JP3802656B2 - 疎水性基及びホスホリルコリン基含有重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、短い重合時間で高分子量化することができる、疎水性基及びホスホリルコリン基含有重合体(以下、「疎水性基含有PC重合体」と略す)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホスホリルコリン基含有重合体(以下「PC重合体」と略す)は、生体系に存在するリン脂質に類似した化学構造を有する。そのため高い生体適合性を示すことが近年明らかにされ、医用高分子材料や化粧品原材料等への応用開発がなされている。
従来、生体適合性材料としてPC重合体が使用される際には、ホスホリルコリン基を有する単量体(以下「PC単量体」と略す)と疎水性基を有する単量体とを共重合することにより製造される疎水性基含有PC重合体が多く用いられている。
例えば、特開昭54−63025号公報及び特開平3−39309号公報には、疎水性基含有PC重合体が血液適合性材料として好適であることが開示されている。特開平7−83923号公報には、疎水性基含有PC重合体がタンパク質吸着防止剤として優れていることが開示されている。
これらに開示された疎水性基含有PC重合体の製造方法は、いずれも疎水性基を有する単量体とPC単量体とを含む単量体組成物を、水を含まないアルコール系媒体中でラジカル重合させる方法である。その製造条件としては、単量体組成物の溶液濃度が5〜40重量%、重合時間が5〜30時間であることが記載されている。このような製造方法で得られた疎水性基含有PC重合体は、ポリスチレン或いはポリエチレングリコールを基準として10000〜600000の範囲の重量平均分子量を有する。
疎水性基含有PC重合体を医療用器具やその他の材料として使用する際には、強度、耐久性の高い製品を得るために、また低分子化合物が製品中から溶出するのを防ぐため、通常は分子量の高い重合体の使用が好ましい。重合体の工業的な製造においては、重合時間は短いほど製造効率が高いため、重合速度を上げることが望まれている。
【0003】
通常、均一溶液中のラジカル重合において分子量を上げるためには、(イ)単量体の濃度を上げること、(ロ)開始剤濃度を下げること、又は(ハ)重合温度を下げることの主として3種類の方法がある。しかし、(イ)の方法により単量体の濃度を40重量%以上にすると、重合異常やゲル化が起こり易くなるために疎水性基含有PC重合体の工業的な製造には不向きである。一方、(ロ)又は(ハ)の方法では、重合速度が遅延し重合時間が長くなるため工業的な製造には望ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、PC単量体及び疎水性単量体を含む単量体組成物の濃度を増加させることなく、短い重合時間で高分子量の疎水性基含有PC重合体を得ることができる製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、PC単量体及び疎水性単量体を含む単量体組成物を媒体中でラジカル重合することにより疎水性基含有PC重合体を製造する方法において、前記単量体組成物を、水及び水溶性有機媒体からなる特定割合の水系混合媒体に混合して重合させることによって、得られる均一溶液の重合体の分子量を短い重合時間で高分子量化しうる知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、PC単量体10重量%以上、95重量%以下及び疎水性単量体5重量%以上、90重量%以下を含む単量体組成物を、水30〜80重量%及び水溶性有機媒体70〜20重量%からなる水系混合媒体に混合し、ラジカル重合させ、均一溶液として重合体を得ることを特徴とする疎水性基及びPC重合体の製造方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、PC単量体及び疎水性単量体を含む単量体組成物を、特定含有割合の水及び水溶性有機媒体からなる水系混合媒体に混合し、ラジカル重合させ、均一溶液として重合体を得ることを特徴とする。
【0007】
本発明に用いるPC単量体は、ホスホリルコリン基を有し、ラジカル重合可能であれば特に限定されず、ビニル基とホスホリルコリン基とを有する単量体が好ましく挙げられる。具体的には、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン、アリルホスホリルコリン、ブテニルホスホリルコリン、ヘキセニルホスホリルコリン、オクテニルホスホリルコリン、デセニルホスホリルコリン等が挙げられ、使用に際しては単独若しくは混合物として用いられる。特に、入手性の点から2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの使用が好ましい。
【0008】
本発明に用いる疎水性単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;スチレン、メチルスチレン、置換スチレン等のスチレン系単量体;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソブチレン等の不飽和炭化水素系単量体又は置換不飽和炭化水素系単量体等が挙げられ、使用に際しては単独若しくは混合物として用いられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。
【0009】
本発明に用いる単量体組成物には、PC単量体及び疎水性単量体以外のラジカル共重合可能な他の単量体を含んでいても良い。
【0010】
本発明に用いる単量体組成物において、PC単量体及び疎水性単量体の配合割合は、単量体組成物を媒体に混合した際にラジカル重合可能な均一溶液になる割合が好ましく、用途に応じて適宜選択できる。好ましくは、疎水性単量体の含有割合が5重量%以上、90重量%以下、特に好ましくは10重量%以上、80重量%以下が望ましい。一方、PC単量体の含有割合は、10重量%以上、95重量%以下、特に20重量%以上、90重量%以下が好ましい。疎水性単量体の含有割合が5重量%未満では、疎水性単量体の有する特性が充分に発現されず好ましくない。一方、90重量%を超える場合には、水系混合媒体中で重合系が不均一になり、分子量や分子量分布の制御が困難となること、また生成重合体が沈澱として析出する場合があるなど工業的な製造における重合反応の制御が困難となるので好ましくない。
【0011】
本発明に用いる水系混合媒体は、実質的に水と水溶性有機媒体とからなる。水と水溶性有機媒体との含有割合は、水30〜80重量%、水溶性有機媒体70〜20重量%の範囲である。水の含有割合が80重量%を超える場合には、疎水性単量体の溶解性が低下し、重合系が不均一となり重合反応の制御が困難になる。一方、水の含有割合が30重量%未満では、短い重合時間で分子量のより高い重合体を製造するという本発明の効果が得られ難い。
水系混合媒体に使用する水溶性有機媒体としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトニトリル、ニトロベンゼン等が挙げられ、好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリンが挙げられる。使用に際しては単独若しくは混合物として用いられる。
【0012】
本発明において、前記単量体組成物をラジカル重合させるにあたり、前記水系混合媒体に混合する前記単量体組成物の量(濃度)は、重合系が均一となりうる量とする必要がある。重合系が均一となりうる量とは、重合反応を制御することができる量であって、単量体組成物中のPC単量体及び疎水性単量体の配合割合、並びに前記水系混合媒体中の水及び水溶性有機媒体の配合割合に応じて適宜選択することができる。通常、単量体組成物の濃度は、単量体組成物及び前記水系混合媒体を含む重合溶液全体に対して、全単量体濃度が0.5〜40重量%の範囲から適宜選択することができる。0.5重量%未満では開始剤効率が低下し、40重量%を超える場合には重合異常やゲル化が起こり易くなるため好ましくない。
例えば、単量体組成物として、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、MPCと略す)及びメタクリル酸−n−ブチル(以下、BMAと略す)を用い、水系混合媒体として水及びエタノールを用いた場合に重合系が均一となる夫々の配合割合を示すグラフを図1及び図2に示す。図1は、単量体組成物を全重合溶液に対して20重量%となるように配合した場合であって、図2は同じく1.0重量%となるように配合した場合である。いずれも縦軸は、単量体組成物のMPA及びBMAの合計量を100とした場合のBMAの重量配合割合を示し、横軸は、水系混合媒体の水及びエタノールの合計量を100とした場合の水の重量配合割合を示す。図1及び図2に示す斜線部分に相当する単量体組成物及び水系混合媒体の組合わせが、重合系が均一となった部分である。斜線部分以外は、たとえ、水系混合媒体が本発明の特定配合割合の場合であっても重合系が均一とならない場合があることを示す。
【0013】
本発明において、前記単量体組成物を前記水系混合媒体に混合してラジカル重合させるには、通常のラジカル重合開始剤を用いて行うことができる。ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、サクシニルパーオキサイド、グルタルパーオキサイド、サクシニルパーオキシグルタレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート、1−((1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ)ホルムアミド、2,2−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミヂン)ジハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2−アゾビス(2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。使用に際しては単独若しくは混合物として用いられる。ラジカル重合開始剤の使用量は、目的の疎水性基含有PC重合体の分子量を制御する等の理由から適宜設定できるが、通常、単量体を含む重合溶液全重量に対して、0.001〜10重量%の範囲で使用できる。
【0014】
ラジカル重合させる際の重合温度は、通常5〜100℃が望ましい。5℃未満では重合反応が進行し難く、本発明の効果が充分得られないので好ましくない。100℃より高い温度で長時間反応させると、PC単量体中のホスホリルコリン基の分解の恐れがあるので好ましくない。一方、重合時間は、10分間〜24時間、特に30分間〜12時間が好ましい。本発明の方法においては6時間未満で重合反応率90%以上とさせることができ、媒体以外の条件を同一とした場合に、同程度の分子量の重合体を得る時間を短く設定できると共に、より分子量の高い重合体を得ることもできる。
【0015】
本発明の製造方法により得られる重合体は、均一溶液として得られる。この際、均一溶液とは、重合生成物の全部若しくはその殆どが沈澱物として析出していない溶液状態であれば良く、好ましくは重合生成物の全部が沈澱物として析出していない溶液状態をいう。
【0016】
【発明の効果】
本発明の製造方法では、特定の単量体組成物を、特定の水系混合媒体に混合してラジカル重合させるので、5000〜600000の範囲の分子量の疎水性基含有PC重合体を短時間で得ることができる。また、本発明の製造方法では、高分子量、即ち、600000〜5000000の範囲の分子量を持つ疎水性基含有PC重合体を容易に得ることもできる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0018】
なお、実施例及び比較例中に示す分子量は、ポリエチレングリコールを標準サンプルとしてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により評価した重量平均分子量の値である。GPCにより単量体の残留量を評価し、仕込み量からの単量体減少率より重合転化率を算出した。
【0019】
実施例1−1
MPC 10.0g、BMA 10.0g(単量体成分中のBMA組成50重量%)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(以下、PB−NDと略す)0.069gを、水30重量%及びエタノール70重量%からなる水系混合媒体に溶解して100gとした(全重合溶液中の単量体濃度20重量%)。この溶液を50℃の温浴中に浸漬して6時間重合させた。冷却後、反応溶液を一部取り出し、純水で20倍に希釈してGPC測定を行った。得られた重合体の重量平均分子量は、372000であり、重合転化率は95%以上であった。結果を表1に示す。
【0020】
実施例1−2〜1−11
表1に示す単量体組成及び水系混合媒体組成とした以外は実施例1−1と同じ条件で重合させた後、GPC測定及び重合転化率を測定した。結果を表1に示す。
【0021】
比較例1−1〜1−12
表1に示す単量体組成及び水系混合媒体組成とした以外は実施例1−1と同じ条件で重合させた後、GPC測定及び重合転化率を測定した。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1の結果より、重量平均分子量600000以上の疎水性基含有PC重合体については、水を30重量%以上含む水系混合媒体を重合溶媒に用いた実施例1−7、1−10及び1−11において、6時間の重合により重合転化率95%以上で得られた。これに対し、水を30重量%より少なくした水系混合媒体を重合溶媒に用いた他は同様の反応条件で重合を行った比較例1−9〜1−12では、重量平均分子量211000〜270000の疎水性基含有PC重合体しか得られなかった。また、水を30重量%より少なくした水系混合媒体を重合溶液として用いた比較例1−3〜1−12と同一組成の単量体組成物を用い、水系混合媒体の水の配合割合を30重量%とした実施例1−1,1−2,1−3,1−5,1−8夫々とを比較すると、水系混合媒体の水の配合割合を30重量%とするのみで、得られる重合体の分子量を著しく高くできることがわかる。
【0024】
比較例1−13〜1−18
表2に示す単量体組成及び水系混合媒体組成とした以外は実施例1−1と同じ条件で重合を試みたが、いずれも重合系が不均一となった。従って、本発明に係る混合媒体を用いても、単量体組成によっては均一溶液で重合体を得ることができない場合があることがわかる。
【0025】
【表2】
【0026】
実施例2−1
MPC0.3g、BMA0.7g(単量体成分中のBMA組成70重量%)、PB−ND0.069gを、水30重量%とエタノール70重量%からなる水系混合媒体に溶解して100gとした(全重合溶液中の単量体濃度1.0重量%)。この溶液を50℃の温浴中に浸漬して6時間重合させた。冷却後、反応溶液を一部取り出し、そのままGPC測定を行った。得られた重合体の重量平均分子量は、25000であり、重合転化率は95%以上であった。結果を表3に示す。
【0027】
実施例2−2〜2−13
表2に示す単量体組成及び水系混合媒体組成とした以外は実施例2−1と同じ条件で重合させた後、GPC測定及び重合転化率を測定した。結果を表3に示す。
【0028】
比較例2−1〜2−15
表3に示す単量体組成及び水系混合媒体組成とした以外は実施例2−1と同じ条件で重合させた後、GPC測定及び重合転化率を測定した。結果を表2に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
表3の結果より、水系混合媒体の水の配合割合を30重量%以上とするのみで、得られる重合体の分子量を著しく高くできることがわかる。
【0031】
比較例2−16〜2−25
表4に示す単量体組成及び水系混合媒体組成とした以外は実施例2−1と同じ条件で重合を試みたが、いずれも重合系が不均一となり均一溶液で重合体を得ることができなかった。
【0032】
【表4】
【0033】
実施例3−1〜3−8
MPC10.0g、BMA10.0g(単量体成分中のBMA組成50重量%)、PB−ND0.070gを、水50重量%及びエタノール50重量%からなる水系混合媒体に溶解して100gとした(全重合溶液中の単量体濃度20重量%)、この溶液を50℃の温浴中に浸漬し、重合時間を表5に示すとおり変化させて重合を行った。冷却後、夫々の反応溶液を一部取り出し、GPCにより分子量並びに重合転化率を算出した。結果を表5に示す。
【0034】
比較例3−1〜3−8
MPC10.0g、BMA10.0g(単量体成分中のBMA組成50重量%)、PB−ND0.070gを、エタノールからなる媒体に溶解して100gとした(全重合溶液中の単量体濃度20重量%)、この溶液を50℃の温浴中に浸漬し、重合時間を表5に示すとおり変化させて重合を行った。冷却後、夫々の反応溶液を一部取り出し、GPCにより分子量並びに重合転化率を算出した。結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】
表5の結果より、重量平均分子量600000以上の疎水性基含有PC重合体を重合転化率90%以上で得る場合、水系混合媒体を用いた実施例3−1〜3−8では重合4時間で目標の重合転化率が達成できたのに対して、エタノールからなる溶媒を用いた比較例3−1〜3−8では30時間を要し、水系混合媒体を用いることにより、重合時間を短縮できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単量体組成物としてMPC及びBMAを用い、水系混合媒体として水及びエタノールを用いた場合の単量体組成物20重量%の重合系が、重合反応の前後共に均一となる夫々の配合割合を示すグラフである。
【図2】単量体組成物としてMPC及びBMAを用い、水系混合媒体として水及びエタノールを用いた場合の単量体組成物1.0重量%の重合系が、重合反応の前後共に均一となる夫々の配合割合を示すグラフである。
Claims (4)
- ホスホリルコリン基含有単量体10重量%以上、95重量%以下及び疎水性単量体5重量%以上、90重量%以下を含む単量体組成物を、水30〜80重量%及び水溶性有機媒体70〜20重量%からなる水系混合媒体に混合し、ラジカル重合させ、均一溶液として重合体を得ることを特徴とする疎水性基及びホスホリルコリン基含有重合体の製造方法。
- ホスホリルコリン基含有単量体として、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含む請求項1に記載の製造方法。
- 疎水性単量体として、(メタ)アクリル酸エステルを含む請求項1又は2に記載の製造方法。
- 水溶性有機媒体が、メタノール、エタノール及びプロパノールからなる群より選択される1種又は2種以上である請求項1に記載の製造方法。
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