JP3802932B2 - 積層包装材料、同材料の製造方法、および同材料より製造された包装容器 - Google Patents

Description

発明の技術分野
本発明は優れた酸素ガス遮断性を有する形状安定な、耐液性の（liquid-tight）包装容器のための積層包装材料に関するものであり、前記包装材料は、構成的には硬いが（configurationally rigid）、折りたたみできる紙または板紙のコアー層、およびそのコアー層の片側に酸素ガス遮断材として塗布されたポリビニルアルコールの層を有する。本発明はまた積層包装材料、並びに積層包装材料より製造された優れた酸素ガス遮断性を有する形状安定な、耐液性の包装容器のための積層包装材料を製造する方法に関する。
背景の技術
包装産業界において、液体食料品は現在しばしば一回使用型の消費者包装に詰められて輸送されており、これらのいわゆる使い捨て包装の大半が、機械的に安定な紙または板紙のコアー層、およびそのコアー層の両側に塗布されたプラスチック、好ましくはポリエチレン、の外側の耐液性コーティングを有する積層包装材料（パッケージングラミネート）から製造されている。
積層包装材料の構成の出発点は包装された製品に最善に可能な生産保護特性を与えることであり、同時にそれはそのような包装材料からの製造が容易でなければならないし、また一方で包装容器は取り扱いに便利かつ容易（「消費者フレンドリー」）でなければならない。
上記のように、単に紙または板紙とプラスチックから成る従来の積層包装材料は形状安定な耐液性の包装容器の製造を可能にするが、しかし酸素ガス遮断性に欠け、従って酸素ガスに敏感な製品を最初に変性するか補足するかしなければ包装して輸送するために使用されることができない。
例えば、スエーデン特許第440 519号により、上記のプラスチック被覆した紙または板紙に、酸素ガスに関して優れた漏れ防止性を有するいわゆる遮断材の多数の他の既知の例の一つを成すポリビニルアルコールの層をその積層包装材料の中に組み入れることにより望みの酸素ガス遮断性を補うことが以前に知られている。
スエーデン特許第440 519号によれば、補足のポリビニルアルコール層は紙または板紙のウェブの片側の上にポリビニルアルコールの水性エマルションの塗装またはその他の形の被覆作業により塗布され、前記ウェブはその後塗布された水性ポリビニルアルコールと共に、乾燥されるが、ポリビニルアルコール層の湿分を（そしてそれにより酸素ガス遮断層の効率を）調整するように行われる。最後に、このようにして湿分を調整されたポリビニルアルコール層は薄い、耐液性の熱可塑性樹脂塗膜、好ましくはポリエチレン、で被覆され、後者はポリビニルアルコール層の酸素ガス遮断性を甚だしく弱める湿気と水の浸透に対してポリビニルアルコールを保護する目的でポリビニルアルコール層の上に押し出される。ポリエチレンの耐液性の熱可塑性樹脂塗膜はその上、それらがこのようにして製造された包装材料を慣用のヒートシールにより密封できるようにする利点を有する。
塗布された水性ポリビニルアルコール層が、乾燥の後、紙または板紙のウェブの上に連続的なポリビニルアルコール層を形成することを確実にするため、スエーデン特許第440 519号によれば、水性ポリビニルアルコールエマルションはまた増粘剤も含むべきであり、後者は水性エマルションの粘度を増すことを助け、それにより水性エマルションの液を吸収し易い紙または板紙の支持体の中に浸透する傾向に対抗する。
吸収性の紙または板紙層内へのポリビニルアルコールの浸透の問題は、スエーデン特許第440 519号に提案されたように、水性ポリビニルアルコールエマルションへの増粘剤の粘度を増加させる添加により解決されるかも知れないが、それにもかかわらず水性ポリビニルアルコールエマルションは、乾燥されたポリビニルアルコール層の結着性（integrity）を確実にするために、過度に多くの被覆量が塗布されることが必要である。
従来の技術に於いて要求されるような過剰な塗布量の問題は一部に、紙または板紙のウェブが完全に平滑かつ均一ではなくて、不規則かつ不均一な表面構造（または粗さ）を有するので、ポリビニルアルコールエマルションにとってそれらは望みの平滑な支持体表面を形成するために「充填」されねばならないという事実と関連づけられる。
またはその代わりに、この問題は原料としてより平滑なそしてより均一な紙または板紙の品質を採用することにより避けられるかも知れないが、しかしそのような品質は慣用の包装品質よりもはるかに高価なものになり、そしてその積層包装材料の製造をかなり一層のコスト高にするであろう。
発明の目的
本発明の目的はそれ故に、従来の技術と関連するタイプの付随的問題なしに序論で述べられたタイプの新規な積層包装材料を実現することである。
本発明のさらなる目的は、酸素ガス遮断材として塗布されたポリビニルアルコール層が、過剰の塗布量を必要とせずに、一面に覆いかつ同時に連続的である、そのような積層包装材料を実現することである。
本発明の詳細な目的は、ポリビニルアルコール層の肉厚が、本質的に、使用される紙または板紙の品質に依存しないような積層包装材料を実現することである。
課題を解決するための手段
これらの目的は本発明の請求項１で特徴づけるような特徴を有する積層包装材料により達成されるであろう。本発明による積層包装材料の様々なバリエーションと変更では、さらに請求項２〜９に記載のような特徴が与えられている。
中間層にある組成物の適当な調整、特にその層の厚さ方向におけるポリビニルアルコールの濃度または濃度勾配の調整により、紙または板紙のウェブへの中間層の塗布の適切に選択された条件と方法と組み合わせて、粗い紙または板紙の表面の不均一性及び不規則性は、中間層のゲル形成成分により充填されて実質上完全に平滑にされるであろう。ゲル形成成分はかくして中間層のために均一で平滑な下表面を形成し、同時にそれはこの層のポリビニルアルコール成分を紙または板紙の中へ浸透して滲みることから効果的に防ぎ、このことは、スエーデン特許第440 519号に記載の従来の技術の包装積層材の場合と同様である。また以前に不必要に過大な塗布量はそれにより効果的に除かれることができるのと同時に、酸素ガス遮断材として塗布されたポリビニルアルコール層は、選択された紙または板紙の品質とは無関係に、こうして非常に薄くなり、しかもなお連続的でかつブランケット−被覆であることができよう。
本発明の積層包装材料の特に好ましい実施態様によれば、ゲル形成物質とポリビニルアルコールの中間層はそのコアー層からポリビニルアルコール層の方向に増加する中間層の厚さ方向におけるポリビニルアルコール濃度を有し、それにより紙または板紙層中への浸透から生ずるポリビニルアルコールの損失がさらに減少し、同時に中間層とポリビニルアルコール層との間の結合または接着の強さが、中間層の結合部分における高いポリビニルアルコール濃度のためにさらに増加することができよう。
好ましくは、紙または板紙の表面との接触または境界部分におけるポリビニルアルコールの濃度は実質上ゼロに等しいが、ポリビニルアルコール層との接触または境界部分におけるポリビニルアルコールの濃度は実質上100%に等しいように、ポリビニルアルコールの濃度傾斜が中間層内で調整されることである。
中間層内のゲル形成成分は、必ずしもそうである必要はないが、いわゆる寒天であってよい。寒天は市場で容易に入手できる多糖類であるが、それは本発明における実験において、機能的にかつ有益に働くことが証明された。
本発明の他の一様態によれば、本発明による前記の積層包装材料を製造する方法がさらにはっきり理解されるであろう。本発明の方法は添付の独立請求項１０に記載のような特徴をあたえられている。本発明の方法のさまざまな変更とバリエーションでは、請求項１１〜１５に記載のような特徴がさらに与えられている。
本発明のさらに他の一態様によれば、優れた酸素ガス遮断性を有する形状安定な、耐液性の包装容器が実現されるであろう、そしてその包装容器は、好ましくは装飾的模様および折り目の線をつけられた本発明の積層包装材料のシートまたはウェブの形をしたブランクの折りたたみ成形により製造される。
【図面の簡単な説明】
上記の本発明の態様は以下に、特に添付の図面によって、より詳細に説明されるであろう。
図１は本発明の積層包装材料の断面を図解する。
図２は、図１に例示されたような本発明の包装材料を製造する方法を図解する。
図３は、従来慣用の優れた酸素ガス遮断性を有する形状安定な耐液性の包装容器の上部を図解しているが、その包装容器は本発明による積層包装材料から製造されたものである。
好ましい実施態様の説明
図１はこうして一般的参照数字10が付された本発明の積層包装材料（包装用積層材）の断面を図解している。包装用積層材10は任意の品質の構成的に硬いが折りたたみできる紙または板紙のコアー層11を有しており、前記品質は本例においては、包装用に慣用の標準品質である（しかし実際にはその必要はない）と仮定されてよい。ここで再び、本発明は従来包装用途に使用されているものよりも「粗い」紙または板紙の品質にも適用されること、および本発明は、概して、選択された紙または板紙材料の表面の品質に実際上全く依存せず、したがってその品質は場合により選択されてもよい、ということを指摘すべきである。
コアー層11の片側に、酸素ガス遮断材として働くポリビニルアルコール層12が配置されており、しかも、コアー層11とそのポリビニルアルコール層の間に配置されかつゲル形成物質およびポリビニルアルコールから成りそしてコアー層と直接に接触している中間層13を介してこのポリビニルアルコール層１２はコアー層と良好な接着力で結合されている。
ゲル形成物質およびポリビニルアルコールから成る中間層13はポリビニルアルコールをその混合物の重量の80%と99%の間の量含むが、一方、これに対応して、ゲル形成物質の量は20%と1%の間で変化してもよい。好ましくは、ゲル形成物質（同時に粘度増加させる）の量は、ポリビニルアルコール層12の平滑で均一な基体表面の形成のために、紙または板紙層11の粗い表面構造におけるすべてのあり得る不規則および不均一を効果的に埋めるため中間層内で十分に多くなくてはならない。ポリビニルアルコール層12はそれにより液を吸収するコアー層または繊維層11内への浸透を効果的に妨げられる。
好ましい一態様によれば、中間層13は紙または板紙層11からポリビニルアルコール層12への中間層13の厚さ方向においてゲル形成物質の濃度の減少を示すべきである（その場合に中間層13内のポリビニルアルコールの濃度は紙または板紙層11からポリビニルアルコール層12への中間層13の厚さ方向において対応して増加すべきである）。好ましくは、ゲル形成物質の濃度はポリビニルアルコール層12との接触または境界部分において実質上ゼロに等しくあるべきであり、そして紙または板紙層11との接触または境界部分において実質上100%に増加すべきであるが、その一方ポリビニルアルコールの濃度は対応してポリビニルアルコール層12との接触または境界部分において実質上100%に等しくあるべきであり、そして紙または板紙層11との接触または境界部分において実質上ゼロに落ちるべきである。それによりポリビニルアルコールは吸収性の繊維層11の中に浸透することから明確に防止され、同時にポリビニルアルコール層12と中間層13との間の良好な接着力が確保される。
中間層13におけるゲル形成物質の選択は、先に指摘されたように、本発明による実験が寒天（多糖類）は良く機能することを証明したにもかかわらず変更してもよいが、現在のところ寒天（多糖類）はこの層における好ましいゲル形成物質である。その他の商業的に入手可能で適用できるゲル形成物質はカラギーナン、ゼラチンなどであり得る。
ポリビニルアルコール層12中の酸素ガスの透過率はポリビニルアルコール層の含水量に大きく依存しかつこの層内の含水量の増加に従って甚だしく低下するので、ポリビニルアルコール層12を耐液性プラスチックの塗膜14で被覆するのが適当である。この塗膜のプラスチックは、必ずしもその必要はないが、熱可塑性であることができ、好ましくは例えば低密度ポリエチレン（LDPE）などのポリエチレンから成る。LDPEは、押し出し成形可能でヒートシール可能であって、それにより積層包装材料10を容易に製造することを助ける。
同様に、積層包装材料10の他の側もまた紙または板紙層11の上に塗布された耐液性プラスチックの塗膜で覆われてもよく、前記塗膜は同様に熱可塑性プラスチック、好ましくはポリエチレン、例えば、包装材料10の両側を慣用のヒートシール法により互いにヒートシール可能にする低密度ポリエチレン（LDPE）から成る。
図１（スケールを示してない）の包装材料10における各層の厚さはいろいろ変わってもよく、そして現在のところ本発明にとり決定的に重要ではない。それぞれの層に実際に適用できる厚さは中間層13では1-10μｍ、ポリビニルアルコール層12では1-10μｍ、および二つの外側の耐液性プラスチックの塗膜14と15では10-60μｍ、である。紙または板紙層11は広い範囲内で厚さに変化があってもよいが、しかし一般に約80〜500μｍの間である。
図２は図１に示されているような包装材料10を製造する方法を図解している。この図との比較を可能にするため、図１と同じ参照数字が図２の同一のまたは相当する部分のために使用されたが、ある場合には文字またはプリマ記号（’）を伴う。
マガジンリール16（図２の左方）から、紙または板紙のウェブ11aが矢印の方向に巻き出され、そのウェッブは図の底部の円で囲まれた区域Ａに拡大スケールで示されているように耐液性プラスチック塗膜15により片側を被覆されている。プラスチック塗膜15は熱可塑性プラスチックであることが好ましく、例えば、それはポリエチレン、好ましくは低密度ポリエチレン（LDPE）であってもよく、他方紙または板紙層11aは、前記で述べた通り、任意の品質のものである。
プラスチック被覆された紙または板紙のウェブ11aは17の塗布ステーションに導かれ、そこで紙または板紙のウェブ11aのプラスチック被覆されていない側面にゲル形成物質とポリビニルアルコールの水性混合物が塗布され、前記混合物は適当な塗布または被覆装置18による塗布または被覆作業を通じて、図２の底部の円で囲まれた区域Ｂの中に拡大スケールで示されているように、ウェブ11aの上に薄い連続層13の形で塗布される。ゲル形成物質とポリビニルアルコールの水性混合物は約10〜約100g/m²の間の量が塗布される。
水性混合物中のゲル形成物質（およびポリビニルアルコール、各々）の濃度は変わってもよいが、しかし好ましくは約0.5〜10（約99.5〜90、各々）である。さらに、被覆または塗布作業における条件は次のように選択される。すなわち、ゲル形成物質のゲル化温度より高い温度に保たれた前記の水性混合物を塗布工程と一緒に冷却し、それが紙または板紙のウェッブ11aと接触すると直ぐに、ゲル化（硬化）を引き起こす。かくしてそれは塗布された混合物が、その中に浸透することなしに紙または板紙層11に効果的に結合するのに十分に結着された単一の層13を形成することを確実にする。前記で説明したように、層13は、液を吸収する紙または板紙層11の中へのポリビニルアルコールの浸透に対する効果的な遮断を同時に形成し、それにより以後の被覆または塗布作業において塗布されるポリビニルアルコールの量は、スエーデン特許第440 519号に記載の従来技術と比較してかなり減少させることができるであろう。
本発明において使用できるゲル形成物質の例は市販の多糖類である寒天であって、これは実験により良く機能を果たすことが証明された。その他の市販のゲル形成物質、例えば、カラギーナンとゼラチンもまた本発明に従って使用できる。
ゲル形成物質とポリビニルアルコールの水性混合物の実用例はゲル形成物質として寒天を含むものであり、その寒天の濃度は場合により約0.5〜約5%の間で変わる。
被覆した紙または板紙ウェブ11bはさらに被覆または塗布ステーション17から第２の被覆または塗布ステーション19へ導かれ、そこでゲル形成物質（寒天）とポリビニルアルコールを含むウェブ11bのゲル化層13は、図２の底部の円で囲まれた区域Ｃの中に拡大スケールで示されているように、酸素ガスの遮断の役を果たす層12を形成するために適当な被覆または塗布装置20による被覆または塗布作業を通して塗布される水性ポリビニルアルコールの層12で覆われる。水性ポリビニルアルコールの層12のための均一な基体表面を形成する寒天とポリビニルアルコールの層が先に塗布されているため、水性ポリビニルアルコールの層12は液を吸収する紙または繊維層11内へのポリビニルアルコールの浸透の危険なしに少量が塗布されてもよく、また同時にポリビニルアルコール層12は良い結着性を保持しかつウェブ11bの全面を覆う。水性ポリビニルアルコールの層について好ましい塗布または被覆量は約10-100g/m²である。
被覆または塗布ステーション19の後に、被覆した紙または板紙ウェブ11cは乾燥ステーション21へ導かれ、そこでウェブ11cは塗布されたポリビニルアルコール層12内の湿分を調整するために適当な乾燥装置22により乾燥される。
乾燥作業の後に、乾燥したウェブ11cは最後に押出しステーション23へ導かれ、そこでそのウェブはプラスチック、好ましくはポリエチレン、例えば、低密度ポリエチレン（LDPE）、の薄い、耐液性被覆で被膜されるが、前記プラスチックは、押出し機24により、ウェブの乾燥したポリビニルアルコール層の上へ、連続した十分に覆うフィルム14の形に押出され、同時にそのウェブは二つの回転する冷却ローラー25の間の間隙を通して導かれ図２の底部の円で囲まれた区域Ｄの中に拡大スケールで示されているように完成された包装用積層材10を形成する。
被覆または塗布ステーション17および19の両者は別々のステーションとして示されているが、本発明によれば一つの共通の装置を使用してそれぞれ個々の被覆または塗布作業を一つの結合された被覆または塗布作業で行うことが可能である。そのような共通の被覆または塗布装置の例は、ウェブの進行方向に次々に配置された二つの平たいギャップ形のノズルのついた一台のダブルエクストルーダーであり得るが、その場合にゲル形成物質とポリビニルアルコールの水性混合物は一つのノズル（上流）を通って押出され、一方ポリビニルアルコール水溶液は第二の（下流）ノズルを通って押出される。
このようにして製造された包装用積層材から、例えば、その上部が図３に図解されている慣用の型（Tetra Brik^▲Ｒ▼）の形状安定な、耐液性の包装容器26が製造されている。そのようないわゆる一回使用使い捨て包装は、包装用積層材の予め折り目を付けられたウェブ（好ましくは予め装飾的模様を付けられた）から、完成した包装品を成形し充填し密封するタイプの高速で近代的な包装および充填機械により製造される。そのウェブから、ウェブの縦の両端を重ね合わせジョイントかシームに封止することによりそのウェブが管に再成形されて包装品が製造される。その管は、該当の内容物を充填されてから、管の横断封止帯域でウェブの縦方向を横切って管の内容物レベルより下での管のヒートシールを繰り返すことにより、密封された個々の包装品に分離される。それらの包装品は、最後に横断封止帯域内の切り口により互いに分離されてから、望みの幾何学的、通常平行六面体の最終形態が最後の折りたたみ成形および封止作業により付与される。
このように、本発明は包装用積層材を実現し、かつ、既に利用できる技術および装置を使用するが従来の技術において要求される量よりもかなり少ない量のポリビニルアルコールを使用して包装用積層材を製造する方法を実現する。さらに、本発明は形状安定な、耐液性のかつ容易に製造される包装容器であって、液体食料品またはその他の酸素ガスに敏感な製品を包装して輸送するための優れた酸素ガス遮断性を有する包装容器を実現する。
本発明は、特に図面に示された実施態様を参照して上記においてより詳細に説明されたが、これが添付の請求の範囲において定義されるような発明概念の精神および概念より離脱することなしにいろいろな変更と変形がなされ得ることは当業者にとって明らかであろう。

Claims (15)

1. 優れた酸素ガス遮断性を有する形状安定な耐液性の包装容器（26）のための積層包装材料であり、前記包装材料（10）は、構成的には硬いが折りたたみできる紙または板紙のコアー層（11）、およびそのコアー層の片側に酸素ガス遮断材として塗布されたポリビニルアルコールの層（12）を有するものであって、前記ポリビニルアルコール層（12）は、コアー層とそのポリビニルアルコール層の間に塗布されかつゲル形成物質およびポリビニルアルコールから成る中間層（13）を介してコアー層（11）と結合しており、しかも、ゲル形成物質およびポリビニルアルコールから成る中間層（13）はポリビニルアルコールの濃度勾配を示し、ポリビニルアルコールの濃度はコアー層（11）からポリビニルアルコール層（12）への方向に増加していることを特徴とする積層包装材料。
2. ゲル形成物質およびポリビニルアルコールから成る中間層（13）は、コアー層内へのポリビニルアルコールの浸透なしにコアー層（11）の表面に直接結合していることを特徴とする請求項１に記載の包装材料。
3. ゲル形成物質およびポリビニルアルコールから成る中間層（13）は、その混合物の全重量の1〜20%の量のゲル形成物質を含むことを特徴とする請求項１または２に記載の包装材料。
4. ポリビニルアルコールの濃度は中間層（13）とコアー層（11）の接触または境界部分において実質上ゼロに等しいが、ポリビニルアルコールの濃度は中間層（13）とポリビニルアルコール層（12）との接触または境界部分において実質上100%に等しいことを特徴とする請求項１に記載の包装材料。
5. ゲル形成物質が寒天であることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の包装材料。
6. 包装材料の両面に、プラスチックの外側の耐液性塗膜（14;15）を有することを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載の包装材料。
7. 外側の耐液性プラスチック塗膜（14;15）が熱可塑性樹脂から成ることを特徴とする請求項６に記載の包装材料。
8. 外側のプラスチック塗膜（14;15）における熱可塑性樹脂がポリエチレン、好ましくは低密度ポリエチレン（LDPE）であることを特徴とする請求項７に記載の包装材料。
9. 紙または板紙のウェブ（11a）の片側を、紙または板紙ウェブ中に浸透または含浸することなしにブランケット被覆層（13）の形成のために紙または板紙ウェブと接触するとゲル化を起こすゲル形成物質とポリビニルアルコールとの水性混合物で被覆すること；およびこうして塗布されたゲル形成物質とポリビニルアルコールの層（13）が水性ポリビニルアルコールの層（12）で覆われ、該水性ポリビニルアルコールの層（12）はその後ポリビニルアルコール層中の湿分を調整するために乾燥されることを特徴とする請求項１に記載の積層包装材料を製造する方法。
10. 水性ポリビニルアルコールが、ゲル形成物質とポリビニルアルコールの水性混合物の塗布と一緒にまたはその直後に塗布されることを特徴とする請求項９に記載の方法。
11. 製造された紙または板紙、ゲル形成物質とポリビニルアルコール、およびポリビニルアルコールの多層構造が、外側の耐液性プラスチック塗膜（14;15）により両側が被覆されることを特徴とする請求項９または１０に記載の方法。
12. 外側の耐液性プラスチック塗膜（14;15）の両方が、溶融プラスチックの押出しにより塗布されることを特徴とする請求項１１に記載の方法。
13. 溶融プラスチックが、押出し可能な熱可塑性樹脂から成ることを特徴とする請求項１２に記載の方法。
14. 溶融プラスチックが、ポリエチレン、好ましくは低密度ポリエチレン（LDPE）であることを特徴とする請求項１２または１３に記載の方法。
15. 好ましくは装飾的模様および折り目を付けられた請求項１に記載の積層包装材料のシートまたはウェブの形をしたブランクの折りたたみ成形により製造されることを特徴とする、優れた酸素ガス遮断性を有する形状安定な耐液性の包装容器（26）。

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