、開いている交点または面積が、所定の許容度内であれば切断できる。たとえば、潜在的に交差する線の終点が、実際に他の要素と交差するときの交点と、事前に定義した許容度または距離ε(たとえば0.0-0.01mmまたは0.0-0.001インチ)以内であれば、要素は投影された点で連結交差しているものと扱ってよい;そしてたとえば図13(c)に示すように、要素を断ち切ることができる。
【0141】
自動トリミングをした後、えられたデータを、非連結要素を検出し修正するためにクリーンアップ機能で処理することができる。しかしながら、本発明はこのような処理のみに限られていない;処理時間を短縮するためにクリーンアップ機能を、各要素が解析されている間に、自動トリミング機能と同時に行うことができる。クリーンアップの間に、2-D図面の幾何学データが、隣接する要素間の開いた交点または領域を検出するために解析される。自動トリミング機能と同様に、要素間の開いた交点の領域を検出するために、各要素の終点や他の2-D空間データも解析できる。このようなデータに簡単な幾何学的解析を加えることによって、要素の終点が互いに事前に定義した許容度または距離(0.0-0.01mmまたは0.0-0.001インチ)内にあるかどうかが決定できる。要素の終点がこのような開いた交点をもつことが決定されると、要素を連結し、図14に示すように共通の終点を割り当てることができる。
【0142】
ここでもまた、クリーンアップ機能をどのように行うかは、開いた交点をもつことが検出された要素のタイプによる。二つの実線が開いた交点をもつことが検出された場合、各終点に共通の終点を割り当てることができる(たとえば図14を見よ)。しかしある要素が部品の中心線(たとえば鎖線要素)と開いた交点をもつことが決まったときには、要素を連結したり共通の終点を割り当るべきでは無く、中心線は無視しなければならない。またクリーンアップ機能は、2-D図面から非幾何学データ(テキスト等)を消去するための付加的なプロセスまたは操作を含みうる。前述べたように、非幾何学データは、2-D図面データとともに用意されているキーワードに基づいて幾何学データと区別できる。クリーンアップ機能にはまた、後で本発明の2-Dクリーンアップ機能を参照しながらより詳しく説明するような、他のクリーンアップ機能を組み込むことができる(たとえば図21-23(b)を見よ)。
【0143】
ステップS.122で自動トリミングとクリーンアップ機能を行った後、ステップS.124で処理された2-D図面について面検出の手続きを行うことができる。本発明の見地に沿って、面検出手順は要素(線や弧)とループ解析に基づいた部品の面の検出と定義付けを含む。図15(a)-16(d)に面検出手続きで行われる色々なプロセスと操作の例を示す。ループ検出技法を本発明で部品の面を検出し、決定するのに用いることができる。面検出手続きは、たとえばサーバー・モジュール32にあるソフトウエアまたはプログラムされた論理によって実施できる。
【0144】
本発明の見地に沿って、部品の外側境界のループ検出解析に引き続く、部品の最小または内側ループの解析を用いて、面の各々を検出できる。薄板金属部品のユニークな幾何学のため、面と部品にある開口は、相対的極大(たとえば外側)と極小(たとえば内側)ループの順序の解析によって検出することができる。下記に論じるように、ループ解析は部品の線と弧要素の連結性にもとづいて行うことができる。ループ解析を部品の外側から部品の中心に向かって行うことにより、部品の開口や面を、循環順序(たとえば面材料、開口、面材料、開口等)に従って定義されたループ間の境界に基づいて検出することができる。
【0145】
図15(a)に示すような、図示の各面の各種の線要素を含む2-D平面図が提供されたとしよう。上記のように、ループと要素解析は部品の外側から始めるように行う。部品の外側境界にあるどの要素を初期参照点にとってもよい。限定されない例として、図15(b)に示すように、最も左側の線要素を検出し、初期参照点に用いる。最も左側の線要素は、2-D図面にある各要素の幾何学データを比較し、どの要素が最も小さいX座標の値をもつかを決めることによって検出できる。最も左側の線要素を検出した後、点P1から部品の外観が導かれ、図15(c)に示すように部品の外側境界を検出される。点P1を決めるには、最も左側の線要素のいずれの終点を用いてもよい。図15(c)に示す実施例では、上側の終点(つまり最も大きなY座標の値をもつ終点)が点P1に用いられている。
【0146】
部品の外観、またはまわりのループを導くのには、通常のループ解析技法を使うことができる。たとえば、リード線ベクトルを、部品の外観を追ってゆくに従って、始点P1と連結している要素の終点から投影してゆくことができる。一つ一つの要素が検出され、通過される毎に、要素が選ばれたことを示すフラグを設定することができる(たとえば記憶内のフラグは、一度選ばれたことを示すために1に設定する)。ループの経路は始点P1からどちらの方向にも始められる。たとえば、リード線ベクトルを点P1から反時計方向(たとえばリード線ベクトルをY座標方向に投影する)に投影することができる。ループはループ経路が始点(つまり点P1)に戻ったところで完結する。
【0147】
上記のように、始点P1からリード線ベクトルを反時計方向に投影できる(たとえば最初のリード線ベクトルをY座標方向から始めることによって)。引き続きループの経路にある最初の要素を検出するために、各未検出要素が点P1のまわりにリード線ベクトルとなす角度を座標枠に基づいて測定し、解析してリード線ベクトルと最も小さい角度をもつ要素を選ぶ。外側ループでは、 各角度は要素線がリード線ベクトルとなす外側角度を測る。点P1の回りの要素は、どの要素が点P1と終点を共有するかによって決められる。各要素の未選択状況は、各要素に付したフラグを解析することによって決定できる。図15(c)に示すように、図示の2-D図面例では二つの要素線(X座標方向のものとY座標方向のもの)がP1のまわりにある。これらの要素の解析では、Y座標方向の線要素が、リード線ベクトルとなす角度(0度)が他の線要素がなす角度(270度)より小さいので選ばれる。
【0148】
続いてループ解析は選択された他の線要素の終点に進み、選択されたことを示すためにフラグが設定される。その終点で、別のリード線ベクトルが投影され、その点のまわりの非選択要素を比較することによって、どの要素がリード線ベクトルと最小の角度をもつかを決める。ここでもまた、角度はリード線の外側から測り、座標フレームを用いて角度の大きさを決める。弧要素に出会った場合は、リード線ベクトルの外側から弧の接線までの角度を測らなければならない。また、次の終点にある要素が一つのみであれば(部品のコーナー位置のように)、比較の必要はなく、単にその要素を選択してループに含めればよい。
【0149】
部品の外観に沿ってループ経路が進むにつれ、選択された各要素は、ループ内の要素の連結性を示すためにリンクされたリストに含めることができる。経路が始点P1に戻るとサイクルは完了し、外観と、部品の外側境界を示す要素または線のリンクされたリストに基づいてループを(L4)と定義できる。ループL4内の各線または要素は、各終点で連結できる。ループL4の方向を、外側ループであることを示すために、図15(d)に示すように、反対方向(つまり時計方向)に変えることができ。ループの方向は、ループL4で線がリンクされる順序に基づいて定義することができる;従って方向を、リンクされたリストの順序を逆にすることによって変えることができる。
【0150】
外側ループの完了後、外側ループ解析に用いたのと類似のプロセスで部品の内側ループの解析を行うことができる。ただ内側ループの解析では、各非選択要素は各要素がリード線ベクトルの内側となす角度に基づいて比較される。さらに、内側ループ解析では、ある点のまわりの両方の要素がすでに選択されていると示された場合(たとえば面を境する二つの外側線要素を比較するとき)でも、二つの要素が既に二度選択(2のフラッグ設定)されてない限り、二つの要素を比較することができる。少なくとも一度選択された要素(たとえば外側要素)と選択されていない要素の場合は比較は行わず、非選択要素をループの一部分として選択する。図16(a)-16(c)に、図15(a)に示す部品の面を検出し、規定するのに行うことができる内側ループが例示してある。
【0151】
内側ループ解析は、どの外側要素の終点からでも、あるいは選択されていない要素を検出することによって開始することができる。たとえば点P1を、内側ループ解析の始点に選び、リード線ベクトルを投影するのに用いることができる;あるいは外側ループ解析の際に選ばなかった内側の線要素の一つも解析の始点に用いることができる。外側ループ解析と同じように、リード線ベクトルを反時計方向(たとえば一番目のリード線ベクトルをY座標方向から始める)に延ばしてゆくことができる。次いで点P1のまわりの各要素を比較し、どの要素がリード線ベクトルと最小の角度をもつかを決める。リード線ベクトルとなす角度を決めるのに、座標枠を用いることができる。前記のように、内側ループ解析に際には、要素の比較は各要素がリード線ベクトルの外側でなく、内側となす角度をもとに行う。最初の要素が選ばれ、ループのリンクされたリストに含めたら、そのフラグを1だけ増分し、つぎのリード線ベクトルを投影することによって解析を進めることができる。このプロセスはループが最初の始点に戻るまで続けられ、そこで第一の内側ループが、対応する要素のリンクされたリストによって定義(たとえばL1)される。
【0152】
さらに部品の内部に進んで、同じように内側ループ解析を行うことができる。次の始点は、どの要素が一度しか選ばれていないかを決めることによって選ぶことができる。二度選ばれたフラグをもつ要素は、その要素がすでに外側ループ(たとえばL4)と少なくとも内側ループの一つ(たとえばL1)で選ばれた外側要素であることを示す。ここでもまた、各要素が選ばれるたびに、それが内側ループのリンク・リストに含まれたことを示すために、フラグを1だけ増分する。
【0153】
すべての内側ループが定められた後(たとえば図16(c)の例ですべての要素が二度選ばれた後)、えられたループを用いてループツリー(ループ木)を作成することができる。図16(d)に、検出されたループL1-L4に基づいて作成したループツリーの例を示す。部品の外側ループ(L4)はツリーの根(ルーツ)と定義し、外側ループと共通の要素をもつ各内側ループ(L1-L3)は、根の子どもと定義されている。共通要素の存在は、各ループを規定する要素のリンクされたリストの解析と比較によって検出できる。内側ループ内に、さらに要素(たとえば孔または開口)が検出された場合には、これらのループを、それが位置する内側ループの子ども(つまりループツリーの根の孫)と定義することができる。
【0154】
ステップS.124で面検出手続きを行った後、ステップS.126で曲げ線検出操作を行うことができる。たとえば図17に示すように、ステップS.124で部品のループを検出し解析するときに、本発明の面検出論理は、面情報を規定し、検出された面を曲げグラフ・データ構造にノードとして格納するのに、ループツリーを利用することができる。部品の面は、ループツリーにおける外側と内側ループの順序から検出できる。上記のように、各ループは要素または線のリンクされたリストを含む。これらの要素は、部品の各面の境界を定めるのに用いられる。従ってステップS.126において曲げ線検出操作を行い、部品の面と曲げ線の間の関係を決めることができる。ステップS.126の曲げ線検出操作は、ある二つの隣接する面が共有する端または線要素を検出することによって、部品の色々な面間のすべての曲げ線を検出する曲げ線検出論理を含むことができる。また一つ以上の領域で接続している面(たとえば3-Dモデルに曲げ線検出アルゴリズムを適用する場合―たとえば下記に論ずる図19を見よ)については、いろいろな発見的方法(ヒューリスティク)を適用して、部品の曲げ線の最小数を検出し、選択することができる。検出された曲げ線は、たとえば図18に示すように、最終的な曲げグラフ・データ構造を作成するための、面の節(ノード)の間の連結エージェントとして格納しておこことができる。
【0155】
本発明の曲げ線検出操作は、たとえばサーバー・モジュール32に備えたソフトウエアまたはプログラムされた論理によって実施できる。曲げ線検出操作の目的は、部品が最も少ない数の曲げ線で連結されるように、部品の曲げ線を検出し、選択することにある。曲げ線検出操作は、部品の2-Dと3-Dバージョン両方に備えることができる。原3-Dモデルについての曲げ線検出の適用は、下記に図19を参照しながら論ずる。上記のように、検出された曲げ線は、最終的な曲げグラフ・データ構造を作成するための面の節の間の連結エージェントとして格納できる。この最終的曲げグラフ・データ構造は、2-Dデータ・モデルから折りたたんで部品の3-Dバージョンを作成するのに利用できる。
【0156】
図11のステップS.120で入力として提供された2-D図面は、曲げ線情報を含まないか、曲げ線情報が不明確で、一義的にまたは矛盾なく定義されていないことがある。その場合、曲げ線検出操作を、曲げ線を検出し、部品の検出された面との関係を検出するために行うことができる。このプロセスの間に、各面を定義する要素(エンティティ)のリンクされたリストを解析し、各面が部品の他の面と共にもつ隣接する端または線要素を決めることができる。これはある与えられた二つの面の間の可能なすべての接触を解析することによって行うことができる。接触は、長さが0以上の(つまり線要素が点ではなく、実際の線である)、共通する線要素(またはお互いに事前に定めた距離許容度にある複数の線要素)の存在によって決定できる。リンクされたリストにある幾何学データを解析することによって、部品のすべての二つの面間のこのような接触の存在を決めることができる。
【0157】
ある特定の面が、他の面と共通の端または接触領域を一つしかもっていない場合、両方の面に共通の要素は曲げ線であると定義することができる。一つ以上の領域で共通接触を持つ複数の面(たとえば3-Dモデル;ただし2-Dモデルでも起こりうる)については、色々な発見的方法(ヒューリスティック)を用いて部品の最小数の曲げ線を検出し、選択することができる。使用する発見的方法は、複数の面が曲げ線で連結され、複数の面にわたる連続ループが形成されないようになっていなければならない(このような曲げ薄板金属部品の製作は不可能なため)。
【0158】
利用できる発見的方法の例として、共通する領域で最も長い接触領域をもつものを曲げ線に選ぶ方法がある。ある面が、他の面と一つ以上の共通端をもっている場合、この発見的方法によって最も長い長さをもつ共通要素を面の曲げ線に選ぶことができる。この発見的方法は、曲げ薄板金属部品を製作するときに、通常長い接触領域を持っている方が良いという原則にもとづいている。使用できるもう一つの発見的方法は、異なる可能な曲げ線の組み合わせ(3-Dモデルの曲げ線を決めるときのような)に関係する。この発見的方法では、すべての可能な共通領域が検出され、曲げ線の色々な組み合わせが選択されると、曲げ線の組み合わせで最小の曲げ線の数をもつ組み合わせが選ばれる。
【0159】
曲げ線が検出されると、部品の面と決められた曲げ線は確認のためにオペレータに表示される。オペレータが部品の曲げ線の選択に満足しない場合には、曲げ線検出操作に手動選択機能を備えることによって、サーバー・モジュール32でオペレータが選択的に、薄板金属部品に好ましい曲げ線を指示できるようにすることができる。オペレータは、マウスやキーボード等、適当な入力手段を用いて、曲げ線を保持するか変更するかを指示することができる。しかる後、オペレータによって選ばれた修正された曲げ線を用いて、最終的な3-D(または2-D)部品を作成することができる。
【0160】
本発明の曲げ線検出操作を実施するために、色々なプロセスや操作を備えることができる。曲げ線検出操作を実施するためのコードの例を、付記の付録Cに与える。例示のコードはC++プログラム言語で書かれており、記述の論理フローの理解を助けるためのコメントが含まれている。例示コードは、2-Dまたは3-Dモデルについて行うことができる曲げ線検出操作の実施例で、曲げ線の最適選択を決める発見的方法(上述のような)を含む。
【0161】
検出された面と曲げ線情報は、本発明の折りたたみと展開プロセスに利用することができる。折りたたみまたは展開の際、各曲げ線の回りに3次元回転を行うと、結果として3-Dまたは2-Dモデルが導かれる。この仕事を行うには、単に部品の各面と他の要素に対して、回転と並進を含む行列変換を行えばよい。色々な市販で入手できる展開と折りたたみソフトウエア適用の特性を、本発明の基本的な展開または折りたたみステップを実施するのに利用できる。たとえばアマダ アンフオルドとフオルド システム・ソフトウエアをこれらの基本操作を行うのに利用できる。アマダ アンフオルドとフオルド システム・ソフトウエアはアマダ・アメリカ社(以前は社名U.S.アマダ社で業務)、ベユナ・パーク、カリフオルニアから入手できる。アマダアンフオルドとフオルド・システム・ソフトウエアについての情報は、オートキャドのためのアマダ・アンフオルド・マニュアル(1994年3月版)、キャドキーのためのアマダ・アンフオルド・マニュアル(1994年5月版)とキャドキーのためのアマダ・ウインドウズ・アンフオルド・マニュアルにあり、その明細を全般的に参照することによって本文書に明白に取り入れる。2-Dモデルから3-Dモデルを作成するための折りたたみ操作については、後でステップS.132を参照しながら論ずる。
図11に戻って、曲げ線検出操作をステップS.126で行った後、サーバー・モジュール32がユーザーに対し、この後の折りたたみプロセスに用いる主要な曲げと差引高(縮小量)の情報を指令することがある。たとえば、ステップS.128で、サーバー・モジュール32はユーザーに、曲げ方向(たとえば前方、後方等)も含む曲げ角度及び/または曲げ内側半径を含む各曲げ線の曲げ高(曲げ量)の指示を求めることがある。ステップS.130で、サーバー・モジュール32はまたユーザーに対し、V―幅、材料のタイプ、及び/または差引高(縮小量)の入力を求めることがある。これらの情報は、折りたたみ操作における曲げ差引高(曲げ縮小量)を補償するのに利用できる。材料の厚さとタイプとともに、曲げ角度と使用するダイスのV-幅によって、実際の薄板金属部品は薄板金属部品を折りたたむときに、差引高だけ引き伸ばされる傾向がある。
【0162】
前記モデルでこの効果を補償するために、差引高情報を利用して、折りたたみ操作で3-Dモデルを作成するときに、曲げ線の各側で部品の面の寸法を差引高の半分だけ引き延ばす。本発明の見地に沿って、この差引高はユーザーによってサーバー・モジュール32に入力(たとえばキーボード等によって)できる。あるいは、部品の材料のタイプと厚さにもとづいた差引高を含む材料表をオペレータに表示することができる。材料表は、異なる曲げ角度やV―幅に対する色々な差引高を示す。ユーザーは、サーバー・モジュール32で表示された材料表から適切なV―幅と曲げ角度を選ぶ(たとえばマウスまたはキーボードを用いて)ことによって、自動的に差引高をセットすることができる。曲げ角度の内側半径も、適切なV―幅を選ぶときに、材料表を介してユーザーによって自動的にセットできる。オペレータが入力する(あるいはオペレータによる入力後に変換される)差引高は、部品幾何学データを表すものと同じ長さの単位(たとえばmm)である。折りたたみ操作時に、曲げ線の各側の各面の長さ寸法を、注目している曲げ線の差引高の半量だけ増やす。面の曲げ線に垂直な長さ寸法は、曲げ線の各側にある面の境界を定める要素の終点を引き伸ばすことによって増やすことができる。このような差引高補償は、各折り曲げについてオペレータによって供給された差引高にもとづいて、部品の他の曲げ線の各々について行うことができる。
【0163】
ステップS.132では、加工された2-D平面図にもとづいて、3-Dモデルを作成するための、差引高補償を含めた折りたたみ操作が行われる。前記のように、折りたたみ手続きは、行列変換の使用と最終的曲げグラフ・データ構造で定義されたそれぞれの曲げ線を回転軸に用いることを含む通常の幾何学的模型化法によって遂行することができる。さらに、差引高の効果を補償するために、3-Dモデルを作成する折りたたみの際に、部品の面を曲げ線の各側で差引高の半量だけ引き伸ばすことによって、薄板金属を実際に折り曲げるときの面の寸法の変化をより正確に反映することができる。
【0164】
たとえば、ステップS.132で折りたたみ操作を行う時に、曲げパラメータ(たとえば曲げ角度、内側半径)とともに、部品幾何学と形態データ(または曲げグラフ構造)を利用することができる。2-D空間で表わされた部品の各面、曲げ線、孔と成形についての変換行列を計算できる。通常の行列変換を、2-D平面図に適用することによって、3-D空間データをうることができる。変換は一般に回転に続く並進を含む。上記のように、回転は曲げ角度の大きさに従って、各曲げ線軸の回りに行われる。並進操作は、幾何学データを空間の中で移したり、動かしたりすることによって行われる。このような並進操作は、曲げ半径、曲げ角度と各曲げの差引高にもとづいて決められる。折りたたみの際に、差引高補償は前述べたように曲げ線の各側で、面の寸法を差引高の半量だけ伸ばすか増やすことによって行われる。このような差引高補償は、曲げ機で曲げられる2-D薄板金属部品の寸法を、より正確に反映する部品の3-D表現を与える。
【0165】
幾何学的モデル化と変換のさらに進んだ情報は、たとえば、その明細を全般的に参照することによって本文書に明白に取り入れられているモルテンソン、マイケル M著、幾何学的モデル化、ジョン・ワイリー&サンズ、ニューヨーク(1988年)及びフオリーら著、ジェイムス システム・プログラミング・シリーズ:会話形コンピュータ・グラフイックスの基礎、アデイソン・ウエスリー出版、レデイング、マセチューセッツ(1983年)を見られたい。モルテンソンの8章には、並進と回転を含む幾何学的変換が論じられている(たとえば345-354頁参照)。さらにフオリーらは7章、245-265頁で、2-Dと3-D変換の行列表示を含む、幾何学的変換の情報を与えている。モデル化と幾何学的変換についての付加的情報は、その明細を全般的に参照することによって本文書に明白に取り入れられている、マンテイラ、マルッテイ著、ソリッドモデル化入門、コンピュータ・サイエンス出版社、ロックビル、メリーランド(1988年)にも与えられている。座標変換に関する情報は、マンテイラの365-367頁にある。
【0166】
次に図19を参照しながら、本発明の別の見地に沿って、元の厚さぬきの3-D平面図にもとづいて2-Dモデルを作成するプロセスと操作について説明する。図11を参照しながら前に説明した折りたたみプロセスと同様に、3-D図面を展開し、2-Dモデルを作成する色々なプロセスや操作は、サーバー・モジュール32にあるソフトウエアや/またはプログラム化論理を用いて実施できる。図19に示されているように、顧客の仕様にもとづいて提供され作成された元の3-D図面は、ステップS.140でサーバー・モジュール32に入力されるか取り入れられる。3-D図面はDXFまたはIGESフアイルとして格納され、サーバー・モジュール32からCADまたはCAD/CAMシステムとインターフエイスするか、利用するかして入力できる。3-D図面を入力後、ステップS.142でサーバー・モジュール32によって、引き続き行われる面検出や他のプロセスのための図面の準備のために、自動トリミングとクリーンアップ操作が行われる。
【0167】
図12-14に関連して論じたように、自動トリミングとクリーンアップ機能は、部品の色々な面が適正に検出定義されされるように、構成要素や表面を切り離したり、連結したりする。
【0168】
図11と12、13に関連した上記の自動トリミングとクリーンアップ操作は、図19のステップS.140で入力した3-D図面の幾何学データに対しても、同じように適用できる。データを2-D空間で解析する(2-D平面図の場合のように)代わりに、3-D図面に図示されている各構成要素(たとえば線、弧等)は、図中の3-D座標と空間情報にもとづいて解析することができる。交点と開放交差領域は、各構成要素(エンティティ)を個別的に解析し、他の構成要素の一つ一つと比較することによって解析できる。ここでもまた、構成要素の終点や他の属性の基本的な幾何学的解析を用いて、許容度内で交点と開放交差領域を決めることができる。
【0169】
前記3次元図面に対しての自動トリミング及びクリーンアップ機能を実行した後、ステップS144で、前記板金パーツの面の各々を検出し定義するために面検出操作が行なわれる。前記3次元図面についての面検出は2次元空間における各面を分析し且つ検出し且つ上記と同様にしてループツリーを生成することにより行なわれる。面検出は任意の所定のエンティティで開始することにより実行される。例えば、一番左側のエンティティ(即ち最小のx座標を有するエンティティ)が最初のエンティティとして使用される。その後、1つの面は前記最初の線分エンティティ及び他の連結するまたは隣接する線エンティティ(即ち前記最初のエンティティと共通の端点を有する任意のエンティティ)を取出すことにより定義される。面検出操作は次に、図15(a)−16(d)に関連して上記に説明したようにループ及びエンティティ解析を用いて行なわれる。各エンティティは前記定義された2次元平面内で検出されるため、種々の外側及び内側ループが定義され、且つ前記エンティティがマークされ(即ち前記選択されたエンティティのフラグを設定し或いは増加することにより)、それらが、前記面における複数のループの1つを定義する連結されたリストに選択され且つ含まれたことを示す。
【0170】
引き続くループ解析は、次に前記3次元図面を構成する他の2次元平面において行なわれる。前記他のエンティティのループ解析を行なうために、前記3次元図面内でのマークされてない或いは選択されてないエンティティを検索することにより追加の平面が定義される。そのような平面は、2つの選択されてないエンティティの間或いは選択されてないエンティティと以前に選択されたエンティティとの間に定義される。追加の2次元平面の各々において、更なるループ解析が行なわれ前記内側及び外側ループを検出する。再び連結されたエンティティの連結リストが保持され、前記複数のループ経路の各々が定義されるにつれて、前記選択されたエンティティがマークされる(即ち前記選択されたエンティティに付随するフラグを増加することにより)。
【0171】
全てのエンティティが検出された後、すでに解析された2次元平面の各々についてのループツリーを生成するために、結果の複数のループが使用される。すでに述べたように、ループツリーは、板金パーツにおける複数の面及び開口部及び穴を定義するために提供される。3次元の図面については、ループツリーは、前記板金パーツの各面について生成される。各面内で検出された複数のループは、各ループツリーを生成するためにグループ化され分析される。各ツリーのルーツ(根)は前記平面において検出された外側ループとして定義される。前記外側ループと共通のエンティティを有する前記平面の各内側ループは前記ツールの子供として定義される。共通エンティティの存在は、各ループを定義する連結されたエンティティのリストの分析及び比較に基づいて検出される。追加のエンティティ(即ち穴或いは開口部)が前記平面の内側ループにおいて検出される時、これらのループはそれらがその内部に存在する内側ループの子供(即ち前記ループツリーのルーツの孫)として定義される。生成された複数のループツリーは次に、前記3次元図面の全ての面を検出するために用いられる。検出された面は次に曲げグラフデータ構造におけるノード(節)として格納される。
【0172】
前記結果としての曲げグラフ構造はステップS146における曲げ線検出操作の実行の後、連結する曲げ線連結エージェントにより補足される。曲げ線検出操作及び最終曲げグラフ構造またはパーツ・トポロジーの生成は図17及び18を参照して上記したと同様のやり方で実行される。
【0173】
上記したように、前記曲げ線検出操作を実行するための代表的なコードがここに添付された付録Cに提供される。このサンプルコードは、2次元或いは3次元モデルに対してなされる曲げ線検出操作のための代表的実行例であり、曲げ線の最適選択を決定するためのヒューリスティック(例えば上記したような)を含む。前記曲げ線検出操作は、検出された曲げ線に満足しない時、サーバモジュール32におけるオペレータが前記板金パーツのための好ましい曲げ線を選択的に指定することを許すマニュアル選択特性を含む。前記オペレータは、マウスあるいはキーボード等のごとき適宜の入力手段により曲げ線を維持し或いは変更することを指示する。前記オペレータにより選択され改定された曲げ線は最終的2次元パーツを生成するために用いられる。
【0174】
最終的曲げグラフ構造の複数の曲げ線を中心とする展開工程を実行する前に、ユーザは、ステップS148でV幅、材料タイプ及びまたは縮小量について促される。上記したように、板金は折り曲げられる時伸びる傾向を有するため、3次元パーツの寸法は前記2次元平面パーツのそれより少し大きい。従って、板金パーツの展開の過程で、パーツの寸法は、選択された材料タイプ及びV幅に基づく縮小量だけ縮み或いは減少される。従ってこの発明の1つの側面によれば、3次元モデルを展開する際、前記2次元モデル及びその表面の各々の寸法をより正確に生成するために縮小操作が行なわれる。上記したように、前記縮小量は、前記ユーザにより直接入力され或いは所望のV幅及び曲げ角度を選択することによりユーザが自動的に前記縮小量を設定することができるように、材料テーブルが表示される。
【0175】
前記オペレータにより入力される前記縮小量は前記パーツ幾何学データにより表現されるそれと同じ長さの単位(例えばミリメートル)である(或いはオペレータによる入力の後その単位に変換される)。展開操作の間に、前記曲げ線の両側の面の各々の寸法長さは前記所定の曲げ線について入力された縮小量の半分だけ減少される。前記曲げ線に直交する前記面の寸法長さは前記曲げ線の両側に位置する前記面の境界を定義するエンティティの終点を減少することにより減少される。前記縮小補償は、各曲げについて前記オペレータにより提供される前記縮小量に基づいて、前記パーツの他の曲げ線のそれぞれにおいて行なわれる。
【0176】
前記全ての必要なデータの入力の後、ステップS150で、前記2次元モデルを生成するために展開プロセスが行なわれる。前記3次元曲げモデルを展開するために通常の方法が用いられ、それは前記複数の曲げ線の各々を回転軸として用いるマトリックス変換の使用を含む。この展開プロセスの間に各曲げ角度が測定され、前記平面曲げモデルを生成するために前記曲げ角度量だけ前記パーツは展開される。更に、前記入力された縮小量に基づいて、前記板金材料の物理的性質及び前記3次元及び2次元モデルの間の差をより正確にシミュレートするために、前記曲げ線の両側で前記縮小量の半分だけの前記面の寸法の縮小或いは減少が行なわれる。
【0177】
ステップS150で前記展開工程を実行する時、前記パーツの寸法及びトポロジーデータ(または曲げグラフ構造)が前記曲げパラメータ(例えば曲げ角度、内側半径等)と共に用いられる。前記3次元空間において表現された前記パーツにおける各面及び曲げ線及び穴及び成形部についての変換マトリックスが計算される。通常のマトリックス変換が前記2次元空間データを得るために前記3次元データに対して適用される。前記変換は一般的に回転を含み、その後に並進がくる。上記したように、回転は、曲げ角度量に応じて各曲げ線の周りに行なわれる。展開のために、2つの面の間に180°が存在するまで(即ち面が平面になるまで)回転は逆方向に行なわれる。並進は空間内で前記幾何学的データをシフトし移動するために行なわれる。そのような並進は、各曲げについての前記曲げ半径及び曲げ角度及び縮小量に基づいて決定される。展開の間、縮小補償は上記したように、曲げ線の両側で前記縮小量の半分だけ前記複数の面の寸法を縮め或いは減少せしめるために行なわれる。そのような縮小補償はそれが曲げ工程の間に折り曲げられる前の前記板金パーツの寸法をより正確に反映する前記パーツの2次元表示を提供する。
【0178】
再び幾何学的モデル化及び変換についての情報はモルテンソン、フォリー等及びマンティラに見出される。上記したように、モルテンソンの8章は変換及び回転(例えば345〜354頁を見よ)を含む幾何学的変換の議論を提供する。更にフォリー等は、7章の245〜265頁で2次元及び3次元変換のマトリックス表示を含む幾何学的変換についての情報を提供する。更に座標変換についての情報はマンティラの365頁〜367頁に見出される。
【0179】
図4を参照して上記したように、前記顧客の注文に基づいて、2次元3面図或いは厚さを有しない3次元ワイヤフレーム図が最初に提供され或いは生成される場合、厚さを有しない3次元モデルを生成するために更なる工程が必要とされる。そしてその後、前記厚さを有しない生成された3次元モデルは展開プロセス或いはアルゴリズムを適用することにより2次元モデルを生成するために用いられる。図20−24は、最初の2次元3面図に基づいて3次元モデルを生成するために適用される種々のプロセス或いは操作を図示する。更に図25は、この発明の他の側面に応じて、厚さを有する最初の3次元ワイヤフレーム図から厚さを有しない3次元モデルを生成するために適用される追加のプロセス或いは操作を図示する。再び、図20−25において図示される種々のプロセス及び操作は、例えば前記サーバモジュール32に存在するソフトウエア及びまたはプログラム論理により実行される。
【0180】
図20を参照するに、この発明の教示に応じて、最初の2次元3面図に基づいて3次元モデル(厚さを有しない)を生成するために行なわれる操作或いはプロセスの論理フローの記載が提供される。最初、ステップS160で2次元3面図がサーバモジュール32へ入力され或いは搬入される。前記最初の2次元3面図は、前記パーツの種々の図(例えば正面図及び平面図及び右側面図、例えば図22(a)及び22(b)を見よ)を含み、前記サーバモジュール32へダウンロードされ或いは搬入されるDXF或いはIGESファイルのごときCAD図面である。しかる後、ステップS162で、前記3次元モデルへの引き続く操作のための図面を作成するために、サーバモジュール32により2次元クリーンアップ操作が行なわれる。この2次元クリーンアップ操作は、前記パーツの実際の幾何学形状を表現しない余分な及び非幾何学的な情報、それはテキスト及び中心線及び寸法線を含む、を消去するために行なわれる。前記2次元クリーンアップ操作はまた全ての外側線分を、例えばそれらの接続端部で接続し、或いは任意の交差するライン或いはエンティティを分断し或いはトリミングするために行なわれる。図21は、前記サーバモジュール32により前記クリーンアップ操作が行なわれる際実行される種々のプロセスの論理フローの例を図示する。
【0181】
図21に示されるように、最初に2次元図面が前記サーバモジュール32により、ステップS180でデータファイルから読み取られ或いはロードされる。しかる後ステップS182でサーバモジュールは、2次元図面において各々のエンティティ或いは幾何学データを分析し次の工程のための図面を作成するために種々のエンティティを分割する。ステップS182において行なわれる前記分割或いはトリミング機能は、この発明の前記自動トリミング及びクリーンアップ機能に関連して上記に記載したと同様な方法で実行される。従ってステップS182で前記2次元3面図における全ての幾何学的データは、エンティティの交差点及び所定の誤差範囲内にある空白(開放)交差部を検出するために分析される。任意の交差線は分断され、結果のエンティティは交差点により定義される共通の終点で出会う。更に所定の誤差の範囲内にある(例えば0.0−0.01mm或いは0.0−0.001インチ)空白交差領域を有するエンティティについてはそれらのエンティティは、例えば図12―14に関連して上で記載されたと同様の方法で結合される。
【0182】
ステップS184で前記2次元図面シートの周辺が検索され任意の外部の線分またはデータ(例えば境界線分及び座標格子及び数字等)が消去される。図22(a)に示されるように2次元3面図は、しばしば図面シート上に提供される。前記図面シートは前記板金パーツの種々の図面を生成するために必要でない余分な及び非幾何学的な情報を含む。従ってステップS184で、本発明の2次元クリーンアッププロセスを利用して、前記3次元モデルを展開するにあたってこのタイプの情報が検出され前記2次元図面から消去される。
【0183】
前記2次元図面データはそこに含まれるデータのタイプ(例えば幾何学的或いは非幾何学的/テキスト)を指示するためのキーワード或いはタイプフィールドを含む。従ってこれらのキーワードあるいはタイプフィールド(それらは図面ファイルのデータフォーマットに基づいて提供される)はテキスト或いは他の非幾何学的データのごとき種々の余分の情報を削除するために用いられる。しかし全ての不必要な図面シートデータを正しく削除するためには更なる操作が通常必要である。しばしば、前記境界線或いは他の外側情報はエンティティー(例えば線分等)として保存され、それらは前記データキーワード或いはタイプフィールドに基づいて容易に識別することができない。従ってこの発明の1つの側面によれば、前記2次元図面のデータを分析する際に連結性グラフ構造が生成される。この連結性グラフ構造は各エンティティーについて複数の付随的頂点のリスト及び連結されたエンティティーのリストを示す。各頂点については、隣接する複数の頂点のリスト及びそれが付随するところのエンティティーのリストが提供される。このグラフ構造により、(それはステップS182の分断及びトリミング機能を実行する際に生成されるが)、どのエンティティーがくっつき合う終点により結合されるかが決定される。結果として、境界線及び情報ボックス及び他の非幾何学的データのような余分なデータは削除される。これは、このデータは典型的に連結されたエンティティーで構成されることがなくまたそれを含まないからである。
【0184】
上記したように、2次元3面図は寸法線及び矢印線及び中心線及びテキストのような余分の情報を含み、それらは前記パーツの実際の幾何学形状を表現しない。これらのエンティティーはステップS186で検出され、次の工程のための2次元図面を作成するために前記2次元データファイルから削除される。これらの余分のエンティティーの検出はサーバモジュール32により自動的に行なわれる(例えば前記パーツの実際の幾何学形状に関連しない2次元データファイル中の項目を検出することにより)。例えば、前記連結性データグラフ構造を用いて、両端が開放されたエンティティー(例えばテキストにアンダーラインをするため或いは寸法或いはパーツの中心線を示すために用いられる複数の線)が検出され消去される。矢印のごとき他のエンティティーもまた、浮動する終点或いはそのようなエンティティーの他の特徴の存在に基づいて検出される。全ての不必要なデータを効果的に削除するために、サーバモジュール32は前記2次元図面中のいずれの項目が消去されるべきかを(例えばマウスまたはキーボードにより)オペレータをして指示することができるようにするためのマニュアル編集機能を提供する。オペレータのこの援助或いは確認により、追加の余分の情報が図面から除去される。
【0185】
ステップS186の後、前記2次元図面の種々の図が、ステップS188でグループ化され且つそれぞれ定義される。この発明の1つの側面によれば、サーバモジュール32は、図22(b)及び23(a)に示されるような平面図(上面図)及び正面図、右側面の配置のごとき、予め定められた或いは標準的な図と向きをサポートする。平面図及び正面或いは背面図及び右或いは左図のような他の図及びレイアウトもまたサポートされ得る。更に以下に記載されるように、サーバモジュール32はまた前記2次元図面の図を前記パーツの3次元表現へ加工するために、回転された図(例えば図23(a)を見よ)もサポートする。いずれにしても、パーツの3次元モデルが構成されるためには、厚さ表現を有するパーツの少なくとも2つ(そして好ましくは3つ)の異なる図が提供される必要がある。連結性グラフ構造において前記エンティティーの連結性及びグループ化を解析することにより、サーバモジュール32は、複数の図の各々の相対的位置及び/又は座標位置に基づいて前記複数の図を分類し且つ定義する。
【0186】
限定しない事例として、サーバモジュール32による前記図の定義は、予め定義された或いは通常の配置或いは前記データファイルにおける図の解析をするためのレイアウトにより、及び/又は前記複数の図の向きの検出及び前記図面の各々の図のそれぞれにおける前記パーツの種々の寸法の重ね合わせに基づいて実行される。図23(b)において示されるそれのごとき予め定義された或いは標準的フォームは、潜在的な図のタイプに応じて前記図の各々を決定し定義するために用いられる。種々の終点及び各グループを定義する複数のエンティティーの間の関係の幾何学的比較は、前記ステップS188を実行するために行なわれる。サーバモジュール32の図検出特性(図検出機能)は、複数の潜在的図面タイプ(例えば平面図、正面図、背面図、左図、右図)の1つに応じて前記図面の各々にラベルを付ける。前記複数の図の各々の検出は、予め定義された或いは標準的図の配置或いは形状及び存在する図の各々の間の検出された関係に基づく。種々の工程或いは操作が、ステップS188で、前記2次元3面図における複数の図を分類し且つ定義するために使用される。例えば前記加工された2次元3面図にアクセスした後、前記サーバモジュール32はまずこの図面データにおけるパーツの平面図を特定する。前記平面図は、予め定義された或いは標準的な形状または図配置(例えば図23(b)におけるそれのような)に基づいて検出される。仮に3つの異なる図が水平方向或いは垂直方向において検出される場合には、中央の図が平面図であると定義される。更に仮に3つの別個の図が検出されず且つ垂直方向においてただ2つの別個の図が検出される場合には、上側の図が平面図であると定義される。再び前記連結性グラフ構造における前記エンティティーの連結性及びグループ化が前記複数の図の各々を検出するために使用される。前記予め定義された或いは標準的形態を表現する、格納されたルックアップテーブル或いはマトリックスが前記2次元図面の各図を比較し且つ複数の図の各々を検出するために用いられる。
【0187】
前記2次元3面図データから平面図を検出した後、前記パーツの他の図は前記検出された平面図に対する前記複数の図の各々の相対的位置に基づいて検出される。例えば、図23(b)の標準的レイアウトに基づいて、例えば図グループが前記平面図の上に位置している場合には、その図は背面図であると定義される。しかしもし図グループが前記平面図の下に位置している場合には、その図は前記パーツの正面図であると定義される。更に右図及び左図は、前記平面図のそれぞれ対応する右側及び左側におけるそれらの相対的位置に基づいて検出される。しかる後、前記標準的形態(例えば図23(b))に合致しない任意の残りの図は前記検出された図(例えば検出された背面図或いは正面図)に対するそれらの相対的位置に基づいて検出される。例えば図23(a)に示されるレイアウトBについて、前記右図は前記平面図に対して回転された位置に設けてある。しかしながらレイアウトBにおける右図は前記検出された正面図に対するその関係に基づいて検出される。即ち検出された背面図或いは正面図の右側或いは左側に存在する検出されていない図はそれぞれ前記パーツの右図或いは左図として定義される。
【0188】
種々の予め定義された或いは標準的な図のレイアウトが前記2次元3面図図面において複数の図を検出し且つ定義するために用いられる。標準的な形態(例えば図23(b)または図23(a)におけるそれ)は、製造設備において広く行き渡っており或いは選択され/要求される図レイアウトに基づいて、及び/又はサポートされている図タイプの基づいて選択される。仮にいずれの図も検出されない場合には、サーバモジュールにより警告信号が提供され、オペレータは、好ましい図面レイアウトに応じて前記2次元3面図データを変形したり、他の適当な動作を行なう。前記2次元図面における複数の図を検出するための予め定められた或いは標準的形態の提供に加えて、予め定められた標準的形態(例えば図23(a)のレイアウトAのように)は検出された図を加工し前記パーツの3次元モデルを生成するために設けられる。従って更なる加工が行なわれる前に前記標準的形態に基づいて検出された図を正しく分類するために、回転された図の特徴が提供される。
【0189】
上記したように、前記2次元クリーンアップ操作は図面において複数の図を検出するための予め定められた、或いは標準的形態に合致しない回転された複数の図をサポートし且つ検出する。回転された図のオプションでは、検出された標準的でない複数の図は、パーツの3次元モデルを加工し且つ生成するために、前記複数の図の各々が前記予め定められた或いは標準的な図の形態に合致するように、回転され或いは並行移動される。前記パーツの複数の図を検出するために図23(b)に図示されるそれのような標準的形態を仮定して、図23(a)におけるレイアウトBにおける複数の図の各々は、上記したように、前記平面図及び他の検出された図に対する当該複数の図の相対的な位置に基づいて検出される。例えば仮に図23(a)のレイアウトAが、平面図及び正面図及び右図を有する2次元図面における種々の図を加工するための予め定められた或いは標準的図レイアウトとして使用される場合、ステップS188でレイアウトBにおける右図は90度回転されレイアウトAと同様な、前記パーツの変形された図レイアウトを提供する。前記パーツの右図が前記パーツの平面図の右側に位置するように前記レイアウトBにおいて右図を90度回転することにより、図面中の前記複数の図はレイアウトAで表現される標準的な形態に応じて加工される。格納されたルックアップテーブル或いは予め定められた或いは標準的な形態を表現するマトリックスが、前記2次元図面の複数の図を比較し且つどの図が回転或いは並進運動を必要とするかを決定するために用いられる。
【0190】
前記2次元図面における複数の図から前記パーツの正確な3次元モデルが生成されることを保証するために、前記複数の図の各々においてそれぞれの寸法が相互に矛盾がないか或いは一致しているかチェックされる。図21において更に示されるようにステップS190で前記データファイルにおける前記複数の図の境界が、それぞれの図の全ての寸法が相互に同じ寸法であるかを確認するために検出される。仮に複数の図が所定の誤差の範囲内で(例えば0.0−0.01インチ)一致しないことが判断されるとステップS190で、全ての複数の図が同じスケールになるように任意の特定の図の寸法を変更するために適宜の修正が行なわれる。図面の寸法が相互に一致せず現在存在する2次元図面データに対して必要な修正が行なわれるようにユーザに警告するためにサーバモジュール32に警報要素が設けられる。
【0191】
前記パーツの各々の図における寸法の一貫性を検出し且つ確認するために種々の操作或いは工程が使用される。例えば、前記複数の図の各々の対応する寸法が、それらが相互に所定の誤差の範囲内にあるかどうかを決定するために比較される。そのような解析は、前記パーツの各図の境界線を定義する線分エンティティーを比較することを含む。図23(b)における標準的な形態を仮定して以下のようであれば平面図は右図または左図と一致すると検出される。即ちそれぞれの図について、最大Y座標位置と最小Y座標位置が所定の誤差範囲(例えば0.0−0.01インチ)内にある。更に前記平面図は、以下の場合には正面図または背面図と一致すると検出される。即ち各図について、最大X座標位置と最小X座標位置とが所定の誤差範囲(例えば0.0−0.01インチ)内にある。更に左図または右図は、最大Y座標位置と最小Y座標位置との間の差に比較して最大X座標位置と最小X座標位置との差が所定の誤差範囲(例えば0.0−0.01インチ)内にあれば正面図または背面図と一致すると決定される。再び前記図の寸法或いは関連する面の寸法が一致しないとき前記2次元図面データに対して必要な修正が加えられるようにユーザに警告するように、サーバモジュール32に警告要素或いはモジュールが設けられる。
【0192】
最後にステップS192で、本発明の面検出方法の教示に基づいて、前記パーツの内側ループ及び穴及び形状が検出される。各図の複数の面の内側に設けられている種々の穴或いは形状は、前記パーツの種々の線及び境界を通ってパーツの外側から中央へ向かってループを形成していくことにより検出される。ループ及びエンティティーの分析は、前記2次元図面における前記パーツの各図に対してなされる。前記パーツの外側から作用的に中央へ向かって内側へ各々の図を分析することにより、検出されたループは前記パーツの物質と開口部の境界及び領域を、周期的順番(即ち物質、開口部、物質等)に基づいて決定する。図16(d)におけるそれのごときループツリーが複数の面の位置及び各々の面の内部の任意の穴の位置を決定するために各図面について生成される。浮遊する円弧或いは線分のごとき前記パーツの面の内部で連結されないエンティティーは、ステップS192の中で検出され消去される。
【0193】
本発明の前記2次元クリーンアップ操作を行なうための代表的なコードは付録Dに提供される。このコードはC++プログラム言語で記載されており、そこに使用される論理及びアルゴリズムの解析を円滑にするためのコメントを含む。そのコードは、図21−22(b)を参照して上で議論したそれらのごとき、2次元クリーンアップモードの種々の工程及び操作を含む。
【0194】
図20を再び参照するに、2次元クリーンアップ操作が行なわれた後論理フローはステップS164へ連続しそこで前記2次元図面が材料の厚さを表現しまたは含むか否か(即ち前記2次元図面が厚さを有するか否か)が決定される。もし前記2次元図面が厚さの量を含むと判断される場合には、ステップS166で3次元モデルへの引き続く操作のための2次元図面を作成するためにサーバモジュール32により厚さ消去手続きが行なわれる。前記2次元図面における厚さの存在の判断は図面のデータに基づいてサーバモジュール32により自動的に行なわれ、或いはオペレータからの援助或いは応答を介して前記サーバモジュールにより行なわれる(オペレータは厚さ除去が必要であるか或いは好ましいかを指示するように促される)。前記パーツの厚さは全ての板金パーツの独特の対称性により消去される。前記パーツの厚さを消去することにより、厚さを有しない、結果としての板金パーツは板金オペレータ或いは設計者により、より容易に分析される。更にこの出願の発明者は、前記2次元3面図の厚さを除去することにより、2次元図面を変換し3次元モデルを生成するに必要な時間が著しく短縮されることを見出した。
【0195】
殆どの2次元3面図は材料厚さ量を含むため、オペレータはしばしば、2次元図面から3次元モデルを作成するためにいずれの曲げ線が選択されなければならないかで混乱する。結果として、2次元3面図が3次元モデルへ変換されるように適切な曲げ線を選択する際に相当の時間が無駄になる。厚さを有する2次元3面図の例が図24に示されている。この発明の1つの側面によれば、材質厚さを持つことなく表現され且つ処理されるが、当該材質厚さ量及び前記パーツの内側及び外側寸法を曲げモデルデータ中に保有する簡単化された2次元3面図モデルを表示するように、厚さ除去手続きが設けられている。図24(b)は前記厚さ除去工程を行なった後、前記サーバモジュール32において前記オペレータに対して観察され且つ表示される簡単化された2次元3面図を図示する。
【0196】
前記厚さ除去手続きが実行される時、ユーザは、2次元3面図表示における材質厚さを特定するように促されてもよく、また前記表示内においていずれの寸法(即ち外側寸法或いは内側寸法)が保持されるべきであるかを特定するように促されても良い。オペレータは、例えばマウスを用いて複数の図の中の1つにおいて保持される厚さ及び表面を指示する。このユーザにより入力されたデータに基づいて、サーバモジュール32は前記2次元3面図を修正し、ユーザにより指示された材料厚さを消去し、前記オペレータの選択に基づいて内側或いは外側寸法を残す。
【0197】
前記2次元3面図図面において厚さを消去するために、前記サーバモジュール32は前記オペレータにより行なわれた選択に基づいて前記3つの図の各々を分析する。選択された表面は幾何学的計算により(即ち選択されたエンティティー線分或いは表面と同じX座標或いはY座標射影に存在する対応するエンティティーを検出することにより)他の図の1つへ射影され、前記複数の図の各々における対応するエンティティー及び線分を検出する。対応するエンティティーは、マークされ且つ保持され、合致しないエンティティー或いは表面は削除され或いは図24(b)に示されるそれのように、スクリーン上に表示されない。更にオペレータにより指示される厚さ寸法線は他の図の各々へ同様に射影され、合致する厚さ寸法線或いはエンティティーは図24(b)の例に更に示されるように削除される。結果として、図面内の複数の図の各々は適宜に修正され、前記サーバモジュール32においてユーザに対して表示される。厚さを有しない、結果としての2次元3面図は前記パーツの3次元モデルを生成するために次の工程で使用される。
【0198】
この発明の厚さ削除手続は、各図において削除されるべき厚さ線及び残されるべき表面エンティティーをオペレータが選択的に指示するようにするためのマニュアル厚さ消去モードを含む。表示された図の各々においてどの領域が削除されるべきであり、どの表面が残されるべきであるかを指示するためにマウス或いは他の適当な入力装置がオペレータにより使用される。前記オペレータにより入力されるデータに基づいて前記サーバモジュール32は、厚さを有しない図面を提供するために、前記2次元3面図からオペレータにより選択される各線分エンティティーを削除する。
【0199】
この発明はまた全ての厚さ表現が前記2次元3面図図面において正しく特定されたか否かを分析し且つ検出し且つ、マークされない厚さ要素が存在する時及び/又は図面データ中に矛盾が存在する時、ユーザに警告するための警告システム或いはモジュールを含む。例えば厚さ警告要素は、前記表示スクリーン上で潜在的なマークされない厚さ部分を強調するために設けられ、面警告要素は面の寸法が他の図における厚さのマークと一致しない時、前記スクリーン上で潜在的な一致しない面を強調するために設けられる。曲げ線警告要素は、また矛盾する曲げ線を強調し及び一致しない厚さ曲線を強調するために設けられる。曲線は、この曲線上に射影される少なくとも1つの曲げ線が2つの横断厚さ線分(厚み横断線)により挟まれないとき強調される。例えば図24(c)は、2つ或いは他の零でない偶数の横断厚さ線分(即ち各図において厚さを横断する短い線)により正しく挟まれている厚さ曲線を図示する。各曲げ線は2つ又は他の零でない偶数の横断厚さ線分により挟まれるべきである。各図面における前記パーツのこれらのエンティティーの分析は、ループ分析を実行し且つ各図を作り上げる線分及び円弧エンティティーの連結性を解析することに基づく。開放された厚さ線分は他の厚さ線分或いは曲線と接続しない少なくとも1つの端点を有する厚さ線分に基づいて定義される。1つの開放厚さ線分を含むサイドは開放厚さサイドと定義される。厚さ線分は、開放厚さ線分の開放厚さサイドが最小ループの境界ボックスに一致しない場合に強調される。前記加工された2次元3面図の像に関連する警告をユーザに与えることにより、ユーザは図面データ中の矛盾を警告され、ユーザはパーツの3次元モデルを生成するために更に加工を行なう前に、前記図面データを修正及び/又は訂正することができる。そのような警告システム及びユーザとの相互作用を含むことが3次元モデルによる前記パーツの表現の精密さを改善する。
【0200】
図20のステップS168で、厚さを有しない加工された2次元3面図図面は3次元モデルへ変換され発展させられる。2次元3面図図面から前記3次元モデルへの変換及び展開は良く知られ或いは確立された射影及び/又は突出方法を用いて行なわれる。例えば前記2次元3面図から3次元モデルを生成するために、各図の深さが検出され3次元モデルを展開するために各図が射影される。結果としての3次元モデルは次に曲げモデルデータを生成する際に使用され、また上記した展開アルゴリズムを適用することにより単一の2次元平面図へ変換される。幾何学的モデル化技術についての更なる情報については、モルテンソン、フォリー等及びマンティラを見よ。2次元図面から3次元モデルを構成するための射影技術についての追加の情報については例えば以下を見よ。ウェズレイ等,W.A.「投影図の肉付け」I.B.M.J,RES,DEVELOP、25巻、NO.6、934―954頁(1981)、アオムラ・シゲル、「機械的図面を用いてソリッドモデルを形成すること」第6回コンピュータメカニクスコンファレンス、JSME、NO.930−71、日本、497−98頁(1993)、アオムラ・シゲル、研究及び実際使用の最近の傾向及び将来の可能性(図面から3次元モデルの自動的再構成)東京工学株式会社、日本、6−13頁(1995)。これらの開示はここにそれらの全てにおいて明示的に取り込まれる。
【0201】
ステップS168で3次元モデルを展開する際、結果としての3次元モデルを更に加工し且つ精密化するために追加のクリーンアップ工程が含まれる。この発明の1つの側面によれば、3次元クリーンアップ工程は、前記パーツの2次元3面図において存在し且つ前記パーツの生成された3次元表現において余計な或いは過剰な情報を生成する不明瞭さを補償するために設けられる。当業者に理解されるように、パーツの2次元3面図表現は3次元座標空間における前記パーツの種々の特徴の表現に関連して不明瞭さを含む。前記2次元3面図から3次元モデルを生成する際余計な且つ過剰な情報がこれらの不明瞭さの結果として生成される。従ってこの発明の側面によれば、前記3次元クリーンアップ工程は、1つの端部がつながっていない線分を検出し且つ除去すると共に曲げ線を検出し且つきれいにすると共に面をトリミングする工程を含む。前記3次元クリーンアッププロセスは前記パーツの結果としての3次元モデルを生成する際に自動的に行なわれ或いは前記生成された3次元モデルが追加の工程を要求すると判断される時、オペレータからの入力に基づいて選択的に行なわれる。
【0202】
前記3次元クリーンアップ工程によれば、前記生成された3次元図面データを分析することにより、一端部において他のエンティティーと接続されないと判断される全ての線分或いは曲線が特定され片側開放線分として定義される。片側開放線分であると判断される任意のエンティティーは前記パーツの3次元表現から除去される。一旦開放線分が除去されると、それは他の線分或いはエンティティーが開放されることを導くかもしれない。従って新しい片側開放線分がまた特定され、全ての開放線分或いはエンティティーが除去されるまで、繰り返し除去される。図63は片側開放線分が除去される前のパーツの3次元表現の例を図示し、図64は片側開放線分が前記3次元表現から除去された後の前記パーツを図示する。
【0203】
上記したように、ステップS168で行なわれる3次元クリーンアップ工程は曲げ線を検出しきれいにする工程も含む。曲げ線は、3次元空間におけるパーツの面情報の検出を促進するために特定され且つきれいにされる(例えばモールド線分を加えることにより)。前記生成された3次元モデルデータに基づいて、各曲げ線は、それぞれの中心により定義される同一の法線を有する一対の3次元曲線(例えばそれは図面データにおける曲線エンティティーにより表現される)の検出に基づいて同定される。この過程において、特定された前記曲げ線に対してモールド(形取り)線分が付加される。前記モールド線分は、3次元曲線の各対において対応する終点を特定し且つ前記3次元曲線の対応する終点の間でモールド線分(例えば線分エンティティーで表現される)を延長することにより追加される。図65は曲げ線が特定される前のパーツの代表的3次元表示を図示し図66は前記モールド線分(図において破線で表現される)が追加された後のパーツを図示する。
【0204】
曲げ線が特定され且つモールド線分が追加された後、3次元クリーンアップ工程は更に前記パーツの全ての曲げ線をきれいにし且つ面をトリミングするために前記パーツの3次元表現を加工する。前記2次元3面図データの図における頻繁に生ずる不明瞭さにより、前記パーツの3次元表現に前記面の過剰な部分が生成される。前記3次元クリーンアップ工程は前記面の過剰な部分を特定しそして板金領域知識(例えば何が折り畳めないかについての知識)を用いて前記面をトリミングする。余分な穴或いは開口部のような他の余分な情報も特定され除去される。結果として前記パーツの過剰な部分は除去され前記3次元表現は前記板金パーツのより精密な表現を提供する。図67は前記曲げ線をきれいにし且つ前記面をトリミングする前のパーツの代表的な部分を図示し、図68は正常化及びトリミングがなされた後のパーツの前記部分を示す。
【0205】
図25は材料厚さを持つ最初の3次元図面から材料厚さを持たない3次元図面を生成するためになされる工程及び操作の論理フローの例を示す。ステップS200で、材料厚さを有する最初の3次元図面が入力されサーバモジュール32へ搬入される。前記3次元モデルは材料厚さを有する3次元のワイヤフレーム図面で、DXF或いはIGESファイルのごときCAD図面ファイルである。前記3次元図面が前記サーバモジュール32へ搬入された後、厚さ除去工程がステップS204で行なわれる。ステップS204における前記3次元モデルに対する厚さ除去工程は上記したアマダUNFOLDソフトウエア・システムにおいて提供されると同じ方法で行なわれる。前記3次元モデルにおいて厚さを消去するために、オペレータはまず厚さを指示し且つ残される面を選択するように促される。このオペレータの選択に基づいて厚さを定義するエンティティー線分の終点を解析することにより厚さが測定される。しかる後、選択された表面の境界が、前記ループ及びエンティティー解析工程に関連して上記したと類似の方法により探索される。そして保持されるエンティティーはマークされ(例えばフラグを設定し或いは増加することにより)、対応する厚さエンティティーは除去される。前記3次元パーツのエンティティーを探索する際、前記エンティティーは、ユーザにより選択された厚さエンティティーの長さに基づいて識別される。一般的に前記厚さエンティティーと同じ長さを有する全てのエンティティーは選択されず除去され、同じ長さでない他のエンティティーがマークされ残される。前記3次元パーツの表面の探索でマークされなかった残りのエンティティーもまた除去されることがある。再びサーバモジュール32はマニュアル厚さ除去モードを提供し、そこではオペレータは除去されるべき3次元パーツにおける各エンティティーを手動で指示する。
【0206】
ステップS204の後、厚さを有しない、結果としての3次元モデルがステップS206で展開され及び/又はオペレータに対して表示される。展開アルゴリズム或いは工程が次にその材料厚さを有しない3次元モデルに適用され上に詳細に説明したように、曲げモデルデータについての単一の2次元平面図を生成する。上記したように前記データベース30に格納されるデザイン及び製造情報は、板金要素についての製造データのみならず板金の幾何学形状及びトポロジーを含む曲げモデル・データファイルを含む。更にこの発明の種々の特徴を実行するために使用されるソフトウエアはC++のごとき高度のプログラム言語を用い且つオブジェクト指向プログラム技術を用いて生成される。この発明の種々の特徴を実行するためには、Booch或いはOMTのごとき異なるオブジェクト指向技術も使用される。オブジェクト指向プログラムが使用される場合は、前記板金パーツを表現するためにオブジェクト指向データが使用され、前記パーツのための曲げモデルは完全に自己充足的クラス・ライブラリを介して実行される。この発明の1つの側面により、オブジェクト指向プログラム技術に基づく、前記曲げモデルのための代表的データ構造及びアクセス・アルゴリズムの記述が提供される。図26は、本願発明をオブジェクト指向プログラムにより実行する際使用される前記曲げモデルの代表的データ構造及びアクセスアルゴリズムを図示する。オブジェクト指向プログラムは、データを含む複数のオブジェクト或いはモジュールのみならずそのデータに作用する複数の指示を結合することにより現実世界をモデル化することができるソフトウエア展開の1つのタイプ或いは形態である。オブジェクト指向プログラムにおいては、オブジェクトは板金パーツのごとき、何か物理的なものをモデル化するソフトウエアエンティティーであり、或いはそれらはビジネス上の商取引のごとき仮想的な何かをモデル化するものである。オブジェクトはそのオブジェクトの状態を集合的に定義する1つもしくはそれ以上の属性(即ちフィールド)を含み、且つ全ての他のオブジェクトからそれを識別するための識別子を含む。更にオブジェクトはある種の条件の存在に基づいて、前記属性を修正し或いは前記オブジェクトに対して作用をなす一群の方法(即ち手続き)により定義される振る舞いを含む。
【0207】
この発明の実施例によれば、前記板金パーツはオブジェクト指向データモデルとして表現される。図26に示されるように板金パーツの曲げモデルは完全に自己充足的なクラスライブラリとして定義される。前記板金パーツのための全ての要求されるデータ操作及び機能(例えば折曲げ、展開等)はこのクラスライブラリの要素機能として取り込まれる。全ての幾何学的或いはトポロジーデータは前記曲げモデルの中で分類される複数のオブジェクトの内部で定義される。前記曲げモデルクラスライブラリは複数のクラス或いはオブジェクトの階層であり、パーツクラスはその階層の最上レベルのクラスである。前記パーツクラスは種々のパーツ属性を有するパーツオブジェクトを含み、前記パーツ及び前記パーツに対してなされる複数の作用を定義する種々のオブジェクトを含む。
【0208】
図26は、前記曲げモデルクラスライブラリにおいて分類される種々のオブジェクトの例を示す。例えば種々の属性52を含むパーツクラス50が提供される。前記パーツ属性52はパーツ番号及び/又は名前、パーツ材料タイプ及びパーツの厚さのごとき種々のパーツ情報を含む。前記属性52はまた、複数の曲げがなされる順番を指示するための曲げ順情報及び前記パーツの種々の寸法についての誤差要求のごとき他の製造情報を含む。前記パーツクラス50はまた図26に示されるように面オブジェクト54、穴オブジェクト56、成形部オブジェクト58、及び曲げ線オブジェクト60のごとき種々のオブジェクトを含む。前記オブジェクト54,56,58及び60の各々はそこに表現されたエンティティー(例えば面、穴、成形部、及び曲げ線)の各々についての一群のオブジェクトからなる。前記面オブジェクト54、穴オブジェクト56、成形部オブジェクト58、及び曲げ線オブジェクト60はそれぞれ幾何学形状及び寸法データ、2次元及び3次元空間表現における位置及び座標データ、及び前記パーツのそれらの各エンティティー(例えば面、穴、成形部、及び曲げ線)の端及び表面に関連するデータを含む。例えば、前記面オブジェクト54は、前記複数の面の各々についての幾何学形状及び寸法データ、2次元及び3次元表現における前記複数の面の空間位置データ、及び前記複数の面の端及び表面についての端及び表面データを含む。更に、成形部オブジェクト58は、前記パーツにおける特殊な成形部に関連するデータを含み、このデータは幾何学形状及び寸法データ、2次元及び3次元空間位置データ、及び端及び表面データを含む。
【0209】
図26の実施例に更に示されるように、パーツクラス50は更にトポロジー・オブジェクト62及び曲げ特性オブジェクト64を含む。前記トポロジーオブジェクト62は、前記パーツの前記面、穴、成形部及び曲げ線についてのパーツトポロジーデータを含む。前記トポロジーオブジェクト62におけるデータは前記パーツの前記種々の特徴の構造的及び幾何学的関係を示す。前記曲げ特性オブジェクト64は前記パーツの1つ或いはそれ以上の特徴についての特殊な製造上の拘束に関する情報を含む。例えば如何に前記板金パーツが曲げられるべきであるかに関する曲げ特性情報が、前記曲げ特性オブジェクト64に設けられる。前記曲げ特性情報は、異なる曲げ特性タイプ(例えば同時曲げ、同一直線上曲げ、Z曲げ等)についての特殊製造データを含む。
【0210】
前記曲げ線オブジェクト60は、また行なわれる曲げに関連する製造特殊データを含む。従って、各曲げ線についての幾何学的或いは寸法データ、2次元及び3次元空間位置データ、端データに加えて、前記曲げ線オブジェクト60はまた、各曲げ線についてのV幅データ、曲げピッチデータ、曲げ数データ及び/又は配向データを含む。各曲げ線は、図26に示すように付随する曲げ操作を含む。この曲げ操作は、各曲げ線において曲げを行なうためのデータ及び操作/指示を有する一群のオブジェクトとして実行される。仮にオブジェクトとして提供されると、各曲げ操作は、曲げ角度、曲げ半径及び/又は曲げ縮小量のごとき固有の曲げデータのみならず、如何に或いはどのタイプの曲げを行なうべきか(例えば円錐曲げ、Z曲げ、ヘミング、円弧曲げ等)を指示するデータ及び指令を含む。
【0211】
前記パーツの曲げモデルを、オブジェクト指向データモデルを介して実行することにより、全ての複雑な数学的計算、計算幾何学及びマトリックス変換が単一のクラスライブラリに組み込まれる。ヘミング、Z曲げ及び円弧曲げのごとき特殊な曲げ操作もそのクラスライブラリに取り込まれる。更にV幅及び曲げ縮小量及び曲げ順のごとき製造情報もそのクラスライブラリに取り込まれる。前記曲げモデルにより、前記2次元平面モデル及び3次元モデルの同時二重表示が図26に示すように行なわれる。更に、前記曲げモデルの曲げ線オブジェクト60に応じて曲げ加工が行なわれる。前記曲げモデル及びパーツ構造並びにそれらについての実行に関連する一般的なコメントはここに添付した付録Kに提供される。
【0212】
曲げモデルビューアが前記曲げモデルを解釈し、2次元及び/又は3次元表現における前記パーツの視覚的な画像を表示するために設けられる。図27は、この発明の他の側面による、前記曲げモデルビューアの構造と前記曲げモデルとの関係のブロック図を図示する。前記曲げモデルビューアはオブジェクト指向プログラム技術を介して実行され、前記設備38における種々の場所10,12,14,…20の前記ステーションモジュールにおけるユーザが前記曲げモデルに設けた情報に基づいて前記パーツの種々の図を表示できるようにするウインドウズに基づくアプリケーションである。前記曲げモデルビューアは、前記板金パーツを視覚化するために用いられる一群のアプリケーション・ライブラリ・モジュールを含む。更に、前記曲げモデルビューアは、ウインドウズ・アプリケーションの画像クラスとして設計され、従ってそれは任意のウインドウズ・アプリケーションについての基本的画像クラスとして使用される。前記2次元及び3次元モデルを見るための殆どの標準的操作(例えばズーム92、回転96、パン100、寸法102等)は前記曲げモデルビューアの要素機能として実行される。幾何学的変換及び基本的コンピュータグラフィックス技術は、画像操作を実行する際に前記曲げモデルオブジェクトに対して適用される。更に、前記曲げモデルビューアは、画像モデル属性88を含み、それはソリッド画像、ワイヤフレーム画像、2次元平面画像及び正射影画像を含む4つの主なる画像モードを有する。
【0213】
この発明の1つの側面によれば、前記曲げモデルクラスライブラリ80は、選択された画像(例えばソリッド、ワイヤ、2次元平面又は正射影画像)に応じて、前記板金パーツに作用する一群の手続き又は機能を含む。前記曲げモデルビューア観察クラス84は、ズーム92、回転96、パン100及び寸法102のごとき、一連の標準的操作を含む。そして、前記曲げモデルビューアの状態に応じて、前記曲げモデルビューア観察クラスは、前記曲げモデル・クラス・ライブラリ80から複数の機能を呼び出す。図27に示されるように、ユーザにより選択される前記種々の観察モデル属性或いは特徴88は、ソリッド画像、ワイヤフレーム画像、2次元平面画像及び正射影画像を含む。この発明に設けてあるこれらの種々の観察モードの記述は図28−31を参照して以下に提供される。
【0214】
基本的コンピュータグラフィックス及び幾何学的モデル化技術、例えば幾何学的変換及び3次元幾何学的技術は、前記曲げモデルの種々の特徴を実行し且つ異なる観察モード或いは機能を提供するために使用される。コンピュータに基づいた2次元及び3次元のモデル化及びシミュレーションにおける最近の発展及び展開、例えばグラフィックライブラリ或いはパッケージの効用はこの発明のこれらの特徴を実行するために適用される。更に、コンピュータグラフィックス及びモデル化については広い種類の刊行物或いは文献が利用可能である。例えば、モルテンソン、フォリー等、マンティラを見よ。それらの各々は上に記載した。
【0215】
この発明の種々の観察及びモデル化の特徴を提供するために各ステーションモジュール及びサーバモジュールは、800×600の解像度を有するSVGAスクリーンのごとき高解像度表示スクリーンを有する。ジョイスティック及び/或いはゲームカードも前記ステーションモジュール及びサーバモジュールに提供され、ユーザが、前記パーツの異なる2次元及び3次元表現を選択的に修正し且つ観察することを可能とする。ソフトウエアに基づいたグラフィックス・パッケージ、例えばオープンGL(OpenGL)及びレンダウェア(RenderWare)は、グラフィック計算を行なうために使用される。それらのグラフィックライブラリ或いはパッケージはウインドウズに基づいたアプリケーションで種々の観察モードを実行するために使用される。例えばオープンGLは前記曲げモデルに設けてあるパーツ幾何形状及びトポロジーデータに基づいて種々の2次元ワイヤフレーム画像を実行するために使用される。更にレンダウェアは前記曲げモデルに設けてあるパーツデータに基づいて、前記板金パーツの種々の2次元及び3次元ソリッド画像を表示するために使用される。オープンGLについての更なる情報については、例えばオープンGL・レファレンスマニュアル及びオープンGL・プログラミングガイド、リリース1、オープンGL・アーキテクチャ・レビュー・ボード、アディソン−ウエズレイ発行社、リーディング、マサチューセッツ(1992)を見よ。レンダウェアの情報については例えばレンダウェアAPIレファレンスマニュアルV2.0、クライテリオンソフトウエア株式会社、イギリス(1996)を見よ。
【0216】
前記パーツの種々の画像を表示するために、前記曲げモデルは例えばオペレータのステーションモジュールにより前記データベース30からアクセスされる。前記曲げモデルデータは、使用されているグラフィック・ライブラリ或いはパッケージ(例えばオープンGL又はレンダウェア)により使用されるデータフォーマットに応じて再フォーマット化される。しかる後、前記グラフィックデータは、オペレータにより選択された観察モード(ワイヤ、ソリッド等)を表示し、或いは前記ユーザにより実行された観察機能(ズーム、パン等)を実行するために種々のプログラムされた順序に従って加工される。
【0217】
特定の観察モードがオペレータにより選択される時、選択された観察モードは、前記画像の現在のズーム比率或いはファクター及び向きと共に検出される。この情報は、次に前記現在の表示を更新するために前記グラフィックパッケージに対して機能コールを行なうために使用される。前記グラフィックパッケージに対する機能コールは、表示される観察モード並びに実行されるズーム或いはその他の観察機能に応じて行なわれる。これらの機能コールに基づいて前記グラフィックパッケージは必要なデータを提供し、従って前記ステーションモジュールは前記オペレータに対して前記パーツの画像を表示する。前記ユーザによる前記2次元又は3次元表現の修正(例えばジョイスティック或いはマウスを移動することにより)に基づいて前記表示された画像を更新するために追加の機能コールは前記グラフィックライブラリに対してなされる。
【0218】
前記パーツのワイヤフレーム画像を提供するために、前記グラフィックパッケージに対して前記パーツの線分エンティティーデータが提供され必要なグラフィック計算がなされる。しかし、ソリッド画像については、前記面の各々について1つもしくはそれ以上の多角形(ポリゴン)が引き出され、前記画像を表示するために前記グラフィックパッケージへ入力として提供される。オープンGL及びレンダウェアのようなグラフィックパッケージは、多角形データを入力として取得し、ソリッド画像を提供するために前記多角形により定義される領域を満たす。前記多角形は、前記曲げモデルにおける面及び曲げ線情報から導出され各面の境界を決定することにより導出される。前記多角形は前記パーツの各面を表示し且つ定義するために生成されなければならない。これらの面は次に、板金パーツ全体を表示するために、前記曲げモデルにおける前記パーツトポロジー及び他のデータに基づいて接続される。仮に面が開口部或いは穴を有する場合には、そのような開口部を囲まない幾つかの多角形を有する面を定義することが必要となる。正射図については、個々の図の各々(それはワイヤフレーム又はソリッドである。)についてのデータは前記グラフィックパッケージに送られ、図31に示されるごとく、結果としての複数の図が単一の表示スクリーン上で結合される。前記曲げモデル像の種々の観察モード及び機能を実行するための代表的コードは付録Eに提供される。このサンプルコードはC++で記載され前記プロセス及びそこで実行される操作に関連する複数のコメントを含む。適当なグラフィックパッケージ(例えばオープンGL及びレンダウェア)との結合における前記コードは異なった図(例えば2次元及び3次元ワイヤフレーム或いはソリッド)を表示するために使用されるだけでなく、前記観察機能(例えばズーム、回転、パン等)の各々の機能を提供する。表示される種々の観察モード表示スクリーンの簡単な説明が以下に与えられる。
【0219】
ソリッド図モードは、前記曲げモデルにより定義される前記パーツの、ソリッドで表示される3次元図を表示する。図28は前記板金設備38内での位置10,12,14,…20のいずれかにおいて設けてある表示スクリーンへ出力として提供される代表的ソリッド図ウインドウを図示する。このソリッド図モードにおいて、ユーザ或いはオペレータは、3次元空間でのナビゲーション及び3次元自動寸法付けを操作するための複数の観察機能を与えられる。前記パーツのソリッド図を変更するために設けられる基本的な機能は回転、ズーミング、パンニング、及び/又は標準図選択を含む。前記ユーザにより与えられ或いは選択される前記標準図は以下を含む。即ち等測投影法図、平面図、底面図、正面図、背面図、左図、及び右図。自動及びマニュアル寸法付け操作がまた提供され、現在の観察角度に基づいて前記パーツの重要な寸法を表示する。この発明の寸法付け特性の代表的例が、図32−36を参照して以下に提供される。
【0220】
図28に示されるようにソリッド図ウインドウはウインドウズに基づいたアプリケーションであり、従って前記パーツの複数のウインドウ或いは部分図が提供される。前記複数の図のウインドウは、ウインドウの中で1つの極めてクローズアップされた単一の図を提供する拡大図及び単一のウインドウにおいて前記パーツの極めて遠くからの図を与える鳥瞰図を含む。前記部分図はユーザにより選択されたオブジェクトの部分図を与える。前記種々の観察機能を制御するために、前記場所10,12,14,…20の各々の前記サーバモジュール32及びステーションモジュールに、ジョイスティックインタフェースが設けられる。前記ジョイスティックだけ及び/又はキーボード上の所定のキー(例えばシフトキー又はコントロールキー)の操作との組み合わせの操作が、回転及びパンニング及びズーミングのごとき種々の機能を実行するためにユーザにより行なわれる。更に、前記パーツのソリッド図の表示される生地は、データベース内での前記パーツについて特定された材質をシミュレートするように選択される。この目的のために、スチール、ステンレススチール、アルミニウム等のごとき材料の生地のライブラリを有する材料生地ライブラリが提供される。格納された材料生地ライブラリはソリッド図が存在する時オペレータによりアクセスされ適用される。従って、表示されるパーツの表面は前記板金パーツの実際の生地をより忠実にシミュレートする。
【0221】
前記ワイヤフレーム図モードは、前記板金パーツのワイヤフレーム図のウインドウズに基づいた表示を提供する。ワイヤフレームウインドウの例が図29に示されている。前記ワイヤフレームにおける3次元空間ナビゲーション及び3次元寸法付けを提供するためのキーの機能は、前記ソリッド図に関して上に記載したと類似である。例えば回転、ズーミング、パンニング及び標準図の選択のごとき機能が提供される。自動寸法付け、多重図ウインドウ及び断面図オプションも前記ワイヤフレーム図モードにおいて提供される。更に、ジョイスティック及び/又はキーボードインタフェースが、ユーザが前記種々の観察機能を選択し且つ活性化することができるように提供される。
【0222】
前記2次元平面図モードはワイヤフレーム表示において、前記パーツの展開された2次元平面図を表示する。2次元平面図ウインドウの例が図30に示されている。この2次元平面図モードはユーザがウインドウ中の図を変更し又は改造するのを可能とするための複数の観察機能を有する。例えばユーザが前記2次元平面ワイヤフレーム図を選択的にズームし且つパンするのを可能とするようにズーミング及びパンニング機能が設けてある。更に、寸法付け及び多重ウインドウ観察機能が、前記ソリッド図モードに関して上記したと同様の態様で設けてある。ジョイスティック及び/又はキーボードインタフェースはユーザがパンし、ズームし他の観察機能を制御するのを可能とするように設けてある。前記パーツに設けられている特殊な成形部または形状は、特殊な成形部の指示又は記載と共に、前記成形領域の前記最も外側の境界についての成形または形状として表示される。
【0223】
図31に図示されるような正射図ウインドウも前記曲げモデルビューアの一部として提供される。前記正射図モードはワイヤフレーム表示において平面図、正面図、右図及び等測投影法図を表示する。隠れ線オプションが、観察角度に基づいてブロックされた線を見えなくするために設けられる。この隠れ線オプションは各図のウインドウを簡単化するために用いられる。前記正射図モードにおいても種々の観察機能が提供され、ユーザが前記ウインドウにおいて現在の図を選択的に操作し且つ変更するのを可能とする。例えば、ズーミング及びパンニング機能が寸法付け及び多重ウインドウ観察機能と共に設けられる。上記したように、多重ウインドウ観察機能が設けられ、ユーザが、多重ウインドウにおいて前記正射図の拡大図及び/又は鳥瞰図を選択的に表示することを可能とする。ジョイスティック及び/又はキーボードインタフェースが、前記複数の場所の各々に設けられ、ユーザが、前記正射図モードにおいて前記複数の観察機能の各々を選択的に活性化し且つ操作するのを可能とする。
【0224】
上記した種々の図の表示の各々を表示せしめるのに加えて、前記曲げモデルビューア観察クラスは他の特徴と共に実行される。例えば前記曲げモデルビューアはオペレータにより選択され強調されている、現在の図における複数の項目或いはエンティティーを指示するための選択集合を含み且つ維持する。この発明の1つの側面によれば、オペレータは、選択された項目に関連するデータを修正し或いは前記パーツのそれらの項目の所定の操作を行なうために、前記表示されたパーツの面及び曲げ線及び他の特徴を選択することを可能とされる。例えばオペレータは、表示されたパーツの面を選択し、その面のその幅或いは長さに沿っての寸法データを変更することができる。オペレータはまた曲げ角度又はV幅のごとき各曲げ線に付随する種々の曲げデータを修正することができる。
【0225】
前記曲げモデルビューアはユーザにより選択されたエンティティー或いは項目(例えば面、曲げ線、面或いは曲げ線の端等)のリストを保持する。観察者はそのリストを更新する。従ってオペレータにより現在選択されている現在の項目は前記選択リストに常に保持される。この発明におけるソフトウエアの他の部分は、異なる手順(例えばマニュアル寸法付け等)を実行し或いは行なう際、選択されたエンティティーの前記現在のリストの図面クラスを呼び出す。
【0226】
更に前記曲げモデルビューアは観察可能性機能を提供する。それは現在表示されている図に基づいて観察可能性情報及び座標情報を提供する。以下に更に十分に説明されるように、前記観察可能性機能は前記パーツの特定な部分或いはエンティティーがスクリーン上で現在観察可能であるか否かについての情報を提供し且つスクリーンエンティティーが現在位置する場所についての座標情報を提供する。前記曲げモデルビューアの観察可能性機能は、前記パーツのどの部分が現在スクリーン上で観察可能であるかを決定するためにこの発明の寸法付け特性により呼び出される。従ってスクリーン上で観察可能である前記パーツの部分の寸法情報のみが観察者に対して表示される。この発明の寸法付け及び観察可能性機能のより詳細な説明は以下に提供される。更に前記曲げモデルビューアの観察可能性機能を実行するための代表的コードはここに添付する付録Jに提供される。
【0227】
図32−36を参照するに、この発明の1つの側面に基づく、寸法付け特性の事例が説明される。上記したように、観察モードの各々は現在の観察方向に基づいて、前記パーツの寸法を自動的に表示する寸法付け機能を含む。自動寸法付け機能は、現在の観察角度においては見ることができないフランジ或いは曲げ線の寸法がユーザに対して表示されないように提供される。前記自動寸法付け機能或いはモードが活性化される時、前記パーツの観察可能な寸法のみが、現在の観察角度に基づいて表示される。更に、自動寸法付けモードにおいては、所定の寸法(即ち前記曲げ操作に対して重要である寸法)のみが現在の観察角度の状態に基づいて表示される。マニュアルの寸法付けモードも提供され、ユーザがどの寸法が表示されるべきであるかを選択的に指示することを可能とする。このマニュアル寸法付けモードにおいては、ユーザにより選択された寸法事項のみが、現在のパーツの観察角度に基づいて表示される。いずれの寸法付けモードにおいても、表示された寸法事項は、前記パーツがズーム化され或いはパンされる時ウインドウ表示から消去され或いは除去される。
【0228】
図32は自動寸法付けモードにおいて表示される種々の寸法事項の例を図示する。前記自動寸法付けモードにおいて表示される寸法事項は、曲げ操作に重要な事項(例えばフランジ長さ、曲げ線長さ、曲げ角度等)からなり、パンチ加工された穴或いは開口部の寸法のような余分な寸法事項ではない。前記表示される寸法事項は例えば前記板金パーツの幅、深さ、及び高さ並びにフランジ長さを含む。更に、各曲げ線の前記曲げ線長さL、曲げ角度A、内側半径R及び曲げ縮小Dは単独で或いは一緒に、1つのウインドウに或いはグループ情報ボックスに表示される。上記したように、現在の観察角度に基づいて観察可能な寸法事項のみが表示される。更に前記オペレータが、前記パーツの観察角度を変えるために回転、ズーミング或いはパンニングをする時全ての寸法は表示から消去され或いは除去され、各操作が完了した時それらの寸法は再び表示される。表示情報(任意のテキスト或いは参照矢印)の寸法及び向きは、現在のズームの比率或いは観察角度ではなくスクリーンの寸法に対して常に寸法調整される。しかしながら、前記寸法情報の可読性を改良するために前記寸法情報の色、スタイル、重み及び/又はフォントはユーザがそれらを変更できるように形成可能である。結果としてオペレータ或いはデザイナーは、前記寸法情報の特殊の色、フォントサイズ等を選択することによりパーツにおける重要な寸法を強調することができる。例えば、寸法テキストの色、寸法又はフォント又は、寸法参照事項、線又は矢印の色、線の重み或いはスタイルは、パーツにおける重要な寸法を指示するために強調され或いは選択的に変更される。オペレータはまたウインドウ情報ボックスを色付けし満たし或いはスタイル付けし或いは特定の曲げ線を色付けし或いはパーツ内の他の重要な寸法を強調する。
【0229】
この発明の寸法付け特性を実行するために種々のプロセス或いは操作が利用される。更に上記したように本発明の寸法付け特性に対して観察可能性情報を提供する観察可能性機能を、前記曲げモデルビューアは備える。これらの機能或いは特性は、例えばサーバモジュール32及び/又は工場全体に位置するステーションモジュールのそれぞれでソフトウエアにより実行される。この発明の自動寸法付け特性を実行するための代表的コードが付録F−Iに設けてある。更に、曲げモデルビューアの観察可能性機能のためのサンプルコードが付録Jに設けてある。これらの付録におけるコードはC++プログラム言語で書かれており、そこで行なわれる手続き及び操作の論理フローの理解を容易にするためのコメントを含む。
【0230】
この発明の寸法付け特性の論理フローは一般的に3つの段階に分類される。第1の段階で、前記パーツの曲げモデル幾何形状及びトポロジーデータがデータベース30からアクセスされ、前記パーツの全ての寸法並びにそれらの寸法が表示され得る全ての態様を計算するために使用される。前記パーツの各曲げ線及び面について、データが表示され得る全ての最も遠い点が計算され、これらの点について、寸法線或いは矢印が表示され得る全ての方法が計算される。前記寸法データ或いは他の情報が表示され得る場所を決定する際に一定のヒューリスティックが適用される。例えば一般的なルールとして、全ての情報は前記パーツの外側にのみ表示されると決定される。このようなヒューリスティックが、前記ビューアに対してより意味のあるそしてより込み合わない情報の表示を提供するために適用される。
【0231】
上記した第1の段階は、本発明の寸法付け特性がオペレータにより活性化された際常に実行される。或いは、前記第1段階の計算は前記パーツが最初にオペレータにより観察された際にのみ行なわれる。このような場合に、前記計算されたデータは次の使用のためにメモリに格納され、前記パーツの寸法或いは他の幾何学的データがユーザにより修正され或いは変更された時変更される。更に前記第1段階の全ての計算は図面スクリーンに対してではなくパーツの幾何学形状に対して行なわれる。従って前記データは、現在の図面に関わりなく或いはその図面が変更されても何時でも再び使用され得る。
【0232】
この発明の自動寸法付け特性の第2段階は前記パーツの図面が更新された時常に行なわれる。この第2段階の主たる目的は、変更された図において前記パーツのどのエンティティーが観察可能であるかに基づいて前記第1段階中に生成されたデータをふるいにかけることである。この第2段階において、現在の図において観察可能でない全てのデータはふるいにかけられ、現在観察可能である、前記第1段階において計算されたデータのみが残る。前記パーツのいずれの点あるいは部分が現在観察可能であるかを決定するために前記曲げモデルビューアに対する機能コールがなされる。上記したように、前記曲げモデルビューアは、表示されている現在の図に基づいて前記パーツの観察可能な部分についての情報を保持し且つ提供する観察機能を含む。前記パーツの向きに基づいて前記曲げモデルビューアは前記パーツのどの面及び曲げ線(並びにそれらの面及び曲げ線のどの端或いは部分)が観察可能であるか、そして何がスクリーン上で隠されているかを決定する。
【0233】
上記したように、前記曲げモデルビューアの観察可能機能を実行するためのサンプルコードは付録Jに提供される。前記パーツのいずれの点あるいは部分が観察可能であるかを決定するために、前記曲げモデルビューアは前記パーツの現在の図の向き及び現在のズーム面又は表示されているパーツの比率を決定し且つ維持する。前記曲げモデルビューアはこの現在の図の向きを決定し維持するために従来の透視図射影技術(モルテンソンの例えば12章を見よ)を使用する。前記パーツの任意の点の観察可能性を決定する際に前記点の世界座標(即ちそこにおいて前記パーツが表現されているところの座標)を前記観察可能性機能は獲得する。次に、前記現在の図面の向き及びズーム面あるいは比率に基づいてその点について、前記世界座標に対応するスクリーン座標(即ちスクリーン上の画素の位置)が決定される。その後、前記スクリーン座標に基づいて、前記スクリーンの観察点の眺めから前記部品の任意のエンティティー或いは部分が問題の点の前方にあるか否かが決定される。前記パーツの上の点の隠されている特性は、前記パーツの他のエンティティー或いは部分が問題の点と同じスクリーン上の点を割り当てられているかどうかに基づいても決定され得る。グラフィックパッケージ或いはライブラリ(例えばオープンGLあるいはレンダウェア)への機能コールは、前記パーツの1つの点以上が同じスクリーン上の点に割り当てられているかどうかを決定するために使用される。もし何かが同じスクリーン上の点に割り当てられているならば、それらの点のそれぞれのZバッファ深さに基づいて、前記パーツの点がそれの後ろにあるかどうかが決定される。前記Zバッファ深さはオープンGL或いはレンダウェアのごときグラフィックパッケージにより使用され、観察点或いはカメラ位置からそれぞれの点への距離を定義する。前記Z深さは、興味のある前記パーツの複数の点について前記グラフィックパッケージへ機能コールを行なうことにより決定される。
【0234】
前記曲げモデルビューアの観察可能性機能の前記プロセスはこの発明の自動寸法付け特性から前記曲げモデルビューアへ催促がある時いつでも実行される。そのようなプロセスは従って前記オペレータにより表示されているパーツの現在の図が修正され或いは変更される時いつでも実行される。上記したように、前記曲げモデルビューアは、表示された画像の向きに対して変更がなされる時は常に、現在の図の向き及びズーム比の状態を維持し且つ更新し、従って要求される時観察可能性情報を正確に提供する。
【0235】
どのデータが観察可能であるかを決定した後、自動寸法付け機能は、(例えば第1段階での計算に基づいて)前記寸法データ或いは他の情報が表示され得る全ての可能な方法及び位置を決定する。前記データが表示され得る全ての可能な方法からデータを表示するための最適の方法を選択するために一群のヒューリスティックが適用される。例えば第1のヒューリスティックは、観察者の観察点により近いスクリーン上の領域が好ましいと要求する。第2のヒューリスティックは、前記寸法を定義するための2つの可能な点の間の距離が最小であるところの領域により近い領域にデータは表示されるべきであると規定する。他のヒューリスティックはまた、スクリーン上での重なり合い或いは混雑を避けるために、他の寸法データ或いは他の情報の相対的位置に基づいて適用される。
【0236】
前記パーツの観察可能な部分及び前記観察可能な領域についての情報を表示するための最適の領域を決定した後、前記自動寸法付け機能の第3の段階は前記表示スクリーン上で種々の情報を描くために実行される。例えば、前記情報を表示するための領域の選択に基づいて、寸法情報は前記パーツの観察可能な寸法の各々についてスクリーン上に表示される。更にどの曲げ線が観察可能であるかに基づいて、曲げ線情報がまた、他のパーツ情報とオーバーラップしないスクリーンの領域において情報ボックス(例えば図32に示されるそれ)に表示される。前記パーツの幅、高さ、及び深さを含むパーツの寸法はまた前記スクリーン上の所定の位置(例えば前記パーツの右下)或いは前記パーツに最も近く他の情報にオーバーラップしない或いはそれを邪魔しない位置に表示される。
【0237】
図33−36は前記寸法付けモードにおいて寸法事項を表示する際に、使用される種々の方法及び定義を図示する。特に図33(a)−33(b)及び33(c)は、種々の異なるパーツについてフランジ寸法が定義される方法を図示する。この発明の1つの側面によれば、前記フランジ長さは、各曲げ線からフランジ上で最も遠い点として定義される。もし前記曲げ線と並行であるフランジの最も長い端部に前記フランジの最も遠い点が存在しない場合には、前記寸法付けモードにおいて最も長いフランジが追加され表示される。限定しない事例として図34(a)及び34(b)は、2つの異なるタイプのパーツについて補助的なフランジ長さを追加することを図示する。前記パーツの厚さが表示される時、フランジ長さは外側寸法の外側として表示される。例えば図35(a)、35(b)及び35(c)は、厚さを有して表示される種々のパーツについて前記フランジ長さが指示される態様を図示する。更に、鋭角の曲げを備えたパーツについて、前記フランジ長さは種々の方法で表示される。例えば図36(a)に示されるように、フランジ長さは、接線寸法定義に基づいて表示され、そこでは前記フランジ長さは前記鋭角曲げから延長される接線から測定される。或いは、前記鋭角曲げ角度の2つの辺から延長された2つの直線の交差により定義される点に基づいてフランジ長さを定義するために、図36(b)に示されるそれのごとき交差寸法方法が使用される。オペレータは、前記フランジ長さを表示するために前記接線寸法或いは交差寸法方法のうちから選択することを可能とされ、及び/又は特定の寸法方法(例えば接線寸法方法)はデフォルト設定として提供される。
【0238】
曲げコード順番の生成を促進するために、種々の表示機能を有した図形的ユーザインタフェースが設けられ、オペレータによる曲げプランの生成を助ける。図37−44はこの発明の他の側面により、図形的ユーザインタフェースの使用により曲げコード順番を生成するために実行される種々の手続き及び操作を図示する。通常、最初の曲げモデルデータ及び他の作業情報はサーバモジュール32において重要な幾何学的及び製造データを入力することにより設計プログラマにより生成される。結果としての曲げモデルファイルは次にデータベース30に格納される。板金パーツが製造される前に、曲げオペレータが、所望の曲げ操作を実行するための曲げ順を生成する必要がある。この曲げオペレータは、どのタイプの工具が必要であるかを決定し且つ前記曲げ機械装置について工具取付けを定義しなければならない。この曲げプラン生成の工程は、図形的ユーザインタフェースの使用によりまたこの発明の種々の教示により援助され、且つより効率的となる。
【0239】
前記曲げプランを生成するために、例えば曲げステーション18の曲げオペレータは、前記データベース30から前記曲げモデル及び他の作業情報へアクセスし且つダウンロードする。前記関連するパーツについての曲げモデルは前記コミュニケーションネットワーク26を介して曲げステーション18における工場フロア上のステーションモジュールへ搬入され或いは移入される。この工程は、一般的に図37のステップS220に示される。その後、ステップS224で曲げオペレータは、前記曲げモデルビューアを用いて前記パーツの形状及び寸法を調べる。ここで、前記曲げオペレータは、前記曲げステーションに位置付けられた表示スクリーンで前記パーツの種々の2次元及び3次元図を選択的にズームし且つパンする。この発明の自動寸法付け特性を活性化することにより、前記曲げオペレータはまた曲げ操作を実行するために前記パーツの重要な曲げ寸法を観察する。
【0240】
一旦オペレータが前記パーツの形状及び寸法を理解すると、この曲げオペレータはステップS228で曲げ順入力ウインドウを選択し且つ表示することにより前記曲げプランを生成することを開始する。前記曲げ順入力ウインドウは、曲げオペレータが曲げ順を生成し且つ修正し且つ消去するのを援助するために図形的ユーザインタフェースを提供し且つオペレータが、前記曲げ順における各段階についての種々の製造パラメータ(例えばバックゲージ位置、工具、NCデータ等)を特定し且つ入力することを可能とする。前記曲げ順入力ウインドウは前記スクリーンの一部(例えばスクリーンの中央部或いはスクリーンの左側の方)に表示される前記パーツの2次元平面図画像を含む。前記2次元平面図画像は、前記パーツのフランジ、穴及び開口部を含む、前記展開パーツの種々の特徴を含む。前記曲げオペレータが前記複数の曲げ線及び各曲げ線についての曲げ順を選択し且つ指示すると、各曲げ段階における前記中間的パーツ形状のソリッド2次元或いは3次元画像が現れ、例えば図38に示されるように、スクリーンの右側の端のごときスクリーンの一部にそれらが提供される。前記中間パーツ形状の画像は入力された曲げ順に対応した順番で表示され且つ(図38の例に示されるように)前記パーツの2次元平面図と共にスクリーン上に同時に表示され、或いは別個のスクリーン表示に別個に表示される。
【0241】
更に各曲げ線が選択されるにつれて、前記曲げ線は強調され、図39(a)に一例として示されるように、曲げ順番号及び挿入方向(例えば矢印で表現される)が前記曲げ線の上或いは近くに表示される。各曲げ線についての前記曲げ線番号は、それが選択される順番に基づいて自動的に設定され、或いは各曲げ線が選択された後オペレータによりマニュアルで入力される。曲げ角度、曲げ線長さ、及びバックゲージ位置のごとき曲げ線に関連する他の製造情報も、図40及び41に例として示されるように、各曲げ線が選択され強調されるとき入力され及び/又はスクリーン上に表示される。図40及び41に示すように、ダイアログ或いは情報ボックスがスクリーン上に表示され、曲げオペレータが各曲げ線に関連する製造情報及び他のパラメータを選択し、入力し或いは修正することを可能とする。
【0242】
前記ダイアログ或いは情報ボックスは、曲げオペレータが曲げ線を強調し或いは選択するのを可能とする。ホット機能キー或いは高速スイッチキーが前記曲げシーケンス入力ウインドウに表示され、オペレータが工具立てを選択し或いは入力し且つNCデータを監視し且つ修正するのを可能とする。例えば曲げオペレータは、工具機能キーを選択し、前記曲げ順入力ウインドウから、工具立て情報を入力するための工具入力表示スクリーン或いは複数の表示スクリーンへ切替える。NC機能制御キー(例えばNC9EX)も設けられ、オペレータが実行されるべき曲げ操作に関連するNCデータを監視し及び/又は修正するのを可能とする。更に図40及び41に示されるように、曲げ線を定義し及び/又は修正すること及び関連する製造情報に関連して他の機能キー及び制御部が設けられている。例えばZOOM ALLキーが、前記2次元平面図画像をズームイン及びズームアウトするために設けられている。バックゲージキーは、前記バックゲージの位置を選択し或いは設定するために設けられている。グループ化及びグループ解除化制御キーは、一緒に曲げられる複数の曲げ線を可能とし或いは制御するために表示される。更に制御キー(例えばアマ曲げ)が特殊な曲げ操作を定義するために設けられている。他の機能キーも表示されオペレータが前記曲げ順を選択し、修正し及び/又は消去するために設けられている(例えばREMOVE CLEAR FWD、CLEAR ALL、OK、CANCELL)。この曲げ順入力ウインドウにより、曲げオペレータは、前記曲げ順及び種々の製造情報を効率的に監視し且つ修正することが可能となる。
【0243】
更にこの発明の他の側面によれば、前記パーツの断面図及び/又はパーツの曲げシミュレーションが、前記曲げ順における各曲げ工程についてスクリーン上に表示される(例えば図41を見よ)。前記断面図及び曲げシミュレーションは前記スクリーン上に選択的に表示され、或いは曲げオペレータにより各曲げ線が選択される時表示される。前記断面図及び曲げシミュレーションは、例えば上下曲げ工具(例えばパンチ及びダイ)又はバックゲージ位置・設定の表現を含み、それらは前記2次元平面図画像と共に同時にスクリーン上に表示され或いは異なるスクリーン表示上に別個に表示される。前記バックゲージ位置は前記パーツのトポロジーに基づいて自動的に決定され或いはオペレータにより設定され或いは修正される。前記曲げ線のための工具立て情報が入力されておらず或いは曲げオペレータにより設定される場合には、前記断面図及び/又は曲げシミュレーションはスクリーン上に表示されず又は前記中間パーツ形状の表現及び計算され或いは定義されたバックゲージ位置のみが表示される。前記曲げシミュレーションは、前記パーツの所望の反転、前記パーツの操作及び配向動作及び/又は各曲げ線でなされる前記パーツの曲げ加工の表示されるシミュレーションを含む。前記表示スクリーン上に前記パーツの2次元平面図画像と共に、曲げ工程の前のパーツの断面図及び曲げ工程がなされた後の前記パーツの断面図を同時に表示することもまた可能である(例えば図41を見よ)。これらの断面図は、スクリーンの右側に提供され前記曲げ順における各曲げ工程についての前記上下曲げ工具及びバックゲージの表現を含む。更にズーム制御或いは機能キー(ZOOM IN及びZOOM OUT)が表示され、オペレータが、前記曲げ前及び曲げ後断面図に関連してズームの比或いは向きを制御することを可能とする。日本公告公報平7−121418(丹羽等の名前で1995年12月15日に発行)及び日本公開公報平1−309728(長沢等の名前で1989年12月14日に発行)に開示されるそれと類似の技術及び手続きが前記パーツの断面図或いは曲げシミュレーションを表示するために使用される。前記文献の開示はここにその全体において参考により積極的に取り込まれる。
【0244】
この発明の1つの側面によれば、選択された曲げ線に関連して前記パーツの短い或いは小さいサイドを計算することにより前記曲げについて挿入方向を自動的に決定するためのソフトウエア或いはプログラム論理が提供される。この発明の特徴に基づいて、各曲げ線はそのパーツを2つのサイドに分断するために使用される。挿入方向は、より小さい或いは短い長さ(例えば前記曲げ線に直交する辺の寸法)を有する前記パーツのサイドに基づいて或いは、より小さい全体的面積を有するサイドに基づいて各曲げ線について決定される。もしオペレータが前記選択された挿入方向に満足しない場合には、図39(b)に図示されるように、オペレータは挿入方向を反転する。オペレータは挿入方向を、例えば曲げ線が強調されている際にマウス或いはキーパッドの選択ボタンをクリックすることにより変更し或いは反転する。挿入方向情報は、曲げ装置或いは機械装置で前記パーツを曲げ加工するために、前記曲げ線により定義されるフランジの挿入方向を指示するための矢印及び/又はテキストを含む。前記挿入方向情報は、曲げ線の上或いは近く(例えば図39(a)及び39(b)を見よ)或いは関連するフランジの端の上或いは近く(例えば図40を見よ)に表示される。更に前記挿入方向情報は、各曲げ線が選択された時に表示され或いはジョイスティック装置、マウス装置、或いはキーボード装置から受け取った入力に基づいて選択的に表示される。
【0245】
従って図形的ユーザインタフェースの使用を介して、曲げオペレータは、種々の中間形状及び最終パーツの形を、オペレータにより入力された選択された曲げ順に基づいて見ることができる。再び、オペレータはジョイスティックインタフェース、マウスインタフェース及び又はキーボードインタフェースのごとき適宜の入力装置を通して前記スクリーン上にデータを入力し選択することができる。曲げオペレータが提案された曲げ順に満足しない場合には、曲げオペレータは、ステップS232に一般的に示されるように曲げプランを最終化する前に曲げ順を編集する。この曲げ順の編集は種々のやり方及び方法において実行される。特にこの発明の1つの側面によれば、ドラッグ及びドロップ編集特性が提供され図42に示されるようにオペレータは単に、前記スクリーンの左側或いは右側に提供された中間的パーツ形状アイコン或いは表示の1つをつかみ且つそれを前記順番の所望の位置へドロップすることにより選択された曲げ順を編集する。その後、前記曲げ順に対する曲げオペレータの修正に基づいて前記スクリーン上の前記種々の中間パーツ形状が修正され、改定された曲げ順に基づく中間的曲げ段階を示す。更に前記曲げオペレータの前記曲げ順のドラッグ及びドロップ編集に基づいて、前記2次元平面図画像上の曲げ順番号が改定される。
【0246】
前記曲げ順が決定された後、オペレータは、ステップS236に示すように、格納された工具立てデータのライブラリから工具を選択することによりどのタイプの工具立てが使用されるべきであるかを決定する。関連する工具立て情報は、工場フロアの曲げオペレータに対して表示され、曲げオペレータが前記ライブラリから工具立てを選択するのを図形的に支援するために表示メニューが提供される。一旦特定の工具が前記ライブラリから選択されると、前記工具に関連するデータがスクリーン上に表示される。図43は、マニュアル工具選択のために前記曲げオペレータに対して図形的に表示される種々の表示メニュー及びデータテーブルの事例を図示する。図43の例では前記曲げオペレータが前記工具ライブラリから特定の工具を取り出すのを支援するために、連続的な表示メニュー或いはスクリーン表示が図形的に表示される。連続的に表示されるスクリーン表示は前記表示装置上に連続的に表示され(例えばオーバーラップする或いはカスケードする態様で)或いはそれは個々に表示され、そのスクリーンは次の引き続くスクリーン表示が表示される前にクリアされる。一旦特定の工具が選択されると、その工具に対する特定のデータがテーブルに提供され且つオペレータに表示される。工具ライブラリにおけるデータは、前記ソフトウエアの最初のセットアップ手続きにおいて、(例えばデータベース30の中に)予め定義され且つ可能されている。
【0247】
この発明のマニュアル工具選択特性はオペレータが工具タイプを選択し且つ各タイプにおいて工具の形状を選択することを可能とする。例えば、パンチ、ダイ、ダイホルダ、及びダイレールを含む種々の工具タイプが選択される。各タイプは多数の形状からなり、且つ各形状に対して異なったサイズ及び寸法の多数の工具が存在する。1つの工具を選択するために、ユーザは、図43に示されるような、表示される工具タイプアイコンから1つのアイコンを選択することにより1つの工具タイプをまず特定する。その後ユーザは選択された工具について利用できる異なる形状のメニューを提供される。工具形状を分析した後、ユーザは選択された工具について、表示された形状アイコンから1つの形状アイコンを選択することにより工具形状を選択する(例えば図43では、グースネック形状パンチが選択された)。最後にユーザは選択された工具形状について適当なサイズ及び寸法を選択する。図43に更に示されるように、選択された工具形状に対して利用可能な工具の異なるサイズ及び寸法を示すためのテーブルがユーザに対して表示される。このテーブルから1つの項目を選択することにより、選択された工具がアイコンとして表示され一般的な工具タイプアイコンに置き変わり、且つ工具の選択を確認する。
【0248】
ステップS240で、曲げオペレータは次に図形インタフェースの支援により、プレスブレーキにおける種々の工具段階(工具ステージ)を設定する。図44は前記曲げプランにおいて使用される工具セットアップ(工具取り付け)の定義を容易にするために曲げオペレータに対して与えられる代表的工具セットアップウインドウを図示する。図44に例として示されるように、種々のパンチ、ダイ及びレールのデータが前記ツールセットアップウインドウに表示される。前記板金パーツのための工具及びダイの情報はオペレータにより入力される。ジョイスティックが曲げオペレータのステーションモジュールに提供され曲げオペレータが工具位置を指示し且つ利用可能な工具及びダイのリストから工具及びリストを選択することを可能とする。この工具セットアップウインドウにおいてスクリーンの左側は現在の工具セットアップの断面形状を表し、スクリーンの右側はプレスブレーキにおける現在のセットアップの位置を表示する。現在のセットアップの位置は図44に示されるように強調され或いは影が付けられる。
【0249】
最後にオペレータが曲げ順に満足すると前記工具立て及び曲げシーケンスを含む曲げプラン情報が、図37におけるステップS242に一般的に示されるように、前記データベース30の中に前記曲げモデルと共に保存される。前記曲げ順の実際のテストが、前記曲げオペレータにより選択された曲げ順を確認するためにプレスブレーキにより行なわれる。もし必要なら、前記工具立ての定義或いは曲げ順に対する更なる修正が、前記ステーションモジュールにおけるオペレータ或いはデザイナーにより実行される。
【0250】
この発明の種々の他の特徴は、前記曲げプランの生成における前記曲げオペレータを支援するために設けられる。例えばこの発明の他の側面によれば、工具立てエキスパートが設けられ、前記曲げオペレータに対して前記曲げモデルに格納されたパーツ形状及び他の情報に基づいて、工具立て及び曲げ順の示唆を自動的に与える。前記工具立てエキスパートからの示唆は当該示唆の分析の後、曲げオペレータにより改定される。更に、より複雑な工具立てエキスパートシステムが提供され、前記曲げファイルにおける前記パーツの形状、及び潜在的な衝突及び干渉をチェックするための工具の形状分析に基づいて更に複雑な操作について工具立て示唆及び曲げ順示唆を行なう。そのようなエキスパートシステムは手動或いはロボットにより支援された曲げ機械装置により使用され実行される。限定しない例として、この発明はデービッドAボーン等の名前による「板金曲げプランを生成し且つ実行するための知的システム」と題される米国特許出願第08−386.369、及びデービッドAボーン等の名前による「ロボットウインドウの計画/制御の方法」と題される米国特許出願第08−338.115号に開示される特徴及び教示により実行される。これらの開示はここに全体として参照により積極的に取り込まれる。上記したように図形的ユーザインタフェース或いは種々の機能は、板金パーツのための曲げプランを生成する際に曲げオペレータを支援するために設けられる。この発明の他の側面によれば、追加の特徴が更に設けられ、前記パーツの設計及び製造において支援を行なう。以下に更に十分に説明するように、音声的或いは視覚的情報の格納のごとき種々のマルチメディア機能が本発明において実行され前記曲げプランを生成し或いは曲げ順を実行する際に曲げオペレータに対して追加の支援を行なう。更に、中間の曲げ段階の各々において前記工具及びパーツの間の潜在的干渉及び衝突を自動的にチェックする衝突チェック機能が提供される。この衝突チェック機能は、工具形状及び、パーツにおける間隔の面倒で時間のかかるマニュアルチェックに置き変わるために提供される。前記マニュアルチェックは曲げプランを生成する際曲げオペレータにより通常行なわれる。これらの機能及びその他のものは添付する図面を参照して今から説明される。
【0251】
この発明の1つの側面によれば、前記曲げモデルデータと共に音声及び映像情報を格納するための方法が設けられる。種々の音声及び映像情報は、工場フロアにおいて記録され、例えば板金パーツの操作及び曲げ加工に関連する特殊な指令を提供する。この目的のためCCDカメラ又はディジタルカメラが音声マイクロフォンと共に種々の場所10,12,14,…20のステーションモジュールの各々に設けられる。他の装置、例えばオーディオマイクロフォンを有するビデオカメラがオペレータ或いはユーザが音声或いは映像の情報を記録することを可能とするために前記ステーションモジュールに設けられる。前記種々の記録装置は工場フロアにおけるステーションモジュールコンピュータに接続される。限定しない事例としてインテルのPROSHARE個人会議CCDカメラ(インテル株式会社から入手可能)が音声及び映像情報を記録するために使用される。他の商業的に入手可能なCCDカメラ或いはディジタルカメラもそのような情報を記録するために使用される。
【0252】
前記曲げモデルデータと共に格納された種々の音声及び映像情報は種々の方法及び手続きにより、ユーザによりアクセスされ且つ読み出される。例えば格納された音声及び映像情報を再生するために、前記ステーションモジュールによりメニューオプションが表示される。更に、この発明の好適な実施例によれば、オペレータは、観察ウインドウに表示されるアイコンを選択し且つ生成することにより、格納されている音声及び映像情報を種々の表示スクリーン及びパーツの図に付随させる能力を有する。この機能は、ソフトウエア及びオブジェクト指向プログラム技術により実行される。これによりアイコンオブジェクトは曲げモデルデータ構造の中に生成され且つ格納される。このアイコンオブジェクトは、ある種の条件(例えばマウスのダブルクリック或いはジョイスティック或いは他の入力手段の使用による選択の指示によるオペレータによるアイコンの選択)に基づいてメモリから付随された音声及び映像情報を読み出すための手続きを含む。この発明のアイコンの特徴によりオペレータは異なる音声及び映像メッセージ或いは情報を前記板金パーツの異なる部分及び任意の表示に関連させる。このアイコンを前記パーツの表現に組み込むことにより、前記アイコンは、スクリーン上で画面が変わるにつれて前記パーツの2次元及び/又は3次元モデルの表示と共にズームし、回転し並進運動するように構成される。
【0253】
図45は前記パーツの3次元ソリッドモデルに張り付けられたアイコンの使用を介して音声及び映像情報を添付する事例を図示する。ユーザが前記音声及び映像情報を記録した後、オペレータが前記3次元モデルウインドウの任意の位置にアイコンを張り付ける。前記アイコンがオペレータ或いはユーザにより次に選択される時、格納された音声及び映像情報は再生され、前記ウインドウに表示され、そのアイコンが配置された前記パーツのある部分或いは領域に関する特殊な指令又はメッセージを提供する。他の情報、例えば前記曲げ運動のシミュレーション或いは記録は前記パーツの種々の曲げ線の近傍にアイコンを置くことにより前記パーツに関連される。前記曲げ運動に関連する映像情報は次に前記アイコンが選択される時ユーザに対して再生される。
【0254】
オペレータ或いはユーザは、音声及び映像情報を記録し、或いは単に1つの音声メッセージ或いは静止或いは運動映像信号を記録し、それらはユーザに対して選択的に再生される。前記ウインドウ表示に対して付着されたアイコンは格納された情報のタイプを図形的に指示する(例えば、音声情報が格納されていることを示しているためにマイクロフォンのアイコンが表示され又は映像情報が格納されていることを示すために表示モニタのアイコンが表示される)。特殊なアイコンは、そのアイコンに音声及び映像情報が関連されていることを示すために設けられる(例えば「A/V」の記号或いはマイクロフォンを含むビデオカメラのアイコン)。アイコンの一覧が設けられ且つ表示され、ユーザが、前記スクリーン表示或いは画像に対して音声及び或いは映像情報を添付する際に種々のアイコンから選択することを可能とする。
【0255】
図46は格納された音声及び映像情報を読み出すためのアイコンを組み込んだ表示ウインドウの他の事例を図示する。図46に表示された表示ウインドウは、図42を参照して上で説明したそれのごとき、工具セットアップスクリーン画像に関連する。図46の例では、音声情報が格納され、マイクロフォンのアイコンにより読み出される。そして別個の映像情報が格納され、前記表示ウインドウに対してビデオアイコンを張り付けることにより読み出される。前記音声及び映像情報は工具セットアップ或いは操作に関連する特殊な指令或いは情報に関連する。更に現在活性化されているウインドウ表示のタイプに関係なく、オペレータは、異なる音声及び映像情報を後に読み出すために、前記ウインドウ表示における種々の領域に必要なだけ多数のアイコンを張り付けることができる。
【0256】
この発明の他の側面によれば、画像編集ウインドウ特性が提供され、オペレータが格納された画像を選択しそれらを異なるスクリーンへ適用するのを容易にする。前記画像編集ウインドウ特性はウインドウに基づくアプリケーションとして提供され、それは例えばサーバモジュール32或いは製造設備を通して設けられたステーションモジュールのいずれかにおいてアクセスされる。図47は、この発明の教示により実行される画像編集(イメージ編集)ウインドウの例を図示する。前記イメージ編集ウインドウに表示される画像はディジタルカメラ或いはCADコーダによる画像写真を含む。前記スクリーンに表示される画像はオペレータにより(例えばマウス或いは他の適当なデータ入力手段により)選択的に選ばれ、他のスクリーンにコピーされ、それらはパーツの特定のモデルの図に関連させられる。オペレータは次にその画像或いはアイコンを前記モデルのウインドウ(例えば図46に関連して上で示したそれのごとき前記パーツの3次元ソリッドモデルウインドウ)へ張り付ける。図45、46及び47の画像は実際のスクリーン画像の写真再生である。実際の画像イメージは、使用されるカメラ或いはスクリーンの解像度に応じてそれ自体更に明瞭である。前記画像は例えば、曲げ操作に関連する特殊な操作或いは他の指令を議論し或いは図示する曲げオペレータの静止或いは運動映像イメージを含み、或いは板金曲げ操作の映像イメージである。換言するば、有用であると思われる実際の画像が取られ後に表示される。従って図45−47に示される実際の画像は例示的な目的のためのみのものである。図48及び49を参照するに、この発明の衝突チェック機能の例が設けてある。この発明の1つの側面によれば、衝突チェック機能が設けられ、ユーザは前記パーツ及びパンチ工具の間の潜在的な衝突を、図形的ユーザインタフェースの使用によりチェックすることを可能とする。前記衝突チェック機能はウインドウズに基づくアプリケーションであり、前記製造設備における任意のステーションモジュール或いは場所でアクセスされる。この発明の自動的衝突チェック機能は、前記曲げプランを生成する際に通常行なわれている伝統的なそして面倒なマニュアルの形状チェックに変わり曲げオペレータにより使用される。
【0257】
伝統的には、板金パーツの曲げプランを生成する際、曲げオペレータはまず前記パーツの曲げ順を決定する。前記曲げ順は前記板金パーツが製造の間に曲げられる順番或いは態様を決定する。その曲げ順が決定された後、曲げオペレータはその曲げ操作の各々を実行するために使用される工具を選択し定義する。この過程で、選択された前記工具の形状及び前記パーツの中間的形状が、前記曲げ工程の各々を実行する際に前記工具とパーツとの間の干渉あるいは衝突が存在しないことを確実にするために解析される。衝突或いは干渉が検出される場合には、選択された工具のタイプ(或いは必要に応じて曲げ順)は、前記工具と板金パーツとの間の干渉或いは衝突を生ずることなく曲げ操作が実行されるように修正されなければならない。
【0258】
潜在的な衝突或いは干渉を検出する際に、前記工具の形状と板金要素の曲げられた部分或いは形状との間のクリアランスを分析するために、曲げオペレータは伝統的にマニュアルの方法に頼っていた。典型的には、曲げオペレータにより工具形状のモデルが構成され使用されている。工具形状モデルは、板金の種々の中間的形状の工学的或いは技術的図面(前記工具形状モデルと同じスケールの寸法を有する)に対してマニュアルで合わせられ或いはその上に置かれる。この工具形状モデルを前記パーツの図面に対して適合させ及び合わせることにより前記曲げオペレータは、曲げ工程の各々において工具とパーツとの間に十分な空間或いはクリアランスがあるかどうかを決定することができる。しかしながらこの工程は面倒で且つ時間を浪費する傾向がある。
【0259】
この発明は自動的干渉チェック機能を設けることにより、そのような伝統的な方法の不利益を克服することである。この発明の干渉チェック機能は、図形的ユーザインタフェースを介して実行され、曲げオペレータが所定の曲げ順における各中間的工程において衝突をチェックするのを可能とする。図48及び49は図形的ユーザインタフェースを介して実行される衝突チェック機能の例を図示する。活性化される時、前記衝突チェック機能は前記曲げ順における前記パーツの各中間的形状とその順番に対して定義されるパンチ工具或いは複数の工具との間の衝突を自動的にチェックする。前記中間形状はスクリーンに表示され(例えば図48及び49を見よ)、衝突が発見されると、当該衝突が検出される工程がスクリーン上に強調される。更にテキストのごとき他の表示示唆が検出された衝突の数を指示するために提供される。図48及び49の例では、前記衝突情報は表示ウインドウの右上領域に提供される。更に、前記衝突がチェックされたパンチ工具或いは複数の工具のタイプは表示ウインドウの左上領域に表示され或いは指示される。
【0260】
衝突が、オペレータにより選択されたパンチ工具について検出される時、衝突が検出される中間的形状或いは段階がスクリーン上に強調される。この場合、オペレータはその特定の曲げ段階について他のパンチ工具を選択することもでき、前記パンチ工具の第2の選択について衝突が起きるか否か決定するために前記衝突チェック機能が再び実行される。オペレータは、各曲げについてパンチ工具を選択し、前記衝突チェック機能により衝突をチェックすることができる。ドラッグ及びドロップ編集が、中間的曲げ形状をドラッグし、それを前記提案された曲げ順内の所望の位置へドロップすることにより、前記ウインドウ表示中に表示された曲げ順をオペレータが変更することを可能とするように設けられてもよい。前記曲げ順は図44を参照して上に記載したそれと同様の対応で、オペレータによりなされた前記ドラッグ及びドロップ編集に基づいて修正される。
【0261】
この発明の衝突チェック機能を実行するために種々の手続き及び操作が使用される。例えば潜在的な衝突を検出するために、選択された工具の幾何形状と中間的形状におけるパーツの幾何形状とがアクセスされる。各中間工程における前記パーツに関連する幾何形状データは前記曲げ順及びパーツ寸法及びトポロジーデータに基づいて生成される。前記パーツの各フランジは、前記曲げ順における各中間段階における前記パーツを表示するために、曲げデータ(例えば曲げ角度、曲げ線位置、縮小量等)に応じて折り曲げられる。上記折り曲げ工程及びこの発明の縮小量補償特性は各中間段階での前記パーツに対する幾何形状データを生成する際に適用される。この工具及びパーツの幾何形状により、前記曲げ段階の各々において前記工具の先端をパーツの曲げ線へ置くことにより、前記工具及びパーツが相互に配向される。衝突は、前記幾何学的データ及び前記工具とパーツとの境界を分析し、前記工具及びパーツにおいて共通な点或いは重なり合う点が存在するか否かを決定することにより検出される。衝突は、特定の曲げ工程で検出される時、その工程は、ユーザに対して衝突の検出を示すためにスクリーン上で強調される。衝突を検出するために使用される工具データは、ユーザによりなされる工具選択に基づいて、工具形状ライブラリから積極的に取り出される。任意の中間曲げ工程での衝突の再計算は異なる工具形状或いは曲げ順の修正に基づいて行なわれる。そのような機能を設け、ここに記載されるごとき、図形的ユーザインタファースを用いてそのような情報を表示することにより、衝突の可能性は、曲げオペレータにより、より容易に決定され且つ修正される。
【0262】
上記したように、ジョイスティック或いはマウス装置は、板金パーツの表示されるモデルを観察する際、ユーザが選択的に種々の観察機能(例えばズーム、パン、回転等)を活性化し及び制御することを可能とするために、前記製造設備を通して前記ステーションモジュールの各々及びそれらの場所に設けられる。前記ジョイスティック装置は多重の軸を有するジョイスティックで、選択或いは制御ボタンを有する。前記ジョイスティックはマイクロソフト・サイドワインダ・ジョイスティックを含む種々の商業的に入手可能なジョイスティック装置を介して実行され、各ステーションモジュール及び/又は当該設備の他の位置のコンピュータのゲームポートに差し込まれる。前記マウスはまたウンドウズ95或いはウインドウズNTのごとき任意の商業的に入手可能なマウスをサポートするソフトウエア及び、各設備位置におけるコンピュータのゲームポート或いはマウスポートに差し込まれる任意の商業的に入手可能なマウス装置により実行される。
【0263】
限定しない事例として図50−55は、ジョイスティック装置或いはマウス装置を用いて、3次元幾何学的形状を操作し且つ前記パーツを表示するためのシステムの種々の側面を図示する。この発明の3次元ナビゲーションシステムは、ユーザが回転、ズーミング及びパンニングのごとき種々の観察機能を制御することを可能とする。この発明の1つの側面によれば、システムはまた3次元モデルを観察する際に、現在のズーム画像に基づいて計算される動力学的回転軸を用いる。この側面によれば、回転の中心は現在の図及びズーム比或いは係数に基づいて動力学的に変化され且つ計算され、従って前記パーツのズームされた領域は前記パーツが例えば高いズーム比或いは係数において回転される時、前記スクリーンから消えることがない。
【0264】
この発明の1つの側面によれば、3次元操作及びナビゲーションシステムが前記設備のステーションモジュール及び/又はサーバモジュールに提供される。3次元ナビゲーションシステムの工程及び操作は、ソフトウエア或いはプログラムされた論理を介して且つ広い範囲のプログラム言語及び教示の1つを用いて実行される。例えば前記システムはC++のごとき高レベルのプログラム言語を用いて且つオブジェクト指向プログラム技術を用いて実行される。更に限定しない例として、VISUAL C++が使用される。それはウィンドウズに基づくアプリケーションのためにマイクロソフト株式会社により提供されるC++プログラム言語の1つのバージョンである。前記観察機能(例えばズーム、回転、パン等)は上記した本発明の曲げモデルビューアの観察クラスの要素機能として実行される(例えば図27及び上記関連の開示を見よ)。前記現在ズーム係数及びパーツの位置(例えば3次元空間におけるパーツの位置)に関する情報は、また、前記動力学的回転軸を計算し且つ所望の観察機能を提供するために前記曲げモデルビューアからアクセスされる。
【0265】
種々のハードウエア成分及びインタフェースが、本発明の3次元ナビゲーションシステムを実行するために提供される。例えばシステムを実行するために使用されるソフトウエアが前記ステーションモジュール及びサーバモジュールのコンピュータ或いはパーソナルコンピュータに設けて有り或いは存在する。上で議論したように、前記コンピュータ或いはパーソナルコンピュータは、板金パーツの3次元表示をユーザに対して表示するために、高解像度モニタのごとき図形カード及び表示スクリーン或いはターミナルを含む。前記コンピュータ或いはパーソナルコンピュータはまた、前記マウス或いはジョイスティック装置と接続し及びインタフェースするためのマウス或いはゲームポートアダプタを含む。商業的に入手可能なソフトウエアも設けられており、ユーザにより操作されるマウス或いはジョイスティック装置からマウス或いはゲームアダプタカードにより受信される指令信号を解釈する。
【0266】
図50a及び50bは、例えば単純な3次元箱形状パーツを回転するために多重軸ジョイスティック112により行われる回転機能の例を図示する。上に述べたように、ジョイスティックは設備を通して設けられているステーションモジュール及び/又はサーバモジュールに設けられているコンピュータ或いは装置に設けられ且つ接続されている。図50a及び50bに示すように、前記パーツの回転は、前記ジョイスティック112を前後に且つ左右に移動することにより行なわれる。前記回転軸の方向或いは向きは前記ジョイスティック112(或いはマウス)の移動に基づいて設定される。例えば前記ジョイスティック112を前後に移動させることは、パーツを前記X座標軸に沿って定義される回転軸の周りに時計方向或いは反時計方向に回転させることをもたらす(例えば図50aを見よ)。更に前記ジョイスティック112を左右に動かすことは、前記パーツを前記Y座標軸に沿って定義される回転軸を中心として時計方向或いは反時計方向に回転させることをもたらす(例えば図50bを見よ)。
【0267】
現在の図のズーム比或いは係数が低く、パーツの全体表示がスクリーン上に提供される時、前記回転軸は前記パーツの幾何学的中心或いは図芯を通るように定義される。上記したように、前記ズーム係数及びスクリーン上のパーツの観察可能性は、本発明の曲げモデルビューアにより提供される観察可能性機能に基づいて決定される。スクリーン上にパーツ全体が表示されると判断される時(図50a及び50bにおけるそれのように)、回転軸を定義しそしてその回転軸を前記パーツの幾何学中心へ設定するために座標幾何技術が用いられる。前記パーツの回転は、次に、前記ジョイスティック装置のユーザにより定義された移動に基づき、且つこの発明の曲げモデルビューアの回転要素観察機能を介して実行される。しかし仮に前記オブジェクトの一部のみが画面に表示され、前記パーツの幾つかの部分は見えない場合(例えば高いズーム係数或いは比率が選択された時)、前記回転軸は、前記パーツの幾何学中心或いは図芯に維持されるべきではない。それはそのようにすることは、回転中に前記パーツのズーム化された部分がスクリーンから消えるからである。実際この発明によれば、ズーム比が増大される時、回転軸は動力学的に再計算され、前記スクリーンのセンターにおける観察点(或いはカメラ視野)に最も近い点の座標を通る。前記ズーム係数の変化に基づいて、前記回転軸を動力学的に再計算することにより、前記パーツは、前記パーツの観察可能な部分が回転の間に画面からはみ出すことにならない軸を中心として回転される。
【0268】
前記3次元モデルのズーミング及びパンニングを行なうために、前記ジョイスティック或いはマウス装置と別個に或いはそれと共に設けられたキーパッドに追加の制御ボタンが設けられる。例えばズームボタン114を押すと共に、ジョイスティック112を前後に移動することにより、図51に示すように、所定の割合で前記パーツはズームインまたはズームアウトされる。上記したように、前記回転軸は各ズームウィンドウの中で再計算され、回転がなされる時、ユーザが前記パーツのズーム化された部分を観察することができるようにする。更に、3次元形状のパンニングは、図52に示すように、パンボタン116を押圧し或いは活性化し且つジョイスティック112を移動することにより、ユーザにより制御される。前記ズームボタン114の場合と同様に、パンボタン116は前記設備の種々の位置の各々における前記ジョイスティックまたはマウス装置と別個に或いはそれらと一緒に設けられたディジタル入力パッドの上に設けてある。
【0269】
この発明の代表的な実施例に応じて、前記3次元ナビゲーション及び操作を実行するために設けられた種々の工程及び操作が図53−55を参照して以下に記載される。上に示したように、前記3次元ナビゲーションシステムの必要な工程及び操作はソフトウエア或いはプログラムロジック及びハードウエア成分及びインタフェースの組み合わせを介して実行される。ジョイスティック或いはマウス装置のごときユーザにより制御される装置からの入力信号は所望の表示されたパーツの運動及び再配向の量を決めるように解釈される。この発明によれば、表示されたパーツの回転軸は、回転中にパーツのズーム化された領域が画面から消えるのを防止するため、現在の画面及びズーム係数に基づいて動力学的に計算される。
【0270】
表示されたパーツの現在の画面を更新する際に、図53のステップS301に一般的に示されるように、前記ジョイスティック或いはマウス装置の操作に基づいてユーザからの信号が受信される。ユーザにより前記ジョイスティック或いはマウス装置の特定の方向の運動及び/又は特殊な制御ボタンの活性化との組み合わせが、所定の観察機能(例えば回転、ズーム、パン等)及び表示されたパーツの所定の方向(例えば時計回り或いは反時計回り、ズームイン又はズームアウト、右又は左等)の運動を、図50−52に例えば示されるように、引き起こす。受信された信号は、それらがジョイスティックからであるかマウス装置であるかを問わず、カーソルの移動に写像され、ユーザにより所望されるスクリーン上の移動量を決定する。ユーザが前記観察機能モードのうちの1つに存在しない場合(例えばユーザがスクリーン上の情報を選択しているか或いはダイアログボックス或いはウィンドウ内の情報を観察している場合)、前記受信した信号の写像は要求されない。
【0271】
当業者により理解されるように、通常のジョイスティック或いはマウス装置から受信される信号はスクリーン空間のそれとは異なる座標或いは参照システムに基づいており、従ってそれらは前記スクリーン上のカーソル移動に関する意味のある情報を提供するために翻訳されなければならない。従って前記ユーザからの入力信号を受け取った後、ステップS303に示されるように、回転軸の計算及び表示されたパーツの現在の図を更新する前に受信された信号はカーソル移動に写像される。
【0272】
ユーザにより制御される装置からの入力信号をスクリーン空間上のカーソル運動に翻訳及び写像するために異なる方法及び工程が使用される。伝統的には、マウス装置の移動は、商業的に入手可能なソフトウエアによりカーソル移動へ翻訳され且つ写像されていた。例えばウィンドウズ95及びウィンドウズNTは、マウス移動をカーソル移動へ翻訳するためのソフトウエアルーチンを含む。従って、マウス装置の移動は、そのような商業的に入手可能なソフトウエアによりカーソル移動に写像される。しかしながらユーザにジョイスティックインタフェースが与えられている場合、有用な情報を提供するには、前記ジョイスティック運動もカーソル運動へ翻訳され且つ写像されなければならない。前記ジョイスティック仮想空間におけるジョイスティックの運動をスクリーン空間におけるカーソル運動へ写像するために種々の方法及び技術が使用される。例えば、ジョイスティックの移動信号は、最終的にカーソル運動へ写像される前に、まずマウス運動へ加工され且つ翻訳される。或いは、前記ジョイスティック仮想空間のサイズに対するスクリーン空間のサイズの比率の関数として、前記ジョイスティック信号は直接カーソル運動へ写像される。
【0273】
図54は、この発明の1つの側面に基づく、ジョイスティック運動のスクリーン空間内でのカーソル運動への写像の例を図示する。上に示したように、ジョイスティック装置は自身の仮想的座標システム或いは空間218を含む。前記ジョイスティック仮想空間218は、前記ジョイスティックが中心或いは中立位置 (即ちジョイスティックが移動しない位置)に存在する位置に対応する原点J1を含む。前記ジョイスティックが新しい位置(例えば図54に示されるように現在の位置J2)へ移動する時、前記ジョイスティック装置は前記ジョイスティックの仮想空間内での新しい或いは現在の位置を示す信号を生成する。前記ジョイスティック仮想空間218は、しばしばスクリーン空間212よりも大きい(画素の意味で)ので、前記ジョイスティックの仮想座標及び移動は、所望のカーソル移動従ってスクリーン上でのパーツの移動を決定するためにスクリーン座標へ翻訳されなければならない。
【0274】
前記ジョイスティックの仮想座標移動をスクリーン座標移動へ写像し且つ翻訳するために種々の方法及び工程が使用される。例えば、前記ジョイスティック仮想空間サイズに対するスクリーン空間サイズの比率に基づいて、ジョイスティック運動はスクリーンカーソル運動へ写像される。より詳細には、観察機能モード(例えばズーム、回転、パン等)が活性化され、ジョイスティック装置がユーザにより操作された時、前回の点C1から現在の点C2へのカーソルの実際の移動は次の式で決定される。
【0275】
現在の点=前回の点+(スケール係数x V)
ここに「現在の点」はカーソルの現在の点C2であり、「前回の点」は前記カーソルの前回の点C1であり、「スケール係数」はジョイスティック仮想空間サイズに対するスクリーンサイズの比であり(いずれも画素において)、「V」はジョイスティック原点J1からジョイスティック現在位置J2へのジョイスティックの運動及び方向を表すベクトルである。従ってジョイスティック運動をカーソル運動へ写像するために、ジョイスティック装置がユーザにより操作される時ジョイスティック装置から受け取られる信号に基づいて、前記原点J1から現在位置J2へのジョイスティックの方向及び運動を示すベクトル「V」が最初に計算される。このベクトル「V」が計算された後、前記ジョイスティック運動は、前記方程式における前記ベクトル「V」量及び前記「スケール係数」量を用いてカーソル運動へ写像される。即ち、前記カーソルの新しい或いは現在の位置C2は、前記ベクトル「V」に前記ジョイスティック空間サイズに対するスクリーンサイズの比(即ちスケール係数)を掛け合わせ、次にこの計算の結果を以前のカーソル位置C1に足し合わせることにより計算される。
【0276】
前記スケール係数に応じて、前記スケール或いは運動の割合を所定の或いはユーザにより選択された調整係数だけ増大し又は減少することが必要となる。そのような場合には、そしてユーザの好みにより、前記スケールの割合を増大し又は減少するために、前記カーソルの現在位置を計算する時に、前記スケール係数に調整係数が掛けられる。例えば、前記ジョイスティック空間サイズに対するスクリーンサイズの割合がスケール係数1/64を与える場合、ジョイスティックの運動とスクリーン上の表示されたパーツの運動の割合との間の一層満足できる関係を与えるために、スケールの割合を増大するのが望ましい。限定的でない例として、スケール係数1/64について、前記表示されたパーツをズームし或いは回転する際調整係数3が用いられる。更にスケール係数1/64について、表示されたパーツのパンニングが行なわれる際には調整係数6が使用される。勿論、スケーリング(縮尺)の割合は、ユーザの特定の必要に基づいて修正され、前記調整係数は予め決定され或いはユーザが、前記スケールの割合を修正するための調整係数を調整或いは選択するためにオプションを与える。更に上に議論した事例において示したように、前記調整係数は複数の観察機能の各々について同じ量に設定されてもよいし、前記観察機能の各々について、同じ或いは異なる量に個別に設定されてもよい。
【0277】
受信された信号が適当に写像され翻訳された後、前記パーツの回転軸が、図53のステップS305に一般的に示されるように動力学的に計算される。前記パーツの現在の図に依存して、前記パーツが例えば高いズーム比率或いはファクターで回転される時、前記パーツのズーム化された領域がスクリーンから消えないように、前記回転軸は前記パーツの中心を通るか或いは他の点を通るか決定される。現在のズーム図に基づいて、前記パーツの回転軸を動力学的に再計算するために種々の方法及び工程が使用される。この発明の他の側面に応じて、図55は前記パーツの図がユーザにより修正された時常に前記回転軸を計算するために行なわれるプロセス及び工程の代表的論理フロー及び手順を図示する。
【0278】
図55に示されるように、現在のズーム係数或いは比率及びパーツの位置及び現在の図がステップS311及びS313で決定される。ユーザにより選択された表示パーツのズーム係数及び向きが、パーツ全体をスクリーン上で観察可能にする(即ち全体図)か、或いは前記パーツの一部のみをスクリーン上で観察可能にする(即ち部分図)。従って現在のズーム係数及びパーツの向きが、表示パーツの回転軸を適正に設定するために定められなければならない。前記パーツの現在の図を決定するために種々の方法及び工程が使用される。上に記載したように、観察可能性機能は、本発明の曲げモデルビューアを備え、表示される画像に対する変更が存在する場合には何時も、現在の図の向き及びズーム比率の状態を維持しそして更新する。前記曲げモデルビューアに対する機能コールがなされ、前記パーツのどの点或いは部分が現在観察可能であるかを決定する。スクリーン上に前記パーツの全てが表示されているかどうかは画像体積をパーツの境界基本線サイズと比較することにより決定される。
【0279】
ステップS315でパーツの全体図が現在スクリーン上で観察可能であると決定される場合には、ステップS317で前記回転軸は前記パーツの中心を通るように設定される。全体図が存在する時、前記パーツの中心を前記回転軸が通るように設定することは可能である。というのは全体が表示されたパーツはユーザにより回転される時スクリーン上で観察可能であるからである。スクリーン上で全てのパーツが観察可能である時、回転軸はパーツの幾何学中心或いは図芯を取るように定義される。従来の座標幾何学技術が、前記パーツの幾何学中心へ前記回転軸を定義し設定するために用いられる。更に前記回転軸の方向は、前記前回のカーソル位置から現在のカーソル位置へのベクトルに直交するベクトルとして定義されることもできる。
【0280】
ステップS315で、スクリーン上にパーツの部分図のみが現在観察可能であると判断される場合、ズーム化されたパーツがユーザにより回転される時表示されたパーツの一部がスクリーンから消えないようにするために、回転軸を計算するために、前記論理フローはステップS319−S325へ引き続く。上記したように、ユーザにより高いズーム係数が選択され前記パーツの一部のみがスクリーン上に表示される時、前記回転軸は、前記パーツの幾何学中心を通るように設定されてはならない。というのは、そのようにすることは、回転中に表示されたパーツのズーム化された部分(ズームアップされた部分)がスクリーンから消えるからである。パーツの表示された部分がスクリーンから見えなくなり或いは消えることを防止するために、スクリーンの中心における観察点(即ちカメラ)に最も近い点の座標を前記回転軸が通るようにされなければならない。そのような場合、回転軸の向きは前回のカーソル位置から今回のカーソル位置へのベクトルに直交するベクトルとして定義されても良い。
【0281】
従ってステップS319で、スクリーンの中心が決定され、カメラに最も近いスクリーンの中心におけるオブジェクト或いは前記パーツの部分が選択される。即ち、スクリーンのセンターに位置する表示パーツの部分及びカメラに最も近い或いはスクリーンのユーザの観察点に最も近い表示パーツの部分が取り出される。ステップS321で、前記カメラにおけるオブジェクトが存在すること(例えば前記スクリーンの中心に位置し且つ前記カメラに最も近い前記パーツのソリッド部分が存在すること)が決定される場合、ステップS325で前記回転軸は前記取り出された点を通るように設定される。上記したように、回転軸の方向は前回のカーソル位置から今回のカーソル位置へのベクトルに直交するベクトルとして定義されても良い。
【0282】
ステップS321でカメラにおけるオブジェクトが存在しない(例えば前記パーツは前記スクリーンの中心に位置し且つ前記カメラに最も近い穴或いは開口部を含む)と判断される場合、論理フローはステップS323へ引き続く。ステップS323で、前記回転軸は前記スクリーンの中心(例えば前記スクリーンの物理的中心のX及びY座標)を通り且つ前記パーツの幾何学中心に等しいZ座標(深さ)にあるように定義される。従って回転軸は前記X,Y,Z座標を通るように設定され、回転軸の向きは前回のカーソル位置から今回のカーソル位置へのベクトルに直交するベクトルとして定義されても良い。
【0283】
図53を再び参照するに、前記動力学的回転軸が決定された後、選択された観察機能(例えばズーム、回転、パン等)がステップS307で呼び出される。上記したように3次元操作システムの種々の観察機能は前記曲げモデルビューア観察クラスの要素機能として定義され実行される(例えば図27及び関連する上記開示を見よ)。そのような場合、ユーザにより選択された観察機能に基づいて、機能コールが前記曲げモデルビューアになされ、ステップS309で表示されたパーツの現在の図が更新される。前記パーツの現在の図及び向きは、ユーザにより選択された観察機能及びユーザにより操作された入力装置(マウス或いはジョイスティック装置)からの受信された写像カーソル運動に基づいて更新される。オープンGL或いはレンダウェアのごときグラフィックパッケージが、ユーザに提供される現在の図の更新を容易にするために提供される。図53及び55の代表的フローチャートにおいて行なわれる論理フロー及びプロセスはソフトウエアにより及び広い種類のプログラム言語及び技術を用いて実行される。例えばオブジェクト指向プログラム技術及びC++が前記プロセス或いは操作を実行するために使用される。この発明の3次元操作システムを実行するための代表的コードが付録Lに提供される。代表的コードはC++プログラム言語で書かれ、前記動力学的回転軸を計算するための種々の工程及び操作を含む。付録Lのコードにはコメントが提供され、そこに使用される論理及びアルゴリズムの解析を容易にする。
【0284】
上記3次元操作システムはジョイスティック装置及び制御ボタンの使用に関して記載されているが、このシステムは、マウス或いはキーボードを含む他の特定のタイプの入力手段により実行されることもできる。更に図51−52の上記実施例では、前記オブジェクトのスクリーンから無限への又はその反対のズーミング或いはパンニングを制限するために境界が定義される。というのは連続的なズーミング或いはパンニングはシステムを故障させ或いは破壊させるからである。
【0285】
更に、前記ジョイスティックインタフェースに関連して種々の他の機能が実行される。例えば、前記観察機能のいずれかにおける移動は、ジョイスティックがジョイスティックセンター位置から所定の範囲或いは距離を越えて移動されなければ実行されない。パーツの移動が許される前にそのようなジョイスティックの移動のしきい値を要求することは、前記中心点からの前記ジョイスティックの不注意な操作或いは押圧に基づいて、表示されたパーツの偶然の移動の発生を防止する。ユーザとのジョイスティックインタフェース及びシステム相互作用を改善するために他の機能がまた設けられる。例えばユーザによるジョイスティックの単一の操作に基づいて、前記観察機能(例えばズーム、回転、パン等)のいずれか1つにおける連続的或いは増加的(例えばステップごと)の移動が提供される。前記連続的或いは増加的移動の選択はまた単一の方向におけるジョイスティックの移動の量或いは時間に基づいて提供される。必要ならば表示されるパーツのスケール或いは移動の割合は、任意の方向におけるジョイスティックの運動の程度或いは時間に基づいて増加される。上記した速度調整係数の修正はまた、ユーザが前記スケールの比率を増加し或いは減少するために、マニュアルで調整係数に対する補正を入力することを可能とすることにより実行される。
【0286】
工場における部品の設計及び製造における支援を行なうために、本発明において種々の他の機能及び実施例が実行される。例えば各顧客のオーダに関する情報を追跡し且つアクセスするためにバーコードシステムが実行される。所定の参照番号或いは作業番号を有するバーコードが顧客により注文される各部品へ割り当てられる。このバーコードはデータベース30にアクセスし作業情報を読み取るために用いられる。ユタ、サンディにおけるゼブラテクノロジVTIからのバーコード・エニシング・バーコードSCAN CCDセンサのごときバーコードリーダ或いはスキャナが各場所に設けられ、ユーザが前記サーバモジュール或いはステーションモジュールにおいて所定の作業のためのバーコードをスキャンすることを可能にし、またデータベース30に格納されているそのパーツに付随する重要な設計及び製造情報をアクセスし読み出すことを可能にする。前記バーコードリーダは各ステーションモジュール及び/或いはサーバモジュールのコンピュータに差し込まれている。前記バーコードは任意の通常のバーコードフォーマットに基づいてフォーマット化されている。例えばUPS−A CODA BAR CODE39 EAN/JAN−8或いはPLESSEYである。そして結果としてのバーコードナンバーはルックアップテーブルに基づいて翻訳され、前記データベースから作業情報を読み出すために、対応する作業参照番号及び/又はファイル名を検出する。或いは、前記作業番号は、工場全体にわたって存在する任意のステーションにおいて表示される指示へタイプ入力され或いはそこから選択され、瞬時にユーザの位置で作業情報を読み出し表示する。そのような情報を瞬時に読み出す能力は、コミュニケーションネットワーク26の使用及びデータベース30のごとき中央に位置するデータベースへの前記デザイン及び情報の格納により支援される。
【0287】
この発明の更に他の側面によれば、作業をスケジュールし割り当てるための装置及び方法が提案されるシステムに設けられる。従来、製造設備にわたる作業のスケジュール化及び割り当てはショップ或いは工場の工場長により行なわれた。工場長は、機械装置の現在のセットアップ及び利用可能性のみならず現在の仕事の状態を決定する。これらの情報を集め且つ分析した後、ショップ或いは工場の工場長はスケジュールを生成し且つ工場における種々の場所においてなされる作業について割り当てを分配する(例えば工場フロアに分配される作業スケジュールシートの形態で)。作業のスケジュール割り当ては、各顧客の作業がタイミングの良い形態で且つ所定の出荷日までに完了することを確実にするために行なわれる。作業のスケジュール化及び割り当ての従来の工程はしかし骨の折れるものであり、通常工場長によりマニュアルで行なわれていた。
【0288】
この発明の1つの側面によれば、ショップ或いは工場の工場長がその工場についての作業のスケジュールを立てることを支援するために、作業割り当て及びスケジュールシステムが設けられている。そのシステムはコミュニケーションネットワーク及びデータベース30に格納されている曲げモデル情報を利用し、自動的に必要な情報を集め、従って工場長はより容易に作業スケジュールを生成することができる。このシステムは、前記サーバモジュール或いは工場にわたって配置されているステーションモジュールにおいてソフトウエア又はプログラムロジックを介して実行される。スケジュールされるべき種々の作業を入力することにより、システムソフトウエアはデザイン及びパーツ情報を分析し所定の作業を行なうためにどの機械が最も適しているかを決定する。この目的のため、工場における機械の現在の状態及びセットアップが定義され、データベース30に格納され、作業スケジュールソフトウエアによりアクセスされる。種々の条件に基づいて、表示の形態で、特定の作業を実行するためにどの機械が利用可能であるか及びどの機械が他の仕事を実行することができないかを示唆する。この点について、特定の作業について機械の利用可能性をランク付けし且つ提案作業スケジュールを提供するテーブルが表示される。前記提案作業スケジュールは工場長により実行され或いは修正される。作業スケジュールを設定し且つ推薦するために使用される条件は広い種類の条件を含む。そしてそれは、工場における各マシンの現在のセットアップ、各作業について必要とされる曲げのタイプ及び工具、及び同じ時間枠或いは時間の間に実行されなければならない他のタイプの作業を含む。どの機械が特定の作業を実行できるかを決定するために、前記曲げ角度、フランジ長さ及び曲げのタイプを含む各パーツについての曲げモデルファイルからの情報が利用される。例えばデータベース30に格納されているテーブルは前記工場フロアにおけるパンチング及び曲げ機械の各々の現在のセットアップ及び能力についての重要な情報を含む。
【0289】
提案された作業スケジュールに基づいて、工場長は、工場の生産及び出力能力を最大限にするために、複数の作業を工場全体にわたる種々の場所へ割り当てる。最後の作業スケジュール或いは割り当ては電子的に入力されコミュニケーションネットワーク26を介して機械の各々へ送られる。
【0290】
LEDのごときパイロットランプが曲げ及び機械装置ワークステーションの各々に設けられ、そのステーションに作業が割り当てられ転送されたことを指示し且つ確認する。前記作業割り当て及びスケジュールは、工場内の任意の位置から瞬時にアクセス可能なサーバモジュールのファイルに格納される。上記機能に加えて、その他の機能が、この発明の教示に応じて実行される。例えば種々のステーションモジュール或いは位置にメニュースクリーンが設けられ且つ表示され、ユーザがこの発明の種々の表示及び機能モードを選択するのを容易にする。例えば図56に示されるそれのごときメインのメニュースクリーンが、前記ステーションモジュールが開始される際にユーザに対して提供される。このメインメニューウインドウ表示はステーションモジュールにより提供される利用可能なウインドウ表示及び観察モードの各々のアイコン画像を含む。このメインメニュースクリーンはメニューボタン(例えばF1キー)が選択されるとき何時でも現れる。ユーザは、強調されたブロックを所望のウインドウアイコンへ移動しそれを選択することによりそのウインドウを選択する。そのような操作は、キーボード、マウス或いはジョイスティックの使用を介して行なわれる。
【0291】
他のウインドウスクリーンもユーザに対して提供され且つ表示され作業情報の入力及び表示を容易にする。例えばパーツ情報ウインドウは、ユーザがパーツ情報を入力し或いは修正するのを可能にするために表示される。パーツ情報ウインドウ表示の例が図57に与えられる。このパーツ情報ウインドウは全ての関連するパーツ情報(例えばパーツ番号、材料タイプ、寸法等)を含み、板金パーツの2次元平面図及び等測投影法図を含む。曲げ線情報ウインドウ(例えば図58に示されるもの)は、ユーザが各曲げ線についての曲げ順及び縮小量を含む種々の曲げ線情報を監視することを可能とするために設けられる。前記曲げ線情報ウインドウはユーザが、各曲げについての曲げ線情報を入力し或いは修正するのを可能とし、板金パーツの2次元平面図及び等測投影図を含む。
【0292】
オペレータの曲げ順の分析を容易にするために、追加のウインドウ表示が提供される。例えば曲げ順ウインドウ表示及び曲げシミュレーションウインドウ表示が提供され、前記パーツの種々の曲げ段階を表示し、且つ曲げ操作中におけるパーツの向きをシミュレートする。図59に示されるような曲げ順ウインドウは前記メインメニュースクリーンから選択され曲げ順の各段階における前記パーツの(静止状態における)中間形状をユーザに対して表示する。曲げシミュレーションウインドウ(例えば図60を見よ)もユーザにより選択され、曲げ段階の静止情報(スクリーンの右側に提供されるパーツアイコンの形態で)及び、曲げ順における各段階で行なわれる位置付け及び曲げの動的シミュレーション(表示装置の中央において)を提供する。スクリーン上のパーツアイコンを間欠的に選択することにより、ユーザは選択されたパーツアイコンにより表現される段階における、曲げ加工中でのパーツの向きの動的シミュレーションを見ることができる。各曲げ順を動的にシミュレートするために、パーツは反転され、並進移動され、曲げ線の周りで曲げられ/回転される。
【0293】
図57−60の上記ウインドウ表示の各々は、図56のメインメニューウインドウ表示からユーザに対して選択され且つ表示される。更に、任意のステーションモジュールにおけるユーザは、メインメニューウインドウ表示において適宜のウインドウアイコンを選択し、この発明の観察モード(例えば2次元平面、ワイヤフレーム、ソリッド、正射図)に応じて表示されるパーツの2次元及び/又は3次元表示を得る。これは図28−31を参照して上で詳細に説明された。種々のメニューウインドウがまた例えばステーションモジュールに設けられ、この発明の特性及び機能の操作を容易にする。図61は2次元から3次元操作のために表示される代表的メニューを図示する。更に図62はこの発明の2次元クリーンアップ操作のための代表的メニュー構造を図示する。この発明はしかしこれらのメニュー配置に限定されるものではなく、他のメニュースクリーン及び/又は工具アイコンバーが設けられ、ユーザのシステムとの相互作用を容易にする。
【0294】
他の特性もまたこの発明において実行される。例えば、高いレベルの自動装置も提供され曲げプランの生成を容易にする。例えば曲げ及び工具立てエキスパートシステムが提供され、各作業についてのパーツの幾何形状及び形状に基づいて工具立てセットアップ及び曲げ順を生成し且つ提案する。それは例えば米国特許出願出願番号08/386.369及び08/338.115に開示されるようなものである。
【0295】
この発明は幾つかの代表的な実施例を参照して記載されたがここで用いられた用語は、限定の用語ではなく、記載及び説明の用語である。この発明の範囲及び精神及び種々の側面から逸脱することなく種々の変形がなされ得る。この発明はここで特定の手段、材料及び実施例を参照して記載されたが、発明はここに開示された特定のものに限定されるように意図されるものではない。むしろ発明は全ての機能的に等価な構造、方法及び使用に広がる。
【0296】
付録A
曲げモデルパーツからのフィーチャエンティティ抽出の例
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付録B
相似性指数特性の例。2つの部分のトポロジカルマトリクスを比較し、それらの最良の相似性指数を求める。相似性指数は、2つの部分のFENTマトリクストポロジカルマトリクス)の不一致FENTsの全てのペナルテイの和として与えられる。最良の相似性指数は最小値を持つものである。
【0297】
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付録C
// コメントを含むベンドライン検出の例。このモジュールはBM PART:: 自動ベンド( )の実施を含む。
【0298】
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付録D
2dクリーアップ関数の例
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付録E
ベンドモデルビユワ実施の例; CBendCADViewPartメンバ関数の実施およびメニュー駆動関数の実施を含む。
【0299】
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付録F
コメント付きファイルを含むメインを自動寸法化するBMAPIの例/
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付録G
機能を描く自動寸法化の例。これらの関数は、デイメンシヨンポイントが既に計算されていることを仮定する。
【0300】
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付録H
ディメンションポイントを計算する自動寸法化関数の例。ディメンションポイントは、フランジ長ディメンションが描かれる前に計算される。
【0301】
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付録I
幾つかの基本的自動寸法化関数、コンストラクタ、デストラクタおよび幾つかの他の基本的関数の例
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付録J
薄板部分に対するエンティティビジビリテイ関数を含むベンドモデルビユワ実施の例
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付録K
PART.HXXはベンドモデルおよび部分構造などに関するコメント
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付録L
3次元操作および回転軸の動的計算によるナビゲーションの例
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【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に基づいて構成された、進歩的板金製造設備のブロックダイヤグラム図である。
【図2】この発明の他の実施例に基づいて構成された進歩的板金製造設備のブロックダイヤグラム図である。
【図3】この発明の1つの側面による、サーバモジュール、データベース及びステーションモジュールの間のそれぞれのデータの流れを図示する。
【図4】この発明の他の側面による、サーバモジュールにより実行される一般的な工程及び操作のフローチャートである。
【図5】この発明の教示による、前記ステーションモジュールの各々により実行される基本的工程及び操作の代表的フローチャートである。
【図6】この発明の一側面による類似パーツ検索アルゴリズム或いは工程の論理フローを説明するフローチャートである。
【図7】この発明の一側面による類似パーツ検索アルゴリズム或いは工程の論理フローを説明するフローチャートである。
【図8】図8(a)、(b)、(c)はこの発明の側面による、接触した角部を有する4曲げ箱及び開放された角部を有する4曲げ箱についての特徴抽出操作を説明する。
【図9】図9(a)、(b)、(c)及び(d)はこの発明の側面による、接触した角部を有する4曲げ箱及び開放された角部を有する4曲げ箱についての特徴抽出操作を説明する。
【図10】図10(a),(b)及び(c)は、この発明の他の側面による、4曲げ箱、ブリッジ及び他の4曲げ箱を有するパーツについての検索キーを特定するための特徴関連操作及び工程を説明する。
【図11】図11は、折り曲げアルゴリズムを用いて、2次元単一図面図から3次元モデルを生成するためになされる工程及び操作の論理フローを説明するフローチャートである。
【図12】面検出工程のための図面を作成するために行なわれる自動トリミング機能及びクリーンアップ機能の例を説明する。
【図13】図13(a)、(b)、(c)は、面検出工程のための図面を作成するために行なわれる自動トリミング機能及びクリーンアップ機能の例を説明する。
【図14】面検出工程のための図面を作成するために行なわれる自動トリミング機能及びクリーンアップ機能の例を説明する。
【図15】図15(a)、(b)、(c)、(d)はこの発明の側面による、面検出工程においてなされる種々の工程及び操作を説明する。
【図16】図16(a)、(b)、(c)、(d)はこの発明の側面による、面検出工程においてなされる種々の工程及び操作を説明する。
【図17】この発明の側面による、面検出工程及び曲げ線検出工程の実行から最終曲げグラフデータの生成を説明する。
【図18】この発明の側面による、面検出工程及び曲げ線検出工程の実行から最終曲げグラフデータの生成を説明する。
【図19】この発明の教示による、展開アルゴリズム及び他の工程を用いて最初の3次元図面(厚さを有しない)に基づいて2次元モデルを生成するための基本的論理フローのフローチャートである。
【図20】この発明の側面による、2次元クリーンアップ操作を用いて最初の2次元3面図に基づいて3次元モデルを生成するための基本的論理フローのフローチャートである。
【図21】この発明の側面による、2次元3面図に対して2次元クリーンアップ操作を行なうための工程及び操作の基本的論理フローのフローチャートである。
【図22】図22(a)及び(b)は、この発明の2次元クリーンアップ操作により加工される代表的2次元3面図の図及び側面を説明する。
【図23】図23(a)はこの発明の2次元クリーンアップ操作の回転された図の特徴を説明する。図23(b)はこの発明の側面による、この発明の2次元クリーンアップ操作に関連する標準形態を説明する。
【図24】図24(a)及び(b)は、この発明の教示による、厚さを有する2次元3面図及び厚さ除去工程を用いて生成される厚さを有しない簡単化された2次元3面図を説明する。図24(c)はこの発明の側面による、代表的パーツの横断厚さ線分及び厚さ円弧の図である。
【図25】本発明の側面による、厚さを有する3次元図面から厚さを有しない3次元モデルを展開するために実行される種々の工程及び操作の論理フローのフローチャートである。
【図26】例えばオブジェクト指向プログラム技術を通して本発明を実行する際に、使用される曲げモデルの代表的データ構造及びアクセスアルゴリズムを説明する。
【図27】この発明の他の側面による、曲げモデルビューアの構造のブロックダイヤグラムを説明する。
【図28】表示スクリーンへ出力として提供される代表的ソリッド図ウインドウ表示を説明する。
【図29】表示スクリーンへ出力として提供される代表的ワイヤフレーム図ウインドウを説明する。
【図30】表示スクリーンへ出力として提供される2次元平面スクリーン像ウインドウ表示を説明する。
【図31】表示スクリーンへ出力として提供される正射影図スクリーン像を説明する。
【図32】この発明の自動寸法付けモードにおいて表示される種々の寸法事項の例を説明する。
【図33】図33(a)、(b)及び(c)は、この発明の1つの側面による、種々の異なるパーツについてフランジ長さが定義される態様を図示する。
【図34】図34(a)及び(b)は、この発明の他の側面による、2つの異なるタイプのパーツについて補助的なフランジ長さを追加することを図示する。
【図35】図35(a)、(b)及び(c)は、この発明の更に他の側面による、厚さを備えて表示される種々のパーツについてフランジ長さが指示される態様を図示する。
【図36】図36(a)及び(b)は、この発明の接線寸法方法及び交差寸法方法による、鋭角曲げ角度を有するパーツのフランジ長さが表示される態様を示す。
【図37】この発明の他の側面による、図形的ユーザインタフェースの使用により曲げプランが生成されるために行なわれる工程及び操作の論理フローのフローチャートである。
【図38】曲げ順を生成するために曲げオペレータに対して表示される曲げ順入力スクリーン像の例を図示する。
【図39】図39(a)及び(b)は、この発明の他の側面による、曲げ順の選択及び挿入方向の修正の例を示す。
【図40】曲げ順入力スクリーン画像及び関連するスクリーン表示の更なる例を示す。
【図41】曲げ順入力スクリーン画像及び関連するスクリーン表示の更なる例を示す。
【図42】この発明の1つの側面による、オペレータが提案された曲げ順を修正し且つ編集するのを容易にするために設けられるドラッグ及びドロップ編集特性を示す。
【図43】曲げオペレータが工具を選択するのを支援するために図形的に表示される種々の表示メニュー及びデータテーブルの例を示す。
【図44】提案された曲げプランにおいて工具のセットアップを容易にするために曲げオペレータに対して表示される代表的工具セットアップウインドウを示す。
【図45】張り付けられたアイコンの使用を介して、添付された音声及び映像情報を有する3次元ソリッド図ウインド表示の例を示す。
【図46】この発明の一側面による、格納された音声及び映像情報を読み出すためのアイコンと共に組み込まれた表示ウインドウの他の例を示す。
【図47】この発明の教示に基づいて実行されるイメージ編集ウインドウの例を示す。
【図48】図形的ユーザインタフェースを介して実行されるこの発明の干渉チェック機能の例を示す。
【図49】図形的ユーザインタフェースを介して実行されるこの発明の干渉チェック機能の例を示す。
【図50】図50(a)及び(b)は、例えばジョイスティックを用いて3次元幾何学形状の回転及び表示を操作するための、この発明の操作システムを示す。
【図51】例えばジョイスティック及びズームボタンを用いて3次元幾何学形状のズーミング及び表示を操作するためのこの発明の操作システムを示す。
【図52】例えばジョイスティック及びパンボタンを用いて、3次元幾何学形状のパンニング及び表示を操作するための、この発明の操作システムを示す。
【図53】この発明の3次元ナビゲーション及び操作システムを実行するために、実行される工程及び操作の代表的フローチャートである。
【図54】この発明の側面による、ジョイスティック運動をカーソル運動へ写像する例を示す。
【図55】表示されたパーツの回転軸を動力学的に計算するためになされる工程及び操作の代表的フローチャートである。
【図56】例えばステーションモジュールにおいて設けられ且つ表示されるメインメニューウインドウ表示の例を示す。
【図57】ユーザがパーツ情報を入力し且つ修正することを可能とするように設けられた代表的パーツ情報ウインドウ表示を示す。
【図58】ユーザが曲げ情報を入力し且つ修正することを可能とするように設けられた代表的曲げ線情報ウインドウ表示を示す。
【図59】板金パーツの中間的曲げ段階を観察するための、この発明の代表的曲げ順ウインドウ表示を示す。
【図60】板金パーツの中間曲げ段階をシミュレートするための、この発明の代表的曲げシミュレーションウインドウ表示を示す。
【図61】2次元から3次元への変換のためユーザに対して設けられ且つ表示される、この発明の代表的メニュースクリーン図及び構造である。
【図62】この発明の2次元クリーンアップ操作のための代表的メニュースクリーン図及び構造である。
【図63】一端が開放された線分が除去される前のパーツの3次元表示の例を示す。
【図64】パーツの2次元3面図からパーツの3次元モデルを生成する際に使用されるこの発明の3次元クリーンアップ工程による、前記一方が開放された線分が3次元表示から除去された後のパーツを示す。
【図65】曲げ線が特定される前のパーツの代表的3次元表現を示す。
【図66】この発明の3次元クリーンアップ工程によるモールド線が追加された後のパーツを示す。
【図67】曲げ線をきれいにし且つ面をトリミングする前のパーツの代表的部分を示す。
【図68】この発明の3次元クリーンアップ工程による前記正常化及びトリミングが行なわれた後のパーツの部分を示す。

Claims (5)

  1. 高知能製造設備により製造されるべき部品の曲げモデルを展開するためのシステムにして、前記システムは以下を含む;
    前記部品に関連する初期部品情報を受信する受信システムにして、前記初期部品情報は、2次元座標空間における前記部品の複数の図である三面図の各表現を備え、前記複数の表現の各々は前記部品の厚さの表現を含み、前記初期部品情報は非本質的情報を含むもの;
    前記初期部品情報に対して2次元クリーンアップ操作を行い、前記非本質的情報を除去し、前記各表現を同定するクリーンアップ操作システム;
    前記2次元空間における厚さを有しない前記部品の前記同定表現に基づいて3次元空間における前記部品の表現を作成するシステム;
    さらに、前記初期部品情報は、少なくとも前記部品の線分エンティティーを表現する部品エンティティーデータを備え、前記クリーンアップ操作システムは、前記エンティティーの交差点を検出し且つ前記検出された交差点において前記エンティティーを選択的に自動で分断する分断トリミングシステムを備え、前記分断トリミングシステムは、前記分断に際し、2つの線分エンティティーが幾何学的に交差する場合は交差点を検出し、あるいは前記隣接するエンティティーの端点が相互に所定距離間に存在すると判断される時に共通の端点を交差点として付与し、前記交差点を共通の最終点を有するように割り当て連結するとともに、非連結要素を検出した場合は前記非連結要素に対してクリーンアップ処理を行う。
  2. 請求項1によるシステムにして、それはさらに、前記同定された各表現において部品厚さの表現を選択的に除去し、2次元座標空間における厚さを有しない、前記部品についての前記各図の修正表現を提供する部品厚さ除去システムを備え、前記作成システムは、前記部品の同定された各々に基づいて3次元空間における前記部品の表現を作成するようになっている。
  3. 請求項1によるシステムにして、3次元空間における前記部品の前記表現に対して3次元クリーンアップ操作を行ない、前記部品の前記表現における余分の情報を更にクリーンアップし消去するためのシステムを更に含む。
  4. 高知能製造設備により製造されるべき部品の曲げモデルを展開するためのシステムにして、前記システムは以下を含む;
    前記部品に関連する初期部品情報を受信する受信システムにして、前記初期部品情報は、2次元座標空間における前記部品の複数の図である三面図の各表現を備え、前記複数の表現の各々は前記部品の厚さの表現を含む;
    前記同定された各表現において部品厚さの表現を、取得した部品厚さと、部品の外形の外側寸法側又は内側寸法側との線分エンティティーに基づき選択的に除去し、2次元座標空間における厚さを有しない、前記部品についての前記各図の表現を提供する部品厚さ除去システム;
    前記初期部品情報は非本質情報を含み、前記システムは、前記初期部品情報に対して2次元クリーンアップ操作を行い、前記非本質的情報を除去し、前記各表現を同定するクリーンアップ操作システム;
    前記初期部品情報は、少なくとも前記部品の線分エンティティーを表現する部品エンティティーデータを備え、前記エンティティーの交差点を検出し且つ前記検出された交差点において前記エンティティーを選択的に分断し、前記分断エンティティーが前記検出された交差点に基づいて共通の最終点を有するように割り当てる分断トリミングシステム;
    前記2次元空間における厚さを有しない、前記部品の前記修正表現に基づいて3次元空間における前記部品の表現を作成するシステム;
  5. 請求項4によるシステムにして、3次元空間における前記部品の前記表現に対して3次元クリーンアップ操作を行ない、前記部品の前記表現における余分の情報を更にクリーンアップし消去するためのシステムを更に含む。
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