JP3798875B2 - 多段階重量選別装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被計量物の計量値に基づき多段階のランク別に被計量物を選別する多段階重量選別装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多段階重量選別装置は、予め被計量物を予め複数のランクに区分する設定がなされ、供給された被計量物の計量値によって対応するランクに排出処理される構成となっている。この多段階重量選別装置の構成は、同出願人の出願による特公平2−16978号公報に開示されている。
【0003】
装置を鮮魚の多段階選別に適用した例を図8の概要図を用いて説明する。
各ランクは、いずれも一様に7.5kgの表記重量を満たすよう箱詰めされる。また、各ランク内の尾数は、それぞれ40尾、45尾、50尾、55尾、60尾等の規定された尾数に設定されるものとする。
例えば、55尾7.5kgのランクでは1尾の平均目標質量が136g、60尾7.5kgのランクでは1尾の平均目標質量が125gとなる。
【0004】
そして、被計量物の計量後のランク分けのために隣接するランクの平均目標質量同士の中間値(5:5の比率)をリミット値Lとし、このリミット値Lを基準とする計量値によりいずれかのランクに振り分ける方法が汎用されている。
例えば、55尾と60尾をランク分けするためのリミット値Lは136gと125gの中間値、即ち130.5gとして設定され、計量値が130gの鮮魚は60尾のランクに選別処理され、140gの鮮魚は55尾のランクに選別処理される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リミット値を上述のように設定することは、被計量物の計量値の確率分布が一様分布である場合には有効であるが、自然漁獲、収穫物としての鮮魚等では漁獲時期や漁獲場所等の要因で各計量値の分布にばらつきが生じるため、そのまま使用すると以下のような問題を生じる。
【0006】
例えば、計量値が40尾〜60尾の間で図示のように正規分布していたとして、リミット値近傍の鮮魚が多く計量された場合、例えば130.5gをリミット値としたとき、130g前後の鮮魚が連続して計量されたとき、この60尾のランクにおける箱詰重量は7.5kgより重い重量として出荷されることになる。
同時に、55尾のランクは7.5kgより軽い重量となる。
【0007】
箱詰め後の重量は、規定された表記重量未満となることは好ましくなく、概ね選別装置を取り扱う出荷業者は、箱詰重量を表記重量(7.5kg)+入れ目(100g程)とした目安で出荷している。
従来のリミット値の設定では、この入れ目を規定された表記重量に近づけることができず、さらに、入れ目を設けていてもこの入れ目よりさらに重い重量のまま出荷されており、不要な損失分を解消できない状態のままであった。
【0008】
特に、多段階重量選別装置は、大量の鮮魚を短時間で多段階選別して出荷する必要がある出荷業者に設置された場合、各箱毎に生じる余計な損失分だけでも多額になる。
このように、どのランクにおいても箱詰重量をできるだけ表記重量(7.5kg等)に近づけたい要望があるものの、具体的に解決する手段は提示されていない。
【0009】
尚、リミット値を手動調整し、隣接するランクの平均目標質量同士間の比率を可変することも考えられるが、この手動調整では各複数のリミット値をそれぞれ個別に調整しなければならず誤設定が起きやすい。
また、入れ目を減少させるためには、被計量物の計量値の分布定数を把握した上で各複数のリミット値を調整しなければならないため、習熟者でなければ行えなかった。ここで誤設定された場合には隣接するランクでの箱詰重量が表記重量を下回ったり、大幅に上回ることがある。
【0010】
さらに、上記図を用いて説明した分布定数(計量値のばらつき)が図中点線方向等へ移動したり、分布定数自体が変化(分布カーブの高さの変化等)したときには、その都度リミット値を手動調整し直さなければならず煩雑となる。この分布定数は、鮮魚の漁獲時期や漁獲場所等の違い等を要因として変化する。
【0011】
上記説明では、被計量物が漁獲される鮮魚とした例を説明したが、これに限らずそれぞれ計量値が異なる被計量物が予め総個数と総重量が規定された上で多段階の重量選別を行うときには、同様の問題が生じる。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためなされたものであり、計量値にばらつきがあり多段階選別される被計量物に対し、各ランクでの総個数と総重量を満足させ、かつ選別後の総重量を規定された表記重量に近接させることができる多段階重量選別装置及び方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の多段階重量選別装置は、被計量物の計量値に応じて複数段階に選別する多段階重量選別装置において、
被計量物の重量を計量する秤量手段と、
複数ランクの重量範囲を規定するリミット値が設定され、前記秤量手段から出力された被計量物の計量値に応じて該被計量物のランクを判別し対応するランク指定信号を出力する指示器と、
前記複数のランクに応じて複数設けられ、前記指示器から出力されるランク指定信号に基づき前記被計量物を該当するランクに排出させる排出シュートと、
を具備し、前記指示器には、
各ランクから排出される被計量物の総重量と、各ランク別の被計量物の総個数が入力される入力手段と、
前記入力手段から入力された総重量と総個数に基づき各ランク別の平均重量を決定し、該ランク別の平均重量と既知の計量値の分布から決定される分配比率に応じて隣接するランク同士間の前記重量範囲を規定するリミット値を算出する処理手段と、
が設けられたことを特徴としている。
【0014】
また、請求項2記載のように、前記入力手段には被計量物の計量値のばらつきを分布定数として入力され、
前記処理手段は、前記ランク別の平均重量と前記分布定数に基づきリミット値を算出する構成としてもよい。
【0015】
本発明の多段階重量選別方法は、被計量物の計量値に応じて複数段階に選別する多段階重量選別方法において、
入力された各ランクにおける被計量物の総重量と、複数の各ランク別の被計量物の総個数に基づき各ランク別の平均重量を算出する工程、
前記算出された平均重量のうち隣接するランク同士の平均重量と、既知の計量値の分布から決定される分配比率に応じて各ランクの重量範囲を規定するリミット値を算出する工程と、
被計量物の重量を計量する工程と、
前記各ランクのリミット値に基づき前記被計量物のランクを判別する工程と、を含むことを特徴としている。
【0016】
また、請求項4記載のように、前記リミット値を算出する工程では、前記算出された平均重量のうち隣接するランク同士の平均重量と、被計量物のばらつきとして入力された分布定数に基づき各ランクリミット値が算出される構成としてもよい。
【0021】
装置の指示器5を操作して各ランク共通の総重量と各ランク個別の総個数が入力されると、処理手段12は、総重量と総個数に基づき各ランク別の平均重量Cnを算出した後、隣接するランク同士の平均重量Cnと、予め設定された分配比率αに応じてランク間の境界値(リミット値)を算出する。
被計量物は秤量手段3で計量された後、計量値は複数のリミット値によりいずれのランクであるかが判別され、対応するランクの排出シュート4から排出される。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、多段階重量選別装置を示す側面図である。
装置は、被計量物を重量別に多段階選別する選別ユニット1と、選別ユニット1内の搬送コンベア2の搬送途中に設けられた秤量手段3、及び複数の排出シュート4(4a〜4n,nは個数)と、装置各部を制御する指示器5で大略構成されている。
【0023】
選別ユニット1上には、被計量物が投入される導入ユニット6が設けられ、投入された被計量物はこの導入ユニット6上で均されながらA方向に搬送され、C点で反転する際に選別ユニット1の搬送コンベア2上に移載される。
選別ユニット1は駆動手段7により図中方向に搬送駆動され、搬送途中に設けられた秤量手段3で被計量物の計量値が測定される。測定された計量値は指示器5に出力され、指示器5は予め複数設定された各ランクのうちいずれに相当するかを判断する。このランク分けの構成は前述したため省略する。
【0024】
そして、被計量物が対応するランクの排出シュート4n部分に達したとき、指示器5は該排出シュート部分に設けられた選別ゲートを選択的に作動させ、被計量物をこのランクの排出シュート4nに排出させる。
排出シュート4の端部には、それぞれ同一の大きさの収容箱が用意されており、この箱に予め設定された総重量に達するまで箱詰めさせる。ここで指示器5は、各排出シュート4から排出された被計量物の計量値をそれぞれ加算して箱詰めの総重量に達するまで排出させる。
【0025】
図2は、指示器5内に設けられるハードウェア構成を示す図であり、本発明装置の要部が示されている。
指示器5には、キーボード等からなる操作手段10と、CPUからなる処理手段12と、RAM,ROM等のメモリからなる記憶手段13と、処理手段12の処理結果に基づき被計量物をランク選別するランク選別手段14が設けられている。
うち、操作手段10は指示器5の筐体に設けられ外部操作可能であり、処理手段12、記憶手段13、ランク選別手段14は筐体内の回路ユニットに設けられる。
【0026】
以上説明した各構成を各実施形態共通の構成として、始めに第1の実施形態を説明する。
操作手段10からは、各ランク共通の総重量Wt(箱詰め重量)、各ランク別の総個数Bn、上限リミット値Lu、下限リミット値Ldが入力される。総個数Bnは、被計量物の重量値のばらつきに対応して複数(B1〜Bn)設定される。
処理手段12は、入力された総個数Bnと各ランク別の総個数Bnに基づき各ランク選別のために複数のリミット値Ln(n=1〜n)を算出する。
【0027】
記憶手段13には、前記複数のリミット値の算出処理のための複数のファイルが一時的に作成される。作成されるファイルはWt記憶ファイル、Bn記憶ファイル、平均重量Cn記憶ファイル(n=1〜n)、リミット値Ln記憶ファイル(n=1〜n)である。
また、記憶手段13には、固定の分配比率α(例えばα=0.5)を記憶する分配比率α記憶ファイルが設けられる。この分配比率αは予め操作手段10の操作によって入力されている。
また、入力された上下限リミット値Lu,Ldは、Lu,Ld記憶ファイルに記憶される。この上下限リミット値Lu,Ldは、多段階選別時に過少、過大重量の被計量物Wkをランク分け処理から排除し排出シュート4のうち不良ランクとして割り付けられた排出シュート4部分から排出させるために用いられる。
【0028】
ランク選別手段14は、処理手段12で算出された複数のリミット値Lnに基づき被計量物の計量毎に入力される計量値Wkが複数のランクのうちどのランクに属するかを判別し、ランク指定信号Rを出力する。
このランク指定信号Rに基づき多段階重量選別装置は、上述したように被計量物が対応するランクの排出シュート4n部分に達したとき対応する選別ゲートを選択的に作動させて被計量物をこのランクの排出シュート4nに排出する。
【0029】
次に、各ランク別のリミット値Lnの算出処理を図3のフローチャートを参照して説明する。
まず操作手段10から各ランク共通の総重量Wt(箱詰め重量)、各ランク別の総個数Bnが入力される(SP1)。
入力されたWt,Bnは、それぞれWt記憶ファイル、Bn記憶ファイルに一時的に記憶される。ここで、総重量Wtは、各ランク共通の大きさの箱の表記重量Whと入れ目Wiの合計値であり、被計量物は箱に対し表記重量に加えこの入れ目分だけ余分に入れることを目標として入力される。また、総個数Bnは、各ランク別の箱で夫々異なり、各ランク別の箱に入れられる被計量物の総個数が入力される。
【0030】
処理手段12は、Wt記憶ファイルと、Bn記憶ファイルからWtと複数のBnを読み出し、各ランク別の平均重量Cnを算出する(SP2)。
各ランク別の平均重量Cnは、各ランク共通の総重量Wtと各ランク別の総個数Bnに基づき、
Cn=Wt/Bn…(1)
(但しnは1〜n)
なる演算式を実行処理することで得られる。
得られたCnは、平均重量Cn記憶ファイルに一時的に記憶される(SP3)。
【0031】
上記(1)式は、あるランクでの平均重量Cnを示すものであり、処理手段12は全ランクの平均重量C1〜Cnが得られるまで上記式(1)を繰り返し処理する(SP4)。
具体的には、当初、Bn記憶ファイルからランク1(B1)の値に基づきC1を得た後には、ランクを変えるためにBn記憶ファイルから次のランクのB2の値を読み出して、該次のランクにおける平均重量C2を得ることを繰り返す。
【0032】
全ランクの平均重量Cnが得られた後、各ランク別のリミット値Lnを算出処理する。
まず、基準とするランクとこのランクに隣接するランクの平均重量C1〜Cnを平均重量Cn記憶ファイルから読み出す(SP5)。例えばランク1を基準としたとき、ランク1とランク2それぞれの平均重量C1(Cn)、C2(Cn+1)が読み出される。
また分配比率α記憶ファイルから固定の分配比率αを読み出す(SP6)。
【0033】
次に、処理手段12は、読み出したランクの平均重量Cn,Cn+1、固定の分配比率αに基づき基準のランクにおけるリミット値Lnを算出する(SP7)。
Ln=Cn+((Cn+1)−Cn)×α)…(2)
(但しnは1〜n)
得られたLnは、リミット値Ln記憶ファイルに一時的に記憶される(SP8)。
【0034】
上記(2)式は、ある基準としたランクでの上限のリミット値Lnを示すものであり、処理手段12は全ランクのリミット値C1〜Cnが得られるまで上記式(2)を繰り返し処理する(SP9)。
具体的には、当初、ランク1(C1)のリミット値L1を得た後には、ランクを変えるために次のランクC2の値を読み出して、該次のランクにおけるリミット値L2を得る処理を繰り返す。
【0035】
上記一連の処理により、複数のランクC1〜Cnと、各ランクにおけるリミット値L1〜Lnが得られ、ランク選別手段14に設定される。
図4は、横軸を重量として各ランクC1〜C5と、各リミット値L1〜L4の設定状態を示す図である。
ここで、分配比率αが0.5に設定されていた場合には、各隣接するランクの平均重量Cn同士の中間値がリミット値Lnとして設定される。
【0036】
具体例を用いて説明すると、被計量物として鮮魚を多段階重量選別する場合に、各箱に箱詰めされる総重量Wtは7.5Kgで共通とし、各ランクでの総個数(総尾数)は、それぞれ60尾,55尾,…,40尾というように5ランクのランク分けが規定され、設定された分配比率αが0.5であった場合で説明する。
この場合、Wtと各Bnの入力により、各ランクにおける平均重量Cnはそれぞれ図示のようにC1=125g,C2=136g,…,C5(Cn)=188gとして算出される。
また、C1のランクにおけるリミット値L1は、これらC1,C2の中間値の重量130.5gとなり、C2のランクのL2は143g,…,C4のL4(Ln)は177.5gとなる。
【0037】
ランク選別手段14に各ランクのリミット値L1〜Lnが設定されることにより、多段階重量選別装置での多段階重量選別が行えるようになる。
そして、被計量物としての鮮魚は、導入ユニット6上で均された後、選別ユニット1に移載される。この鮮魚は秤量手段3で計量されると、計量値Wkが指示器5に出力される。
【0038】
指示器5内のランク選別手段14は、測定された計量値Wkがどのランクであるかを判別する。例えば計量値Wkが134gである場合、リミット値L1(130.5g)を超え、リミット値L2(143g)をした回ったものであることに基づき、この鮮魚はランク2(55尾)であると判別され、対応するランク指定信号を選別ユニット1に出力する。
これにより選別ユニット1は、この鮮魚が対応するランクの排出シュート4に達したときに対応する選別ゲートを選択的に作動させて被計量物をこのランクの排出シュート4に排出させる。
【0039】
ところで、ランク選別手段14は、上下限リミット値Luを超えた、あるいは下限リミット値Ldを下回った計量値Wkが入力されたときには、不良ランクであるとして対応する排出ユニット4部分に排出する。
【0040】
上記構成のように自動的にリミット値Lを算出する構成において、このリミット値が変更される時期は、▲1▼被計量物の種類が変更されたとき(被計量物の大きさの変更等に伴う計量値の変動時)、▲2▼a.箱の大きさがが変わり表記重量が変わった場合、b.入れ目が変わった場合(箱詰重量の変更時を含む)、▲3▼各ランク別の総個数(尾数)の変更時等である。
【0041】
上記構成における分配比率αは0.5とした数値であったが、これは上記式(2)での算出処理上の定数として扱われる。この構成によれば、各ランクC1〜Cnのリミット値L1〜Lnは、隣接するランク同士の平均重量C1〜Cnの中間重量値に設定される。
即ち、分配比率αは、リミット値Lnが各ランクCnの重量範囲をX:Y(5:5)に分配することを意味するものであるから、上記式(2)のみに限らず、このX:Yの分配の状態を算出できる方法によれば、他の算出処理であっても同様の分配比率αを有してリミット値Lnを得ることができるようになる。
この分配比率αは、全てのランクに対し適用されるものであるから、被計量物の計量値のばらつきが一様分布であるときに有効である。
【0042】
上記分配比率αは、操作手段10を操作(分配比率設定手段の操作入力)により、各ランクを異なる分配比率α、例えば、4:6の分配の状態に可変設定することができる。このとき上記(2)式で用いられる分配比率αの数値は0.4となる。
この分配比率の変更は、被計量物の計量値のばらつきが所定の分布定数を有する場合(例えば正規分布)に重量の重い側にリミット値Lnをシフトさせることができ、これにより各ランクでの箱詰重量を表記重量に近づけることができるようになる。
また、各ランク別に異なる分配比率αを用いることもでき、被計量物の計量値のばらつきの度合いに合わせて適したリミット値を設定できるようになる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5はこの第2実施形態のハードウェア構成を示す図である。同図において、前記第1実施形態と同一の構成部の説明は省略する。
この実施形態では、被計量物の分布定数、即ち平均値Xバー(書式の便宜上バーと記載したが、所謂Xの頭部に線が引かれたもの)、及び標準偏差Sに一般定数を用いてこの分布定数に適合したリミット値Lnを得る構成である。
このため、本実施形態では操作手段10に分布定数設定手段を設け、平均値Xバー、及び標準偏差Sが入力設定可能に構成し、記憶手段13には入力された分布定数を記憶する分布定数記憶ファイルを作成する。
【0044】
図6は、被計量物(鮮魚)の分布状態を示す図である。横軸は重量、縦軸は確率密度である。例えば鮮魚の分布定数が同図に示すような正規分布であった場合には、平均値Xバーを中心として重量は軽い側と重い側に対象な分布カーブとなる。
【0045】
そして、この実施の形態では、各ランクのリミット値Lnを算出する上で、始めにいずれかのリミット値Lnを前記実施の形態で説明した固定の分配比率αに基づき、前記式(2)の演算を実行することにより得る。
例えば、リミット値L1を基準として得る場合には、
L1=C1+((C2−C1)×α)
を実行する。このときの分配比率αは前記分配比率α記憶ファイルに設定された値である。
上記演算により得られたリミット値L1は、リミット値Ln記憶ファイルに一時格納される。
【0046】
以降、他の各リミット値L2以降は、基準とするリミット値Ln(L1)と、平均重量Cn記憶ファイルに記憶されているCnの値、分布定数記憶ファイルに記憶されている平均値Xバー、標準偏差Sを参照して下記式(3)を実行して得る。
【0047】
【数1】
【0048】
なる条件を満足させたときのwの値が次のランクのリミット値L(n+1) とされる。このリミット値L(n+1) はリミット値Ln記憶ファイルに記憶される。
【0049】
図7は、同第2実施形態におけるリミット値Ln算出処理のフローチャートである。
SP1〜SP4に示された各ランクの平均重量Cnを算出する各処理は前記第1実施形態と同様である。また、SP5〜SP8ではランク1に関するリミット値L1のみを算出する点で前記第1実施形態同様の処理がなされる。
【0050】
この後、以降の全リミット値Lnを順次算出していくが、各リミット値Ln(L2〜L4)は、前記式(3)に基づき得られる。
この式(3)の具体的な処理内容を説明すると、まず、リミット値Ln記憶ファイルからランク1のリミット値L1を読み出す(SP9)。
また、リミット算出処理上で仮想の可変パラメータY,X,wが用いられる。(wは後述するように処理手段12内に設けられたw増加手段12aにより必要時に一定量づつ加算調整される)。
これらY,X,wは初期状態で0クリアされる(SP10)。
【0051】
次に、
(w−C(n+1) )×K(w) …(4)
なる演算結果をパラメータXとする演算を行う(SP11)。
このときの確率密度K(w)は、上記分布定数ファイルから平均値Xバー、及び標準偏差Sを読み出し、下記式(5)の処理を実行して得られる。
【0052】
【数2】
【0053】
上記パラメータXはY=Y+Xとして新たなパラメータYに置き換えられ、パラメータファイルに一時記憶される(SP12)。
次に、Yが0以上か否かを判別する(SP13)。
結果、Y>0であれば、前記式(3)を満足させるものであると判断して、そのときのパラメータファイルに記憶されていたパラメータwをこのランク2でのリミット値L(n+1) としてリミット値Ln記憶ファイルに記憶させる(SP14)。
【0054】
一方、Y≦0である場合には、w増加手段12aによりwを所定量増加させる(SP15)。
増加量は予めw0 として設定されている。このw0 はリミット値算出時の精度に影響するものであるため、例えば0.1(g) 等に設定する。
この後、SP11に移行して同様の処理を行う。
このようにしてパラメータwを増加させていきSP13の条件を満足させ得たときのwをこのランクのリミット値L(n+1) として得ることができる。
【0055】
以上の処理でこのランク2、即ちランク1をnとしたとき(n+1) のランクでのリミット値L2、即ちL(n+1) が得られる。
この後、全てのランクL1〜Lnまでの各リミット値L1〜Lnが得られたか否かを判断する(SP16)。
以降、次のランク3でのリミット値L3はリミット値L2を参照して得るため、LnをLn+1に更新して(SP17)、SP9に移行し同様に前記式(4)の算出処理を繰り返し実行して、全てのランクのリミット値Lnを得て終了する。
【0056】
例えば、リミット値L2は、前記式(3)に基づき、
【0057】
【数3】
【0058】
なる条件を満足させたときのwの値がランク2のリミット値L2とされる。
【0059】
全ランクのリミット値Lnはランク選別手段14に設定され、前記実施例同様、このリミット値Lnに基づき被計量物は各ランク別に多段階選別される。
そして、この実施形態によれば、被計量物の計量値が正規分布でばらついていた場合に、この分布に基づき各ランクのリミット値が平均重量Cnに対応した分配比率に自動設定できるようになる。
これにより、被計量物を連続して計量していく場合に、各被計量物の計量値がこの正規分布のばらつきの範囲内で発生した場合には、各ランクそれぞれに振り分けられた後の箱詰重量を目標重量にできるだけ接近させることができるようになる。
【0060】
尚、上記説明では、基準となるリミット値Lnをランク1のリミット値L1として説明したが、基準となるリミット値Lnに下限リミット値Ldを用い、ランク1のリミット値L1を下限リミット値Lnを参照し前記算出を実行することにより得る構成としてもよい。
【0061】
上記構成の変形例としは、分布定数の標準偏差S、及び平均値Xバーに一般値を用いる構成としたが、多段階重量選別装置で選別する被計量物は、過去の計量実績に基づき分布定数を用いることができる。
例えば、被計量物が鮮魚である場合、分布定数は漁獲時期や漁獲場所等によってそれぞれ過去の実績値が得られる。
この過去の計量実績に対応した分布定数(標準偏差S、及び平均値Xバー)を分布定数記憶ファイルに記憶し、記憶手段13のROMや別途外部記憶手段のHDD等、消去されないよう保存可能な手段に過去の履歴として保存しておくことにより、該当する被計量物を多段階選別する際に読み出して前記リミット算出処理を実行する構成とすることもできる。
この場合には、被計量物の計量値のばらつきに対してより最適なリミット値が算出でき、各ランクでの箱詰重量を目標重量に最も接近させることができるようになる。
また、上記実施の形態で説明した例に限らず、過去の計量値の実績の度数分布に基づき前記式(5)の確率密度を求める構成としてもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、被計量物のランク毎の総重量とランク別の総個数を入力するだけでリミット値が算出でき、リミット値設定作業を簡単に行えるようになる。そして、計量値にばらつきがある被計量物であっても各ランクでの総個数と総重量を満足させて多段階に選別することができるようになる。
また、被計量物の種類が変更されても簡単な操作で容易に対応でき、リミット値の誤設定も防止できる。
リミット値は、入力された総重量と総個数に基づき各ランクの平均重量がそれぞれ求められた後に、既知の計量値の分布から決定されて入力される所定の分配比率に応じて求められる。
この分配比率が入力設定される構成とすれば、各ランクでの総重量を設定した総重量に近接させることができるようになる。
また、分配比率に代えて被計量物のばらつきを示す分布定数を入力する構成とすれば、より各ランクでの総重量を設定した値に近接させることができるようになる。この分布定数として過去の実績値を用いる構成とすれば、各ランクでの総重量を設定した値に最も近接させることができるようになる。
これにより、被計量物を箱詰め出荷する際に規定された表記重量を満足しつつ余分な入れ目を削減できるようになり、出荷業者の損失分を減少できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多段階重量選別装置を示す側面図。
【図2】第1実施形態におけるハードウェア構成を示す図。
【図3】同装置によるリミット値算出処理を示すフローチャート。
【図4】各ランクと各リミット値の設定状態を示す図。
【図5】第2実施形態におけるハ−ドウェア構成を示す図。
【図6】被計量物(鮮魚)の計量値の分布状態を示す図。
【図7】第2実施形態におけるリミット値算出処理のフローチャート。
【図8】多段階選別の概要図。
【符号の説明】
1…選別ユニット、2…搬送コンベア、3…秤量手段、4(4a〜4n)…排出シュート、5…指示器、6…導入ユニット、10…操作手段、12…処理手段、13…記憶手段、14…ランク選別手段。
Claims (4)
- 被計量物の計量値に応じて複数段階に選別する多段階重量選別装置において、
被計量物の重量を計量する秤量手段と、
複数ランクの重量範囲を規定するリミット値が設定され、前記秤量手段から出力された被計量物の計量値に応じて該被計量物のランクを判別し対応するランク指定信号を出力する指示器と、
前記複数のランクに応じて複数設けられ、前記指示器から出力されるランク指定信号に基づき前記被計量物を該当するランクに排出させる排出シュートと、
を具備し、前記指示器には、
各ランクから排出される被計量物の総重量と、各ランク別の被計量物の総個数が入力される入力手段と、
前記入力手段から入力された総重量と総個数に基づき各ランク別の平均重量を決定し、該ランク別の平均重量と既知の計量値の分布から決定される分配比率に応じて隣接するランク同士間の前記重量範囲を規定するリミット値を算出する処理手段と、
が設けられたことを特徴とする多段階重量選別装置。 - 前記入力手段には被計量物の計量値のばらつきを分布定数として入力され、
前記処理手段は、前記ランク別の平均重量と前記分布定数に基づきリミット値を算出する構成とされた請求項1記載の多段階重量選別装置。 - 被計量物の計量値に応じて複数段階に選別する多段階重量選別方法において、
入力された各ランクにおける被計量物の総重量と、複数の各ランク別の被計量物の総個数に基づき各ランク別の平均重量を算出する工程、
前記算出された平均重量のうち隣接するランク同士の平均重量と、既知の計量値の分布から決定される分配比率に応じて各ランクの重量範囲を規定するリミット値を算出する工程と、
被計量物の重量を計量する工程と、
前記各ランクのリミット値に基づき前記被計量物のランクを判別する工程と、を含むことを特徴とする多段階重量選別方法。 - 前記リミット値を算出する工程では、前記算出された平均重量のうち隣接するランク同士の平均重量と、被計量物のばらつきとして入力された分布定数に基づき各ランクリミット値が算出される構成とされた請求項3記載の多段階重量選別方法。
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