JP2003062437A - 回転型膜分離装置 - Google Patents

回転型膜分離装置

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JP2003062437A JP2002029097A JP2002029097A JP2003062437A JP 2003062437 A JP2003062437 A JP 2003062437A JP 2002029097 A JP2002029097 A JP 2002029097A JP 2002029097 A JP2002029097 A JP 2002029097A JP 2003062437 A JP2003062437 A JP 2003062437A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置組み立ての手間がかからず、低コスト
で、しかも、圧力損失が小さく、効率的に透過処理を行
うことが可能な回転型膜分離装置を提供すること。 【解決手段】 被処理液の供給入口1を有する円筒状容
器2の中心部を貫通するように中空の回転軸3を配して
いる。板の両面に透過性膜を有する多数の膜体を回転軸
3に装着し、透過性膜で透過された液体を出口5、6か
ら排出し、膜体の両側に膜体との間に間隙を設けて長方
形状バッフルを配し、回転軸3とともに膜体を回転させ
るモータ7を容器外に備え、被処理液の供給入口1に接
続された液体流路を容器内壁面に有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固液分離、イオン
除去、溶解性有機物除去、ラテックス濃縮、コロイドシ
リカ濃縮、有価物回収、廃液処理、金属分級、水道水濾
過、活性汚泥処理、上水汚泥処理、食品廃液処理、CO
D低減、BOD低減、スラリーおよびコロイド成分のダ
イアフィルトレーション等に好適に用いることができる
回転型膜分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】水の
中に様々な物質を溶解した液(被処理液)を、清浄な水
(透過液)と、粒子濃度の高い濃縮液とに分離するため
に膜分離装置が用いられている。膜分離装置には様々な
形式のものがあるが、本発明の適用される回転型膜分離
装置は、一般的に、容器の中心部を貫通するように回転
軸を配し、この回転軸の軸長手方向に多数の膜体を装着
し、回転軸とともに膜体を回転させつつ膜分離を行う方
式である。その膜体は、一定以上の大きさの粒子の通過
を妨げる小孔が表面に形成された多孔質の構造を備え透
過液体を移送可能な経路を有する透過性膜を板の両面に
取り付けた構造で、容器内に投入された被処理液中の極
く微細な物質のみが膜体の小孔を透過することによって
透過液を得ることができる。この場合、被処理液中の一
定以上の大きさの粒子が膜の小孔を閉塞するのを防ぐた
めに、回転軸を回転させて、回転軸に装着された膜体を
回転させることが行われている。しかし、回転するだけ
では、被処理液が膜体と共回りして膜体の回転効果が十
分に発揮されないので、膜孔の閉塞防止は不十分であ
る。そのため、より効果的に膜孔の閉塞防止を図るため
の手段として、膜体表面に乱流を生じさせることにより
共回りを防止し、膜体表面の被処理液を効率的に入れ替
えることが提案されている。また、乱流を発生させるこ
とにより、濃度分極の低減も可能となり、このことによ
って、高濃縮が可能となる。また、膜の阻止性能を向上
させることができる。
【0003】例えば、図25(b)に示すように、加圧
された被処理液の供給入口41を有する円筒状容器42
の中心部を貫通するように中空の回転軸43を配し、透
過された液体を移送することの可能な構造を有する多数
の膜体44を回転軸43に装着し、膜体44で透過され
た液体を、膜体44から回転軸43に設けた小孔を経て
中空の回転軸43内を通過させて出口45、46から排
出し、濃縮液を出口47から排出し、膜体44の両側
に、膜体44をほぼ全面的に覆うようなリング状のバッ
フル48を膜体44との間に間隙を設けて容器42に固
定する構造の回転型膜分離装置が知られている(以下、
「従来の膜分離装置1」という)。
【0004】従来の膜分離装置1によれば、図示しない
モータによって回転軸43とともに膜体44を回転させ
ると、回転する膜体44の表面と静止したリング状のバ
ッフル48との間の間隙に積極的に乱流を生じさせるこ
とができ、膜孔閉塞防止効果は期待できる。しかしなが
ら、リング状のバッフル48は膜体間を完全に仕切り、
バッフル48が膜体44を覆う面積が広く、容器42内
の被処理液体は狭くて長い流路49を通過するので、圧
力損失が大きくなり、効率的に透過することができな
い。また、圧力損失により、膜体44に付加される圧力
に不均一が起こると膜体44のたわみが大きくなり、膜
体44とリング状のバッフル48が接触し、比較的強度
の弱い膜体44が破損することがある。さらに、容器4
2に装入するに際しては、膜体44とリング状のバッフ
ル48を交互に組み上げる必要があり、装置組立が非常
に煩雑である。
【0005】そこで、図26(a)に示すように、上記
圧力損失を低減するために、リング状のバッフルの周縁
部に孔50をあけた孔あきバッフル51が提案されてい
る(以下、「従来の膜分離装置2」という)。しかし、
従来の膜分離装置2は、バッフルに孔をあけるための加
工コストが上昇し、従来の膜分離装置1と同じように、
容器42に装入するに際しては、膜体44と孔あきバッ
フル51を交互に組み上げる必要があり、装置組立が非
常に煩雑であるという欠点がある。
【0006】また、従来の膜分離装置1、2ともに、均
一に膜表面をバッフルが覆っているので、被処理液の乱
れが小さいという欠点もある。
【0007】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、装置
組み立ての手間がかからず、低コストで、しかも、圧力
損失が小さく、効率的に透過処理を行うことが可能な回
転型膜分離装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、回転型膜分離装置の回転軸に装着された膜
体の両側に膜体との間に間隙を設けて膜体の表面積に対
する投影面積が10〜90%である複数の長方形状バッ
フルを配し、しかも、回転軸を挟んで複数の長方形状バ
ッフルを容器の一方の内壁近傍から他方の内壁近傍まで
互いに平行に配置するように構成したので、不均一にバ
ッフルが膜面を覆っているため、乱流が大きく、濃度分
極とファウリングの低減効果が大きいので、透過流束が
著しく大きく、バッフルの存在による圧力損失が少な
く、バッフルがシンプルな形状であるから特別の加工を
施す必要がなくて低コストであり、回転軸に膜体を装着
した後にバッフルを挿入できるので、装置組み立てが簡
単である。
【0009】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、被処理液の
供給入口を有する容器を貫通するように回転軸を配した
回転型膜分離装置において、上記容器内にあって透過さ
れた液体を移送することの可能な構造を有する膜体を上
記回転軸に装着し、上記膜体に接続されて透過液体を排
出する出口を有し、上記膜体の両側に膜体との間に間隙
を設けて膜体の表面積に対する投影面積が10〜90%
である複数の長方形状バッフルを配し、被処理液の供給
入口に接続された液体流路が容器内壁面に設けられてお
り、回転軸を挟んで複数の長方形状バッフルを容器の一
方の内壁近傍から他方の内壁近傍まで互いに平行に配置
したことを特徴としている。
【0010】膜体の表面積に対するバッフルの投影面積
は、1〜90%が好ましい。1%未満では、膜体表面の
乱流促進効果が少なく、90%を超えると被処理液の圧
力損失が大きくなりすぎるからである。また、後記する
実施例(図17参照)に示すように、膜体の表面積に対
するバッフルの投影面積が1%でも、バッフルなしの場
合に比べて透過流束は著しく増え、90%を超えると透
過流束の低下が大きくなるからである。
【0011】さらに、本発明が対象とする技術分野で
は、被処理液の性状や処理目的や処理コストによって異
なるが、ある値以上の透過流束が求められ、平均透過流
束30L(リットル)/m2/hr 以上を要求されることが多い
ので、後記する図17に示すように、そのような透過流
束の要求を満たすには、膜体の表面積に対するバッフル
の投影面積は10〜90%であるのがより好ましく、装
置内の圧力損失を上昇させずに透過流束のみを増すため
には、膜体の表面積に対するバッフルの投影面積は26
〜70%であるのがさらに好ましい。
【0012】上記のように構成される本発明の膜分離装
置によれば、図7に示すように、膜体12を矢視Aで示
すように右方向に回転させると、供給入口から容器内に
供給され加圧された被処理液は、長方形状バッフル13
の左側では矢視Bで示すように、容器内壁15に沿う流
路16から長方形状バッフル13に沿って容器内方に向
かって流れ、一方、長方形状バッフル13の右側では、
矢視Cで示すように、膜体12表面の被処理液は容器内
壁15に沿う流路16に向かって吐出される。このよう
な膜体表面と容器内壁に沿う流路との間で形成される被
処理液のフローにより、膜表面に被処理液が停滞せず、
容器内の外方へ流れる液体と内方へ流れる液体の入れ替
えがスムーズに行われる。また、被処理液は不均一に取
り付けられたバッフルにより乱流を発生させるので、フ
ァウリングや濃度分極が低減され、効率的に膜分離を行
うことができる。
【0013】また、長方形状バッフルの両端部を容器壁
より独立した支持体で支持固定すれば、バッフルの剛性
が増し、バッフルの厚みを薄くできるので、膜体の装着
枚数を多くすることが可能で、膜分離後の濃縮液の濃度
を増すことができる。
【0014】膜体の両側に膜体との間に間隙を設けて鉤
形形状バッフルを配し、回転軸を挟んで複数の鉤形形状
バッフルを膜体直径に対して線対称に配置するか又は回
転軸に対して点対称に配置することもできる。また、膜
体の両側に膜体との間に間隙を設けてS形形状バッフル
を配し、回転軸を挟んで複数のS形形状バッフルを回転
軸に対して点対称に配置することもできる。鉤形形状バ
ッフルまたはS形形状バッフルを用いても長方形状バッ
フルと同じ効果が期待できる。その上、鉤形形状バッフ
ルまたはS形形状バッフルによれば、膜面の乱流を大き
くすることができ、膜分離性能が向上するという効果が
ある。また、膜体間の流体の入れ替えを促進する効果も
ある。
【0015】膜体の一方の側に設けるバッフルの数があ
まり多いと、取付が困難になるという欠点があり、ま
た、後記する実施例(図16参照)に示すように、バッ
フルの数を20本超に増やしても透過流束は上昇しない
ので、バッフルの数は1〜20本にするのが好ましい。
【0016】また、バッフルは回転する膜体との間に間
隙を設けて設置され、膜体と接触しないようにすべきで
ある。一方、バッフルは大きな容積を占めないように、
極力厚さを薄くするのが好ましい。しかし、あまり薄す
ぎると、たわみやすくなって膜体に接触して膜体を破損
することがあるので、バッフルは1mm以上の厚さにする
のが好ましい。しかし、あまり大きな容積を占めないよ
うにするためと膜体間のクリアランスが広くなりすぎ
て、装置と回転軸が長大にならないようにするため、バ
ッフルの厚さは20mm以下にするのが好ましい。また、
たわみにくくするためには、バッフルの材質は、特に限
定されるものではないが、鉄、ステンレス鋼等の種々の
金属、プラスチック、セラミック、ガラス繊維強化プラ
スチックであるのが好ましい。
【0017】また、膜体の回転速度は、外周において、
1〜30m/sec とするのが好ましい。1m/sec 未満
の低速では膜孔閉塞防止効果と濃度分極低減効果がほと
んどなく、30m/sec を超えると、遠心力が大きくな
りすぎて、加圧された被処理液に付加された透過に有効
な圧力が相殺されて透過効率が低下し、また、回転に必
要な動力が大幅に増大するからである。また、後記する
実施例(図18参照)に示すように、膜外周速度が1m
/sec 未満では、十分に実用に供しうる程度の大きさの
透過流束を得ることはできず、低濃度の液でも、高濃度
の液でも、膜外周速度が30m/sec を超えると、透過
流束が低下するからである。
【0018】また、膜体の直径は、200〜1100mm
とするのが好ましい。200mm未満では、十分な膜分離
能力を持つ装置とするには、膜体の枚数が多くなりすぎ
て、装置と回転軸が長くなりすぎ、1100mmを超える
ものは製作が困難で、製造コストが大幅に増加し、ま
た、回転に必要な動力が大幅に増大するからである。ま
た、後記する実施例(図19参照)に示すように、膜体
直径が200mm未満では、膜体の回転数が遅い場合、十
分に実用に供しうる程度の大きさの透過流束を得ること
はできず、膜体の回転数が遅い場合(例えば、20rp
m以下の場合)、膜体の直径が大きくなると透過流束は
増加するが、膜体直径が1100mmを超えても、透過流
束は上昇しないからである。
【0019】また、膜体の回転数は、20〜1800r
pmとするのが好ましい。20rpm未満では膜孔閉塞
防止効果と濃度分極低減効果がほとんどなく、1800
rpmを超えると、遠心力が大きくなりすぎて、上記し
たように、透過効率が低下し、また、回転に必要な動力
が大幅に増大するからである。また、後記する実施例
(図20参照)に示すように、膜体の回転数が20rp
m未満では、透過流束は著しく小さく、1800rpm
を超えても、透過流束は上昇しないからである。
【0020】また、膜体の厚みは1〜20mmとするのが
好ましい。1mm未満では強度的に不十分で、20mmを超
えると、膜体を収容する容器の容積が大きくなりすぎる
からである。
【0021】また、バッフルの幅は膜体直径の0.1〜
40%とするのが好ましい。0.1%未満では膜体表面
の乱流促進効果が少なく、40%を超えると被処理液の
圧力損失が大きくなりすぎるからである。
【0022】さらに、膜体とバッフルの間隙は2〜18
mmとするのが好ましい。2mm未満では膜体とバッフルが
接触しやすくなって、膜体が破損することがあり、18
mmを超えると、膜体を収容する容器の容積が大きくなり
すぎて現実的ではなく、また、膜体とバッフルの距離が
離れすぎて、バッフルによる乱流促進効果が小さくなる
からである。また、後記する実施例(図21参照)に示
すように、膜体とバッフルの間隙が2mm未満であった
り、18mmを超えると、十分に実用に供しうる程度の大
きさの透過流束が得られないからである。
【0023】そして、膜体直径に対する容器内径の比
は、1.003〜3.000にするのが好ましい。1.
003未満では、膜体の占める面積が大きすぎて被処理
液の圧力損失が大きくなりすぎるからである。一方、
3.000を超えると、膜体の占める面積が小さすぎて
膜分離効率が低下するので好ましくない。
【0024】また、膜体の形状は、円形を採用すること
ができるが、必ずしも円形に限るものではなく、五角形
以上の多角形状であればよい。
【0025】さらに、回転軸を中空とし且つ軸長手方向
の膜体装着部分に小孔を設け、膜体は透過液体を移送可
能な経路を有する透過性膜を板の両面に取り付けた構造
であって、上記透過性膜の透過液体移送経路を回転軸に
設けた小孔に連通するような構成を採用すれば、回転軸
を透過液体の排出手段としても利用することができるの
で、膜分離装置がコンパクトになるという利点がある。
【0026】本明細書において、「直径」とは、「円ま
たは球の中心を通過して円周または球面上に両端を有す
る線分」をいうほか、「多角形においては、その中心か
ら一頂点に至る距離の2倍の長さの線分」をもいう意で
ある。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の回転型膜分離装置につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の回
転型膜分離装置の斜視図である。1は被処理液の供給入
口で、円筒状容器2の中心部を貫通するように中空の回
転軸3を配し、中空の回転軸3に装着した多数の膜体
(図2の番号12)で透過された液体は、中空の回転軸
3内を通過して出口4、5から排出され、濃縮液は出口
6から排出される。7は回転軸3とともに膜体を回転さ
せるモータであり、モータ7の回転力は、ベルト8によ
り回転軸3に伝達される。回転力の伝達はこれに限られ
るものではなく、モータ直結型、歯車減速機、巻き掛け
伝導装置を用いてもよい。
【0028】本実施例で用いた膜体は、図5(a)
(b)に示すように、ポリプロピレン製の板体9の両面
に織布のスペーサクロス10を介してポリエーテルスル
ホン製の透過性膜11を取り付けた構造である。なお、
透過性膜を取り付ける板としては本実施例で用いたプラ
スチック板以外に金属板やセラミック板を用いることも
可能であり、容易に変形せず、破損に強い材質を採用す
るのが好ましい。
【0029】本明細書において、透過性膜とは、多孔質
な構造を有し、多孔質部分を経由することによって透過
された液体を移送することの可能な経路(多孔質部分を
接続することによって形成される流路)が内部に形成さ
れたものをいい、このような機能を有するものであれ
ば、上記の有機膜以外に、セラミック膜や金属膜を採用
することもできる。
【0030】スペーサクロス10も透過液体を移送可能
であるが、スペーサクロス10内の透過液体の流路は後
記する透過性膜11の透過液体移送経路27より大径で
あって、透過液体はスペーサクロス10内を流れやすく
なっている。
【0031】プラスチック製の板体9とスペーサクロス
10と透過性膜11からなる膜体12を、図2(b)に
示すように回転軸3に装着し、膜体12の両側に膜体と
の間に間隙を設けて、それぞれ2本のステンレス鋼製の
長方形状バッフル13を回転軸3を挟んで容器2の一方
の内壁近傍から他方の内壁近傍まで互いに平行に配置し
(図2(a)参照)、複数の長方形状バッフル13の両
端部は容器2の面2aと2bを接続する貫通ボルト14
によって支持固定されている。また、被処理液の供給入
口1に接続された液体流路16が容器2の内壁面15に
沿うように形成されている。
【0032】回転軸3は中空であって、図5(a)に示
すように、軸長手方向の膜体12装着部分に小孔17を
設け、膜体12を構成する透過性膜11の透過液体移送
経路とスペーサクロス10の透過液体移送流路は小孔1
7に連通している。18は、膜体12の回転軸装着部分
で、上下で隣接する膜体12、12の間に介装したスペ
ーサである。また、図5(b)に示すように、スペーサ
18と膜体12が回転軸3に装着される部分の軸長手方
向に複数のスリット19を設け、このスリット19を透
過液体移送流路として利用して、回転軸3の端部に小孔
17を設け、透過性膜11の透過液体移送経路とスペー
サクロス10の透過液体移送流路をスリット19を経て
小孔17に通じるような構成を採用することもできる。
図5(b)では省略しているが、回転軸3の他方の端部
にも小孔17が設けられている。
【0033】図3は、膜体12の両側に膜体との間に間
隙を設けて、それぞれ4本のステンレス鋼製の長方形状
バッフル20を回転軸3を挟んで容器2の一方の内壁近
傍から他方の内壁近傍まで互いに平行に配置した例を示
す。なお、バッフルの材質は、上記した金属製以外にプ
ラスチックやセラミックを採用することも可能である。
【0034】以上のように構成される膜分離装置の容器
2内に加圧(約0.01MPa以上の圧力)された被処
理液を供給するか又は容器2内を被処理液で満たして、
回転軸3を通して減圧もしくは吸引し、回転軸3を回転
させると、図6(a)の矢印24に示すように、遠心力
によって半径方向外方への流れを生じる。しかも、膜体
12の両側にはバッフル13が存在するので、膜体12
の膜孔を閉塞しようとする粒子の作用や濃度分極を妨げ
るような流れ25が発生し、図6(b)に示すように、
膜孔26が閉塞されることはなく、多孔質部分を接続す
ることによって形成される経路27からスペーサクロス
10内の流路を経た透過液は、図5(a)(b)に示す
小孔17から中空回転軸3内を経由して、図1に示す出
口4、5から排出され、一方、濃縮液は出口6から排出
される。透過液は透過性膜内の狭い透過液体移送経路2
7よりスペーサクロス10内の広い流路を流れやすいの
で、透過液体移送経路27から直接小孔17に向かう透
過液は少なく、スペーサクロス10内の広い流路を経て
小孔17に達する透過液の方が多い。この点で、透過液
が流れやすい流路を確保するために、板体9に透過液の
流路を形成することも可能であって、この場合にはスペ
ーサクロス10は不要である。しかし、板体9に透過液
の流路を形成することはコストが高くつくので、経済性
の点でスペーサクロス10を採用するのが好ましい。
【0035】なお、バッフルとしては、図8に示す鉤形
形状のバッフル28bや図9に示すS形形状のバッフル
28cを採用することもできる。これらのバッフル28
bおよび28cを用いても長方形状バッフルと同じ効果
が期待できる。その上、鉤形形状バッフル28bおよび
S形形状バッフル28cによれば、膜面の乱流を大きく
することができ、膜分離性能が向上するという効果があ
る。また、膜体間の流体の入れ替えを促進する効果もあ
る。鉤形形状のバッフル28bについては、図8に示す
ように、回転軸3を挟んで複数の鉤形形状バッフル28
bを膜体12直径に対して線対称に配置するか又は回転
軸3に対して点対称に配置することができる。S形形状
バッフル28cについては、図9に示すように、回転軸
3を挟んで複数のS形形状バッフル28cを回転軸3に
対して点対称に配置することができる。図8および図9
には示されていないが、膜体12の他方の側にも同数の
バッフル28b、28cが同じように配置されており、
バッフル形状が異なる点を除けば、他の構成は基本的に
図2と同様である。また、鉤形形状バッフル28bおよ
びS形形状バッフル28cの両端部は、それぞれ容器2
の面2aと2b(図2参照)を接続する貫通ボルト14
によって支持固定されている。
【0036】さらに、図10(c)に示すように、翼類
似の断面形状のバッフル29を採用することも可能であ
る。このバッフル29によれば、膜体と接触しにくいと
いう利点がある。なお、図2に示す長方形状バッフル1
3や図3に示す長方形状バッフル20の長手方向の断面
は、図2(c)又は図3(c)に示すように、断面寸法
が変化しない。本発明のバッフルは、ここに例示したも
のに限定されるものではない。
【0037】次に、本発明の膜分離装置と従来の膜分離
装置について、透過流束および濃度分極低減効果につい
て調査したので説明する。なお、以下の各実験に用いた
円筒状容器2の内径は350mmであり、特に示したもの
以外の膜体の直径は300mmであり、これらの数値は各
実験において共通である。 (1)操作圧力と透過流束(図11、図13、図15) (a)長方形状バッフルとリング状バッフル 本発明の膜分離装置としては、図2に示すように、膜体
の一方の側および他方の側にそれぞれ長方形状バッフル
を2本有するものを使用し、リング状バッフルを有する
従来の膜分離装置としては、図25に示すものを使用
し、操作圧力と透過流束の関係を調査した結果を図11
に示す。なお、操作圧力とは、被処理液の供給圧力から
遠心力を差し引いた有効圧力をいい、実際に被処理液の
透過に利用された圧力である。
【0038】図11に示すように、膜外周速度が8m/
sec、16m/sec、24m/sec のいずれの速度におい
ても、長方形状バッフルを有する本発明の膜分離装置
(符号△、□、○)は、リング状バッフルを有する従来
の膜分離装置(符号▲、■、●)より透過流束は大き
い。 (b)長方形状バッフルと棒状バッフル 本発明の膜分離装置としては、図3に示すように、膜体
の一方の側および他方の側にそれぞれ長方形状バッフル
を4本有するものを使用し、棒状バッフルを有する膜分
離装置としては、図12に示すように、膜体12の一方
の側に4本の棒状バッフル21を有するものを使用し、
操作圧力と透過流束の関係を調査した結果を図13に示
す。なお、図12には示されていないが、膜体12の他
方の側にも同数の棒状バッフルが同じように配置されて
おり、棒状バッフルの数が異なる点を除けば、他の構成
は基本的に図4と同様であり、棒状バッフル21は、容
器2の両面2aと2bを接続する、図4(c)に示すよ
うな段付き締結具22の凹部23に係合している。
【0039】図13に示すように、膜外周速度が8m/
sec または16m/sec のいずれにおいても、長方形状
バッフルを有する本発明の膜分離装置(符号△、□)
は、棒状バッフルを有する膜分離装置(符号▲、■)よ
り透過流束は格段に大きい。 (c)長方形状バッフルと孔あき板状バッフル 本発明の膜分離装置としては、図3に示すように、膜体
の一方の側および他方の側に長方形状バッフルを4本有
するものを使用し、孔あき板状バッフルを有する膜分離
装置としては、図14に示すように、容器の内壁15か
ら回転軸3の近傍まで孔あき板状バッフル30が設置さ
れたものを使用し、操作圧力と透過流束の関係を調査し
た結果を図15に示す。なお、図14には示されていな
いが、膜体12の他方の側にも同数の孔あき板状バッフ
ルが同じように配置されており、バッフルの形状が異な
る点を除けば、他の構成は基本的に図3と同様である。
【0040】図15に示すように、膜外周速度が8m/
sec 、16m/sec 、24m/secのいずれにおいて
も、長方形状バッフルを有する本発明の膜分離装置(符
号△、□、○)は、孔あき板状バッフルを有する膜分離
装置(符号▲、■、●)より透過流束は格段に大きい。 (2)長方形状バッフルの本数と透過流束 膜体の表面積に対するバッフルの投影面積を50%で一
定とした場合において、膜体の一方の側および他方の側
に、容器の一方の内壁近傍から他方の内壁近傍まで配置
した長方形状バッフルの本数と透過流束の関係を調査し
た結果を図16に示す。
【0041】図16に示すように、膜外周速度が8m/
sec (△)、24m/sec (○)のいずれにおいても、
長方形状バッフルを1本有することにより、長方形状バ
ッフルなしの場合に比べて透過流束は顕著に増加し、長
方形状バッフルの本数が増えるとともに透過流束は大き
くなる。しかし、長方形状バッフルを20本より増やし
ても、透過流束は上昇しない。
【0042】そこで、バッフルの取付の煩雑さを回避
し、しかも、十分な透過流束を得るためには、バッフル
の数は1〜20本とするのが好ましい。 (3)膜体の表面積に対するバッフルの投影面積と透過
流束 図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側に設
ける長方形状バッフルフルの本数をそれぞれ2本とした
場合に、膜体の表面積に対するバッフルの投影面積と透
過流束の関係を調査した結果を図17に示し、図17の
各バッフルの投影面積(%)に対する透過流束(L/m
2/hr) の数値を、膜外周速度が8m/sec の場合は以
下の表1に示し、膜外周速度が24m/sec の場合は以
下の表2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】図17に示すように、膜外周速度が8m/
sec (△)、24m/sec (○)のいずれにおいても、
膜体の表面積に対するバッフルの投影面積が1%でも、
長方形状バッフルなしの場合に比べて透過流束は顕著に
増加し、そのバッフルの投影面積が増えるとともに透過
流束は大きくなる。しかし、バッフルの投影面積が90
%を超えると、透過流束は大きく低下することが分か
る。というのは、バッフルの投影面積が90%を超える
ものは、上記した従来のリング状バッフルと同じよう
に、バッフルが膜体を覆う面積が多くて、被処理液の圧
力損失が大きくなるので透過効率が低下するからであ
る。
【0046】図17において、膜外周速度が24m/se
c の方が8m/sec より透過流束は大きいが、一方、膜
外周速度が大きくなると回転に必要な動力が増加する
(回転に必要な動力は略回転数の3乗に比例して増加す
る)という不都合なことがあるが、8m/sec 程度の膜
外周速度であれば、回転に必要な動力が過大になること
はない。さらに、本発明が対象とする技術分野では、平
均透過流束として、30L/m2/hr 以上が要求される
ことが多いので、経済性と本発明が対象とする技術分野
で必要とされる透過流束の両方の要求を満たすために
は、図17および表1より、膜体の表面積に対するバッ
フルの投影面積は、10〜90%とするのが好ましい。
また、装置内の圧力損失を上昇させずに透過流束のみを
増すためには、膜体の表面積に対するバッフルの投影面
積は26〜70%であるのがさらに好ましい。 (4)膜外周速度と透過流束 図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側に設
ける長方形状バッフルの本数を2本とした場合(膜体の
表面積に対するバッフルの投影面積が50%の場合)
に、膜外周速度と透過流束の関係を調査した結果を図1
8に示す。
【0047】図18において、符号「●」、「△」、
「■」、「◇」は、それぞれ、被処理液の濃度が10
%、20%、30%、50%を示す。図18に示すよう
に、膜外周速度が1m/sec 未満では十分に実用に供し
うる程度の大きさの透過流束を得ることはできない。特
に、30%を超える高濃度では、膜外周速度が低いと透
過流束は極めて低くなる。というのは、高濃度の液の膜
分離を行うためには、高粘性にうち勝つだけの十分な運
動エネルギーが必要であり、運動エネルギーは速度の自
乗に比例するから、1m/sec 未満の膜体回転速度で
は、膜分離に十分なエネルギーを供給できないからであ
る。
【0048】20%以下の低濃度では、膜外周速度が1
5m/sec を超えると、透過流束はほぼ一定であるが、
30%以上の高濃度では、膜外周速度が30m/sec ま
では、透過流束は増加している。しかし、膜外周速度が
30m/sec を超えると、低濃度でも高濃度でも、透過
流束は小さくなる。
【0049】そこで、低濃度から高濃度まで十分な透過
流束を得るためには、膜外周速度は、1〜30m/sec
とするのが好ましい。 (5)膜体の直径と透過流束 図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側に設
ける長方形状バッフルの本数を2本とした場合(膜体の
表面積に対するバッフルの投影面積が50%の場合)
に、膜体の直径と透過流束の関係を調査した結果を図1
9に示す。
【0050】図19において、符号「●」、「▲」、
「■」、「◆」、「▼」は、それぞれ、膜体の回転数が
200rpm、600rpm、1000rpm、140
0rpm、1800rpmを示す。回転数が1800r
pmの超高速では、膜体直径が増加しても、透過流束は
ごく僅かしか増えない。膜分離エネルギーは回転数の自
乗に比例し、回転数の効果が大きく寄与するので、超高
速回転では、膜体直径の大小の差はそれほど問題となら
ないからである。
【0051】一方、回転数が1400rpm以下では、
膜体直径が増加すると、透過流束も大きくなるが、膜体
直径が1100mmを超えると、透過流束はそれ以上増加
しない。また、膜体直径が200mm未満では、回転数が
600rpm未満の低速回転では十分に実用に供しうる
程度の大きさの透過流束を得ることはできない。
【0052】そこで、回転に必要な動力の大幅な増加を
抑え、しかも、低速から高速回転まで十分な透過流束を
得るためには、膜体直径は200〜1100mmとするの
が好ましい。 (6)膜体の回転数と透過流束 図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側に設
ける長方形状バッフルの本数を2本とした場合(膜体の
表面積に対するバッフルの投影面積が50%の場合)
に、膜体の回転数と透過流束の関係を調査した結果を図
20に示す。
【0053】図20において、符号「●」、「▲」、
「■」、「◆」、「▼」は、それぞれ、膜体の直径が1
100mm、750mm、450mm、3000mm、2000
mm を示す。回転数が20rpm未満では、いずれの膜
体直径でも十分に実用に供しうる程度の大きさの透過流
束を得ることはできない。回転数が20rpmより増加
するとともに透過流束は大きくなっているが、1800
rpmでは、いずれの膜体直径でもほぼ同じ透過流束と
なり、回転数を1800rpmより大きくしても透過流
束はそれ以上上昇しない。
【0054】そこで、回転に必要な動力の大幅な増加を
抑え、しかも、膜体直径の大小に関わらず十分な透過流
束を得るためには、膜体の回転数は、20〜1800r
pmとするのが好ましい。 (7)膜体とバッフルの間隔と透過流束 図2に示すように、膜体の一方の側および他方の側に設
ける長方形状バッフルの本数を2本とした場合(膜体の
表面積に対するバッフルの投影面積が50%の場合)
に、膜体とバッフルの間隔と透過流束の関係を調査した
結果を図21に示す。
【0055】図21に示すように、膜体とバッフルの間
隔が2mm未満でも、18mmを超えても、十分に実用に供
しうる程度の大きさの透過流束を得ることはできない。
【0056】そこで、膜体を破損せず、しかも、十分な
透過流束を得るためには、膜体とバッフルの間隔は、2
〜18mmとするのが好ましい。 (8)透過流束の安定性(図22) 本発明の膜分離装置として、図2に示すように、膜体の
一方の側および他方の側にそれぞれ長方形状バッフルを
2本有するものを使用し、運転時間に対する透過流束の
変化を調査した結果を図22に示す。図22に示すよう
に、8時間膜分離を実行しても透過流束(▲)は変化せ
ず、本発明の膜分離装置は透過流束の安定性において優
れていることが分かる。 (9)濃度分極低減効果(図23、24) (a)MgSO4 阻止率 本発明の膜分離装置として、図3に示すように、膜体の
一方の側および他方の側にそれぞれ長方形状バッフルを
4本有するものを使用し、膜外周速度に対する濃度分極
低減効果を調査した結果を図23に示す。なお、MgS
4 阻止率(●)とは、次式で定義されるものをい
う。
【0057】MgSO4 阻止率=〔1−(透過液濃
度)/(原液MgSO4 濃度)〕×100(%) すなわち、MgSO4 阻止率の数値が大きいほど、濃
度分極低減効果が優れていることを示し、本発明の膜分
離装置は、十分に実用に供する程度の高いMgSO4
阻止率を有している。 (b)NaCl阻止率 本発明の膜分離装置として、図3に示すように、膜体の
一方の側および他方の側にそれぞれ長方形状バッフルを
4本有するものを使用し、膜外周速度に対する濃度分極
低減効果を調査した結果を図24に示す。なお、NaC
l阻止率(●)とは、次式で定義されるものをいう。
【0058】NaCl阻止率=〔1−(透過液濃度)/
(原液NaCl濃度)〕×100(%) すなわち、NaCl阻止率の数値が大きいほど、濃度分
極低減効果が優れていることを示し、本発明の膜分離装
置は、十分に実用に供する程度の高いNaCl 阻止率を
有している。
【0059】なお、容器2は円筒状以外の形状、例え
ば、四角形以上の多角形または上蓋の無い槽形を採用す
ることも可能である。
【0060】本実施例においては、装置を横にして用い
る例を挙げているが、これに限られるものではなく、装
置を縦にして用いることもできる。
【0061】
【発明の効果】本発明の回転型膜分離装置は上記のとお
り構成されているので、次の効果を奏する。 (1)請求項1記載の回転型膜分離装置によれば、バッ
フルは膜体間を完全に仕切る構造ではないため、バッフ
ルによる被処理液の圧力損失が少なく、優れた膜分離性
能を有している。また、膜体表面積に対するバッフルの
投影面積が適正な範囲であるから、透過流束が極めて大
きくなる。
【0062】また、膜体とバッフルを交互に組み上げる
必要はなく、回転軸と膜体を組み上げた後に、積層した
膜体の横方向からバッフルを挿入できるので、取り付け
の手間がかからない。
【0063】さらに、バッフル形状がシンプルであるか
ら、加工が簡単で低コストである。
【0064】そして、被処理液の性状に応じて、バッフ
ルの幅や厚みや本数を任意に変更することができるの
で、対象とする被処理液の種類が限定されず、応用性に
優れている。 (2)特に、請求項2、5、6記載の回転型膜分離装置
は、長方形状バッフル、鉤形形状バッフルまたはS形形
状バッフルの両端部を支持固定するので、バッフルの剛
性が増し、バッフルの厚みを薄くできるので、膜体の装
着枚数を多くすることが可能で、膜分離後の濃縮液の濃
度を増すことができる。 (3)特に、請求項3、4記載の回転型膜分離装置は、
膜面に発生する乱流を大きくし、膜分離性能を向上させ
ることができるという利点がある。また、膜体間の流体
の入れ替えを促進するという利点もある。 (4)特に、請求項7記載の回転型膜分離装置は、バッ
フルの取付が容易であるという利点がある。 (5)特に、請求項11、13記載の回転型膜分離装置
によれば、バッフルがたわみにくくて膜体が破損しにく
いという利点がある。 (6)特に、請求項8、10、12、14記載の回転型
膜分離装置によれば、膜分離効率が極めて優れていると
いう効果がある。 (7)特に、請求項9記載の回転型膜分離装置は、装置
の大きさが適正であって、製造コストおよびランニング
コストを低く抑えることができるという利点がある。 (8)特に、請求項15記載の回転型膜分離装置は、装
置がコンパクトになるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転型膜分離装置の一実施例の斜視図
である。
【図2】図2(a)は、本発明の回転型膜分離装置の長
方形状バッフルと膜体と容器とを示す一実施例の断面
図、図2(b)はその長方形状バッフルを用いた回転型
膜分離装置の断面を含む側面図であり、回転手段は省略
しており、図2(c)は図2(a)のII−II矢視断面図
である。
【図3】図3(a)は、本発明の回転型膜分離装置の長
方形状バッフルと膜体と容器とを示す別の実施例の断面
図、図3(b)はその長方形状バッフルを用いた回転型
膜分離装置の断面を含む側面図であり、回転手段は省略
しており、図3(c)は図3(a)のIII−III矢視断面
図である。
【図4】図4(a)は、膜体の両側に膜体との間に間隙
を設けて、それぞれ8本の棒状バッフルを回転軸を挟ん
で容器の一方の内壁近傍から他方の内壁近傍まで互いに
平行に配置した回転型膜分離装置の棒状バッフルと膜体
と容器とを示す一例の断面図、図4(b)はその棒状バ
ッフルを用いた回転型膜分離装置の断面を含む側面図で
あり、回転手段は省略しており、図4(c)は棒状バッ
フルの締結方法を示す図である。
【図5】図5(a)は本発明の回転型膜分離装置の一実
施例において、膜体が回転軸に装着される箇所を拡大し
て示す断面図であり、図5(b)はその別の実施例の膜
体が回転軸に装着される箇所を拡大して示す断面図であ
る。
【図6】図6(a)は本発明の回転型膜分離装置の一実
施例において、容器内壁近傍の膜体と長方形状バッフル
を拡大して示す断面図であり、図6(b)は、透過性膜
内の透過液体移送経路を拡大して示す図である。
【図7】本発明の回転型膜分離装置における被処理液の
フローを示す図である。
【図8】本発明の回転型膜分離装置の鉤形形状のバッフ
ルと膜体と容器とを示す一実施例の断面図である。
【図9】本発明の回転型膜分離装置のS形形状のバッフ
ルと膜体と容器とを示す一実施例の断面図である。
【図10】図10(a)は、本発明の回転型膜分離装置
の翼形状バッフルと膜体と容器とを示す一実施例の断面
図、図10(b)はその翼形状バッフルを用いた回転型
膜分離装置の断面を含む側面図であり、回転手段は省略
しており、図10(c)は図10(a)のX−X矢視断
面において、バッフル29及びその近傍を拡大して示す
図である。
【図11】操作圧力と透過流束の関係を示す図である。
【図12】回転型膜分離装置の棒状バッフルと膜体と容
器とを示す一例の断面図である。
【図13】操作圧力と透過流束の関係を示す別の図であ
る。
【図14】回転型膜分離装置の孔あき板状バッフルと膜
体と容器とを示す一例の断面図である。
【図15】操作圧力と透過流束の関係を示すさらに別の
図である。
【図16】長方形状バッフルの本数と透過流束の関係を
示す図である。
【図17】膜体の表面積に対するバッフルの投影面積と
透過流束の関係を示す図である。
【図18】膜外周速度と透過流束の関係を示す図であ
る。
【図19】膜体の直径と透過流束の関係を示す図であ
る。
【図20】膜体の回転数と透過流束の関係を示す図であ
る。
【図21】膜体とバッフルの間隔と透過流束の関係を示
す図である。
【図22】本発明の回転型膜分離装置の透過流束の時間
変化を示す図である。
【図23】本発明の回転型膜分離装置の濃度分極低減効
果を示す図である。
【図24】本発明の回転型膜分離装置の濃度分極低減効
果を示す別の図である。
【図25】図25(a)は、従来の回転型膜分離装置の
リング状バッフルと膜体と容器とを示す断面図、図25
(b)はそのリング状バッフルを用いた回転型膜分離装
置の断面を含む側面図であり、回転手段は省略してい
る。
【図26】図26(a)は、従来の回転型膜分離装置の
孔あきリング状バッフルと膜体と容器とを示す断面図、
図26(b)はその孔あきリング状バッフルを用いた回
転型膜分離装置の断面を含む側面図であり、回転手段は
省略している。
【符号の説明】
1…供給入口 2…容器 3…回転軸 4、5、6…出口 7…モータ 11…透過性膜 12…膜体 13、20…長方形状バッフル 15…容器内壁 16…液体流路 17…小孔 21…棒状バッフル 26…膜孔 27…透過液体移送経路 28b…鉤形形状バッフル 28c…S形形状バッフル 29…翼形状バッフル 30…孔あき板状バッフル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杭出 義也 兵庫県神戸市須磨区南落合1丁目13番8号 281号室 (72)発明者 原田 竜 兵庫県神戸市垂水区塩屋町6−10−4 Fターム(参考) 4D006 GA02 HA83 HA93 JA02A JA02B JA04A JA04B JA19A JA29A JA29B JA29C JA33A KA41 KA45 KE26Q MA03 MB02 MC02 MC03 MC63 PA01 PA04 PB12 PB15 PB25 PB26 PC11 PC62

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理液の供給入口を有する容器を貫通
    するように回転軸を配した回転型膜分離装置において、
    上記容器内にあって透過された液体を移送することの可
    能な構造を有する膜体を上記回転軸に装着し、上記膜体
    に接続されて透過液体を排出する出口を有し、上記膜体
    の両側に膜体との間に間隙を設けて膜体の表面積に対す
    る投影面積が10〜90%である複数の長方形状バッフ
    ルを配し、被処理液の供給入口に接続された液体流路が
    容器内壁面に設けられており、回転軸を挟んで複数の長
    方形状バッフルを容器の一方の内壁近傍から他方の内壁
    近傍まで互いに平行に配置した回転型膜分離装置。
  2. 【請求項2】 長方形状バッフルの両端部を容器壁より
    独立した支持体で支持固定してなる請求項1記載の回転
    型膜分離装置。
  3. 【請求項3】 被処理液の供給入口を有する容器を貫通
    するように回転軸を配した回転型膜分離装置において、
    上記容器内にあって透過された液体を移送することの可
    能な構造を有する膜体を上記回転軸に装着し、上記膜体
    に接続されて透過液体を排出する出口を有し、上記膜体
    の両側に膜体との間に間隙を設けて鉤形形状バッフルを
    配し、被処理液の供給入口に接続された液体流路が容器
    内壁面に設けられており、回転軸を挟んで複数の鉤形形
    状バッフルを膜体直径に対して線対称に配置するか又は
    回転軸に対して点対称に配置した回転型膜分離装置。
  4. 【請求項4】 被処理液の供給入口を有する容器を貫通
    するように回転軸を配した回転型膜分離装置において、
    上記容器内にあって透過された液体を移送することの可
    能な構造を有する膜体を上記回転軸に装着し、上記膜体
    に接続されて透過液体を排出する出口を有し、上記膜体
    の両側に膜体との間に間隙を設けてS形形状バッフルを
    配し、被処理液の供給入口に接続された液体流路が容器
    内壁面に設けられており、回転軸を挟んで複数のS形形
    状バッフルを回転軸に対して点対称に配置した回転型膜
    分離装置。
  5. 【請求項5】 鉤形形状バッフルの両端部を容器壁より
    独立した支持体で支持固定してなる請求項3記載の回転
    型膜分離装置。
  6. 【請求項6】 S形形状バッフルの両端部を容器壁より
    独立した支持体で支持固定してなる請求項4記載の回転
    型膜分離装置。
  7. 【請求項7】 膜体の一方の側に設けるバッフルの数
    が、20本以下である請求項1、2、3、4、5または
    6記載の回転型膜分離装置。
  8. 【請求項8】 膜体の回転速度は外周において、1〜3
    0m/sec である請求項1、2、3、4、5、6または
    7記載の回転型膜分離装置。
  9. 【請求項9】 膜体の直径が、200〜1100mmであ
    る請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の回
    転型膜分離装置。
  10. 【請求項10】 膜体の回転数は、20〜1800rp
    mである請求項1、2、3、4、5、6、7、8または
    9記載の回転型膜分離装置。
  11. 【請求項11】 バッフルの厚さが、1〜20mmである
    請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10
    記載の回転型膜分離装置。
  12. 【請求項12】 バッフルの幅は、膜体直径の0.1〜
    40%である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
    9、10または11記載の回転型膜分離装置。
  13. 【請求項13】 膜体とバッフルの間隙は、2〜18mm
    である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
    0、11または12記載の回転型膜分離装置。
  14. 【請求項14】 膜体直径に対する容器内径の比率が,
    1.003〜3.000である請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8、9、10、11、12または13記載
    の回転型膜分離装置。
  15. 【請求項15】 回転軸が中空であって且つ該軸に小孔
    を設け、膜体は透過液体を移送可能な経路を有する透過
    性膜を板の両面に取り付けた構造であって、上記透過性
    膜の透過液体移送経路を回転軸に設けた小孔に通じるよ
    うに構成した請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
    9、10、11、12、13または14記載の回転型膜
    分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015066495A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 三菱化工機株式会社 ディスク回転式膜ろ過装置を使用したろ過方法

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