JP3803478B2 - トロールウインチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトロールウインチに係り、特に、運転操作が簡単で、構成も簡単かつコンパクトなトロールウインチに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
一般に、引網漁業や、かに篭漁業においては、トロールウインチを用いて引網や、かに篭を船上に巻き上げるとともに、巻き上げた引網を巻回収納するようにしている。
【0003】
本出願人は、既に特公平6−85671号公報においてこの種のトロールウインチを提案している。
【0004】
このトロールウインチにおいては、フレーム本体に水平に支持された主軸に、右舷用若しくは左舷用となる2個の巻取りリールを隣接させて回転自在に支持させ、これらの2個の巻取りリールの何れか一方もしくは両方同時に1個のモータにより回転駆動させて、引網や、かに篭を船上に巻き上げるようにしている。また、引網の綱部分や、かに篭の綱部分を巻き上げる場合には、巻取りリールの上流側に配置した綱類用のシフター機構により、当該綱類を巻取りリールの幅方向に往復誘導して、均一に巻取るようにしている。また、引網の網類を巻き上げる場合には、前記綱類用のシフター機構とは別個に設けた網類用のシフター機構により、当該網類を巻取りリールの幅方向に往復誘導して、均一に巻取るようにしている。
【0005】
このように形成されているトロールウインチにより、引網を巻き上げる場合には、引網に作用する海流等の影響により、引網の左右の綱類および網類の巻き上げ抗力が異なって来るものである。そのために、インチング運転と称される巻き上げ法により、引網の左右の綱類および網類を別々に交互に巻き上げて、引網全体を巻取りリールに均等に巻き上げるようにしている。このトロールウインチにおいては、実際には、巻取りリールを回転駆動する場合には、主軸と巻取りリールとをクラッチによって連結させ、その後に主軸に駆動源である1個のモータから動力を与えて巻取りリールを回転させていた。
【0006】
そのため次のように運転操作が複雑になってしまっていた。即ち、インチング運転においては、各々の巻取りリールの駆動を切換える運転操作をする場合は、モータによる主軸の回転駆動を停止し、回転している一方の巻取りリールをブレーキで停止した後、その巻取りリールと主軸とのクラッチによる連結を解除した上で、他方の巻取りリールと主軸とをクラッチで連結するとともにブレーキによる制動を解除し、モータによる主軸の回転駆動を再開するようにしていた。このように巻取りリールの駆動および停止における運転操作手順が複雑であるため、巻き上げ作業効率を更に向上させたトロールウインチの開発が望まれていた。
【0007】
また、綱類と網類とを巻取りリールの幅方向に往復誘導させるために、別体のシフター機構を設けているために、構造が複雑となり、特に両シフター機構を船の長手方向に並列させて設けているので、トロールウインチ全体の船の長手方向の長さが長くなり、据付スペースが大きくなるという問題点もあった。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、運転操作手順が極めて簡単であり、作業効率を大きく向上させることができ、構造も簡単で、据付スペースも縮小できるトロールウインチを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載の本発明のトロールウインチは、主軸に対して2個の巻取りリールを軸方向に隣接させてそれぞれ回転自在に軸支させ、前記各巻取りリールを回転駆動する駆動手段をそれぞれ別個に設け、前記各巻取りリールの回転を停止させるブレーキをそれぞれ別個に設け、前記各巻取りリールにより巻取られる綱類および網類を同一のシフター機構によって巻取りリールの幅方向に往復誘導するシフター機構を設け、前記巻取りリールの停止および駆動の操作を前記駆動手段およびブレーキの切換のみにより行なうことを特徴とする。このような構成を採用したことにより、巻取りリールの駆動および停止を迅速かつ簡単に行なうことができ、作業効率が大きく向上し、更に綱類および網類を同一のシフター機構によって巻取るようにしたために、全体構成を簡単することができ、特にトロールウインチ全体の船の長手方向の長さを短く形成することができ、据付スペースも縮小できる。
【0010】
また、請求項2に記載のトロールウインチは、請求項1のシフター機構を往復誘導幅が一方の巻取りリールの全幅とされている第1シフター機構と、往復誘導幅が2個の巻取りリールの全幅を合わせた合計幅とされている第2シフター機構とにより形成したことを特徴とする。このような構成を採用したことにより、1基のシフター機構により綱類と網類とを簡単に巻取りリールの幅方向に往復誘導させて均一に巻取ることができ、更に引網漁業とかに篭漁業とを簡単に切換えることができ、しかもかに篭の綱類を両方の巻取りリールに均等に巻き取ることができる。
【0011】
また、請求項3に記載のトロールウインチは、前記主軸と前記他の巻取りリールとの間に双方を係脱させる同調クラッチを設たことを特徴とする。このような構成を採用したことにより、同調クラッチを係脱させて、主軸と他の巻取りリールとを一体的に駆動可能としたり、別個に駆動可能とするように運転状態を容易に切り替えることができる。
【0012】
また、請求項4に記載のトロールウインチは、前記2個の巻取りリールの互いに相対向する内側フランジを一体的に連結固定自在に形成したことを特徴とする。このような構成を採用したことにより、両内側フランジを一体的に連結固定すると、両巻取りリールは軸方向に離間することが確実に防止される。従って、例えば、かに篭の綱を両方の巻取りリールに巻取っていく場合に、綱から大きな巻き上げ抗力を受けても、両巻取りリールは離間することがなく、かに篭の巻取りを極めて円滑に行なうことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図4を参照して説明する。
【0014】
図1から図3は本発明の1実施形態を示している。
【0015】
本実施形態のトロールウインチは、甲板上に設置されるフレーム本体1に主軸2が軸受3をもって回転自在に水平に軸支されている。この主軸2の中央部より左側には1個の巻取りリール4が一体に形成されている。そして、主軸2の中央部より右側には左側の巻取りリール4に近接させて他の巻取りリール5が軸受6をもって回転自在に軸支されている。これらの巻取りリール4、5の互いに相対向する内側両端部には、比較的小径の内側フランジ7、8が各々一体形成されており、また、各リール4、5の相反する外側両端部には、前記内側フランジ7、8より大径の外側フランジ9、10が各々一体形成されている。両内側フランジ7、8の外周端部の間には、両者間に綱類が入り込まないように一方の内側フランジ8から覆体8aが延出されている。両巻取りリール4、5の外側フランジ9、10の外方には、それぞれ環状の駆動歯車11、12が駆動力伝達ドラム14、15をもって一体的に連結されている。また、右側の駆動歯車12および駆動力伝達ドラム15の内側には、主軸2と右側の巻取りリール5とを係脱させる同調クラッチ13が設けられている。この同調クラッチ13は油圧等の駆動源により主軸2の軸方向に移動自在に装着されている移動体13aと、巻取りリール5の外側フランジに固着されていて移動体13aが係脱される固定受部13bとにより形成されている。そして、各駆動歯車11、12はそれぞれフレーム本体1に装着された油圧モータ等からなる駆動モータ16、17により別個に回転駆動されるようになっている。前記駆動力伝達ドラム14、15の外周面には、巻取りリール4、5の回転を停止するブレーキの1種としてのドラムブレーキ18、19が配設されており、各巻取りリール4、5の回転停止や停止した巻取りリール4、5の再駆動をドラムブレーキ18、19のON、OFFと駆動モータ16、17のON、OFFとを組合わせることにより行なうようになっている。
【0016】
また、図1および図2に示すように、巻取りリール4、5の巻取り方向の上流側には、各巻取りリール4、5により巻取られる綱類および網類を巻取りリール4、5の幅方向に往復誘導するシフター機構20が設けられている。本実施形態におけるシフター機構20は、一方の巻取りリール4の全幅方向に綱類および網類を往復誘導する第1シフター機構21と、両方の巻取りリール4、5の全幅を合わせた合計幅方向に綱類および網類を往復誘導する第2シフター機構22とにより形成されている。更に説明すると、フレーム本体1には、右弦側となる第1シフター機構21の駆動軸23と左舷側となる第2シフター機構22の駆動軸24とが水平に、かつ、平行にして回転自在に軸支されている。一方の駆動軸23の外周には巻取りリール4の幅に対向する範囲に正逆送り螺旋溝25が形成されており、他方の駆動軸24の外周には両方の巻取りリール4、5の全幅を合わせた合計幅に対向する範囲に正逆送り螺旋溝26が形成されており、各駆動軸23、24に遊挿されているスライダ27、28には各螺旋溝25、26と係合するピン29、30が設けられている。従って、第1シフター機構21においては、駆動軸23が一方向に回転することにより、ピン29が正逆送り螺旋溝25に案内されてスライダ27と一緒に駆動軸23に沿って巻取りリール4の全幅に亘って往復移動させられる。また、第2シフター機構22においては、駆動軸24が一方向に回転することにより、ピン30が正逆送り螺旋溝26に案内されてスライダ28と一緒に駆動軸24に沿って両方の巻取りリール4、5の全幅を合わせた合計幅に亘って往復移動させられる(この場合、スライダ27はスライダ28の全移動範囲の外側に予め退避させておく。)。スライダ28を片方の巻取りリール5の全幅に亘って往復移動させる場合には、巻取りリール5の内側フランジ8の位置に相当する部分に配置された反転検出リミットスイッチ31からの検出信号によって駆動軸24を正逆回転させることにより行なわれる。各駆動軸23、24の回転駆動は、各駆動歯車11、12の回転を歯車、チエーン、ベルト等の適宜の回転伝達機構によって伝達したり、油圧モータ等の別個の駆動源により回転駆動したり、両者を併用したりするとよい。この場合、駆動軸24については正逆回転機構を設けるようにする。
【0017】
また、図1および図2に示すように、前記駆動軸23、24の上流側には上下に平行な2本のガイド軸32、33がフレーム本体1に横架されている。各スライダ27、28の上流側端部は上のガイド軸32に遊挿支持されており、それぞれの下面の外側寄り部分から綱類および網類をガイドする外側ガイドローラ34、35が垂下され、下のガイド軸33に移動自在に支持されている下側スライダ36、37に下端を固着されている。各外側ガイドローラ34、35より内側へ所要の間隔すなわち綱類が通過しうる間隔をあけて内側ガイドローラ38、39が各スライダ27、28より垂下されている。両内側ガイドローラ38、39は上端部を上のガイド軸32に固着されていて、ガイド軸32を回動させることにより外側ガイドローラ34、35と平行で下端部が下側スライダ36、37の支持溝40、41に支持されている状態と、図2の鎖線に示すように水平に起きて網類の巻き上げを可能とする退避状態とに移動自在に形成されている。
【0018】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0019】
まず、引網漁業について説明する。
【0020】
引網を巻き上げる場合には、同調クラッチ13をOFFにして移動体13aと固定受体13bとを離した状態に保持しておいて、各巻取りリール4、5から伸びた引綱、オッターボード、ハンドロープ、網ペンネントおよび引網を順に巻き上げてゆく。
【0021】
最初の綱類の巻き上げは、図2および図3に示すように、平行状態にある各内側ガイドローラ38、39と外側ガイドローラ34、35との間に綱類を通し、各駆動モータ16、17により各巻取りリール4、5を回転駆動させて、綱類を巻き上げてゆく。この時、第1シフター機構21および第2シフター機構22により各スライダ27、28と一緒に各内側ガイドローラ38、39と外側ガイドローラ34、35とが、各巻取りリール4、5の全幅の範囲を往復動するようにしておいてあるので、綱類が各巻取りリール4、5に幅方向に均一の巻き上げ量として巻き上げられる。一方の第1シフター機構21においては、駆動軸23が一方向に回転することによりスライダ27が正逆送り螺旋溝25に沿って往復動し、他方の第2シフター機構22においては、反転検出リミットスイッチ31と駆動軸24の正逆回転駆動により、スライダ28が正逆送り螺旋溝26の図1の右側半分の範囲で往復動する。そして、巻取りリール4、5に設けた内側フランジ7、8および外側フランジ9、10によって綱類の巻取り層の縁が崩れることが防止されている。
【0022】
この巻取りの過程においては、両巻取りリール4、5の巻取り量をさらに均一に調整するためにインチング運転を行なうようにされる。即ち、両巻取りリール4、5を同時に回転駆動させたり、一方の巻取りリールを一時停止させ、他方の巻取りリールによる巻取り状態とのタイミングに合わせて再駆動したり、また、一方のみを回転駆動させておいてその回転駆動を他方のみの回転に切換える等の運転が頻繁に行なわれる。
【0023】
本実施形態によれば、各巻取りリール4、5をドラムブレーキ18、19のみで停止させ、また、このドラムブレーキ18、19の解除のみで再駆動させることができ、停止、再駆動操作等を簡単かつ迅速に行なうことができ、所望のタイミング調整ができるようになっている。
【0024】
これを従来と比較すると、従来のようにクラッチを介して主軸の回転駆動に同伴して巻取りリールの回転を行なう場合には、回転を停止する際にクラッチを解除した後にブレーキを掛けなければならず、一方ブレーキで停止した巻取りリールを再度回転するためにはクラッチを接続した後にブレーキを開放しなければならなかった。これに対し、本実施形態においては各巻取りリール4、5が駆動モータ16、17によって別個に回転駆動され、しかも各ドラムブレーキ18、19によって停止させられるように形成し、巻取りリール4、5が各別に回転する際に主軸2と係合するようなクラッチ機構は搭載していないので、各巻取りリール4、5の回転および停止を行なう運転操作において、クラッチの開閉操作が不要となり、従来よりも運転操作手順が極めて簡単となり、作業効率を大きく向上させることができる。
【0025】
このようにして綱類の巻取り量の調整を行ないながら巻き取りを行ない、引き網漁具の綱類の部分がほぼ巻取られて網本体がトロールウインチの近くまで引き寄せられた時に、各シフター機構21、22の駆動軸23、24の回転を停止させるとともに、両巻取りリール4、5の回転をドラムブレーキ18、19によって停止させる。その後、各シフター機構21、22の各内側ガイドローラ38、39を上のガイド軸32を回動させて、図2の鎖線に示す状態に起こして綱類走行経路を解除し、外側ガイドローラ34、35によって引網漁具の網類を両巻取りリール4、5の全幅に亙って往復誘導する準備をさせる。その後、同調クラッチ13をONにして移動体13aと固定受体13bとを係合さてた状態に保持し、ドラムブレーキ18、19による制動を解除し、両駆動モータ16、17をONにして両巻取りリール4、5を同時に再回転駆動させて、各巻取りリール4、5に既に巻取られた綱類の外周に連続して網本体の巻取り収納を開始させる。この時、両シフター機構21、22は両外側ガイドローラ34、35によって引網漁具の網類を左右から挟持し、かつ、網類を挟持したままの間隔を保持した状態で同時に左右動するように両駆動軸23、24を回転させて、引網漁具の網類を両巻取りリール4、5の全幅に亙って往復誘導させる。これにより引網漁具の網類も両巻取りリール4、5の全幅に亙って均等に巻取られる。
【0026】
このように本実施形態によれば、両巻取りリール4、5の駆動および停止を迅速かつ簡単に行なうことができ、作業効率が大きく向上され、更に綱類および網類を同一のシフター機構20によって巻取るようにしたために、全体構成を簡単することができ、船の長手方向の長さを短く形成することができ、据付スペースも縮小することができる。
【0027】
次に、かに篭漁業を説明する。
【0028】
網部を持たないかに篭等の漁具を巻き上げる際には、一方の第1シフター機構21を駆動軸23の正逆送り螺旋溝25の形成された範囲より外方(図1の鎖線位置)に退避させ、他方の第2シフター機構22を駆動軸24に形成された正逆送り螺旋溝26の全範囲を往復運動させながら両巻取りリール4、5を同時に回転駆動させながら、連続して巻き取りを行なうようになっている。
【0029】
更に説明すると、かに篭の綱類を平行状態にある内外のガイドローラ39、35の間を通し、最初は同調クラッチ13をOFFにして移動体13aと固定受体13bとを離した状態に保持しておいて、第2シフター機構22のスライダ28を両巻取りリール4、5の一方の前のみで往復移動させて当該巻取りリールに内側フランジ7、8の高さまで巻取り、次に他方の巻取りリールに同様して内側フランジ7、8の高さまで巻取り、次に同調クラッチ13をONにして移動体13aと固定受体13bとを係合さてた状態に保持し、スライダ28を正逆送り螺旋溝26の全範囲を往復運動させて、両巻取りリール4、5の全範囲に巻取る。
【0030】
また、かに篭は両巻取りリール4、5に巻取った引網の外周に巻取ることも行なわれており、この場合には、第2シフター機構22によってかに篭の綱類を初めから両巻取りリール4、5の全幅に亙って往復誘導させて均等に巻取るようにされる。
【0031】
本実施形態においては、引網漁業からかに篭漁業への切換え時に、特別の操作をする必要がなく、操作性に優れている。更に、両巻取りリール4、5の全幅に対して綱類を往復誘導させる第2シフター機構22を設けているので、容易にかに篭漁業に切り替えて迅速にかに篭漁業を開始することができ、しかも操作も簡単であり、操作性に優れている。
【0032】
図4は本発明の他の実施形態を示すものであり、隣接している2個の巻取りリール4、5の互いに相対向する内側フランジ7、8を一体的に連結固定自在に形成したものである。さらに説明すると、両内側フランジ7、8の外周に固着した連結リング42、43の周方向の複数位置に等分配設された貫通孔44、45に緊締具としてのボルト46とナット47とを挿通配置して、両内側フランジ7、8を一体的に連結固定するようにしたものである。一方の連結リング42には両連結リング42、43の間を覆う環状の覆体48が固着されている。このような緊締具としては、ボルト46およびナット47以外の公知の緊締具を用いてもよい。
【0033】
本実施形態によれば、インチング運転が不要な場合、例えば、かに篭漁業を行なう時に図4に示すように、ボルト46およびナット47により両内側フランジ7、8を一体的に連結固定する。この時、2個の巻取りリール4、5には綱類を巻取らないで空にしておくか、若しくは最大限貫通孔44、45が露出している位置まで綱類を巻取っておいて、ボルト46およびナット47の緊締作業を行なう。
【0034】
そして、実際のかに篭の綱類を2個の巻取りリール4、5に巻取る作業は、第1には、両巻取りリール4、5が空の状態から開始したり、第2には、引網の綱類のみを貫通孔44、45が露出している位置まで巻取り、引網の網類を当該綱類から取り外し、その上にかに篭の綱類の巻き取りを開始するとよい。
【0035】
本実施形態のように、ボルト46およびナット47により両内側フランジ7、8を一体的に連結固定すれば、両巻取りリール4、5は軸方向に離間することが確実に防止される。従って、例えば、かに篭の綱を両方の巻取りリール4、5に巻取っていく場合に、綱から大きな巻き上げ抗力を受けても、両巻取りリール4、5は離間することがなく、かに篭の巻き取りを極めて円滑に行なうことができる。このボルト46およびナット47等からなる緊締具による緊締力は、前記巻き上げ抗力の大きさに応じて適正値に設定するとよい。
【0036】
なお、本発明は前記実施形態のものに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように本発明のトロールウインチは構成され作用するものであるから、運転操作手順が極めて簡単であり、作業効率を大きく向上させることができ、構造も簡単で、据付スペースも縮小できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトロールウインチの1実施形態を示す一部切断概略平面図
【図2】 本発明のトロールウインチのシフター機構の実施形態を示す斜視図
【図3】 本発明のトロールウインチのシフター機構の部分正面図
【図4】 本発明のトロールウインチの他の実施形態の2つの巻取りリールの連結部を示す断面図
【符号の説明】
2 主軸
4、5 巻取りリール
13 同調クラッチ
16、17 駆動モータ
18、19 ドラムブレーキ
20 シフター機構
21 第1シフター機構
22 第2シフター機構
46 ボルト
47 ナット
Claims (4)
- 巻取りリールが一体に形成されている主軸を回転自在に軸支させ、前記主軸に対して他の巻取りリールを前記巻取りリールと軸方向に隣接させて回転自在に軸支させ、前記各巻取りリールを回転駆動する駆動手段をそれぞれ別個に設け、前記各巻取りリールの回転を停止させるブレーキをそれぞれ別個に設け、前記各巻取りリールにより巻取られる綱類および網類を同一のシフター機構によって巻取りリールの幅方向に往復誘導するシフター機構を設け、前記巻取りリールの停止および駆動の操作を前記駆動手段およびブレーキの切換のみにより行なうことを特徴とするトロールウインチ。
- 前記シフター機構は、往復誘導幅が一方の巻取りリールの全幅とされている第1シフター機構と、往復誘導幅が2個の巻取りリールの全幅を合わせた合計幅とされている第2シフター機構とにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトロールウインチ。
- 前記主軸と前記他の巻取りリールとの間には双方を係脱させる同調クラッチが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトロールウインチ。
- 前記2個の巻取りリールは、互いに相対向する内側フランジが一体的に連結固定自在に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載のトロールウインチ。
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