JP3801980B2 - 膜厚計及び膜厚測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光学式の膜厚計及び膜厚測定方法に係り、特に蒸着,スパッタ,CVD法等によって、真空槽内で基板上に形成される光学薄膜の膜厚測定を精度よく行うことができる光学式の膜厚計及び膜厚測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学式膜厚計は、真空蒸着処理やスパッタリング成膜処理等による成膜処理中に基板上に積層された膜厚をモニタリングし、所定膜厚蒸着時に蒸着源シャッタの開閉動作制御等を行うための制御器として用いられる。また、成膜処理をした基板の分光特性を測定するための測定器として用いられる。
【0003】
従来から、成膜中基板の膜厚検測等のために受光器にフォトダイオードアレイが用いられた膜厚計がある(例えば、特許文献1参照)。受光器にフォトダイオードアレイを用いることにより、複数の波長における成膜過程での反射率変化を同時連続的にモニターすることが可能となる。
【0004】
上記のような膜厚計の場合、成膜基板からの測定光は受光器で光電変換され、電気信号として演算部へ送出される。このとき、演算部では得られた電気信号を基に所定の演算処理が行われ、反射率や透過率が算出される。
【0005】
ここで、膜厚制御を精度よく行うためには、算出された反射率や透過率変化から所定の膜厚形成時を正確に検出しなければならない。このため、受光器からの電気信号をできるだけ増幅して処理が行われるが、一般に膜厚の測定精度は前記電気信号に含まれるノイズ分の影響を受ける。
【0006】
特に、出力される電気信号が小さい波長範囲では電気信号のS/N比が相対的に低くなってしまう。一般に、このようなS/N比の低さの要因としては、光源の放射分布特性(例えば、ハロゲン光源の場合、短波長側で光量が少ない)、フォトダイオードの分光感度特性(紫外光側、近赤外光側が悪い)、光路として使用される光ファイバの透過率の波長依存性等が挙げられる。
【0007】
そして、上記電気信号のS/N比の低さを補うために、得られた電気信号の演算処理方法を種々に改善して、正確な膜厚制御を行うことが行われている。つまり、演算部でのソフトウェア面の改善が一般的に行われている。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−164518号公報(第2−3頁、第1−6図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、膜厚計で正確な膜厚制御を行うために、制御装置のソフトウェア面の改善を行う方法では、電気信号自体のS/N比を向上させるわけではないので、大きく制御の精度を向上させることは期待できなかった。
【0010】
また、測定波長範囲のうち得られる電気信号強度が小さい波長範囲のデータは、相対的にS/N比が悪いものとなることから、このような測定範囲のデータを用いた膜厚測定は他の測定範囲によるものと比べて誤差が大きいものとなるという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、成膜中の薄膜の膜厚測定によって得られる電気信号のS/N比を測定波長によらず向上させて、精度よく膜厚制御を行うことができる膜厚計及び膜厚測定方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、光学薄膜が形成された基板へ断続周期的に投光する投光手段と、前記基板からの測定光が導かれる光検出手段と、膜厚測定を制御する制御手段と、を備えた膜厚計であって、前記光検出手段は、前記測定光を分光する分光部を備えると共に、該分光部によって分光された光束を受光して光電変換により電荷を蓄積し受光電流を前記制御手段へ出力する複数の光検出素子を備え、前記制御手段は、前記複数の光検出素子の所定範囲に対して行われる露光の間であっても,前記光検出素子ごとに同一または異なった露光時間を設定可能な露光時間パターンと、該露光時間パターンに設定された露光時間で前記光検出素子に対して受光電流出力の測定を行うための制御信号を前記光検出手段へ送出する制御信号送出手段と、備えることにより解決される。
【0013】
このように本発明によれば、測定光が導かれる光検出手段には複数の分光された波長光を測定することができる光検出素子が備えられ、各光検出素子の露光時間は露光時間パターンにより設定することができるように構成される。このようにすることにより、本来受光電流が小さい波長範囲においては露光時間を長くして受光電流を大きいものとすることができるので、信号のS/N比を向上させることが可能となる。
【0014】
また、請求項2のように、光学薄膜が形成された基板へ断続周期的に投光する投光手段と、前記基板からの測定光が導かれる光検出手段と、制御手段と、を備えた膜厚計であって、前記光検出手段は、前記測定光を分光する分光部を備えると共に、該分光部によって分光された光束を受光して光電変換により電荷を蓄積し受光電流を前記制御手段へ出力する複数の光検出素子を備え、前記制御手段は、前記複数の光検出素子の所定範囲に対して行われる露光の間であっても,前記光検出素子ごとに同一または異なった露光時間を設定可能な露光時間パターンと、該露光時間パターンに設定された露光時間で前記光検出素子に対して行われる受光電流出力の測定及び前記光検出素子が露光されない状態において前記露光時間パターンに応じた暗電流出力の測定を行うための制御信号を前記光検出手段へ送出する制御信号送出手段と、所定の測定波長に対応する前記光検出素子からの前記受光電流出力の測定値から前記受光電流出力の測定と同一露光時間パターンによる暗電流出力の測定値を差し引く演算手段と、を備えると好適である。
【0015】
このように本発明によれば、測定光が導かれる光検出手段には複数の分光された波長光を測定することができる光検出素子が備えられ、各光検出素子の露光時間を露光時間パターンにより設定することができるように構成される。さらに同一露光時間パターンを使用することにより各光検出素子で露光時間と暗電流測定時間を略同一とした受光電流出力及び暗電流出力の測定を行うことができる。
【0016】
このようにすることにより、本来受光電流が小さい波長範囲における露光時間を長くして受光電流が大きいものとすることができるので、信号のS/N比を向上させることが可能となると共に、各光検出素子(各測定波長)において正確な暗電流補正を行うことができる。
【0017】
また、請求項3のように、前記露光時間パターンを前記制御手段へ設定する入出力部を備えれば好適である。
【0018】
また、請求項4に記載の膜厚測定方法によれば、基板上に形成された薄膜の光学膜厚を測定する方法であって、前記基板からの測定光を分光し、前記複数の光検出素子の所定範囲に対して行われる露光の間であっても,前記光検出素子ごとに同一または異なった露光時間で前記分光された光束を前記複数の光検出素子にそれぞれ照射させ、前記照射された光束により前記光検出素子で光電変換によって生起される受光電流出力を測定する方法とすることができる。
【0019】
また、請求項5に記載の膜厚測定方法によれば、基板上に形成された薄膜の光学膜厚を測定する方法であって、前記基板からの測定光を分光し、前記複数の光検出素子の所定範囲に対して行われる露光の間であっても,前記光検出素子ごとに同一または異なった露光時間で前記分光された光束を前記複数の光検出素子にそれぞれ照射させ、前記照射された光束により前記光検出素子で光電変換によって生起される受光電流出力を測定し、前記基板からの測定光を遮断して前記光検出素子への前記光束の照射を中断し、前記光検出素子ごとに前記露光時間に応じた測定時間での暗電流出力を測定し、所定の測定波長に対応する前記光検出素子からの前記受光電流出力の測定値から前記受光電流出力の測定と同一露光時間パターンによる暗電流出力の測定値を差し引く演算を行う方法とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は実施例の膜厚計の構成を示す説明図、図2は実施例のシャッタ機構の説明図、図3は実施例の膜厚計の構成を示すブロック図、図4は実施例のタイミング設定部の構成を示すブロック図である。
【0021】
図5は実施例の連続測定処理の説明図、図6は実施例のチャンネルごとの露光時間を示す説明図、図7は実施例の膜厚制御データ取得の概略処理手順を示す説明図、図8は実施例の可変露光法によるチャンネルごとの露光時間を示す説明図、図9は実施例の基本測定による暗電流補正後の受光電流出力を示す説明図、図10は実施例の可変露光法による暗電流補正後の受光電流出力を示す説明図、図11は別実施例のタイミング設定部の構成を示すブロック図、図12は別実施例の可変露光法によるチャンネルごとの露光時間を示す説明図である。なお、以下に説明する配置、形状等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0022】
図1に本発明の実施例に係る膜厚計Aの概略構成図を示す。本例の膜厚計Aは、真空室50内に配置された成膜中の基板1を透過する光の透過量の変化から膜厚を測定する光透過式の膜厚計である。なお、基板1上への薄膜の形成は、真空蒸着法に限らず、スパッタリング,CVD法によるものでもよい。また、本例の膜厚計Aは光透過式としたが、これに限らず光反射式としてもよい。
【0023】
本例の膜厚計Aは、投光手段としての投光器10,分光手段としての分光器20,制御手段としてのコントローラ30等から構成される。投光器10は投光部11とシャッタ機構14を備えて構成され、投光部11はハロゲンランプ,キセノンランプ又は重水素ランプ等からなる光源12、集光レンズ13、不図示の安定化電源等を備えている。
【0024】
図2にシャッタ機構14の構成を示す説明図を示す。シャッタ機構14は、駆動源としてのステッピングモータ15,略円形形状の回転式の遮蔽板16,位置検出器17等から構成されている。遮蔽板16は、光源12の光を遮る遮蔽部16aと、光源12の光を真空室50側へ通過させる切欠部16bを備えており、遮蔽板16が回転することにより、真空室50側へ周期的なパルス状の光束が送出される。
【0025】
モータ15は後述するようにコントローラ30から制御信号を受けて、遮蔽板16を所定の回転速度で回転するように構成されており、該回転速度は制御信号によって可変設定されるようになっている。
【0026】
図1に示すように投光器10では、光源12から放射される光が集光レンズ13によって集光され、該集光された光束がシャッタ機構14を通過することにより、真空室50側へ送出される。なお、投光器10と真空室50,真空室50と分光器20は、それぞれ光ファイバ40,42によって接続されている。また、光ファイバ40,42にはレンズユニットが配設されており、スポット径が小さく平行光に近い光路が確保されている。なお、このような光ファイバ光学系に限らず、ミラー反射光学系であってもよい。
【0027】
光ファイバ40は出力側が二分岐されており、光ファイバ40に入射された光束はその一部が分岐部40aを通して投光器10に備えられたフォトダイオードからなる位置検出器17へ導かれている。
【0028】
このように構成することにより、遮蔽板16の回転位置が位置検出器17によって正確に検出され、位置検出器17から送出される検出信号によってコントローラ30は遮蔽板16の回転位置をモニターすることができると共に、正確に同期制御することが可能となっている。
【0029】
また、従来用いられるような電磁的機械シャッタは、光源を短時間周期で遮ることによりパルス状光束を送出することには不向きであったが、本例のシャッタ機構14では、シャッタ部を回転式としたことにより短時間周期のパルス状光束を送出することが可能となっている。
【0030】
光検出手段としての分光器20は、分光部21と受光部28を備えている。分光部21はクロスツェルニターナ方式であって、スリット22,コリメート光を形成する反射鏡23,回折格子24,反射鏡25から構成されている。受光部28は、フォトダイオードアレイを備えた検出素子26,検出素子26へ制御信号P1,P2を送出する検出素子駆動部27から構成されている。
【0031】
スリット22を通過した真空室50からの測定光は反射鏡23でコリメート光とされ、該コリメート光は回折格子24に入射し、回折格子24によって波長に応じて回折される。回折格子24で回折された回折光は、反射鏡25で反射されて検出素子26の複数のフォトダイオードにそれぞれ照射される。
【0032】
本例の検出素子26及び検出素子駆動部27からなる受光部28は、電荷蓄積方式のリニアイメージセンサを構成する。検出素子26は、512の測定チャンネルに対応した512個の光検出素子としてのフォトダイオード,スイッチ,コンデンサ等から構成されている。また、検出素子駆動部27は、コントローラ30からのスタートパルス及びクロック信号に応じて前記各スイッチに制御信号P1,P2を送出するシフトレジスタを備えて構成されている。
【0033】
本例の膜厚計Aは、任意の300nmの波長範囲を指定して測定することができるようになっており、それぞれのフォトダイオードは300nmの測定波長範囲(例えば、380nmから680nm)のうち約0.6nmの波長幅に相当する回折光を受光するようになっている。
【0034】
上記512個のフォトダイオード等の各素子は、512のチャンネルに割り振られており、1番目のチャンネルが長波長側(例えば、680nm付近)、512番目のチャンネルが短波長側(例えば、380nm付近)に設定されている。
【0035】
なお、測定波長範囲は300nmに限定されるものではなく、それぞれのフォトダイオードが照射される波長範囲も約0.6nmに限定されるものではない。また、チャンネル数も512に制限されるものではなく、例えば、1024個のフォトダイオードを備えたリニアイメージセンサを使用して、チャンネル数を1024としてもよい。
【0036】
受光部28の動作の概略を説明する。各チャンネルのフォトダイオードに回折光が照射されると、フォトダイオードによって光電変換され、電荷が受光部28内の不図示のコンデンサに蓄積される。
【0037】
検出素子駆動部27はコントローラ30からスタートパルスを受取ると各チャンネルへ制御信号P1又はP2を送出し始める。そして、検出素子駆動部27は、コントローラ30からクロック信号を受け取るごとにチャンネル数を加算していき、時間をずらして順次各チャンネルのスイッチへ制御信号P1又はP2を送出する。
【0038】
各スイッチは、制御信号P1又はP2によって電気的に閉じて各コンデンサが順次出力側に接続される。検出素子駆動部27及び各スイッチは送出手段を構成する。これにより、測定光の照射によって各コンデンサに蓄積された電荷は、コントローラ30側へチャンネルごとに時間をずらして順次出力される。
【0039】
このような電荷蓄積方式の受光部28では、蓄積電荷量は入射光の強さと露光時間の積(露光量)に比例する。しかし、上記コンデンサの容量は有限であるため、所定の露光量(飽和露光量)を超えると出力は一定値をとることになり、測定値として意味を持たなくなる。このため、露光量を適切に調整するために、露光時間の調整が行われる。
【0040】
図3に示すように、コントローラ30は、膜厚測定制御を行うCPU31と、CPU31からの制御信号を受けて検出素子駆動部27へ所定のスタートパルス及びクロック信号を送出する制御信号送出手段としてのタイミング設定部32と、検出素子26からの出力をチャンネルごとに受取りチャンネルごとの信号増幅を行う増幅器としてのPGA(プログラムゲインアンプ)33と、PGA33からの増幅信号を受取りA/D変換してCPU31へ送出するA/D変換器34と、インターフェース部35と、設定入力処理やデータ出力処理を行うための入出力部としての入出力装置37と、出力データ及び設定値等を記憶する記憶部38等によって構成されている。
【0041】
記憶部38は、ROM38aと、作業エリアとして用いられるRAM38b等を備えている。ROM38aには、膜厚計Aの制御プログラムやオペレーションシステムプログラム等が記憶される。また、モニターやプリンター等の表示装置36がインターフェース部35を介して接続されている。CPU31は、記憶部38のプログラム及び入出力装置37からの設定入力等に基づき、投光器10や分光器20への各種制御信号等の送出及び、分光器20からの測定データの受信、受信データの増幅、記憶、演算、出力等の各種処理を行う。本例の演算手段は、主としてCPU31によって構成されている。
【0042】
PGA33は、検出素子26からのチャンネルごとの出力を受取り、CPU31からの設定により、チャンネルごとに増幅率を変化させてA/D変換器34へ出力する。すなわち、操作者は、測定波長ごと(すなわち、チャンネルごと)に出力信号を所定の倍数に増幅するように、入出力装置37から設定入力することが可能であり、当該設定入力はCPU31を通してPGA33に設定される。
【0043】
このような構成とすることにより、信号強度の小さい波長範囲の出力信号を選択的に増幅させてデータとして得ることが可能となる。このように小さい信号強度を増幅することにより、光量変化に対する追従性を向上させ、当該増幅信号を制御値として扱いやすくし膜厚制御し易いものとすることができる。
【0044】
また、コントローラ30からインターフェース部35を通して、真空蒸着装置の制御装置51へ所定の膜厚測定データを送出している。制御装置51は該データをもとに,蒸着源を遮るシャッタ装置の駆動制御を行っている。
【0045】
また、コントローラ30は、投光器10へモータ15の回転速度を制御する信号を送出する。モータ15は、該制御信号に基づいて所定の回転速度で遮蔽板16を回転させる。また、位置検出器17から遮蔽板16の回転位置を示す位置信号がコントローラ30へ送出される。これによりコントローラ30は、遮蔽板16の回転位置と、検出素子駆動部27へ送出するスタートパルスを同期させることができるようになっている。
【0046】
図4に示すようにタイミング設定部32は、クロック32aと、分周器32bと、分周器32cと、制御ゲート32dとを備えている。分周器32b,32cは、それぞれクロック32aからの信号を受けてクロック信号を制御ゲート32dを介して検出素子駆動部27へ送出する。検出素子駆動部27では、制御信号P1,P2を送出するタイミングをとるためにクロック信号が使用される。分周器32b,分周器32cは、それぞれ制御信号P1,制御信号P2を送出させるためのクロック信号に対応している。
【0047】
分周器32bが各チャンネルへのクロック信号を送出する間隔は固定されている。分周器32bが送出するクロック信号は時間的に所定幅を有するものとなっており、1つのクロック信号が送出されるとその後所定の時間間隔を空けて次のクロック信号が順次送出されるようになっている。ただし、入出力装置37から信号幅を可変設定することができるように構成してもよい。
【0048】
また、分周器32cが各チャンネルへクロック信号を送出する間隔は、分周器32bのクロック信号送出間隔と同間隔又は長い間隔に設定することが可能である。この設定は後述するように入出力装置37から設定入力され、この設定にしたがいCPU31は分周器32cの制御を行う。
【0049】
分周器32cからのクロック信号送出間隔が分周器32bからのクロック信号送出間隔と同間隔に設定されると、それぞれの分周器32b,32cから全てのチャンネルに対するクロック信号が送出されるのに要する時間は同じものとなる。
【0050】
一方、分周器32cからのクロック信号送出間隔が分周器32bよりも長く設定されると、該設定に応じて分周器32cから送出される各クロック信号の時間的な幅が広く設定される。これにより、分周器32bと比べて分周器32cから全てのチャンネルに対するクロック信号が送出されるのに要する時間は、クロック信号幅に応じて長くなる。すなわち、チャンネル番号が大きいチャンネルに対するクロック信号ほど、送出されるまでの時間が線形的に長くなる。
【0051】
制御ゲート32dは、CPU31からの制御信号を受け、分周器32b,分周器32cからのクロック信号及びCPU31からのスタートパルスを検出素子駆動部27へ選択的に送出するゲートとして機能する。
【0052】
すなわち、CPU31からの制御信号によってスタートパルスが選択的に送出されると、ゲートが分周器32bへ切り替えられ、分周器32bから全チャンネルに対するクロック信号が送出される。分周器32bから全チャンネルにクロック信号が送出されると、ゲートは分周器32cへ切り替えられ、分周器32cから全チャンネルに対するクロック信号が送出されるまでゲートは維持される。
【0053】
分周器32cには予め複数のクロック信号幅を設定しておき、CPU31からの制御信号によって複数のクロック信号幅のいずれかが選択されるように構成することができる。タイミング設定部32は、このように簡単な構成によって検出素子駆動部27へのクロック信号送出間隔を可変設定することができ、チャンネル毎の露光時間を可変設定することが可能となっている。
【0054】
次に、本例の膜厚計Aによる基本膜厚測定手順について説明する。コントローラ30から投光器10へ制御信号が送出され、所定回転速度で遮蔽板16が回転すると、図5(A)に示すように真空室50側へ光束が送出される期間(明期間)と送出されない期間(暗期間)が周期的に繰り返される。本基本測定例の場合、明暗期間一周期は0.3秒程度となっている。
【0055】
コントローラ30は、明期間の開始に合わせて、同図(B)に示すように検出素子駆動部27へスタートパルスPST1を送出する。また、コントローラ30は、順次にチャンネル数分の制御信号としてのクロック信号を検出素子駆動部27へ送出する。検出素子駆動部27は、このスタートパルスPST1を受取ると、コントローラ30からのクロック信号に従い、検出素子26の各チャンネルへ制御信号P1を順次送出し始める。すなわち、同図(C),(D)に示すように、検出素子駆動部27はクロック信号を受取るごとにシフトレジスタによりチャンネルを順次繰り上げ、チャンネルごとに時間をずらしながら制御信号P1を送出する。この制御信号P1によって各チャンネルは順次リセットされる。
【0056】
すなわち、このとき各チャンネルのコンデンサに蓄積されていた電荷が出力される(同図(E)参照)。このようにして、所定時間(T1)で、各チャンネルのリセット出力S1がコントローラ30へ送出される。なお、リセット出力S1は膜厚データに関係しないので、基板1の膜厚制御をするためには用いられない。
【0057】
全てのチャンネルが所定時間(T1)でリセットされると、これから所定時間(T0)経過後にコントローラ30から検出素子駆動部27へスタートパルスPST2が送出され、さらにクロック信号に応じて検出素子駆動部27から各チャンネルへ制御信号P2が制御信号P1と同様に送出される。明期間中、各チャンネルには測定光が照射されている。
【0058】
そして、制御信号P2が各チャンネルへ順次送出されると、各チャンネルのコンデンサに蓄積された電荷は、PGA33へ順次出力される(受光電流出力S2)。このようにして、所定時間(T1)で、各チャンネルの受光電流出力S2がコントローラ30へ送出される(同図(E)参照)。
【0059】
すなわち、各チャンネルからは、各チャンネルのスイッチにリセット用の制御信号P1が送出されてから、出力用の制御信号P2が送出されるまでの測定時間(露光時間)に蓄積された電荷がコントローラ30側へ受光電流出力S2として出力される。図6に示すように、各チャンネルの露光時間TS(=T1+T0、すなわち制御信号P1と制御信号P2との間隔)は一定となっている。
【0060】
また、本例の膜厚計Aでは、明期間だけでなく、暗期間についても同様にスタートパルスPST1,PST2、クロック信号及び制御信号P1,P2が送出され、各チャンネルの出力を検出するようになっている。すなわち、各チャンネルのフォトダイオードに測定光が照射されていないときの受光電流出力S2(実際は、暗電流出力)が、明期間の受光電流出力S2と同様にデータとして出力されている。
【0061】
したがって、暗期間に各チャンネルにリセット用の制御信号P1が送出されてから出力用の制御信号P2が送出されるまでの時間は、明期間のものと略同一(すなわち、露光時間TSに略等しい)となっている。このようにすることにより、フォトダイオードから出力される暗電流出力は時間に比例するものとなるので、同時期の受光電流出力S2に含まれる暗電流分をより正確に見積もることが可能となる。
【0062】
本例の膜厚計Aでは、上述のように明暗期間が周期的に繰り返されて、明期間及び暗期間のそれぞれについて同様な出力処理が行われるので、受光電流出力と暗電流出力が明暗周期ごとに得られる。したがって、明暗周期ごとに暗電流によるノイズ成分を精度よく補正することが可能となっている。
【0063】
図7に膜厚制御データ取得の処理手順を示す。先ず図7に示すように、上記繰返し連続測定によって、各チャンネルの受光電流出力及び暗電流出力を所定時間毎に得ることができる。検出素子26から出力された各チャンネルの受光電流出力及び暗電流出力は、リアルタイムにPGA33によってチャンネルごとに所定倍数に増幅され、A/D変換器34によってデジタルデータに変換された後、受光電流データ及び暗電流データとしてコントローラ30内の記憶部38に記憶される。
【0064】
そして、これら得られたデータに基づき、演算処理が行われる。具体的には、演算手段としてのコントローラ30は、各チャンネルについて明暗期間周期の測定ごとに受光電流データから暗電流データを差し引き、ノイズ分が除去された受光強度データとして記憶部38に記憶する。
【0065】
なお、入出力装置37からの設定入力にしたがい、所定回数(例えば、15回)のデータ積分処理が行われるように構成してもよい。このようにすることにより、データの精度が向上される。
【0066】
そして、演算処理により得られた受光強度データから、さらに光学特性値としての透過率,光学膜厚等が算出され、予め設定された複数のチャンネル(例えば、5チャンネル)についての算出データが外部へ出力され、蒸着処理の制御等に用いられる。本例の場合、チャンネル数は予め入出力装置37から設定することができるようになっている。また、表示装置36へ表示処理が行われる。なお、すべてのチャンネルについての算出データを外部へ出力するようにしてもよい。
【0067】
次に、上記基本となる膜厚測定手順を応用した本発明の要旨である可変露光法について説明する。基本膜厚測定のときは、制御信号P1,P2共にチャンネル間で同時間間隔だけずらして送出されているため、各チャンネルの露光時間及び暗電流測定時間は同一(TS=T1+T0)である。これに対し、可変露光法では、チャンネルごとに露光時間及び暗電流測定時間を可変設定するものである。
【0068】
可変露光法では、図8(A)乃至(D)に例示する露光時間パターンのように制御信号P1を全てのチャンネルに対して送出するには時間T1だけ要する。そして制御信号P1送出後、時間T0経過後に制御信号P2が順次送出され始める。
【0069】
同図(A)は基本膜厚測定の露光時間パターンを示している。当該露光時間パターンでは制御信号P2を送出するのに要する時間T2は、上述のように制御信号P1を送出するのに要する時間と同じ時間T1であり、各チャンネルの露光時間Tsは同一である。
【0070】
これに対し同図(B)乃至(D)では、制御信号P2を送出するのに要する時間T2は、それぞれ時間T1の2倍,4倍,6倍程度となっている。したがって、これらの露光時間パターンが選択されると、チャンネル1(長波長側)の露光時間は基本膜厚測定の場合と同一であるが、チャンネル512(短波長側)側ほど露光時間は線形的に長くなるように設定される。
【0071】
例えば、基本膜厚測定によって図9に示すように測定波長範囲のうち短波長側での信号出力が相対的に小さな受光強度データが得られる場合、可変露光法によって短波長側のチャンネルでの露光時間を長めにすべく、所定の露光時間パターンが選択される。露光時間パターンの選択は、上述のように分周器32cのクロック信号幅を選択することにより行うことができる。さらに、時間T0及び時間T1を入出力装置37から指定することにより露光時間パターンが特定されるようにしてもよい。露光時間パターンが特定されるとCPU31はタイミング設定部32を制御して、検出素子駆動部27へスタートパルス及びクロック信号を順次送出する。
【0072】
基本膜厚測定において図9に示すような受光強度データが得られる場合に、図8に示す各露光時間パターンを用いて測定すると、図10に示すような受光強度データが得られる。同図中、a乃至dはそれぞれ図8(A)乃至(D)の露光時間パターンを用いて測定したときの受光強度データである。
【0073】
このように可変露光法では、本来は信号強度が小さい測定波長(チャンネル)での露光時間を長くとることができるので、得られる受光電流出力の値は大きくなり、これにより全体としてS/N比の向上を図ることができる。
【0074】
次に、可変露光法を行うための別実施例について説明する。図11は、別実施例のタイミング設定部32の構成を示すブロック図である。図11に示すようにタイミング設定部32は、クロック33aと、クロック33aからの信号を受けてチャンネルのアドレス信号を発生させるアドレス発生器33bと、所定のタイミングで検出素子駆動部27へスタートパルス及びクロック信号を送出する分周器33cと、蓄積タイミング設定データが記憶され所定のプログラムに基づき作動するROM32dを備えている。
【0075】
蓄積タイミング設定データには、露光時間パターンが複数記憶されており、操作者は入出力装置37から適宜露光時間パターンを選択することにより、チャンネル全体の露光時間及び暗電流測定時間の制御パターンを設定することができる。
【0076】
CPU31からの制御信号によってROM33dは、露光時間パターンを選択する。そして、ROM33dは所定の作動プログラムを実行し、選択された露光時間パターンデータを読み込み、読み込んだ露光時間パターンデータ及びアドレス発生器33dからのアドレス信号にしたがって、分周器33cにチャンネルごとのクロック信号送出タイミングを制御する信号を送出する。
【0077】
分周器33cは、クロック信号送出タイミング制御信号にしたがって、検出素子駆動部27へスタートパルス及びクロック信号を順次送出する。別実施例のタイミング設定部32は分周器33cが制御信号P1及びP2の双方に対応するクロック信号を送出するように構成されている。
【0078】
図12に露光時間パターンの例を示す。同図(A)乃至(D)の露光時間パターンでは、制御信号P1は基本膜厚測定の露光時間パターンと同様に、各チャンネルへは同間隔で順次送出される。全チャンネルへ制御信号P1が送出されると、時間T0の経過後に制御信号P2が送出され始める。
【0079】
制御信号P2は、送出チャンネル番号の増加に対して送出時間が非線形に増加するように送出される。すなわち、各チャンネルへの送出間隔がチャンネル番号の増加と共に非線形的に長くなるように設定されている。同図(A)乃至(D)では制御信号P2が全チャンネルへ送出されるのに要する時間は、それぞれ2.5倍,4倍,5倍,8倍程度となっている。
【0080】
このように制御信号P2が時間的に非線形となるように順次送出されるので、チャンネル番号が小さいチャンネルよりも、チャンネル番号が大きいチャンネルの方がより露光時間が長くなるようにすることができる。
【0081】
すなわち、全体として同図(A)乃至(D)に示すように、N´>NとしたときチャンネルN´の露光時間Ts(N´)とチャンネルNの露光時間Ts(N)を比較すると、露光時間Ts(N´)は露光時間Ts(N)と同程度以上の長さとなる。
【0082】
本実施例の露光時間パターンは、ROM32dに予め蓄積タイミング設定データとして記憶させることにより任意のパターンを実現することができるように構成されている。例えば、このような露光時間パターンを実現するには、ROM33dから分周器33cへアドレスに対応して随時クロック信号送出間隔を指定する制御信号を送出することにより行うことができる。露光時間パターンは、上記のような非線形パターン以外にも、既に述べた実施例のように線形パターン(図8)とすることも可能である。
【0083】
また、所定のチャンネルまでは時間的に線形的なパターンとし、それ以降のチャンネルについては時間的に非線形なパターンとすることも可能である。さらには、チャンネル範囲を区切って、チャンネル範囲毎に異なる線形パターン(制御信号P2の送出間隔が異なるパターン)とすることも可能である。
【0084】
なお、本例の膜厚計Aでは、入出力装置37からの設定により、明暗期間周期の各継続時間(明期間時間、暗期間時間)を変えることも可能である。ただし、受光電流出力測定の露光時間と暗電流出力測定の測定時間とを略同一とすることが望ましい。これにより、各チャンネルへの任意の露光時間の調整が可能となり、最適な露光時間を選択することができることから、精度の良い膜厚測定データを得ることが可能となる。
【0085】
また、本例の膜厚計Aでは、所定の波長範囲を同時に測定することができるが、測定波長範囲内の任意の単数又は複数の波長についてのみ測定することも可能である。この場合、当該波長に対応するチャンネルが指定されることにより所定のデータを得ることができる。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明の膜厚計及び膜厚測定方法によれば、投光器からの光束が短時間周期でパルス状に送出され、成膜基板に投光器からの光束が照射されている期間と照射されていない期間の双方について、同じように複数の波長について測定が行われる。
【0087】
そして、各明暗周期において各チャンネルの本来の信号出力強度に応じて各チャンネルの露光時間及び暗電流測定時間の長さを設定することができる。具体的には、信号出力強度の小さい測定波長範囲での露光時間等の長さを相対的に長く設定することができる。したがって、そのような測定波長範囲についてゲインを向上させた測定を行うことが可能となる。
【0088】
これにより、一周期内で受光電流出力と暗電流出力の双方の測定を複数の波長について行いリアルタイムに暗電流分が考慮された精度の良いデータを得ることが可能となると共に、測定波長範囲全体にわたって得られる電気信号出力のS/N比が向上されたものとすることができる。したがって、このようにして得られる精度のよい膜厚制御データによって、膜厚制御の精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の膜厚計の構成を示す説明図である。
【図2】実施例のシャッタ機構の説明図である。
【図3】実施例の膜厚計の構成を示すブロック図である。
【図4】実施例のタイミング設定部の構成を示すブロック図である。
【図5】実施例の連続測定処理の説明図である。
【図6】実施例のチャンネルごとの露光時間を示す説明図である。
【図7】実施例の膜厚制御データ取得の概略処理手順を示す説明図である。
【図8】実施例の可変露光法によるチャンネルごとの露光時間を示す説明図である。
【図9】実施例の基本測定による暗電流補正後の受光電流出力を示す説明図である。
【図10】実施例の可変露光法による暗電流補正後の受光電流出力を示す説明図である。
【図11】別実施例のタイミング設定部の構成を示すブロック図である。
【図12】別実施例の可変露光法によるチャンネルごとの露光時間を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板、10 投光器、11 投光部、12 光源、13 集光レンズ、14 シャッタ機構、15 モータ、16 遮蔽板、16a 遮蔽部、16b 切欠部、17 位置検出器、20 分光器、21 分光部、22 スリット、23,25 反射鏡、24 回折格子、26 検出素子、27 検出素子駆動部、28 受光部、30 コントローラ、32 タイミング設定部、32a,33a クロック、32b,32c,33c 分周器、32d 制御ゲート、33b アドレス発生器、33d ROM、34 A/D変換器、35 インターフェース部、36 表示装置、37 入出力装置、38 記憶部、40,42 光ファイバ、40a 分岐部、50 真空室、51 制御装置、A 膜厚計、P1,P2制御信号、S1 リセット出力、S2 受光電流出力、TS 露光時間
Claims (5)
- 光学薄膜が形成された基板へ断続周期的に投光する投光手段と、前記基板からの測定光が導かれる光検出手段と、膜厚測定を制御する制御手段と、を備えた膜厚計であって、
前記光検出手段は、前記測定光を分光する分光部を備えると共に、該分光部によって分光された光束を受光して光電変換により電荷を蓄積し受光電流を前記制御手段へ出力する複数の光検出素子を備え、
前記制御手段は、
前記複数の光検出素子の所定範囲に対して行われる露光の間であっても,前記光検出素子ごとに同一または異なった露光時間を設定可能な露光時間パターンと、
該露光時間パターンに設定された露光時間で前記光検出素子に対して受光電流出力の測定を行うための制御信号を前記光検出手段へ送出する制御信号送出手段を備えたことを特徴とする膜厚計。 - 光学薄膜が形成された基板へ断続周期的に投光する投光手段と、前記基板からの測定光が導かれる光検出手段と、制御手段と、を備えた膜厚計であって、
前記光検出手段は、前記測定光を分光する分光部を備えると共に、該分光部によって分光された光束を受光して光電変換により電荷を蓄積し受光電流を前記制御手段へ出力する複数の光検出素子を備え、
前記制御手段は、
前記複数の光検出素子の所定範囲に対して行われる露光の間であっても,前記光検出素子ごとに同一または異なった露光時間を設定可能な露光時間パターンと、
該露光時間パターンに設定された露光時間で前記光検出素子に対して行われる受光電流出力の測定及び前記光検出素子が露光されない状態において前記露光時間パターンに応じた暗電流出力の測定を行うための制御信号を前記光検出手段へ送出する制御信号送出手段と、
所定の測定波長に対応する前記光検出素子からの前記受光電流出力の測定値から前記受光電流出力の測定と同一露光時間パターンによる暗電流出力の測定値を差し引く演算手段と、を備えたことを特徴とする膜厚計。 - 前記露光時間パターンを前記制御手段へ設定する入出力部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の膜厚計。
- 基板上に形成された薄膜の光学膜厚を測定する方法であって、
前記基板からの測定光を分光し、
前記複数の光検出素子の所定範囲に対して行われる露光の間であっても,前記光検出素子ごとに同一または異なった露光時間で前記分光された光束を前記複数の光検出素子にそれぞれ照射させ、
前記照射された光束により前記光検出素子で光電変換によって生起される受光電流出力を測定することを特徴とする膜厚測定方法。 - 基板上に形成された薄膜の光学膜厚を測定する方法であって、
前記基板からの測定光を分光し、
前記複数の光検出素子の所定範囲に対して行われる露光の間であっても,前記光検出素子ごとに同一または異なった露光時間で前記分光された光束を前記複数の光検出素子にそれぞれ照射させ、
前記照射された光束により前記光検出素子で光電変換によって生起される受光電流出力を測定し、
前記基板からの測定光を遮断して前記光検出素子への前記光束の照射を中断し、
前記光検出素子ごとに前記露光時間に応じた測定時間での暗電流出力を測定し、
所定の測定波長に対応する前記光検出素子からの前記受光電流出力の測定値から前記受光電流出力の測定と同一露光時間パターンによる暗電流出力の測定値を差し引く演算を行うことを特徴とする膜厚測定方法。
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