JP3799032B2 - ドリル - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、被加工物に対してその穴底部が拡径された穴を加工するドリルに関し、特に、ドリル本体が第一及び第二のテーパ部を有し且つシャンク部側つば部に第三のテーパ部が設けられるドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、固着物をコンクリート等の被加工物に固着するためにアンカーボルト等を被加工物に打ち込む場合、図1に示す如く、より大きな引抜荷重に耐用すべく(アンカーボルトのすべり、抜けを低減すべく)、ボルトヘッド4aが拡径されたアンカーボルト4を被加工物1に設けられた拡径底部2aを有する穴2に打ち込むことにより固着物3を被加工物1に対して固着する方法がある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
従来、拡径底部を有する穴を加工するために使用されるドリルとして、例えば、図2に示す如く、ドリル本体110にシャンク部(図示せず)を設けられるドリル100であって、ドリル本体110は、大略、膨出部120と、凹面状に湾曲した端面を有するシャンク部側つば部131とを有するドリル100が提案されている。この膨出部120は、先端側切刃部101と、切刃部101で生ずる切粉吸引用の貫通孔110aとを有する。ドリル100は、更に、その切粉を貫通孔110aを介して吸引する鐘形吸引アダプター133と、球面状滑り面を有する支承板132とを有する。
【0004】
そして、ドリル100により下穴20bを加工した後、シャンク部側つば部131の凹面状端面を支承板132の滑り面上で摺動させて、膨出部120を旋回支承部としてドリル100を旋回動作させることにより、穴20の底部を拡径20aする(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
(株)ミヤナガ、"アンダーカットアンカーシステム"、
【online】、平成10年、
【平成15年5月28日検索】、インターネット<URL:http://www.miyanaga.co.jp/cat-jp/anzex/index.html>
【特許文献1】
特開平5−200731号公報(第2−3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のドリル100は、支承板132が必要ゆえ構造が複雑であり、製造が容易ではなく、また、製造コストがかさむという問題点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するための本発明のドリルは、ドリル本体に一体的又は別体的にシャンク部を設けられるドリルであって、被加工物に対してその穴底部が拡径された穴を加工するドリルにおいて、前記ドリル本体は、先端側切刃部と、シャンク部側つば部と、該切刃部及びつば部間で該切刃部側及びつば部側に夫々設けられた第一のテーパ部及び第二のテーパ部とを有し、前記シャンク部側つば部は、その切刃部側の側面に切刃部方向即ち先端方向へ径が漸次縮小し、且つ加工時に前記被加工物の表面に接触される第三のテーパ部が設けられ、前記第一のテーパ部及び第二のテーパ部は夫々、先端方向へ径が漸次縮小及び拡大する形状であって、加工時に前記穴の内周の直径方向対称位置部分に接触することが可能であり、加工時に、前記第一のテーパ部、第二のテーパ部、及び第三のテーパ部が夫々、前記穴の内周、該内周、及び前記被加工物の表面に接触した際に、前記先端側切刃部の回転外径部分が穴の内径より所定寸法だけ半径方向外方へ位置している、ことを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記第一テーパ部のテーパ面の前記ドリル本体の長手方向軸線に対する第一の角度と、前記第二テーパ部のテーパ面の該軸線に対する第二の角度と、前記第三テーパ部のテーパ面の該軸直交方向に対する第三の角度とは略同じ角度である。
【0009】
また好ましくは、前記ドリル本体は、前記第一テーパ部及び第二テーパ部間に第一の縮径部を有する。
【0010】
また好ましくは、前記ドリル本体は、前記切刃部及び第一テーパ部間に、第二の縮径部を有する。
【0011】
また好ましくは、前記第一テーパ部及び第二テーパ部は夫々、少なくとも1つの円周方向に伸長する周溝を有する。
【0012】
また好ましくは、前記切刃部の回転外径は、第一のテーパ部の先端側縮径部から先端方向へ漸次拡大する。
【0013】
また好ましくは、前記切刃部のうちの切刃部先端部の回転外径は、前記切刃部の先端側端部から先端方向へ漸次縮小する。
【0014】
上記問題点を解決するための本発明のドリルは、ドリル本体に一体的又は別体的にシャンク部を設けられるドリルであって、被加工物に対してその穴底部が拡径された穴を加工するドリルにおいて、前記ドリル本体は、シャンク部側つば部と、先端側切刃部と、該つば部及び切刃部間で該つば部側に設けられたテーパ部とを有し、前記テーパ部は、切刃部方向へ径が漸次拡大する形状であって、加工時に前記穴の内周に接触することが可能であり、加工時に、前記テーパ部が前記穴の内周に接触した際に、前記先端側切刃部の回転外径部分が穴の内径より所定寸法だけ半径方向外方へ位置している、ことを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記ドリル本体は、前記切刃部及びテーパ部の間に、縮径部を有する。
【0016】
また好ましくは、前記ドリル本体は、その先端において開口し且つ軸方向へ所定位置まで伸長して前記つば部又は該ドリル本体の該つば部よりシャンク部側において開口する貫通孔を備える。
【0017】
また好ましくは、前記先端側開口部は2つ以上であり、少なくとも1つの該先端側開口部が、前記ドリル本体の先端方へ突出する切刃部先端部の両側に夫々設けられる。
【0018】
また好ましくは、前記ドリル本体の、前記シャンク部側開口部に対応する前記つば部又はシャンク部側部分に嵌合的に取付固定され、前記切刃部で生ずる切粉を前記貫通孔を介して吸引する吸引アダプターを更に備える。
【0019】
また好ましくは、前記シャンク部は前記ドリル本体に別体的に設けられ、該ドリル本体後端に該シャンク部の第一の係止手段と係合するための第二の係止手段を有する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係るドリルを図3乃至図5を使用して説明する。
【0021】
図3中、本発明に係るドリル200は、大略、焼入れ鋼等の所望強度を提供する材料からなり、ドリル本体210及び本体210に一体的に設けられたシャンク部211を有し、コンクリート等の被加工物1に対してその穴底部が拡径2aされた穴2を加工する。
【0022】
なお、シャンク部211は、必ずしもドリル本体210に一体的に設けられる必要はなく、例えば、図4に示す如く、ドリル本体後端に設けられた第二の係止手段209eと係合する第一の係止手段211aを有し、ドリル本体210に別体的に設けられてもよい。同図中、第一の係止手段211a及び第二の係止手段209eは夫々雌ねじ及び雄ねじであるが、ねじ以外の例えば、夫々係合可能な多角形断面の凹部及び凸部等でもよい。
【0023】
ドリル本体210は、大略、切刃部201、第一のテーパ部としての切刃部側テーパ部204、第一の縮径部としてのくびれ部205、第二のテーパ部としてのつば部側テーパ部206、シャンク側つば部207、胴部208、及び吸引アダプター保持部209を有する。
【0024】
切刃部201は、超硬合金等の所望強度及び硬度を提供する材料からなり、その外側方及び先端方へ突出する突出部201a、201bを形成するようドリル本体210の先端部202にろう付けされる。切刃部201(201a)の回転外径は、切刃部側テーパ部204の先端側縮径部から先端方向へ漸次拡大し、切刃部先端部201bの回転外径は、切刃部の先端側端部から先端方向へ漸次縮小する。なお、切刃部201は、例えば、ドリル本体210から直接削り出す等、ドリル本体210と一体的に設けられてもよい。また、切刃部201は、ドリル本体先端部202に突出部201bを設けなくともよく、この場合は、ドリル200は、下穴2aの加工には使用されないで、穴2の底部を拡径2aするためにのみ使用される。
【0025】
切刃部側テーパ部204及びつば部側テーパ部206は、切刃部201及びつば部207間で切刃部201側及びつば部207側に夫々設けられる。ここで、切刃部側テーパ部204及びつば部側テーパ部206は夫々、先端方向へ径が漸次縮小及び拡大する形状であり、その円周方向に伸長する複数の周溝204a,206aを有する。なお、周溝204a,206aは1つでもよいし、なくともよい。また、両テーパ部204、206は夫々、周溝204a,206aに代えて、その表面に凹部(例えば、ディンプル形状)を有してもよい。
【0026】
くびれ部205は、図3に示す如く、切刃部側テーパ部204及びつば部側テーパ部206間に設けられ、両テーパ部204,206の最大外径よりも小さい外径を有する。
【0027】
ドリル本体210は、切刃部201及び切刃部側テーパ部204間に、第二の縮径部としての切粉逃げ部203を有する。切粉逃げ部203の外径は、図3に示す如く、切刃部側テーパ部204のテーパ面の延長線上の外径より小さい外径を有し、これにより、クリアランス203aを画成する
シャンク部側つば部207は、その切刃部側の側面に切刃部方向即ち先端方向へ径が漸次縮小する第三のテーパ部としての表面接触テーパ部207aが設けられる。なお、表面接触テーパ部207aは必ずしもなくともよい。
【0028】
図3に示す如く、切刃部側テーパ部204のテーパ面のドリル本体210の長手方向軸線に対する第一の角度と、つば部側テーパ部206のテーパ面の軸線に対する第二の角度と、表面接触テーパ部207aのテーパ面の軸直交方向に対する第三の角度とは略同じ角度αである。
【0029】
吸引アダプター保持部209の外径は、胴部208の外径より小さく、これにより、図3に示す如く、肩部209cが画成される。保持部209の所定位置にO−リング用溝209dが設けられ、O−リング218は、溝209dに嵌合する。
【0030】
縦孔209aは、図3中、ドリル本体210の中心軸上を伸びて、ドリル本体先端部202において切刃部先端部201bの両側で夫々開口部202b、202b’を形成し(図5参照)、且つ吸引アダプター保持部209において軸直交方向に貫通的に伸びる横孔209bと連通する。ここで、先端側開口部202b,202b’は1つでもよく、また3つ以上でもよい。なお、ドリル本体先端部202及び保持部209において開口202b,209bしていれば、その貫通孔の経路は、厳密に軸方向及び軸直交方向でなくともよい。
【0031】
吸引アダプター215は、図3に示す如く、筒状部213の両端を一対のリング形円板212でカバーし、且つ一側にパイプ接続部214が取り付けられてなり、下方円板212が肩部209cに当接するよう保持部209に嵌合的に取り付けられる。吸引アダプター215は、保持部209に嵌合する押え部材217を介してO−リング218により軸方向に固定されると共に、軸を中心に回転自在である。これにより、切刃部201で生ずる切粉は、貫通孔209a,209bを介して、パイプ接続部214に接続された集塵機(図示せず)により吸引される。なお、吸引アダプター215の一対の円板212は、滑りをよくするため、樹脂であり、筒状部213は、軽量化のため、アルミニウムであることが好ましいが、他の材料でもよい。
【0032】
なお、横孔209bがつば部207に設けられて、吸引アダプター215が、つば部207に嵌合的に取付固定されてもよい。
【0033】
続いて、ドリル200の使用方法について説明する。
【0034】
シャンク部211を介して電動機(図示せず)に接続されたドリル200により、被加工物1の表面1aに対して所定角度(例えば、垂直)をなす下穴2bを加工する。下穴2bの加工に際して、つば部207が下穴2bの深さを決定するストッパーの役割を果たす。また、下穴2bの直径は、切刃部201の最大外径と略等しい。
【0035】
ところで、このような拡径ヘッドを有するアンカーボルト4(図1参照)用の穴2は、通常のアンカーボルト用の穴と比較してその深さが深いため、加工中に多量の切粉が発生し、この切粉を十分に取り除かなければ、ドリル200が穴2から抜けなくなるという問題がある。更に、切粉が穴2内に残留したままアンカーボルト4を穴2内に打ち込んだ場合、アンカーボルト4及び穴2の内周面間に残留した切粉によりアンカーボルト4が穴2から滑って抜け易くなり、所望の引抜耐力が得られないという問題がある。ドリル200によれば、その切粉は加工と同時に集塵機(図示せず)により吸引されるため、加工終了後(又は加工を適宜中断して)別途穴底清掃の作業工程を設ける必要がなく、加工作業を簡略化できる。
【0036】
下穴2bの加工後、つば部側テーパ部206及び表面接触テーパ部207aを夫々下穴2bの内周及び被加工物1の表面1aに接触させて、下穴2bの長手方向軸線に対するドリル200の位置決めをする。この際、切刃部側テーパ部204は、つば部側テーパ部206の上記接触位置に対して、穴2bの内周の下方の直径方向対称位置部分に接触する。なお、下穴2bは、被加工物1表面に対して必ずしも正確に垂直方向に加工されていなくともよい。また、表面接触テーパ部207aは被加工物1の表面1aに接触しなくともよい。
【0037】
ドリル200の上記位置決め後、つば部側テーパ部206、表面接触テーパ部207a、及び切刃部側テーパ部204を夫々下穴2bの内周、被加工物1の表面1a、及び下穴2bの内周に沿わせながら、ドリル200を下穴2b内で旋回(すりこぎ動作)させる。ここで、くびれ部205が設けられていることにより、ドリル本体210及び穴2の内周どうしの接触面積を小さくでき、上記旋回動作時にドリル本体210及び穴2の内周どうしに発生する摩擦力(旋回抵抗)を低減できるため、スムーズな旋回動作が可能である。更に、つば部側テーパ部206及び切刃側テーパ部204夫々に周溝206a及び204aが設けられていることにより、上述と同様に、上記旋回動作時に発生する各テーパ面及び穴2の内周どうしの摩擦力が低減される。
【0038】
十分な上記旋回動作により、図3に示す如く、切刃部201(201a)により、穴2の底部が拡径された拡径部2aが形成される。この際、上記切刃部側テーパ部204及び穴2の内周どうしの接触、及び上記つば部側テーパ部206及び穴2の内周どうしの接触により、穴2の軸線に対するドリル200の位置決めがされて、切刃部201aの回転外径のテーパ角度と相まって拡径部2aの内径が画定され、表面接触テーパ部207a及び被加工物表面1aどうしの接触により、拡径部2aの穴2における軸線方向深さ位置が画定されて、所望の拡径部2aが形成される。
【0039】
ここで、略一定直径を有する下穴2bを被加工物1の表面1aに対して略垂直方向に加工する場合は、図3に示す如く、切刃部側テーパ部204の上記第一の角度、つば部側テーパ部206の上記第二の角度、及び表面接触テーパ部207aの上記第三の角度は略同じであることが好ましいが、下穴2bの直径が一定でない場合、又は下穴2bを被加工物1の表面1aに対して垂直方向に加工しない場合は、これら第一乃至第三の角度は必ずしも同じでなくともよい。
【0040】
この拡径加工時においても、上記下穴加工時と同様に、加工中に発生する切粉は加工と同時に集塵機(図示せず)により吸引される。なお、穴2の加工時に発生する切粉は、上述の如く、主に集塵機(図示せず)により吸引されるが、集塵機が吸引し切れない切粉は、切粉逃げ部203a及びくびれ部205に逃がされる(勿論、切粉の一部は、くびれ部205を介して穴2の上部から外方へ逃げる。)。これにより、例えば、加工時に集塵機が停止した場合でも、切粉が穴2の内周及びドリル本体210の間に集積して、ドリル200が穴2から抜けなくなる事態を回避できる。また、場合によっては、ドリル200の貫通孔209a及び209b、更にはアダプター215は必ずしも設けられなくともよく、ドリル200は、上記切粉逃げ部203a及びくびれ部205の機能により拡径底部2aを有する穴2を加工するためのドリルとして機能し得る。
【0041】
次に、本発明に係るドリルの他の実施例を図6を使用して説明する。
【0042】
図6中、本発明に係るドリル300は、大略、本発明に係る第一実施例であるドリル200において、切刃部側テーパ部204,表面接触テーパ部207aを有さない形式のドリルであり、図3と同一部分には同一符号を付してその説明を省略すると共に対応する部材には図3の符号「200」の代わりに「300」を用いて示す。なお、ドリル300の縮径部としてのくびれ部305は、切刃部301及びテーパ部306間で伸長する。
【0043】
ドリル300の使用方法は、大略、上記ドリル200の使用方法と同様であるので、その説明を省略する。なお、ドリル300の下穴2bの長手方向軸線に対する位置決めは、図6に示す如く、テーパ部306を下穴2bの内周に接触させるとともにつば部307の外縁部を被加工物1の表面1aに接触させて行う。なお、ドリル300の上記位置決めに際して、必ずしもつば部307の外縁部を被加工物表面1aに接触させなくともよい。
【0044】
【本発明の効果】
本発明のドリルによれば、ドリル本体にシャンク部を設けられるドリルであって、ドリル本体は、シャンク部側つば部と、先端側切刃部と、所定の第一乃至第三のテーパ部とを有するため、次に利点を有する。
【0045】
(1)上記従来技術にみられるように支承板等の余分な部材を必要とすることなく、所定の第一乃至第三のテーパ部を有するだけの簡易な構造の、穴底部が拡径された穴を加工するためのドリルを提供し得る。
【0046】
即ち、第一テーパ部及び穴の内周どうしの接触、及び第二テーパ部及び穴の内周どうしの接触により、穴の軸線に対するドリルの位置決めをして、切刃部の回転外径のテーパ角度と相まって穴の拡径部の内径を画定し、第三テーパ部及び被加工物表面どうしの接触により、拡径部の穴における軸線方向深さ位置を画定して、穴に所望の拡径部を形成し得る。
【0047】
(2)上記第一テーパ部のテーパ面のドリル本体の長手方向軸線に対する第一の角度、上記第二テーパ部のテーパ面の該軸線に対する第二の角度、及び第三テーパ部のテーパ面の該軸直交方向に対する第三の角度は略同じ角度である。
【0048】
これにより、略一定直径を有する下穴を被加工物表面に対して略垂直方向に加工した場合、本発明のドリルは穴底部が拡径された所望の穴を加工し得る。
【0049】
(3)上記ドリル本体は、上記第一テーパ部及び第二テーパ部間に第一の縮径部を有する。これにより、穴の加工中に発生する切粉が第一の縮径部に逃がされ(また、第一縮径部を介して穴の外方へ逃がされ)、切粉が穴の内周及びドリル本体の間に集積して、本発明のドリルが穴から抜けなくなる事態を回避できる。また、ドリル本体及び穴の内周どうしの接触面積を小さくでき、本発明のドリルの旋回動作時にドリル本体及び穴の内周どうしに発生する摩擦力(旋回抵抗)を低減できるため、スムーズな旋回動作が可能である。さらに、本発明のドリルによる下穴加工中にドリルの回転又は打撃運動により穴軸線に対するドリルの方向がブレた場合、第一縮径部の全部が下穴内に挿入される前であれば、ドリル本体と穴の開口部の縁部との間に第一縮径部による空間が存在するため、容易にドリルの方向を修正し得る。
【0050】
(4)上記ドリル本体は、上記切刃部及び第一テーパ部間に、第二の縮径部を有する。これにより、上記第一の縮径部と同様に、切粉が逃げるスペースを提供し、該加工後本発明のドリルが穴から抜けなくなる事態を回避できる。
【0051】
(5)上記第一テーパ部及び第二テーパ部は夫々、少なくとも1つの円周方向に伸長する周溝を有する。これにより、上記第一の縮径部と同様に、本発明のドリルを穴内でスムーズに旋回動作させ得る。
【0052】
(6)上記切刃部の回転外径は、上記第一のテーパ部の先端側縮径部から先端方向へ漸次拡大する。これにより、本発明のドリルは穴底部が拡径された所望の穴を加工し得る。
【0053】
(7)上記切刃部のうちの切刃部先端部の回転外径は、切刃部の先端側端部から先端方向へ漸次縮小する。これにより、本発明のドリルのみで(別途、下穴加工用のドリルを用いることなく)、下穴加工及び穴底部の拡径加工を行い得る。
【0054】
(8)本発明のドリルの他の実施例によれば、ドリル本体にシャンク部を設けられるドリルであって、ドリル本体は、シャンク部側つば部と、先端側切刃部と、所定のテーパ部とを有する。これにより、穴底部が拡径された穴を加工するための簡易な構造のドリルを提供し得る。
【0055】
(9)上記ドリル本体は、上記切刃部及びテーパ部の間に、縮径部を有する。これにより、上記第一の実施例と同様に、切粉が逃げるスペースを提供して、本発明のドリルが穴から抜けなくなる事態を回避できる。また、本発明のドリルをスムーズな旋回動作させ得る。さらに、穴の軸線に対する本発明のドリルの方向の修正を容易にし得る。
【0056】
(10)上記ドリル本体は、所定の貫通孔を備える。これにより、本発明のドリルのみで(別途、清掃器具を用いることなく)、穴内清掃及び穴底部の拡径加工を行い得る。
【0057】
(11)上記先端側開口部は複数であり、切刃部先端部の両側に夫々設けられる。これにより、効率のよい穴内清掃が可能である。
【0058】
(12)所定の吸引アダプターは上記ドリル本体の所定位置に嵌合的に取付固定される。これにより、この吸引アダプターに外部集塵機を接続して、加工中に発生した切粉を吸引し得る。
【0059】
(13)上記ドリル本体は所定の第二の係止手段を有する。これにより、本発明のドリルを種々の電動機に接続し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】拡径ヘッドを有するアンカーボルトが被加工物に打ち込まれた状態を示す縦断面図である。
【図2】従来のドリルの縦断面図である。
【図3】本発明のドリルの1実施例を説明するためのドリルの縦断面図である。
【図4】図3中、本発明のドリルのシャンク部の正面図である。
【図5】図3中、本発明のドリルの底面図である。
【図6】本発明のドリルの他の実施例を説明するためのドリルの縦断面図である。
【符号の説明】
1…構造物
2…穴
2a…拡径された穴底部
4…拡径ヘッドを有するアンカーボルト
100,200,300…ドリル
204…切刃部側テーパ部
205…くびれ部
206…つば部側テーパ部
207…シャンク部側つば部
207a…表面接触テーパ部
210…ドリル本体
211…シャンク部
215…吸引アダプター

Claims (9)

  1. 先端側切刃部(201)及びつば部(207)を有するドリル本体(210)にシャンク部(211)が設けられ、被加工物(1)に対して穴底部が拡径(2a)された穴(2)を加工するドリル(200)において、
    前記ドリル本体の切刃部及びつば部間で前記切刃部側及びつば部側に夫々設けられた第一のテーパ部(204)及び第二のテーパ部(206)であって、先端方向へ径が漸次縮小する前記第一のテーパ部及び先端方向へ径が漸次拡大する第二のテーパ部と、
    前記第一テーパ部及び第二テーパ部の間に設けられ、前記第一テーパ部及び第二テーパ部夫々の最大外径よりも小さい外径を有する第一の縮径部(205)と、
    前記つば部(207)の切刃部側の側面に設けられ、先端方向へ径が漸次縮小する第三のテーパ部(207a)とを備え、
    前記第一テーパ部(204)のテーパ面の前記ドリル本体(210)の長手方向軸線に対する第一の角度と、前記第二テーパ部(206)のテーパ面の前記軸線に対する第二の角度と、前記第三テーパ部(207a)のテーパ面の前記軸直交方向に対する第三の角度とは略同じ角度(α)であり、
    前記拡径された穴(2)の加工時に、前記第一テーパ部(204)及び前記第二テーパ部(206)が前記穴(2)の内周に沿い、且つ、前記第三テーパ部(207a)が前記被加工物(1)の表面(1a)に沿いながら、前記ドリル(200)が前記穴内で旋回することを特徴とするドリル。
  2. 請求項1記載のドリルにおいて、
    前記ドリル本体(210)は、前記切刃部(201)及び第一テーパ部(204)間に、第二の縮径部(203)を有する、ことを特徴とするドリル。
  3. 請求項1又は2に記載のドリルにおいて、
    前記第一テーパ部(204)及び第二テーパ部(206)は夫々、少なくとも1つの円周方向に伸長する周溝(204a,206a)を有する、ことを特徴とするドリル。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のドリルにおいて、
    前記切刃部(201:201a)の回転外径は、第一のテーパ部(204)の先端側縮径部から先端方向へ漸次拡大する、ことを特徴とするドリル。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のドリルにおいて、
    前記切刃部のうちの切刃部先端部(201b)の回転外径は、前記切刃部の先端側端部から先端方向へ漸次縮小する、ことを特徴とするドリル。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のドリルにおいて、
    前記ドリル本体(210)は、その先端において開口(202b)し且つ軸方向へ所定位置まで伸長して前記つば部又は該ドリル本体の該つば部よりシャンク部側において開口(209b)する貫通孔(209a,209b)を備える、ことを特徴とするドリル。
  7. 請求項6記載のドリルにおいて、
    前記先端側開口部(202b,202b’)は2つ以上であり、少なくとも1つの該先端側開口部が、前記ドリル本体(210)の先端方へ突出する切刃部先端部(201b)の両側に夫々設けられる、ことを特徴とするドリル。
  8. 請求項6又は7に記載のドリルにおいて、
    前記ドリル本体(210)の、前記シャンク部側開口部(209b)に対応する前記つば部(207)又はシャンク部側部分(209)に嵌合的に取付固定され、前記切刃部(201)で生ずる切粉を前記貫通孔(209a,209b)を介して吸引する吸引アダプターを更に備える、ことを特徴とするドリル。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載のドリルにおいて、
    前記シャンク部(211)は前記ドリル本体(210)に別体的に設けられ、該ドリル本体後端に該シャンク部の第一の係止手段(211a)と係合するための第二の係止手段(209e)を有する、ことを特徴とするドリル。
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