JP3798813B2 - 車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents

Description

技術分野：
本発明は、添付の請求項１の前提部に記載の自動車両において用いられるディスクブレーキの配置に関する。
発明の背景：
例えば重車両に通常用いられるブレーキシステムの問題点の１つとして、以下のようなものが挙げられる。即ち、ブレーキ位置とブレーキ解除位置との間でブレーキパッドユニットを変化させる作動手段は端部セクションを有し、この端部セクションは、特定の条件下、例えば、ブレーキパッドユニットの段階的な摩耗のためブレーキパッドユニットを調整している間に、ねじり力の影響を受け、その結果、例えば、カバリングブート（covering boots）等に損傷を与え、それに伴ってほこり防御シーリング手段としてのカバリングブートの機能を低下させる。
発明の要旨：
本発明の目的は、作動手段のシーリング手段が長期にわたってその保護機能を確実に維持できるような配置を提供すること、ならびに車両整備の必要性およびブレーキ故障の危険性を減少させることである。
上記の目的は、本発明による配置によって成し遂げられ、その特徴は、添付の請求項１に詳述されている。
【図面の簡単な説明】
本発明を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に記載する。
図１は、本発明による配置を備えたブレーキキャリパの部分断面立面図である。
図２は、本発明による調整可能作動手段の中央断面図である。
図３は、図１の線III−IIIに沿った本発明による作動手段を通して見た断面図である。
好ましい実施態様：
図１は、いわゆる浮動式のキャリパ１を示し、キャリパ１は、くぼみ２に突出した一点鎖線で示すブレーキディスク３の部分に大きな対称力を与える。ブレーキディスクは、車両、例えば、トラックなどの重車両の車輪と共に回転するように車輪ハブ上に従来の様式で設けられる。この対称力は、（図示していない従来の様式で）ブレーキディスク３の回転軸に対して平行に摺動可能なキャリパの効力である。ブレーキパッドユニット４、５は、ブレーキディスクの２側面６、７の各側面に配置され、作動手段、さらに特定的には、２つのユニット８、９は、図示する例では片側のみに配置され、ブレーキパッドユニットの１つの外表面１０に直接作用する。ブレーキライニング５は、ブレーキパッドユニットの片側に従来の様式で配置され、ブレーキ／アクティブ位置において作動手段８、９によってブレーキディスクの両側に対して押圧され、ブレーキ解除／パッシブ位置においてブレーキライニング１１がブレーキディスクから近距離に配置される位置に戻るように設計されている摩擦面１１を有する。キャリパは、必ずしも浮動式である必要はない。浮動式でない場合も、２つの作動手段は、ブレーキパッドユニット４の外面上のキャリパの対向する側面に配置される。図示する例において、２つのブレーキパッドユニット４、５は、片側にブレーキライニングを有する鋼鉄製プレートとして形成されているが、同質のユニットとして摩擦材料から形成することも可能である。
作動手段８、９は機械的であり、作動手段８、９のブレーキ位置とパッシブ位置との間の矢印１２および１３の方向の線形往復ブレーキ運動は、キャリパの穴１５内を移動可能な第１タペットセクション１６を有するタペットアッセンブリ１４を変位させることによって成し遂げられる。穴の内部のタペットセクション１６は、その長軸がブレーキパッドユニットの主面５’と交差し、主面５’に実質的に垂直になり、その結果、ブレーキディスク３の回転軸１７に実質的に平行にになるように配置されている。タペットアッセンブリ１４のブレーキ運動は、例えば、重車両に一般に用いられている空気ブレーキシステムを用いて、すでに公知の様式で成し遂げられ得る。２つの作動手段８、９は、パッドおよびディスクが摩耗するにつれてアクチュエータの位置を次第に調整することを目的とする調整配置を有し、これも公知の様式で実施され得る。調整配置は、とりわけ、分離した回転手段（不図示）を有する。この回転手段は、すでに公知の構造を有することができ、タペットアッセンブリ１４のストロークを測定し、さらに、作動手段８内に設けられた調整機構を駆動し、上述した摩耗によって引き起こされるトラベルの増加傾向を弱めるように配置されている。この目的のために、回転手段には、ピニオン車輪１９が設けられ、ピニオン車輪１９は、タペットセクション１６のエンベロープ表面上にしっかりと固定されたギア車輪２０と係合し、タペットセクション１６をその長軸１８を中心に回転運動させる。タペットアッセンブリ１４のブレーキ運動、即ち、ブレーキディスクのブレーキ解除位置とブレーキ位置との切り替えは、圧力手段２１’によって公知の様式で圧力プレート２１に圧力をかけることによって成し遂げられ（図１を参照）、この圧力は、その環状端面２２を介してタペットセクション１６に軸方向に伝達される。このように、圧力プレート２１は、作動手段８の軸方向に移動可能であるが、任意のガイド手段（不図示）を用いて、回転的に固定され、即ち、回転しないようになっている。タペットセクション１６は、スリーブ形状で、タペットアッセンブリ１４の延長部２５を構成するタペットの第２部分の外部ねじ山２４に係合している内部ねじ山２３を有する。ねじを切った部分は、以下にさらに説明する動作伝達手段を形成している。延長部２５は、実質的に円筒状の空間２６内で軸１８の方向に軸方向に移動可能であり、タペットセクション１６内に形成され、タペットセクション１６は、その後部が圧力プレート２１によってシールされ、その前方部が実質的に円形開口部２７を有し、この円形開口部２７を通して延長部２５の前方端２８は突出する。この端部は、圧力ヘッド２９を支持し、圧力ヘッド２９は、ブレーキパッドユニットの外表面１０に対して軸方向の圧力を与え、この軸方向の圧力を与えている間、ブレーキパッドユニットをブレーキディスク３に対してブレーキ位置に移動させるように配置される。延長部２５は、圧力プレート２１と同様に、回転的に固定される。この回転的な固定は、図示する例では、ロッド３０を圧力プレート内の一端３１にしっかりと取り付けることにより圧力プレートに回転的に固定し、圧力プレート２１でロッド３０を支持することによって成し遂げられる。延長部２５は、後面方向に開口端３３を有する中央溝３２を有し、ロッド３０は、開口端３３を通して溝３２中へ延びている。延長部２５とロッド３０との間の非回転接続は、ロッドが非円形状の断面を有し、溝３２がそれに対応する断面を有するため確保される。それ故、ロッド３０は、溝３２内を軸方向に移動可能であるが、相互の相対的回転運動はできない。図２から明らかなように、ロッドおよび溝は、六辺形の断面を有するが、例えば、スプラインを備えるなど、他の不規則な外形も有し得る。
圧力ヘッド２９とキャリパ１との間には、弾性ブート３４の形状のほこりプロテクタが設けられている。ほこりプロテクタは、密封して取り付けられ、ラビリンスシールを提供するように、キャリパ内の環状溝３５および圧力ヘッド内の円形溝３６にそれぞれ取り付けられている。第１タペットセクション１６の円筒状エンベロープ面３７と、キャリパ面の円筒状穴１５との間には、例えば、円筒状穴内の環状溝４０におけるＯ−リングなどの、弾性シーリングリング３９の形状のシーリング部材が設けられている。内部ねじ山２３と空間２６の開口部２７との間には、弾性シーリングリング４１の形状の弾性シーリング部材が設けられている。この弾性シーリング部材は、タペットアッセンブリ１４とその延長部との間にシールを形成し、適切に円筒状に形成された部分４２に対してシールする。図示する例によると、シーリングリング４１は、開口部２７に近接したタペットアッセンブリ１４内の角のある溝４３内に設けられている。外部ねじ山２４は、延長部２５の全長の一部に限定される延長部を軸方向に有する。その長さおよび位置は、より正確には、その外部ねじ山２４がシーリングリング４１と接触せずに、溝４３の周囲の領域が外部位置にある延長部２５止め具を形成するように選択される。このように、シーリングリング４１と協働し、シーリングリング４１との最大シーリング相互作用を成すように領域４２を形成することが可能である。万一ブート３４が崩壊した場合、２つのシーリングリング３９、４１は、ブレーキシステムの内部にほこりが入らないように保護する。基本的に、圧力ヘッド２９は、延長部２５の前方端２８に回転しないように固定され得るが、例えば、圧力ヘッド内の溝４５内のロッキングリング４４を介して、延長部に多少緩くうまく接続されている。
作動手段８、９および関連の調整配置の機能は、以下の通りである。ブレーキの駆動は、アクチュエータに属するタペットアッセンブリ１４のすべてのパーツ、即ち、圧力プレート２１、タペットセクション１６、延長部２５、および圧力ヘッド２９のキャリパ１およびブレーキディスク３に対する共通の軸方向運動によって成し遂げられる。延長部２５は、そのねじ山が係合し、キャリパに対して延長部が回転しないため、タペットアッセンブリ１４の運動に追従する。ギア車輪２０もまた軸方向運動に追従し、ピニオン車輪１９に対して摺動可能である。ピニオン車輪１９は、ギア車輪よりも幅広であり、タペットセクション１６の全ストロークにおいて、ピニオン車輪１９とギア車輪２０との間の係合を維持するのに十分な幅を有する。公知の様式では、作動手段８、９に引き戻し力を積極的に加える必要はないが、非ブレーキ位置への切り替えは、ブレーキパッドユニット４、５をブレーキディスク３の回転運動によって後退させて圧力プレート２１への圧力およびブレーキ表面の凹凸を解除することによって実行される。回転手段（不図示）は、作動手段８、９の軸方向位置１８、または圧力プレート２１に対して動作するブレーキ機構（不図示）の運動を測定し、それによって、ブレーキディスク３方向へのピストン部材１６の軸方向変位がある量に到達したとき、回転手段は、ピニオン車輪１９が回転または一部回転するように駆動される。この回転手段は、圧力プレート２１に常に与えられる対向力によって軸方向位置に維持されるタペットセクション１６の逆の回転運動にギア車輪２０を介して伝達され、それによって、タペットセクション１６は、それ自身が調整移動中、即ち、回転運動中に軸方向的に固定されたままとなる。圧力プレート２１はキャリパ１に回転しないように固定されているため、圧力プレートとタペットセクション１６の端部２２との間にはある特定の摺動運動が可能である。延長部２５はロッド３０を介して回転運動しないようにされ、さらにタペットアッセンブリ１４と係合されるという事実から、延長部および圧力ヘッド２９の軸方向変位は、長軸１８の方向に起こる。タペットセクション１６の回転運動の方向および協働するねじを切った部分２３、２４のねじ山の方向は、回転運動によって、延長部２５が前方方向に移動し、圧力ヘッド２９がパッドユニット５の方に移動するように選択される。このようにして、ねじ運動の形態の規則的な運動が起こり、この運動は、圧力ヘッド２９または圧力ヘッドを支持する部分、即ち、軸方向運動の形態で延長部２５に伝達され、それによって、ブート３４には、ねじれ力はかからず、それ自身が自然に圧縮および伸張運動するだけである。規則的な運動のために、パッドユニット４、５の摩擦層の摩耗またはブレーキディスク３の摩耗に起因してある最大ストロークを越えることがないように保証され、それによって、ブレーキ機構に対して変わらない迅速性が使用期間中一定に保たれる。
本発明は、上記の説明にも図面に示す例にも限定されないが、添付の請求の範囲の範囲内で改変され得る。例えば、延長部２５の回転運動のブロッキングは、異なる方法、例えば、１つのタペット部材内の少なくとも１つの角のある溝またはらせん状の溝の形状でなされ得る。この溝は、もう１つのタペット部材上の突出部と協働する。回転手段およびブレーキの駆動配置は、従来のパーツを有し得る。このため、これらのパーツについてはこれ以上説明しない。

Claims (5)

1. キャリパ（１）内に収容された少なくとも１つのブレーキパッドユニット（４、５）を有し、該ブレーキパッドユニットは、一方の側面に摩擦面を有し、該摩擦面は、回転可能なブレーキディスク（３）に面するように設計され、それによって、ブレーキを駆動させると、該ブレーキパッドユニットのそれぞれは、該ブレーキパッドユニットの他方の側面に作用する少なくとも１つの作動手段（８、９）によってアクティブ位置に移動し、パッシブな後退位置に後退するように設計され、該作動手段（８、９）のそれぞれは、該作動手段の運動を該ブレーキパッドユニットの該他方の側面に伝達するように設計された端部（２１）を有し、それによって、該作動手段は、該キャリパ（１）内を移動可能なタペットアッセンブリ（１４）を有し、該作動手段のアクティブな位置とパッシブな位置との間でブレーキ運動をさせ、該作動手段はさらに、該タペットアッセンブリの部分を形成するタペットセクションを回転させることによって調整運動において該端部（２１）を軸方向に移動させ、該ブレーキパッドユニットの摩耗によるタペットストロークの変化を補償するように設計された調整手段を有し、該タペットアッセンブリ（１４）は、該ブレーキ運動を実行するために長軸（１８）に沿って該キャリパ（１）内を軸方向に移動可能で、該調整運動を実行するために該長軸を中心に回転可能な第１のタペットセクション（１６）を有し、該タペットアッセンブリ（１４）の端部（２９）は、回転ロッキング手段（３０）によって該キャリパ（１）に対して回転しないように保持され、さらに、運動転送手段（２３、２４）によって該第１のタペットセクション（１６）に接続されているタペット延長部（２５）によって支持され、それによって、該第１のタペットセクション（１６）の回転運動によって、該タペット延長部（２５）は、該第１のタペットセクションに対して軸方向変位し、該第１のタペットセクション（１６）は、スリーブ形状を有し、該タペット延長部（２５）とねじ係合される自動車両用ディスクブレーキのための配置であって、該第１のタペットセクション（１６）が内部にねじを切った部分（２３）を有し、該タペット延長部（２５）が該調整運動全体にわたって該第１のタペットセクション（１６）によって閉じられる外部にねじを切った部分（２４）を有し、該第１のタペットセクションには、該タペット延長部の円筒状のスリーブ形状の部分（４２）に対してシールするためのシーリング手段（４１）が設けられていることを特徴とする、自動車両用ディスクブレーキのための配置。
2. 前記回転ロッキング手段が、前記キャリパ（１）に対して回転しないように固定された非円形断面を有するロッド（３０）と、前記タペット延長部（２５）内に軸方向に延びた溝（３２）とから構成され、該溝は、該ロッド（３０）の該断面と相互作用し、相互回転ロックを成し遂げる断面を有することを特徴とする、請求項１に記載のディスクブレーキのための配置。
3. 前記ロッド（３０）は、その一端で、前記第１のタペットセクション（１６）の一端に当接した圧力プレート（２１）に回転しないように固定され、該圧力プレートは、前記キャリパに回転しないように固定され、該タペットアッセンブリに力を伝達し、そのブレーキ運動を成し遂げるように設計されていることを特徴とする、請求項２に記載のディスクブレーキのための配置。
4. 別のシーリング手段（３９）が、前記キャリパ（１）と前記第１のタペットセクション（１６）との間に設けられていることを特徴とする、請求項１に記載のディスクブレーキのための配置。
5. 前記外部にねじを切った部分（２４）が、前記タペット延長部（２５）の外側端部において、前記第１のタペットセクション（１６）の部分に設けられた停止当接部と係合するように配置されていることを特徴とする、請求項１に記載のディスクブレーキのための配置。

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