JPH09124501A - 新規免疫抑制剤 - Google Patents

新規免疫抑制剤

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JPH09124501A
JPH09124501A JP7278773A JP27877395A JPH09124501A JP H09124501 A JPH09124501 A JP H09124501A JP 7278773 A JP7278773 A JP 7278773A JP 27877395 A JP27877395 A JP 27877395A JP H09124501 A JPH09124501 A JP H09124501A
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俊朗 嶌村
Junji Hamuro
淳爾 羽室
Yuka Kanayama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IL−2の過剰産生による疾患、例えば臓器
移植時の拒絶反応や自己免疫疾患の治療に有効な免疫療
法剤を提供する。 【解決手段】 可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分
子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子及び可溶性
ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分とする免疫
抑制剤は、IL−2の作用を強力に抑制する活性がある
ので、IL−2の過剰産生により引き起こされる自己免
疫疾患等の治療に対して有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可溶性ヒトインタ
ーロイキン2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトインター
ロイキン2レセプターβ鎖分子及び可溶性ヒトインター
ロイキン2レセプターγ鎖分子を有効成分とする免疫抑
制剤に関する。本免疫抑制剤は、インターロイキン2
(以下、IL−2と称する)の生物活性を効果的に阻害
する作用を有しており、IL−2の過剰産生が原因とな
っている臓器移植時の拒絶反応の予防、アレルギー性疾
患や自己免疫疾患などの炎症性疾患の治療薬として有効
である。
【0002】
【従来の技術】臓器移植の外科的技術が著しく向上した
現在、臓器移植手術の成否は術後の移植片拒絶反応をい
かにして抑制できるかにかかってきている。拒絶反応
は、生体が移植片を異物として認識し、それを排除する
ために一連の免疫反応が惹起されることにより生じる。
そこで、従来より拒絶防止薬として、ステロイド剤、ア
ザチオプリン、メトトレキセート、6−メルカプトプリ
ンなどのいわゆる免疫抑制剤と呼ばれている薬剤の投与
が行われてきた。しかし、安全域が狭いこと、あるいは
効果が弱いことなどにより、移植臓器の拒絶反応を抑制
することができず、移植臓器の生着率の著しい向上はみ
られなかった。
【0003】その後、サイクロスポリンAやFK506
の登場により、生着率は格段の向上をみられるようにな
った。しかしながら、サイクロスポリンAやFK506
には重篤な腎毒性があることが明らかとなり、その使用
の制限が与儀なくされてきており、より安全で、かつ効
果的な免疫抑制剤の開発が望まれてきている。
【0004】さて、IL−2は、ヘルパーT細胞から産
生されるタンパク質であり、生体内においてキラーT細
胞の増殖や分化誘導、B細胞の分化誘導など、広汎な働
きを有している生体防御上非常に重要な因子である。臓
器移植や骨髄移植においては、移植片の生着の鍵を握る
と考えられている宿主対移植片反応(HVG反応)、あ
るいは移植片対宿主反応(GVH反応)に、IL−2な
どにより活性化されたキラーT細胞が深く関与している
ことが示されている。
【0005】また、自己免疫疾患は生体内での免疫系の
バランスがくずれ、生体自身を攻撃することにより発症
すると考えられており、その中でも特にIL−2を中心
とする免疫系因子の過剰産生、あるいはそれらの因子に
対する過剰反応がその一因となっていると考えられてい
る。従って、IL−2の作用を選択的、かつ効果的に抑
制することができれば、臓器移植時の拒絶反応の予防
や、自己免疫疾患の治療が可能となるものと考えられる
ようになった。
【0006】実際、IL−2のIL−2レセプターへの
結合を阻害する活性を有する抗IL−2レセプターα鎖
抗体を、マウスにおける心移植や(J. Exp. Med.、16
2巻、358頁、1985年)、サルにおける腎臓移植
の際に投与すると拒絶反応が抑制されること(Transpla
ntation、47巻、55頁、1989年)が報告され、
更にその後、ヒトの腎臓移植患者での臨床試験において
抗IL−2レセプターα鎖抗体の有効性が確認された
(N. Engl. J. Med.、322巻、1175頁、1990
年;Transplantation、51巻、107頁、1991
年)。
【0007】しかし、この臨床試験においては、投与し
た抗体がマウス由来の蛋白であるため、投与した抗体に
対する免疫反応が生じ、抗体に対する抗体の産生が確認
された。従って、抗体投与を繰り返し行うと更に強い免
疫反応が惹起され、アレルギーが発症する可能性が高
い。また、投与した抗体と抗体に対する抗体とが複合体
を形成することにより分解を受けやすくなり、抗体の効
果が激減する可能性も高く、副作用、及び効果の両面か
ら、抗体の頻回投与は難しいと考えられている。しか
し、少なくともIL−2の作用を選択的に抑制すること
で、効果的な免疫抑制を行うことができることが強く示
唆されていることから、副作用が少なく、かつ効果的に
IL−2の作用を抑制できる薬剤は、有効な免疫抑制剤
となるものと考えられ、開発が望まれている。
【0008】さて、IL−2は、細胞表面上に発現する
IL−2レセプターに結合して機能が発現する。IL−
2レセプターは、α鎖、β鎖、γ鎖の3つの分子より構
成されることが知られており。各鎖の遺伝子を導入した
トランスフェクタントを用いた実験により、α鎖とβ鎖
とγ鎖をすべて発現する細胞にはIL−2がkd=10
-11Mで、α鎖とβ鎖を発現する細胞にはkd=10-10
Mで、β鎖とγ鎖を発現する細胞にはKd=10-9
で、α鎖のみ、あるいはα鎖とγ鎖を発現する細胞には
kd=10-8Mでそれぞれ結合し、β鎖のみ、あるいは
γ鎖のみ発現する細胞にはIL−2は殆ど結合しないこ
とが明らかとなった(Cell、73巻、5頁、1993
年)。
【0009】IL−2レセプターα鎖分子は、細胞膜貫
通領域と細胞内領域を欠落した可溶体として、ヒト体液
中に存在することが知られ、ヒト成人T細胞白血病(A
TL)患者等で高値となることが知られている(Jpn.
J. Cancer Res.、79巻、593頁、1988年)。こ
の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子は、IL−2
に結合する活性を有し、IL−2の活性を阻害する活性
を有していることがリコンビナント体を用いた実験で明
らかとなった(Immunol. Let.、19巻、299頁、1
988年)。可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子
は、元来ヒトの生体内に存在する分子であることから、
ヒトに投与した場合抗体が産生される可能性は少なく、
安全な薬剤と考えられ、可溶性ヒトIL−2レセプター
α鎖分子が免疫抑制剤として応用できる可能性が示唆さ
れたが、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子のIL
−2活性阻害能は極めて弱いことから、実際にヒトに応
用することは困難であり、現在まで臨床応用されていな
い。
【0010】一方、IL−2レセプターβ鎖分子、及び
IL−2レセプターγ鎖分子も、細胞膜貫通領域と細胞
内領域を欠落した可溶体として、ヒト体液中に存在する
ことが知られ、特定の疾患で高い値となることが明らか
となっているが(特開平6−201693、特願平6−
301837)、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分
子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、リ
コンビナント体を用いた実験により、それぞれIL−2
に結合する活性は殆ど有しておらず、IL−2活性の阻
害能も有していないことが明らかとなり、免疫抑制剤と
して応用することはできないと考えられていた。従っ
て、ヒトに投与した場合、免疫反応を惹起しない、副作
用が少なく安全で、かつ効果的にIL−2の作用を抑制
できる薬剤は現在まで知られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、IL
−2の作用を効果的に抑制する活性を有し、臓器移植時
の拒絶反応の防止や自己免疫疾患の治療に対して有効で
あり、かつ副作用がなく頻回投与が可能な免疫抑制剤を
提供することである。
【0012】
【課題を解決する為の手段】本願発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、可溶性ヒトI
L−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプ
ターβ鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子
がヒトIL−2存在下で複合体を形成することを世界で
初めて見いだした。そして可溶性ヒトIL−2レセプタ
ーα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子及
び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を混合する
と、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子単独のIL
−2活性阻害能に比較して、約50倍の阻害能を有する
ことを見いだし、本願発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分
子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶
性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分とする免
疫抑制剤である。本発明に従えば、IL−2の作用を効
果的に阻害し、臓器移植時の拒絶反応の防止や自己免疫
疾患の治療に対して有効で、かつ副作用がなく頻回投与
が可能な免疫抑制剤が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明に使用される可溶性ヒトIL−2レ
セプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖
分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、
それぞれの分子をコードするcDNAを適当なベクター
プラスミドに挿入し、適当な宿主に導入して形質転換さ
せたとき、この形質転換株によって生産され培地中に分
泌されるような性質を有するものをいう。具体的には、
可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子の場合には、N
末端アミノ酸(Glu)から数えて少なくとも220番
目(Val)以降のポリペプチド部分が欠失した細胞膜
外領域をいい、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子
の場合には、N末端アミノ酸(Ala)から数えて少な
くとも213番目(Asp)以降のポリペプチド部分が
欠失した細胞膜外領域をいい、可溶性ヒトIL−2レセ
プターγ鎖分子の場合には、N末端アミノ酸(Leu)
から数えて少なくとも228番目(Thr)以降のポリ
ペプチド部分が欠失した細胞膜外領域をいい、それぞれ
のレセプター分子の、疎水性の高い細胞膜貫通領域、及
び細胞内領域を除去することにより水溶性を著しく向上
させていることを特徴としている。それぞれの分子のア
ミノ酸配列は配列表の1、2、及び3に記載されてい
る。
【0015】本願発明の免疫抑制剤に含有される可溶性
ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2
レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプタ
ーγ鎖分子は、以下のような方法により製造することが
できる。すなわち、適当なプロモーター配列の下流に、
発現可能となるように、それぞれの蛋白分子をコードす
る遺伝子を配置し、宿主細胞内で増殖できるベクターD
NAに組み込み、L細胞やNIH3T3細胞等の動物細
胞に導入して形質転換、又はエシェリヒア属微生物等に
導入し、その形質転換細胞、又は形質導入したエシェリ
ヒア属微生物を培養することにより製造することができ
る。具体的な製造方法を以下に記す。
【0016】可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子
は、特開昭62−246598号明細書記載の方法等に
より製造することができる。以下にその方法につき説明
する。プラスミドpKCRTac2(Nature、311
巻、631頁、1984年)のIL−2レセプターα鎖
cDNAのAatII制限酵素部位に5’端をリン酸化し
た第1図に示す合成DNA(a)を挿入することによ
り、IL−2レセプターα鎖cDNAのスレオニン(N
末端より211番目)に相当するコドン(ACG)のす
ぐ後に終止コドンTGAを配置する。そしてSV40初
期遺伝子プロモーターの下流に開始コドンATG、シグ
ナルペプチドをコードする遺伝子、そして可溶性ヒトI
L−2レセプターα鎖cDNAを配置することによりp
KCRIL2R BTMLESSが構築できる(第1図
参照)。この場合、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖
cDNAを調製するために、適当なプライマーDNAを
作成し、PCR法により調製しても差し支えないし、S
V40初期遺伝子プロモーター以外のプロモーターを用
いても構わない。また、発現可能である限り、如何なる
発現ベクターを用いても構わない。
【0017】可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖遺伝子
を有するベクターDNAを用いて宿主細胞を形質転換す
るには、以下に示す通常よく用いられる形質転換法があ
る。宿主細胞がL細胞の場合、DNAをリン酸カルシウ
ム沈澱として感染させる方法、マイクロインジェクショ
ン法、赤血球細胞若しくははリボソームにプラスミドを
包括して挿入する方法、リボフォスファチジルコリンの
ような試薬による細胞の処理法、又はウィルスベクター
を用いる方法などがある。形質転換する宿主細胞として
は、L細胞以外にも、マウスNIH3T3細胞、マウス
Balb3T3細胞や、ハムスターCHO細胞などを用
いることができる。
【0018】可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖遺伝子
を組み込んで形質転換したマウス細胞より可溶性ヒトI
L−2レセプターα鎖蛋白を製造する方法は一般的に行
われている付着細胞の培養方法に従えばよい。即ち、3
7℃、5%炭酸ガス通気中、組織培養フラスコを使用し
培養することができる。培地は通常組織培養で用いられ
ている合成培地でよい。例えば、ダルベッコ改良イーグ
ル培地(DMEM)、RPMI1640培地などがあ
る。これらの培地を実際使用する場合は、10%ウシ胎
児血清アルブミン、100単位/mlのペニシリン、1
00μg/mlのストレプトマイシン、2mg/mlの
NaHCO3を添加することが望ましい。
【0019】当該マウスL細胞を用い培養することによ
って生産される可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖蛋白
量は経時的に変化する。効率よく可溶性ヒトIL−2レ
セプター蛋白を生産するには以下の方法に従って行えば
良い。即ち、10%のFCSを含むDMEM培地(10
0単位/mlペニシリン、100μg/mlストレプト
マイシン、2mg/mlNaHCO3含有)を用い、細
胞密度1X105/mlで培養を開始し、4〜5日後に
細胞がコンフルエントになったら培養上清を回収し、さ
らに新鮮培地を添加し、3〜4日培養を続行する。培養
終了後、培地を回収して可溶性ヒトIL−2レセプター
α鎖蛋白の生産量を定量すると、前半及び後半の培養で
ほぼ同量の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖蛋白が生
産されている。
【0020】この様にして得られた当該マウスL細胞の
培養上清より可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子
は、ヒトIL−2を固定化したカラム、例えばヒトIL
−2セファローズ4B、又は抗ヒトIL−2レセプター
α鎖抗体を固定化したカラム、例えば抗ヒトIL−2レ
セプターα鎖抗体であるM−A251(ファーミンジェ
ン社製)セファローズ4Bを用いたアフィニテイクロマ
トグラフィーで精製することができる。更に高純度に分
離精製するには、ODSカラム(Octa decyl silane)を
用いた逆相HPLC(高速液体クロマトグラフィー)を
用いて行えばよい。このようにして得られた細胞膜、及
び細胞内領域を欠いたヒトIL−2レセプターα鎖蛋白
分子、すなわち可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖は、
分子量が約42Kdの蛋白である。
【0021】可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子
は、特開平3−67588明細書記載の方法等に準じて
製造することができる。以下にその方法につき説明す
る。CDM8ベクター中2.3kbのヒトIL−2レセ
プターβ鎖cDNAを含むプラスミドpIL−2Rβ3
0(Science、244巻、551頁、1989
年)をBssHII及びSmaIで消化し、β鎖の全コー
ド配列を含む1.9KbcDNA断片を得る。BssH
II末端をブラント化した後、1.9KbcDNAをpブ
ルースクリプトSKベクター(ストラタジーン社製)の
SmaI制限部位に挿入する。次に、このpブルースク
リプトSK−β1.9プラスミドをStyI及びSma
Iで消化して、細胞質内及び膜内領域cDNAを除く。
次に終止コドン(TAG)及びNheI認識配列を含む
12塩基長の合成リンカー(ニューイングランドバイオ
ラブ社製、#1060)をリン酸化し、T4DNAリガ
ーゼを用いてStyI/SmaI消化したプラスミドD
NAにライゲーションする。NheIで消化して過剰の
リンカーを除いた後、この両端がNheIサイトの開裂
プラスミドDNAをT4DNAリガーゼを用いてライゲ
ーションし、pブルースクリプトSX−SoI.βが構
築できる。
【0022】このpブルースクリプトSX−SoI.β
をSaII及びNotIで消化し、生成した可溶性ヒト
IL−2レセプターβ鎖遺伝子を含む0.8KbのcD
NA断片を単離する。このcDNA断片をサイトメガロ
ウイルス(CMV)プロモーター及びネオマイシン耐性
遺伝子を含むBCMGNeoベクター(J.Exp.M
ed.、169巻、13頁、1989)のXhoI/N
otI消化物に導入し発現ラスミドBCMGNeo−S
oI.βが構築できる(第2図参照)。
【0023】可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖遺伝子
を有するベクターDNAを用いて宿主細胞を形質転換す
るには、上述の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖遺伝
子を有するベクターDNAを用いて宿主細胞を形質転換
する方法と同様に行うことができる。また、宿主細胞が
エシェリヒア属微生物の場合にも、上述の可溶性ヒトI
L−2レセプターα鎖遺伝子を含む発現ベクターの場合
と同様の方法により作製することができる。
【0024】可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖遺伝子
を組み込んで形質転換したマウスNIH3T3細胞より
可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子を製造する方法
は、上述のように一般的に行われている付着細胞の培養
方法に従えばよい。培養上清から可溶性ヒトIL−2レ
セプターβ鎖分子は、抗ヒトIL−2レセプターβ鎖抗
体を固定化したカラム、例えば抗IL−2レセプターβ
鎖抗体であるTU27(ベクトンディッキンソン社製)
セファローズ4Bを用いたアフィニティークロマトグラ
フィーで精製することができる。更に高純度に分離精製
するには、逆相HPLCを用いて行えばよい。このよう
にして得られた細胞膜、及び細胞内領域を欠いたヒトI
L−2レセプターβ鎖分子、すなわち可溶性ヒトIL−
2レセプターβ鎖分子は、分子量が約37kdの蛋白で
ある。
【0025】可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子
は、特開平4−104947明細書記載の方法等に準じ
て製造することができる。以下にその方法につき説明す
る。ヒトIL−2レセプターγ鎖cDNAを含むプラス
ミド(本プラスミドで形質転換された大腸菌は、通産省
工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託番号FERM
BP−4200として寄託されている)を鋳型とし
て、プライマーとして、XhoI制限酵素サイトを含む
5’側センスプライマー(5'-GAAGAGCTCGAGCGCCATGTTGA
AGCCAT-3', 29mer)とHindIII制限酵素サイトと、
stopコドンを含む3’側アンチセンスプライマー
(5'-GAAAAGCTTCTATTATGAAGTATTGCTCC-3',29mer)を用
いてPCRを行うことにより、可溶性ヒトIL−2レセ
プターγ鎖をコードする遺伝子を得ることができる。得
られた遺伝子をXhoIとHindIIIで切断後、同じ
くXhoIとHindIIIで切断したpBluescr
iptII(ストラタジーン社製)に組み込み、XhoI
とNotIで切断する。その後、XhoIとNotIで
切断したBCMGneoベクターに組み込む(J. Exp.M
ed.、169巻、13頁、1989年)。このようにし
て可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖遺伝子を有する発
現ベクターが構築できる(第3図参照)。
【0026】可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖遺伝子
を有するベクターDNAを用いて宿主細胞を形質転換す
るには、上述の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖遺伝
子を有するベクターDNAを用いて宿主細胞を形質転換
する方法と同様に行うことができる。また、宿主細胞が
エシェリヒア属微生物の場合にも、上述の可溶性ヒトI
L−2レセプターα鎖遺伝子を含む発現ベクターの場合
と同様の方法により作製することができる。
【0027】可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖遺伝子
を組み込んで形質転換したマウスNIH3T3細胞より
可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を製造する方法
は、上述のように一般的に行われている付着細胞の培養
方法に従えばよい。培養上清から可溶性ヒトIL−2レ
セプターγ鎖分子は、抗ヒトIL−2レセプターγ鎖抗
体を固定化したカラム、例えば抗ヒトIL−2レセプタ
ーγ鎖抗体であるTUGh4(Int. Immunol.、6巻、
1273頁、1994年)セファローズ4Bを用いたア
フィニティークロマトグラフィーで精製することができ
る。更に高純度に分離精製するには、逆相HPLCを用
いて行えばよい。このようにして得られた細胞膜、及び
細胞内領域を欠いたヒトIL−2レセプターγ鎖分子、
すなわち可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、分
子量が約45kdの蛋白である。
【0028】次に、以上のようにして製造した可溶性ヒ
トIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レ
セプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプター
γ鎖分子が、ヒトIL−2存在下で複合体を形成しうる
ことを説明する。可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分
子を125Iにより標識し、可溶性ヒトIL−2レセプタ
ーβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分
子をヒトIL−2存在下、あるいは非存在下で混合し
た。その後、ヒトIL−2レセプターγ鎖分子に対する
抗体であるTUGh4を固相化したセファローズ4Bと
反応させ、セファローズ4Bに結合した放射活性、すな
わち、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子の量を測
定した。その結果、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖
分子、可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子、及びヒ
トIL−2がすべて存在したときに限り、セファローズ
4Bに結合した放射活性が有意に高値となった。すなわ
ち、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒ
トIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−
2レセプターγ鎖分子は、ヒトIL−2存在下で初めて
四者の複合体を形成しうることが確認された。
【0029】次に、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖
分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可
溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分とする
薬剤が、IL−2依存性の反応を特異的に抑制すること
を説明する。
【0030】本発明者らは、マウスT細胞株CTLL−
2のIL−2依存性増殖、及びPHA(フィトヘマグル
チニン)刺激ヒト末梢血リンパ球のIL−2依存性増殖
の、本願発明の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分
子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶
性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分とする薬
剤による抑制効果について検討した。何れの系において
も、本願発明の薬剤を共存させることにより著しくIL
−2依存性の増殖が阻害された。本実験系においては、
可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトI
L−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レ
セプターγ鎖分子の何れか一つでも欠けると、阻害効果
が激減することから、三種の物質が全て必要不可欠であ
ることが確認された。これまで、可溶性ヒトIL−2レ
セプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖
分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子はそ
れぞれ単独では殆どIL−2依存性反応の阻害能を有さ
ないことが知られていたが、本願発明者らは、それらの
分子が、ヒトIL−2存在下で複合体を形成すること、
更に、それらの分子を有効成分とする薬剤がヒトIL−
2の作用を抑制することを初めて明らかとし、本願発明
を完成することができた。
【0031】本願発明の可溶性ヒトIL−2レセプター
α鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及
び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分と
する薬剤は、IL−2の過剰産生、又はIL−2に対し
過剰反応を起こすことが原因となっている疾患、例えば
臓器移植時の拒絶反応や、自己免疫疾患等の治療に対し
て有効であり、かつ副作用がなく、頻回投与が可能な免
疫抑制剤として有用である。
【0032】本発明の免疫抑制剤は、配列番号1、2、
3記載のアミノ酸配列を有する物質に限定されるもので
はなく、IL−2存在下で複合体を形成する活性を有す
る物質である限り本発明に含まれる。例えば、配列番号
1、2、3記載のアミノ酸配列の一部を変換、削除、又
は他のアミノ酸を付加した物質等はすべて本発明に含ま
れる。また、配列番号1、2、3記載のアミノ酸配列を
有する物質をポリエチレングリコール等で修飾された物
質も本発明に含まれる。
【0033】本発明の免疫抑制剤は、可溶性ヒトIL−
2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプター
β鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子
をそれぞれ0.1重量%〜99.9重量%含有すればよ
い。従って、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、
可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒ
トIL−2レセプターγ鎖分子をそれぞれそのまま投与
してもよいし、通常製剤用担体と混合して調製した製剤
の形でも投与できる。製剤用担体としては、製剤分野に
おいて常用され、かつ本発明の可溶性ヒトIL−2レセ
プターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分
子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子に結合
しない物質が用いられる。注射剤の場合には、本発明の
可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトI
L−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レ
セプターγ鎖分子を水に溶解させて調製されるが、必要
に応じて生理食塩水、ブドウ糖溶液に溶解させてもよ
く、また、緩衝剤、保存剤、あるいは安定化剤を含有さ
せてもよい。また、これらの製剤は、治療上価値のある
他の成分を含有してもよい。
【0034】本発明に係わる免疫抑制剤の投与方法とし
ては、経口、注射、直腸内など何れの方法を用いても構
わないが、注射による投与が好ましい。投与量は、投与
方法、患者の症状、年齢等により異なるが、通常、1回
0.001〜1000mg、好ましくは、0.01〜1
0mgを1日当たり1〜3回投与すればよい。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明する。尚、本発明の技術的範囲は実施例に限定され
るものではない。
【0036】(実施例1、可溶性ヒトIL−2レセプタ
ーα鎖分子の調製)まず、ヒトIL−2レセプターα鎖
cDNAをSV40初期遺伝子のプロモーターを含むベ
クターpKCRH2に組み込んだプラスミドPKCR・
Tac−2・A(Nature,311巻、631頁1
984年)6μgを制限酵素AatIIで部分分解し、約
6.5キロベース(kb)の直鎖状プラスミドの断片を
アガロ−スゲル電気泳動により分離回収した。回収され
た該断片は1μgであった。該断片を制限酵素BamH
Iで分解し、アガロース電気泳動により0.35μgの
5.4Kb断片と0.07μgの1.1kb断片を分離
回収した。5'-GAGATCTCACGT-3'の配列をもつオリゴヌク
レオチドをDNA自動合成機(アプライド・バイオシス
テム社製380A型)により合成し、逆相HPLCにて
精製後、T4ポリヌクレオチドキナーゼにより5’側を
リン酸化した。5.4kb断片および1.1kb断片各
々0.04ピコモルと上記12個の配列をもつオリゴヌ
クレオチド0.16ピコモルを10μlの反応液中で1
5℃、1時間、その後100μlに希釈し、さらに15
℃にて12時間T4DNAリガ−ゼにより結合させた。
【0037】次に、この反応液10μlを用い常法によ
りエシェリヒア・コリHB101を形質転換せしめ、約
250個のアンピシリン抵抗性株を得た。この中から任
意に12個を選び、そのプラスミドDNAを抽出し、
プラスミドの大きさが約6.5kbであること、制限
酵素AatII 切断部分が一つになっていること、31
2個のオリゴヌクレオチドに由来する制限酵素BglII
切断部位がもとの制限酵素AatII切断部位に存在する
こと、の3点を満足するプラスミドで形質転換された形
質転換株を5株得た。該形質転換株中のプラスミドの塩
基配列をジデオキシヌクレオチド鎖終結法(Proc.Natl.
Acad.Sci.U.S.A.,74巻,5463頁、1977年)に
より調べ、pKCRIL2R BTMLESSの塩基配
列をもつことを確認した(図1)。
【0038】更に、この様にして得た形質転換株からp
KCRIL2R BTMLESSプラスミドを塩化セシ
ウム平衡遠心法によりマウスL細胞(tk-変異株)に
トランスフェクションした。すなわち10%牛胎児血清
含有ダルベッコ変法イ−グル培地(DMEM)10ml
に懸濁したL細胞1X105個をファルコン3003シ
ャ−レに入れ、37℃、5%炭酸ガスインキュベ−タ−
内にて20時間培養した。その後、同培地10mlにて
培地交換し、同条件で4時間培養した。
【0039】培養後、A液(50mMHepes、28
0mMNaCl、1.5mMリン酸ナトリウム緩衝液、
pH7.2)0.5mlと、B液(2MCaCl2、1
0μgpKCRIR2R BTMLESS、1μgpB
R322、herpesTk)0.5mlを添加し、3
7℃で5%炭酸ガスインキュベーター内にて12時間培
養した。TBS(137mMNaCl、50mMKC
l、5.6mMNa2HPO4、250mMトリス塩酸緩
衝液pH7.5)で洗浄し、2.5%グリセロ−ル含有
TBS溶液にて3分間処理した。処理後直ちにTBSで
洗浄し、10%牛胎児血清含有DMEM10mlを加
え、37℃で5%炭酸ガスインキュベーター内にて2日
間培養した。その後、HAT培地(13.6mg/lヒ
ポキサチン、3.88mg/lチミジン、0.176m
g/lアミノプテリンおよび10%牛胎児血清含有DM
EM)10mlに培地交換し、37℃で5%炭酸ガスイ
ンキュベーター内にて2日間培養した。この培地交換を
以後2日毎に行った。
【0040】14日目にはシャーレ当り12個のコロニ
ーが出現した。この様にして出現した各コロニーを96
穴マイクロプレートに移し、37℃で5%炭酸ガスイン
キュベーター内にて培養し、コンフルエントになったら
さらに2日間培養した。各コロニーの培養上清中の可溶
性ヒトIL−2レセプターα鎖分子を以下に述べる方法
により同定した。その結果BTMLESS−Qを得た。
【0041】多数のヒトIL−2レセプターα鎖を膜表
面に表現しているATL由来細胞株MT−1細胞はモノ
クローナル抗ヒトIL−2レセプターα鎖抗体(抗Ta
c抗体)と補体で処理すると殺すことができる。そこで
可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子含有標本と抗体
とを反応させ、この後MT−1細胞を加えさらに補体で
処理する。もしこの標本中に可溶性ヒトIL−2レセプ
ターα鎖分子が存在すれば抗体と結合し、MT−1細胞
と反応する抗体が減少し、その結果MT−1細胞は補体
で処しても死ななくなる。この原理によりごく微量(約
0.1ng)の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子
を同定することができる。具体的な可溶性ヒトIL−2
レセプターα鎖分子の同定方法は、まず96穴U底マイ
クロプレ−ト中で標品10μlまたはこれを10%牛胎
児血清含有RPMI1640培地で希釈したもの10μ
lと、同培地に溶解した1.6ng抗Tac抗体溶液1
0μlをよく混合し、0℃で30分間放置する。そして
上記培地に懸濁した5X105個/mlのMT−1細胞
20μlを加え、混合後0℃で30分間放置する。80
0rpm5分間遠心し、上清を捨て補体(ウサギ新生児
血清を10%牛胎児血清含有RPMI1640培地で1
5倍希釈したもの)20μlを加え、混合後37℃で3
0分間放置する。そして0.5%トリパンブル−含有P
BS溶液20μlを加え、200細胞中の死細胞数を計
測する方法である。
【0042】この様にして産生した可溶性ヒトIL−2
レセプターα鎖分子は−20℃にて凍結保存することが
でき、また限外濾過(例えばセントリコン10)により
濃縮してもその性状は変わらない。さらにヒトIL−2
カラムに結合させることができる。即ち、セントリコン
10にて10倍濃縮した標品100μlをヒトIL−2
セファローズ4B(リコンビナントヒトIL−2を20
0μg含有)カラムに吸着せしめ、0.1Mクエン酸ナ
トリウム緩衝液(pH3.0)で溶出すると可溶性ヒト
IL−2レセプターα鎖分子が溶出されてくるため、こ
の溶出画分を直ちに1Mトリスベースにて中和する。か
くして得られた可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子
はMT−1細胞の抗Tac抗体と補体による殺作用効果
を阻害した。また、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖
分子の分子量をSDS−PAGEにより検討したとこ
ろ、分子量約42Kdであった。
【0043】(実施例2、可溶性ヒトIL−2レセプタ
ーβ鎖分子の調製)CDM8ベクター中2.3kbのヒ
トIL−2レセプターβ鎖cDNAを含むプラスミドp
IL−2Rβ30(Science、244巻、551
頁、1989年)をBssHII及びSmaIで消化し、
β鎖の全コード配列を含む1.9KbcDNA断片を得
た。BssHII末端をブラント化した後、1.9Kbc
DNAをpブルースクリプトSKベクター(ストラタジ
ーン社製)のSmaI制限部位に挿入した。
【0044】次に、このpブルースクリプトSK−β
1.9プラスミドをStyI及びSmaIで消化して、
細胞質内及び膜内領域cDNAを除き、終止コドン(T
AG)及びNheI認識配列を含む12塩基長の合成リ
ンカー(ニューイングランドバイオラブ社製、#106
0)をリン酸化し、T4DNAリガーゼを用いてSty
I/SmaI消化したプラスミドDNAにライゲーショ
ンした。NheIで消化して過剰のリンカーを除いた
後、この両端がNheIサイトの開裂プラスミドDNA
をT4DNAリガーゼを用いてライゲーションし、pブ
ルースクリプトSX−Sol.βを構築した。
【0045】このpブルースクリプトSX−Sol.β
をSaII及びNotIで消化し、生成した可溶性ヒト
IL−2レセプターβ鎖遺伝子を含む0.8KbのcD
NA断片を単離した。このcDNA断片をサイトメガロ
ウイルス(CMV)プロモーター及びネオマイシン耐性
遺伝子を含むBCMGNeoベクター(J.Exp.M
ed.、169巻、13頁、1989)のXhoI/N
otI切断物に導入し、発現プラスミドBCMGNeo
−Sol.βを構築した(図2)。
【0046】プラスミドのトランスフェクションは、プ
ロトプラスト法により行った。すなわち、BCMGNe
o−Sol.βを含む菌をプロトプラストに変換して、
マウス繊維芽細胞株NIH3T3と、ポリエチレングリ
コール#2000(和光純薬社製)を用いて融合した。
次に、1X105個のプロトプラスト融合NIH3T3
細胞を24ウェルプレートに接種した。10%ウシ胎児
血清(FCS)および750μg/mlのG418(シ
グマ社製)を含むRPMI1640培地中で25日間培
養した。そして、サンドイッチELISA法により、ト
ランスフェクトした細胞の培養上清中の可溶性ヒトIL
−2レセプターβ鎖分子の濃度を測定した。サンドイッ
チELISAには、モノクロナール抗ヒトIL−2レセ
プターβ鎖抗体である、TU11、及びTU27(J.
Immunol.Methods、142巻、61頁、
1991年)を用いて以下の方法により行った。尚、T
U11は通商産業省・工業技術院・生命工学工業技術研
究所に寄託されており、寄託番号はFERM Pー13
233である。又、TU27は通商産業省・工業技術院
・生命工学工業技術研究所に寄託されており、寄託番号
はFERM BPー2510である。
【0047】96ウェル平底プレート(タイターテック
社製)に、10μg/mlの濃度に50mM炭酸緩衝液
(pH9.6)により調製したTU11抗体溶液を一ウ
ェル当たり50μl加え4℃一晩コーテイングした。T
U11抗体を除去後、室温1時間、0.5%ウシ血清ア
ルブミンを含むPBSでインキュベートすることにより
ブロッッキングした。0.05%Tween20を含む
PBSで洗浄後、トランスフェクタントの培養上清50
μlをウェルに入れ、室温1時間インキュベートした。
洗浄後、1μg/mlのビチオン化TU27抗体溶液5
0μlをウェルに加え、室温1時間インキュベートし
た。洗浄後、50μlのアルカリフォスファターゼ結合
アビヂン(ベクター製)を加えた。室温1時間のインキ
ュベーション後、プレートを洗浄し、100μlのpー
ニトロフェニルホスフェートを加え15分間後に各ウェ
ルの405nmにおける吸光度を測定した。ELISA法
で最も高い吸収度を与えたウェルから、限定希釈法によ
りクローニングし、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖
分子を高産生するクローンを得た。
【0048】本クローンを10%FCS含有D−MEM
により培養し、コンフルエントとなった時点で、2%ウ
シ胎児血清を含むD−MEMへと交換し、更に3日間培
養した。その培養上清5リットルを、あらかじめ作製し
ておいたTU27抗体結合セファロースカラム(ビーズ
1ml当たり抗体2mg結合)にかけ、PBSにて洗浄
後、3MNaSCNにより溶出した。溶出液をPBSに
対して4℃にて一晩透析し、可溶性ヒトIL−2レセプ
ターβ鎖分子を得た。約4リットルから約400μgの
可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子が得られ、SD
S−PAGEにて精製度と分子量を確認したところ、約
37kdの単一バンドであった。
【0049】(実施例3、可溶性ヒトIL−2レセプタ
ーγ鎖分子の調製)内部にXhoIサイトを有するオリ
ゴマー5'-GAAGAGCTCGAGCGCCATGTTGAAGCCAT-3'と内部に
HindIIIサイトを有するオリゴマー5'-GAAAAGCTTCTA
TTATGAAGTATTGCTCC-3'をDNA合成機(アプライドバイ
オシステム社製)により合成した。両オリゴマーをプラ
イマーとし、ヒトIL−2レセプターγ鎖分子のcDN
Aを含むプラスミド(本プラスミドで形質転換された大
腸菌は、通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄
託番号FERM BP−4200として寄託されてい
る)を鋳型としてサーマルサイクラーを用い、Taqポリ
メラーゼによるPCR(変性94℃、アニール55℃、
合成72℃、20サイクル)を行った。約0、7kbの
増幅されたバンドを回収して、XhoI(宝酒造社製)
とHindIII(宝酒造社製)により切断後、pBlu
escriptII(ストラタジーン社製)をXhoIと
HindIIIにて切断し回収したフラグメントとライゲ
ーションした。更に、XhoIとNotI(宝酒造社
製)により切断後、あらかじめXhoIとNotIにて
切断し回収したBCMGSNeoベクター(実験医学別
冊、遺伝子工学ハンドブック、297頁、1991年)
にライゲーションし、可溶性ヒトIL−2レセプターγ
鎖分子cDNAを挿入したベクターを構築した(図
3)。
【0050】次に、NIH3T3細胞へ該ベクターの導
入をリン酸カルシウム沈殿法(Greene Publishing Asso
ciates and Wiley-Interscience、Current Protcols in
Molecular Biology、9章、1987年)により行っ
た。まず、1X105個/mlの濃度に、10%ウシ胎
児血清を含むD−MEMに懸濁したNIH3T3細胞液
を、10cmのシャーレ(ファルコン社製)1枚当たり
10ml入れ、CO2インキュベーターにて37℃、一
晩培養した。培養上清を捨て、新たに10%ウシ胎児血
清(バイオセル社製)を含むD−MEM(日研生物医学
社製)を9ml加え、更にCO2インキュベーターにて
37℃、2時間培養した。上述の方法により調製したベ
クターDNA30μgを1350μlの水に溶解し、
2.5Mの塩化カルシウムを150μl加え、1.5m
lの280mM塩化ナトリウム、1.5mMリン酸一水
素二ナトリウムを含む50mMヘペス緩衝液(pH7.
05)を入れたチューブに滴下した。直ちに混合後、室
温にて20分間放置し沈殿を形成させた。次にパスツー
ルピペットにより沈殿を懸濁し、細胞を培養しているシ
ャーレに1枚当たり1mlずつ添加した。4時間培養し
た後、培養上清を捨て、10%グリセロールを含むD−
MEMを2ml加えて室温3分間放置した。PBSを5
ml加えて希釈し、PBSにて2回洗浄後、10%ウシ
胎児血清を含むD−MEMを10ml加えて、37℃の
CO2インキュベーターにて3日間培養した。
【0051】その後、培地を300μg/mlのG41
8(ギブコBRL社製)、及び10%ウシ胎児血清を含
むD−MEMに換え培養を継続し、形成されたコロニー
をそれぞれ分離しクローンを得た。それぞれのクローン
を培養し、約1x106個の細胞よりアイソジェン(ニ
ッポンジーン社製)を用いてtotalRNAを調製し
て、ドットブロット装置(バイオラッド社製)を用いて
ナイロン膜(ミクロンセパレーション社製)にブロット
した。ブロットした膜を50%ホルムアミド、5倍デン
ハルト溶液、0.1%SDS、5倍SSPE液に浸し、
あらかじめランダムプライマーラベリングキット(宝酒
造社製)により32P標識した、上述のヒトIL−2レセ
プターγ鎖分子の細胞外領域に相当する0.7kbのc
DNAフラグメントを加えて、42℃にて一晩反応させ
た。2倍のSSC溶液で2回洗浄し、更に0.1%SD
Sを含む2倍のSSC溶液で1回洗浄後、バイオイメー
ジアナライザー(富士フィルム社製)にて、32P標識し
たDNAフラグメントの結合量を計測し、結合量の高い
クローン、すなわち可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖
mRNAの発現量の高いクローンを得た。
【0052】このようにして得られた可溶性ヒトIL−
2レセプターγ鎖cDNAを導入したNIH3T3細胞
からの可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子の調製は
以下のようにして行った。まず、該細胞を10%ウシ胎
児血清を含むD−MEMにより培養し、コンフルエント
となった時点で、2%ウシ胎児血清を含むD−MEMへ
と交換し、更に3日間培養した。その培養上清5リット
ルを、あらかじめ作製しておいたTUGh4抗体(Int.
Immunol.、6巻、1273頁、1994年)結合セフ
ァロースカラム(ビーズ1ml当たり抗体2mg結合)
にかけ、PBSにて洗浄後、3MNaSCNにより溶出
した。溶出液をPBSに対して4℃にて一晩透析し、可
溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を得た。約4リッ
トルから約500μgの可溶性ヒトIL−2レセプター
γ鎖分子が得られ、SDS−PAGEにて精製度と分子
量を確認したところ、約45kdの単一バンドであっ
た。
【0053】(実施例4、ヒトIL−2存在下における
可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトI
L−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レ
セプターγ鎖分子複合体形成の確認)
【0054】可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子
125I標識 可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子の125I標識
は、ボルトンハンター法により行った。0.1Mほう酸
バッファー(pH8.5)に対して透析した可溶性ヒト
IL−2レセプターα鎖分子(100μg/ml)溶液
20μlをボルトンハンター試薬(18.5MBq、デ
ュポン社製)に加え、氷中15分間反応させた。更に、
0.2Mグリシン溶液(pH8.5)を475μl加
え、氷中5分間反応させた。125I標識体の分離は、
0.5%BSA、0.1%アジ化ナトリウムを含むPB
Sで平衡化しておいたG−25カラム(ファルマシア社
製)を用いて行った。作製した125I標識可溶性ヒトI
L−2レセプターα鎖分子の比放射活性は、30,00
0cpm/ngであった。
【0055】ヒトIL−2存在下における可溶性ヒト
IL−2レセプターα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセ
プターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ
鎖分子複合体形成の確認 50μlの可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子溶液
(50μg/ml)、50μlの可溶性ヒトIL−2レ
セプターγ鎖分子溶液(50μg/ml)、50μlの
125I標識可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子溶液
(170,000cpm)、及び50μlのヒトIL−
2溶液(100μg/ml)とを混合し、室温にて1時
間反応させた。反応終了後、約50μlのAG14抗体
(特願平6−82836、本抗体産生ハイブリドーマ
は、FERM BP−4648として微工研に寄託され
ている)結合セファロースビーズを加えて、室温にて4
時間反応させた。その後、0.05%Tween20を
含むPBS溶液にてセファロースビーズを遠心洗浄し、
セファロースビーズに結合した放射活性をγカウンター
(パッカード社製)により測定した。
【0056】その結果、図4に示すように、ヒトIL−
2と可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子と可溶性ヒ
トIL−2レセプターγ鎖分子をすべて加えた場合に
は、125I標識可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子
が抗ヒトIL−2レセプターγ鎖抗体結合セファロース
ビーズに結合したが、ヒトIL−2、可溶性ヒトIL−
2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプター
γ鎖の分子何れか一つでも欠けた場合には、125I標識
可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子は抗ヒトIL−
2レセプターγ鎖抗体結合セファロースビーズに結合し
なかった。このことより、可溶性ヒトIL−2レセプタ
ーα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、
可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子は、ヒトIL−
2存在下でのみ、四者の複合体を形成することが初めて
明らかとなった。
【0057】(実施例5、可溶性ヒトIL−2レセプタ
ーα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、
及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子のヒトIL
−2活性阻害能の検定)
【0058】(1)マウスT細胞株、CTLL−2のヒ
トIL−2依存性増殖の阻害 96穴平底プレート(コーニング社製)に、可溶性ヒト
IL−2レセプター溶液100μl(それぞれの最終濃
度は12.5μg/ml)と、10%FCS、及び5X
10-5Mの2−メルカプトエタノール含有RPMIによ
り3.13u/mlの濃度に調製したヒトリコンビナン
トIL−2溶液50μlを混合し、37℃のCO2イン
キュベーターにて30分間反応させた。その後、同培地
により8X104個/mlに調製したCTLL−2細胞
液50μlを加え、37℃にて20時間培養した。培養
後同培地にて20μCi/mlの濃度に調製した3H−
チミジン溶液(デュポン社製)を50μl加え、37℃
にて4時間反応させた。反応終了後、細胞をハーベスト
し、細胞に取り込まれた放射活性をβカウンター(マト
リックス96、パッカード社製)により測定した。
【0059】その結果、図5に示すように、何れの可溶
性ヒトIL−2レセプター分子を単独、あるいは2種の
可溶性ヒトIL−2レセプター分子を組み合わせて加え
た場合のヒトIL−2活性の阻害能は極弱いものであっ
たが、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性
ヒトIL−2レセプターβ鎖分子及び可溶性ヒトIL−
2レセプターγ鎖分子をすべて加えた場合には、ヒトI
L−2活性が著しく阻害された。
【0060】(2)PHA刺激ヒトPBLのヒトIL−
2依存性増殖の阻害 ヘパリン加採血したヒト血液より、フィコールパック
(ファルマシア社製)によりPBLを分離した。10%
FCSを含むRPMI1640培地にて、PBLを5X
105個/mlの濃度に調製し(50ml)、PHA
(ギブコBRL社製)を加え、37℃にて24時間培養
した。更に、最終濃度で1,000ユニット/mlの濃
度となるように、ヒトリコンビナントIL−2を加え
て、37℃にて5日間培養した。細胞を10%FCSを
含むRPMI1640培地にて洗浄後、同培地にて6時
間培養した。
【0061】このようにして調製したPHA刺激PBL
を、10%FCSを含むRPMI1640培地にて、4
X105個/mlの濃度に調製し、細胞液50μl(2
X104個)に、可溶性ヒトIL−2レセプター溶液を
100μl加え(それぞれの最終濃度は12.5μg/
ml)、37℃にて30分間反応させた。反応終了後、
同培地にて3.13u/mlの濃度に調製したヒトリコ
ンビナントIL−2を50μl加え、37℃にて2日間
培養した。その後、同培地にて20μCi/mlの濃度
に調製した3H−チミジン溶液(デュポン社製)を50
μl加え、37℃にて6時間反応させた。反応終了後、
細胞をハーベストし、細胞に取り込まれた放射活性(3
H−チミジン量)を、βカウンター(マトリックス9
6、パッカード社製)にて測定した。
【0062】その結果、図6に示すように、何れの可溶
性ヒトIL−2レセプター分子を単独、あるいは2種の
可溶性ヒトIL−2レセプター分子を組み合わせて加え
た場合のヒトIL−2活性の阻害能は極弱いものであっ
たが、可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性
ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL−2
レセプターγ鎖分子をすべて加えた場合には、ヒトIL
−2活性が著しく阻害された。これらの結果より、本願
発明の可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可溶性
ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、及び可溶性ヒトIL
−2レセプターγ鎖分子を有効成分とする薬剤は、免疫
抑制剤として有用であることが示された。
【0063】
【発明の効果】本発明の、可溶性ヒトIL−2レセプタ
ーα鎖分子、可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、
及び可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖分子を有効成分
とする免疫抑制剤は、IL−2と複合体を形成し、IL
−2の作用を抑制する活性を有しており、IL−2の過
剰産生、あるいはIL−2に対し過剰反応を起こすこと
が原因となっている疾患、例えば臓器移植時の拒絶反応
や、自己免疫疾患等の治療に対して有効であり、かつ副
作用がなく、頻回投与が可能な薬剤として有用である。
【0064】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:211 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Glu Leu Cys Asp Asp Asp Pro Pro Glu Ile Pro His Ala Thr Phe Lys 1 5 10 15 Ala Met Ala Tyr Lys Glu Gly Thr Met Leu Asn Cys Glu Cys Lys Arg 20 25 30 Gly Phe Arg Arg Ile Lys Ser Gly Ser Leu Tyr Met Leu Cys Thr Gly 35 40 45 Asn Ser Ser His Ser Ser Trp Asp Asn Gln Cys Gln Cys Thr Ser Ser 50 55 60 Ala Thr Arg Asn Thr Thr Lys Glu Val Thr Pro Gln Pro Glu Glu Gln 65 70 75 80 Lys Glu Arg Lys Thr Thr Glu Met Gln Ser Pro Met Gln Pro Val Asp 85 90 95 Gln Ala Ser Leu Pro Gly His Cys Arg Glu Pro Pro Pro Trp Glu Asn 100 105 110 Glu Ala Thr Glu Arg Ile Thr His Phe Val Val Gly Gln Met Val Tyr 115 120 125 Tyr Gln Cys Val Gln Gly Tyr Arg Ala Leu His Arg Gly Pro Ala Glu 130 135 140 Ser Var Cys Lys Met Thr His Gly Lys Thr Arg Trp Thr Gln Pro Gln 145 150 155 160 Leu Ile Cys Thr Gly Glu Met Glu Thr Ser Gln Phe Pro Gly Glu Glu 165 170 175 Lys Pro Gln Ala Ser Pro Glu Gly Arg Pro Glu Ser Glu Thr Ser Cys 180 185 190 Leu Val Thr Thr Thr Asp Phe Gln Ile Gln Thr Glu Met Ala Ala Thr 195 200 205 Met Glu Thr 210
【0065】配列番号:1 配列の長さ:212 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Ala Val Asn Gly Thr Ser Gln Phe Thr Cys Phe Tyr Asn Ser Arg Ala 1 5 10 15 Asn Ile Ser Cys Val Trp Ser Gln Asp Gly Ala Leu Gln Asp Thr Ser 20 25 30 Cys Gln Val His Ala Trp Pro Asp Arg Arg Arg Trp Asn Gln Thr Cys 35 40 45 Glu Leu Leu Pro Val Ser Gln Ala Ser Trp Ala Cys Asn Leu Ile Leu 50 55 60 Gly Ala Pro Asp Ser Gln Lys Leu Thr Thr Val Asp Ile Val Thr Leu 65 70 75 80 Arg Val Leu Cys Arg Glu Gly Val Arg Trp Arg Val Met Ala Ile Gln 85 90 95 Asp Phe Lys Pro Phe Glu Asn Leu Arg Leu Met Ala Pro Ile Ser Leu 100 105 110 Gln Val Val His Val Glu Thr His Arg Cys Asn Ile Ser Trp Glu Ile 115 120 125 Ser Gln Ala Ser His Tyr Phe Glu Arg His Leu Glu Phe Glu Ala Arg 130 135 140 Thr Leu Ser Pro Gly His Thr Trp Glu Glu Ala Pro Leu Leu Thr Leu 145 150 155 160 Lys Gln Lys Gln Glu Trp Ile Cys Leu Glu Thr Leu Thr Pro Asp Thr 165 170 175 Gln Tyr Glu Phe Gln Val Arg Val Lys Pro Leu Gln Gly Glu Phe Thr 180 185 190 Thr Trp Ser Pro Trp Ser Gln Pro Leu Ala Phe Arg Thr Lys Pro Ala 195 200 205 Ala Leu Gly Ser 210
【0066】配列番号:3 配列の長さ:228 配列の型:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Leu Asn Thr Thr Ile Leu Thr Pro Asn Gly Asn Glu Asp Thr Thr Ala 1 5 10 15 Asp Phe Phe Leu Thr Thr Met Pro Thr Asp Ser Leu Ser Val Ser Thr 20 25 30 Leu Pro Leu Pro Glu Val Gln Cys Phe Val Phe Asn Val Glu Tyr Met 35 40 45 Asn Cys Thr Trp Asn Ser Ser Ser Glu Pro Gln Pro Thr Asn Leu Thr 50 55 60 Leu His Tyr Trp Tyr Lys Asn Ser Asp Asn Asp Lys Val Gln Lys Cys 65 70 75 80 Ser His Tyr Leu Phe Ser Glu Glu Ile Thr Ser Gly Cys Gln Leu Gln 85 90 95 Lys Lys Glu Ile His Leu Tyr Gln Thr Phe Val Val Gln Leu Gln Asp 100 105 110 Pro Arg Glu Pro Arg Arg Gln Ala Thr Gln Met Leu Lys Leu Gln Asn 115 120 125 Leu Val Ile Pro Trp Ala Pro Glu Asn Leu Thr Leu His Lys Leu Ser 130 135 140 Glu Ser Gln Leu Glu Leu Asn Trp Asn Asn Arg Phe Leu Asn His Cys 145 150 155 160 Leu Glu His Leu Val Gln Tyr Arg Thr Asp Trp Asp His Ser Trp Thr 165 170 175 Glu Gln Ser Val Asp Tyr Arg His Lys Phe Ser Leu Pro Ser Val Asp 180 185 190 Gly Gln Lys Arg Tyr Thr Phe Arg Val Arg Ser Arg Phe Asn Pro Leu 195 200 205 Cys Gly Ser Ala Gln His Trp Ser Glu Trp Ser His Pro Ile His Trp 210 215 220 Gly Ser Asn Thr 225
【図面の簡単な説明】
【図1】 可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖cDNA
を含有する発現プラスミドpKCRIL2R BTML
ESSの構築工程を示す図面である。
【図2】 可溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖cDNA
を含有する発現プラスミドBCMGNeo−Sol.β
の構築工程を示す図面である。
【図3】 可溶性ヒトIL−2レセプターγ鎖cDNA
を含有する発現プラスミドBCMGSNeo(solI
L2Rγ)の構築工程を示す図面である。
【図4】 可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可
溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL
−2レセプターγ鎖分子が、IL−2存在下で複合体を
形成することを示す図面である。
【図5】 可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可
溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL
−2レセプターγ鎖分子が、CTLL−2細胞のIL−
2依存性増殖を阻害することを示す図面である。
【図6】 可溶性ヒトIL−2レセプターα鎖分子、可
溶性ヒトIL−2レセプターβ鎖分子、可溶性ヒトIL
−2レセプターγ鎖分子が、PHA刺激ヒトPBLのI
L−2依存性増殖を阻害することを示す図面である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶性ヒトインターロイキン2レセプタ
    ーα鎖分子、可溶性ヒトインターロイキン2レセプター
    β鎖分子及び可溶性ヒトインターロイキン2レセプター
    γ鎖分子を有効成分とする免疫抑制剤。
  2. 【請求項2】 可溶性ヒトインターロイキン2レセプタ
    ーα鎖分子が、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列
    を有するものである請求項1記載の免疫抑制剤。
  3. 【請求項3】 可溶性ヒトインターロイキン2レセプタ
    ーβ鎖分子が、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列
    を有するものである請求項1記載の免疫抑制剤。
  4. 【請求項4】 可溶性ヒトインターロイキン2レセプタ
    ーγ鎖分子が、配列表の配列番号3記載のアミノ酸配列
    を有するものである請求項1記載の免疫抑制剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011506307A (ja) * 2007-12-07 2011-03-03 ハンコック ファーム.カンパニー インコーポレーティッド 桑黄キノコ菌糸体抽出物を有効成分として含む移植片拒絶抑制用組成物
JP2011506308A (ja) * 2007-12-07 2011-03-03 ハンコック ファーム.カンパニー インコーポレーティッド 冬虫夏草菌糸体抽出物を有効成分として含む移植片拒絶抑制用組成物

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