JP3801361B2 - 頸動脈波検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、頸動脈から発生する脈波を検出する頸動脈波検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
診断を目的とする頸動脈波形の検出や、脈波伝播速度の基準点とする頸動脈波の検出などのために、手で保持し或いは所定のバネ式ホルダで保持した圧力検出素子を頸動脈に対して所定の押圧力で押圧することにより、その頸動脈から発生する脈波を検出する頸動脈波検出装置が種々提案されている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
ところで、生体の頸は複雑な凹凸形状であり、且つその凹凸形状は変化し易い。そして、頸動脈はその頸部の表皮下に存在することから、上記手で保持し或いは所定のバネ式ホルダで保持した圧力検出素子を頸動脈に対して所定の押圧力で押圧する形式の頸動脈波検出装置では、上記圧力検出素子の押圧位置を頸動脈の上部に正確に決定することが困難であるばかりでなく、正確に位置決めされた場合でも比較的長時間にわたって安定して正確な押圧状態を維持することが困難であった。
【0004】
これに対し、本出願人が先に出願した特願平8−306172号記載の頸動脈波検出装置は、図7の頸動脈波を検出する脈波検出プローブ130に示されるように、並列させられた複数個の押圧方向移動部材132の間に、押圧方向に直交する横方向の移動可能に設けられた横方向移動部材134が介挿され、横方向移動部材134の一対の側面136が押圧方向移動部材132の側面138に摺接させられているので、頸動脈波検出装置が頸部に装着されて脈波検出プローブ130が頸部表面に押圧されると、複数の押圧方向移動部材132は、その押圧面140における圧力が等しくなるようにその押圧方向の移動位置が決定される。これにより、頸動脈は、それと交差する方向に配列された複数の押圧方向移動部材132の押圧面により押圧されることになるので、頸部の表面の凹凸形状が複雑であって変化し易いものであるにもかかわらず、頸動脈に対する押圧方向移動部材132の押圧条件が好適に安定する。
【0005】
しかしながら、上記公報記載の頸動脈波検出装置は、頸動脈の脈動による押圧面の圧力の変化によっても、押圧方向移動部材がその押圧方向に移動してしまうため、頸動脈の脈圧が正確に検出できない場合や、検出された頸動脈波の立ち上がりがなまって実際の頸動脈波の立ち上がりよりも遅れてしまう場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、頸動脈波を安定して検出することができる頸動脈波検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、生体の頸動脈に押圧されて該頸動脈から脈波を検出する頸動脈波検出装置であって、(a) 開口部が長穴状に開口する収容穴を備えたハウジングと、(b) 該ハウジングの収容穴に固定された状態で、前記生体の頸動脈を押圧する固定センサと、(c) 前記頸動脈の径よりも大きい間隔で該固定センサの両側に位置するように前記ハウジングの収容穴に収容されるとともに、該固定センサの押圧方向に付勢されることにより、該固定センサの押圧方向に移動可能とされた少なくとも2つの可動センサと、(d) 前記生体の頸を把持するために全体として一平面内で湾曲させられるとともに弾性復帰力により縮径方向に付勢され、前記ハウジングの収容穴の長穴状の開口部が前記頸動脈を横断する方向となるように、そのハウジングが一端部に装着された把持装置と、(e) 前記固定センサにより検出される脈波の振動成分と、前記少なくとも2つの可動センサにより検出される脈波の振動成分とを比較する比較装置とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】
このようにすれば、頸動脈波検出装置が生体の頸に装着されると、ハウジングに固定された固定センサが把持装置の縮径方向への弾性復帰力により生体の頸を押圧し、さらにその固定センサの両側に位置する少なくとも2つの可動センサは固定センサの押圧方向に付勢されていることから、その少なくとも2つの可動センサも生体の頸を押圧するので、押圧状態が安定する。また、頸動脈波検出装置の装着位置は、比較装置において、固定センサにより検出される脈波の振動成分と、可動センサにより検出される脈波の振動成分とが比較されるので、固定センサにより検出される脈波の振動成分が可動センサにより検出される脈波の振動成分よりも大きくなる位置に頸動脈波検出装置の装着位置が決定できる。すなわち、固定センサを正確に頸動脈の上部に位置させることができる。
【0009】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記頸動脈波検出装置は、前記ハウジングが前記把持装置の一端部に対して、前記一平面内において前記把持装置の内側に位置し且つ該一平面に垂直な揺動中心軸まわりの揺動が可能に、そのハウジングとその把持装置の一端部とを連結する揺動連結装置と、そのハウジングと揺動連結装置との間の摺動抵抗により、一定力以下でのハウジングの前記把持装置に対する揺動を阻止する揺動阻止装置とを、さらに含むものである。このようにすれば、揺動連結装置により、ハウジングと把持装置の一端部とが揺動可能に連結されているので、頸部の表面の凹凸形状が複雑であっても、ハウジングを揺動させることにより、ハウジングに収容された固定センサを頸部の表面の形状に適合した位置に決定することができ、ハウジングの位置が決定されて頸動脈波が検出されている状態では、揺動阻止装置により、ハウジングの把持装置に対する一定力以下での揺動が阻止される。すなわち、頸動脈の脈圧程度でのハウジングの把持装置に対する揺動が阻止されるので、検出される頸動脈波の立ち上がりがなまることを防止できる。
【0010】
また、好適には、前記把持装置は、前記ハウジングを支持する支持部材と、その支持部材に連結されて前記生体の頸の外周面のうち前記ハウジングに収容された固定センサによる押圧部位と反対側の部位に接触させられる接触部材とを有し、その把持装置の支持部材と接触部材とは、それらの基端部が前記一平面に直交する一軸まわりに相互に回動可能に連結され、且つその一軸まわりにその支持部材と接触部材とが相互に接近する方向へ回動するように付勢するスプリングが設けられたものである。このようにすれば、生体の頸径の変化範囲が広くても把持装置が適切に生体の頸を挟持できる利点がある。
【0011】
また、好適には、前記把持装置には、前記支持部材および接触部材の基端部に、その支持部材および接触部材の外側且つ前記一平面内において突設された一対の把手が備えられている。このようにすれば、片手で一対の把手を握って、その一対の把手を相互に接近する方向に移動させることにより、把持装置の支持部材と接触部材とを前記一軸まわりに相互に離隔する方向へ回動させることができるので、片手で前記頸動脈波検出装置を生体の頸に装着することができる。
【0012】
また、好適には、前記把持装置には、前記支持部材と前記接触部材との相互の回動を手動操作に基づいて選択的に禁止する回動禁止装置を備えたものである。このようにすれば、把持装置により前記生体の頸が把持された状態で、回動禁止装置により、支持部材と接触部材との相互の回動を禁止できることから、頸動脈の脈動によって支持部材と接触部材とが相互に離隔する方向に回動させられることがなくなるので、正確に頸動脈波が検出できる利点がある。
【0013】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、生体の頸動脈に押圧されてその頸動脈から脈波を検出する頸動脈波検出装置10の外観構成を説明する図である。
【0014】
図1において、頸動脈波検出装置10は、生体の首を把持するために全体として一平面内で湾曲させられるとともに弾性復帰力により縮径方向に付勢された把持装置12と、その一端部に装着された頸動脈波センサ14と、その頸動脈波センサ14が把持装置12の一端部に対して、上記一平面内において把持装置12の内側に位置し且つ上記一平面に垂直な揺動中心軸Cまわりの揺動が可能に、それら把持装置12および頸動脈波センサ14を揺動可能に相互に連結する揺動連結装置16とを備えている。
【0015】
上記把持装置12は、合成樹脂製の比較的剛性が高く湾曲した形状を備えて頸動脈波センサ14を支持する支持部材20と、合成樹脂から湾曲して形成されることにより弾性変形可能な接触部材22と、一端部が接触部材22の基端部に固設され、他端部が支持部20の基端部と回動可能に連結されることにより、支持部材20と接触部材22とを回動可能に連結する比較的剛性の高い連結部材24とを備えている。
【0016】
前記支持部材20は、頸動脈波センサ14を支持するためのものであって、図1のA−A線断面図である図2に示されるように、上記一平面に平行な面により分割された表側部材26と裏側部材28とが互いに組み合わせられ、且つ固定されることにより構成されている。なお、頸動脈波センサ14のハウジング29も、上記一平面に平行な面により分割された表側部材30と裏側部材31とが互いに組み合わせられ、且つ図1に示されるように、2つのねじ32により、その表側部材30と裏側部材31が固定されて構成されている。
【0017】
図1に示されるように、支持部材20の先端部には、その幅方向に所定の間隔を隔て且つ円弧状の案内穴33をそれぞれ備えた一対の支持ブラケット34が内周側に突き出すように設けられており、頸動脈波センサ14のハウジング29の側面にそれぞれ突設された一対の係合突起35が、その案内穴33に収容されてその内壁面に係合されるようになっているので、頸動脈波センサ14の支持部材20からの脱落が防止されるようになっている。また、上記案内穴33は揺動中心軸Cを中心とする円弧に沿って形成されるので、その案内穴33によって上記係合突起35が案内されることにより、頸動脈波センサ14は支持部材20の一端部に対して揺動中心軸Cまわりに揺動可能に連結されている。従って、上記案内穴33が形成された支持ブラケット34および係合突起35が、前記揺動連結装置16を構成している。
【0018】
また、上記連結部材24および支持部材20の基端部には、前記一平面内において、把持装置12の外側方向へ一対の把手36が固設され、片手でその一対の把手36を握ることができるようにされている。すなわち、片手でその一対の把手36を握ることにより、把持装置12を拡径させることができる。
【0019】
さらに、前記連結部材24には、回動禁止装置38が備えられて、手動操作に基づいて選択的に支持部材20と接触部材22との相互の回動を禁止する。すなわち、回動禁止装置38は、前記支持部材20に対して接近離隔方向に、前記連結部材24に設けられた案内溝40と、その案内溝40と係合する図示しない係合突起を備え且つ支持部材20の基端面42と同一の形状の当接面を有する当接部材44と、一端部が前記連結部材24に回動可能に固設された長手状の第1板状部材46と、上記第1板状部材46の他端部に一端部が回動可能に連結され、他端部が当接部材44に対して略垂直に固設された長手状の第2板状部材48とを備え、上記第1板状部材46と第2板状部材48との連結部を径方向内側に移動させると、上記当接部材44が上記案内溝40に沿って支持部材20に接近する方向に移動し、その当接部材44の当接面が支持部材20の基端面42に当接させられて、その当接部材44の当接面と支持部材20の基端面42との間の摩擦により、支持部材20と接触部材22との間の相互の回動が禁止される。
【0020】
ここで、本実施例の接触部材22は、その幅寸法は程一定であるが、径方向の厚み寸法が基端部から先端部へ向かうほど小さく形成されているので、同じ厚み寸法のものに比較して、頸の径が変化したとき、たとえばその頭の径が拡大して長手方向においてその曲率が同様の円弧とされたとき、その内周面のうちの略全域が頸の表面に接触してその接触面積が充分に得られるとともに、それに対する面圧が比較的均等に分布される。
【0021】
図3は、前記頸動脈波検出装置10の構成を詳しく説明するために、前記支持部材20の表側部材26および頸動脈波センサ14のハウジング29の表側部材30を取り外した状態で、前記頸動脈波検出装置10の一部を切り欠いて示す図である。
【0022】
前記頸動脈波センサ14において、ハウジング29の裏側部材31および図3には図示しない表側部材30は、偏平な略楕円形であり、裏側部材31の円柱突起50に設けられたねじ孔52に、前記ねじ32が表側部材30を介して螺合することにより、表側部材30と裏側部材31とが互いに組み合わせられ、長穴状に開口する収容穴54を備えたハウジング29が形成される。
【0023】
その収容穴54には、固定センサ56と、2つの可動センサ58a、58b(以下、特に区別しないときは単に可動センサ58とする。)が並列に収容されている。上記固定センサ56は、図2にも示されているように、ハウジング29に固定軸として機能するピン60により固定され、2つの可動センサ58は、その固定センサ56の両側に位置している。可動センサ58は、上記固定センサ56側とは反対側の側面62から突設された一対の突条64が、ハウジング29に設けられた略径方向の案内溝66と係合することにより、その案内溝66に沿って移動可能にハウジング29に保持されている。
【0024】
前記揺動中心軸Cは、装着時において頸動脈の中心に略位置するように、上記固定センサ56の中心線上であってその押圧面68の中心近傍に略位置させられている。固定センサ56には、頸動脈に向かって押圧される上記押圧面68と、その押圧面68からの圧力を検出する圧力検出素子70と、その押圧面68から離れるほど相互の距離が小さくなる一対の側面72とを備えており、押圧面68側の端部がハウジング29から露出した状態で上記収容穴54に収容されている。また、可動センサ58にも、上記固定センサ56と同様に押圧面68および圧力検出素子70が備えられており、前記案内溝66と係合する突条64が設けられている側の側面62とは反対側の側面74は、押圧面68から離れるほど反対側の側面62との距離が小さくなるように構成されている。
【0025】
上記固定センサ56と可動センサ58との間には、上記収容穴54の内側へ向かうほど相互の間隔が大きくなる一対の側面76が形成された介挿部材78が介挿され、その介挿部材78の側面76が可動センサ58の固定センサ56側の側面74と摺接させられている。上記介挿部材78の底部には、円柱状の穴80が設けられ、その穴80にスプリング82の一端が挿入され、スプリング82の他端は、ハウジング29の収容穴54とは反対側の壁に備えられた円柱突起84と嵌合しているので、前記可動センサ58は、押圧方向に付勢されている。
【0026】
リード線86は、一端が固定センサ56または可動センサ58に備えられた前記圧力検出素子70に接続され、他端がフレキシブルケーブル88の一端に接続されている。そして、フレキシブルケーブル88の他端は、支持部材20の内部において、コード90に収容されたリード線92に接続されているので、前記圧力検出素子70により検出された脈波信号は、リード線74、フレキシブルケーブル88およびリード線92をを介して、後述の測定回路110に供給される。
【0027】
また、ハウジング29の裏側部材31の前記支持部材20と接触する側の外縁には、2つの車軸94が設けられ、その車軸94に車輪96が嵌め入れられることにより、頸動脈波センサ14と支持部材20との間に隙間が形成されて、頸動脈波センサ14と支持部材20との押圧方向の摩擦抵抗が小さくされている。
【0028】
上記支持部材20の基端部と前記連結部材24の一端部とは、その連結部材24の一端部に設けられた穴部96内に裏側部材28の基端部に設けられた円柱状突起98が嵌め入れられることにより、その円柱状突起98のまわりに回動可能に相互に連結されている。
【0029】
また、穴部96と円柱状突起98との間の空間に設けられる巻きばね100により、上記支持部材20および連結部材24は相互に接近する方向、それらが閉じる方向、或いは支持部材20および接触部材22の相互の湾曲形状が形成する円の縮径方向に付勢されている。
【0030】
また、上記接触部材22の基端部は、2つのねじ102によって、連結部材24に固設され、前記一対の把手36も、ねじ104により支持部材20および連結部材24にそれぞれ固設されている。
【0031】
前記頸動脈波センサ14のハウジング29には、図4の頸動脈波センサ14の外観を示す平面図にも示されるように、ハウジング29の側面、すなわち、前記支持ブラケット34と対向する面に、少なくとも一つ(本実施例では一つ)の揺動阻止装置105が設けられている。この揺動阻止装置105は、検出される頸動脈波の立ち上がりがなまること、すなわち、脈波の立ち上がりが鈍くなることを防止するため、頸動脈波センサ14の支持ブラケット34に対する摺動抵抗を増加させて、一定力以下での頸動脈波センサ14の支持部材20に対する揺動を阻止するものであり、長手状の板ばね106と、その板ばね106の先端部に設けられた半球状の突起108とを備えている。上記板ばね106は、前記頸動脈波センサ14が支持部材20に支持されていない状態では、板ばね106の先端部からハウジング29の側面までの距離が、前記頸動脈波センサ14が支持部材20に支持された時の、ハウジング29の側面と支持ブラケット34の内壁面との距離よりも大きくなるように構成されている。そのため、頸動脈波センサ14が支持部材20に支持されると、上記突起108が支持ブラケット34の内壁面を押圧して、頸動脈波センサ14の支持ブラケット34に対する摺動抵抗を増加させて、一定力以下での頸動脈波センサ14の支持部材20に対する揺動を阻止する。なお、この揺動阻止装置105による摺動抵抗は、把持装置12の縮径力、すなわち、頸動脈波センサ14の押圧力にほとんど影響されないことから、患者の頸の径に係わらず一定の摺動抵抗とすることができる。
【0032】
図5は、上記測定回路110の電気的構成の要部を説明するブロック線図である。図において、固定センサ56から出力された脈波信号SM1、および2つの可動センサ58から出力された脈波信号SMa、SMbは、A/D変換器112を介して、演算制御回路114へ供給される。演算制御回路114は、CPU116、ROM118、RAM120、出力インターフェース122などを備える所謂マイクロコンピュータであって、CPU116は、RAM120の記憶機能を利用しつつROM118に予め記憶されたプログラムに従って脈波信号SM1の振動成分AC1、および脈波信号SMa、SMbの振動成分ACa、ACbの大きさを比較し、表示器124のその結果を表示させるための発光信号SEを出力する。これにより、上記演算制御回路114は、比較装置として機能している。
【0033】
表示器124には、固定センサ56および可動センサ58の数に対応する3つの発光素子126が備えられており、上記演算制御回路114から出力される発光信号SEに従って、表示器124の発光素子126の一つが発光する。すなわち、演算制御回路114において、脈波信号SM1の振動成分AC1が最も大きいと判断された場合は、中央の発光素子126が発光させられ、脈波信号SMaの振動成分ACaが最も大きいと判断された場合は、左端の発光素子126が発光させられ、脈波信号SMbの振動成分ACbが最も大きいと判断された場合は、右端の発光素子126が発光させられる。これにより、頸動脈波検出装置10を操作する者は、中央の発光素子126が発光するようにその装着位置を調整することにより、固定センサ56が頸動脈の上部に来るように頸動脈波検出装置10を装着することができる。
【0034】
図6は、上記演算制御回路114の制御作動の一例であって、その要部を説明するフローチャートである。図6において、ステップ(以下、ステップを省略する。)S1では、固定センサ56から出力される脈波信号SM1、可動センサ58から出力される脈波信号SMa、SMbが読み込まれる。次いで、S2では、S1で読み込まれた脈波信号SM1、SMa、SMbのそれぞれの振動成分AC1、ACa、ACbが算出される。
【0035】
続くS3では、上記S2において算出された振動成分AC1、ACa、ACbの大きさが比較されて、最も大きい振動成分が決定され、次いでS4において、上記S3において決定された内容に基づいて、表示器124の所定の発光素子126を発光させる発光信号SEが出力される。
【0036】
上述のように、本実施例によれば、頸動脈波検出装置10が生体の頸に装着されると、ハウジング29に固定された固定センサ56が把持装置12の縮径方向への弾性復帰力により生体の頸を押圧し、さらにその固定センサ56の両側に位置する2つの可動センサ58は固定センサ56の押圧方向に付勢されていることから、その2つの可動センサ58も生体の頸を押圧するので、押圧状態が安定する。また、頸動脈波検出装置10の装着位置は、演算制御回路114において、固定センサ56により検出される脈波の振動成分AC1と、可動センサ58により検出される脈波の振動成分ACa、ACbとが比較されるので、固定センサ56により検出される脈波の振動成分AC1が可動センサ58により検出される脈波の振動成分ACa、ACbよりも大きくなる位置に頸動脈波検出装置10の装着位置が決定できる。すなわち、固定センサ56を正確に頸動脈の上部に位置させることができる。
【0037】
また、本実施例によれば、揺動連結装置16により、ハウジング29と把持装置12の一端部とが揺動可能に連結されているので、頸部の表面の凹凸形状が複雑であっても、ハウジング29を揺動させることにより、ハウジング29に収容された固定センサ56を頸部の表面の形状に適合した位置に決定することができ、ハウジング29の位置が決定されて頸動脈波が検出されている状態では、揺動阻止装置105により、ハウジング29の把持装置12に対する一定力以下での揺動が阻止される。すなわち、頸動脈の脈圧程度でのハウジング29の把持装置12に対する揺動が阻止されるので、検出される頸動脈波の立ち上がりがなまることを防止できる。
【0038】
また、本実施例によれば、把持装置12において、支持部材20と接触部材22とは、連結部材24により、それらの基端部が前記一平面に直交する一軸まわりに相互に回動可能に連結され、且つその一軸まわりにその支持部材20と接触部材22とが相互に接近する方向へ回動するように付勢する巻きばね100が設けられたものであるので、生体の頸径の変化範囲が広くても把持装置12が適切に生体の頸を挟持できる利点がある。
【0039】
また、本実施例によれば、把持装置12には、支持部材20および接触部材22の基端部に、その支持部材20および接触部材22の外側且つ前記一平面内において突設された一対の把手36が備えられ、片手で一対の把手36を握って、その一対の把手36を相互に接近する方向に移動させることにより、把持装置12の支持部材20と接触部材22とを前記一軸まわりに相互に離隔する方向へ回動させることができるので、片手で前記頸動脈波検出装置10を生体の頸に装着することができる。
【0040】
また、本実施例によれば、把持装置12により前記生体の頸が把持された状態で、回動禁止装置38により、支持部材20と接触部材22との相互の回動を禁止できることから、頸動脈の脈動によって支持部材20と接触部材22とが相互に離隔する方向に回動させられることがなくなるので、正確に頸動脈波が検出できる利点がある。
【0041】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0042】
たとえば、前述の実施例では、2つの可動センサ58が、固定センサ56の両側に一つずつ位置するように備えられていたが、3つ以上の可動センサ58が備えられてもよい。
【0043】
また、前述の実施例では、ハウジング29に一つの揺動阻止装置105が備えられていたが、2つ以上の揺動阻止装置105が備えられることにより、頸動脈波センサ14が支持部材20に対して揺動する際に必要とされる力が調整されてもよい。或いは、ハウジング29と一対の支持ブラケット34との接触抵抗により、ハウジング29の支持部材20に対する揺動が阻止されるものであってもよい。すなわち、ハウジング29の肉厚、または、一対の支持ブラケット34の肉厚を調整して、ハウジング29と支持ブラケット34とが接するようにすることにより揺動阻止装置が構成されてもよい。
【0044】
また、前述の実施例の揺動連結装置16は、一平面内で湾曲させられた把持装置12のその一平面内においてその把持装置12の内側に位置し且つ上記一平面に垂直な揺動中心軸Cまわりの揺動が可能に、ハウジング56と把持装置12の一端部とを連結するものであったが、揺動中心軸Cは必ずしも把持装置12の内側に位置するものでなくてもよい。
【0045】
また、前述の実施例では、介挿部材78の側面76と可動センサ58の側面74が摺接させられ、且つ介挿部材78がスプリング82により付勢されていることから、可動センサ58が押圧方向に付勢されていたが、可動センサ58自体が、スプリング82により付勢されてもよい。たとえば、介挿部材78と可動センサ58とを一体とした略直方体形状に可動センサが構成され、その略直方体形状の可動センサがスプリング82により付勢されてもよい。
【0046】
その他、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である頸動脈波検出装置の構成を説明する正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1の実施例の頸動脈波検出装置から、支持部材およびハウジングの表側部材を除去し、一部を切り欠いた図である。
【図4】図1の実施例の頸動脈波センサの平面図である。
【図5】図1の実施例の頸動脈波検出装置の電気的構成を説明するブロック図である。
【図6】図1の実施例において、頸動脈波検出装置の演算制御回路の制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【図7】従来の頸動脈波検出装置に備えられる脈波検出プローブの構成を説明する図である。
【符号の説明】
10:頸動脈波検出装置
12:把持装置
16:揺動連結装置
20:支持部材
22:接触部材
29:ハウジング
36:把手
38:回動禁止装置
56:固定センサ
58:可動センサ
60:ピン(固定軸)
105:揺動阻止装置
114:演算制御回路(比較装置)
Claims (1)
- 生体の頸動脈に押圧されて該頸動脈から脈波を検出する頸動脈波検出装置であって、
開口部が長穴状に開口する収容穴を備えたハウジングと、
該ハウジングの収容穴に固定された状態で、前記生体の頸動脈を押圧する固定センサと、
前記頸動脈の径よりも大きい間隔で該固定センサの両側に位置するように前記ハウジングの収容穴に収容されるとともに、該固定センサの押圧方向に付勢されることにより、該固定センサの押圧方向に移動可能とされた少なくとも2つの可動センサと、
前記生体の頸を把持するために全体として一平面内で湾曲させられるとともに弾性復帰力により縮径方向に付勢され、前記ハウジングの収容穴の長穴状の開口部が前記頸動脈を横断する方向となるように、該ハウジングが一端部に装着された把持装置と、
前記固定センサにより検出される脈波の振動成分と、前記少なくとも2つの可動センサにより検出される脈波の振動成分とを比較する比較装置と
を、含むことを特徴とする頸動脈波検出装置。
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