JP3799123B2 - 変動トルク相殺装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力軸の連続回転運動を出力軸の間欠回転運動、揺動回転運動等の特殊な回転運動、またはこれらの回転運動同士を組み合わせたような運動等の所定形式の回転運動に変換する運動変換装置の入力軸や出力軸に連結して使用する変動トルク相殺装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
間欠割出装置などのカム機構を介して入力軸の連続回転運動を出力軸の所定形式の回転運動に変換する運動変換装置においては、その作動時に出力軸に作用するトルクが絶えず変動するとともに、そのトルクの反力が変動トルクとして入力軸にも作用する。この入力軸に作用するトルクは、入力軸の均一な回転を妨げ、作動時の振動およびそれに伴う作動誤差を生じる原因になっている。そして、このトルクによる影響は、特に高速回転時に大きくなるので、装置の高速化を図る上で、変動トルクはできるだけ小さく抑える必要がある。
【0003】
変動トルクを抑える手段として、特開平1−480042号公報、特開昭60−4665号公報等に変動トルク相殺装置が提案されている。図7は従来の変動トルク相殺装置の一例を示している。この変動トルク相殺装置101は、機械装置本体102のカム軸などの入力軸103に装着されたトルク補償カム104にカムフォロワ105を係合させるとともに、カムフォロア105を取り付けたスライダ106が、トルク補償カム104のカム曲線に従ってスライドガイド107内を往復運動することにより、スライダ106とスライドガイド107との間に設けられたコイル状のばね部材108が、入力軸103のトルク変動に合わせてエネルギの蓄積、放出を繰り返すようにしたものである。すなわち、図8のように蓄積されたエネルギが放出される過程では、入力軸103を助ける方向のトルクが作用し、逆に図9のようにエネルギが蓄積される過程では、入力軸103の回転を妨げる方向のトルクが作用する。この作用により、回転が遅くなりがちな加速度区間での加速トルクの助長を図り、回転が速くなりがちな減速区間では制動トルクの助長を図ることにより、変動トルクを小さく抑えることができ、インデックステーブル109などを取り付けた出力軸110の安定した回転運動が得られるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の変動トルク相殺装置では、たとえトルク補償用カムのカム曲線を入力軸のトルク変動をゼロにするように設定しても、変動トルク相殺装置自体のスライダ移動方向に発生する加振力により機械装置本体に振動が発生するという問題があった。具体的には、図7において、トルク補償カム104が回転すると、ばね部材108に押し付けられたカムフォロワ105およびスライダ106が、カム104のカム曲線の変位に相当する分だけ移動し、これによりばね部材108の重心がカム曲線の変位の半分に相当する分だけその方向に移動する。この質量移動の結果、機械装置本体102の入力軸103に加振力が加わり、この加振力が機械装置本体102からその支持体に伝わり、大きな振動の原因となるばかりでなく、機械装置本体の高速化を阻害する要因になっていた。このため、従来では高剛性化、軽量化により変動トルク相殺装置に加振力が発生するのを極力抑えていた。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、変動トルク相殺装置自体が発生する振動を抑えることのできる改良された変動トルク相殺装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、同等のトルク補償能力を有する2基のトルク補償装置を機械装置本体の入力軸に対して対称の位置に配置して、トルク補償装置から発生する加振力を互いに相殺するようにしたものである。トルク補償装置は、入力軸に取り付けられたトルク補償カムと、このカムのカム面に接触して転動するカムフォロワと、カムフォロワを回転可能に支持するスライダと、スライダを摺動可能に収容するスライドガイドと、スライドガイドの内部に設けられてスライダを押圧する機械式ばねまたは空気式ばねとで構成される。またトルク補償カムの形状は、機械装置本体の入力軸に作用するトルク変動を相殺し、機械装置本体のエネルギと2基のトルク補償装置のエネルギとの和が常に一定を保つように設定されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における変動トルク相殺装置の構成を示している。変動トルク相殺装置1は、機械装置本体2の入力軸3に対し、垂直方向に対称位置に配置された2基のトルク補償装置1Aと1Bとからなる。2基のトルク補償装置1Aと1Bは、それぞれブラケット4、5により機械装置本体2に固定され、同じ形状、大きさで同等のトルク補償能力を有する。ここでは一方の装置1Aの構成についてのみ説明し、他方のトルク補償装置1Bは同じ構成を有するので説明を省略する。トルク補償装置1Aは、機械装置本体2の入力軸3に固定されたトルク補償カム6を備え、トルク補償カム6は、カムフォロア7に係合している。カムフォロア7は、スライダ8の先端部に回転可能に支持され、スライダ8は、スライドガイド9に摺動可能に収容されている。スライドガイド9は、有底円筒状に形成され、その内部にはコイルばね10が収容されて、カムフォロワ7をトルク補償カム6に押圧付勢している。
【0008】
次に本実施の形態の動作について説明する。機械装置本体2の入力軸3に固定されたトルク補償カム6は、入力軸3の回転により連続回転し、その周面に形成されたカム面によりカムフォロア7を回転させながら、スライダ8をスライドガイド9の内部で往復動させる。これにより、コイルばね10が圧縮、伸張され、入力軸3に加えられた変動トルクを相殺する。すなわち、入力軸3に加わる変動トルクが大きいときは、図2に示すように、そのトルクによってコイルばね10を圧縮させて補償トルクを大きくし、変動トルクが小さいときは、図3に示すように、コイルばね10を伸張させて補償トルクを小さくする。一方、トルク補償装置1Aが発生する加振力は、反対側に配置されて同じ位相で動作するもう一方のトルク補償装置1Bにより相殺される。
【0009】
補償トルクの大きさは、図4に示すように、機械装置本体2の入力軸3に加えられる変動トルクQと、変動トルク相殺装置1のトルク補償カム6を通してスライダ8を往復動させるときに入力軸3に加えられる変動トルクPとの和が常にゼロになるように設定される。この変動トルクPは、一方のトルク補償装置1Aにより加えられる変動トルクP1と、他方のトルク補償装置1Bにより加えられる変動トルクP2(=P1)との和である。
【0010】
したがって、トルク補償カム6の形状は、機械装置本体2のエネルギと変動トルク相殺装置1(2基のトルク補償装置1A、1B)のエネルギとの和が常に一定を保つように設定される。機械装置本体2のエネルギと変動トルク相殺装置1のエネルギとの和がゼロとは、慣性エネルギ、歪みエネルギ、位置エネルギ等の保存エネルギと、摩擦力によるエネルギおよび粘性によるエネルギ等の散逸エネルギと、ばねの伸縮による歪みエネルギ等の総和がゼロということであり、この条件が達成されれば、入力軸3を回転させる際に必要なトルクは平準化され、一定になる。このように設定された同一形状のトルク補償カム6を入力軸3に対し対称位置に配置することにより、各トルク補償装置1A、1Bに作用する加振力は、大きさが同じで、方向が常に反対となり、互いに相殺されることになる。
【0011】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における要部を示しており、上記した実施の形態1と異なるのは、2基のトルク補償装置1A、1Bが入力軸3に対し水平方向に対向して配置されていることのみであり、作用効果は実施の形態1と同じである。このようなトルク補償装置の配置は、実施の形態1のように垂直に対向して配置する場合に生じる重力場の影響を無視することができる利点がある。重力場の影響を考慮する場合は、2枚のトルク補償カム6の形状と仕様は若干異なったものになるが、水平方向に対向して配置する場合は、これを全く無視することができる利点がある。
【0012】
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3における要部を示しており、上記した実施の形態1と異なるのは、2基のトルク補償装置1C、1Dが、機械式ばねであるコイルばねの代わりに空気式ばねを使用していることである。カムフォロワ7を取り付けたスライダ(ピストン)8をスライドガイド(シリンダ)9に気密かつ摺動可能に設け、ピストン8とシリンダ9の間に圧力調整装置13により圧力を調整された空気を導入する。シリンダ9内の空気は、回転するトルク補償カム6にカムフォロワ7が追随して往復運動することにより、圧縮、膨張を繰り返す。空気式ばねによる変動トルクの補償は、機械式ばねと同様にして行われ、トルク補償カム6の形状は、機械装置本体2の入力軸3に作用するトルク変動を相殺し、機械装置本体2のエネルギと2基のトルク補償装置1C、1Dのエネルギの和が常に一定を保つように設定される。
【0013】
さらに、2基のトルク補償装置を水平対向と垂直対向との中間位置に対向配置することも、機械装置本体のスペースの関係であり得る選択であるが、この場合の加振力も同様に相殺されることは、上記説明から明らかである。
【0014】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、同等のトルク補償能力を有する2基のトルク補償装置を機械装置本体の入力軸に対して対称の位置に配置して、トルク補償装置から発生する加振力を互いに相殺するようにしたものであり、変動トルク相殺装置自体が発生する振動を抑えることができ、装置の振動を低減できるとともに、装置の駆動速度を速めることができるので、生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における変動トルク相殺装置を機械装置本体とともに示す部分断面正面図。
【図2】同装置の動作を示す部分断面右側面図。
【図3】同装置の動作を示す部分断面右側面図。
【図4】同装置の変動トルクと相殺トルクの関係を示す特性図。
【図5】本発明の実施の形態2における変動トルク相殺装置の部分断面右側面図。
【図6】本発明の実施の形態3における変動トルク相殺装置の部分断面右側面図。
【図7】従来例における変動トルク相殺装置を機械装置本体とともに示す部分断面正面図。
【図8】同装置の動作を示す部分断面右側面図。
【図9】同装置の動作を示す部分断面右側面図。
【符号の説明】
1 変動トルク相殺装置
1A 第1のトルク補償装置
1B 第2のトルク補償装置
2 機械装置本体
3 入力軸
4、5 ブラケット
6 トルク補償カム
7 カムフォロワ
8 スライダ
9 スライドガイド
10 コイルばね
11 インデックステーブル
12 出力軸
13 圧力調整装置
Claims (2)
- 機械装置本体の入力軸に対して対称の位置に配置され、前記入力軸に作用するトルク変動を相殺するほぼ同等の能力を有する2基のトルク補償装置を備え、各トルク補償装置がトルク補償カムを備えていてそのトルク補償カムが前記入力軸に取り付けられており、また、前記トルク補償カムの形状が、機械装置本体のエネルギと2基のトルク補償装置のエネルギとの和が常に一定を保つように設定されている変動トルク相殺装置。
- トルク補償装置が、前記トルク補償カムと、前記カムのカム面に接触して転動するカムフォロワと、前記カムフォロワを回転可能に支持するスライダと、前記スライダを摺動可能に収容するスライドガイドと、前記スライドガイドの内部に設けられて前記スライダを押圧する機械式ばねまたは空気式ばねとを備えた請求項1記載の変動トルク相殺装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07527297A JP3799123B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 変動トルク相殺装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07527297A JP3799123B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 変動トルク相殺装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10267105A JPH10267105A (ja) | 1998-10-09 |
JP3799123B2 true JP3799123B2 (ja) | 2006-07-19 |
Family
ID=13571441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07527297A Expired - Fee Related JP3799123B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 変動トルク相殺装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3799123B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP5432645B2 (ja) * | 2009-09-14 | 2014-03-05 | トヨタ自動車株式会社 | 自重補償機構 |
-
1997
- 1997-03-27 JP JP07527297A patent/JP3799123B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH10267105A (ja) | 1998-10-09 |
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