JP3797787B2 - 法面吹付材料及びそれを用いた法面吹付工法 - Google Patents

法面吹付材料及びそれを用いた法面吹付工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、法面の地滑り等を防止するために実施するセメントコンクリートの法面吹付材料、特に崩れやすい法面に格子状(井桁状)に配置したフレームに吹付ける法面吹付材料及びその法面吹付工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
法面とは、高速道路、ダム、及び急傾斜地を中心に、切り土や盛土によって出来た傾斜面をいう。法面はそのままでは、自然風化や強雨等により浸食や、地滑り等の法面崩壊が起こるので、法面を保護する必要がある。
【0003】
従来、法面の崩壊を防止するために法面に直にセメントコンクリートを吹付ける方法が主流であったが、最近では法面の補強効果を増すために、法面に型枠を配置するようになっている(特公昭58−58493号参照)。法面に型枠を配置する方法としては、金網や複数本の鉄筋を法面に格子状(井桁状)に配置して法面型枠を作成し、格子状の法面型枠の各交点部にアンカーを打ち込んだ後に、法面型枠にセメントコンクリートを吹付けて鉄筋コンクリート構造物たるコンクリート枠を作って法面の安定を図る方法が用いられている。これらの中では、法面を整形・カットすることなく、法面に直接配置できるフリーフレーム工法が用いられている。このフリーフレーム工法は、変形可能(フレキシブル)な金網や鉄筋を法面に直に配置するものである。
【0004】
ここで使用されるセメントコンクリートは、一般的には砂とセメントの割合が砂/セメント比=4/1(重量比)程度で配合したものであり、実験室では28日後の圧縮強度が20〜30N/mm2 程度の強度発現性を示すものである。しかしながら、実際の施工においては、吹付セメントコンクリートの圧縮強度は20N/mm2 未満程度と強度発現性が小さいという課題があった。これは、砂/セメント比が4/1と多く、それに伴い水比が大幅に上がり、法面が直射日光に曝されて乾燥しやすいために長期強度発現性が小さくなってしまうこと、吹付けたときの圧密効果が小さいことが大きな原因であった。
【0005】
現状では、このような強度発現性が小さいという課題を解決するために、法面型枠として予め工場で製造したプレキャストのコンクリートブロックを、法面に配置したり、吹付コンクリートの吹付厚さを30cm程度と厚くしたり、吹付ける法面型枠を大きくしたり等していた。
【0006】
しかしながら、通常、法面という足場が悪いところでは、吹付ロボットのような大きな吹付機を持ち込めない場合が多く、そのために作業者が吹付ノズルを持ち、法面の上方から下ろしたロープを腰に巻いて移動しながら吹付施工を行う場合が多かった。ロープを腰に巻いたまま法面を移動すること自体が困難な上、吹付厚さが厚いとそれだけ作業性が悪く、作業時間も長く必要とする課題があった。又、吹付材料を多く使用した場合、それだけ吹付材料のコストが高くなるという課題があった。
【0007】
さらに、砂比が多く長期強度発現性が小さいという課題があった。そのために、長期強度発現性を良くするために、早く硬化する吹付材料や吹付け方法が求められていた。
【0008】
又、急硬材スラリーを圧送して吹付ける方法が提案されていたが、スラリーを調製する手間がかかる、圧送ホースが詰まったり、スラリーが沈降したりしてトラブルが発生する、作業終了後、残りのスラリーを処分しなければならない等の課題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら最近、法面表面の美観を保つために、吹付け後に法面型枠よりはみ出した、法面型枠表面のセメントコンクリートをコテ均しできる可使時間を有する材料が求められるようになった。ところが、吹付材料に急硬材を含有させた場合、硬化時間が早くなるために可使時間が短くなり、吹付け面のコテ均しができないという課題があった。
【0010】
このコテ均し等の吹付作業を容易にするために、吹付け厚さが15cmと薄くて小さい法面型枠を使用することが考えられる。この薄くて小さい法面型枠を使用するには、耐震性等の強度向上が必要であり、強度向上のためには、実際の施工において吹付けセメントコンクリートの28日強度が30N/mm2 以上であることが求められるようになった。
【0011】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、急硬材を含有した吹付材料に凝結遅延剤を添加し、特定の可使時間を有する法面吹付材料を使用することにより、上記課題を解決できる知見を得て本発明を完成するに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(1)セメント、(2)(ア)カルシウムアルミネート及び石膏を含有してなる急硬材をセメント100重量部に対して5〜20重量部と(イ)水を急硬材100重量部に対して30〜100重量部を含有してなる急硬材スラリー、並びに(3)凝結遅延剤を含有してなり、20〜180分の可使時間を有することを特徴とする法面吹付材料であって、セメントと混合して吹付ける直前に、急硬材と、凝結遅延剤を溶解してなる水溶液とを混合して急硬材スラリーとすることを特徴とする法面吹付工法であり、金網や複数本の鉄筋を法面に配置して法面型枠を作成し、法面型枠に法面吹付材料を吹付けてコンクリート枠を形成することを特徴とする該法面吹付工法であり、吹付けノズルから1〜30m手前の位置で、急硬材スラリーとセメントを混合してなることを特徴とする該法面吹付工法であり、吹付けノズルから1〜30m手前の位置で、シャワーリングを取り付けて急硬材スラリーとセメントを混合してなることを特徴とする該法面吹付工法であり、凝結遅延剤を溶解してなる水溶液中の凝結遅延剤の濃度が5〜40重量%であることを特徴とする該法面吹付工法であり、法面吹付工法が湿式吹付工法であることを特徴とする該法面吹付工法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を説明する。
【0014】
本発明は、フリーフレームに吹き付けたセメントコンクリートの表面のコテ均しができる程度の可使時間を有し、かつ、速く急硬することを目的とし、そのために、急硬材と凝結遅延剤を併用等することにより、作業時間を保持するものである。
又、本発明は、日射による急激な乾燥による強度低下を改善することが目的であり、そのために、コンクリートに急硬性を与えることにより、乾燥を受ける前にセメントの水和が促進しコンクリートを初期に高強度化するものである。
さらに、急硬材を吹付ける直前にスラリーとすることにより作業性や経済性に優れたセメントコンクリートが得られるものである。
又、本発明のセメントコンクリートとは、ペースト、モルタル、及びコンクリートを総称する物である。
【0015】
本発明で使用するセメントとは、普通、早強、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに高炉スラグ又はフライアッシュ等を混合した各種混合セメント、並びに、通常市販されている各種微粒子セメントが挙げられる。これらの中では経済性や作業性の点で、普通ポルトランドセメントの使用が好ましい。
【0016】
本発明で使用する急硬材は、カルシウムアルミネートと石膏を含有するものである。
【0017】
本発明で使用する急硬材中のカルシウムアルミネートとは、CaO原料やAl23 原料等を混合したものを、キルンで焼成したり、電気炉で溶融したりする等の熱処理をして得られるものをいい、初期にセメントコンクリートの凝結を起こさせる急硬成分である。カルシウムアルミネートは、CaOをC、Al23 をAとすると、C3 A、C127 、CA、及びCA2 等の鉱物組成で示されるカルシウムアルミネート熱処理物が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用してもよい。又、これらを粉砕したものを使用してもよい。これらの中では、反応活性の点で、非晶質のカルシウムアルミネートが好ましく、C127 組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のカルシウムアルミネートがより好ましい。
又、その他の成分として、ナトリウム、カリウム、及びリチウム等のアルカリ金属が一部固溶したカルシウムアルミネート等も使用できる。
又、SiO2 を含有するアルミノケイ酸カルシウム、C127 の1つのCaOをCaF2 等のハロゲン化物で置き換えたC117 ・ CaX2 (Xはフッ素等のハロゲン)、SO3 を含むC4 3 ・ SO3 も同様に使用できる。更に、アルミナセメントも同様に使用できる。
【0018】
カルシウムアルミネートの粒度は、ブレーン値で3000cm2 /g以上が好ましく、5000cm2 /g以上がより好ましい。3000cm2 /g未満だと初期強度発現性が低下するおそれがある。
【0019】
本発明で使用する急硬材中の石膏は、天然、市販いずれの石膏も使用できるが、強度発現性の点で、II型無水石膏や天然石膏が好ましく、II型無水石膏がより好ましい。
【0020】
石膏の粒度は、ブレーン値で3000cm2 /g以上が好ましく、4000〜7000cm2 /gがより好ましい。3000cm2 /g未満だと初期強度発現性が低下するおそれがある。
【0021】
石膏の使用量は、カルシウムアルミネート100重量部に対して、50〜250重量部が好ましく、75〜150重量部がより好ましい。50重量部未満だと長期強度発現が低下するおそれがあり、250重量部を越えると初期凝結性状や長期強度発現性が悪くなるおそれがある。
【0022】
本発明で使用する急硬材の使用量は、セメント100重量部に対して、5〜20重量部が好ましく、7〜15重量部がより好ましい。5重量部未満だと初期強度発現性が向上しないおそれがあり、20重量部を越えると長期強度発現性が低下するおそれがある。
【0023】
本発明で使用する凝結遅延剤とは、セメントコンクリートの凝結を遅延するものをいう。凝結遅延剤は特に限定されるものではないが、通常市販されているものであれば充分使用できる。
凝結遅延剤は、予め急硬材と混合しても良く、急硬材スラリーを調製する際に、急硬材と混合する水に溶解させ、水溶液(以下凝結遅延剤液という)として使用してもよいが、凝結遅延剤を均一に使用できる点で、凝結遅延剤液とすることが好ましい。凝結遅延剤液には、水道水や井戸水等、セメントの混練に使用する水が用いられる。
【0024】
凝結遅延剤としては、有機酸類、アルカリ金属炭酸塩、及びリン酸塩等が挙げられる。
【0025】
有機酸類としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、及びグルコン酸等のオキシカルボン酸類、又はこれらのナトリウム塩やカリウム塩等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を併用しても良い。これらの中では、強度発現性の点でクエン酸やクエン酸のナトリウム塩やカリウム塩が好ましい。
【0026】
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウム等の炭酸塩や、炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウム等の重炭酸塩等が挙げられる。これらの中では、経済性や溶解度が大きい点で炭酸ナトリウムや炭酸カリウムが好ましい。また、アルカリ金属炭酸塩の粒度は特に限定されるものではない。
【0027】
リン酸塩としては、ポリリン酸塩、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム、及びトリポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中では、凝結遅延性と強度発現性の点で、トリポリリン酸ナトリウムが好ましい。
【0028】
これらの凝結遅延剤の中では、短期や長期の強度発現性の点で、有機酸類が好ましい。
【0029】
凝結遅延剤の使用量は、セメント100重量部に対して、0.3〜5重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。0.3重量部未満だと充分な遅延性が得られないおそれがあり、5重量部を越えるとセメントコンクリートが硬化しにくいおそれがある。
【0030】
本発明で使用する法面吹付材料は可使時間を20〜180分とすることが必要であり、30〜120分とすることが好ましい。20分未満だと吹付け後にコテ均しするための作業時間が取れず、180分を越えるとセメントコンクリートが乾燥するために長期強度発現性が低下する。
【0031】
本発明では、粉塵量を小さくするために、水に凝結遅延剤を溶解させた凝結遅延剤液を、急硬材に混合して、急硬材スラリーとすることが好ましい。得られた急硬材スラリーは、セメントコンクリートと混合して使用する。
【0032】
凝結遅延剤液を使用した場合における、凝結遅延剤液中の凝結遅延剤の濃度は5〜40重量%が好ましく、8〜30重量%がより好ましい。5重量%未満だと凝結遅延剤を必要量使用するために凝結遅延剤液の使用量が多くなるので急硬材スラリーの濃度が小さくなり、従って強度発現性が小さくなるおそれがあり、40重量%を越えると凝結遅延剤の使用量が多くなりすぎて初期硬化性状が小さくなるおそれがある。
【0033】
急硬材スラリー中の水の使用量は、特に限定されるものではないが、急硬材100重量部に対して、30〜400重量部が好ましい。30重量部未満だと急硬材スラリーの粘度が高くなって、急硬材スラリーとセメントコンクリートを混合させるシャワーリングの排出孔が目詰まりするおそれがあり、400重量部を越えるとセメントコンクリートの水比が高くなり、強度発現性が小さくなるおそれがある。
【0034】
又、急硬材スラリー中の水の使用量は、湿式吹付工法と乾式吹付工法とで異なることが好ましい。湿式吹付工法では、急硬材100重量部に対して、30〜100重量部が好ましく、40〜70重量部がより好ましい。乾式吹付工法では、30〜400重量部が好ましく、40〜200重量部がより好ましい。
【0035】
本発明で使用する骨材としては、粗骨材や細骨材いずれも使用できるが、金網が使用でき、かつ、金網型枠へ吹付けた際にリバウンドしにくい点で、細骨材率が70〜100%の骨材が好ましい。又、骨材強度が高く、安定性の高いものがより好ましい。
【0036】
本発明で使用するセメントコンクリートの配合は、単位セメント量300〜600kg/m3 程度が好ましい。300kg/m3 未満だと短期や長期の強度発現性が小さくなるおそれがあり、600kg/m3 を越えるとコンクリートの粘性が増し、吹付けしにくくなるおそれがある。
【0037】
本発明で使用する水の量は、水と、セメントと急硬材からなる結合材との結合材比(W/B)で35〜80%が好ましく、40〜60%がより好ましく、40〜55%が最も好ましい。なお、ここでいう水の量には、急硬材スラリー中の水も含むものである。35%未満ではセメントコンクリートの流動性が悪く、ポンプ圧送性に支障をきたすおそれがあり、60%を越えると強度発現性が低下するおそれがある。
【0038】
本発明のセメントコンクリ−トは、ペースト、モルタル、及びコンクリートいずれも使用できるが、金網型枠へ吹付けた際にリバウンドしにくい点で、モルタルが好ましい。
【0039】
本発明では、セメントコンクリートの性状を改善する目的で、減水剤、AE剤、繊維、及び微粉等の各種混和剤を併用してもよい。
【0040】
減水剤は、セメントコンクリートの流動性を改善することができるものであり、ナフタレンスルホン酸塩系ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩系ホルマリン縮合物、及びポリカルボン酸系高分子化合物等を使用することが好ましい。AE剤はセメントコンクリートの凍害を防止できるものである。繊維は特にアンカー部のひび割れ防止に有効なものである。微粉は空隙を埋めて緻密構造を形成し、高強度化を図るものであり、シリカフューム等が使用できる。
【0041】
本発明で使用する法面吹付材料を使用した法面吹付工法としては、法面吹付材料を直に法面へ吹付けてもよいが、法面の補強効果を増すために、法面に型枠を配置することが好ましく、フリーフレーム工法がより好ましい。
【0042】
フリーフレーム工法に使用する金網の配置方法としては、以下の方法が好ましいが、特に制限されるものではない。
幅30〜60cm、長さ1〜3m程度の金網(波形鉄筋φ1〜3mm)を2枚平行に金網の幅と同程度の間隔で、長手方向を法面に沿って配置し継ぎ足していく。平行、幅方向に立てた金網には、2枚の金網の幅を決定する鉄筋等のスペーサーを用いて、フレーム型枠を形成する。このフレーム型枠は、縦方向と横方向に延ばされるが、このフレーム型枠の交点部に交点部用フレームを用いてもよい。
このように配置したフレーム型枠内に法面吹付材料を吹付け、フレーム型枠の金網からはみ出した法面吹付材料をコテ均しして、フレームの美観を保つようにする。
【0043】
本発明で使用する法面吹付材料の法面吹付工法としては、一般的に行われている乾式・湿式の吹付方法で使用できる。中でも粉塵の発生量が少ない点で湿式吹付法が好ましい。
【0044】
本発明で使用する法面吹付材料における急硬材スラリーの吹付方法は、セメントコンクリート圧送管に、吹付けノズルから手前の位置、好ましくは吹付けノズルから1〜30m、より好ましくは3〜10m手前の位置に、セメントコンクリートと急硬材スラリーを強制的に混合させる添加機、例えばシャワーリングを取り付けて吹付けることが好ましい。1m未満だとセメントコンクリートと急硬材スラリーの混合が不十分となるおそれがあり、30mを越えると圧送管内でセメントと急硬材スラリーが圧送中に反応し、圧送管が閉塞するおそれがある。
【0045】
一方、急硬材は、急硬材添加機「ナトムクリート」により、0.1〜0.5MPaの圧力で圧送することが好ましい。急硬材スラリーとして使用する場合には、さらに、凝結遅延剤液を高圧水ポンプにより約2MPaの圧力でシャワーリング前まで圧送し、シャワーリングへ圧送する直前に急硬材と混合して急硬材スラリーを調製し、シャワーリングからセメントコンクリートと強制的に混合して法面吹付材料として、法面に吹付ける。
【0046】
急硬材スラリーは、圧送空気により圧送された急硬材と高圧の凝結遅延剤液の圧力混合によって調製されるが、十分混合せずに、ダマができたり、急硬材スラリーの濃度が変動したりする場合には、スタティックミキサー等を用いて急硬材と凝結遅延剤液を混合し、調製した急硬材スラリーをシャワーリングへ圧送し、吹付けコンクリートと混合することが好ましい。又、シャワーリング内で急硬材と凝結遅延剤液を混合してもよい。
【0047】
【実施例】
以下、実施例に基づき詳細に説明する。
【0048】
実施例1
単位セメント量450kg/m3 、W/C=45%、及びs/a=70%とした吹付コンクリートを調製し、これをコンクリート圧送機「アリバー280」により空気圧送した。
吹付コンクリートの空気圧送の途中にシャワーリングを設け、シャワーリングの入口にスタティックミキサーを設け、スタティックミキサーの入口にY字管を設けた。Y字管の一方よりカルシウムアルミネート100重量部と石膏100重量部からなる急硬材を、セメント100重量部に対して10重量部となるように、急硬材添加装置「ナトムクリート」によりシャワーリングへ圧送した。
Y字管の他の一方より、急硬材100重量部に対して60重量部の水に、セメント100重量部に対して表1に示す量の凝結遅延剤を溶解させた凝結遅延剤液をポンプでシャワーリングへ圧送した。シャワーリングへ圧送される直前で水圧により急硬材と凝結遅延剤液をスタティックミキサーの箇所で強制混合して急硬材スラリーとし、吹付ノズルから5m手前の位置で急硬材スラリーをシャワーリングより吹付コンクリート中に圧入混合して急硬性吹付コンクリートとし、吹付けを行った。
この急硬性吹付コンクリートについて評価した。結果を表1に示す。
(使用材料)
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品、比重3. 16
細骨材:新潟県糸魚川市姫川産川砂、比重2.62
粗骨材:新潟県糸魚川市姫川産ビリ砂利、比重2.65
カルシウムアルミネート:C127 組成に対応するもの、非晶質、ブレーン値6050cm2 /g
石膏:II型無水石膏、ブレーン値6050cm2 /g
凝結遅延剤:クエン酸ナトリウム、市販品
(測定方法)
可使時間:法面吹付材料を吹き付けてから、指触により凹みがなくなる迄の時間を可使時間とした。
28日後の圧縮強度:20℃、湿度80%の環境試験室内で、幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に急硬性吹付コンクリートを吹付け、コア抜きにより採取した直径5cm×長さ10cmの供試体を200kN耐圧機で測定し、圧縮強度を求めた。
日射下の圧縮強度:気温30℃の夏場晴天時、地表の温度が50〜60℃になる直射日光下で、幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に急硬性吹付コンクリートを吹付けて屋外へ放置し、採取した直径5cm×長さ10cmの供試体を200kN耐圧機で材齢28日後に測定した。
作業性:幅10cm×長さ40cm×厚さ10cmの型枠に急硬性吹付コンクリートを吹付け、型枠の表面をコテで均して綺麗に成型し、コテ均しの作業性を評価した。手に力を入れなくても容易に成型できた場合を○とし、力を入れて成型した場合を△し、力を入れても成型できない場合を×とした。
ダレ:幅30cm×厚さ30cmの法面型枠を十字状に交叉させて法面に配置した。
その後、法面型枠に急硬性吹付コンクリートを吹付けて観察し、ダレや肌落ちが多く見られた場合を×とし、少し見られた場合を△とし、全く見られない場合を○とした。
【0049】
【表1】
Figure 0003797787
【0050】
実施例2
カルシウムアルミネート100重量部と表2に示す量の石膏からなる急硬材を、セメント100重量部に対して10重量部使用し、又、急硬材100重量部に対して60重量部の水に、セメント100重量部に対して1重量部の凝結遅延剤を溶解させた凝結遅延剤液を使用して急硬性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
この急硬性吹付コンクリートについて評価した。結果を表2に示す。
(測定方法)
1日後の圧縮強度:20℃、湿度80%の環境試験室内で、幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に急硬性吹付コンクリートを吹付け、コア抜きにより採取した直径5cm×長さ10cmの供試体を200kN耐圧機で測定し、圧縮強度を求めた。
【0051】
【表2】
Figure 0003797787
【0052】
実施例3
急硬材を、セメント100重量部に対して10重量部使用し、又、急硬材100重量部に対して表3に示す重量部使用した水に、セメント100重量部に対して1重量部の凝結遅延剤を溶解させた凝結遅延剤液を使用して急硬性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
この急硬性吹付コンクリートについて評価した。結果を表3に示す。
(測定方法)
粉塵量:幅30cm×厚さ30cmの法面型枠を十字状に交叉させて法面に配置した。その後、法面型枠に急硬性吹付コンクリートを、4m3 /hの圧送速度で30分間吹付けた。10分毎に吹付場所より3mの定位置で粉塵量を測定し、得られた測定値の平均値を示した。
圧送性:急硬性吹付コンクリートを0.4m3 /hの圧送速度、0.40MPaの圧送圧力で、30分間圧送管を用いて吹付け、圧送管内の圧力を測定した。圧送管内の圧力が0.40〜0.55MPaである場合を◎、圧送管内が閉塞しやすくなる0.60MPa以上になっても、圧送管に衝撃を与えることにより0.40〜0.55MPaになる場合を○、圧送管が閉塞し、圧送管に衝撃を与えても0.40〜0.55MPaとならない場合を×とした。
【0053】
【表3】
Figure 0003797787
【0054】
実施例4
急硬材を、セメント100重量部に対して、表4に示す重量部使用し、又、急硬材100重量部に対して60重量部使用した水に、セメント100重量部に対して1重量部の凝結遅延剤を溶解させた凝結遅延剤液を使用して急硬性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
この急硬性吹付コンクリートについて評価した。結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
Figure 0003797787
【0056】
実施例5
急硬材を、セメント100重量部に対して10重量部使用し、又、急硬材100重量部に対して60重量部使用した水に、セメント100重量部に対して1重量部の凝結遅延剤を溶解させた凝結遅延剤液を使用し、吹付ノズルから表5に示す距離の手前の位置で急硬材スラリーを吹付コンクリートと混合して急硬性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
この急硬性吹付コンクリートについて評価した。結果を表5に示す。
(測定方法)
混合性:20℃、湿度80%の環境試験室内で、幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に吹付けた急硬性吹付コンクリート表面の外観を評価した。表面全体に筋模様や斑模様が見られた場合を×、表面の一部に筋模様や斑模様が見られた場合を○、表面全体に筋模様や斑模様がなく、均一な場合を◎とした。
【0057】
【表5】
Figure 0003797787
【0058】
【発明の効果】
本発明の法面吹付材料を使用することにより、施工性が維持でき、初期にセメントの水和を促進し高強度化するので、乾燥による強度低下がなく、優れた法面吹付材料が得られる。又、強度発現性が大きいので従来の吹付け厚さより薄くすることができる。特に、急硬材スラリーを使用した場合、粉塵量が大幅に低減でき、急硬材スラリーを吹付ける直前に、急硬材スラリーとセメントコンクリートを混合撹拌するために、圧送管中で沈降や閉塞をすることがなく、作業時間が短縮し、作業者の負担も減るので作業性の良い法面吹付施工ができる。

Claims (6)

  1. (1)セメント、(2)(ア)カルシウムアルミネート及び石膏を含有してなる急硬材をセメント100重量部に対して5〜20重量部と(イ)水を急硬材100重量部に対して30〜100重量部を含有してなる急硬材スラリー、並びに(3)凝結遅延剤を含有してなり、20〜180分の可使時間を有することを特徴とする法面吹付材料であって、セメントと混合して吹付ける直前に、急硬材と、凝結遅延剤を溶解してなる水溶液とを混合して急硬材スラリーとすることを特徴とする面吹付工法。
  2. 金網や複数本の鉄筋を法面に配置して法面型枠を作成し、法面型枠に法面吹付材料を吹付けてコンクリート枠を形成することを特徴とする請求項1記載の法面吹付工法。
  3. 吹付けノズルから1〜30m手前の位置で、急硬材スラリーとセメントを混合してなることを特徴とする請求項1又は2記載の法面吹付工法。
  4. 吹付けノズルから1〜30m手前の位置で、シャワーリングを取り付けて急硬材スラリーとセメントを混合してなることを特徴とする請求項1〜3のうちの1項記載の法面吹付工法。
  5. 凝結遅延剤を溶解してなる水溶液中の凝結遅延剤の濃度が5〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜4のうちの1項記載の法面吹付工法。
  6. 法面吹付工法が湿式吹付工法であることを特徴とする請求項1〜5のうちの1項記載の法面吹付工法。
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