JP3798142B2 - 燃焼機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湯を作り出して給湯する燃焼機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6には燃焼機器である給湯器のシステム構成の一例がモデル図により示されている。この給湯器は、同図の実線に示すように、バーナ1と給湯の熱交換器2を有し、給湯熱交換器2の入側には水供給源から給湯熱交換器2に水を導くための給水通路3が連通接続され、また、給湯熱交換器2の出側には給湯通路4の一端側が接続され、この給湯通路4の他端側は台所やシャワー等の給湯場所に導かれている。上記給水通路3には該通路3の水温を検出する入水温度検出手段としての入水サーミスタ5と、通水流量を検出する水量センサFSとが設けられ、給湯通路4には該通路4から給湯される湯水温を検出する出側湯温検出手段としての出湯サーミスタ6が設けられている。
【0003】
上記バーナ1には燃料ガスをバーナ1へ導くためのガス供給通路8が連通接続されており、このガス供給通路8には該通路の開閉を行う電磁弁10,11と、弁開度でもってバーナ1への供給燃料ガス量を制御する比例弁12とが介設されている。
【0004】
この給湯器には給湯運転を制御する制御装置13が設けられ、この制御装置13には給湯温度を設定するための給湯温度設定手段等が設けられたリモコン14が信号接続されている。上記制御装置13は次のように給湯運転を制御する。例えば、台所やシャワー等に導かれた給湯通路4の先端側に設けられた給湯栓(図示せず)が開栓され、給水通路3の通水が水量センサFSにより検出されると、電磁弁10,11を開弁してガス供給通路8からバーナ1に燃料ガスを供給してバーナ燃焼を開始させ、給湯される湯温がリモコン14に設定されている給湯設定温度となるようにバーナ1の燃焼熱量を比例弁12の弁開度を制御することによって(つまり、バーナ1への供給燃料ガス量を制御することによって)制御し、上記バーナ燃焼火炎の熱によって給湯熱交換器2の通水が加熱されて湯が作られ、該湯は給湯通路4を通って所望の給湯場所に供給される。そして、給湯栓が閉栓されて給水通路3の通水停止を水量センサFSが検出すると、電磁弁11を閉弁してバーナ1の燃焼を停止し、給湯運転を終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、給湯設定温度の湯を給湯するためのバーナ1の燃焼熱量制御手法の一つとして、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを併用した比例制御がある。上記比例制御を行うときには、例えば、入水サーミスタ5により入水温度Tinを、水量センサFSにより給水の流量Qを、出湯サーミスタ6により出湯湯温Tout を、リモコン14から給湯設定温度Tspをそれぞれ検出し、上記流量Qの入水温度Tinの水を給湯設定温度Tspに高めるのに必要なフィードフォワード熱量Pff(Pff=(Tsp−Tin)×Q/η(ηは予め定まる給湯熱交換器2の熱効率))と、給湯設定温度Tspに対する出湯温度Tout のずれを補正するためのフィードバック熱量Pfb(Pfb=P×(Tsp−Tout )×Q/η(Pは比例定数))との合計熱量でもってバーナ1が燃焼を行うように比例弁12の弁開度を制御してバーナ1の燃焼熱量制御を行う。
【0006】
しかしながら、上記の如く出湯サーミスタ6により検出された出湯湯温Tout を利用して上記比例制御を行うと、例えば、何らかの理由により給湯熱交換器2内の湯温が給湯設定温度Tspの湯を給湯するための湯温からずれてしまった場合に、その湯温変動が生じてから該湯温変動の湯温が出湯サーミスタ6により検出されて上記湯温変動を補正するための燃焼熱量制御が行われるまでに時間がかかり、このことに起因して出湯湯温Tout の変動に対する燃焼熱量制御の応答性が悪いという問題が生じる。
【0007】
上記のように、燃焼熱量制御の応答性が悪い場合には、出湯湯温Tout の変動を収束するのに時間がかかるという問題があり、湯の利用者に湯温変動に対する不快感を与える虞がある。
【0008】
そこで、上記燃焼熱量制御の応答性を改善する手段として、本出願人らは、次のような手段を提案している。例えば、給湯熱交換器2を流れる湯水流温度を検出する図6の点線に示すような熱交換器湯温検出手段としての熱交サーミスタ15を設け、該熱交サーミスタ15により検出された湯温Tz1と、入水サーミスタ5により検出された入水温度Tinと、予め定め与えられた寄与率Kとに基づいて、次に示す式(1)の演算により、給湯熱交換器2から流れ出る湯温Tout を推定検出し、出湯サーミスタ6により検出された湯温Tout を採用するのに代えて、上記推定検出された給湯熱交換器2の出側の湯温に基づいた比例制御により燃焼熱量の制御を行うことを提案している。
【0009】
Tout =(Tz1−Tin)/K+Tin・・・・・(1)
【0010】
上記寄与率Kとは、給湯熱交換器2の入側から出側に至るまでに湯水が受け取る吸熱熱量Ptlに対する給湯熱交換器2の入側から熱交サーミスタ15の湯温検出部位に至るまでに湯水が受け取る吸熱熱量Pz1の割合(K=Pz1/Ptl)である。
【0011】
上記の如く、熱交サーミスタ15により検出された湯温Tz1に基づいて給湯熱交換器2の出側の湯温Tout を推定検出することによって、例えば、給湯熱交換器2内の湯温が給湯設定温度の湯を給湯するための湯温からずれた場合に、その湯温変動を補正するための上記比例制御が直ちに行われることになり、給湯熱交換器2内の湯温変動に起因した出湯湯温変動に対する燃焼熱量制御の応答性を格段に向上させることが可能である。
【0012】
しかしながら、上記提案の手法では、給湯熱交換器2の出側の湯温を推定検出するために、実測の湯温とは異なる湯温が給湯熱交換器2の出側の湯温として推定検出される場合があるという問題が生じる。
【0013】
例えば、推定検出された出側の湯温が実際の出側の湯温よりも上側にずれている場合には、図8の実線に示すように、出湯湯温が給湯設定温度Tspよりも上側の温度に安定してしまったり、推定検出された出側の湯温が実際の出側の湯温よりも下側にずれている場合には、図8の鎖線に示すように、出湯湯温が給湯設定温度Tspよりも下側の温度に安定してしまうという問題が生じる虞がある。
【0014】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、出湯湯温を精度良く設定温度に制御することができる上に、出湯湯温変動に対する燃焼熱量制御の応答性を向上させることができる燃焼機器を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、次のような構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、給水通路から供給された水を加熱して湯を作り出し該湯を出湯する熱交換器と、該熱交換器を燃焼加熱するバーナと、上記熱交換器に供給される入水温度を検出する入水温度検出手段とを有し、予め定めた給湯設定温度に対する上記熱交換器から流れ出る出側の湯温のずれを補正するために上記出側の湯温に基づいてバーナの燃焼熱量制御を行う燃焼機器において、上記熱交換器から流れ出る出側の湯温を実測する出側湯温検出手段と;上記熱交換器内の湯温を検出する熱交換器湯温検出手段と;上記熱交換器の入側から出側に至るまでに湯水が吸熱する熱量に対する熱交換器の入側から上記熱交換器湯温検出手段の湯温検出部位に至るまでに湯水が吸熱する熱量の割合である寄与率が予め定められ格納されているデータ格納部と;上記熱交換器湯温検出手段により検出された湯温と、上記データ格納部に格納されている寄与率と、入水温度検出手段により検出された入水温度とに基づいて熱交換器から流れ出る出側の湯温を推定検出する熱交換器出側湯温推定検出部と;上記熱交換器出側湯温推定検出手段により推定検出された出側の湯温と給湯設定温度との偏差を検出する偏差検出部と;該偏差検出部により求められた偏差が予め定めた設定範囲以内であるときには上記出側湯温検出手段により実測された熱交換器の出側の湯温に基づいた上記燃焼熱量制御に切り換え、上記偏差検出部により検出された偏差が上記設定範囲から外れたときには上記熱交換器出側湯温推定検出部により推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御に切り換える燃焼熱量制御切り換え部と;を設けた構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0016】
第2の発明は、上記第1の発明の構成を備え、燃焼熱量制御は比例と積分と微分の組み合わせによるPID制御手法により行われ、熱交換器出側湯温推定検出部により推定検出された熱交換器の出側の湯温に基づいて燃焼熱量制御を行うときには、出側湯温検出手段により実測された出側の湯温に基づいて燃焼熱量制御を行う場合よりも、上記PID制御手法で用いられる比例定数と積分定数と微分定数のうちの1つ以上の定数を大きくする構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0017】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明の構成を備え、出側湯温検出手段により実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から熱交換器出側湯温推定検出部により推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定するための設定範囲の上限値は、上記推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から上記実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定するための設定範囲の上限値よりも高く、また、上記実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から上記推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定するための許容範囲の下限値は上記推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から上記実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定するための設定範囲の下限値よりも低く設定されている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0018】
第4の発明は、上記第1又は第2又は第3の発明の構成に加えて、バーナ燃焼熱量の情報と、バーナ燃焼熱量の大小に応じて寄与率を補正するための予め与えられた寄与率補正データとに基づいて寄与率を補正する寄与率補正部が設けられ、熱交換器出側湯温推定検出部は、上記寄与率補正部により補正された寄与率と熱交換器湯温検出手段により検出された湯温と入水温度検出手段により検出された入水温度とに基づき、熱交換器の出側の湯温を推定検出する構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0019】
第5の発明は、上記第4の発明を構成する熱交換器はバーナの燃焼火炎に近い側の下段に形成された管路と、バーナ燃焼火炎に遠い側の上段に形成された管路とが連通接続された管路構成を成しており、寄与率補正部は、熱交換器湯温検出手段により上記下段の管路内の湯温が検出される場合にはバーナ燃焼熱量が小さくなるに従って寄与率が大きくなるように寄与率を補正し、熱交換器湯温検出手段により上記上段の管路内の湯温が検出される場合にはバーナ燃焼熱量が小さくなるに従って寄与率が小さくなるように寄与率を補正する構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0020】
上記構成の発明において、熱交換器出側湯温推定検出部は、熱交換器湯温検出手段により検出された熱交換器内の湯温と、入水温度検出手段により検出された入水温度と、予め定められた寄与率とに基づいて熱交換器の出側の湯温を推定検出する。また、偏差検出部は、上記熱交換器出側湯温推定検出部により推定検出された湯温と、予め定められた給湯設定温度との偏差を検出する。
【0021】
上記偏差検出部により求められた偏差が予め定められた設定範囲から外れたときには、つまり、給湯設定温度から出湯湯温が上記設定範囲以上ずれると推定されたときには、その湯温変動に迅速に対応するために、燃焼熱量制御切り換え部は、上記熱交換器出側湯温推定検出部により推定検出された熱交換器の出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御に切り換える。上記推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御は、実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御に比べて、出湯湯温変動に対する燃焼熱量制御の応答性が格段に向上するので、出湯湯温が給湯設定温度から大幅にずれたとしても、その直後に、給湯設定温度に向けて補正された湯を出湯させることが可能である。
【0022】
また、上記偏差検出部により求められた偏差が上記設定範囲以内であるときには、つまり、出湯湯温がほぼ給湯設定温度に安定していると推定されたときには、燃焼熱量制御切り換え部は、出側湯温検出手段により実測された湯温に基づいた燃焼熱量制御に切り換えて、出湯湯温を給湯設定温度に精度良く制御する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づき説明する。
【0024】
第1の実施形態例の燃焼機器は図6に示すシステム構成を有し、給湯熱交換器2内の湯温を検出する熱交換器湯温検出手段としての熱交サーミスタ15が設けられている。ところで、図7には給湯熱交換器の構造のモデル例が示されており、同図に示すように、給湯熱交換器2は、バーナ1の燃焼火炎に近い側の下段に曲折形成された管路17と、バーナ1の燃焼火炎に遠い側の上段に曲折形成された管路18とが連通接続され、それら管路17,18はフィンプレート19に挿通された構成を有し、この実施形態例では、管路強度の観点から、予め定めた最大燃焼熱量でバーナ1を燃焼させたときにバーナ燃焼火炎から受け取る熱量が上記下段と上段の管路17,18の全領域に亙り等しくなるようにフィンプレート19の切り欠き16等が構成されており、また、給水通路3から供給された水は上記下段の管路17を通った後に上段の管路18を経て、給湯通路4に流れ出るように形成されており、上記熱交サーミスタ15は、図7の破線に示すように、上記下段の管路17におけるU字管部分の湯温を検出するように設けられている。なお、上記以外の図6に示す給湯器のシステム構成の説明は前述したのでその重複説明は省略する。
【0025】
図1には第1の実施形態例において特徴的な制御構成が実線により示されている。同図の実線に示すように、この第1の実施形態例に示す制御装置13は、熱交換器出側湯温推定検出部20と、偏差検出部21と、データ格納部22と、燃焼熱量制御切り換え部23と、燃焼熱量制御部24とを有して構成され、上記燃焼熱量制御部24は、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25と、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26とを有して構成されている。
【0026】
データ格納部22には寄与率Kspが予め実験や演算等によって求められて格納されている。この実施形態例では、予め定めた最大燃焼熱量でバーナ1を燃焼したときに、給湯熱交換器2の入側から出側に至るまでに湯水が吸熱する熱量に対する給湯熱交換器2の入側から熱交サーミスタ15の湯温検出部位に至るまでに湯水が吸熱する熱量の割合を求め、該求めた割合を寄与率Kspとしてデータ格納部22に格納している。
【0027】
熱交換器出側湯温推定検出部20は上記熱交サーミスタ15により検出された給湯熱交換器2内の湯温Tz1と、上記データ格納部22に格納されている寄与率Kspと、入水サーミスタ5により検出された入水温度Tinとを取り込んで、それら情報に基づき、前記式(1)(Tout =(Tz1−Tin)/Ksp+Tin)の演算により、給湯熱交換器2の出側の湯温Tout を推定検出し、この推定検出した出側の湯温Tout の情報を偏差検出部21と推定湯温採用式燃焼熱量制御部25にそれぞれ出力する。
【0028】
推定湯温採用式燃焼熱量制御部25は、上記熱交換器出側湯温推定検出部20から加えられた推定検出出側の湯温Tout に基づいた前記比例制御により燃焼熱量を制御する構成を有している。この推定湯温採用式燃焼熱量制御部25により燃焼熱量制御を行う場合には、給湯熱交換器2内の湯温が給湯設定温度Tspの湯を出湯するための湯温からずれたときに、直ちに、その湯温変動が上記比例制御により補正されるので、出湯湯温変動に対する燃焼熱量制御の応答性を格段に向上させることができる。
【0029】
実測湯温採用式燃焼熱量制御部26は、出湯サーミスタ6により実測された給湯熱交換器2の出側の湯温Tout を取り込んで、該実測出側の湯温Tout に基づいた前記比例制御により燃焼熱量を制御する。この実測湯温採用式燃焼熱量制御部26により燃焼熱量制御を行う場合には、上記の如く、実測された出湯湯温を用いるので、出湯湯温を給湯設定温度に一致させる方向に精度良く燃焼熱量を制御することができる。
【0030】
この実施形態例では、上記推定湯温採用式燃焼熱量制御部25と実測湯温採用式燃焼熱量制御部26は共に比例と積分と微分の組み合わせによるPID制御手法を用いて燃焼熱量制御を行う。なお、上記PID制御手法の説明は知られているので、その説明は省略する。
【0031】
偏差検出部21は上記リモコン14に設定されている給湯設定温度Tspを取り込み、上記熱交換器出側湯温推定検出部20から加えられた推定検出出側湯温Tout から上記取り込んだ給湯設定温度Tspを差し引いて給湯設定温度Tspに対する上記推定検出出側湯温Tout の偏差ΔTを求め、この偏差ΔTの情報を燃焼熱量制御切り換え部23に出力する。
【0032】
燃焼熱量制御切り換え部23は、上記偏差検出部21から加えられた偏差ΔTを予め定めた下限値(例えば、−3℃)から上限値(例えば、+3℃)までの設定範囲ΔHに比較し、上記偏差ΔTが設定範囲ΔH以内であるか否かを判断する。燃焼熱量制御切り換え部23は、上記偏差ΔTが上記設定範囲ΔHから外れていると判断したときには、出湯湯温Tout が給湯設定温度Tspよりも上記許容範囲(設定範囲)を越えて変動すると推定し、その出湯湯温変動を応答性良く補正するために前記推定湯温採用式燃焼熱量制御部25による燃焼熱量制御を行わせる必要があると判断し、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25による燃焼熱量制御を行わせるための指令を発し、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25による燃焼熱量制御へ切り換え、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26は停止状態とする。
【0033】
また、燃焼熱量制御切り換え部23は、上記偏差ΔTが上記設定範囲ΔH以内であると判断したときには、出湯湯温はほぼ給湯設定温度Tspである、又は、給湯設定温度Tspからずれていたとしてもそのずれ量は許容範囲内であると判断し、出湯湯温を給湯設定温度Tspに精度良く一致させるために実測湯温採用式燃焼熱量制御部26による燃焼熱量制御を行う状態であると判断し、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26へ燃焼熱量制御を行わせるための指令を発し、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26による燃焼熱量制御へ切り換え、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25は停止状態とする。
【0034】
この実施形態例では、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25により燃焼熱量制御を行うときには、出湯湯温が給湯設定温度Tspよりも許容範囲を越えて大きく変動すると推定された場合であることから、出湯湯温を給湯設定温度Tspに向けて大きく変動させ給湯設定温度Tspに早く近付けるために燃焼熱量の制御量を大きくする必要があり、このことから、PID制御のPID定数である比例定数と積分定数と微分定数のうちの1つ以上の定数を大きく設定する。また、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26により燃焼熱量制御を行うときには、出湯湯温は給湯設定温度Tspの近傍温度であることから、燃焼熱量の制御量を小さくして出湯湯温を微少に制御して給湯設定温度に精度良く一致させることを容易とするために、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26によるPID制御のPID定数を、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25によるPID制御のPID定数よりも小さく設定する。
【0035】
この実施形態例によれば、偏差ΔT(給湯設定温度Tspに対する出湯湯温のずれ量)が予め定めた設定範囲ΔHから外れたときには、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25による燃焼熱量制御への切り換えが燃焼熱量制御切り換え部23により行われるので、給湯熱交換器2内の湯温が給湯設定温度Tspの湯を給湯するための湯温から大幅に変動して出湯湯温変動が生じると推定されたときには、上記給湯熱交換器2内の湯温変動の発生直後に、その湯温変動が上記推定湯温採用式燃焼熱量制御部25による燃焼熱量制御により補正されることとなり、出湯湯温変動に対する燃焼熱量制御の応答性を格段に向上させることができ、出湯湯温変動を非常に短い時間で抑制して給湯設定温度の近傍の温度に回復させることが可能である。
【0036】
また、上記給湯設定温度Tspに対する推定検出された出湯湯温の偏差ΔTが予め定めた設定範囲ΔH以内であり、出湯湯温が給湯設定温度Tspの近傍温度であると判断されるときには、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26によって実測湯温による燃焼熱量制御が行われるので、出湯湯温を給湯設定温度Tspに確実に一致させ、給湯設定温度Tspの湯を安定供給することが可能となる。
【0037】
上記の如く、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25と実測湯温採用式燃焼熱量制御部26とを切り換えて燃焼熱量制御を行うことによって、出湯湯温が給湯設定温度に対して大幅に外れているとき、例えば、出湯が開始された時や給湯設定温度が変更された時や通水流量が変動した時等には、上記の如く推定湯温採用式燃焼熱量制御部25によって燃焼熱量制御が行われて給湯設定温度に向けて応答性良く燃焼熱量制御が行われ、出湯湯温を給湯設定温度により早く高めることが可能であり、給湯設定温度に安定するまでの時間短縮を図ることができる。
【0038】
さらに、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26の燃焼熱量制御に用いられるPID定数を小さく設定するので、ほぼ給湯設定温度の湯が出湯しているときには、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26による燃焼熱量の制御量が小さく出湯湯温を小さく変動させることができ、このことに起因して、給湯湯温を給湯設定温度Tspに一致させることが容易となる。
【0039】
さらに、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25の燃焼熱量制御に用いられるPID定数を大きく設定するので、出湯湯温が給湯設定温度Tspから大幅にずれるときには、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25による燃焼熱量の制御量が大きく出湯湯温を給湯設定温度Tspに向けて大きく変動させることが可能となり、出湯湯湯温を給湯設定温度Tspにより早く近付けることができる。
【0040】
以下に第2の実施形態例を説明する。この第2の実施形態例が前記第1の実施形態例と異なる特徴的なことは、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25から実測湯温採用式燃焼熱量制御部26への燃焼熱量制御の切り換えを決定する設定範囲と、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26から推定湯温採用式燃焼熱量制御部25への燃焼熱量制御の切り換えを決定する設定範囲をそれぞれ別個に設定し、燃焼熱量制御切り換え部23はそれら設定範囲に基づいて燃焼熱量制御の切り換えを行う構成としたことである。それ以外の構成は前記第1の実施形態例と同様であり、その重複説明は省略する。
【0041】
この実施形態例では、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26による燃焼熱量制御から推定湯温採用式燃焼熱量制御部25による燃焼熱量制御への切り換えを決定する設定範囲は、図2に示す下限値hk1(例えば、−3℃)から上限値hj1(例えば、+3℃)までの範囲ΔHsyが設定されており、上記推定湯温採用式燃焼熱量制御部25による燃焼熱量制御から実測湯温採用式燃焼熱量制御部26による燃焼熱量制御への切り換えを決定する設定範囲は、図2に示す下限値hk2(例えば、−1℃)から上限値hj2(例えば、+1℃)までの範囲ΔHzyが設定されている。
【0042】
燃焼熱量制御切り換え部23は、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25と実測湯温採用式燃焼熱量制御部26の各動作情報を取り込み、それら情報に基づき実測湯温採用式燃焼熱量制御部26により燃焼熱量制御が行われていると検知しているときには、偏差検出部21から加えられた偏差ΔTを上記設定範囲ΔHsyに比較して、偏差ΔTが設定範囲ΔHsy以内であるか否かを判断し、偏差ΔTが上記設定範囲ΔHsy以内であると判断したときには、出湯湯温はほぼ給湯設定温度Tspであり、出湯湯温を精度良く給湯設定温度Tspに制御するために実測湯温に基づいた燃焼熱量制御を行わせる状態であると判断して、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26による燃焼熱量制御を継続して行わせる。
【0043】
また、燃焼熱量制御切り換え部23は、上記偏差ΔTが設定範囲ΔHsyから外れていると判断したときには、出湯湯温が給湯設定温度Tspよりも大幅にずれると判断し、出湯湯温の変動を応答性良く回復するために推定湯温採用式燃焼熱量制御部25による燃焼熱量制御を行う必要があると判断して、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26から推定湯温採用式燃焼熱量制御部25へ燃焼熱量制御を切り換える。
【0044】
燃焼熱量制御切り換え部23は、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25による燃焼熱量制御が行われていると検知しているときには、上記偏差検出部21から加えられる偏差ΔTを上記設定範囲ΔHzyに比較して、上記偏差ΔTが設定範囲ΔHzy以内であるか否かを判断し、上記偏差ΔTが設定範囲ΔHzyから外れていると判断したときには、出湯湯温は給湯設定温度Tspから大きくずれる状態であると判断し、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25による燃焼熱量制御を継続して行わせ、上記偏差ΔTが上記設定範囲ΔHzy以内であると判断したときには、出湯湯温変動はほぼ抑制されたので、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26による燃焼熱量制御を行って出湯湯温を精度良く給湯設定温度Tspに一致させる必要があると判断して、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25から実測湯温採用式燃焼熱量制御部26に燃焼熱量制御を切り換える。
【0045】
上記燃焼熱量制御切り換え部23の切り換え動作の一例を簡単に示す。例えば、給湯熱交換器2内の湯温が図2の実線に示すように変動して、上記偏差ΔTが図2に示す点Aよりも大きくなったことが検知されたときには、出湯湯温が給湯設定温度Tspから大幅に変動すると推定されることから、燃焼熱量制御切り換え部23は実測湯温採用式燃焼熱量制御部26から推定湯温採用式燃焼熱量制御部25へ燃焼熱量制御を切り換える。その後、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25の燃焼熱量制御により出湯湯温が給湯設定温度Tspに向けて修正され上記偏差ΔTが点B以下に低下したことが検知されたときには、出湯湯温は給湯設定温度近傍の温度に回復したと判断して、燃焼熱量制御切り換え部23は推定湯温採用式燃焼熱量制御部25から実測湯温採用式燃焼熱量制御部26へ燃焼熱量制御を切り換えて出湯湯温が給湯設定温度Tspに一致するように微少な燃焼熱量制御を行う。
【0046】
この実施形態例によれば、前記第1の実施形態例と同様な構成を備え、実測湯温採用式燃焼熱量制御部26から推定湯温採用式燃焼熱量制御部25への燃焼熱量制御の切り換えを決定する設定範囲ΔHsyの上限値hj1よりも、推定湯温採用式燃焼熱量制御部25から実測湯温採用式燃焼熱量制御部26への燃焼熱量制御の切り換えを決定する設定範囲ΔHzyの上限値hj2を低く、また、上記設定範囲ΔHsyの下限値hk1よりも、上記設定範囲ΔHzyの下限値hk2を高く設定しているので、前記第1の実施形態例と同様な効果を得ることができると共に、燃焼熱量制御の切り換えのハンチングを確実に防止することができる。
【0047】
以下に、第3の実施形態例を説明する。この実施形態例において特徴的なことは、前記各実施形態例の構成に加えて、給湯熱交換器2の出側の湯温を推定検出する際に使用される寄与率Kspを燃焼熱量に応じて補正する構成を備え、該補正された寄与率に基づいて給湯熱交換器2の出側の湯温を推定検出する構成としたことである。なお、この実施形態例の説明において、前記各実施形態例と同様な部分の重複説明は省略する。
【0048】
ところで、前記したように、寄与率Kspを用いて推定検出された給湯熱交換器2の出側の湯温は実際の出側の湯温よりもずれる場合があり、その原因は、本発明者等が究明したところによれば、寄与率Kが燃焼熱量に応じて可変していることに因るものであった。
【0049】
それというのは、予め定めた最大燃焼熱量近傍でバーナ1の燃焼を行っているときには、燃焼火炎は大きく立ち上がっていることから、燃焼火炎の熱は下段の管路17だけでなく上段の管路18にも十分に加えられ、下段の管路17を流れる単位流量当たりの水流が燃焼火炎から吸熱する熱量と、上段の管路18を流れる単位流量当たりの水流が燃焼火炎から吸熱する熱量とはほぼ等しくなるが、燃焼熱量が小さくなるに従って燃焼火炎は小さくなり、例えば、予め定めた最小燃焼熱量の近傍では燃焼火炎はとても小さく、燃焼火炎の熱は上段の管路18に殆ど加えられず、燃焼火炎から給湯熱交換器2全体に吸熱される熱量のうちの殆どが下段の管路17で吸熱されることになる。このことから、上記下段の管路17に設けられた熱交サーミスタ15の湯温検出部位における寄与率Kは、図4の実線Lに示すように、燃焼熱量が小さくなるに従って大きくなるというものである。
【0050】
なお、図4では予め定めた最小燃焼熱量を0%と設定し、燃焼熱量が増加するに従って%値が大きくなって予め定めた最大燃焼熱量が100%となるように、燃焼熱量を%値に置き換えて示されている。
【0051】
そこで、この実施形態例では、データ格納部22に格納されている寄与率Kspを燃焼熱量に応じて補正する図1の点線に示す寄与率補正部28を備えた。
【0052】
データ格納部22には前記予め定められ格納されている寄与率Kspを燃焼熱量の大きさに応じて補正するための寄与率補正データが予め定め格納されている。例えば、図4の実線Lに示す寄与率に対する上記点線Mに示す寄与率Kspのずれ量ΔK、つまり、寄与率補正値のデータが燃焼熱量に対応させて上記寄与率補正データとして格納されている。この実施形態例では、図4に示すように、燃焼熱量が小さくなるに従って上記ずれ量ΔKは大きくなることから、図3の(a)に示すように、燃焼熱量が小さくなるに従って上記寄与率補正値ΔKが大きくなるように設定された寄与率補正データが与えられている。なお、上記寄与率補正データは表データにより与えてもよい。
【0053】
寄与率補正部28は、燃焼熱量制御部24の推定湯温採用式燃焼熱量制御部25又は実測湯温採用式燃焼熱量制御部26からバーナ1の燃焼熱量の情報を時々刻々と取り込み、該燃焼熱量の情報と、上記データ格納部22に格納されている寄与率補正データとに基づいて、上記寄与率Kspを補正する。具体的には、寄与率補正部28は、上記取り込んだ燃焼熱量を上記寄与率補正データに照らし合わせて上記燃焼熱量に対応した寄与率補正値ΔKを検出し、該検出した補正値ΔKを上記寄与率Kspに加算して寄与率を補正する。この補正された寄与率Khgの情報は、熱交換器出側湯温推定検出部20に加えられる。
【0054】
熱交換器出側湯温推定検出部20は、データ格納部22に予め格納されている寄与率Kspを用いるのに代えて、上記寄与率補正部28から加えられた補正後の寄与率Khgを用いて、前記したように、給湯熱交換器2の出側の湯温Tout を推定検出する。
【0055】
この実施形態例によれば、前記各実施形態例の構成に加えて、出側の湯温Tout を推定検出する際に使用される寄与率Kを燃焼熱量の大小に応じて補正する構成を備えているので、前記各実施形態例と同様の優れた効果を得ることができる上に、燃焼熱量に応じた正確な寄与率Khgを用いて出側の湯温Tout を推定検出することができ、正確な出側の湯温を得ることができる。
【0056】
もちろん、前記各実施形態例に示したように、予め定めた固定の寄与率Kを用いて出側の湯温を推定検出しても、実際の出側の湯温に対する上記推定検出された出側の湯温のずれ量は少ないし、出湯湯温が給湯設定温度の近傍温度になったときには実測された出側の湯温に基づいて燃焼熱量制御が行われるので、出湯湯温を精度良く給湯設定温度に安定させることができる。
【0057】
なお、この発明は上記各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記各実施形態例では、熱交サーミスタ15は給湯熱交換器2における下段の管路17の水流温度を検出するように設けられていたが、上段の管路18の湯水流温度を検出するように熱交サーミスタ15を設けてもよい。この場合に、寄与率補正部28による寄与率の補正が行われるときには、熱交サーミスタ15の湯温検出部位における寄与率Kは、図5の実線Nに示すように、燃焼熱量が小さくなるに従って小さくなる。
【0058】
このことから、例えば、予め定めた最大燃焼熱量でバーナ1の燃焼を行ったときの寄与率Kが予め求められて図5に示す寄与率Kspとしてデータ格納部22に格納されているときには、上記熱交サーミスタ15の湯温検出部位における寄与率Kに対する上記寄与率Kspのずれ量(寄与率補正量)ΔKのデータが燃焼熱量に対応させて図3の(b)に示すような寄与率補正データとしてデータ格納部22に格納され、寄与率補正部28は、取り込んだ燃焼熱量に対応する上記寄与率補正量ΔKを上記寄与率補正データから検出し、上記寄与率Kspから寄与率補正量ΔKを差し引いて寄与率の補正を行う。
【0059】
また、上記各実施形態例では、偏差ΔTが零から設定範囲の上限値までの間隔と、偏差ΔTが零から下限値までの間隔とが等しくなるように、設定範囲が設定されていたが、上記偏差ΔTが零から設定範囲の上限値までの間隔と、偏差ΔTが零から下限値までの間隔とが異なるように、設定範囲を設定してもよい。
【0060】
さらに、上記第3の実施形態例では、燃焼熱量だけを考慮して寄与率を補正していたが、この発明の応用例として、燃焼熱量以外にも入水サーミスタ5により検出される入水温度Tinや、水量センサFSにより検出される給水流量Qや、燃焼に使用する燃料ガス種をも考慮して、寄与率Kを補正してもよい。この場合、上記入水温度Tinと流量Qと燃料ガス種のうちの1つ以上と、燃焼熱量との組み合わせによって寄与率を補正するための寄与率補正データが与えられることになる。
【0061】
例えば、入水温度Tinが低くなるに従って給湯熱交換器2の入側で吸熱される熱量が多くなると考えられることから、この実施形態例では、給水通路3から給湯熱交換器2の下段の管路17に水が入り込む構成であるので、入水温度Tinが低くなるに従って下段の管路17で吸熱する熱量が多くなり、熱交サーミスタ15の湯温検出部位である下段の管路17での燃焼熱量変化に対する寄与率Kの傾きは、図4の鎖線L’に示すように、入水温Tinが低くなるに従って大きくなると考えられる。このことから、予め定められた寄与率Kspは燃焼熱量が小さくなるに従って、また、入水温度Tinが低くなるに従って、大きくなる方向に補正されることになる。
【0062】
さらに、上記各実施形態例では、予め定めた最大燃焼熱量でバーナ1を燃焼させているときの熱交サーミスタ15の湯温検出部位の寄与率を予め求めてデータ格納部22に寄与率Kspとして格納していたが、最大燃焼熱量以外の燃焼熱量でバーナ1を燃焼させたときの熱交サーミスタ15の湯温検出部位の寄与率を求めて寄与率Kspとしてデータ格納部22に格納してもよい。この場合に、寄与率補正部28による寄与率の補正が行われるときには、もちろん、上記データ格納部22に格納された寄与率Kspを燃焼熱量の大小に応じて補正するためのデータが寄与率補正データとして予め定めて格納される。
【0063】
さらに、上記第3の実施形態例では、寄与率補正データとして、寄与率補正値ΔKのデータが燃焼熱量に対応させて与えられていたが、設定の寄与率Kspを燃焼熱量に基づいて補正するための演算式データを寄与率補正データとして与えてもよい。例えば、補正後の寄与率をKhgで表し、燃焼熱量の大きさをPで表し、予め定めた係数をαで表したときに、Khg=Ksp+(P×α)の演算式を寄与率補正データとして与えてもよい。この場合には、寄与率補正部28は燃焼熱量Pを利用し上記寄与率補正データの演算に従って寄与率Kspを補正する。
【0064】
さらに、上記実施形態例では図6に示す給湯器を例にして説明したが、湯を作り出す熱交換器と、該熱交換器を燃焼加熱するバーナと、入水温度検出手段とを有し、給湯設定温度に対する熱交換器から流れ出る湯温のずれを補正するために熱交換器の出側の湯温に基づいてバーナ燃焼熱量制御を行う制御構成を備えた給湯機能付きの燃焼機器であれば、この発明は適用することができる。例えば、給湯通路4と浴槽とを連通接続する湯張り通路を設け、給湯熱交換器2により作られた湯を上記湯張り通路を通して浴槽に注湯する湯張り機能と、給湯機能とを備えた燃焼機器や、上記給湯機能に加えて風呂の追い焚き機能を備えた燃焼機器にも本発明は適用することができる。
【0065】
【発明の効果】
この発明によれば、熱交換器内の湯温を検出する熱交換器湯温検出手段を設け、該熱交換器湯温検出手段により検出される湯温と予め定められた寄与率とに基づいて、熱交換器の出側の湯温を推定検出し、給湯設定温度に対する上記推定検出された出側の湯温の偏差が予め定めた設定範囲から外れたときには、推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御に切り換える構成を備えたので、熱交換器内の湯温が給湯設定温度の湯を出湯させるための湯温よりも上記設定範囲を越えてずれたときに、その湯温変動が発生した直後に、湯温変動を抑制する方向に燃焼熱量を制御することができ、このことによって出湯湯温変動に対する燃焼熱量制御の応答性を格段に向上させることができる。
【0066】
また、給湯設定温度に対する出湯湯温の偏差が上記設定範囲以内になったときには実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御に切り換えるので、出湯湯温を給湯設定温度に正確に合わせ、その状態で安定させることができる。
【0067】
上記の如く、推定湯温採用式燃焼熱量制御部と実測湯温採用式燃焼熱量制御部とを切り換えて燃焼熱量制御を行うことによって、出湯湯温が設定温度に対して大幅に外れているとき、例えば、出湯が開始された時や設定温度が変更された時や通水流量が変動した時等には、上記の如く推定湯温採用式燃焼熱量制御部によって燃焼熱量制御が行われて設定温度に向けて応答性良く燃焼熱量制御が行われ、出湯湯温を設定温度により早く高めることが可能であり、設定温度に安定するまでの時間短縮を図ることができる。
【0068】
燃焼熱量制御はPID制御により行われ、推定検出された出側の湯温に基づいて燃焼熱量制御を行うときには、実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御を行うときよりも、比例定数と積分定数と微分定数のうちの1つ以上の定数を、つまり、PID定数を大きく設定する構成を備えたものにあっては、出湯湯温が給湯設定温度よりも大幅にずれているときには、燃焼熱量の制御量が大きく、出湯湯温を給湯設定温度に向けて大きく変化させることができ、より早く出湯温度を給湯設定温度に近付けることができ、出湯湯温変動を回復させるのに要する時間の短縮を図ることができる。
【0069】
また、出湯湯温が給湯設定温度の近傍温度になったときには、燃焼熱量の制御量が小さくなり、出湯湯温を給湯設定温度に一致させるための微少な湯温制御が可能であり、出湯湯温を給湯設定温度に一致させることが容易となり、出湯湯温を給湯設定温度に精度良く一致させることができる。
【0070】
実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定するための設定範囲の上限値は、推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定する設定範囲の上限値よりも高く、実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定するための設定範囲の下限値は、推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定する設定範囲の下限値よりも低く設定されている構成を備えたものにあっては、燃焼熱量制御の切り換えのハンチングを防止することができ、燃焼熱量制御の切り換えをスムーズに行うことができる。
【0071】
燃焼熱量の大小に応じて寄与率を補正する構成を備えたものにあっては、燃焼熱量の大小に応じた正確な寄与率を得ることができ、この正確な寄与率に基づいて熱交換器の出側の湯温を推定検出することによって、実際の出側の湯温にほぼ一致した出側の湯温を推定検出することができ、この推定検出された正確な出側の湯温に基づいて燃焼熱量制御を行うことによって、より一層精度良く、給湯湯温を給湯設定温度に一致させるための燃焼熱量制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上記各実施形態例において特徴的な制御構成を示すブロック図である。
【図2】給湯設定温度に対する出湯湯温の偏差によって燃焼熱量制御手法を切り換えるための設定範囲例を示すグラフである。
【図3】寄与率補正データの例を示すグラフである。
【図4】給湯熱交換器の下段の管路の水流温度を検出するように熱交サーミスタを設けた場合に熱交サーミスタの湯温検出部位における寄与率を燃焼熱量に対応させて示すグラフである。
【図5】給湯熱交換器の上段の管路の水流温度を検出するように熱交サーミスタを設けた場合に熱交サーミスタの湯温検出部位における寄与率を燃焼熱量に対応させて示すグラフである。
【図6】この発明を適用することができる燃焼機器の一例を示すモデル図である。
【図7】給湯熱交換器の構造例を示すモデル図である。
【図8】提案例の問題を示すグラフである。
【符号の説明】
1 バーナ
2 給湯熱交換器
3 給水通路
5 入水サーミスタ
6 出湯サーミスタ
15 熱交サーミスタ
17 下段の管路
18 上段の管路
20 熱交換器出側湯温推定検出部
21 偏差検出部
22 データ格納部
23 燃焼熱量制御切り換え部
25 推定湯温採用式燃焼熱量制御部
26 実測湯温採用式燃焼熱量制御部
28 寄与率補正部

Claims (5)

  1. 給水通路から供給された水を加熱して湯を作り出し該湯を出湯する熱交換器と、該熱交換器を燃焼加熱するバーナと、上記熱交換器に供給される入水温度を検出する入水温度検出手段とを有し、予め定めた給湯設定温度に対する上記熱交換器から流れ出る出側の湯温のずれを補正するために上記出側の湯温に基づいてバーナの燃焼熱量制御を行う燃焼機器において、上記熱交換器から流れ出る出側の湯温を実測する出側湯温検出手段と;上記熱交換器内の湯温を検出する熱交換器湯温検出手段と;上記熱交換器の入側から出側に至るまでに湯水が吸熱する熱量に対する熱交換器の入側から上記熱交換器湯温検出手段の湯温検出部位に至るまでに湯水が吸熱する熱量の割合である寄与率が予め定められ格納されているデータ格納部と;上記熱交換器湯温検出手段により検出された湯温と、上記データ格納部に格納されている寄与率と、入水温度検出手段により検出された入水温度とに基づいて熱交換器から流れ出る出側の湯温を推定検出する熱交換器出側湯温推定検出部と;上記熱交換器出側湯温推定検出手段により推定検出された出側の湯温と給湯設定温度との偏差を検出する偏差検出部と;該偏差検出部により求められた偏差が予め定めた設定範囲以内であるときには上記出側湯温検出手段により実測された熱交換器の出側の湯温に基づいた上記燃焼熱量制御に切り換え、上記偏差検出部により検出された偏差が上記設定範囲から外れたときには上記熱交換器出側湯温推定検出部により推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御に切り換える燃焼熱量制御切り換え部と;を設けたことを特徴とする燃焼機器。
  2. 燃焼熱量制御は比例と積分と微分の組み合わせによるPID制御手法により行われ、熱交換器出側湯温推定検出部により推定検出された熱交換器の出側の湯温に基づいて燃焼熱量制御を行うときには、出側湯温検出手段により実測された出側の湯温に基づいて燃焼熱量制御を行う場合よりも、上記PID制御手法で用いられる比例定数と積分定数と微分定数のうちの1つ以上の定数を大きくする構成としたことを特徴とする請求項1記載の燃焼機器。
  3. 出側湯温検出手段により実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から熱交換器出側湯温推定検出部により推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定するための設定範囲の上限値は、上記推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から上記実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定するための設定範囲の上限値よりも高く、また、上記実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から上記推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定するための許容範囲の下限値は上記推定検出された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御から上記実測された出側の湯温に基づいた燃焼熱量制御への切り換えを決定するための設定範囲の下限値よりも低く設定されていることを特徴とした請求項1又は請求項2記載の燃焼機器。
  4. バーナ燃焼熱量の情報と、バーナ燃焼熱量の大小に応じて寄与率を補正するための予め与えられた寄与率補正データとに基づいて寄与率を補正する寄与率補正部が設けられ、熱交換器出側湯温推定検出部は、上記寄与率補正部により補正された寄与率と熱交換器湯温検出手段により検出された湯温と入水温度検出手段により検出された入水温度とに基づき、熱交換器の出側の湯温を推定検出する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の燃焼機器。
  5. 熱交換器はバーナの燃焼火炎に近い側の下段に形成された管路と、バーナ燃焼火炎に遠い側の上段に形成された管路とが連通接続された管路構成を成しており、寄与率補正部は、熱交換器湯温検出手段により上記下段の管路内の湯温が検出される場合にはバーナ燃焼熱量が小さくなるに従って寄与率が大きくなるように寄与率を補正し、熱交換器湯温検出手段により上記上段の管路内の湯温が検出される場合にはバーナ燃焼熱量が小さくなるに従って寄与率が小さくなるように寄与率を補正する構成としたことを特徴とする請求項4記載の燃焼機器。
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