JP3796780B2 - 新規免疫抑制剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可溶性ヒトインターロイキン2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトインターロイキン2レセプターβ鎖分子及び可溶性ヒトインターロイキン2レセプターγ鎖分子を有効成分とする免疫抑制剤に関する。
本免疫抑制剤は、インターロイキン2(以下、IL−2と称する)の生物活性を効果的に阻害する作用を有しており、IL−2の過剰産生が原因となっている臓器移植時の拒絶反応の予防、アレルギー性疾患や自己免疫疾患などの炎症性疾患の治療薬として有効である。
【0002】
【従来の技術】
臓器移植の外科的技術が著しく向上した現在、臓器移植手術の成否は術後の移植片拒絶反応をいかにして抑制できるかにかかってきている。拒絶反応は、生体が移植片を異物として認識し、それを排除するために一連の免疫反応が惹起されることにより生じる。そこで、従来より拒絶防止薬として、ステロイド剤、アザチオプリン、メトトレキセート、6−メルカプトプリンなどのいわゆる免疫抑制剤と呼ばれている薬剤の投与が行われてきた。しかし、安全域が狭いこと、あるいは効果が弱いことなどにより、移植臓器の拒絶反応を抑制することができず、移植臓器の生着率の著しい向上はみられなかった。
【0003】
その後、サイクロスポリンAやFK506の登場により、生着率は格段の向上をみられるようになった。しかしながら、サイクロスポリンAやFK506には重篤な腎毒性があることが明らかとなり、その使用の制限が与儀なくされてきており、より安全で、かつ効果的な免疫抑制剤の開発が望まれてきている。
【0004】
さて、IL−2は、ヘルパーT細胞から産生されるタンパク質であり、生体内においてキラーT細胞の増殖や分化誘導、B細胞の分化誘導など、広汎な働きを有している生体防御上非常に重要な因子である。臓器移植や骨髄移植においては、移植片の生着の鍵を握ると考えられている宿主対移植片反応(HVG反応)、あるいは移植片対宿主反応(GVH反応)に、IL−2などにより活性化されたキラーT細胞が深く関与していることが示されている。
【0005】
また、自己免疫疾患は生体内での免疫系のバランスがくずれ、生体自身を攻撃することにより発症すると考えられており、その中でも特にIL−2を中心とする免疫系因子の過剰産生、あるいはそれらの因子に対する過剰反応がその一因となっていると考えられている。従って、IL−2の作用を選択的、かつ効果的に抑制することができれば、臓器移植時の拒絶反応の予防や、自己免疫疾患の治療が可能となるものと考えられるようになった。
【0006】
実際、IL−2のIL−2レセプターへの結合を阻害する活性を有する抗IL−2レセプターα鎖抗体を、マウスにおける心移植や(J. Exp. Med.、162巻、358頁、1985年)、サルにおける腎臓移植の際に投与すると拒絶反応が抑制されること(Transplantation、47巻、55頁、1989年)が報告され、更にその後、ヒトの腎臓移植患者での臨床試験において抗IL−2レセプターα鎖抗体の有効性が確認された(N. Engl. J. Med.、322巻、1175頁、1990年;Transplantation、51巻、107頁、1991年)。
【0007】
しかし、この臨床試験においては、投与した抗体がマウス由来の蛋白であるため、投与した抗体に対する免疫反応が生じ、抗体に対する抗体の産生が確認された。従って、抗体投与を繰り返し行うと更に強い免疫反応が惹起され、アレルギーが発症する可能性が高い。また、投与した抗体と抗体に対する抗体とが複合体を形成することにより分解を受けやすくなり、抗体の効果が激減する可能性も高く、副作用、及び効果の両面から、抗体の頻回投与は難しいと考えられている。しかし、少なくともIL−2の作用を選択的に抑制することで、効果的な免疫抑制を行うことができることが強く示唆されていることから、副作用が少なく、かつ効果的にIL−2の作用を抑制できる薬剤は、有効な免疫抑制剤となるものと考えられ、開発が望まれている。
【0008】
さて、IL−2は、細胞表面上に発現するIL−2レセプターに結合して機能が発現する。IL−2レセプターは、α鎖、β鎖、γ鎖の3つの分子より構成されることが知られており。各鎖の遺伝子を導入したトランスフェクタントを用いた実験により、α鎖とβ鎖とγ鎖をすべて発現する細胞にはIL−2がkd=10-11Mで、α鎖とβ鎖を発現する細胞にはkd=10-10Mで、β鎖とγ鎖を発現する細胞にはKd=10-9Mで、α鎖のみ、あるいはα鎖とγ鎖を発現する細胞にはkd=10-8Mでそれぞれ結合し、β鎖のみ、あるいはγ鎖のみ発現する細胞にはIL−2は殆ど結合しないことが明らかとなった(Cell、73巻、5頁、1993年)。
【0009】
IL−2レセプターα鎖分子は、細胞膜貫通領域と細胞内領域を欠落した可溶体として、ヒト体液中に存在することが知られ、ヒト成人T細胞白血病(ATL)患者等で高値となることが知られている(Jpn. J. Cancer Res.、79巻、593頁、1988年)。この可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子は、IL−2に結合する活性を有し、IL−2の活性を阻害する活性を有していることがリコンビナント体を用いた実験で明らかとなった(Immunol. Let.、19巻、299頁、1988年)。可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子は、元来ヒトの生体内に存在する分子であることから、ヒトに投与した場合抗体が産生される可能性は少なく、安全な薬剤と考えられ、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子が免疫抑制剤として応用できる可能性が示唆されたが、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子のIL−2活性阻害能は極めて弱いことから、実際にヒトに応用することは困難であり、現在まで臨床応用されていない。
【0010】
一方、IL−2レセプターβ鎖分子、及びIL−2レセプターγ鎖分子も、細胞膜貫通領域と細胞内領域を欠落した可溶体として、ヒト体液中に存在することが知られ、特定の疾患で高い値となることが明らかとなっているが(特開平6−201693、特願平6−301837)、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、リコンビナント体を用いた実験により、それぞれIL−2に結合する活性は殆ど有しておらず、IL−2活性の阻害能も有していないことが明らかとなり、免疫抑制剤として応用することはできないと考えられていた。
従って、ヒトに投与した場合、免疫反応を惹起しない、副作用が少なく安全で、かつ効果的にIL−2の作用を抑制できる薬剤は現在まで知られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、IL−2の作用を効果的に抑制する活性を有し、臓器移植時の拒絶反応の防止や自己免疫疾患の治療に対して有効であり、かつ副作用がなく頻回投与が可能な免疫抑制剤を提供することである。
【0012】
【課題を解決する為の手段】
本願発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子がヒトIL−2存在下で複合体を形成することを世界で初めて見いだした。そして可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を混合すると、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子単独のIL−2活性阻害能に比較して、約50倍の阻害能を有することを見いだし、本願発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分とする免疫抑制剤である。本発明に従えば、IL−2の作用を効果的に阻害し、臓器移植時の拒絶反応の防止や自己免疫疾患の治療に対して有効で、かつ副作用がなく頻回投与が可能な免疫抑制剤が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明に使用される可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、それぞれの分子をコードするcDNAを適当なベクタープラスミドに挿入し、適当な宿主に導入して形質転換させたとき、この形質転換株によって生産され培地中に分泌されるような性質を有するものをいう。
具体的には、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子の場合には、N末端アミノ酸(Glu)から数えて少なくとも220番目(Val)以降のポリペプチド部分が欠失した細胞膜外領域をいい、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子の場合には、N末端アミノ酸(Ala)から数えて少なくとも213番目(Asp)以降のポリペプチド部分が欠失した細胞膜外領域をいい、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子の場合には、N末端アミノ酸(Leu)から数えて少なくとも228番目(Thr)以降のポリペプチド部分が欠失した細胞膜外領域をいい、それぞれのレセプター分子の、疎水性の高い細胞膜貫通領域、及び細胞内領域を除去することにより水溶性を著しく向上させていることを特徴としている。それぞれの分子のアミノ酸配列は配列表の1、2、及び3に記載されている。
【0015】
本願発明の免疫抑制剤に含有される可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、以下のような方法により製造することができる。すなわち、適当なプロモーター配列の下流に、発現可能となるように、それぞれの蛋白分子をコードする遺伝子を配置し、宿主細胞内で増殖できるベクターDNAに組み込み、L細胞やNIH3T3細胞等の動物細胞に導入して形質転換、又はエシェリヒア属微生物等に導入し、その形質転換細胞、又は形質導入したエシェリヒア属微生物を培養することにより製造することができる。具体的な製造方法を以下に記す。
【0016】
可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子は、特開昭62−246598号明細書記載の方法等により製造することができる。以下にその方法につき説明する。
プラスミドpKCRTac2(Nature、311巻、631頁、1984年)のIL−2レセプターα鎖cDNAのAatII制限酵素部位に5’端をリン酸化した第1図に示す合成DNA(a)を挿入することにより、IL−2レセプターα鎖cDNAのスレオニン(N末端より211番目)に相当するコドン(ACG)のすぐ後に終止コドンTGAを配置する。そしてSV40初期遺伝子プロモーターの下流に開始コドンATG、シグナルペプチドをコードする遺伝子、そして可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖cDNAを配置することによりpKCRIL2R BTMLESSが構築できる(第1図参照)。
この場合、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖cDNAを調製するために、適当なプライマーDNAを作成し、PCR法により調製しても差し支えないし、SV40初期遺伝子プロモーター以外のプロモーターを用いても構わない。また、発現可能である限り、如何なる発現ベクターを用いても構わない。
【0017】
可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖遺伝子を有するベクターDNAを用いて宿主細胞を形質転換するには、以下に示す通常よく用いられる形質転換法がある。宿主細胞がL細胞の場合、DNAをリン酸カルシウム沈澱として感染させる方法、マイクロインジェクション法、赤血球細胞若しくははリボソームにプラスミドを包括して挿入する方法、リボフォスファチジルコリンのような試薬による細胞の処理法、又はウィルスベクターを用いる方法などがある。形質転換する宿主細胞としては、L細胞以外にも、マウスNIH3T3細胞、マウスBalb3T3細胞や、ハムスターCHO細胞などを用いることができる。
【0018】
可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖遺伝子を組み込んで形質転換したマウス細胞より可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖蛋白を製造する方法は一般的に行われている付着細胞の培養方法に従えばよい。即ち、37℃、5%炭酸ガス通気中、組織培養フラスコを使用し培養することができる。培地は通常組織培養で用いられている合成培地でよい。例えば、ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)、RPMI1640培地などがある。これらの培地を実際使用する場合は、10%ウシ胎児血清アルブミン、100単位/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、2mg/mlのNaHCO3を添加することが望ましい。
【0019】
当該マウスL細胞を用い培養することによって生産される可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖蛋白量は経時的に変化する。効率よく可溶性ヒトIL−2レセプター蛋白を生産するには以下の方法に従って行えば良い。即ち、10%のFCSを含むDMEM培地(100単位/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、2mg/mlNaHCO3含有)を用い、細胞密度1X105/mlで培養を開始し、4〜5日後に細胞がコンフルエントになったら培養上清を回収し、さらに新鮮培地を添加し、3〜4日培養を続行する。培養終了後、培地を回収して可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖蛋白の生産量を定量すると、前半及び後半の培養でほぼ同量の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖蛋白が生産されている。
【0020】
この様にして得られた当該マウスL細胞の培養上清より可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子は、ヒトIL−2を固定化したカラム、例えばヒトIL−2セファローズ4B、又は抗ヒトIL−2レセプターα鎖抗体を固定化したカラム、例えば抗ヒトIL−2レセプターα鎖抗体であるM−A251(ファーミンジェン社製)セファローズ4Bを用いたアフィニテイクロマトグラフィーで精製することができる。更に高純度に分離精製するには、ODSカラム(Octa decyl silane)を用いた逆相HPLC(高速液体クロマトグラフィー)を用いて行えばよい。このようにして得られた細胞膜、及び細胞内領域を欠いたヒトIL−2レセプターα鎖蛋白分子、すなわち可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖は、分子量が約42Kdの蛋白である。
【0021】
可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子は、特開平3−67588明細書記載の方法等に準じて製造することができる。以下にその方法につき説明する。
CDM8ベクター中2.3kbのヒトIL−2レセプターβ鎖cDNAを含むプラスミドpIL−2Rβ30(Science、244巻、551頁、1989年)をBssHII及びSmaIで消化し、β鎖の全コード配列を含む1.9KbcDNA断片を得る。BssHII末端をブラント化した後、1.9KbcDNAをpブルースクリプトSKベクター(ストラタジーン社製)のSmaI制限部位に挿入する。次に、このpブルースクリプトSK−β1.9プラスミドをStyI及びSmaIで消化して、細胞質内及び膜内領域cDNAを除く。次に終止コドン(TAG)及びNheI認識配列を含む12塩基長の合成リンカー(ニューイングランドバイオラブ社製、#1060)をリン酸化し、T4DNAリガーゼを用いてStyI/SmaI消化したプラスミドDNAにライゲーションする。NheIで消化して過剰のリンカーを除いた後、この両端がNheIサイトの開裂プラスミドDNAをT4DNAリガーゼを用いてライゲーションし、pブルースクリプトSX−SoI.βが構築できる。
【0022】
このpブルースクリプトSX−SoI.βをSaII及びNotIで消化し、生成した可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖遺伝子を含む0.8KbのcDNA断片を単離する。このcDNA断片をサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター及びネオマイシン耐性遺伝子を含むBCMGNeoベクター(J.Exp.Med.、169巻、13頁、1989)のXhoI/NotI消化物に導入し発現ラスミドBCMGNeo−SoI.βが構築できる(第2図参照)。
【0023】
可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖遺伝子を有するベクターDNAを用いて宿主細胞を形質転換するには、上述の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖遺伝子を有するベクターDNAを用いて宿主細胞を形質転換する方法と同様に行うことができる。また、宿主細胞がエシェリヒア属微生物の場合にも、上述の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖遺伝子を含む発現ベクターの場合と同様の方法により作製することができる。
【0024】
可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖遺伝子を組み込んで形質転換したマウスNIH3T3細胞より可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子を製造する方法は、上述のように一般的に行われている付着細胞の培養方法に従えばよい。培養上清から可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子は、抗ヒトIL−2レセプターβ鎖抗体を固定化したカラム、例えば抗IL−2レセプターβ鎖抗体であるTU27(ベクトンディッキンソン社製)セファローズ4Bを用いたアフィニティークロマトグラフィーで精製することができる。更に高純度に分離精製するには、逆相HPLCを用いて行えばよい。
このようにして得られた細胞膜、及び細胞内領域を欠いたヒトIL−2レセプターβ鎖分子、すなわち可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子は、分子量が約37kdの蛋白である。
【0025】
可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、特開平4−104947明細書記載の方法等に準じて製造することができる。以下にその方法につき説明する。
ヒトIL−2レセプターγ鎖cDNAを含むプラスミド(本プラスミドで形質転換された大腸菌は、通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託番号FERM BP−4200として寄託されている)を鋳型として、プライマーとして、XhoI制限酵素サイトを含む5’側センスプライマー(5'-GAAGAGCTCGAGCGCCATGTTGAAGCCAT-3', 29mer)とHindIII制限酵素サイトと、stopコドンを含む3’側アンチセンスプライマー(5'-GAAAAGCTTCTATTATGAAGTATTGCTCC-3', 29mer)を用いてPCRを行うことにより、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖をコードする遺伝子を得ることができる。得られた遺伝子をXhoIとHindIIIで切断後、同じくXhoIとHindIIIで切断したpBluescriptII(ストラタジーン社製)に組み込み、XhoIとNotIで切断する。その後、XhoIとNotIで切断したBCMGneoベクターに組み込む(J. Exp. Med.、169巻、13頁、1989年)。このようにして可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖遺伝子を有する発現ベクターが構築できる(第3図参照)。
【0026】
可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖遺伝子を有するベクターDNAを用いて宿主細胞を形質転換するには、上述の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖遺伝子を有するベクターDNAを用いて宿主細胞を形質転換する方法と同様に行うことができる。また、宿主細胞がエシェリヒア属微生物の場合にも、上述の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖遺伝子を含む発現ベクターの場合と同様の方法により作製することができる。
【0027】
可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖遺伝子を組み込んで形質転換したマウスNIH3T3細胞より可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を製造する方法は、上述のように一般的に行われている付着細胞の培養方法に従えばよい。培養上清から可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、抗ヒトIL−2レセプターγ鎖抗体を固定化したカラム、例えば抗ヒトIL−2レセプターγ鎖抗体であるTUGh4(Int. Immunol.、6巻、1273頁、1994年)セファローズ4Bを用いたアフィニティークロマトグラフィーで精製することができる。更に高純度に分離精製するには、逆相HPLCを用いて行えばよい。
このようにして得られた細胞膜、及び細胞内領域を欠いたヒトIL−2レセプターγ鎖分子、すなわち可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、分子量が約45kdの蛋白である。
【0028】
次に、以上のようにして製造した可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子が、ヒトIL−2存在下で複合体を形成しうることを説明する。
可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子を125Iにより標識し、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子をヒトIL−2存在下、あるいは非存在下で混合した。その後、ヒトIL−2レセプターγ鎖分子に対する抗体であるTUGh4を固相化したセファローズ4Bと反応させ、セファローズ4Bに結合した放射活性、すなわち、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子の量を測定した。その結果、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子、及びヒトIL−2がすべて存在したときに限り、セファローズ4Bに結合した放射活性が有意に高値となった。すなわち、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、ヒトIL−2存在下で初めて四者の複合体を形成しうることが確認された。
【0029】
次に、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分とする薬剤が、IL−2依存性の反応を特異的に抑制することを説明する。
【0030】
本発明者らは、マウスT細胞株CTLL−2のIL−2依存性増殖、及びPHA(フィトヘマグルチニン)刺激ヒト末梢血リンパ球のIL−2依存性増殖の、本願発明の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分とする薬剤による抑制効果について検討した。何れの系においても、本願発明の薬剤を共存させることにより著しくIL−2依存性の増殖が阻害された。本実験系においては、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子の何れか一つでも欠けると、阻害効果が激減することから、三種の物質が全て必要不可欠であることが確認された。これまで、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子はそれぞれ単独では殆どIL−2依存性反応の阻害能を有さないことが知られていたが、本願発明者らは、それらの分子が、ヒトIL−2存在下で複合体を形成すること、更に、それらの分子を有効成分とする薬剤がヒトIL−2の作用を抑制することを初めて明らかとし、本願発明を完成することができた。
【0031】
本願発明の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分とする薬剤は、IL−2の過剰産生、又はIL−2に対し過剰反応を起こすことが原因となっている疾患、例えば臓器移植時の拒絶反応や、自己免疫疾患等の治療に対して有効であり、かつ副作用がなく、頻回投与が可能な免疫抑制剤として有用である。
【0032】
本発明の免疫抑制剤は、配列番号1、2、3記載のアミノ酸配列を有する物質に限定されるものではなく、IL−2存在下で複合体を形成する活性を有する物質である限り本発明に含まれる。例えば、配列番号1、2、3記載のアミノ酸配列の一部を変換、削除、又は他のアミノ酸を付加した物質等はすべて本発明に含まれる。また、配列番号1、2、3記載のアミノ酸配列を有する物質をポリエチレングリコール等で修飾された物質も本発明に含まれる。
【0033】
本発明の免疫抑制剤は、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子をそれぞれ0.1重量%〜99.9重量%含有すればよい。従って、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子をそれぞれそのまま投与してもよいし、通常製剤用担体と混合して調製した製剤の形でも投与できる。製剤用担体としては、製剤分野において常用され、かつ本発明の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子に結合しない物質が用いられる。注射剤の場合には、本発明の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を水に溶解させて調製されるが、必要に応じて生理食塩水、ブドウ糖溶液に溶解させてもよく、また、緩衝剤、保存剤、あるいは安定化剤を含有させてもよい。また、これらの製剤は、治療上価値のある他の成分を含有してもよい。
【0034】
本発明に係わる免疫抑制剤の投与方法としては、経口、注射、直腸内など何れの方法を用いても構わないが、注射による投与が好ましい。投与量は、投与方法、患者の症状、年齢等により異なるが、通常、1回0.001〜1000mg、好ましくは、0.01〜10mgを1日当たり1〜3回投与すればよい。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明の技術的範囲は実施例に限定されるものではない。
【0036】
(実施例1、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子の調製)
まず、ヒトIL−2レセプターα鎖cDNAをSV40初期遺伝子のプロモーターを含むベクターpKCRH2に組み込んだプラスミドPKCR・Tac−2・A(Nature,311巻、631頁1984年)6μgを制限酵素AatIIで部分分解し、約6.5キロベース(kb)の直鎖状プラスミドの断片をアガロ−スゲル電気泳動により分離回収した。回収された該断片は1μgであった。該断片を制限酵素BamHIで分解し、アガロース電気泳動により0.35μgの5.4Kb断片と0.07μgの1.1kb断片を分離回収した。5'-GAGATCTCACGT-3'の配列をもつオリゴヌクレオチドをDNA自動合成機(アプライド・バイオシステム社製380A型)により合成し、逆相HPLCにて精製後、T4ポリヌクレオチドキナーゼにより5’側をリン酸化した。5.4kb断片および1.1kb断片各々0.04ピコモルと上記12個の配列をもつオリゴヌクレオチド0.16ピコモルを10μlの反応液中で15℃、1時間、その後100μlに希釈し、さらに15℃にて12時間T4DNAリガ−ゼにより結合させた。
【0037】
次に、この反応液10μlを用い常法によりエシェリヒア・コリHB101を形質転換せしめ、約250個のアンピシリン抵抗性株を得た。この中から任意に12個を選び、そのプラスミドDNAを抽出し、▲1▼プラスミドの大きさが約6.5kbであること、▲2▼制限酵素AatII 切断部分が一つになっていること、312個のオリゴヌクレオチドに由来する制限酵素BglII切断部位がもとの制限酵素AatII切断部位に存在すること、の3点を満足するプラスミドで形質転換された形質転換株を5株得た。該形質転換株中のプラスミドの塩基配列をジデオキシヌクレオチド鎖終結法(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74巻,5463頁、1977年)により調べ、pKCRIL2R BTMLESSの塩基配列をもつことを確認した(図1)。
【0038】
更に、この様にして得た形質転換株からpKCRIL2R BTMLESSプラスミドを塩化セシウム平衡遠心法によりマウスL細胞(tk-変異株)にトランスフェクションした。
すなわち10%牛胎児血清含有ダルベッコ変法イ−グル培地(DMEM)10mlに懸濁したL細胞1X105個をファルコン3003シャ−レに入れ、37℃、5%炭酸ガスインキュベ−タ−内にて20時間培養した。その後、同培地10mlにて培地交換し、同条件で4時間培養した。
【0039】
培養後、A液(50mMHepes、280mMNaCl、1.5mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.2)0.5mlと、B液(2MCaCl2、10μgpKCRIR2R BTMLESS、1μgpBR322、herpesTk)0.5mlを添加し、37℃で5%炭酸ガスインキュベーター内にて12時間培養した。TBS(137mMNaCl、50mMKCl、5.6mMNa2HPO4、250mMトリス塩酸緩衝液pH7.5)で洗浄し、2.5%グリセロ−ル含有TBS溶液にて3分間処理した。処理後直ちにTBSで洗浄し、10%牛胎児血清含有DMEM10mlを加え、37℃で5%炭酸ガスインキュベーター内にて2日間培養した。その後、HAT培地(13.6mg/lヒポキサチン、3.88mg/lチミジン、0.176mg/lアミノプテリンおよび10%牛胎児血清含有DMEM)10mlに培地交換し、37℃で5%炭酸ガスインキュベーター内にて2日間培養した。この培地交換を以後2日毎に行った。
【0040】
14日目にはシャーレ当り12個のコロニーが出現した。この様にして出現した各コロニーを96穴マイクロプレートに移し、37℃で5%炭酸ガスインキュベーター内にて培養し、コンフルエントになったらさらに2日間培養した。各コロニーの培養上清中の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子を以下に述べる方法により同定した。その結果BTMLESS−Qを得た。
【0041】
多数のヒトIL−2レセプターα鎖を膜表面に表現しているATL由来細胞株MT−1細胞はモノクローナル抗ヒトIL−2レセプターα鎖抗体(抗Tac抗体)と補体で処理すると殺すことができる。そこで可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子含有標本と抗体とを反応させ、この後MT−1細胞を加えさらに補体で処理する。もしこの標本中に可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子が存在すれば抗体と結合し、MT−1細胞と反応する抗体が減少し、その結果MT−1細胞は補体で処しても死ななくなる。この原理によりごく微量(約0.1ng)の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子を同定することができる。具体的な可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子の同定方法は、まず96穴U底マイクロプレ−ト中で標品10μlまたはこれを10%牛胎児血清含有RPMI1640培地で希釈したもの10μlと、同培地に溶解した1.6ng抗Tac抗体溶液10μlをよく混合し、0℃で30分間放置する。そして上記培地に懸濁した5X105個/mlのMT−1細胞20μlを加え、混合後0℃で30分間放置する。800rpm5分間遠心し、上清を捨て補体(ウサギ新生児血清を10%牛胎児血清含有RPMI1640培地で15倍希釈したもの)20μlを加え、混合後37℃で30分間放置する。そして0.5%トリパンブル−含有PBS溶液20μlを加え、200細胞中の死細胞数を計測する方法である。
【0042】
この様にして産生した可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子は−20℃にて凍結保存することができ、また限外濾過(例えばセントリコン10)により濃縮してもその性状は変わらない。さらにヒトIL−2カラムに結合させることができる。即ち、セントリコン10にて10倍濃縮した標品100μlをヒトIL−2セファローズ4B(リコンビナントヒトIL−2を200μg含有)カラムに吸着せしめ、0.1Mクエン酸ナトリウム緩衝液(pH3.0)で溶出すると可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子が溶出されてくるため、この溶出画分を直ちに1Mトリスベースにて中和する。かくして得られた可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子はMT−1細胞の抗Tac抗体と補体による殺作用効果を阻害した。また、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子の分子量をSDS−PAGEにより検討したところ、分子量約42Kdであった。
【0043】
(実施例2、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子の調製)
CDM8ベクター中2.3kbのヒトIL−2レセプターβ鎖cDNAを含むプラスミドpIL−2Rβ30(Science、244巻、551頁、1989年)をBssHII及びSmaIで消化し、β鎖の全コード配列を含む1.9KbcDNA断片を得た。BssHII末端をブラント化した後、1.9KbcDNAをpブルースクリプトSKベクター(ストラタジーン社製)のSmaI制限部位に挿入した。
【0044】
次に、このpブルースクリプトSK−β1.9プラスミドをStyI及びSmaIで消化して、細胞質内及び膜内領域cDNAを除き、終止コドン(TAG)及びNheI認識配列を含む12塩基長の合成リンカー(ニューイングランドバイオラブ社製、#1060)をリン酸化し、T4DNAリガーゼを用いてStyI/SmaI消化したプラスミドDNAにライゲーションした。NheIで消化して過剰のリンカーを除いた後、この両端がNheIサイトの開裂プラスミドDNAをT4DNAリガーゼを用いてライゲーションし、pブルースクリプトSX−Sol.βを構築した。
【0045】
このpブルースクリプトSX−Sol.βをSaII及びNotIで消化し、生成した可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖遺伝子を含む0.8KbのcDNA断片を単離した。このcDNA断片をサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター及びネオマイシン耐性遺伝子を含むBCMGNeoベクター(J.Exp.Med.、169巻、13頁、1989)のXhoI/NotI切断物に導入し、発現プラスミドBCMGNeo−Sol.βを構築した(図2)。
【0046】
プラスミドのトランスフェクションは、プロトプラスト法により行った。すなわち、BCMGNeo−Sol.βを含む菌をプロトプラストに変換して、マウス繊維芽細胞株NIH3T3と、ポリエチレングリコール#2000(和光純薬社製)を用いて融合した。次に、1X105個のプロトプラスト融合NIH3T3細胞を24ウェルプレートに接種した。10%ウシ胎児血清(FCS)および750μg/mlのG418(シグマ社製)を含むRPMI1640培地中で25日間培養した。そして、サンドイッチELISA法により、トランスフェクトした細胞の培養上清中の可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子の濃度を測定した。サンドイッチELISAには、モノクロナール抗ヒトIL−2レセプターβ鎖抗体である、TU11、及びTU27(J.Immunol.Methods、142巻、61頁、1991年)を用いて以下の方法により行った。
尚、TU11は通商産業省・工業技術院・生命工学工業技術研究所に寄託されており、寄託番号はFERM Pー13233である。又、TU27は通商産業省・工業技術院・生命工学工業技術研究所に寄託されており、寄託番号はFERM BPー2510である。
【0047】
96ウェル平底プレート(タイターテック社製)に、10μg/mlの濃度に50mM炭酸緩衝液(pH9.6)により調製したTU11抗体溶液を一ウェル当たり50μl加え4℃一晩コーテイングした。TU11抗体を除去後、室温1時間、0.5%ウシ血清アルブミンを含むPBSでインキュベートすることによりブロッッキングした。0.05%Tween20を含むPBSで洗浄後、トランスフェクタントの培養上清50μlをウェルに入れ、室温1時間インキュベートした。洗浄後、1μg/mlのビチオン化TU27抗体溶液50μlをウェルに加え、室温1時間インキュベートした。洗浄後、50μlのアルカリフォスファターゼ結合アビヂン(ベクター製)を加えた。室温1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄し、100μlのpーニトロフェニルホスフェートを加え15分間後に各ウェルの405nmにおける吸光度を測定した。ELISA法で最も高い吸収度を与えたウェルから、限定希釈法によりクローニングし、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子を高産生するクローンを得た。
【0048】
本クローンを10%FCS含有D−MEMにより培養し、コンフルエントとなった時点で、2%ウシ胎児血清を含むD−MEMへと交換し、更に3日間培養した。その培養上清5リットルを、あらかじめ作製しておいたTU27抗体結合セファロースカラム(ビーズ1ml当たり抗体2mg結合)にかけ、PBSにて洗浄後、3MNaSCNにより溶出した。溶出液をPBSに対して4℃にて一晩透析し、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子を得た。約4リットルから約400μgの可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子が得られ、SDS−PAGEにて精製度と分子量を確認したところ、約37kdの単一バンドであった。
【0049】
(実施例3、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子の調製)
内部にXhoIサイトを有するオリゴマー5'-GAAGAGCTCGAGCGCCATGTTGAAGCCAT-3'と内部にHindIIIサイトを有するオリゴマー5'-GAAAAGCTTCTATTATGAAGTATTGCTCC-3'をDNA合成機(アプライドバイオシステム社製)により合成した。両オリゴマーをプライマーとし、ヒトIL−2レセプターγ鎖分子のcDNAを含むプラスミド(本プラスミドで形質転換された大腸菌は、通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託番号FERM BP−4200として寄託されている)を鋳型としてサーマルサイクラーを用い、TaqポリメラーゼによるPCR(変性94℃、アニール55℃、合成72℃、20サイクル)を行った。約0、7kbの増幅されたバンドを回収して、XhoI(宝酒造社製)とHindIII(宝酒造社製)により切断後、pBluescriptII(ストラタジーン社製)をXhoIとHindIIIにて切断し回収したフラグメントとライゲーションした。更に、XhoIとNotI(宝酒造社製)により切断後、あらかじめXhoIとNotIにて切断し回収したBCMGSNeoベクター(実験医学別冊、遺伝子工学ハンドブック、297頁、1991年)にライゲーションし、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子cDNAを挿入したベクターを構築した(図3)。
【0050】
次に、NIH3T3細胞へ該ベクターの導入をリン酸カルシウム沈殿法(Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience、Current Protcols in Molecular Biology、9章、1987年)により行った。
まず、1X105個/mlの濃度に、10%ウシ胎児血清を含むD−MEMに懸濁したNIH3T3細胞液を、10cmのシャーレ(ファルコン社製)1枚当たり10ml入れ、CO2インキュベーターにて37℃、一晩培養した。培養上清を捨て、新たに10%ウシ胎児血清(バイオセル社製)を含むD−MEM(日研生物医学社製)を9ml加え、更にCO2インキュベーターにて37℃、2時間培養した。上述の方法により調製したベクターDNA30μgを1350μlの水に溶解し、2.5Mの塩化カルシウムを150μl加え、1.5mlの280mM塩化ナトリウム、1.5mMリン酸一水素二ナトリウムを含む50mMヘペス緩衝液(pH7.05)を入れたチューブに滴下した。直ちに混合後、室温にて20分間放置し沈殿を形成させた。次にパスツールピペットにより沈殿を懸濁し、細胞を培養しているシャーレに1枚当たり1mlずつ添加した。4時間培養した後、培養上清を捨て、10%グリセロールを含むD−MEMを2ml加えて室温3分間放置した。PBSを5ml加えて希釈し、PBSにて2回洗浄後、10%ウシ胎児血清を含むD−MEMを10ml加えて、37℃のCO2インキュベーターにて3日間培養した。
【0051】
その後、培地を300μg/mlのG418(ギブコBRL社製)、及び10%ウシ胎児血清を含むD−MEMに換え培養を継続し、形成されたコロニーをそれぞれ分離しクローンを得た。
それぞれのクローンを培養し、約1x106個の細胞よりアイソジェン(ニッポンジーン社製)を用いてtotalRNAを調製して、ドットブロット装置(バイオラッド社製)を用いてナイロン膜(ミクロンセパレーション社製)にブロットした。ブロットした膜を50%ホルムアミド、5倍デンハルト溶液、0.1%SDS、5倍SSPE液に浸し、あらかじめランダムプライマーラベリングキット(宝酒造社製)により32P標識した、上述のヒトIL−2レセプターγ鎖分子の細胞外領域に相当する0.7kbのcDNAフラグメントを加えて、42℃にて一晩反応させた。2倍のSSC溶液で2回洗浄し、更に0.1%SDSを含む2倍のSSC溶液で1回洗浄後、バイオイメージアナライザー(富士フィルム社製)にて、32P標識したDNAフラグメントの結合量を計測し、結合量の高いクローン、すなわち可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖mRNAの発現量の高いクローンを得た。
【0052】
このようにして得られた可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖cDNAを導入したNIH3T3細胞からの可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子の調製は以下のようにして行った。まず、該細胞を10%ウシ胎児血清を含むD−MEMにより培養し、コンフルエントとなった時点で、2%ウシ胎児血清を含むD−MEMへと交換し、更に3日間培養した。その培養上清5リットルを、あらかじめ作製しておいたTUGh4抗体(Int. Immunol.、6巻、1273頁、1994年)結合セファロースカラム(ビーズ1ml当たり抗体2mg結合)にかけ、PBSにて洗浄後、3MNaSCNにより溶出した。溶出液をPBSに対して4℃にて一晩透析し、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を得た。約4リットルから約500μgの可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子が得られ、SDS−PAGEにて精製度と分子量を確認したところ、約45kdの単一バンドであった。
【0053】
(実施例4、ヒトIL−2存在下における可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子複合体形成の確認)
【0054】
▲1▼可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子の125I標識
可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子の125I標識は、ボルトンハンター法により行った。0.1Mほう酸バッファー(pH8.5)に対して透析した可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子(100μg/ml)溶液20μlをボルトンハンター試薬(18.5MBq、デュポン社製)に加え、氷中15分間反応させた。更に、0.2Mグリシン溶液(pH8.5)を475μl加え、氷中5分間反応させた。125I標識体の分離は、0.5%BSA、0.1%アジ化ナトリウムを含むPBSで平衡化しておいたG−25カラム(ファルマシア社製)を用いて行った。作製した125I標識可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子の比放射活性は、30,000cpm/ngであった。
【0055】
▲2▼ヒトIL−2存在下における可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子複合体形成の確認
50μlの可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子溶液(50μg/ml)、50μlの可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子溶液(50μg/ml)、50μlの125I標識可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子溶液(170,000cpm)、及び50μlのヒトIL−2溶液(100μg/ml)とを混合し、室温にて1時間反応させた。反応終了後、約50μlのAG14抗体(特願平6−82836、本抗体産生ハイブリドーマは、FERM BP−4648として微工研に寄託されている)結合セファロースビーズを加えて、室温にて4時間反応させた。その後、0.05%Tween20を含むPBS溶液にてセファロースビーズを遠心洗浄し、セファロースビーズに結合した放射活性をγカウンター(パッカード社製)により測定した。
【0056】
その結果、図4に示すように、ヒトIL−2と可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子と可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子をすべて加えた場合には、125I標識可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子が抗ヒトIL−2レセプターγ鎖抗体結合セファロースビーズに結合したが、ヒトIL−2、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖の分子何れか一つでも欠けた場合には、125I標識可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子は抗ヒトIL−2レセプターγ鎖抗体結合セファロースビーズに結合しなかった。このことより、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、ヒトIL−2存在下でのみ、四者の複合体を形成することが初めて明らかとなった。
【0057】
(実施例5、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子のヒトIL−2活性阻害能の検定)
【0058】
(1)マウスT細胞株、CTLL−2のヒトIL−2依存性増殖の阻害
96穴平底プレート(コーニング社製)に、可溶性ヒトIL−2レセプター溶液100μl(それぞれの最終濃度は12.5μg/ml)と、10%FCS、及び5X10-5Mの2−メルカプトエタノール含有RPMIにより3.13u/mlの濃度に調製したヒトリコンビナントIL−2溶液50μlを混合し、37℃のCO2インキュベーターにて30分間反応させた。その後、同培地により8X104個/mlに調製したCTLL−2細胞液50μlを加え、37℃にて20時間培養した。培養後同培地にて20μCi/mlの濃度に調製した3H−チミジン溶液(デュポン社製)を50μl加え、37℃にて4時間反応させた。反応終了後、細胞をハーベストし、細胞に取り込まれた放射活性をβカウンター(マトリックス96、パッカード社製)により測定した。
【0059】
その結果、図5に示すように、何れの可溶性ヒトIL−2レセプター分子を単独、あるいは2種の可溶性ヒトIL−2レセプター分子を組み合わせて加えた場合のヒトIL−2活性の阻害能は極弱いものであったが、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子をすべて加えた場合には、ヒトIL−2活性が著しく阻害された。
【0060】
(2)PHA刺激ヒトPBLのヒトIL−2依存性増殖の阻害
ヘパリン加採血したヒト血液より、フィコールパック(ファルマシア社製)によりPBLを分離した。10%FCSを含むRPMI1640培地にて、PBLを5X105個/mlの濃度に調製し(50ml)、PHA(ギブコBRL社製)を加え、37℃にて24時間培養した。更に、最終濃度で1,000ユニット/mlの濃度となるように、ヒトリコンビナントIL−2を加えて、37℃にて5日間培養した。細胞を10%FCSを含むRPMI1640培地にて洗浄後、同培地にて6時間培養した。
【0061】
このようにして調製したPHA刺激PBLを、10%FCSを含むRPMI1640培地にて、4X105個/mlの濃度に調製し、細胞液50μl(2X104個)に、可溶性ヒトIL−2レセプター溶液を100μl加え(それぞれの最終濃度は12.5μg/ml)、37℃にて30分間反応させた。反応終了後、同培地にて3.13u/mlの濃度に調製したヒトリコンビナントIL−2を50μl加え、37℃にて2日間培養した。その後、同培地にて20μCi/mlの濃度に調製した3H−チミジン溶液(デュポン社製)を50μl加え、37℃にて6時間反応させた。反応終了後、細胞をハーベストし、細胞に取り込まれた放射活性(3H−チミジン量)を、βカウンター(マトリックス96、パッカード社製)にて測定した。
【0062】
その結果、図6に示すように、何れの可溶性ヒトIL−2レセプター分子を単独、あるいは2種の可溶性ヒトIL−2レセプター分子を組み合わせて加えた場合のヒトIL−2活性の阻害能は極弱いものであったが、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子をすべて加えた場合には、ヒトIL−2活性が著しく阻害された。
これらの結果より、本願発明の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分とする薬剤は、免疫抑制剤として有用であることが示された。
【0063】
【発明の効果】
本発明の、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分とする免疫抑制剤は、IL−2と複合体を形成し、IL−2の作用を抑制する活性を有しており、IL−2の過剰産生、あるいはIL−2に対し過剰反応を起こすことが原因となっている疾患、例えば臓器移植時の拒絶反応や、自己免疫疾患等の治療に対して有効であり、かつ副作用がなく、頻回投与が可能な薬剤として有用である。
【0064】
【配列表】
Figure 0003796780
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【0065】
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【0066】
Figure 0003796780
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【図面の簡単な説明】
【図1】 可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖cDNAを含有する発現プラスミドpKCRIL2R BTMLESSの構築工程を示す図面である。
【図2】 可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖cDNAを含有する発現プラスミドBCMGNeo−Sol.βの構築工程を示す図面である。
【図3】 可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖cDNAを含有する発現プラスミドBCMGSNeo(solIL2Rγ)の構築工程を示す図面である。
【図4】 可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子が、IL−2存在下で複合体を形成することを示す図面である。
【図5】 可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子が、CTLL−2細胞のIL−2依存性増殖を阻害することを示す図面である。
【図6】 可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子が、PHA刺激ヒトPBLのIL−2依存性増殖を阻害することを示す図面である。

Claims (4)

  1. 可溶性ヒトインターロイキン2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトインターロイキン2レセプターβ鎖分子及び可溶性ヒトインターロイキン2レセプターγ鎖分子を有効成分とする免疫抑制剤。
  2. 可溶性ヒトインターロイキン2レセプターα鎖分子が、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列を有するものである請求項1記載の免疫抑制剤。
  3. 可溶性ヒトインターロイキン2レセプターβ鎖分子が、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列を有するものである請求項1記載の免疫抑制剤。
  4. 可溶性ヒトインターロイキン2レセプターγ鎖分子が、配列表の配列番号3記載のアミノ酸配列を有するものである請求項1記載の免疫抑制剤。
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