JP3803064B2 - 双極式電力供給のための電源ユニット - Google Patents
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Description
本発明は請求項1に前提条件として記載されているようなプラズマ‐または表面技術装置に双極給電するための電源ユニットに係わる。このようなユニットは原則として、例えばEP 534 068 Bに開示されているように、出力が電子式ブレーカのブリッジ回路の入力と接続するDC電源回路網構成部分を含む。ブレーカは制御信号処理装置と接続し、この制御信号処理装置はプラズマ装置のための所要のパルスパターンが得られるように所要の態様でブレーカを作動させる。このユニットは正および負出力信号の制御時間を個別に調整するため、別々の制御信号処理装置を設け、これによってパルス形態を極めて自由に選択できるようにしている。
【0002】
本発明の目的は、所要のパルス形態を選択する際の自由度がさらに広がるように、公知の電源ユニットを改良することにある。本発明は、請求項1に記載の特徴を有する頭書の電源ユニットによってこの目的を達成する。本発明の他の目的は、周波数がMHzレベルにまで達する絶対的に選択自在なパルス形態の発生を可能にする構成を提供することにある。この目的は請求項7に記載の構成によって達成される。
【0003】
本発明の好ましい実施態様を従属請求項に記載する。
【0004】
本発明では、それぞれのブリッジ回路に対応して少なくとも2つのDC電源回路網構成部分を使用する。ブリッジは分割され、この場合、第1のDC電源回路網構成部分の正出力と、第2のDC電源回路網構成部分の負出力との間に、2つの出力半導体の直列回路が接続される。同じことが第1のDC電源回路網構成部分の負出力と、第2のDC電源回路網構成部分の正出力とに当てはまる。これらの出力の間にも、2つの出力半導体の直列回路が接続されている。プラズマ装置に供給されたパルスの取り出しは、直列回路の両ブレーカの間毎に行われる。
【0005】
このようにして正および負のパルスの振幅を自由に、例えば所望の信号パターンに応じて選択することができる。
【0006】
さらに、種々異なるブレーカを個別に制御するための個別の制御信号処理装置が設けられていると、正および負のパルスの振幅を任意に選択できるだけでなく、その切換え時間および信号間隔もしくはタイムアウトを選択することもできる。従ってプラズマ装置に供給されるパルスパターンは、全て自由に選択することができる。
【0007】
このような装置が極めて高い電流を切り換えなければならない場合、給電装置の作用域は約100〜200kHzの周波数域に限定されている。複数の、好ましくは2〜8個の並列接続された給電装置を使用し、かつ、個々の給電装置を時間的ずれが相応に短い状態で同期化して制御することによって、例えば125kHzの周波数を有する8個の装置が使用される場合、メガヘルツ範囲内までの周波数を有する任意のパルスパターンを達成することが可能である。これらの装置の制御は、個々の装置の制御入力で制御バスを介して行われることが好ましい。中央制御装置からの制御信号は、個別にアドレス可能な個々の装置に供給される。
【0008】
このために、個々の給電装置は、制御装置がそれぞれ個々の給電装置の目的に適った応答を可能にする、アドレスまたは標識を備えていることが好ましい。
【0009】
極めて高いパルス電流を提供可能にするために、DC電源回路網構成部分の出力は、出来る限り高い容量を有するコンデンサで容量的に安定化されていることが好ましい。しかし給電装置がその最大容量の限界で作動させられると、パルス相互間のタイムアウトの自由な選択が制限されることがある。
【0010】
両DC電源回路網構成部分の負出力の間にも、正出力の間にもそれぞれ1つのブリッジが接続可能であることが好ましく、これにより従来の運転に替えることができるが、ただしこの従来の運転、正および負のパルス振幅を個別に異なる態様で制御することはできない。
【0011】
スイッチング・トランジスタおよびフリーホイーリング・ダイオードのための最大許容可能な電流動力学特性は、出力側の2つのインダクタンスL1、L2によって調整される。この場合動力学的にパルス電流が検出され、評価される。特に短絡インピーダンスが極めて低い場合、半導体膜または基板表面またはプラズマ膜形成システム自体の支障を回避するために、過電流の迅速な認識、およびトランジスタの即時の遮断が必要である。
【0012】
本発明による給電装置または給電装置の配置は、全てのプラズマ技術法、例えばCVD、プラズマ−PVD,マグネトロン・スパッタ、プラズマ窒化、プラズマ・エッチングに使用することができる。
【0013】
以下に本発明の一例を図面に基づき説明する。
図1はそれぞれの出力がコンデンサC1,C2によって安定化されている2つのDC電源回路網構成部分G1、G2を有する電源ユニットを示す。DC電源回路網構成部分G1には電圧V1が、DC電源回路網構成部分G2には電圧V2がそれぞれ印加される。第1電源回路網構成部分G1の正出力は、2つのブレーカT1,T2の直列回路を介してDC電源回路網構成部分G2の負出力と接続する。同様に、第1DC電源回路網構成部分G1の負出力は、2つのブレーカT2,T3の直列回路を介して第2ブレーカG2の正出力と接続する。プラズマ装置Aに供給される出力を直列回路T1 T4、T2 T3の中間点において取出し、電流の動力学特性に関してインダクタンスL1,L2によって制限することで、ブレーカだけでなく、プラズマ装置自体およびその内部に配置されている基板を保護する。さらに、電源ユニットの出力にはピックアップSAが接続されており、その出力信号が、ブレーカT1 T4を制御するための図示しない制御回路に供給されて、調整、即ち、フィードバック調整制御を実施する。
【0014】
両電源回路網構成部分の正出力間および負出力間に設けた2つのブリッジ回路S1,S2が、振幅の大きさが全く同じ正負電流パルスで、電源ユニットを公知の態様で動作させることを可能にする。例えば、下記のような動作態様が可能となる:
T3およびT4が開、T1およびT2が閉の状態では、直流電圧DC+。
T1およびT2が開、T3およびT4が閉の状態では、直流電圧DC−。
T3およびT4が開、T1およびT2がパルス制御されている状態では、単極正パルス制御動作UP+。
T1およびT2が開、T3およびT4がパルス制御されている状態では、単極負パルス制御動作UP−。
T1およびT2がT3およびT4と交互にタイミング制御されると、双極パルス制御動作BP。
【0015】
図2は図1に示す本発明の電源ユニットにおいて考えられるパルスパターンの経時的変化を示す。横軸は時間(μs)を塗りつぶしで表す。縦軸は正および負の方向の出力パルス電圧を表す。図は出力電圧がVo +、パルス持続時間がTo n+、これに続くタイムアウトがTo ff+の最初の正パルスを示す。このタイムアウトは出力電圧がVo ー、パルス持続時間がTo n−、これに続くタイムアウトがTo ff―の最初の負パルスに続く。1つの周期の4つのパルス時パラメータTo n+、To ff+、To n−およびTo ff−は自由に且つ互に関連無く選択できるが、公知技術を利用する限り、1つの周期の合計時間は8μs(最大限125 kHzの周波数に相当)を下回ることができない。
【0016】
図3は周波数がMz領域にも達する高エネルギー、高周波数パルス列を発生させる構成を示す。この構成は、この図では参照番号“System 1,System 2. . .System N”で表されるように図1に示した電源ユニットを複数含んでいる。これら複数の、好ましくは2つまたは3つ、場合によっては20個の電源ユニットは並列に接続され、プラズマ装置Aの入力に達している。個々の電源ユニットを同期化し且つ制御するため、データバスを介して個々の電源ユニットの制御回路と接続する中央制御装置を設ける。このシステムでは、それぞれの電源ユニット・システム1−システムNが固有の識別乃至アドレスを有するから、中心制御装置10は構成中の個々の電源ユニットを個別に制御できる。アドレス可能とする代わりに、制御装置を、別々のリード線を介して個々の電源ユニットと接続してもよいことはいうまでもない。
【0017】
また、装置Aへ供給される前の並列出力に集電回路14を接続し、その出力を中央制御装置10と接続することにより、制御態様を調整するためのフィードバックが得られる。図3に示すこのような構成によって、図4A −Fに示す信号形態を発生させることができ、個々のパルス列の極性、振幅、持続時間、およびパルス間のタイムアウトを個別に設定できる。これにより、周波数がMHzレベルにまで達する高エネルギー、高周波数のパルスを発生させることができる。例えば図4Bに示すように、ほぼ正弦波状の経過を辿らせることができる。また、図4Aに示すように、ほぼ三角波状の経過を辿らせることもできる。図4Dは双極パルス列におけるほぼ鋸歯波状の経過を示す。
【0018】
それぞれ異なる電源ユニットシステム1...システムNのパルスを時間的にオーバーラップさせて送信することによって、最大出力の、但し低周波数の瞬時パルスを得ることができることはいうまでもない。
【0019】
上記構成において、フーリエ変換によって所要のパルス形態を発生することができ、場合によっては、コーティング装置のプラズマを所要の励起形態に変換することができる。N個の電源ユニットのN−重のパルス並列接続において、パルスパターンを自由に設定する場合、個々のパルス部分をONまたはOFFすることによって、或る程度の周波数スペクトルを付加的にオーバーラップまたはフェードアウトすることができる。
【0020】
図5は図3と殆ど同じ装置を示し、全く同じか、または機能的に同じ部分には同じ参照符号を付してある。但し、図5においては図3とは異なり、個々の電源ユニットシステム1...システムNの電極は並列に接続されてはおらず、所与のパターン、例えば、円形パターンに対応するようにプラズマ装置の処理チェンバ内に配置する。これにより、作用させる電流パルスのパルス形態をセットできるだけでなく、プラズマの幾何形状的展開に対する影響を予測することができる。
【0021】
個別に電源回路網構成部分G1、G2を設ける代わりに、電源回路網構成部分の並列または直列回路を採用することもできる。上記接続態様の回路を構成するための構成部分は以上に特定した回路網部分に限らず、態様に関係なく、高電流回路網部分を利用して構成することにより、任意のパルスパターンを有する高周波数高電流供給が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 制御電子回路を省き、極力簡略して示す本発明の電源ユニットの回路図である。
【図2】 本発明のバイポーラ電源の出力パルス図である。
【図3】 複数の電源回路網構成部分を有する本発明の構成を示す簡略図である。
【図4A−F】 図3に示す構成によって得られるパルスパターンである。
【図5】 複数の電源回路網構成部分を有する、図3とは異なる構成を示す簡略図である。
Claims (11)
- 少なくとも1つの調整自在なDC電源回路網構成部分(G1、G2)を有し、その正および負出力が電子式ブレーカ(T1 −T4)の少なくとも1つのブリッジ回路の入力と接続し、前記ブレーカが入力側において少なくとも1つの制御信号処理装置と接続し、出力側においてブレーカを制御/調整するための少なくとも1つの集電回路およびプラズマ‐または表面技術装置(A)の負荷と接続する、プラズマ‐または表面技術装置に双極給電するための電源ユニットであって、
それぞれのブリッジ回路(T1 − T4)毎に少なくとも2つのDC電源回路網構成部分(G1、G2)を設け、両DC電源回路網構成部分の正出力が、それぞれ2つのブレーカ(T1およびT4;T2およびT3)の直列回路を介して他方のDC電源回路網部分(G2、G1)の負出力と接続し、装置のためのブリッジ回路の出力がそれぞれ両直列回路のブレーカ間で取り出される
ことを特徴とする前記電源ユニット。 - 制御回路(18)によって互に独立に制御される別々の制御ループにまとめられる正および負出力信号を個別に調整するための別々の制御信号処理装置(12、13)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 電子式ブレーカ(T1 − T4)をMOSFETsによって構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
- ブレーカ(T1 − T4)がバイポーラ・トランジスタIBGTsまたはその他の高速度電子式ブレーカであることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
- 両DC電源回路網構成部分(G1、G2)の出力が容量的に(C1、C2)安定化されていることを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の装置。
- DC電源回路網構成部分(G1、G2)を並列接続するための少なくとも1つのスイッチ(S1、S2)を設けたことを特徴とする請求項1−5のいずれか1項に記載の装置。
- DC電源回路網構成部分(G1、G2)を個別に制御/調整するための制御回路を設けたことを特徴とする請求項1−6のいずれか1項に記載の装置。
- 個々のユニット(システム1...システムN)から供給される出力信号を時限制御または同期化するための中央制御装置(10)を有し、すべてのユニットの出力が装置(A)に向かって並列に接続していることを特徴とする請求項1−7のいずれが1項に記載の複数のユニットを含む構成。
- 中央制御装置(10)がバス・システム(12)を介して、ユニット(システム1...システムN)に設けた制御入力と、好ましくは集電回路(14)とも接続していることを特徴とする請求項8に記載の構成。
- 請求項1−9のいずれか1項に記載のユニットを使用して、プラズマ‐および表面技術装置のための電流パルスを発生させる方法であって、正負にかかわらず信号時間(Ton +、To ff+、Ton −、To ff−)を自由に選択でき、且つ正負にかかわらず振幅(Vo +、Vo ―)を個別に選択できる電流パルスを発生させることを特徴とする前記方法。
- 複数の、特に3乃至20個のユニットを含む請求項7または8に記載の構成を使用して、プラズマ‐および表面技術装置のための電流パルスを発生させる方法であって、これらのユニットを中央制御装置で処理することによって複合信号パターンを発生させ、それぞれのユニットから発生する信号パルスのパルス時間が最大限でも前記複合信号パターンの総時間をユニット数で割った値に相当することを特徴とする前記方法。
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