JP3796849B2 - スパークプラグおよびその製造方法 - Google Patents

スパークプラグおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
ガスヒートポンプやコージェネレーション用エンジン等のガスエンジンに使用される長寿命なスパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平5−343159号公報には、図6に示すようなスパークプラグ10が提案されている。このスパークプラグ10のチップ5は脚部51および大径部52を有している。そして、中心電極3の先端部3aの孔321に、チップ5の脚部51が挿入され、チップ5と中心電極3の先端部3aとの界面近傍に、レーザー溶接による溶融部7が形成されている。なお、大径部52の径は1.8mmであった。また、中心電極3は導電材料(例えば銅合金材料やニッケル合金材料)からなり、チップ5は中心電極3よりも高融点な導電材料(例えばPt合金材料)から構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、このようなスパークプラグ10を、ガスヒートポンプやコージェネレーション用エンジン等に適用することが試みられている。ガスヒートポンプやコージェネレーション用エンジン等は、従来の自動車エンジン等に比べて長期間にわたって使用されるため、これに適用するスパークプラグ10も長寿命であることが要求される。
【0004】
そして、本発明者らが、上記従来技術のスパークプラグ10について、ガスエンジンの使用環境を模擬して評価を行なった結果、ガスエンジンの寿命よりも短い期間で、スパークプラグ10に点火ミスが多発する恐れがあることがわかった。また、上記寿命よりも短い期間で、スパークプラグ10の要求電圧(スパークプラグ10が火花放電可能な電圧)が、スパークプラグ10に供給可能な供給電圧(約−35kV)よりも大きくなり、火花放電できなくなることが、上記恐れの原因であることがわかった。
【0005】
以下に、この原因について詳しく説明する。
まず、上記従来技術では、中心電極3の孔321の底面321aと、チップ5の脚部51の先端部511とが、特に溶接等にて接合されていないため、この底面321aと先端部511とは近接または当接していると考えられる。そして、製造上の理由から、中心電極3およびチップ5の表面に、数十μm程度の微少な凹凸があるため、たとえ上記底面321aと上記先端部511とが当接していても、上記底面321aと上記先端部511との間には、数十μm程度の微少な間隙(空気層)が存在する。よって、上記底面321aと上記先端部511との間の熱伝導性は悪い。
【0006】
従って、スパークプラグ10の使用時において、チップ5の受ける熱を中心電極3側へ効率よく逃がすことができず、チップ5が異常に高温となり、チップ5が異常に消耗する。この結果、スパークプラグ10の放電ギャップ6(図2参照)が急速に拡大され、上記要求電圧が増大するのである。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、大径部および脚部を有するチップの熱を中心電極側へ効率よく逃がすことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1ないしに記載の発明では、脚部(51)および大径部(52)を備えるチップ(5)の脚部(51)を、中心電極(3)の先端部(3a)の孔(321)に挿入し、
中心電極(3)の孔(321)の底面部(321a、81)と、チップ(5)の脚部(51)の先端部(511)とを、溶接して一体化しており、チップ(5)と中心電極(3)との界面近傍に、チップ(5)および中心電極(3)を溶融して、チップ(5)と中心電極(3)とを一体に接合する溶融部(7)を形成したスパークプラグの製造方法であって、
チップ(5)の脚部(51)の長さLと、中心電極(3)の孔(321)の深さDとの差(L−D)が、0より大きく、かつ、1.0mm以下となるように設定されたチップ(5)および中心電極(3)を用い、
中心電極(3)の孔(321)の底面部(321a、81)とチップ(5)の脚部(51)の先端部(511)とを溶接するとともに、中心電極(3)の先端部(3a)と大径部(52)とを当接させる第1工程と、
第1工程の後、チップ(5)と中心電極(3)との界面近傍に、溶融部(7)を形成する第2工程とを含むことを特徴としている。
【0008】
そして、上記構成によれば、中心電極(3)の孔(321)の底面部(321a、81)と、チップ(5)の脚部(51)の先端部(511)とを溶接することにより、孔(321)の底面部(321a、81)と、脚部(51)の先端部(511)との間の微小な間隙が埋められる。このため、孔(321)の底面部(321a、81)と、脚部(51)の先端部(511)との間の熱伝導性を向上できる。
【0009】
ここで、中心電極(3)のうち、チップ(5)に対向する部位において、孔(321)の底面部(321a、81)は、孔(321)の側周面に比べて温度が低いため、この底面部(321a、81)と、チップ(5)の脚部(51)の先端部(511)との間の熱伝導性を向上することにより、チップ(5)の熱を、中心電極(3)側へ効率よく逃がすことができる。
【0010】
従って、チップ(5)の異常消耗を抑制でき、スパークプラグ(10)の要求電圧が高くなることを抑制できるので、点火ミスの多発を抑制でき、このスパークプラグ(10)の寿命を長くできる。このようなスパークプラグ(10)は、上記ガスエンジンに使用して好適である。
なお、孔(321)の底面(321a)により、孔(321)の底面部(321a、81)を構成する場合や、この孔(321)の底面(321a)に、チップ(5)よりも融点の低い材料からなる導電部材(8)を配置し、この導電部材(8)の表面(81)により、孔(321)の底面部(321a、81)を構成する場合がある。
【0011】
また、中心電極(3)およびチップ(5)を溶融させてなる溶融部(7)は、中心電極(3)の熱膨張率とチップ(5)の熱膨張率の間の熱膨張率を有する。よって、この溶融部(7)により、スパークプラグ(10)の使用時において、中心電極(3)とチップ(5)との界面近傍に発生する熱応力を緩和でき、チップ(5)の剥離を抑制できる。
【0016】
そして、請求項1ないし4に記載の発明では、前述したようにチップ(5)の脚部(51)の長さLと、中心電極(3)の孔(321)の深さDとの差(L−D)が、0より大きく、かつ、1.0mm以下となるように設定されたチップ(5)および中心電極(3)を用い、
中心電極(3)の孔(321)の底面部(321a、81)とチップ(5)の脚部(51)の先端部(511)とを溶接するとともに、中心電極(3)の先端部(3a)と大径部(52)とを当接させる第1工程と、
第1工程の後、チップ(5)と中心電極(3)との界面近傍に、溶融部(7)を形成する第2工程とを含んでいる。
【0017】
ここで、上記長さLと上記深さDとの差が0となるように設定した場合、チップ(5)および中心電極(3)の微少な寸法誤差等により、上記第1工程において、中心電極(3)の孔(321)の底面部(321a、81)と、チップ(5)の脚部(51)の先端部(511)とを、隙間なく一体化できなくなる恐れがある。これに対して、差(L−D)を0より大きくすることにより、上記恐れを抑制できる。
【0018】
また、差(L−D)を1.0mmより大きくすると、第1工程の後、チップ(5)の脚部(51)が孔(321)の底面部(321a、81)に深く入り込み、中心電極(3)の先端部(3a)が径方向に膨らむように変形して、チップ(5)を、中心電極(3)の所定位置に配置できなくなる恐れがある、ということが、発明者らの実験、経験によりわかっている。
そして、チップ(5)が所定位置に配置されていない場合、チップ(5)が全面的に消耗せず、局所的に消耗するため、放電ギャップ(6)の拡大が急速に進み、点火ミスが早期に発生する恐れがある。これに対して、差(L−D)を1.0mm以下とすることにより、上記恐れを抑制できる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のスパークプラグの製造方法において、第1工程において、中心電極(3)の孔(321)の底面部(321a)に、チップ(5)よりも融点の低い材料からなる導電部材(8)を配置し、
第1工程は、導電部材(8)の表面(81)と、チップ(5)の脚部(51)の先端部(511)とを溶接することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載のスパークプラグの製造方法において、中心電極(3)の孔(321)の底面部(321a、81)とチップ(5)の脚部(51)の先端部(511)とを、抵抗溶接により一体化することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のスパークプラグの製造方法において、チップ(5)と中心電極(3)との界面近傍に、エネルギの集中する光線を当てることにより、溶融部(7)を形成することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図2および図1(d)、(e)に示す本実施形態のスパークプラグ10は、ガスヒートポンプのエンジンに適用される。このスパークプラグ10は、円筒状の取付金具1を備えており、この取付金具1の取付ネジ部1aにより、エンジンブロック100に固定されている。取付金具1の内部には、アルミナセラミック(Al2 3 )等からなる絶縁体2が固定されており、この絶縁体2の軸孔21に中心電極3が固定されている。絶縁体2の先端部2aは、取付金具1の先端部11から露出するように設けられている。
【0020】
中心電極3は、内材31が熱伝導性に優れた金属材料(例えば銅)、外材32が耐熱性に優れたNi合金材料(例えば、インコネル社のインコネル600)により構成された円柱体で、その先端部3aが絶縁体2の先端部2aから露出するように設けられている。取付金具1の先端部11には、接地電極4が溶接により固定されている。この接地電極4は、Ni合金材料等の金属材料からなり、チップ5と放電ギャップ6を隔てて対向している。
【0021】
ここで、ガスエンジンの燃焼室内は、ガソリンエンジンの燃焼室内に比べて圧力が高いため、火花放電しにくい環境である。このため、本実施形態におけるスパークプラグ10の放電ギャップ6を、ガソリンエンジンに設けるスパークプラグの放電ギャップに比べて短く、例えば0.3mm程度にしてある。
中心電極3の先端部3aには、Ir合金材料(例えば、90wt%Ir−10wt%Rh)からなるチップ5が設けられている。中心電極3の先端部3aには、円形状の孔321が形成されており、チップ5は、孔321に挿入可能な円柱形状の脚部51と、この脚部51よりも大径な円柱形状の大径部52とを備えている。
【0022】
さらに、大径部52には、図1(e)に示すような十字状の溝53が形成されている。この溝53は、図1(a)に示すように断面コ字状であり、この溝53と大径部52の表面との境界部に、直角的に尖った形状のエッジ部54が形成されている。ここで、放電ギャップ6に発生する火花放電は、チップ5の大径部52のうち、尖った部位(大径部52の端面外周部や、上記エッジ部54)に発生しやすい。よって、溝53を形成しない場合に比べて、火花放電の発生しやすい場所が増加し、スパークプラグ10の寿命を長くできる。
【0023】
また、火花放電により形成される火炎は、放電ギャップ6に形成されるものであるが、溝53を設けることにより、火炎の形成スペースを拡大でき、火炎を大きくできる。この結果、混合気の着火性を向上できる。
そして、チップ5の脚部51と中心電極3の先端部3aとの界面近傍には、チップ5の脚部51および中心電極3の溶融部7が、複数カ所(本実施形態では90°づつ隔てて4か所)形成されている。この溶融部7は、チップ5の脚部51および中心電極3の先端部3aにかけて形成されており、後述するレーザー溶接により形成されている。また、中心電極3の孔321の底面(底面部)321aと、チップ5の脚部51の先端部511とは、後述する抵抗溶接により一体化されている。
【0024】
以下に、チップ5を中心電極3の先端部3aに固定する方法を説明する。
まず、図1(a)に示すように、中心電極3の孔321にチップ5の脚部51を挿入する。ここで、チップ5の脚部51の長さLおよび中心電極3の孔321の深さDは、この長さLと深さDとの差(L−D)が、例えば0.4mmとなるように設定されている。なお、チップ5の大径部52の径は2.7mm、長さは1.3mm、大径部52の溝53の幅は0.4mm、深さは0.8mm、脚部51の径は1.7mm、長さLは1.2mm、中心電極3の孔321の径は1.8mm、深さDは0.8mmとしている。
【0025】
その後、図1(b)に示すように、抵抗溶接機の溶接電極9により抵抗溶接を行う。この抵抗溶接は、圧力P=30kg/cm2 、投入電流I=2000Aで、交流電流を用いて30サイクル行なう。これにより、孔321の底面321aに脚部51の先端部511が全面的に圧接されると同時に、孔321の底面321aと脚部51の先端部511との間に大電流が投入されて発熱し、孔321の底面321aが全面的に溶融し、孔321の底面321aに脚部51の先端部511が入り込む。
【0026】
これにより、図1(c)に示すように、孔321の底面321aと脚部51の先端部511が全面的に一体化される。なお、中心電極3の先端部3aに大径部5が当接することにより、上記入り込み量は規制される。また、上記抵抗溶接時に、脚部51の先端部511も多少軟化して変形するため、上記入り込み量は上記差(L−D)よりもわずかに大きいものである。
【0027】
その後、チップ5の脚部51の側周面に沿って、レーザー溶接を複数カ所(例えば4か所)行なう。このレーザー溶接にはYAGレーザー(エネルギの集中する光線)を使用し、照射エネルギが5J、照射時間が2.5ms、焦点がジャストフォーカスとしている。そして、径方向に略垂直に図1(c)中矢印Aで示す方向に、レーザーを当てている。
【0028】
そして、上記構成によれば、中心電極3の孔321の底面321aと、チップ5の脚部51の先端部511とを全面的に溶接することにより、孔321の底面321aと、脚部51の先端部511との間の微小な間隙が埋められる。このため、孔321の底面321aと、脚部51の先端部511との間の熱伝導性を向上できる。
【0029】
ここで、中心電極3のうち、チップ5に対向する部位において、孔321の底面321aは、孔321の側周面に比べて温度が低いため、この底面321aと、チップ5の脚部51の先端部511との間の熱伝導性を向上することにより、チップ5の熱を、中心電極3側へ効率よく逃がすことができる。
従って、チップ5の異常消耗を抑制でき、スパークプラグ10の要求電圧が高くなることを抑制できるので、点火ミスの多発を抑制でき、このスパークプラグ10の寿命を長くできる。
【0030】
また、中心電極3およびチップ5を溶融させてなる溶融部7は、中心電極3の熱膨張率とチップ5の熱膨張率の間の熱膨張率を有する。よって、この溶融部7により、スパークプラグ10の使用時において、チップ5と中心電極3の先端部3aとの界面近傍にかかる熱応力を緩和でき、チップ5が中心電極3の先端部3aから剥離するのを抑制できる。
【0031】
以下に、脚部51の長さLと孔321の深さDとの差(L−D)と、スパークプラグ10の要求電圧との関係を評価した結果について説明する。
まず、差(L−D)が、−1.0mm、−0.25mm、0.0mm、0.5mm、1.0mmのものをそれぞれ6個ずつ用意し、上記した抵抗溶接、レーザー溶接の順で、チップ5を中心電極3に固定した。
【0032】
そして、これらスパークプラグ10を、12気筒、4500ccガスエンジンに取り付け、このガスエンジンを、スロットル全開(エンジン回転数=1500rpm)条件で2000時間作動させた後の、スパークプラグ10の要求電圧を測定した。この結果を図3のグラフに示す。なお、図3のグラフにおいて、6個のスパークプラグ10の要求電圧のばらつき幅を、矢印で示し、それらの平均値を白丸で示してある。また、この評価に用いた全てのスパークプラグ10の初期(エンジン取付直後)の要求電圧は約−20kVであった。
【0033】
この結果、差(L−D)が0.0mm、0.5mm、1.0mmのスパークプラグ10によれば、差(L−D)が−1.0mm、−0.25mmのスパークプラグ10に比べて要求電圧の上昇を抑制でき、ひいては、スパークプラグ10の寿命を長くできることがわかった。
なお、上記差(L−D)が1.0mmより大きなスパークプラグ10に関しては、中心電極3の先端部3aが径方向に膨らむように変形して、チップ5が中心電極3の先端部3aの所定位置に配置されていないものが多々形成されることが確認されている。
【0034】
また、差(L−D)が−1.0mm、−0.25mmのスパークプラグ10に関しては、抵抗溶接時に、チップ5の大径部52と中心電極3の先端部3aとが強く圧接し、この圧接部位が主に発熱して溶接されている。よって、脚部51の先端部511と孔321の底面321aとの間の間隙を確実に埋めることができず、チップ5の熱引けが悪いものである、と考えられる。
【0035】
(第2の実施形態)
本実施形態では、図4に示すように、溶融部7が、チップ5の大径部52および中心電極3の先端部3aにかけて形成されている。このような形態のスパークプラグ10について、上記評価と同様の評価を行なった結果、上記第1の実施形態と同様の理由により、上記差(L−D)を0.0mm〜1.0mmとするのが好ましい、ということがわかった。
【0036】
(第3の実施形態)
本実施形態では、図5(a)に示すように、中心電極3の孔321の底面321aに、円柱状の導電部材8を配置した後、図5(b)に示すように、この導電部材8の上面81に脚部51を押しつけた状態で、抵抗溶接を施している。導電部材8は、チップ5の線膨張率と中心電極3の線膨張率の間の線膨張率を有する材料で、かつ、チップ5よりも融点が低い材料、例えばニッケル合金材料、Pt、Ir合金材料等からなる。
【0037】
ここで、導電部材8の上面81により、請求項でいう孔321の底面部を構成しており、中心電極3の先端面から、導電部材8の上面81までの長さを、請求項でいう孔321の深さDとしている。また、孔321の深さDおよび脚部51の長さは、差(L−D)が、例えば0.8mmとなるように設定されている。
そして、上記抵抗溶接により、孔321の底面321aおよび導電部材8が主に溶融し、図5(c)に示すように、孔321の底面321aと導電部材8の底面、および、導電部材8の上面81と脚部51の先端部511が一体化される。その後、レーザーを図5(c)中矢印Aで示す方向に当てることにより、図5(d)に示すように、溶融部7が形成される。
【0038】
これによれば、溶融部7だけでなく、導電部材8によっても、チップ5と中心電極3との界面にかかる熱応力を効果的に緩和できるので、チップ5が中心電極3から剥離することを効果的に抑制できる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、大径部52の表面に十字状の溝53を形成していたが、この形状に限定されることはなく、円形状であってもよいし、スポーク状であってもよい。また、溝53を廃止してもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、溝53は断面コ字状であったが、断面V字状であってもよい。なお、溝53のエッジ部54は、直角より鈍角的でも鋭角的でもよい。
また、上記実施形態では、大径部52の径が2.7mmのチップ5を用いていたが、これより大きくても小さくてもよく、例えば、従来技術と同様のチップ5(大径部52の径が1.8mm)を用いてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、エネルギの集中する光線としてレーザーを用いていたが、他に電子ビーム等を用いてもよい。
また、上記第1の実施形態では、図1(c)に示すように、中心電極3の先端部3aに大径部5が当接することにより、上記入り込み量を上記差(L−D)程度に規制していたが、大径部5を当接させないで、抵抗溶接の投入電流Iや圧力Pを調整することにより、上記入り込み量を上記差(L−D)程度に規制してもよい。このときは、脚部51の長さLおよび孔321の深さDは、上記差(L−D)が1.0mmより大きくなるように設定されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係わるスパークプラグの製造工程を示す要部断面図であり、(e)はチップの上面図である。
【図2】本発明の実施形態に係わるスパークプラグの半断面図である。
【図3】脚部の長さLと孔の深さDとの差(L−D)と、ガスエンジンで2000時間使用した後のスパークプラグの要求電圧との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係わるスパークプラグの要部断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係わるスパークプラグの製造工程を示す要部断面図である。
【図6】従来技術に係わるスパークプラグの要部断面図である。
【符号の説明】
3…中心電極、3a…中心電極の先端部、321…孔、321a…孔の底面、5…チップ、51…脚部、511…脚部の先端部、52…大径部、7…溶融部。

Claims (4)

  1. 導電材料からなり、先端部(3a)に孔(321)を備えた中心電極(3)と、
    前記孔(321)に挿入される脚部(51)、および、前記脚部(51)よりも大径な大径部(52)を同軸的に一体に備え、前記中心電極(3)よりも高融点な導電材料からなるチップ(5)とを具備し、
    前記中心電極(3)の前記孔(321)の底面部(321a、81)と、前記チップ(5)の前記脚部(51)の先端部(511)とを溶接して、前記底面部(321a、81)と前記先端部(511)とが一体化されており、
    前記チップ(5)と前記中心電極(3)との界面近傍には、前記チップ(5)および前記中心電極(3)を溶融して前記チップ(5)と前記中心電極(3)とを一体に接合する溶融部(7)が形成されているスパークプラグの製造方法であって、
    前記チップ(5)の前記脚部(51)の長さLと、前記中心電極(3)の前記孔(321)の深さDとの差(L−D)が、0より大きく、かつ、1.0mm以下となるように設定されたチップ(5)および中心電極(3)を用い、
    前記中心電極(3)の前記孔(321)の前記底面部(321a、81)と前記チップ(5)の前記脚部(51)の前記先端部(511)とを溶接するとともに、前記中心電極(3)の前記先端部(3a)と前記大径部(52)とを当接させる第1工程と、
    前記第1工程の後、前記チップ(5)と前記中心電極(3)との界面近傍に、前記溶融部(7)を形成する第2工程とを含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 前記第1工程において、前記中心電極(3)の前記孔(321)の底面部(321a)に、前記チップ(5)よりも融点の低い材料からなる導電部材(8)を配置し、
    前記第1工程は、前記導電部材(8)の表面(81)と、前記チップ(5)の前記脚部(51)の前記先端部(511)とを溶接することを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグの製造方法
  3. 前記中心電極(3)の前記孔(321)の前記底面部(321a、81)と前記チップ(5)の前記脚部(51)の前記先端部(511)とを、抵抗溶接により一体化することを特徴とする請求項1または2に記載のスパークプラグの製造方法
  4. 前記チップ(5)と前記中心電極(3)との界面近傍に、エネルギの集中する光線を当てることにより、前記溶融部(7)を形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のスパークプラグの製造方法
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