JP3797665B2 - 建設機械の省エネ回路 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建設機械の省エネ回路に関するものであり、特に、スイッチ操作にてノーマルモード、省エネモードまたはオートモードに切り替えることにより、エンジンの回転数を高低何れかに選択可能に形成した建設機械の省エネ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来の此種建設機械の省エネ回路は、ノーマルモードと省エネモードとをスイッチ操作にて切り替えることにより、エンジンの回転数を高低何れかに選択可能にしてある。ノーマルモードではエンジン回転数を予め設定した高回転(例えば2000rpm)にし、一方、省エネモードではエンジン回転数を予め設定した低回転(例えば1800rpm)にすることにより、燃料消費量の低減を図るとともに、エンジンの騒音を減少しようとするものである。
【0003】
しかし、スイッチ操作でノーマルモードを選択している場合は、例えばブーム下げ旋回時のように、エンジン回転数を下降してよい状態であっても、エンジン回転数を高回転のまま維持し、燃費を悪化させるという問題があった。
【0004】
そこで、スイッチ操作にてノーマルモードと省エネモードとを切り替えるように制御された建設機械の省エネ回路に於いて、ブーム上げ下げやアーム開閉等の各アタッチメントの操作に応じて、ノーマルモードと省エネモードとを最適な状態に自動切り替えできるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、スイッチ操作にてノーマルモードと消エネモードとを切り替えることにより、エンジンの回転数を高低何れかに選択可能に形成するとともに、該スイッチ操作にてオートモードを設定し、該オートモード選択時に予め設定したネガコン信号を検出するセンサからの信号をコントローラで監視し、該センサの検出信号により最適モードがノーマルモードか省エネモードかを自動的に選択できるようにした建設機械の省エネ回路であって、前記センサの検出信号をコントローラに導き、該センサの検出信号が予め設定した所定値を超えたときは、自動的に省エネモードに切り替えてエンジンの回転数を低回転に下降させるようにし、一方、該センサの検出信号が予め設定した所定値以下の場合には、自動的にノーマルモードに切り替えてエンジンの回転数を高回転にするように構成した建設機械の省エネ回路に於いて、
上記省エネ回路は、可変容量型の油圧ポンプからの吐出油がブーム用コントロールバルブ、アーム用コントロールバルブ、バケット用コントロールバルブを直列に連結し夫々センターバイパスしてネガコン絞りを介してタンクに戻り、該ネガコン絞りによって発生するネガコン圧がネガコン油路を介してレギュレータに作用し前記油圧ポンプの吐出量を調整し、前記コントロールバルブは、夫々のリモコンバルブのレバー操作により前記ブームの上下動作、アームの開閉動作、バケットの開閉動作が行われ、且つ、これ等の動作時、上記センサを前記ネガコン油路に設けて上記ネガコン信号を検出し、該ネガコン信号を上記コントローラからの指令信号に応じてエンジンスロットルガバナのラック位置を変更して、エンジンの回転数を維持するように構成した建設機械の省エネ回路、
及び、請求項2記載の発明は、上記スイッチ操作にて上記オートモードを選択した時、検出されたネガコン圧の上記所定値を0.5MPaとし、該所定値0.5MPa以下であるときは前記レバー操作量が70〜80%になったと見做し、コントローラからスロットルガバナに対してエンジン回転数を予め定めた高回転に維持するように出力制御し、一方、検出されたネガコン圧が前記所定値0.5MPaを越えているときは、自動的に省エネモードに切り替わり、エンジン回転数を低下させるように出力制御する構成とした請求項1記載の建設機械の省エネ回路を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って詳述する。図1は省エネ回路の一例として油圧ショベルのアタッチメント制御回路を示し、可変容量型の油圧ポンプ11の吐出油はブーム用のコントロールバルブ12、アーム用のコントロールバルブ13、バケット用のコントロールバルブ14をセンターバイパスしてタンク15に戻る。ネガコン絞り16によって発生するネガコン圧がネガコン油路21を介してレギュレータ17に作用し、油圧ポンプ11の傾転角を変化させて吐出量を調整するように形成されている。
【0007】
前記各コントロールバルブ12,13,14は、夫々リモコンバルブ18,19,20のレバー操作によりスプールが切り替わり、ブームの上げ下げ動作、アームの開閉動作、バケットの開閉動作が行われる。
【0008】
また、前記ネガコン油路21にセンサ25を設けてネガコン信号を検出し、このネガコン信号をコントローラ30に入力する。尚、符号26はノーマルモード、省エネモードまたはオートモードに切り替えるためのスイッチである。そして、符号27はエンジンスロットルガバナであり、後述するように、コントローラ30からの指令信号に応じて、エンジンスロットルガバナ27のラック位置が変化し、エンジン回転数が予め設定された高回転か、或いは、低回転かの何れかの回転に維持される。
【0009】
図2は省エネ回路の作用を説明するフローチャートであり、先ず、コントローラ30はモード切り替え用のスイッチ26のポジション(ノーマル、省エネまたはオート)を判別する(ステップ1)。
【0010】
省エネモードの場合、エンジン回転数を予め設定した低回転(例えば1800rpm)に維持すべく制御信号が出力される(ステップ2)。一方、ノーマルモードの場合は、エンジン回転数を予め設定した高回転(例えば2000rpm)に維持すべく制御信号が出力される。(ステップ3)。
【0011】
オートモードの場合、前記センサ25からの検出信号に基づき、コントローラ30はネガコン信号が予め設定した所定値以下であるか否かを判別する(ステップ4)。
【0012】
ブーム上げ動作やアーム開閉動作等があったときはネガコン圧が下降するので、検出されたネガコン圧が所定値(例えば0.5MPa)以下であるときはレバー操作量が70〜80%程度になったものと見做し、コントローラ30からエンジンスロットルガバナ27に対して、エンジン回転数を予め設定した高回転(例えば2000rpm)に維持すべく制御信号が出力される(ステップ4→ステップ3)。
【0013】
一方、ステップ4に於いて、検出されたネガコン圧が所定値(ここでは0.5MPa)を超えているときは、自動的に省エネモードに切り替わり(ステップ4→ステップ2)、エンジン回転数を低下させて燃料消費量の低減と騒音の減少を図るように制御する。
【0014】
従って、例えばブーム下げ動作のときにスイッチ26をノーマルモードにしている場合、従来はエンジン回転数が高回転のままであったが、本発明のオートモードを選択すると、ブーム下げ動作のときはブリードオフしているためネガコン圧が0.5MPaまで下降しないので、自動的に省エネモードに切り替わって、エンジン回転数を低回転に下降させるように制御することができる。
【0015】
また、ブーム上げ、アーム開閉、バケット開閉操作時は、レバーフルストローク付近でネガコン圧0.5MPa以下となり、エンジン回転数が高回転に切り替わるので、各アクチュエータの動作速度が高速になり、オペレータが掘削作業や持ち上げ旋回作業に於いて馬力不足やもたつきを感じることがない。また、レバー操作がない場合やハーフレバーでの操作でネガコン圧が所定値を超えている場合は、自動的にエンジン回転数を低下させて省エネを図ることができる。
【0016】
而して、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0017】
【発明の効果】
本発明は上記一実施の形態に詳述したように、ノーマルモード、省エネモードまたはオートモードをスイッチ操作にて切り替え可能にした建設機械に於いて、オートモード選択時に予め設定したネガコン信号を検出するセンサからの検出信号が所定値を超えたときは、自動的に省エネモードに切り替えてエンジンの回転数を低回転に下降させるようにしたので、従来は不可能であったブーム下げ動作等のブリードオフ時であっても省エネを図ることが可能となった。
また、請求項2記載の発明は、スイッチ操作にて上記オートモードを選択した時、検出されたネガコン圧の上記所定値を0.5MPaとし、該所定値0.5MPa以下であるときは前記レバー操作量が70〜80%になったと見做し、コントローラからスロットルガバナに対してエンジン回転数を予め定めた高回転に維持するように出力制御し、一方、検出されたネガコン圧が前記所定値0.5MPaを越えているときは、自動的に省エネモードに切り替わり、エンジン回転数を低下させるように出力制御する構成としたので、ブーム下げ動作のときスイッチ26をノーマルモードにしている場合、従来はエンジン回転数が高回転のままであったが、オートモードを選択すると、ブーム下げ動作のときはブリードオフしているためネガコン圧が0.5MPaまで下降しないので、自動的に省エネモードに切り替わって、エンジン回転数を低回転に下降させるように制御することができ、他方、ブーム上げ、アーム開閉、バケット開閉操作時は、レバーフルストローク付近でネガコン圧0.5MPa以下となり、エンジン回転数が高回転に切り替わるので、各アクチュエータの動作速度が高速になり、オペレータが掘削作業や持ち上げ旋回作業を行なうに際して、馬力不足やもたつきを感じることがない。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施の形態を示すものである。
【図1】省エネ回路の一例である油圧ショベルのアタッチメント制御回路図。
【図2】省エネ回路の作用を説明するフローチャート。
【符号の説明】
25 (ネガコン信号検出用の)センサ
26 (モード切り替え用の)スイッチ
27 エンジンスロットルガバナ
30 コントローラ

Claims (2)

  1. スイッチ操作にてノーマルモードと消エネモードとを切り替えることにより、エンジンの回転数を高低何れかに選択可能に形成するとともに、該スイッチ操作にてオートモードを設定し、該オートモード選択時に予め設定したネガコン信号を検出するセンサからの信号をコントローラで監視し、該センサの検出信号により最適モードがノーマルモードか省エネモードかを自動的に選択できるようにした建設機械の省エネ回路であって、前記センサの検出信号をコントローラに導き、該センサの検出信号が予め設定した所定値を超えたときは、自動的に省エネモードに切り替えてエンジンの回転数を低回転に下降させるようにし、一方、該センサの検出信号が予め設定した所定値以下の場合には、自動的にノーマルモードに切り替えてエンジンの回転数を高回転にするように構成した建設機械の省エネ回路に於いて、
    上記省エネ回路は、可変容量型の油圧ポンプからの吐出油がブーム用コントロールバルブ、アーム用コントロールバルブ、バケット用コントロールバルブを直列に連結し夫々センターバイパスしてネガコン絞りを介してタンクに戻り、該ネガコン絞りによって発生するネガコン圧がネガコン油路を介してレギュレータに作用し前記油圧ポンプの吐出量を調整し、前記コントロールバルブは、夫々のリモコンバルブのレバー操作により前記ブームの上下動作、アームの開閉動作、バケットの開閉動作が行われ、且つ、これ等の動作時、上記センサを前記ネガコン油路に設けて上記ネガコン信号を検出し、該ネガコン信号を上記コントローラからの指令信号に応じてエンジンスロットルガバナのラック位置を変更して、エンジンの回転数を維持するように構成したことを特徴とする建設機械の省エネ回路。
  2. 上記スイッチ操作にて上記オートモードを選択した時、検出されたネガコン圧の上記所定値を0.5MPaとし、該所定値0.5MPa以下であるときは前記レバー操作量が70〜80%になったと見做し、コントローラからスロットルガバナに対してエンジン回転数を予め定めた高回転に維持するように出力制御し、一方、検出されたネガコン圧が前記所定値0.5MPaを越えているときは、自動的に省エネモードに切り替わり、エンジン回転数を低下させるように出力制御する構成としたことを特徴とする請求項1記載の建設機械の省エネ回路。
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