JP3802575B2 - 内燃機関の燃料計量用電子制御システム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関の燃料計量用電子制御システム、更に詳細には非定常的な運転状態のときに基本噴射量用の信号に過渡補償用の信号が印加される内燃機関の燃料計量用電子制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような制御システムがDE4115211A1から知られている。同システムでは、負荷信号に過渡補償用の信号が加算的に重畳され、その加算信号から噴射弁を制御する噴射信号が求められる。過渡補償用の信号は管壁燃料膜の量を求める特性値マップと種々の適応的な補正係数を用いて求められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述した種類の電子制御システムにおいて最適な燃料計量を可能にすることである。特に定常的でない運転状態時排ガス放出の点から燃料量を最適に過渡補償することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この課題を解決するために、
定常的でない運転状態のときに基本噴射量用の信号(te)に過渡補償用の信号(tUK)が印加され、
過渡補償用の信号(tUK)が内燃機関(100)の負荷変化(dL、dLα)に従って求められ、
過渡補償用の信号(tUK)を求めるとき用いられる複数の適応的な補正係数が形成され、
各適応的な補正係数に時間区間が割り当てられ、
前記適応的な補正係数が空燃比の目標と実際間の偏差に従って適合処理により変化され、
適応的な補正係数を変化させる適合処理時、それぞれ変化される補正係数に割り当てられた時間区間における空燃比の目標と実際間の偏差が用いられ、
前記割り当てられた各時間区間における空燃比の目標と実際間の偏差に従って変化された適応的な補正係数を用いて前記過渡補償用の信号(tUK)が形成される構成を採用した。
【0005】
【作用】
このような構成によれば、加速や減速など非定常運転状態のときに基本噴射量用の信号teに過渡補償用の信号tUKが印加される。過渡補償用の信号tUKは内燃機関の負荷変化dL、dLαに従って求められる。更に、過渡補償用の信号tUKを求めるとき用いられる複数の適応補正係数が形成される。その場合、各適応的な補正係数に時間区間が割り当てられる。即ち、各補正係数に関連して時間区間が設けられる。各適応的な補正係数は空燃比の目標と実際間の偏差に従って適合処理により変化させることができる。適応的な補正係数を変化させる適合(調整)処理時、それぞれ変化すべき補正係数に割り当てられた時間区間における空燃比の目標と実際間の偏差に従って補正係数が変化される。これらの適応補正係数により内燃機関の全寿命に渡って変わることのない良好な過渡補償が保証される。過渡補償は例えば摩耗に基づく変化に自動的に適合ないし調整される。更に適用コストが顕著に減少する。これにより内燃機関の最適な燃料計量が可能になる、という利点が得られる。
【0006】
特に、過渡補償用の信号tUKの絶対値がしきい値tUK0を超えるときに適合処理を開始させると、効果的である。というのは、それにより偶然で僅かの変動による誤った適合を避けることができるからである。適合処理の開始後まず所定時間t0待機が行なわれ、その後空燃比の目標と実際間の偏差を調べて適応的な補正係数を変化させるようにする。その場合、割り当てられた時間区間において空燃比の目標と実際間の偏差が最大になるところの適応的な補正係数のみがそれぞれ変化される。適応的な補正係数の変化は空燃比の目標と実際間の最大偏差の値に関係する。
【0007】
他の利点は、内燃機関の加速と減速に対して異る補正係数が形成され、それにより両方の場合が最適に考慮できることである。
【0008】
過渡補償用の信号tUKが3つの成分からなり、その第1の成分は、内燃機関の絞り弁角度αと回転数nから形成される負荷信号の変化dLαに関係し、第2と第3の成分は内燃機関の他の負荷信号Lの変化dLに関係する。これにより極めて高速に反応する負荷信号Lαとともに極めて正確な負荷信号Lも考慮に入れることができるという利点が得られる。3つの成分を求める場合、それぞれ負荷変化dLα、dLの信号が加算手段により合計され、続いてそれにそれぞれ適応的な補正係数が印加される。加算手段の値が加速時と減速時で異る経路を介して減少される。この場合も両方の場合が最適に考慮される。
【0009】
【実施例】
以下、図面に示す実施例に従い本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の制御システムでは、基本噴射信号teに特に過渡補償用の信号tUKが印加され、噴射信号tiが求められる。過渡補償用の信号tUKは、3つの成分からなっている。第1の成分は、主に定常的でない運転開始直後、即ち種々の負荷状態間の移行開始直後の内燃機関の運転状態に関係する。第2の成分並びに更に強い程度の第3の成分は、定常的でない運転開始時でより長い時間間隔での運転状態に関係する。
【0011】
時間的な変化は、3つの成分を求めるために用いられる加算メモリを種々の時定数を介して減少することにより行なわれる。3つの成分が重畳される前に3つの成分に印加される適応補正係数は、非定常運転開始後異る時間区分で運転状態に基づいて適合される。
【0012】
噴射信号tiは内燃機関の動力行程(膨張行程)に同調して求められる。以下では、この同調は、必要なときには本発明の制御システムの個々の機能ブロックにおいて考慮されること、即ち補正信号がそれぞれ正しい時点で得られることを前提にする。
【0013】
図1には、内燃機関100と燃料計量を制御する主要部が概略図示されている。吸気路102を介して空気/燃料の混合気が内燃機関に供給され、排ガスが排気路104に排出される。吸気路102には、吸入空気の方向に見て空気体積流量計あるいは空気質量流量計106、即ち例えば熱フィルム空気質量流量計と、吸入空気温度を検出する温度センサ108と、絞り弁110の開度を検出するセンサ111を備えた絞り弁110と、圧力センサ112と、一つあるいは複数の噴射ノズル114が配置されている。排ガス路104には酸素センサ116が取り付けられる。内燃機関100には、回転数センサ118と内燃機関の温度を検出するセンサ119が取り付けられる。更に内燃機関100は、シリンダの空気/燃料の混合気を点火するために例えば4個の点火プラグ120を有する。
【0014】
上述のセンサからの出力信号は中央の制御装置122に供給される。これらは、以下の信号、即ち、空気質量流量計106の負荷信号L、吸気温度を検出する温度センサ108の信号T、絞り弁110の開度を検出するセンサ111の信号α、圧力センサ112の信号P、酸素センサ116の信号λ、回転数センサ118の信号n並びに内燃機関100の温度を検出するセンサ119の信号TMotである。制御装置122はこれらのセンサ信号を処理し、一つあるいは複数の噴射ノズル114並びに点火プラグ120を駆動する。本発明の燃料計量用制御システムは制御装置122で実現される。
【0015】
図2には、本発明の燃料計量用制御システムのブロック図が図示されている。基本噴射信号teを求めるためのブロック200には負荷信号Lが供給される。ブロック200の出力信号は結合点202の第1の入力と接続される。この結合点202の第2の入力には、過渡補償用の信号tUKが印加される。結合点202の出力は結合点204の第1の入力と接続される。結合点204の第2の入力には電圧補正回路206の出力信号が印加される。結合点204の出力信号tiは出力段208の入力に供給される。出力段208により噴射弁114が駆動される。
【0016】
信号tUKが印加される結合点202の第2の入力は結合点210の出力と接続される。結合点210の第1の入力は、温度補正回路212の出力と接続され、この補正回路の入力には内燃機関100の温度信号TMotが印加される。結合点210の第2の入力には結合点214の出力信号が印加される。結合点214は3つの入力を有する。第1の入力はブロック216の出力と接続され、第2の入力はブロック218の出力と、また第3の入力はブロック220の出力と接続される。ブロック216と218の入力はスイッチ222を介して負荷変化dLを求めるブロック224の出力と接続される。ブロック224の入力には負荷信号Lが印加される。ブロック220の入力は他の負荷信号Lαの変化dLαを求めるブロック226の出力と接続される。ブロック226の入力には、絞り弁開度の信号αと内燃機関の回転数信号nが印加される。負荷信号Lαはブロック226において信号α、nに従って特性値マップを介して求められる。
【0017】
図2に示した制御システムは次の機能原理を基礎にしている。
【0018】
ブロック200により求められた基本噴射信号teには、ブロック210から226で形成された過渡補償用の信号tUKが結合点202において加算的に印加される。続いて結合点204において電圧補正回路206の出力信号により加算的な補正が行なわれ、それによりバッテリ電圧に関係する噴射弁の起動遅延が考慮される。このように形成された噴射信号tiにより出力段208を介して噴射弁114が制御される。
【0019】
制御システムの機能を以下に詳細に説明する。
【0020】
ブロック200において負荷信号Lから基本噴射信号teが求められる。これは演算処理によるかあるいは特性線からの読みだしにより行なわれる。続いて基本噴射信号teは2つの補正に付され、出力段208に供給されて、それにより噴射弁114が駆動される。第1の補正は結合点202において行なわれる。この結合点では信号teに信号tUKが加算的に重畳され、内燃機関の定常的でない運転(加速、減速)時の特殊な特性が計算に入れられる。この補正により、内燃機関100の非定常運転の間も空燃比が可能な限り理論値になり、それにより排ガスの有害物質濃度が可能な限り低く保持されるようになる。この補正がないと、加速時には混合気が希薄になりすぎ、また減速時には濃くなりすぎる。というのは噴射された燃料の一部が吸気路102の管壁に付着し時間的に遅れて燃焼されるからである。加速時には管壁燃料膜の厚さは増加し、燃料膜を形成する燃料が混合気に混じらなくなり、希薄化となる。それに対して減速時、即ち絞り弁110が閉じるときには、管壁燃料膜が減少するので、余分な燃料が供給され、その結果混合気は濃厚になる。
【0021】
上述した管壁燃料膜の効果は特に内燃機関100が冷えているときに顕著になる。というのは、そのとき多量の燃料が吸気路100の冷えた管壁に凝縮するからである。この内燃機関100の温度TMotに対する依存性を考慮にいれるために、過渡補償用の信号tUKが結合点210において温度に関係する係数で重み付けされる。この係数は、内燃機関100の温度TMotから温度補正回路212により求められる。この温度に関係した補正が行なわれる前に過渡補償用の信号tUKが結合点214において3つの成分から加算的に合成される。
【0022】
第1の成分は、内燃機関100の回転数nと絞り弁角度αに基づいて求められる。そのために、ブロック226においてαとnを介して形成された特性値マップから負荷信号Lαが読み出される。更に前後して読み出された2つの特性値Lαの差dLαがそれぞれ形成され、ブロック226の出力に供給される。この差dLαからブロック220により過渡補償用の信号tUKの第1の成分が求められる。これが具体的にどのように行なわれるかは、後で図3に基づいて説明される。
【0023】
過渡補償用の信号tUKの第2と第3の成分は、負荷信号Lに基づいてブロック216から224により求められる。そのために、まず負荷信号Lがブロック224に供給され、このブロックにより前後する2つの信号の差dLが形成されスイッチ222に出力される。スイッチ222は通常開放しており、2つの条件が満たされた時のみ、閉成される。その第1の条件は、内燃機関100の回転数nが限界値、例えば4500rpmより小さいときに満たされる。この第1の条件は、単に計算時間の理由から必要になるものである。というのは、単位時間当たり実施すべき計算の数は回転数が上昇するとともに増加するからである。計算能力が対応する場合には、第1の条件を省略することもできる。
【0024】
第2の条件は、シリンダを選択しての負荷信号の差の絶対値がしきい値よりも大きいときに満たされる。シリンダを選択しての負荷信号の差とは、同じシリンダの前後する2つの吸気行程間で求められた負荷信号Lの差の意味である。同じシリンダに関連させることによりシリンダ間のばらつきは影響のないものになる。第1と第2の条件が満たされると、スイッチ222が閉じ、それによりブロック216と218は過渡補償用の信号tUKの成分を形成することが可能になる。ブロック216から220の内部構成を図3に基づき以下に説明する。
【0025】
図3には、図2に図示されたブロック216、218ないし220の内部構成が図示されている。ブロック216(ないし218あるいは220)の入力は結合点300の第1の入力と接続される。この結合点300の出力は加算(和)メモリ302の入力と接続される。加算メモリ302の出力は、スイッチ304を介して(ブロック220のとき)あるいは直接(216と218のとき)結合点306の第1の入力と接続される。スイッチ304は通常閉じている。このスイッチは、加算メモリ302の出力信号の絶対値がしきい値を超え、同時に内燃機関100の回転数nが限界値、例えば4500rpmより小さいときにのみ開放される。結合点306の出力はブロック216(ないし218あるいは220)の出力に導かれる。
【0026】
結合点300の第2の入力には、スイッチ308を介してブロック310あるいは312のいずれかから信号が印加される。ブロック310と312の入力は互いに接続され結合点306の第1の入力と接続される。結合点306の第2の入力にはスイッチ314を介してメモリ316あるいはメモリ318のいずれかから信号が印加される。スイッチ314は、スイッチ308とともに制御回路320により制御される。
【0027】
図3に示した回路によりブロック220の場合には入力信号dLαから過渡補償用の信号tUKの第1の成分が、またブロック218ないし216の場合には入力信号dLから第2ないし第3の成分が形成される。そのために、加算メモリ302により合計される回路の入力信号が結合点306において適応的な補正係数で乗算される。制御回路320により内燃機関100の加速あるいは減速が検出されるかに従ってメモリ316あるいは318から適応的な補正係数が読み出される。加速の場合と減速の場合に対して異る適応的な補正係数を用いることにより極めて正確な過渡補償が可能になる。原理的には、その両方の場合に対して同じ補正係数を用いることもできる。その場合には勿論達成できる精度は減少してしまう。
【0028】
加速ないし減速過程が終了すると、過渡補償が噴射信号tiに及ぼす影響は次第になくなっていく。従って加算メモリ302は、それぞれスイッチ308の位置に従ってブロック310あるいはブロック312のいずれかを介して連続してその内容が減少される。そのために加算メモリ302の入力に結合点300を介してその出力信号の一部が逆の符号で供給される。その大きさはブロック310ないし312において定められる。それに代えてブロック310と312によりそれぞれ加算メモリ302の出力信号と同じ符号を有する一定の値を出力させることもできる。
【0029】
適応的な補正係数の場合と同様に、加算メモリ302の出力信号を入力にフィードバックする場合にも内燃機関100の加速と減速が区別される。この区別は、スイッチ314とともに制御回路320により駆動されるスイッチ308により実現される。制御回路320により加速か減速かが識別され、それに対応してスイッチ308と314が作動される。加算メモリ302が負の信号を出力するとき、即ち前後する負荷信号の差dLないしdLαが負であるとき、制御回路320は減速が発生していると判断する。逆の場合には加速が判断される。図3に示したスイッチ308と314のスイッチ位置は、加速が発生している場合に当てはまるものである。この場合には、結合点300の第2の入力はブロック310と接続され、結合点306の第2の入力はメモリ316と接続される。減速の場合には、両スイッチ308と314が反転するので、ブロック312の出力信号が結合点300の第2の入力に印加され、メモリ318の出力信号が結合点306の第2の入力に印加される。
【0030】
図4には、それぞれ加速の場合に対して負荷信号L(上の(a))、過渡補償用の信号tUK(中央の(b))、及び空燃比(下の(c)、空気過剰率λで図示)の時間的な推移が図示されている。(a)の負荷信号Lは比較的小さい値からかなり急激に上昇し次第に一定の値に近付いていく。従ってまず加速が行なわれる。即ち負荷は小さいものから大きな値に移行しその後高負荷時の定常運転が続く。
【0031】
負荷信号のこのような時間的な経過により図4(b)に図示した過渡補償用の信号tUKの特性が得られる。負荷信号Lが急激に上昇することによりまず同様に過渡補償用の信号tUKもかなり急激に上昇し最大値に達する。負荷信号Lは時間とともに顕著に上昇し続いて一定の値に近付くので、過渡補償用の信号tUKは再び減少ししばらくすると0に達する。
【0032】
(c)からわかるように、過渡補償にもかかわらず空燃比は理論空燃比(λ=1)からまだずれている。もちろんこのずれは、過渡補償がないともっと大きなものになる。ずれは、まず希薄すぎる混合気(λ>1)の方向になる。次に濃すぎる混合気(λ<1)の方向にオーバーシュートする。本発明のシステムにより、加速ないし減速の間にも空燃比は可能な限り理論的なものにされる。これに関連して、加速ないし減速により起こされる空気過剰率λの目標と実際の偏差dλを監視(観察)し、それに応じて過渡補償用の信号tUKを求める場合に用いられる適応的な補正係数を調整することが効果的であることがわかっている。排ガス技術の理由から通常λ=1の目標空気過剰率が選ばれる。
【0033】
更に、監視期間を複数の時間区間(時間間隔)に細分し各時間区間に固有の適応的な補正係数を割り当てるのが好ましいことがわかっている。時間区間の区分けが図4の(c)に図示されている。まず、時点t=0が定められ、具体的には時点t=0において信号tUKがしきい値tUK0を超える((b)を参照)ような時点に定められる。時間t=0により時間区間の左端が形成される。右端として時間t0、t1、t2、t3が定めらる。これらの時間は通常この順序で時間的に連続する。時間t=0からt=t0までの時間区間は待機時間となる。0からt1までの時間区間には適応的な補正係数FB1が、0からt2の時間区間には適応的な補正係数FB2が、また0からt3までの時間区間には適応的な補正係数FB3が割り当てられる。
【0034】
この適応的な補正係数の適合(調整)は、割り当てられた時間区間において空気過剰率λの目標と実際間の偏差dλが最大になる適応的な補正係数のみがそれぞれ変化されるように行なわれる。これが複数の時間区間に対して該当する場合には、最小の時間区間が選択される(図4(c)を参照)。時間t0、t1、t2は通常0と1秒間にあり、時間t3は、0と4秒間にある。適応的な補正係数の適合に関する詳細は図5と図6に記載されている。
【0035】
図4のは加速の場合について説明されているので、これまでは加速用の適応的な補正係数FB1、FB2、FB3のみが説明されたが、同様に各時間区間が割り当てられる減速用の適応的な補正係数FV1、FV2、FV3を定めることもできる。それぞれ目的に応じて加速の場合と同じ時間区間あるいはそれと異る時間区間を選ぶようにする。
【0036】
その場合、補正係数FB1はブロック220のメモリ316に、また補正係数FV1はブロック220のメモリ318に格納される。また、補正係数FB2はブロック218のメモリ316に、また補正係数FV2はブロック218のメモリ318に格納される。更に補正係数FB3はブロック216のメモリ316に、また補正係数FV3はブロック216のメモリ318に格納される。
【0037】
図5は、過渡補償用の適応的な補正係数を変化させる適合処理のフローチャートを示す。最初のステップ500において信号tUKの絶対値がしきい値tUKminより大きいかが調べられる。そうである場合には、ステップ502になり信号tUKが正であるかが調べられる。そうである場合には、通常加速になっているので、続くステップ504において加速フラグがセットされ、この情報が格納される。ステップ502の条件が満たされない場合には、加速フラグは消去される。
【0038】
ステップ504と506に続くステップ508においては、ほぼ初期化が行なわれる。空気過剰率λの目標と実際間の最大偏差dλMaxが0にセットされ、同様に、dλがその最大値dλMaxをとる時間tMaxも0にセットされる。更に時間カウンタが作動される。即ち時間tが0にセットされる。更に、時点t0に達するまで待機される(図4も参照)。
【0039】
ステップ508の後にステップ510が続き、このステップでdλの実際値が求められる。これはλの目標値と実際値間の差を形成することにより行なわれる。続いてステップ512において、このようにして求められたdλの絶対値が最小値dλMinより大きいかが調べられる。512の条件が満たされる場合には、ステップ514に続き、このステップでdλの絶対値がこれまでの最大値dλMaxより大きいかが調べられる。該当する場合には、ステップ516となり、ここでdλMaxとそれに関連する時間tMaxが更新される。このようにして、空気過剰率λの目標と実際間の最大偏差dλMax並びに目標と実際間の最大偏差dλMaxが発生する時間tMaxが求められる。
【0040】
ステップ516の後にステップ518が続き、このステップでtがt3より大きいかが、即ち監視すべき最大の時間区間がすでに経過したかが調べられる。少なくともステップ512及び514の一つのステップで「ノー」の判断のときもステップ518になる。ステップ518の条件が満たされない場合には、ステッ510に戻る。即ち、dλMaxとtMaxのサーチが継続される。ステップ518の条件が満たされる場合には、ステップ520に至り、このステップで過渡補償用の適応的な補正係数がdλMaxとtMaxに対して見つけられた値に従って適合される。この適合が詳細にどのように行なわれるかが図6のフローチャートに図示されている。ステップ520によりフローチャートによる実行が終了する。ステップ500の条件が満たされない場合には、フローチャートは実行されず、直接ステップ500からフローチャートの終了に達する。
【0041】
図6には、値dλMaxとtMaxによる過渡補償用の補正係数の適合を行なうフローチャートが図示されている。ステップ600において図5において図示したフローチャートを用いてそもそも目標と実際間の最大偏差dλMaxを求めることができたかが調べられる。そのために、tMax=0かが調べられる。そうである場合には、dλMaxは求められなかったことになる。その結果、過渡補償用の適応的な補正係数は適合されず、フローチャートの実行は終了する。
【0042】
そうでない場合にはステップ600に続いてステップ602となり、そこで時間tMaxが時間t1より小さいか、即ち、dλMaxが0とt1の時間区間に発生したかが調べられる。そうである場合には、この時間区間に割り当てられた補正係数が変化される。そのために、次のステップ604において加速用の補正係数FB1あるいは減速用の補正係数FV1を変化すべきかが調べられる。従って、ステップ604では加速フラグがセットされているか、即ち加速があったか(これに関しては図5のステップ502から504も参照)が調べられる。
【0043】
この判断に対する答えが「イエス」である場合には、加速があったことであり、その結果加速用の補正係数FB1が変化される。この変化は、次のステップ606において、FB1のこれまでの値にdλMaxと定数cの積を加算することにより行なわれる。定数cは1と0の間の値を有する。ステップ604の判断において、加速フラグがセットされていないことがわかった場合には、ステップ604に続いてステップ608となる。このステップ608では減速用補正係数FV1が適合される。その場合、ステップ606に対応する処理が行なわれる。ステップ606ないし608の実行によりフローチャートは終了する。
【0044】
ステップ602の条件が満たされない場合には、その後にステップ610が続き、そこで時間tMaxが時間t2より小さいかが調べられる。「イエス」の場合には、ステップ612に至り、そこで加速フラグがセットされているかが調べられる。そうである場合にはステップ614に至り、そこで加速用の補正係数FB2が適合される。そうでない場合にはステップ616が続き、そこで減速用の補正係数FV2が適合される。その場合それぞれステップ606で説明した処理が用いられる。ステップ614ないしステップ616の実行によりフローチャートが終了する。
【0045】
ステップ610の条件が満たされない場合には、ステップ618に至り、そこで加速フラグがセットされているかが調べられる。「イエス」の場合には続くステップ620において加速用の補正係数FB3が適合される。「ノー」の場合にはステップ622が続き、そこで減速用の補正係数FV3が適合される。ステップ620ないしステップ622の実行によりフローチャートが終了する。
【0046】
本発明の制御システムは、シングルポイント噴射にも、またマルチポイント噴射にも使用することができる。また、本発明の制御システムは、アナログあるいはデジタル技術を用いて実現でき、また両技術を組み合せることも考えられる。個々の機能ブロック、例えば制御回路320、加算メモリ302等は、ハードウエアあるいはソフトウエアとして実施することができ、その場合、複数の機能ブロックの機能を目的に応じて統合することもできる。
【0047】
原理的には監視期間を実施例で示した3つの時間区間(図4を参照)と異る数の時間区間に区分することも可能である。これは、個々の場合に当業者により目的に応じて行われる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、適応的な補正係数が、該補正係数に割り当てられた時間区間における空燃比の目標と実際間の偏差に従って変化されるので、この補正係数を用いて形成される過渡補償信号が最適なものになり、内燃機関の全寿命に渡って空燃比の目標値とのずれの少ない良好な過渡補償が保証され、内燃機関の最適な燃料計量が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の燃料計量用電子制御システムの構成を示す構成図である。
【図2】本発明の制御システムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】過渡補償用の信号の各成分を求める図2に示したブロックの内部構成を示すブロック図である。
【図4】(a)、(b)、(c)はそれぞれ加速時の負荷信号、過渡補償用の信号並びに空燃比の時間的な特性を示す線図である。
【図5】過渡補償用の適応的な補正係数を変化させる適合処理の流れを示すフローチャート図である。
【図6】図3のステップ520の処理を詳細に示したフローチャート図である。
【符号の説明】
100 内燃機関
106 空気量センサ
108 温度センサ
110 絞り弁
112 圧力センサ
114 噴射ノズル
116 酸素センサ
118 回転数センサ
122 中央制御装置
Claims (9)
- 定常的でない運転状態のときに基本噴射量用の信号(te)に過渡補償用の信号(tUK)が印加され、
過渡補償用の信号(tUK)が内燃機関(100)の負荷変化(dL、dLα)に従って求められ、
過渡補償用の信号(tUK)を求めるとき用いられる複数の適応的な補正係数が形成され、
各適応的な補正係数に時間区間が割り当てられ、
前記適応的な補正係数が空燃比の目標と実際間の偏差に従って適合処理により変化され、
適応的な補正係数を変化させる適合処理時、それぞれ変化される補正係数に割り当てられた時間区間における空燃比の目標と実際間の偏差が用いられ、
前記割り当てられた各時間区間における空燃比の目標と実際間の偏差に従って変化された適応的な補正係数を用いて前記過渡補償用の信号(tUK)が形成されることを特徴とする内燃機関の燃料計量用電子制御システム。 - 前記適合処理は、過渡補償用の信号(tUK)の絶対値がしきい値(tUK0)を超えるときに開始されることを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
- 適合処理の開始後まず所定時間(t0)待機が行なわれ、その後空燃比の目標と実際間の偏差を評価して適応的な補正係数を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の制御システム。
- 適合処理時、割り当てられた時間区間において空燃比の目標と実際間の偏差が最大になるところの適応的な補正係数が変化されることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の制御システム。
- 適応的な補正係数の変化が空燃比の目標と実際間の最大偏差の値に関係することを特徴とする請求項4に記載の制御システム。
- 内燃機関(100)の加速と減速に対して異る補正係数が形成されることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の制御システム。
- 過渡補償用の信号(tUK)が3つの成分からなり、その第1の成分は、内燃機関(100)の絞り弁角度(α)と回転数(n)から形成される負荷信号の変化(dLα)に関係し、第2と第3の成分は内燃機関の空気質量流量計(106)から得られる負荷信号(L)の変化(dL)に関係することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の制御システム。
- 3つの成分を求める場合、それぞれ負荷変化(dLα、dL)の信号が加算手段(302)により合計され、続いてそれにそれぞれ適応的な補正係数が印加されることを特徴とする請求項7に記載の制御システム。
- 加算手段(302)の値が加速時と減速時で異る経路を介して減少されることを特徴とする請求項8に記載の制御システム。
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