JP3799469B2 - 差圧保持ダンパ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は差圧保持ダンパに係り、特に有害ガスや細菌等を扱うために常に室内を負圧にする必要がある施設や、半導体工場や食品工場などのように周囲の汚染空気の流入を防ぐために常に室内を正圧にする必要がある施設に設置される差圧保持ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
差圧保持ダンパは、たとえばスウィング型の場合、ヒンジによって揺動自在に支持された可動板を揺動(開閉)させることにより、圧力の高い方から低い方へ流れる空気量を制御して、室と室との差圧を一定に保持するようにしている。また、スライド型の場合は、シャフトに沿ってスライド自在に支持された可動板をスライド(開閉)させることにより、圧力の高い方から低い方へ流れる空気量を制御して、室と室との差圧を一定に保持するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の差圧保持ダンパは、可動板の開閉時にパカパカと音が鳴り、静粛性が悪いという欠点があった。また、頻繁に開閉が行われるため、室内の圧力が変動し、所望の圧力にならないという欠点があった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、静粛性に優れ、圧力変動を抑止できる差圧保持ダンパを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、前記目的を達成するために、室と室とを仕切る壁に形成された孔に取り付けられ、前記孔を介して圧力の高い室から低い室へ流れる空気量を制御して、室と室との差圧を一定に保持する差圧保持ダンパにおいて、前記孔に傾斜して形成されるとともに、開口部を有する開口枠と、前記開口枠に対して直交方向に配置されるとともに、その先端部が前記開口枠の斜め上側に配置されるシャフトと、前記シャフトが挿通される挿通孔を中央部に有し、該挿通孔を介して前記シャフトに摺動自在に取り付けられるとともに、前記シャフトに摺動することによって前記開口部を開閉する可動板と、前記可動板に取り付けられ、該可動板が前記開口部を閉める方向に付勢するウエイトと、前記シャフトの先端部にその上端部が固定されるとともに、下端が開口した筒状のシリンダと、前記シリンダの内部に摺動自在に設けられたピストンと、前記ピストン及び前記可動板に連結されるとともに、前記シャフトが挿通される筒状のピストンロッドと、を備え、前記シリンダの上面部には、前記シリンダ内の空気が流出入する通気孔と、前記可動板が閉じる方向に空気を流すリード弁を有する通気孔と、が設けられることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、前記目的を達成するために、室と室とを仕切る壁に形成された孔に取り付けられ、前記孔を介して圧力の高い室から低い室へ流れる空気量を制御して、室と室との差圧を一定に保持する差圧保持ダンパにおいて、前記孔に傾斜して形成されるとともに、開口部を有する開口枠と、前記開口枠に対して直交方向に配置されるとともに、その先端部が前記開口枠の斜め上側に配置されるシャフトと、前記シャフトが挿通される挿通孔を中央部に有し、該挿通孔を介して前記シャフトに摺動自在に取り付けられるとともに、前記シャフトに摺動することによって前記開口部を開閉する可動板と、前記可動板に取り付けられ、該可動板が前記開口部を閉める方向に付勢するウエイトと、前記シャフトとの摺動部を介して前記ウエイトと一体に設けられ、上端が開口されたシリンダと、前記シャフトの先端に固定されるとともに、前記シリンダの内面に対して、その外周面が環状の隙間を有する固定リングと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る差圧保持ダンパの好ましい実施の形態について詳説する。
【0010】
図1は、本発明に係る差圧保持ダンパの第1の実施の形態の構成を示す側面断面図である。同図に示すように、差圧保持ダンパ10は、室(低圧側)12Aと室(高圧側)12Bとを仕切る壁14に孔16を穿孔して取り付けられる。この差圧保持ダンパ10は、いわゆるスライド型の差圧保持ダンパであって、本体フレーム18、シャフト22、可動板20及びエアシリンダ24から構成されている。
【0011】
本体フレーム18は、支持枠26と、その支持枠26の内側に形成された開口枠28とから構成されている。支持枠26は、矩形状に形成されており、この支持枠26を壁14に穿孔した孔16に嵌め込んで、本体フレーム18を壁14に取り付ける。開口枠28は、支持枠26の内側に所定角度傾斜して形成されており、その中央部には円形状の開口部28Aが形成されている。空気はこの開口部28Aを介して高圧側の室12Bから低圧側の室12Aに流入する。
【0012】
シャフト22は、開口部28Aの中央位置にリブ30を介して垂直に取り付けられている。このリブ30は、開口部28Aを横断するようにして開口枠28に一体形成されている。
【0013】
可動板20は、椀形に形成されており、その中央部には挿通孔22Aが形成されている。可動板20は、この挿通孔22Aを介してシャフト22に摺動自在に挿通されており、この可動板20がシャフト22に沿って摺動することにより、開口部28Aが開閉する。また、この可動板20の裏面中央部にはリング状に形成されたウェイト32が取り付けられており、このウェイト32によって可動板20が開口部28Aを閉める方向に付勢される。
【0014】
エアシリンダ24は、シリンダ34、ピストン36及びピストンロッド38から構成されている。シリンダ34は下端部が開口した筒状に形成されており、その上端部がシャフト22の先端部に固定されている。また、このシリンダ34の上面部には小径の通気孔34Aが形成されており、この通気孔34Aを介してシリンダ内の空気が流出入する。ピストン36は、リング状に形成されており、シャフト22に挿通されるとともに、シリンダ34の内部を摺動自在に設けられている。ピストンロッド38は筒状に形成され、シャフト22に挿通されている。そして、その上端部がピストン36に連結されるとともに、下端部が可動板20に連結されている。
【0015】
前記のごとく構成された第1の実施の形態の差圧保持ダンパ10の作用は次のとおりである。
【0016】
低圧側の室12Aと高圧側の室12Bとの差圧は一定に保たれており、この差圧のバランスが崩れると、高圧側の気流がウェイト32の重さに抗して可動板20を押し上げ、開口部28Aから低圧側に流入する。そして、差圧の調整が図れると、可動板20はウェイト32の自重によってシャフト22に沿ってスライドし、開口部28Aを閉める。
【0017】
ここで、前記のごとく可動板20が動くと、可動板20に連結されたピストン36がシリンダ34内を摺動する。そして、このピストン36がシリンダ34内を摺動することにより、シリンダ34内の空気が小径の通気孔34Aから流出入し、これが減衰作用となって、可動板20の振動が抑制される。
【0018】
この結果、可動板20が頻繁に開閉して、可動板20の開閉音が頻繁に発することがなくなるとともに、可動板20の開閉に伴う圧力変動を抑止できる。
【0019】
なお、上記構成の場合、たとえば低圧側の室12Aの圧力が急激に高くなったような場合には、直ちに開口部28Aが閉まらずに、室12A側の空気が室12Bに流出するおそれがある。これを防止するために、図2に示すように、シリンダ34の上面に第2の通気孔34Bを形成し、該通気孔34Bにリード弁40を設置することが好ましい。これにより、室12Aの圧力が急激に上昇したような場合であっても、可動板20が直ちに閉じるので、室12Aの汚染空気が室12B内に流出することはない。
【0020】
図3は、本発明に係る差圧保持ダンパの第2の実施の形態の構成を示す側面断面図である。
【0021】
第2の実施の形態の差圧保持ダンパ50は、可動板20の減衰機構が上述した第1の実施の形態のものと相違している。なお以下の説明では、この減衰機構の構成についてのみ説明し、他の構成については上述した第1の実施の形態と同一符号を付して説明は省略する。
【0022】
図3に示すように、第2の実施の形態の差圧保持ダンパ50は、減衰機構としてスプリング52とOリング54とを使用している。スプリング52は、シャフト22に挿通されており、その上端部がシャフト22の先端部に固着されたブラケット56に固定されている。一方、Oリング54は、シャフト22に挿通されており、可動板20とスプリング52との間に配置されている。
【0023】
前記のごとく構成された第2の実施の形態の差圧保持ダンパ50によれば、可動板20が振動した場合であっても、その振動はスプリング52で吸収され、Oリング54の滑り抵抗によって減衰するので、可動板20の振動を効果的に抑止できる。これにより、可動板20が頻繁に開閉して、可動板20の開閉音が頻繁に発することがなくなるとともに、可動板20の開閉に伴う圧力変動を抑止できる。
【0024】
図4は、本発明に係る差圧保持ダンパの第3の実施の形態の構成を示す側面断面図である。なお、上述した第1の実施の形態の差圧保持ダンパ10と同一部材には同一符号が付されている。
【0025】
第3の実施の形態の差圧保持ダンパ60は、空気の流入口にHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter−高性能微粒子フィルタ)62が設置されている。このHEPAフィルタ62は、取付フレーム64に装着されており、壁14に形成された孔16を覆うようにして、高圧側の室12Bの壁面に取り付けられている。
【0026】
前記のごとく構成された第3の実施の形態の差圧保持ダンパ60によれば、低圧側の室12Aの圧力が急激に上昇し、汚染空気が高圧側の室12B内に流出した場合であっても、汚染粒子は12B内に流入する際にHEPAフィルタ62で捕捉されるため、高圧側の室12Bが汚染されることはない。また、平常時においても、高圧側の室12Bから低圧側の室12Aに流入する空気は、HEPAフィルタ62を通過した空気が流入するため、低圧側の室12Aが汚染されることもない。
【0027】
なお、本実施の形態の差圧保持ダンパ60では、減衰機構が設けられていないが、上述した第1、第2の実施の形態で説明した減衰機構を設けてもよい。
【0028】
図5は、本発明に係る差圧保持ダンパの第4の実施の形態の構成を示す側面断面図である。なお、上述した第3の実施の形態の差圧保持ダンパ60と同一部材には同一符号が付されている。
【0029】
第4の実施の形態の差圧保持ダンパ70は、圧力の逃げ機構が備えられている点で上述した第3の実施の形態の差圧保持ダンパ60と異なっている。なお以下の説明では、この圧力の逃げ機構の説明についてのみ行い、他の構成の説明については上述した第3の実施の形態の差圧保持ダンパ60と同一の符号を付して省略する。
【0030】
図5に示すように、第4の実施の形態の差圧保持ダンパ70は、開口部28Aの径が可動板20の径よりも大径に形成されている。そして、その開口部28Aの周縁にはゴムリング72が取り付けられている。このゴムリング72は、開口部28Aの内側に張り出して取り付けられており、可動板20は、平常時このゴムリング72に係止されて、開口部28Aを閉じている。また、リブ30は門型に形成されており、可動板20がゴムリング72を通過した場合は、開口枠28の裏面側に移動できるようにされている。
【0031】
前記のごとく構成された第4の実施の形態の差圧保持ダンパ70の作用は次のとおりである。
【0032】
平常時、室12Aと室12Bとの差圧変動が無い状態では、可動板20は開口部28Aの内側に張り出したゴムリング72に係止されて、開口部28Aを閉じている。そして、室12Aと室12Bとの差圧に変動が生じた場合は、高圧側の気流がウェイト32の重さに抗して可動板20を押し上げ、開口部28Aから低圧側の室12Aに流入して、差圧の調整が図られる。
【0033】
ここで、たとえば低圧側の室12A内で爆発が起こり、室12A内の圧力が急激に上昇したとする。この場合、室12A内の圧力によって可動板20が押し下げられ、ゴムリング72を押し退けて可動板20がゴムリング72の裏側(室12B側)に移動する。そして、この可動板20が、ゴムリング72の裏側に移動することにより、可動板20と開口枠28との間に流路が形成され、この流路を介して室12A内の空気が逃げる。これにより、室12Aが損壊するのを防止できる。
【0034】
また、この際、室12Aから流出する空気に細菌等が混入している場合であっても、これらの汚染粒子は室12Bに流入する際にHEPAフィルタ62で捕捉されるため、高圧側の室12Bが汚染されることはない。
【0035】
このように第4の実施の形態の差圧保持ダンパ70によれば、低圧側の室12A内で爆発、あるいは制御系の故障などで室12A内の圧力が異常に高くなったような場合であっても、圧力を逃がすことができるので、室12Aの損壊を効果的に防止することができる。また、圧力を逃がす際も流出させる空気に対してHEPAフィルタ62を通過させているので、汚染空気の流出も防止することができる。
【0036】
図6は、本発明に係る差圧保持ダンパの第5の実施の形態の構成を示す側面断面図である。この差圧保持ダンパ80は、いわゆるスウィング型の差圧保持ダンパであって、本体フレーム82、可動板84及びエアシリンダ86から構成されている。なお、室(低圧側)12Aと室(高圧側)12Bとを仕切る壁14に孔16を穿孔して取り付ける点は、上述したスライド型の差圧保持ダンパと同じである。
【0037】
本体フレーム82は、支持枠88と、その支持枠88の内側に形成された開口枠90とから構成されている。支持枠88は矩形状に形成されており、この支持枠88を壁14に穿孔した孔16に嵌め込んで、本体フレーム82を壁14に取り付ける。一方、開口枠90は、支持枠88の内側に垂直に形成されており、その中央やや下寄りの位置には円形状の開口部90Aが形成されている。空気はこの開口部90Aを介して高圧側の室12Bから低圧側の室12Aに流入する。
【0038】
可動板84は、矩形の板状に形成されている。この可動板84の上端部近傍両側面部には一対の回転軸84A、84Aが固着されている。この回転軸84A、84Aは、支持枠88の内側面上端部近傍に配設された一対の軸受92、92に軸支されており、可動板84は、この回転軸84A、84Aを中心に揺動する。そして、この可動板84が揺動することにより、開口部90Aが開閉する。
【0039】
また、この可動板84の表面部には、ロッド94が垂直に立設されており、ロッド94にはウェイト96が取り付けられている。可動板84は、このウェイト96の重さによって開口部90Aを閉じる方向に付勢される。
【0040】
エアシリンダ86は、シリンダ98、ピストン100及びピストンロッド102によって構成されている。シリンダ98は下端部が開口した筒状に形成されている。このシリンダ98の上端部は、室12B側の壁面に固着された支持アーム104の先端部にピン106を介して支持されている。また、このシリンダ98の上面部には小径の通気孔98Aが形成されており、この通気孔98Aを介してシリンダ内の空気が流出する。ピストン100は、リング状に形成されており、シリンダ98内を摺動自在に設けられている。ピストンロッド102は、その基端部がピストン100に連結されるとともに、その下端部が可動板84の裏面下部に取り付けられたブラケット108にピン110を介して連結されている。
【0041】
前記のごとく構成された第5の実施の形態の差圧保持ダンパ80の作用は次のとおりである。
【0042】
低圧側の室12Aと高圧側の室12Bとの差圧は一定に保たれており、この差圧のバランスが崩れると、高圧側の気流がウェイト96の重さに抗して可動板84を押し上げ、開口部90Aから低圧側に流入する。そして、差圧の調整が図れると、可動板84はウェイト96の自重によって開口部90Aを閉じる。
【0043】
ここで、前記のごとく可動板84が動くと、可動板84に連結されたピストン100がシリンダ98内を摺動する。そして、このピストン100がシリンダ98内を摺動することにより、シリンダ98内の空気が小径の通気孔98Aから流出入し、これが減衰作用となって、可動板84の振動が抑制される。この結果、可動板84が頻繁に開閉して、可動板84の開閉音が頻繁に発することがなくなるとともに、可動板84の開閉に伴う圧力変動を抑止できる。
【0044】
なお、上記構成の場合、たとえば低圧側の室12Aの圧力が急激に高くなったような場合には、直ちに開口部90Aが閉まらずに、室12A側の空気が室12Bに流出するおそれがある。これを防止するために、シリンダ98の上面に第2の通気孔を形成し、該通気孔にリード弁を設置してもよい(図2参照)。これにより、急激な圧力変動を生じた場合であっても直ちに可動板84が閉じ、汚染空気の流出を防止できる。
【0045】
図7は、本発明に係る差圧保持ダンパの第6の実施の形態の構成を示す側面断面図である。
【0046】
第6の実施の形態の差圧保持ダンパ120は、可動板84の減衰機構が上述した第5の実施の形態の差圧保持ダンパ80と異なっている。したがって、以下の説明においては、この減衰機構の構成についてのみ説明し、他の構成の説明については上述した第5の実施の形態の差圧保持ダンパ80と同一の符号を付して省略する。
【0047】
図7に示すように、第6の実施の形態の差圧保持ダンパ80は、減衰機構としてスプリング122とOリング124とを使用している。
【0048】
スプリング122は、可動板84の表面下部に立設された円弧状のシャフト126に挿通されており、その上端部がブッシュ128に固定されている。ブッシュ128は、支持アーム130の先端部に一体形成されており、該支持アーム130は、室12A側の壁面に固定されている。前記シャフト126は、可動板84の揺動に伴い、このブッシュ128の内部を摺動する。
【0049】
一方、Oリング124は、シャフト126に挿通されており、可動板84とスプリング122との間に配置されている。
【0050】
前記のごとく構成された第6の実施の形態の差圧保持ダンパ120によれば、可動板84が振動した場合であっても、その振動はスプリング122で吸収され、Oリング124の滑り抵抗によって減衰するので、可動板84の振動を効果的に抑止できる。これにより、可動板84が頻繁に開閉して、可動板84の開閉音が頻繁に発することがなくなるとともに、可動板84の開閉に伴う圧力変動を抑止できる。
【0051】
図8は、本発明に係る差圧保持ダンパの第7の実施の形態の構成を示す側面断面図である。なお、上述した第5の実施の形態の差圧保持ダンパ80と同一部材には同一符号が付されている。
【0052】
第7の実施の形態の差圧保持ダンパ130は、空気の流入口にHEPAフィルタ132が設置されている。このHEPAフィルタ132は、取付フレーム134に装着されており、壁14に形成された孔16を覆うようにして、高圧側の室12Bの壁面に取り付けられている。
【0053】
前記のごとく構成された第7の実施の形態の差圧保持ダンパ130によれば、急激な圧力変動によって低圧側の室12Aの汚染空気が高圧側の室12B内に流出した場合であっても、細菌等の汚染粒子はHEPAフィルタ132で捕捉されるため、高圧側の室12Bが汚染されることはない。また、平常時においても、高圧側の室12Bから低圧側の室12Aに流入する空気は、HEPAフィルタ132を通過した空気が流入するため、低圧側の室12Aが汚染されることもない。
【0054】
なお、本実施の形態の差圧保持ダンパ130では、減衰機構が設けられていないが、上述した第5、第6の実施の形態で説明した減衰機構を設けてもよい。
【0055】
図9は、本発明に係る差圧保持ダンパの第8の実施の形態の構成を示す側面断面図である。この差圧ダンパ140は、可動板20の減衰機構が前述した第1の実施の形態のものと相違している。以下の説明では、この減衰機構についてのみ説明し、他の部分については前述した第1の実施の形態と同一の符号を付して説明は省略する。
【0056】
図9に示すように、可動板20の外側中央部にはシャフト22が貫通するようにリング状のウェイト142が形成されており、このウェイト32によって可動板20が開口部28Aを閉める方向に付勢される。また、このウェイト142にはベアリング146を具備した摺動部148を介してシリンダ144が一体に設けられている。
【0057】
シャフト22の先端には固定リング150が固定されており、この固定リングの外周面と前記シリンダ144の内面との間には、細い環状の隙間152が形成されている。
【0058】
前記の構成において、可動板20が動くと、可動板20と一体化しているシリンダ144も同一方向に移動する。このシリンダの移動の際にシリンダ144内の空気が前記環状の隙間152から流出入し、この時の空気の通風抵抗が減衰作用となって、可動板20の振動が抑制される。この結果、可動板20の開閉音が頻繁に発することを防止することができ、可動板20の開閉に伴う圧力変動も抑制できる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、減衰手段を設けることにより、可動板の振動を抑制でき、これにより可動板の開閉に伴う音の発生を抑止できる。また、空気の流入部にHEPAフィルタを設置することにより、たとえば、室内の圧力が急激に変化し、汚染空気が室外に流出、あるいは室内に流入しようとした場合であっても、HEPAフィルタによりこれを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る差圧保持ダンパの第1の実施の形態の構成を示す側面断面図
【図2】本発明に係る差圧保持ダンパの他の実施の形態の構成を示す側面断面図
【図3】本発明に係る差圧保持ダンパの第2の実施の形態の構成を示す側面断面図
【図4】本発明に係る差圧保持ダンパの第3の実施の形態の構成を示す側面断面図
【図5】本発明に係る差圧保持ダンパの第4の実施の形態の構成を示す側面断面図
【図6】本発明に係る差圧保持ダンパの第5の実施の形態の構成を示す側面断面図
【図7】本発明に係る差圧保持ダンパの第6の実施の形態の構成を示す側面断面図
【図8】本発明に係る差圧保持ダンパの第7の実施の形態の構成を示す側面断面図
【図9】本発明に係る差圧保持ダンパの第8の実施の形態の構成を示す側面断面図
【符号の説明】
10、50、60、70、80、120、130…差圧保持ダンパ、12A…室(低圧側)、12B…室(高圧側)、14…壁、18、82…本体フレーム、22…シャフト、20、84…可動板、24、86…エアシリンダ、28A、90A…開口部、32、96、142…ウェイト、34、98、144…シリンダ、34A、98A…通気孔、36、100…ピストン、38、102…ピストンロッド、40…リード弁、52、122…スプリング、54、124…Oリング、62、132…HEPAフィルタ、72…ゴムリング
Claims (3)
- 室と室とを仕切る壁に形成された孔に取り付けられ、前記孔を介して圧力の高い室から低い室へ流れる空気量を制御して、室と室との差圧を一定に保持する差圧保持ダンパにおいて、
前記孔に傾斜して形成されるとともに、開口部を有する開口枠と、
前記開口枠に対して直交方向に配置されるとともに、その先端部が前記開口枠の斜め上側に配置されるシャフトと、
前記シャフトが挿通される挿通孔を中央部に有し、該挿通孔を介して前記シャフトに摺動自在に取り付けられるとともに、前記シャフトに摺動することによって前記開口部を開閉する可動板と、
前記可動板に取り付けられ、該可動板が前記開口部を閉める方向に付勢するウエイトと、
前記シャフトの先端部にその上端部が固定されるとともに、下端が開口した筒状のシリンダと、
前記シリンダの内部に摺動自在に設けられたピストンと、
前記ピストン及び前記可動板に連結されるとともに、前記シャフトが挿通される筒状のピストンロッドと、を備え、
前記シリンダの上面部には、前記シリンダ内の空気が流出入する通気孔と、
前記可動板が閉じる方向に空気を流すリード弁を有する通気孔と、が設けられることを特徴とする差圧保持ダンパ。 - 室と室とを仕切る壁に形成された孔に取り付けられ、前記孔を介して圧力の高い室から低い室へ流れる空気量を制御して、室と室との差圧を一定に保持する差圧保持ダンパにおいて、
前記孔に傾斜して形成されるとともに、開口部を有する開口枠と、
前記開口枠に対して直交方向に配置されるとともに、その先端部が前記開口枠の斜め上側に配置されるシャフトと、
前記シャフトが挿通される挿通孔を中央部に有し、該挿通孔を介して前記シャフトに摺動自在に取り付けられるとともに、前記シャフトに摺動することによって前記開口部を開閉する可動板と、
前記可動板に取り付けられ、該可動板が前記開口部を閉める方向に付勢するウエイトと、
前記シャフトとの摺動部を介して前記ウエイトと一体に設けられ、上端が開口されたシリンダと、
前記シャフトの先端に固定されるとともに、前記シリンダの内面に対して、その外周面が環状の隙間を有する固定リングと、を備えたことを特徴とする差圧保持ダンパ。 - 前記室と室とを仕切る壁に形成された孔を覆うようにして、圧力の高い室の壁面にHEPAフィルタを設置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の差圧保持ダンパ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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