JP3799095B2 - 視度補正装置および視度補正装置を有する機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばファインダー光学系などの観察光学系において視度を補正できる機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、使用者の視度を検出して自動的に視度補正を行うカメラが提案されている。
【0003】
例えば、特開平7−181562号公報には撮影者の目の特徴抽出を行い、この検出結果から、撮影者の年齢を推定し、この値に基づいて撮影者の目の特性に応じた最適な視度に自動的に調整することが開示されている。
【0004】
また、特開昭63−206731号公報には、撮影者の眼屈折力を検出して、この値に基づき、自動的に視度補正を行うものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記前者の従来例では、人間の眼の生理的特性である年齢による目の調整能力の変化に着目し、この調整能力の変化に対する補正を行うことを目的としていた為、撮影者の近視、遠視といった個々の視度特性はメガネコンタクトレンズ等で予め補正された状態を想定としていた。したがって、この撮影者固有の視度特性は、メガネコンタクト等による補正や、ファインダー光学系などに設けられた視度補正光学系によって撮影者の視度特性に合わせて補正光学系を移動させるなどの補正が必要であった。
【0006】
また、上記後者の従来例では、眼屈折力計をカメラ内に内蔵しなければならず、高価であるとともにカメラの大型化を招いてしまう。また、検出に時間がかかり、カメラと撮影者眼との位置を正確に固定しなくてはならないなどカメラのような携帯性の高い機器に内蔵することは実際には困難であり、非現実的であった。
【0007】
また、上記従来例に開示される撮影者の視度検出方法はすべて装置によって調べられる他覚的検査である。一般に視覚機能すなわち物を見るという感覚は、眼の光学作用をする組織や網膜(視細胞)とこれにつづく視神経、最後には脳の認識力などの総合能力である。この為、単に眼の光学特性だけで判断する他覚的検査方法では、必ずしも撮影者の視度を正確に検出することができず誤差が生じやすい。
【0008】
上述した課題に鑑み、本願発明では、視度の検出を自覚的検査値、すなわち、撮影者の意志に基づいた値を入力することを前提にするとともに、その入力動作に視線を用いることで操作性を向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明の視度補正装置は、使用者が像を観察することのできる観察光学系と、前記観察光学系において光軸方向に移動する視度補正レンズと、それぞれが異なる視度に設定されている複数の視度指標を含み、前記複数の視度指標が一体的に前記観察光学系の光軸方向に移動する指標ユニットと、前記使用者が前記複数の視度指標の中から1つを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された視度指標に対応する位置に前記視度補正レンズおよび前記指標ユニットを移動させる移動手段とを有することを特徴としている。
【0010】
また、本発明の視度補正装置は、使用者が像を観察することのできる観察光学系と、前記観察光学系において光軸方向に移動する視度補正レンズと、それぞれが異なる視度に設定されている複数の視度指標を含み、前記複数の視度指標が一体的に前記観察光学系の光軸方向に移動する指標ユニットと、前記使用者の視線を検出する視線検出手段と、前記視線検出手段の検出結果に基づいて、前記複数の視度指標の中から1つを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された視度指標に対応する位置に前記視度補正レンズおよび前記指標ユニットを移動させる移動手段とを有することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態である視度補正装置を備えたカメラの背面からの斜視図である。
【0012】
同図において、1はカメラ本体、2は撮影レンズ鏡筒部、3はファインダー接眼部、4はファインダーの視度をマニュアルで操作可能なスライド部材、5はファインダー光学系の焦点面近傍に光を導く採光窓である。
【0013】
図2は、カメラ本体内に内蔵されたファインダー光学系の斜視図、図3はファインダー光学系の平面図、図4はファインダー光学系の側面図である。
【0014】
同図において、6は負のパワーのレンズで構成される対物レンズ1群、7は正のパワーのレンズで構成される対物レンズ2群であり、対物レンズ7が変倍レンズとして作用し、対物レンズ6がこの補正系となり、撮影レンズのズーム操作に連動してファインダー光学系の変倍動作が行われる。8はフィールドレンズであり、平面側がファインダー光学系の結像面となっている。9a,9b,9cは上記ファインダー光学系の焦点面近傍に配置された指示表示であり、図1に示した採光窓5からの光の光路をスライド部材4の操作に連動して切換えによっていずれか1つを選択的に表示できるように構成されている。10はファインダー像を反転させる為の3面反射のポロプリズム、11はハーフミラーである。12は接眼レンズであり、この光軸方向の移動によって撮影者の視度の補正が可能である。13はハーフミラー11の後方、ほぼ接眼レンズの焦点面上に配置された視度検出の為の指標群であり、図示のようにそれぞれの指標は光軸方向にずらして配置する。各指標の位置はファインダー上では観察像の外側にくるように配置されている。14は指標群13に対応してその後部に配置された照明部材であり、各指標13a〜13cに対応してそれぞれ14a〜14cの各照明素子(LED)が配置され、指標群13がファインダー上で確認しやすいように構成されている。スライド部材4を操作すると接眼レンズ12と、指標群13と、照明部材14とが所定の間隔を保ちつつ一体的に光軸方向に移動するように構成されており、撮影者は3つの視度指標のうちどれか1つがよく見える位置までスライド部材4を動かすことで簡単に視度調節を行うことができる。
【0015】
図5〜図9は、上図のように構成されたファインダー光学系の実際の視野内の表示を示したものである。
【0016】
同図において15は被写体像を観察可能な範囲を示す視野枠、16はAF測距範囲(焦点検出範囲)を示す測距点表示、17は近距離撮影時の画角を示すパララックス補正表示である。
【0017】
上記構成において、撮影者の視度が正視の場合、遠視の場合、近視の場合の3通りの場合についてその動作を説明する。
【0018】
まず、正視の撮影者がファインダーを見たときの状態を示したのが図5である。
【0019】
視度検出用の各視度指標は十字形に形成される。各視度指標は左側の視度指標13aが+1ディオプター、中央の視度指標13bが−1ディオプター、右側の視度指標13cが−3ディオプターとなるように各位置関係が設定されている。
【0020】
図5に示すように正視の人の視度の合う指標は、中央の指標であり、左右の指標は図示のようにボケて見える。この場合は図1に示す視度補正スライド部材4は中央の位置にある。
【0021】
スライド部材4が中央位置にあるときには中央の指標9bに採光窓5からの光が導かれて表示されている。
【0022】
この場合は、視度の合った視度指標13bと指示表示9bの位置が一致している為ファインダー内の各表示部、すなわち、視野枠15、測距点表示16、パラ補正表示17はそれぞれ視度指標が合い見やすい状態となっている。
【0023】
次に、図6を用いて、遠視の撮影者がファインダーを覗いた場合について説明する。まず、このような遠視の人がファインダー下部に表示される複数の視度指標を見た場合、左側の視度指標だけがはっきり見え、それ以外の視度指標はボケてしまいはっきり見えない状態となる(図中、このような状態は複数の重複した線で表わしボケた状態を示している、このぼけ量の大きい場合ほど重複する線の本数を増やして示している。)。この場合の視度の補正動作としては、図1に示す視度補正スライド部材4を左側にスライドさせることによって行われる。このスライド動作に連動して、不図示の機構部材により接眼レンズ12と指標群13と、照明部材14がファインダー焦点面に対し後方、すなわち接眼レンズが眼に近づく方向に所定量移動する。そして、スライド部材4の操作に連動して左側の指標に対応する指示表示9aのみが表示されるように光路の切り換えを行う。このようにして、遠視の人が視度補正が完了した状態を示したのが図7である。図示のように遠視の人用の視度指標13aとこれに対応した指示表示9aを合わせるようにスライド部材4を操作することによって、ファインダー内の各表示部、すなわち、視野枠15、測距点表示16、およびパララックス補正表示17は、それぞれ視度の合った、見やすい状態に補正される。
【0024】
次に近視の人が、ファインダーの視度合わせをする状態を図8、図9を用いて説明する。
【0025】
図8は遠視の撮影者が使用した直後(図7の状態)、今度は近視の人がファインダーを覗いた状態である。図示のように、指標群13の中で最もはっきり見えるのは右側の視度指標13cである。
【0026】
この状態から視度調整を行う為には、スライド部材4を操作して視度指標13cの位置に対応する指示表示9cを表示させると、適正な視度補正動作が完了する。つまり、図1に示すスライド部材4を今度は右側に移動することによって接眼レンズ12、及びこれと一体的に移動する指標群13、照明装置14が前側(撮影者の目から離れる方向)に移動すると共に、採光窓5からの光を指示表示9cに導くので図9に示す状態、すなわち近視の撮影者に対して視度を合わせることができる。
【0027】
以上説明したように、本実施例の構成では、視度補正を行う接眼レンズと、視度の異なる視度指標が一体的に移動する構成をとっている為、視度補正を行っている間も各視度指標の見えかたは変化せず、視度調整の最初から最後まで、一定の視度指標の表示を行うことが可能である点ですぐれている。また、ハーフミラー11を使って視度表示部とファインダー表示部を別光路から合成したことも本実施形態の大きな特徴である。
【0028】
図10は、本発明の第2の実施形態である視度補正装置を備えたカメラの背面からの斜視図である。
【0029】
同図において21はカメラ本体、22は撮影レンズ鏡筒部、23はファインダー接眼部、24はカメラの各種モードを設定するモード切換えダイヤル、25はカメラ本体上に形成された選択マークであり、モード切換えダイヤル24を回転してダイヤル24に描かれたそれぞれのモードを表わす絵や文字をこのマークと一致させることによってカメラは所定モードに切換えることができる。26はファインダー接眼部23近傍に設けた一対の赤外発光ダイオードであり、視線検出用の眼球照明光源として利用する。
【0030】
図11は、カメラ本体内に内蔵されたファインダー光学系の斜視図、図12は、同平面図、図13は同側面図である。
【0031】
本実施形態のファインダー光学系の構成のうち、第1の実施形態と同一の機能を果たす部材については同一番号で示し、説明を省略する。図中27はハーフミラー11の後方に配置された結像レンズであり、この後方に配置された視線検出用エリアセンサー28に撮影者の眼球画像を結ぶように配置されている。
【0032】
29a,29b,29cは、ファインダー光学系の焦点面近傍に配置された選択可能な発光素子であり、選択された視度指標に対応した位置の発光素子を点滅または点灯させることができる。
【0033】
図14は本第2の実施形態の視度補正装置を備えたカメラのブロック図であり、30はカメラの使用者である撮影者の眼球、31はファインダー光学系の接眼レンズ、32は接眼レンズ31の位置を検出する為のレンズ位置検出回路、33は接眼レンズ31を光軸方向に移動させるモータ33aを駆動制御するモータ制御回路で、レンズ位置検出回路32または後述のCPU38からの情報でモータ33cを制御する。34はエリアセンサ28で受光した撮影者の眼球像に基づいて撮影者の視線の方向を検出する為の視線検出回路、35は撮影者の眼球を照明する赤外発光ダイオードの制御回路、36は視度の異なる複数の視度指標13a〜13cを表示、制御する視度指標表示回路、37は選択された視度指標を指示する表示を行う指示表示装置。38はカメラ内に設けたCPUであり、カメラの撮影動作の制御を始め上記の各回路を集中制御する。39は、モード切換ダイヤル24の位置によって、ファインダー視度補正モードを含む数種類の動作モードを選択して切り換えることができるモード切換回路である。
【0034】
上記構成の本第2の実施形態の動作をフローチャート図15を用いて順を追って説明する。
【0035】
本実施形態の特徴は、撮影者の視線を検出することで視度補正に関する情報をカメラに入力することが特徴であり、視線検出と組み合わせることによって、従来の方法では考えられなかった簡単で合理的な視度合わせが可能となっている。
【0036】
本実施形態のカメラを使用する前に、ファインダーの視度を撮影者の視度と一致させることが必要となる。そこで撮影者はまず、図10に示すモードダイヤル24を回動させ、視度補正用のモードを表す文字(図中CAL)をカメラ本体の選択マーク25と一致させることによって視度補正モードが設定される(#10)。視度補正モードに入った場合には、まず、視度指標表示回路36を駆動し、視度の異なる複数の視度指標13a〜13cをファインダー内に表示させる。本実施形態の構成では、ハーフミラー11の後方に配置した視度指標13a〜13cの後方の照明部材14a〜14cを点灯させることによって、ファインダー上に視度指標13a〜13cを表示させる(#20)。
【0037】
次に、撮影者は視度指標13a〜13cのうち、最もよく見える視度指標を注視する。このとき、撮影者の眼球を赤外発光ダイオード26で照明するとともに、撮影者の眼球画像をエリアセンサ26で撮像し、この眼球画像を視線検出回路34にて演算処理することで撮影者の視線の方向が検出される(#30)。
【0038】
次に、視線検出結果に基づいて、ファインダー焦点面近傍に配置された発光素子29a〜29cのうち、いずれか1つの発光素子が点滅するか、または視度指標の背後に置かれた照明部材14a〜14cのうちいずれか1つの照明の色を変更し、視線検出によって選択された視度指標を撮影者に知らせる(#40)。
【0039】
この最もよく見える(撮影者の視度に合った)視標をそのまま見続け、所定時間経過した場合には、実際の視度補正動作のステップに進む、一方、視線の検出ができない場合や、撮影者が同一の視度指標を所定時間見続けなかった場合には、#30に戻り、再度視度指標を選び直す(#50)。
【0040】
次に、最も視度の合った指標が選択されると、接眼レンズ31の現在位置をレンズ位置検出回路32で検出し、撮影者が選択した視度指標に対応するレンズ位置であるかどうかをCPU38で比較演算する。そして、このレンズ位置が一致している場合には、そのまま接眼レンズ31を動かさない(#70)。撮影者が選択した視度指標と接眼レンズ31の位置とが一致しない場合は、CPU38からの情報に基づいてモータ制御回路33を通じてモータ33aを駆動し、選択した視度指標と接眼レンズ31の位置とが一致するまで接眼レンズ31を光軸方向に移動させる(#80)。
【0041】
以上の動作で視度補正動作が完了する。そこで、モードダイアル24を視度補正モード以外のモードに切り換え、実際の写真撮影に移る(#90)。視度補正モード以外のモードが選択されているときには、視度指標13a〜13cを表示しない。具体的には、視度指標13a〜13cの後方に配置した照明部材14a〜14cを消灯する(#100)。
【0042】
以上のステップで視度補正の操作を手動操作なしに行うことができる。しかも、最もよく見える(視度の合っている)指標を見るという動作そのものが、入力動作となるので極めて簡単に視度調節動作を行うことができ、また、初心者にも失敗なくごく自然に行うことができるという利点がある。
【0043】
上記構成の視度補正装置は、視度補正モードに入った場合に、その都度視度の選択を行わせるように構成しているが、上記構成で一度撮影者の視度を検出し、撮影者の視度補正値を記憶するように構成することも可能である。この場合は、ファインダー内に設けた所定の指標を注視することによって、記憶された視度補正値を読み出せるように構成方法が考えられる。
【0044】
また、視線検出動作の際に得た撮影者の眼球画像の情報も同時に記憶し、この眼球画像情報と一致する眼球が検出された場合には、記憶している視度補正値に基づいて自動的に視度補正を行ってしまうという構成が考えられる。この時の撮影者の眼球画像の特徴抽出としては、プルキンエ像の特徴や瞳孔径の大きさ等があり、これらの複数の情報から撮影者を特定することができる。
【0045】
図16は本発明の第3の実施形態である視度補正装置を備えたカメラのファインダー平面図(断面図)である。
【0046】
同図において41は接眼レンズ、42はダハプリズム、42′は部分的にダハプリズム42に接合した貼り合わせレンズであり、境界面42aは赤外光のみを透過させ、可視光を透過するダイクロ面となっている。43はプリズム、44は凸のパワーを持つ対物レンズ、45はファインダー焦点面に配置されたマスクであり、ファインダーの視野枠及び、開口部45aが形成されている。46はマスク45の開口部45aの前を移動可能な遮光部材である。
【0047】
47はプリズム42′の後方に配置した視線検出用の結像レンズ、48は視線検出用エリアセンサーである。49はプリズム42のファインダー視野枠外に一体的に形成された視度指標であり、視度が異なるように中央の形成された指標を中心に奥まった位置と突出した位置の3つの指標が形成されている。
【0048】
図中Eは撮影者の眼球であり、26は撮影者の眼球を照明する赤外発光ダイオードである。
【0049】
同図を用いて、視度補正の動作を説明する。
【0050】
まず、撮影者がファインダーを覗くと接眼レンズ近傍に配置した赤外発光ダイオード26が撮影者眼を照明し、そのときの眼球画像をエリアセンサ48で受光して、撮影者の視線を検出可能となる。本実施形態では、ダハプリズム42と接合した貼り合わせレンズ42′の境界面42aにダイクロ面を形成している為、赤外光はこのダイクロ面を透過して視線検出センサー48側に導かれ、可視光は反射してファインダー光学系の方向に導かれる。
【0051】
次に、カメラが視度補正モードにある場合には、不図示の駆動手段によって遮光部材46が移動し、図16に図示のように焦点面上のマスク45の位置から退避した状態に位置する。この状態でファインダーの視野枠の近傍に配置された視度指標49が視認可能となる。図16に図示のように、プリズム42と一体的に形成されたそれぞれの視度指標は光軸方向に対し異なる位置に設けられているので、それぞれの視度指標は視度の異なった状態で表示されている。この状態で撮影者が自分に合っている視度指標を視線によって選択すると、不図示の駆動手段により接眼レンズが光軸方向に移動すると同時に、遮光部材46が図16の矢印で示した方向に移動して、各視度指標が見えない状態になる。上記一連の動作で視度補正が完了する。
【0052】
本実施形態では、光学部材と一体的に視度指標を設けている為、視度補正動作を行う前と視度補正動作を行った後とでは、各視度指標の見え方が変わってしまう。そこで、本実施形態では、接眼レンズ41を移動させる視度補正動作と連動して、視度指標を隠すように遮光部材46の移動をさせて、不要な指標が表示させている。また、この接眼レンズ41の移動に伴う各視度指標の視度の変化を補正する光学系を挿入する。または、表示部のみの前面に配置された不図示のレンズを移動して視度の変化を吸収するような構成をとっても良い。
【0053】
また、撮影者が視度指標を見て視度補正を行う際には、接眼レンズ41は必ず初期位置に一度戻して視度補正動作を行う必要がある。すなわち、視度補正モードに入る場合、本実施形態では必ず一度接眼レンズ41を初期位置である正視の焦点位置に移動させて、視度を測定しなければならない。
【0054】
また、上記第3の実施形態では、視度の異なる指標を構成する為、プリズム上に凸凹を設けたが必ずしもこの構成に限定されない。
【0055】
すなわち、本来接眼レンズには球面収差があり、本実施形態のように、ファインダー光軸中心から離れた位置では球面収差が大きくなる。そこで、この収差を積極的に利用して、所定の視度が得られる位置に指標を形成することによりプリズム面に特殊な凸凹を形成しなくても本発明で必要とされる視度の異なる指標を構成することができる。
【0056】
また、図20に示すように、視度の異なる指標を表示させるために、プリズムの指標形成面42bの傾きを、本来のプリズムの傾きと変えることによって形成しても良い。この方法は、本実施形態の視標構成に比べ、プリズムの上部または下部の一部のみの形状を変形させれば良く、成形が容易であり、視標形成も別部材のマスクを指標形成面42bに配置するだけで良い為、簡単に実現することができる。
【0057】
このように本実施形態は、焦点面近傍の光学部材を利用して、異なった視度の指標が形成できる。
【0058】
図17は、本発明の第4の実施形態である視度補正装置を備えたカメラのファインダー平面図である。構成としては、ほぼ第2の実施形態同様だが、第2の実施形態では視度指標の表示位置がファインダー視野外であるのに対し、本実施形態ではファインダー視野内に表示される。
【0059】
図17において、51はファインダー光学系の焦点面に配置した液晶表示素子であり、52は焦点距離可変の接眼レンズである。他は第2の実施形態と同様であり、同一符号をつけ説明を省略する。
【0060】
図18は本実施形態のカメラのファインダー表示例を示したものである。
【0061】
図18において、53はファインダー視野枠であり、54〜56は視度指標である。同指標は視力の測定用に多用されるランドルト環を用いている。
【0062】
同図において、視度補正の動作を説明する。
【0063】
まず、カメラ本体外部に設けた不図示の操作部材を視度補正の位置に設定することにより、ファインダー焦点面上に配置された液晶表示素子51により、ファインダー視野枠のほぼ中央付近に3つの視度指標54〜56が表示される。この3つの指標は、従来からよく知られる視力測定用のランドルト環境であり、54は視力0.1、55は視力0.6、56は視力1.2に対応している。すなわち、54は近視の人の指標、55は軽い近視の人の指標、56は正視の人の指標である。
【0064】
撮影者がファインダーを覗き、この3つの指標のうちできるだけ小さい指標ではっきり見える指標を注視する。このとき撮影者の視線を検出し、検出した視線位置に対応する指標を点滅表示する。さらにこの状態でウインクすることによって点滅表示している指標が選択される。指標が選択されると、指標の意味する視力の撮影者にとって適した視度になるように、同時に不図示の駆動手段により、接眼レンズ52の焦点距離を変化させて、視度補正を行う。
【0065】
また、接眼レンズの焦点距離変化は、レンズを光軸方向に移動させるだけでなく、弾性を持ったレンズ部材の曲率変更または、封止した液晶の電圧印加による屈折率変更をすることによって実現することができる。
【0066】
視度補正が終了し、不図示のモード操作部材を視線補正モードの位置から、他のモードに変更することによって、ファインダー視野内に表示された視度指標54〜56が消滅する。
【0067】
また、本実施形態は、正視と近視、及び軽い近視に対応しているが、正視、近視、遠視の組み合わせであってもかまわない。
【0068】
また、視度指標の選択を視線によって行っているが、この選択した指標を決定する方法はウインクによらず、操作部材を操作して決定してもよいし、第2の実施形態と同様に点滅する指標をさらに注視し、一定時間経過したことを検知して指標を決定するようにしても良い。
【0069】
図19は本発明の第5の実施形態である視度補正装置を備えたカメラのファインダー平面図である。構成としては、第4の実施形態とほぼ同様、第4の実施形態では液晶表示素子の面上で視度指標を形成したのに対して、本実施形態は、視度指標の形成位置がファインダー光学系の焦点位置に配置した液晶表示素子のガラス面上に形成されている。
【0070】
同図において61は、液晶面がファインダー光学系の焦点位置に配置された液晶表示素子である。液晶表示素子61には、上述の第2の実施形態と同様複数の視度指標が設けられている。すなわち、62は視野枠周辺部接眼レンズ側の液晶のガラス面に設けられた近視の人用の視度指標、同63はファインダー光学系の焦点位置である液晶面に液晶で表示可能とした正視の人の視度指標、64は対物レンズ側の液晶のガラス面に設けた遠視の人用の視度指標である。尚、各表示対応部は、不図示の遮光部材により、指標不要時は表示されないようになっている。また、この遮光部材を用いず、各指標対応部に液晶によるマスクを形成し、不要時は、光の透過を規制するように構成することもできる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載した視度補正装置は、簡単な構成で自覚的検査を行えるうえに、使用者は最も良く見える視度指標を選択するだけで視度調節を行うことができる。また、前記視度補正レンズと前記指標ユニットとを移動させるので、視度調整後も指標によって調整具合を確認することができる。
【0073】
また、請求項4に記載した視度補正装置によれば、使用者は最も良く見える視度指標に視線を合わせるだけで視度調節を行うことができる。つまり、最も良く見える視度指標を見るだけで、その使用者にあった視度調節を行うことができる。したがって、使用者は何ら特別な操作をすることなく、使用者に適合する視度調節を実行できる。また、前記視度補正レンズと前記指標ユニットとを移動させるので、視度調整後も指標によって調整具合を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である視度補正手段を有するカメラを背面から見た斜視図。
【図2】図1のカメラのファインダー光学系を説明する斜視図。
【図3】図1のカメラのファインダー光学系を説明する平面図。
【図4】図1のカメラのファインダー光学系を説明する側面図。
【図5】図1のカメラのファインダー表示を説明する図。
【図6】図1のカメラのファインダー表示を説明する図。
【図7】図1のカメラのファインダー表示を説明する図。
【図8】図1のカメラのファインダー表示を説明する図。
【図9】図1のカメラのファインダー表示を説明する図。
【図10】本発明の第2の実施形態である視度補正手段を有するカメラを背面から見た斜視図。
【図11】図10のカメラのファインダー光学系を説明する斜視図。
【図12】図10のカメラのファインダー光学系を説明する平面図。
【図13】図10のカメラのファインダー光学系を説明する側面図。
【図14】図10のカメラのブロック図。
【図15】図10のカメラの視度補正動作を説明するフローチャート。
【図16】本発明の第3の実施形態である視度補正手段を有するカメラのファインダー平面図。
【図17】本発明の第4の実施形態である視度補正手段を有するカメラのファインダー平面図。
【図18】図17のカメラのファインダー表示を説明する図。
【図19】本発明の第5の実施形態である視度補正手段を有するカメラのファインダー平面図。
【図20】図16のカメラの変形例を説明する視度補正手段を有するカメラのファインダー平面図。
【符号の説明】
1 カメラ本体
3 ファインダー接眼部
4 スライド部材
9a,9b,9c 指示表示
12 接眼レンズ
13a,13b,13c 視度指標
14a,14b,14c 照明素子
21 カメラ本体
23 ファインダー接眼部
24 モード切換ダイヤル
28 エリアセンサ
30 撮影者(使用者)の眼球
31 接眼レンズ
32 レンズ位置検出回路
33 モータ制御回路
34 視線検出回路
36 視度指標表示回路
37 指示表示回路
38 CPU
41 接眼レンズ
42 ダハプリズム
45 マスク
46 遮光部材
Claims (11)
- 使用者が像を観察することのできる観察光学系と、
前記観察光学系において光軸方向に移動する視度補正レンズと、
それぞれが異なる視度に設定されている複数の視度指標を含み、前記複数の視度指標が一体的に前記観察光学系の光軸方向に移動する指標ユニットと、
前記使用者が前記複数の視度指標の中から1つを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された視度指標に対応する位置に前記視度補正レンズおよび前記指標ユニットを移動させる移動手段とを有することを特徴とする視度補正装置。 - 前記選択手段は前記使用者が手動操作部材を手動操作することで、前記複数の視度指標の中から1つを選択するとともに、前記手動操作部材の操作に連動して前記移動手段は選択された視度指標に対応する位置に前記視度補正レンズおよび前記指標ユニットを移動させることを特徴とする請求項1記載の視度補正装置。
- 前記移動手段は前記手動操作部材と機械的に結合され、前記手動操作部材を操作することで、前記視度補正レンズおよび前記指標ユニットを移動することを特徴とする請求項2記載の視度補正装置。
- 使用者が像を観察することのできる観察光学系と、
前記観察光学系において光軸方向に移動する視度補正レンズと、
それぞれが異なる視度に設定されている複数の視度指標を含み、前記複数の視度指標が一体的に前記観察光学系の光軸方向に移動する指標ユニットと、
前記使用者の視線を検出する視線検出手段と、
前記視線検出手段の検出結果に基づいて、前記複数の視度指標の中から1つを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された視度指標に対応する位置に前記視度補正レンズおよび前記指標ユニットを移動させる移動手段とを有することを特徴とする視度補正装置。 - 前記視度補正装置は光路分割手段を有し、前記指標ユニットはほぼ前記視度補正レンズの焦点面上に配置され、前記複数の指標はそれぞれ光軸方向に所定の視度に対応する分だけにずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の視度補正装置。
- 前記観察光学系はプリズムを有し、前記複数の視度指標は前記プリズムの入射面または射出面に設けられることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の視度補正装置。
- 使用者が像を観察することのできる観察光学系と、
前記観察光学系において光軸方向に移動する視度補正レンズと、
それぞれが異なる視度に設定されている複数の視度指標を含み、前記複数の視度指標が一体的に前記観察光学系の光軸方向に移動する指標ユニットと、
前記使用者が前記複数の視度指標の中から1つを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された視度指標に対応する位置に前記視度補正レンズおよび前記指標ユニットを移動させる移動手段とを有する視度補正装置を有する機器。 - 使用者が像を観察することのできる観察光学系と、
前記観察光学系において光軸方向に移動する視度補正レンズと、
それぞれが異なる視度に設定されている複数の視度指標を含み、前記複数の視度指標が一体的に前記観察光学系の光軸方向に移動する指標ユニットと、
前記使用者の視線を検出する視線検出手段と、
前記視線検出手段の検出結果に基づいて、前記複数の視度指標の中から1つを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された視度指標に対応する位置に前記視度補正レンズおよび前記指標ユニットを移動させる移動手段とを有する視度補正装置を有する機器。 - 前記視度補正装置は光路分割手段を有し、指標ユニットはほぼ前記視度補正レンズの焦点面上に配置され、前記複数の指標はそれぞれ光軸方向に所定の視度に対応する分だけにずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項7または8記載の視度補正装置を有する機器。
- 前記観察光学系はプリズムを有し、前記複数の視度指標は前記プリズムの入射面または射出面に設けられることを特徴とする請求項7または8記載の視度補正装置を有する機器。
- 前記視度補正装置を有する機器は複数の動作モードを有するとともに、前記複数の視度指標の表示を制御する表示制御手段を有し、前記表示制御手段は所定の動作モードに設定されているときのみ、前記複数の視度指標を表示することを特徴とする請求項7から10の何れかに記載の視度補正装置を有する機器。
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JP1545796A JP3799095B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | 視度補正装置および視度補正装置を有する機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1545796A JP3799095B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | 視度補正装置および視度補正装置を有する機器 |
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ID=11889335
Family Applications (1)
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JP1545796A Expired - Fee Related JP3799095B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | 視度補正装置および視度補正装置を有する機器 |
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JP (1) | JP3799095B2 (ja) |
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1996
- 1996-01-31 JP JP1545796A patent/JP3799095B2/ja not_active Expired - Fee Related
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