JPH022490B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はデイスクブレーキ用の制動ピストンの
成形方法に関し、さらに詳しくは制動ピストンと
ブレーキハウジングとの間に設置される柔軟なブ
ーツシールの端部を受けるチヤンネルおよび軸線
方向に延びるスプラインの形成方法に関する。

（従来の技術） 自動車の分野で周知のデイスクブレーキの一つ
の型はホイールと共に回転可能に取付けられる回
転デイスクまたはロータを利用する。そのブレー
キは車軸に取付けられるカリパス組立体であつて
デイスクの外側に重なる外側の延長部を備えたも
のと、デイスクの内側に整合するピストンを含
む。ピストンの軸線方向の移動はデイスクをその
間に捕捉し、デイスクとホイールの回転を防止す
るように摩擦力を起す。

２つのそのようなデイスクブレーキがDonald
J.Davidsonによつて1983年４月11日に出願され
た「デイスクブレーキ用のゆるみアジヤスタ」に
関する米国出願第484025号およびDavid D.Sheill
によつて1983年４月11目に出願された「デイスク
ブレーキ用のゆるみアジヤスタ」に関する米国出
願第484026号に開示されている。これらのブレー
キはデイスクの摩擦面に向つておよびそこから離
れるように軸線方向に移動するためブレーキのハ
ウジングに設置される非回転制動ピストンを利用
する。そのハウジングにはブレーキ作動装置が取
付けられる。ハウジング内に備えられる動力軸は
ピストンに共軸的に一致し且つブレーキ作動装置
により選択的な回転が可能である。その動力軸は
ハウジング内の動力軸ナツトに係合するウオーム
ギヤの歯を有し、その動力軸ナツトは回転が防止
され且つ動力軸の選択的な回転に直接的に相応し
て軸線方向に移動し得る。動力軸はピストンに作
動的に接続され、デイスクの摩擦面に向つておよ
びそこから離れるように軸線方向の移動を生じさ
せる。

（発明が解決しようとする問題点） これら２つの従来技術のブレーキはハウジング
内部に在るゆるみアジヤスタを利用するが、その
ような動力軸ナツトの利用はブレーキの全長に付
加することがわかつてきた。従つて、ハウジング
の外側にゆるみアジヤスタを利用する他の類似の
ブレーキが在つても、全長が最小のブレーキを備
える必要があり、可能な限り多くの要素を省略し
てもブレーキのハウジングの全長を不必要に大き
くする傾向がある。それにも拘らず、そのような
ブレーキを変更する企てには、ハウジングの内部
に望ましくないごみが入るのを防ぐための信頼性
のある装置、潤滑油がハウジング内に適切に保持
されるのを保証する装置、およびブレーキがその
期待された寿命の間有効に作動するのを保証する
他の特徴を含めなくてはならない。

（発明の概要） 本発明の目的は軸線方向に延びる複数のスプラ
インを形成する段階および柔軟なブーツシールを
受けるため制動ピストンのまわりに円周方向のチ
ヤンネルを備える段階を含むデイスクブレーキ用
の制動ピストン成形方法を提供することである。

本発明のこれらのおよび他の目的は車軸のまわ
りに回転可能に取付けられるデイスクを含む型の
デイスクブレーキ用の制動ピストン成形方法を含
む好適な実施例において実現できる。ブレーキハ
ウジングはデイスクの摩擦面に整合して車軸に取
付けられる。制動ピストンは少なくも部分的には
ハウジング内に取付けられる内端と、デイスクの
摩擦面の近くでハウジングの外側に外端を有す
る。ブレーキ作動装置はハウジングに取付けられ
る。動力軸は制動ピストンと共に整合してハウジ
ング内に設置され且つブレーキ作動装置により選
択的に回転され得る。動力軸は制動ピストンの内
端に在る係合歯にかみ合うウオームギヤの歯を有
する。

柔軟なブーツシール装置は制動ピストンの内端
を包囲し且つハウジングに固定された第１の端部
と制動ピストンのまわりの円周方向のチヤンネル
中に延びる第２の端部を有する。ハウジングは内
側の円筒面のまわりに複数の第１の軸線方向に延
びるスプラインを有する。この方法は円筒状の外
面を有する内端を伴なう制動ピストンを備える段
階と、外端に向いた部分であつて外端から遠方の
第１の半径方向の壁と外端に近い第２の半径方向
の壁を備え前記第１および第２の半径方向の壁間
には予め決められた距離がある前記部分の円筒状
の外面に円周方向の溝を形成する段階を含む。ハ
ウジングの内面の第１のスプラインにかみ合い且
つ円周方向の溝の第１の半径方向の壁で終るよう
に制動ピストンの内側の外面に複数の第２の軸線
方向に延びるスプラインが形成される。半径方向
の溝孔を有し且つ第１の半径方向の壁と第２の半
径方向の壁との間の前記予め決められた距離より
その間の距離が小さい第１の側部と第２の側部を
有するリング要素が弾性のある硬いプラスチツク
で形成される。第１の側部が第１の半径方向の壁
に対し且つ第２の側部が第２の半径方向の壁から
離れてその間に円周方向のチヤンネルを画成する
ように円周方向の溝にリング要素を設置するた
め、軸線方向の移動および第２の軸線方向に延び
るスプラインを取囲むのを可能にするようにリン
グ要素は膨脹される。

（実施例） 第１図に見られるように、好ましいカリパスデ
イスクブレーキ１０はホイール１４または類似物
に固定されたデイスクまたはロータ１２を利用す
る。ホイール１４はトラツクまたはトラクタのト
レーラ軸または駆動軸である車軸１６のまわりに
回転できるように設置される。カリパスブレーキ
１０は延長部１８と回転しないで軸線方向に可動
の制動ピストン２０を含み、それらはデイスクま
たはローラ１２の外側摩擦面２２と内側摩擦面２
４にそれぞれ整合する。可動なピストン２０の延
長部１８と外側２３はデイスク１２の両側との摩
擦接触を生じるためそれぞれシユーおよび摩擦パ
ツド２６と２８を用いる。

ピストン２０のみがカリパスブレーキ１０のハ
ウジング３０内で移動するようになつているが、
ピストン２０を移動させ且つ車軸１６にブレーキ
１０を取付けるのに用いられる方法は制動力がデ
イスク１２の両側に負荷されるのを保証する。詳
しくは、ブレーキ１０のハウジング３０は車軸１
６に固定されるトルク板３２に設置される。トル
ク板３２は一対のカリパススライドピン３４（第
１図には一つしか示さないが）を支持し、各スラ
イドピンはその中間部分で滑動可能に支持され、
その両端は軸線方向に延びている。ハウジング３
０の各側には一対の軸線方向に離れたサポート３
６がカリパススライドピン３４の両端を固定する
ため共軸に整合した孔が備えられている。従つ
て、ブレーキ１０のハウジング３０全体が車軸１
６およびデイスク１２に対し軸線方向に移動可能
である。

制動ピストン２０を軸線方向に移動させるた
め、好適なブレーキ作動装置は空気室３８を含
み、その空気室はそこから延びる作動ロツド４０
を有する。空気室３８はブラケツト４１によつて
ハウジング３０に固定され、そのブラケツトはハ
ウジング３０と共に移動するためハウジングの端
部閉止部４２と一体に形成される。作動ロツド４
０はそのロツド４０の内方および外方の移動によ
りアーム４４を回動するように作動アーム４４に
連結される。その作動アーム４４は「カムブレー
キ自動ゆるみ調整機構」に関する1976年４月13日
に発行された米国特許第3949840号に概略開示さ
れているゆるみ調整機構を含む型のものである。
しかしまた、同様なゆるみアジヤスタを有する或
る数の作動アームを用いることもできる。作動ア
ーム４４は動力軸４６に固定され且つ動力軸４６
が回転するとそれに応じてピストン２０を軸線方
向に移動することが理解されよう。

従つて、ブレーキ１０が作動されていると、摩
擦パツド２８がデイスク１２の内側面２４に接触
するまで、作動ロツド４０が作動アーム４４の回
転およびピストン２０の外方への移動を生じさせ
る。もし延長部１５の摩擦パツド２６がデイスク
１２の外側面１２に接触しないならば、摩擦パツ
ド２６と２８がデイスク１２に圧縮力を加えて、
その両側に所望の制動摩擦を生じるまで、ピスト
ン２０の連続移動によりトルク板３２に関しハウ
ジング３０の全体をカリパススライドピン３４に
おいて軸線方向に移動させる。表示した目的のた
め誇張されるが、ピストン２０のただ最小の軸線
方向の移動によりデイスク１２に充分な制動力が
負荷されるのを保証するためには、予め決められ
た通常の走行クリアランスが望ましい。明らかな
ように、摩擦パツド２６と２８の使用可能な材料
が摩耗し始めるので、走行クリアランスが或る程
度大きくなると迅速で信頼性のある作動に干渉す
る傾向がある。従つて、作動アーム４４内に含ま
れる従来技術のゆるみ調整装置はブレーキ１０の
寿命の間動力軸４６に関しアーム４４を再配置す
るように作用する。

第２図に見られるように、動力軸４６はハウジ
ング３０内で回転できるように取付けられ且つピ
ストン２０に共軸的に整合する。作動アーム４４
は動力軸４６にスプラインで連結されているの
で、ハウジング３０内で選択的に回転される。さ
らに詳記すれば、動力軸４６はブツシユ５０にお
いてハウジングの端部閉止部４２の穴４８内に設
置される。ブツシユ５０は好ましくはオイル含浸
粉末金属で作られ且つ穴４８内に圧入される。作
動中にハウジング３０の内部から動力軸４６が引
込むのを防ぐため、ハウジングの端部閉止部４２
によつて支持されるスラストワツシヤ５４に対
し、半径方向に延びる肩部５２がハウジング３０
の内部に捕捉される。好ましいスラストワツシヤ
５４の各種の細部に関し以下に述べられよう。さ
らにハウジング３０の内部への動力軸４６の望ま
しくない挿入を防ぐため、ワツシヤ要素５６がハ
ウジングの端部閉止部４２の外面に対し接触する
ように動力軸４６の外端を包囲し且つスナツプリ
ング５８によつて所定位置に保持される。

好適なブレーキ１０が適切に作動するために
は、ピストン２０はデイスクの方向にまたはそこ
から離れるように軸線方向の移動は可能であるが
著しい回転を確実に防止する仕方でハウジング３
０内において軸線方向に可動に設置されるのが望
ましい。さらに、ピストン２０は外面６２のまわ
りに複数の軸線方向に延びるスプライン６４を備
える内端６０を有する。ピストン２０の回転を制
限して動力軸４６によつて作動された際に軸線方
向の移動のみを可能にするため、スプライン６４
はハウジング３０の内面に在る対応のスプライン
６６にかみ合う。ピストン２０に制動力を加える
ことが要求された際に動力軸４６に回転運動を軸
線方向の移動に変換するため、動力軸４６のウオ
ームギヤの歯６８はピストン２０の内端６０の係
合する内側の歯７０にかみ合う。従つて、ピスト
ン２０は動力軸４６の選択的な回転に直接対応し
て軸線方向に移動する。

上記のように、好適なブレーキ１０はデイスク
１２に対する望ましい摩擦力を適当に生じるよう
に作用するが、ブレーキの適切な作用を保証する
付加的な考慮を要する基本設計の多くの特徴があ
る。明確には、この型のブレーキ内に生じる大き
な力のため、上記の要素間の各種の接触面はブレ
ーキ１０の寿命にわたり有効に作動するため適切
な潤滑を要する。従つて、ブレーキの寿命中ハウ
ジング３０の内部にグリースまたは他の適当な潤
滑油が定期的に供給されるのを確保するためグリ
ース用品７２が備えられる。さらに、ピストン２
０は包囲する柔軟なブーツシール７３を含むよう
に設計され、その第１の端部７４はハウジング３
０に固定され且つ第２の端部７５はピストン２０
の内端６０を包囲し、望ましくないごみがハウジ
ング３０の内部に入らないようにし且つその内の
種々の要素の作用に干渉しないようにしている。

一見すると任意のスプライン設計を用い得るよ
うであるが、ブレーキ１０の作動中ピストン２０
の有効で確実な移動を保証するのに備えられたス
プライン６４，６６の型に考慮すべきである。明
確には、スプライン６４，６６はスプラインの側
壁間のかみ合いより主要な直径のかみ合いである
のが好ましい。主要な直径におけるかみ合いの選
択は、動力軸４６で作動される際にピストン２０
の僅かな回転の可能性が在るが、ハウジング３０
内でピストン２０が動揺しないようにするため、
好ましいブレーキ１０においてなされた。もし公
差が主要な直径および側壁で微妙に維持されるべ
きであるならば、その結果両方の区域で生じる表
面接触はハウジング３０中へのピストン２０の内
端の設置を不当に複雑にする。従つて、一度設置
されると、ピストン２０は殆んど偏りのない状態
で軸線方向に移動することが期待されるが、ブレ
ーキの作動中に僅かな回転が起り得且つ期待され
る。

注意されたいことはスプライン６４はスプライ
ン６６より著しく長いことである。ピストン２０
の内端６０のスプライン６４はスプライン６６よ
り軸線方向に長く、ピストン２０が上述のゆるみ
アジヤスタによつて調整されると摩擦パツド２
６，２８の寿命中に生じるピストン２０の期待さ
れた再設置を可能にする。従つて、これまではピ
ストン２０の内端６０に関し言及されたが、その
内端６０は単に部分的にハウジング３０の内部に
在り且つ摩擦パツド２６と２８が摩耗するとハウ
ジング３０内から延びることを理解すべきであ
る。しかし、好適なブレーキ設計の一つの目的が
ブレーキ１０の全長を制限することであるため、
そのように延ばされたスプライン６４はピストン
２０の製作上の問題をもたらす。明らかなよう
に、もしブレーキ１０の全長に関連しないなら
ば、デイスク１２に向いたスプライン６４の未端
に充分な空間が与えられ、スプライン６４の端部
とブーツシール７３の第２の端部７５との間に充
分な軸線方向の空間が確保される。しかしなが
ら、ピストン２０の全長を減少するには、スプラ
イン６２をブーツシール７３に出来るだけ近くな
るように延すことが望ましい。その結果、ホビン
グ中にスプライン６４を備えるという企てはスプ
ライン６４の末端に使用しない部分を付加するこ
とになり、それがブーツシール７３がピストン２
０を包囲する区域に延長することがわかつた。こ
の問題を省くため、好適なピストン２０は先ず円
周方向の溝７６を含むように形成され、その溝は
デイスク１２に向いたスプライン６４の末端の設
計された位置に第１の半径方向の壁７８を有し、
且つ第１の半径方向の壁７８から軸線方向に離れ
た第２の半径方向の壁８０を有する。そのような
円周方向の溝７６がシエーピングによるスプライ
ン６４の形成を可能にするならば、シエーピング
工具がスプライン６４の成形中に各パスを完成す
るので金属の逃げのための円周方向の区域が与え
られる。しかし、ブーツシール７３の第２の端部
７５を受ける適当なチヤンネル８２を備えるため
リング要素８４が円周方向の溝７６に設置され、
且つリング要素は第１の半径方向の壁７８に対す
る第１の側部８６と、その間に円周方向のチヤン
ネル８２を画成するため第２の半径方向の壁８０
から離れた第２の側部８８を有する。

第３図に見られるように、好ましいリング要素
８４は硬く、弾性のあるプラスチツク材で作られ
且つ半径方向の溝孔９２を含み、スプライン６４
の全体にわたる膨脹を許容し、それが円周方向の
溝７６内に設置されるまで軸線方向の移動を可能
にする。さらに、周囲の縁９４はピストン２０の
作動中のブーツシール７３に保護を加えるためス
プライン６４を越えて半径方向に延びる寸法にな
つている。もちろん、摩擦パツド２６，２８の摩
耗の進行中にピストン２０は第２図に示す位置か
ら左方に著しく延び且つブーツシール７３の延長
はスプライン６４による破損の可能性を増すこと
に注意すべきである。

ハウジング３０とピストン２０の間へのブーツ
シール７３の設置を完成するため、ブーツシール
７３の第１の端部７４には埋込まれた金属部分９
６が備えられ、その部分は内部の円筒壁１００に
対するハウジング３０の円筒状のくぼみ９８内に
圧力ばねで取付けられる。そのように取付けられ
ると、ブーツシール７３は望ましくないごみがハ
ウジング３０の内部に入るのを防止する。

しかし、上記のように、ハウジング３０の内部
はブレーキの適切な作用を保証するため適当な潤
滑油が与えられるようになつている。その結果、
グリース用品７２において加圧して潤滑油を定期
的に再供給することは潤滑油がブーツシール７３
に直接著しい圧力を加えることになり、それによ
りブーツシール７３をハウジング３０またはピス
トン２０から取外すことになる。従つて、好適な
ブレーキ１０は潤滑油シール装置１２を含み、そ
れがスプライン６４，６６を介してブーツシール
７３に潤滑油が逃げるのを防ぐようになつてい
る。

好ましい潤滑油シール装置１０２を備えるた
め、円筒状のくぼみ９８は半径方向に延びる環状
の面１０８を含むベースを備えている。シールリ
ング１１０は主にニトリルゴムのような弾性的に
圧縮性のある材料で作られ且つ円筒状のくぼみ９
８内に設置される。シールリング１１０は第４図
に示すように、円筒状の壁１００に接触する外周
縁１１２と複数の歯１１６を含む内周縁１１４を
有し、それらの歯は受けられるように圧縮され、
且つ制御ピストン２０の内端６０の外側面６２の
複数の軸線方向に延びるスプライン６４とシール
接触する。第４図に示すように、シールリング１
１０は非圧縮状態にあり且つ歯１１６の寸法はそ
れらが受けられるスプライン６４の対応の寸法よ
り大きい。

シールリング１１０がブレーキの作動中に円筒
状のくぼみ９８内に保持されるのを保証するた
め、上記のようにブーツシール７３の金属部分９
６がシールリング１１０の引込むのを防ぐため設
置される。シールリング１１０に剛性を付加し、
且つブレーキの作動中に歯１１６がスプライン６
４に接触した状態を確実に保つようにするため、
シールリング１１０には環状の面１０８に対する
側面に半径方向に延びる環状の金属インサート１
１８が備えられ、それに剛性を加え且つシールリ
ング１１０が環状の面１０８にかたく接触するの
を確保している。

シールリング１１０がそのように設置される
と、用品７２に与えられた潤滑油はデイスク１２
に向いた端部においてハウジング３０の内部から
逃げることができない。しかし、潤滑油はハウジ
ングの他端から逃げ得るので、充分な量がハウジ
ング３０の内部に加えられた際に付加潤滑油を決
定することができる。明確には、潤滑油はブツシ
ユ５０の内面に形成された複数の軸線方向の溝１
２０を介して、スラストワツシヤ５４によつて通
過することができる。好ましいブレーキ１０で
は、６つのそのような溝１２０が備えられる。逃
げた潤滑は動力軸４６のまわりの端部シール１２
２によつて通過し且つハウジング３０内に挿入し
て動力軸４６を保持するワツシヤ要素５６におい
て見えるようになる。

上記のように、半径方向に飛びる肩部５２にお
いて動力軸４６に生じる推力を吸収するには任意
の型のスラストワツシヤ５４で適応できると考え
ることもできる。しかし、好ましいスラストワツ
シヤ５４はスチールで作られるが、肩部５２に近
接した面において或る型のポリテトラフルオロエ
チレンを備えてもよいことがわかつている。

ポリテトラフルオロエチレンは高い接触圧力で
は低い摩擦係数を有するが、低い接触圧力では比
較的高い保擦係数を示すことがわたつた。それ
故、ブレーキが先ず負荷され且つ動力軸４６とハ
ウジング端部の閉止部４２との間に極く僅かな回
転が期待される。もしスラストワツシヤ５４がこ
のように回転され得るならば、端部閉止部４２の
近くの表面におけるスチールの望ましくない且つ
許容の得ない摩耗が起り得る。従つて、第２図お
よび第５図に見られるように、好ましいスラスト
ワツシヤ５２にはアツプセツト部分１２４が備え
られ、その部分は端部閉止部４２の内面において
半径方向に延びるくぼみ１２６内に受けられる。
このようにくぼみ１２６に設置されたアツプセツ
ト部分１２４により、スラストワツシヤ５４は、
ブレーキ１０の使用中にスチールに過度の摩耗を
生じさせ且つ有効な作用に干渉する回転が防止さ
れる。

ブレーキ技術の当業者には特許請求の範囲内で
好適なブレーキ１０に多くの変更を行ない得るこ
とは明白なことである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の種々の特徴を含む好適なカリ
パスブレーキ組立体の、部分的に断面で示した立
面図、第２図は第１図に示されたブレーキ組立体
の内部を示す断面図、第３図は第２図の線３−３
に沿つて見た図、第４図は第２図の線４−４に沿
つて見た好適な制動ピストンのシール要素の図、
そして第５図は第２図の線５−５に沿つて見た図
である。 図中、１０……ブレーキ、１６……車軸、２０
……制動ピストン、２３……外端、３０……ハウ
ジング、４６……動力軸、６０……内端、６２…
…外面、６４……第２のスプライン、６６……第
１のスプライン、６８……ウオームギヤの歯、７
０……内歯、７２……グリース用品、７３……ブ
ーツシール、７４……第１の端部、７５……第２
の端部、７６……溝、７８……第１の半径方向の
壁、８０……第２の半径方向の壁、８２……チヤ
ンネル、８４……リング要素、８６……第１の側
部、８８……第２の側部、９２……半径方向の溝
孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車軸のまわりに回転可能に取付けられたデイ
   スクと、前記デイスクの摩擦面に整合して前記車
   軸に取付けられたブレーキハウジングを含むデイ
   スクブレーキの制動ピストンの成形方法であつ
   て、前記制動ピストンは少なくも部分的には前記
   ハウジング内に取付けられた内端と前記デイスク
   の前記摩擦面の近くにおいて前記ハウジングの外
   側に在る外端を有し、さらに前記ハウジングに取
   付けられたブレーキ作動装置と、前記制動ピスト
   ンに共軸に整合して前記ハウジング内に取付けら
   れ且つ前記ブレーキ作動装置によつて選択的に回
   転され得る動力軸を含み、前記動力軸は前記制動
   ピストンの前記内端の嵌合する歯にかみ合うウオ
   ームギヤの歯を有し、さらに前記制動ピストンの
   前記内端を包囲し且つ前記ハウジングに固定され
   た第１の端部と前記制動ピストンのまわりの円周
   方向のチヤンネル中に延びる第２の端部を有する
   柔軟なブーツシール装置を含み、前記ハウジング
   はその内側の円筒面のまわりに軸線方向に延びる
   複数の第１のスプラインを有する型のデイスクブ
   レーキ用の制動ピストン成形方法において、 前記方法は円筒状の外面を有する前記内端を備
   えた前記制動ピストンを備える段階と、前記外端
   に向いた部分であつて前記外端から遠方の第１の
   半径方向の壁と前記外端に近い第２の半径方向の
   壁を備え前記第１および第２の半径方向の壁間に
   は予め決められた距離がある前記部分の前記円筒
   状の外面に円周方向の溝を形成する段階と、前記
   ハウジングの前記内面の前記第１のスプラインに
   かみ合い且つ前記円周方向の溝の前記第１の半径
   方向の壁で終るように前記制動ピストンの前記内
   端の前記外面に複数の第２の軸線方向に延びるス
   プラインを形成する段階と、半径方向の溝孔を有
   し且つ前記第１の半径方向の壁と前記第２の半径
   方向の壁との間の前記予め決められた距離よりそ
   の間の距離が小さい第１の側部と第２の側部を有
   する弾性のある硬いプラスチツクのリング要素を
   形成する段階と、前記第１の側部が前記第１の半
   径方向の壁に対し且つ前記第２の側部が前記第２
   の半径方向の壁から離れてその間に前記円周方向
   のチヤンネルを画成するように前記溝に前記リン
   グ要素を設置するため軸線方向の移動および前記
   第２の軸線方向に延びるスプラインを取囲むのを
   可能にするように前記リング要素を膨脹する段階
   とを含むデイスクブレーキ用の制御ピストン成形
   方法。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載のブレーキピス
   トン成形方法において、さらにその周囲の部分が
   前記制動ピストンの前記内端の前記第２の軸線方
   向に延びるスプラインを越えて延び得るのに充分
   な前記リング要素の半径方向の厚さを与える段階
   を含むデイスクブレーキ用の制動ピストン成形方
   法。