JP3801926B2 - 回転型膜分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固液分離、イオン除去、溶解性有機物除去、ラテックス濃縮、コロイドシリカ濃縮、有価物回収、廃液処理、金属分級、水道水濾過、活性汚泥処理、上水汚泥処理、食品廃液処理、COD低減、BOD低減、スラリーおよびコロイド成分のダイアフィルトレーション等に好適に用いることができる回転型膜分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
水の中に様々な物質を溶解した液(被処理液)を、清浄な水(透過液)と、粒子濃度の高い濃縮液とに分離するために膜分離装置が用いられている。膜分離装置には様々な形式のものがあるが、本発明の適用される回転型膜分離装置は、一般的に、容器の中心部を貫通するように回転軸を配し、この回転軸の軸長手方向に多数の膜体を装着し、回転軸とともに膜体を回転させつつ膜分離を行う方式である。その膜体は、一定以上の大きさの粒子の通過を妨げる小孔が表面に形成された多孔質の構造を備え透過液体を移送可能な経路を有する透過性膜を板の両面に取り付けた構造で、容器内に投入された被処理液中の極く微細な物質のみが膜体の小孔を透過することによって透過液を得ることができる。この場合、被処理液中の一定以上の大きさの粒子が膜の小孔を閉塞するのを防ぐために、回転軸を回転させて、回転軸に装着された膜体を回転させることが行われている。しかし、回転するだけでは、被処理液が膜体と共回りして膜体の回転効果が十分に発揮されないので、膜孔の閉塞防止は不十分である。そのため、より効果的に膜孔の閉塞防止を図るための手段として、膜体表面に乱流を生じさせることにより共回りを防止し、膜体表面の被処理液を効率的に入れ替えることが提案されている。また、乱流を発生させることにより、濃度分極の低減も可能となり、このことによって、高濃縮が可能となる。また、膜の阻止性能を向上させることができる。
【0003】
例えば、図25(b)に示すように、加圧された被処理液の供給入口41を有する円筒状容器42の中心部を貫通するように中空の回転軸43を配し、透過された液体を移送することの可能な構造を有する多数の膜体44を回転軸43に装着し、膜体44で透過された液体を、膜体44から回転軸43に設けた小孔を経て中空の回転軸43内を通過させて出口45、46から排出し、濃縮液を出口47から排出し、膜体44の両側に、膜体44をほぼ全面的に覆うようなリング状のバッフル48を膜体44との間に間隙を設けて容器42に固定する構造の回転型膜分離装置が知られている(以下、「従来の膜分離装置1」という)。
【0004】
従来の膜分離装置1によれば、図示しないモータによって回転軸43とともに膜体44を回転させると、回転する膜体44の表面と静止したリング状のバッフル48との間の間隙に積極的に乱流を生じさせることができ、膜孔閉塞防止効果は期待できる。しかしながら、リング状のバッフル48は膜体間を完全に仕切り、バッフル48が膜体44を覆う面積が広く、容器42内の被処理液体は狭くて長い流路49を通過するので、圧力損失が大きくなり、効率的に透過することができない。また、圧力損失により、膜体44に付加される圧力に不均一が起こると膜体44のたわみが大きくなり、膜体44とリング状のバッフル48が接触し、比較的強度の弱い膜体44が破損することがある。さらに、容器42に装入するに際しては、膜体44とリング状のバッフル48を交互に組み上げる必要があり、装置組立が非常に煩雑である。
【0005】
そこで、図26(a)に示すように、上記圧力損失を低減するために、リング状のバッフルの周縁部に孔50をあけた孔あきバッフル51が提案されている(以下、「従来の膜分離装置2」という)。しかし、従来の膜分離装置2は、バッフルに孔をあけるための加工コストが上昇し、従来の膜分離装置1と同じように、容器42に装入するに際しては、膜体44と孔あきバッフル51を交互に組み上げる必要があり、装置組立が非常に煩雑であるという欠点がある。
【0006】
また、従来の膜分離装置1、2ともに、均一に膜表面をバッフルが覆っているので、被処理液の乱れが小さいという欠点もある。
【0007】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、装置組み立ての手間がかからず、低コストで、しかも、圧力損失が小さく、効率的に透過処理を行うことが可能な回転型膜分離装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、回転型膜分離装置の回転軸に装着された膜体の両側に膜体との間に間隙を設けて膜体の表面積に対する投影面積が10〜90%である複数の長方形状バッフルを配し、しかも、回転軸を挟んで複数の長方形状バッフルを容器の一方の内壁近傍から他方の内壁近傍まで互いに平行に配置するように構成したので、不均一にバッフルが膜面を覆っているため、乱流が大きく、濃度分極とファウリングの低減効果が大きいので、透過流束が著しく大きく、バッフルの存在による圧力損失が少なく、バッフルがシンプルな形状であるから特別の加工を施す必要がなくて低コストであり、回転軸に膜体を装着した後にバッフルを挿入できるので、装置組み立てが簡単である。
【0009】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明は、被処理液の供給入口を有する容器を貫通するように回転軸を配した回転型膜分離装置において、上記容器内にあって透過された液体を移送することの可能な構造を有する膜体を上記回転軸に装着し、上記膜体に接続されて透過液体を排出する出口を有し、上記膜体の両側に膜体との間に間隙を設けて膜体の表面積に対する投影面積が10〜90%である複数の長方形状バッフルを配し、被処理液の供給入口に接続された液体流路が容器内壁面に設けられており、回転軸を挟んで複数の長方形状バッフルを容器の一方の内壁近傍から他方の内壁近傍まで互いに平行に配置したことを特徴としている。
【0010】
膜体の表面積に対するバッフルの投影面積は、1〜90%が好ましい。1%未満では、膜体表面の乱流促進効果が少なく、90%を超えると被処理液の圧力損失が大きくなりすぎるからである。また、後記する実施例(図17参照)に示すように、膜体の表面積に対するバッフルの投影面積が1%でも、バッフルなしの場合に比べて透過流束は著しく増え、90%を超えると透過流束の低下が大きくなるからである。
【0011】
さらに、本発明が対象とする技術分野では、被処理液の性状や処理目的や処理コストによって異なるが、ある値以上の透過流束が求められ、平均透過流束30L(リットル)/m2/hr 以上を要求されることが多いので、後記する図17に示すように、そのような透過流束の要求を満たすには、膜体の表面積に対するバッフルの投影面積は10〜90%であるのがより好ましく、装置内の圧力損失を上昇させずに透過流束のみを増すためには、膜体の表面積に対するバッフルの投影面積は26〜70%であるのがさらに好ましい。
【0012】
上記のように構成される本発明の膜分離装置によれば、図7に示すように、膜体12を矢視Aで示すように右方向に回転させると、供給入口から容器内に供給され加圧された被処理液は、長方形状バッフル13の左側では矢視Bで示すように、容器内壁15に沿う流路16から長方形状バッフル13に沿って容器内方に向かって流れ、一方、長方形状バッフル13の右側では、矢視Cで示すように、膜体12表面の被処理液は容器内壁15に沿う流路16に向かって吐出される。このような膜体表面と容器内壁に沿う流路との間で形成される被処理液のフローにより、膜表面に被処理液が停滞せず、容器内の外方へ流れる液体と内方へ流れる液体の入れ替えがスムーズに行われる。また、被処理液は不均一に取り付けられたバッフルにより乱流を発生させるので、ファウリングや濃度分極が低減され、効率的に膜分離を行うことができる。
【0013】
また、長方形状バッフルの両端部を容器壁より独立した支持体で支持固定すれば、バッフルの剛性が増し、バッフルの厚みを薄くできるので、膜体の装着枚数を多くすることが可能で、膜分離後の濃縮液の濃度を増すことができる。
【0014】
参考例として、膜体の両側に膜体との間に間隙を設けて鉤形形状バッフルを配し、回転軸を挟んで複数の鉤形形状バッフルを膜体直径に対して線対称に配置するか又は回転軸に対して点対称に配置することもできる。また、別の参考例として、膜体の両側に膜体との間に間隙を設けてS形形状バッフルを配し、回転軸を挟んで複数のS形形状バッフルを回転軸に対して点対称に配置することもできる。参考例である鉤形形状バッフルまたはS形形状バッフルを用いても長方形状バッフルと同じ効果が期待できる。その上、参考例である鉤形形状バッフルまたはS形形状バッフルによれば、膜面の乱流を大きくすることができ、膜分離性能が向上するという効果がある。また、膜体間の流体の入れ替えを促進する効果もある。
【0015】
膜体の一方の側に設けるバッフルの数があまり多いと、取付が困難になるという欠点があり、また、後記する実施例(図16参照)に示すように、バッフルの数を20本超に増やしても透過流束は上昇しないので、バッフルの数は1〜20本にするのが好ましい。
【0016】
また、バッフルは回転する膜体との間に間隙を設けて設置され、膜体と接触しないようにすべきである。一方、バッフルは大きな容積を占めないように、極力厚さを薄くするのが好ましい。しかし、あまり薄すぎると、たわみやすくなって膜体に接触して膜体を破損することがあるので、バッフルは1mm以上の厚さにするのが好ましい。しかし、あまり大きな容積を占めないようにするためと膜体間のクリアランスが広くなりすぎて、装置と回転軸が長大にならないようにするため、バッフルの厚さは20mm以下にするのが好ましい。また、たわみにくくするためには、バッフルの材質は、特に限定されるものではないが、鉄、ステンレス鋼等の種々の金属、プラスチック、セラミック、ガラス繊維強化プラスチックであるのが好ましい。
【0017】
また、膜体の回転速度は、外周において、1〜30m/sec とするのが好ましい。1m/sec 未満の低速では膜孔閉塞防止効果と濃度分極低減効果がほとんどなく、30m/sec を超えると、遠心力が大きくなりすぎて、加圧された被処理液に付加された透過に有効な圧力が相殺されて透過効率が低下し、また、回転に必要な動力が大幅に増大するからである。また、後記する実施例(図18参照)に示すように、膜外周速度が1m/sec 未満では、十分に実用に供しうる程度の大きさの透過流束を得ることはできず、低濃度の液でも、高濃度の液でも、膜外周速度が30m/sec を超えると、透過流束が低下するからである。
【0018】
また、膜体の直径は、200〜1100mmとするのが好ましい。200mm未満では、十分な膜分離能力を持つ装置とするには、膜体の枚数が多くなりすぎて、装置と回転軸が長くなりすぎ、1100mmを超えるものは製作が困難で、製造コストが大幅に増加し、また、回転に必要な動力が大幅に増大するからである。また、後記する実施例(図19参照)に示すように、膜体直径が200mm未満では、膜体の回転数が遅い場合、十分に実用に供しうる程度の大きさの透過流束を得ることはできず、膜体の回転数が遅い場合(例えば、20rpm以下の場合)、膜体の直径が大きくなると透過流束は増加するが、膜体直径が1100mmを超えても、透過流束は上昇しないからである。
【0019】
また、膜体の回転数は、20〜1800rpmとするのが好ましい。20rpm未満では膜孔閉塞防止効果と濃度分極低減効果がほとんどなく、1800rpmを超えると、遠心力が大きくなりすぎて、上記したように、透過効率が低下し、また、回転に必要な動力が大幅に増大するからである。また、後記する実施例(図20参照)に示すように、膜体の回転数が20rpm未満では、透過流束は著しく小さく、1800rpmを超えても、透過流束は上昇しないからである。
【0020】
また、膜体の厚みは1〜20mmとするのが好ましい。1mm未満では強度的に不十分で、20mmを超えると、膜体を収容する容器の容積が大きくなりすぎるからである。
【0021】
また、バッフルの幅は膜体直径の0.1〜40%とするのが好ましい。0.1%未満では膜体表面の乱流促進効果が少なく、40%を超えると被処理液の圧力損失が大きくなりすぎるからである。
【0022】
さらに、膜体とバッフルの間隙は2〜18mmとするのが好ましい。2mm未満では膜体とバッフルが接触しやすくなって、膜体が破損することがあり、18mmを超えると、膜体を収容する容器の容積が大きくなりすぎて現実的ではなく、また、膜体とバッフルの距離が離れすぎて、バッフルによる乱流促進効果が小さくなるからである。また、後記する実施例(図21参照)に示すように、膜体とバッフルの間隙が2mm未満であったり、18mmを超えると、十分に実用に供しうる程度の大きさの透過流束が得られないからである。
【0023】
そして、膜体直径に対する容器内径の比は、1.003〜3.000にするのが好ましい。1.003未満では、膜体の占める面積が大きすぎて被処理液の圧力損失が大きくなりすぎるからである。一方、3.000を超えると、膜体の占める面積が小さすぎて膜分離効率が低下するので好ましくない。
【0024】
また、膜体の形状は、円形を採用することができるが、必ずしも円形に限るものではなく、五角形以上の多角形状であればよい。
【0025】
さらに、回転軸を中空とし且つ軸長手方向の膜体装着部分に小孔を設け、膜体は透過液体を移送可能な経路を有する透過性膜を板の両面に取り付けた構造であって、上記透過性膜の透過液体移送経路を回転軸に設けた小孔に連通するような構成を採用すれば、回転軸を透過液体の排出手段としても利用することができるので、膜分離装置がコンパクトになるという利点がある。
【0026】
本明細書において、「直径」とは、「円または球の中心を通過して円周または球面上に両端を有する線分」をいうほか、「多角形においては、その中心から一頂点に至る距離の2倍の長さの線分」をもいう意である。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明の回転型膜分離装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の回転型膜分離装置の斜視図である。1は被処理液の供給入口で、円筒状容器2の中心部を貫通するように中空の回転軸3を配し、中空の回転軸3に装着した多数の膜体(図2の番号12)で透過された液体は、中空の回転軸3内を通過して出口4、5から排出され、濃縮液は出口6から排出される。7は回転軸3とともに膜体を回転させるモータであり、モータ7の回転力は、ベルト8により回転軸3に伝達される。回転力の伝達はこれに限られるものではなく、モータ直結型、歯車減速機、巻き掛け伝導装置を用いてもよい。
【0028】
本実施例で用いた膜体は、図5(a)(b)に示すように、ポリプロピレン製の板体9の両面に織布のスペーサクロス10を介してポリエーテルスルホン製の透過性膜11を取り付けた構造である。なお、透過性膜を取り付ける板としては本実施例で用いたプラスチック板以外に金属板やセラミック板を用いることも可能であり、容易に変形せず、破損に強い材質を採用するのが好ましい。
【0029】
本明細書において、透過性膜とは、多孔質な構造を有し、多孔質部分を経由することによって透過された液体を移送することの可能な経路(多孔質部分を接続することによって形成される流路)が内部に形成されたものをいい、このような機能を有するものであれば、上記の有機膜以外に、セラミック膜や金属膜を採用することもできる。
【0030】
スペーサクロス10も透過液体を移送可能であるが、スペーサクロス10内の透過液体の流路は後記する透過性膜11の透過液体移送経路27より大径であって、透過液体はスペーサクロス10内を流れやすくなっている。
【0031】
プラスチック製の板体9とスペーサクロス10と透過性膜11からなる膜体12を、図2(b)に示すように回転軸3に装着し、膜体12の両側に膜体との間に間隙を設けて、それぞれ2本のステンレス鋼製の長方形状バッフル13を回転軸3を挟んで容器2の一方の内壁近傍から他方の内壁近傍まで互いに平行に配置し(図2(a)参照)、複数の長方形状バッフル13の両端部は容器2の面2aと2bを接続する貫通ボルト14によって支持固定されている。また、被処理液の供給入口1に接続された液体流路16が容器2の内壁面15に沿うように形成されている。
【0032】
回転軸3は中空であって、図5(a)に示すように、軸長手方向の膜体12装着部分に小孔17を設け、膜体12を構成する透過性膜11の透過液体移送経路とスペーサクロス10の透過液体移送流路は小孔17に連通している。18は、膜体12の回転軸装着部分で、上下で隣接する膜体12、12の間に介装したスペーサである。また、図5(b)に示すように、スペーサ18と膜体12が回転軸3に装着される部分の軸長手方向に複数のスリット19を設け、このスリット19を透過液体移送流路として利用して、回転軸3の端部に小孔17を設け、透過性膜11の透過液体移送経路とスペーサクロス10の透過液体移送流路をスリット19を経て小孔17に通じるような構成を採用することもできる。図5(b)では省略しているが、回転軸3の他方の端部にも小孔17が設けられている。
【0033】
図3は、膜体12の両側に膜体との間に間隙を設けて、それぞれ4本のステンレス鋼製の長方形状バッフル20を回転軸3を挟んで容器2の一方の内壁近傍から他方の内壁近傍まで互いに平行に配置した例を示す。なお、バッフルの材質は、上記した金属製以外にプラスチックやセラミックを採用することも可能である。
【0034】
以上のように構成される膜分離装置の容器2内に加圧(約0.01MPa以上の圧力)された被処理液を供給するか又は容器2内を被処理液で満たして、回転軸3を通して減圧もしくは吸引し、回転軸3を回転させると、図6(a)の矢印24に示すように、遠心力によって半径方向外方への流れを生じる。しかも、膜体12の両側にはバッフル13が存在するので、膜体12の膜孔を閉塞しようとする粒子の作用や濃度分極を妨げるような流れ25が発生し、図6(b)に示すように、膜孔26が閉塞されることはなく、多孔質部分を接続することによって形成される経路27からスペーサクロス10内の流路を経た透過液は、図5(a)(b)に示す小孔17から中空回転軸3内を経由して、図1に示す出口4、5から排出され、一方、濃縮液は出口6から排出される。透過液は透過性膜内の狭い透過液体移送経路27よりスペーサクロス10内の広い流路を流れやすいので、透過液体移送経路27から直接小孔17に向かう透過液は少なく、スペーサクロス10内の広い流路を経て小孔17に達する透過液の方が多い。この点で、透過液が流れやすい流路を確保するために、板体9に透過液の流路を形成することも可能であって、この場合にはスペーサクロス10は不要である。しかし、板体9に透過液の流路を形成することはコストが高くつくので、経済性の点でスペーサクロス10を採用するのが好ましい。
【0035】
なお、バッフルとしては、図8に示す参考例である鉤形形状のバッフル28bや図9に示す参考例であるS形形状のバッフル28cを採用することもできる。これらのバッフル28bおよび28cを用いても長方形状バッフルと同じ効果が期待できる。その上、参考例である鉤形形状バッフル28bおよびS形形状バッフル28cによれば、膜面の乱流を大きくすることができ、膜分離性能が向上するという効果がある。また、膜体間の流体の入れ替えを促進する効果もある。参考例である鉤形形状のバッフル28bについては、図8に示すように、回転軸3を挟んで複数の鉤形形状バッフル28bを膜体12直径に対して線対称に配置するか又は回転軸3に対して点対称に配置することができる。参考例であるS形形状バッフル28cについては、図9に示すように、回転軸3を挟んで複数のS形形状バッフル28cを回転軸3に対して点対称に配置することができる。図8および図9には示されていないが、膜体12の他方の側にも同数のバッフル28b、28cが同じように配置されており、バッフル形状が異なる点を除けば、他の構成は基本的に図2と同様である。また、参考例である鉤形形状バッフル28bおよびS形形状バッフル28cの両端部は、それぞれ容器2の面2aと2b(図2参照)を接続する貫通ボルト14によって支持固定されている。
【0036】
さらに、図10(c)に示すように、参考例として翼類似の断面形状のバッフル29を採用することも可能である。この参考例であるバッフル29によれば、膜体と接触しにくいという利点がある。なお、図2に示す長方形状バッフル13や図3に示す長方形状バッフル20の長手方向の断面は、図2(c)又は図3(c)に示すように、断面寸法が変化しない。本発明のバッフルは、ここに例示したものに限定されるものではない。
【0037】
次に、本発明の膜分離装置と従来の膜分離装置について、透過流束および濃度分極低減効果について調査したので説明する。なお、以下の各実験に用いた円筒状容器2の内径は350mmであり、特に示したもの以外の膜体の直径は300mmであり、これらの数値は各実験において共通である。
(1)操作圧力と透過流束(図11、図13、図15)
(a)長方形状バッフルとリング状バッフル
本発明の膜分離装置としては、図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側にそれぞれ長方形状バッフルを2本有するものを使用し、リング状バッフルを有する従来の膜分離装置としては、図25に示すものを使用し、操作圧力と透過流束の関係を調査した結果を図11に示す。なお、操作圧力とは、被処理液の供給圧力から遠心力を差し引いた有効圧力をいい、実際に被処理液の透過に利用された圧力である。
【0038】
図11に示すように、膜外周速度が8m/sec、16m/sec、24m/sec のいずれの速度においても、長方形状バッフルを有する本発明の膜分離装置(符号△、□、○)は、リング状バッフルを有する従来の膜分離装置(符号▲、■、●)より透過流束は大きい。
(b)長方形状バッフルと棒状バッフル
本発明の膜分離装置としては、図3に示すように、膜体の一方の側および他方の側にそれぞれ長方形状バッフルを4本有するものを使用し、棒状バッフルを有する膜分離装置としては、図12に示すように、膜体12の一方の側に4本の棒状バッフル21を有するものを使用し、操作圧力と透過流束の関係を調査した結果を図13に示す。なお、図12には示されていないが、膜体12の他方の側にも同数の棒状バッフルが同じように配置されており、棒状バッフルの数が異なる点を除けば、他の構成は基本的に図4と同様であり、棒状バッフル21は、容器2の両面2aと2bを接続する、図4(c)に示すような段付き締結具22の凹部23に係合している。
【0039】
図13に示すように、膜外周速度が8m/sec または16m/sec のいずれにおいても、長方形状バッフルを有する本発明の膜分離装置(符号△、□)は、棒状バッフルを有する膜分離装置(符号▲、■)より透過流束は格段に大きい。
(c)長方形状バッフルと孔あき板状バッフル
本発明の膜分離装置としては、図3に示すように、膜体の一方の側および他方の側に長方形状バッフルを4本有するものを使用し、孔あき板状バッフルを有する膜分離装置としては、図14に示すように、容器の内壁15から回転軸3の近傍まで孔あき板状バッフル30が設置されたものを使用し、操作圧力と透過流束の関係を調査した結果を図15に示す。なお、図14には示されていないが、膜体12の他方の側にも同数の孔あき板状バッフルが同じように配置されており、バッフルの形状が異なる点を除けば、他の構成は基本的に図3と同様である。
【0040】
図15に示すように、膜外周速度が8m/sec 、16m/sec 、24m/sec のいずれにおいても、長方形状バッフルを有する本発明の膜分離装置(符号△、□、○)は、孔あき板状バッフルを有する膜分離装置(符号▲、■、●)より透過流束は格段に大きい。
(2)長方形状バッフルの本数と透過流束
膜体の表面積に対するバッフルの投影面積を50%で一定とした場合において、膜体の一方の側および他方の側に、容器の一方の内壁近傍から他方の内壁近傍まで配置した長方形状バッフルの本数と透過流束の関係を調査した結果を図16に示す。
【0041】
図16に示すように、膜外周速度が8m/sec (△)、24m/sec (○)のいずれにおいても、長方形状バッフルを1本有することにより、長方形状バッフルなしの場合に比べて透過流束は顕著に増加し、長方形状バッフルの本数が増えるとともに透過流束は大きくなる。しかし、長方形状バッフルを20本より増やしても、透過流束は上昇しない。
【0042】
そこで、バッフルの取付の煩雑さを回避し、しかも、十分な透過流束を得るためには、バッフルの数は1〜20本とするのが好ましい。
(3)膜体の表面積に対するバッフルの投影面積と透過流束
図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側に設ける長方形状バッフルフルの本数をそれぞれ2本とした場合に、膜体の表面積に対するバッフルの投影面積と透過流束の関係を調査した結果を図17に示し、図17の各バッフルの投影面積(%)に対する透過流束(L/m2/hr) の数値を、膜外周速度が8m/sec の場合は以下の表1に示し、膜外周速度が24m/sec の場合は以下の表2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
図17に示すように、膜外周速度が8m/sec (△)、24m/sec (○)のいずれにおいても、膜体の表面積に対するバッフルの投影面積が1%でも、長方形状バッフルなしの場合に比べて透過流束は顕著に増加し、そのバッフルの投影面積が増えるとともに透過流束は大きくなる。しかし、バッフルの投影面積が90%を超えると、透過流束は大きく低下することが分かる。というのは、バッフルの投影面積が90%を超えるものは、上記した従来のリング状バッフルと同じように、バッフルが膜体を覆う面積が多くて、被処理液の圧力損失が大きくなるので透過効率が低下するからである。
【0046】
図17において、膜外周速度が24m/sec の方が8m/sec より透過流束は大きいが、一方、膜外周速度が大きくなると回転に必要な動力が増加する(回転に必要な動力は略回転数の3乗に比例して増加する)という不都合なことがあるが、8m/sec 程度の膜外周速度であれば、回転に必要な動力が過大になることはない。さらに、本発明が対象とする技術分野では、平均透過流束として、30L/m2/hr 以上が要求されることが多いので、経済性と本発明が対象とする技術分野で必要とされる透過流束の両方の要求を満たすためには、図17および表1より、膜体の表面積に対するバッフルの投影面積は、10〜90%とするのが好ましい。また、装置内の圧力損失を上昇させずに透過流束のみを増すためには、膜体の表面積に対するバッフルの投影面積は26〜70%であるのがさらに好ましい。
(4)膜外周速度と透過流束
図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側に設ける長方形状バッフルの本数を2本とした場合(膜体の表面積に対するバッフルの投影面積が50%の場合)に、膜外周速度と透過流束の関係を調査した結果を図18に示す。
【0047】
図18において、符号「●」、「△」、「■」、「◇」は、それぞれ、被処理液の濃度が10%、20%、30%、50%を示す。図18に示すように、膜外周速度が1m/sec 未満では十分に実用に供しうる程度の大きさの透過流束を得ることはできない。特に、30%を超える高濃度では、膜外周速度が低いと透過流束は極めて低くなる。というのは、高濃度の液の膜分離を行うためには、高粘性にうち勝つだけの十分な運動エネルギーが必要であり、運動エネルギーは速度の自乗に比例するから、1m/sec 未満の膜体回転速度では、膜分離に十分なエネルギーを供給できないからである。
【0048】
20%以下の低濃度では、膜外周速度が15m/sec を超えると、透過流束はほぼ一定であるが、30%以上の高濃度では、膜外周速度が30m/sec までは、透過流束は増加している。しかし、膜外周速度が30m/sec を超えると、低濃度でも高濃度でも、透過流束は小さくなる。
【0049】
そこで、低濃度から高濃度まで十分な透過流束を得るためには、膜外周速度は、1〜30m/sec とするのが好ましい。
(5)膜体の直径と透過流束
図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側に設ける長方形状バッフルの本数を2本とした場合(膜体の表面積に対するバッフルの投影面積が50%の場合)に、膜体の直径と透過流束の関係を調査した結果を図19に示す。
【0050】
図19において、符号「●」、「▲」、「■」、「◆」、「▼」は、それぞれ、膜体の回転数が200rpm、600rpm、1000rpm、1400rpm、1800rpmを示す。回転数が1800rpmの超高速では、膜体直径が増加しても、透過流束はごく僅かしか増えない。膜分離エネルギーは回転数の自乗に比例し、回転数の効果が大きく寄与するので、超高速回転では、膜体直径の大小の差はそれほど問題とならないからである。
【0051】
一方、回転数が1400rpm以下では、膜体直径が増加すると、透過流束も大きくなるが、膜体直径が1100mmを超えると、透過流束はそれ以上増加しない。また、膜体直径が200mm未満では、回転数が600rpm未満の低速回転では十分に実用に供しうる程度の大きさの透過流束を得ることはできない。
【0052】
そこで、回転に必要な動力の大幅な増加を抑え、しかも、低速から高速回転まで十分な透過流束を得るためには、膜体直径は200〜1100mmとするのが好ましい。
(6)膜体の回転数と透過流束
図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側に設ける長方形状バッフルの本数を2本とした場合(膜体の表面積に対するバッフルの投影面積が50%の場合)に、膜体の回転数と透過流束の関係を調査した結果を図20に示す。
【0053】
図20において、符号「●」、「▲」、「■」、「◆」、「▼」は、それぞれ、膜体の直径が1100mm、750mm、450mm、3000mm、2000mm を 示す。回転数が20rpm未満では、いずれの膜体直径でも十分に実用に供しうる程度の大きさの透過流束を得ることはできない。回転数が20rpmより増加するとともに透過流束は大きくなっているが、1800rpmでは、いずれの膜体直径でもほぼ同じ透過流束となり、回転数を1800rpmより大きくしても透過流束はそれ以上上昇しない。
【0054】
そこで、回転に必要な動力の大幅な増加を抑え、しかも、膜体直径の大小に関わらず十分な透過流束を得るためには、膜体の回転数は、20〜1800rpmとするのが好ましい。
(7)膜体とバッフルの間隔と透過流束
図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側に設ける長方形状バッフルの本数を2本とした場合(膜体の表面積に対するバッフルの投影面積が50%の場合)に、膜体とバッフルの間隔と透過流束の関係を調査した結果を図21に示す。
【0055】
図21に示すように、膜体とバッフルの間隔が2mm未満でも、18mmを超えても、十分に実用に供しうる程度の大きさの透過流束を得ることはできない。
【0056】
そこで、膜体を破損せず、しかも、十分な透過流束を得るためには、膜体とバッフルの間隔は、2〜18mmとするのが好ましい。
(8)透過流束の安定性(図22)
本発明の膜分離装置として、図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側にそれぞれ長方形状バッフルを2本有するものを使用し、運転時間に対する透過流束の変化を調査した結果を図22に示す。図22に示すように、8時間膜分離を実行しても透過流束(▲)は変化せず、本発明の膜分離装置は透過流束の安定性において優れていることが分かる。
(9)濃度分極低減効果(図23、24)
(a)MgSO4 阻止率
本発明の膜分離装置として、図3に示すように、膜体の一方の側および他方の側にそれぞれ長方形状バッフルを4本有するものを使用し、膜外周速度に対する濃度分極低減効果を調査した結果を図23に示す。なお、MgSO4 阻止率(●)とは、次式で定義されるものをいう。
【0057】
MgSO4 阻止率=〔1−(透過液濃度)/(原液MgSO4 濃度)〕×100(%)
すなわち、MgSO4 阻止率の数値が大きいほど、濃度分極低減効果が優れていることを示し、本発明の膜分離装置は、十分に実用に供する程度の高いMgSO4 阻止率を有している。
(b)NaCl阻止率
本発明の膜分離装置として、図3に示すように、膜体の一方の側および他方の側にそれぞれ長方形状バッフルを4本有するものを使用し、膜外周速度に対する濃度分極低減効果を調査した結果を図24に示す。なお、NaCl阻止率(●)とは、次式で定義されるものをいう。
【0058】
NaCl阻止率=〔1−(透過液濃度)/(原液NaCl濃度)〕×100(%)
すなわち、NaCl阻止率の数値が大きいほど、濃度分極低減効果が優れていることを示し、本発明の膜分離装置は、十分に実用に供する程度の高いNaCl 阻止率を有している。
【0059】
なお、容器2は円筒状以外の形状、例えば、四角形以上の多角形または上蓋の無い槽形を採用することも可能である。
【0060】
本実施例においては、装置を横にして用いる例を挙げているが、これに限られるものではなく、装置を縦にして用いることもできる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の回転型膜分離装置は上記のとおり構成されているので、次の効果を奏する。
(1)請求項1記載の回転型膜分離装置によれば、バッフルは膜体間を完全に仕切る構造ではないため、バッフルによる被処理液の圧力損失が少なく、優れた膜分離性能を有している。また、膜体表面積に対するバッフルの投影面積が適正な範囲であるから、透過流束が極めて大きくなる。
また、膜体とバッフルを交互に組み上げる必要はなく、回転軸と膜体を組み上げた後に、積層した膜体の横方向からバッフルを挿入できるので、取り付けの手間がかからない。 さらに、バッフル形状がシンプルであるから、加工が簡単で低コストである。 そして、被処理液の性状に応じて、バッフルの幅や厚みや本数を任意に変更することができるので、対象とする被処理液の種類が限定されず、応用性に優れている。
(2)特に、請求項2記載の回転型膜分離装置は、長方形状バッフルの両端部を支持固定するので、バッフルの剛性が増し、バッフルの厚みを薄くできるので、膜体の装着枚数を多くすることが可能で、膜分離後の濃縮液の濃度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の回転型膜分離装置の一実施例の斜視図である。
【図2】 図2(a)は、本発明の回転型膜分離装置の長方形状バッフルと膜体と容器とを示す一実施例の断面図、図2(b)はその長方形状バッフルを用いた回転型膜分離装置の断面を含む側面図であり、回転手段は省略しており、図2(c)は図2(a)のII−II矢視断面図である。
【図3】 図3(a)は、本発明の回転型膜分離装置の長方形状バッフルと膜体と容器とを示す別の実施例の断面図、図3(b)はその長方形状バッフルを用いた回転型膜分離装置の断面を含む側面図であり、回転手段は省略しており、図3(c)は図3(a)のIII−III矢視断面図である。
【図4】 図4(a)は、膜体の両側に膜体との間に間隙を設けて、それぞれ8本の棒状バッフルを回転軸を挟んで容器の一方の内壁近傍から他方の内壁近傍まで互いに平行に配置した回転型膜分離装置の棒状バッフルと膜体と容器とを示す一例の断面図、図4(b)はその棒状バッフルを用いた回転型膜分離装置の断面を含む側面図であり、回転手段は省略しており、図4(c)は棒状バッフルの締結方法を示す図である。
【図5】 図5(a)は本発明の回転型膜分離装置の一実施例において、膜体が回転軸に装着される箇所を拡大して示す断面図であり、図5(b)はその別の実施例の膜体が回転軸に装着される箇所を拡大して示す断面図である。
【図6】 図6(a)は本発明の回転型膜分離装置の一実施例において、容器内壁近傍の膜体と長方形状バッフルを拡大して示す断面図であり、図6(b)は、透過性膜内の透過液体移送経路を拡大して示す図である。
【図7】 本発明の回転型膜分離装置における被処理液のフローを示す図である。
【図8】 参考例である鉤形形状のバッフルを用いた場合において、参考例として回転型膜分離装置の鉤形形状のバッフルと膜体と容器とを示す一例の断面図である。
【図9】 参考例であるS形形状のバッフルを用いた場合において、参考例として回転型膜分離装置のS形形状のバッフルと膜体と容器とを示す一例の断面図である。
【図10】 参考例である翼形状バッフルを用いた場合において、図10(a)は、参考例として回転型膜分離装置の翼形状バッフルと膜体と容器とを示す一例の断面図、図10(b)はその翼形状バッフルを用いた回転型膜分離装置の断面を含む側面図であり、回転手段は省略しており、図10(c)は図10(a)のX−X矢視断面において、バッフル29及びその近傍を拡大して示す図である。
【図11】 操作圧力と透過流束の関係を示す図である。
【図12】 回転型膜分離装置の棒状バッフルと膜体と容器とを示す一例の断面図である。
【図13】 操作圧力と透過流束の関係を示す別の図である。
【図14】 回転型膜分離装置の孔あき板状バッフルと膜体と容器とを示す一例の断面図である。
【図15】 操作圧力と透過流束の関係を示すさらに別の図である。
【図16】 長方形状バッフルの本数と透過流束の関係を示す図である。
【図17】 膜体の表面積に対するバッフルの投影面積と透過流束の関係を示す図である。
【図18】 膜外周速度と透過流束の関係を示す図である。
【図19】 膜体の直径と透過流束の関係を示す図である。
【図20】 膜体の回転数と透過流束の関係を示す図である。
【図21】 膜体とバッフルの間隔と透過流束の関係を示す図である。
【図22】 本発明の回転型膜分離装置の透過流束の時間変化を示す図である。
【図23】 本発明の回転型膜分離装置の濃度分極低減効果を示す図である。
【図24】 本発明の回転型膜分離装置の濃度分極低減効果を示す別の図である。
【図25】 図25(a)は、従来の回転型膜分離装置のリング状バッフルと膜体と容器とを示す断面図、図25(b)はそのリング状バッフルを用いた回転型膜分離装置の断面を含む側面図であり、回転手段は省略している。
【図26】 図26(a)は、従来の回転型膜分離装置の孔あきリング状バッフルと膜体と容器とを示す断面図、図26(b)はその孔あきリング状バッフルを用いた回転型膜分離装置の断面を含む側面図であり、回転手段は省略している。
【符号の説明】
1…供給入口
2…容器
3…回転軸
4、5、6…出口
7…モータ
11…透過性膜
12…膜体
13、20…長方形状バッフル
15…容器内壁
16…液体流路
17…小孔
21…棒状バッフル
26…膜孔
27…透過液体移送経路
28b…鉤形形状バッフル
28c…S形形状バッフル
29…翼形状バッフル
30…孔あき板状バッフル
Claims (2)
- 被処理液の供給入口を有する容器を貫通するように回転軸を配した回転型膜分離装置において、上記容器内にあって透過された液体を移送することの可能な構造を有する膜体を上記回転軸に装着し、上記膜体に接続されて透過液体を排出する出口を有し、上記膜体の両側に膜体との間に間隙を設けて膜体の表面積に対する投影面積が10〜90%である複数の長方形状バッフルを配し、被処理液の供給入口に接続された液体流路が容器内壁面に設けられており、回転軸を挟んで複数の長方形状バッフルを容器の一方の内壁近傍から他方の内壁近傍まで互いに平行に配置した回転型膜分離装置。
- 長方形状バッフルの両端部を容器壁より独立した支持体で支持固定してなる請求項1記載の回転型膜分離装置。
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