JP3796287B2 - 筆記具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、サインペン、水性ボールペン等の筆記具に係り、特に軸筒内に装填したインク吸蔵体からインクが供給される筆記チップを軸筒の先端に先口を介して具備し装着すると共に、該先端に筆記チップを密閉するキャップを着脱自在に装着し、後端には尾栓を固定的に嵌着してなる筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からサインペン、水性ボールペン等の筆記具は数多く知られており、筆記中にインク切れを引き起したり、また、インクが必要以上に吐出するボタ落ち現象を起したりすることがなく、書き味に優れている等の機能性、そしてキャップの着脱に優れている等の取扱性、又誤って飲み込んだ場合でも空気の流通が確実に確保されて窒息する虞れがない等の安全性、更には外観的美観による装飾性等に着目した種々の改良が試みられてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、上記した機能性、取扱性、安全性、装飾性等の筆記具の要求されるこれら全ての要素を満足させたものが未だに開発されていないのが現状である。
【0004】
本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、機能性、取扱性、安全性、装飾性等のこれら全ての要素を満足させた画期的な筆記具を提供することである。
【0005】
【課題を達成するための手段】
課題を達成するために本発明は、軸筒内に装填したインク吸蔵体からインクが供給される筆記チップを軸筒の先端に先口を介して取り付けると共に、該先端に筆記チップを密閉するキャップを抜き差し着脱可能に装着し、後端には尾栓を取り付けてなる筆記具に於いて、前記キャップと軸筒との両者間に、キャップの装着時に嵌合されて、該キャップの脱落を防ぐ乗越え嵌合部と、これら両者間を密閉する嵌入嵌合部とを設け、前記嵌入嵌合部は、前記乗越え嵌合部の嵌合が完了するのと同時に前記軸筒に対し密接するように設けられ、キャップは連設脚部の突出幅よりも幅広で、該連設脚部部分を含めて頭部から開口部に至る通気空隙を形成するクリップを一体に備え、更に前記連設脚部を境に頭部から開口部に向けて平行に連続させた縦溝を設けてなる。
斯る請求項1記載の技術的手段によれば、キャップの装着時に、前記乗越え嵌合部の嵌合が完了するのと同時に、前記嵌入嵌合部が前記軸筒に対し密接する。即ち、キャップが装着された状態で密閉作用を図る嵌入嵌合と脱落防止を図る乗り越え嵌合とが同時に成される。それにより、キャップを装着する過程で指先に掛る負荷は一度で済む。
しかも、キャップを誤って飲み込んだ場合、キャップの外面とクリップとの間の通気空隙により空気の流通が確実に確保される。しかも、前記通気空隙と共にキャップの頭部から開口部に向けて平行に連続する2本の縦溝により広く且つ十二分な流通面積がより安全に確保される。
【0006】
又、キャップは有底筒状のキャップ本体と、このキャップ本体内に同軸状に設けた内キャップとから二重筒構造を成し、一方、軸筒はインク吸蔵体を装填する筒本体と、この筒本体の先端に連設部を介して同軸状に連設させて筆記チップを取り付けるチップ保持筒部とからなり、キャップの装着時にキャップ本体が筒本体のキャップ装着部に、内キャップがチップ保持筒部に夫々嵌合する様にしてなる。
斯る請求項2記載の技術的手段によれば、軸筒に対するキャップの装着が、キャップ本体の筒本体に対する嵌合と、内キャップのチップ保持筒部に対する嵌合との両者間で(二段構えで)行われる。
【0007】
又、クリップは前後に長く突出する連設脚部によりその後端側がキャップの頭部側に連設され、その裏面には前記連設脚部の突出幅と略同幅で、先端側の挟持凸部から連設脚部に亘り該連設脚部の根元に向けてアール形に連設させた縦補強リブを設けたことである。
斯る請求項3記載の技術的手段によれば、不使用時においてノートや衣服のポケットに対するクリップの挾着力は裏面の縦補強リブにより保たれる。しかも、連設脚部との連設がアール形であることから、クリップがキャップから離れる外方に向けて大きく開かる等の悪戯が成されても、連設脚部との付根にクラック等が入る虞れがなく、連設脚部との連設強度が図られる。
【0008】
又、縦溝を、クリップの連設脚部からキャップの開口部に至る範囲で、該クリップ裏面の縦補強リブの真下を基点に周方向に適宜離間せしめた間隔をおいて平行に形成して、両縦溝間にリブ当接部を設けたことである。
斯る請求項4記載の技術的手段によれば、クリップが強い力を受けてキャップ側に押されても、その変形状態(変形量)は縦補強リブがキャップ外面のリブ当接部に当接した時点で抑えられる。そして、その変形によりクリップとキャップとの間の通気空隙の流通面積が低減されてもクリップと両縦溝との間で最低限の流通面積(空気の流通)が確保される。
【0009】
又、請求項5記載の技術的手段では、上記嵌入嵌合部として、上記キャップの内周面に配置されて上記キャップ装着部との間を密閉する嵌入嵌合部と、上記内キャップの内周面に配置されて上記チップ保持筒部との間を密閉する嵌入嵌合部との二つの嵌入嵌合部を備え、上記乗越え嵌合部による乗越え嵌合と、キャップ内周面の嵌入嵌合部による嵌入嵌合と、内キャップ内周面の嵌入嵌合部による嵌入嵌合とが同時に完了するようにしたことを特徴とする
斯る請求項5記載の技術的手段によれば、軸筒に対するキャップの装着が、キャップ本体の筒本体に対する嵌合と、内キャップのチップ保持筒部に対する嵌合との両者間で(二段構えで)行われる上、乗越え嵌合部による乗越え嵌合と、キャップ内周面の嵌入嵌合部による嵌入嵌合と、内キャップ内周面の嵌入嵌合部による嵌入嵌合とが同時に完了する。
【0010】
又、内キャップを、キャップ本体の内底部から該キャップ本体の内径より細い外径にて同軸状に形成して、該キャップ本体との間にヒケ防止空隙を設けたことである。
斯る請求項6記載の技術的手段によれば、内キャップとキャップ本体との間にヒケ防止空隙を設けることで、キャップの肉厚を全て略均等化して成形時のヒケ発生を防ぐ。
【0011】
又、内キャップの少なくともチップ保持筒部に嵌合装着されるその装着範囲における肉厚を他の部分よりも肉薄く形成して、当該薄肉部分に、該内キャップとチップ保持筒部との間を密閉する嵌入嵌合部を設けたことである。
斯る請求項7記載の技術的手段によれば、チップ保持筒部に対する内キャップの装着範囲は肉薄であることから、内キャップの弾性作用が助長されると同時にその弾性作用によりチップ保持筒部に対する内キャップの摩擦係数が軽減されると同時に、チップ保持筒部に対する内キャップの嵌入力(密閉力)の安定化が約束される
【0012】
又、キャップ本体の内面に、数本の縦リブを周方向に適宜の間隔をおいて設けて、キャップの装着時に筒本体のキャップ装着部に線接触する様にしたことである。
斯る請求項8記載の技術的手段によれば、キャップの装着時に、キャップ本体は内面縦リブが筒本体のキャップ装着部に対して線接触し、筒本体との接触負荷が軽減される。しかも、その線接触によりキャップ装着部との芯合わせが成された状態で、上記した請求項1の如く乗り越え嵌合と嵌入嵌合とが同時に成される。
【0013】
又、縦リブのキャップ本体の開口部側に位置する端部をアーチ形に形成したことである。
斯る請求項9記載の技術的手段によれば、キャップの装着時に、キャップ本体の内面縦リブはアーチ形端部により筒本体のキャップ装着部に速かに導かれて該キャップ装着部に対して線接触する。即ち、縦リブはキャップ装着部の開口部等に引っ掛かることがなく、該キャップ装着部の外面へと案内され、且つ線接触のもとでキャップ本体をキャップ装着部のキャップ装着基端へと導く。
【0014】
又、縦リブを、キャップ本体の開口部から内方に適宜入り込んだ部位より内底部側に向けて形成して、該開口部の内面に筒本体のキャップ装着部の外径より大径とする遊嵌口を設けたことである。
斯る請求項10記載の技術的手段によれば、キャップの装着時に、キャップ本体は遊嵌口により筒本体のキャップ装着部に対してラフな状態で嵌挿され、その後、縦リブによるキャップ装着部との線接触によりキャップ装着基端へと押し込まれ装着される。
【0015】
又、キャップ装着部は筒本体の先端側外面に、キャップ本体が装着される範囲にて形成され、キャップ本体の内径と略同径とする外径にてそのキャップ装着基端から開口部方向途中部位に至る適宜の範囲で設けたストレート筒部と、このストレート筒部から開口部近傍に至る適宜の範囲で傾斜状に設けたテーパー筒部とからなり、更にテーパー筒部の傾斜基端部位には前記ストレート筒部の外径よりも小径とする乗越え嵌合部を設けたことである。
斯る請求項11記載の技術的手段によれば、キャップの装着時に、その初期の段階ではキャップ本体はキャップ装着部の乗越え嵌合部、テーパー筒部に接触することなく、これらとの間に遊びがあるラフな状態でキャップ装着部のストレート筒部まで嵌挿される。そして、内面縦リブがストレート筒部に達することで、該ストレート筒部の外面に線接触し、キャップ本体は上記した請求項8の如く、キャップ装着部との芯合せが成させた状態でキャップ装着部に装着される。
【0016】
又、キャップの装着時に、内キャップが嵌入嵌合するチップ保持筒部の開口部に排気口を設けると共にその内面には先口を嵌入保持させる数本の縦保持リブを周方向に適宜の間隔をおいて設けて、前記排気口から周方向の各縦保持リブ間の空気流通縦溝を介して筒本体内を連絡する空気流通空隙を形成したことである。斯る請求項12記載の技術的手段によれば、キャップの装着時に、内キャップ内の空気はチップ保持筒部の排気口から同内部の空気流通縦溝と空気流通空隙とを介して流通する筒本体内へと排気される。それにより、キャップの装着時に、内キャップ内には内圧が発生しない。一方、キャップを取り外す時においても前記排気口、空気流通縦溝、空気流通空隙による筒本体内との流通が確保されていることから、内キャップがチップ保持筒部から抜け外れる過程で、内キャップ内には減圧作用(吸引作用)は生じない。又、筆記チップを保持する先口は縦保持リブによる線接触によりチップ保持筒部に対して正確に芯合せが成させた状態で保持される。
【0017】
又、キャップの装着時に、内キャップとキャップ本体とが夫々嵌合装着するチップ保持筒部と筒本体との連設部に、筒本体内に通じる空気交換用の空気口を設けると共に、筒本体の先側内面にはインク吸蔵体の先側を保持される数本の縦保持リブを周方向に適宜の間隔をおいて設けて、前記空気口から各縦保持リブ間の空気流通縦溝を介してインク吸蔵体の後側を衝合保持する尾栓側まで至る空気流通空隙を形成する一方で、尾栓には前記空気交換空隙から同尾栓内部を連絡する流通口を設けたことである。
斯る請求項13記載の技術的手段によれば、キャップの装着時に、キャップ本体内の空気は空気交換用の空気口から筒本体内のインク吸蔵体の前端へ、そして、各縦保持リブ間の空気流通縦溝、筒本体との間の空気流通空隙を通って尾栓側まで送られ、該尾栓の吸気流通口から該尾栓内部に入り込んでインク吸蔵体の後端へと送られる。又、インク吸蔵体は筒本体内面の縦保持リブと尾栓とにより筒本体内に芯合わせが成された状態でしっかりと保持される。
【0018】
又、上記連設部を、筒本体のキャップ装着部の開口部からその内方に適宜の深さまで没入内在させてその没入範囲におけるチップ保持筒部とキャップ装着部との両者間に該キャップ装着部の開口部に向けて開口させた隙間を形成して、キャップの装着時に、該隙間により解放されたキャップ装着部の先端解放筒部にキャップ本体が嵌入嵌合する様にしたことである。
斯る請求項14記載の技術的手段によれば、キャップの装着時に、キャップ本体がキャップ装着部の先端解放筒部に対して嵌入嵌合を開始すると、該先端解放筒部は隙間側に逃げる動きを成す。又、空気口がキャップ装着部の開口部から適宜の深さにてその内方に位置する隙間底に開口されていることから、空気口の存在が外部から目視され難い。
【0019】
更に、筒本体と尾栓との両者間の少なくとも前後2カ所に、尾栓の取付け時に、夫々嵌着する環状凸部を設けたことである。
斯る請求項15記載の技術的手段によれば、尾栓は少なくとも前後2カ所の環状凸部同士の夫々の嵌着力により筒本体にしっかりと嵌着される。
【0020】
更に、筒本体の後端に、その後端開口部から尾栓が嵌着される範囲にて該開口部に向けて段々に広がる様に形成した栓取付部を設けて、この栓取付部の内部基端側に前側の環状凸部を設けると共に、その拡開開口部側には前側の環状凸部の凸径よりも大径とする後側の環状凸部を設ける一方、尾栓の開口部側には前記栓取付部に嵌挿し得る形状にてその途中部位から開口部に向けて段々に細くなる様に形成した先細状の取付筒部を設けて、この取付筒部の開口部側に前記前側の環状凸部に対して嵌着する前側の環状凸部を設けると共に、その基端側には該前側の環状凸部の凸径よりも大径とし、前記後側の環状凸部に対して嵌着する後側の環状凸部を設けたことである。
斯る請求項16記載の技術的手段によれば、尾栓の取付け時に、その初期の段階では先細状の取付筒部を筒本体の大きく開口する栓取付部の拡開開口からラフな状態で嵌挿させることができる。しかも、その取付け時に取付筒部の前側の環状凸部は栓取付部の後側の環状凸部に引っ掛かることなく、該栓取付部の内部基端側の前側の環状凸部までスムーズに嵌挿せしめられて該前側の環状凸部に対して嵌着せしめると共に、同取付筒部の後側の環状凸部は栓取付部の後側の環状凸部に対して嵌着せしめる。
【0021】
更に、前後の環状凸部間における筒本体の筒取付部と尾栓の取付筒部との両者間に、前側の環状凸部の凸径よりも大径で、後側の環状凸部の凸径よりも小径とする芯合せ嵌合部を設けて、尾栓の取付け時に芯合せ嵌合が前後の環状凸部の嵌着が開始する前に開始する様にしたことである。
斯る請求項17記載の技術的手段によれば、上記した請求項16記載の前後の環状凸部同士の嵌着が、芯合せ嵌合部により筒本体に対する尾栓の芯合せ(センターリング)が成された後に成される。しかも、その取付け時に尾栓の芯合せ嵌合部が栓取付部の後側の環状凸部に引っ掛かることなく、該栓取付部の芯合せ嵌合部までスムーズに嵌挿せしめられて該芯合せ嵌合部に対して芯合せ嵌合せしめる。
【0022】
更に、筒本体の後端から外部に露出する尾栓の尾端側に、キャップを着脱自在に装着するキャップ保持部を設けてなることである。
斯る請求項18記載の技術的手段によれば、キャップ装着部から取り外したキャップを、筆記時に尾栓のキャップ保持部に装着しておくことができる。
【0023】
更に、筆記チップを、その長さ方向略途中部位を境に先部側を太く、後部側を細くした適宜の長さを有する段付き棒状に形成する一方、金属からなる先口を、筆記チップの途中段差部からその先端の筆記部部分を除くその先部側まで被嵌保持し得る長さに形成して、その後端開口部に前記段差部を衝合掛止させる掛止部を設けると共に、その先端開口部を筆記チップに対してカシメにより係止せしめたことである
斯る請求項19記載の技術的手段によれば、軸筒のペン保持筒部に圧入により取り付ける先口に対して筆記チップを掛止部に対する段差部の衝合掛止とカシメによる係止より軸方向に不動の状態でしっかりと取り付けることができる。それにより、筆記チップが不用意に抜け外れたり、先口内に潜ることもなく、筆記の安定性が約束される。
【0024】
更に、上記筆記チップが筆ペン用であり、軟質合成樹脂材料からなるインク誘導芯部と硬質合成樹脂材料からなる外皮部とからなり、インク誘導芯部の先部と後部とを除くその全体を外皮部で一体に被覆したことである。
斯る請求項20記載の技術的手段によれば、筆ペンとして要求される適宜の撓りと復元力が軟質合成樹脂材料からなるインク誘導芯部の筆記部とその近傍まで被覆されている硬質合成樹脂材料からなる外皮部とにより発揮される。しかも、インク吸蔵体内に連通状に連結されたインク誘導芯部よりインク吸蔵体からのインクの誘導が確実に成される。
【0025】
更に、外皮部はインク誘導芯部の後部側において、該後部と共にその一部がインク吸蔵体の内部に挿入される様に該後部を被覆したことである。
斯る請求項21記載の技術的手段によれば、インク誘導芯部の後部がインク吸蔵体の内部に挿入された状態において、インク誘導芯部がむき出し状態で露出しない。
【0026】
更に、軸筒とキャップとを金属微粒子を練り込んだ合成樹脂材料にて成形したことである。
斯る請求項22記載の技術的手段によれば、金属微粒子が軸筒とキャップとの表面に無数に点在した状態でキラキラと光輝く如く現出する。それにより、外観的美観が図られる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の具体例を図面に基づいて説明する。図1は本発明筆記具の全体を示した縦断図で、1は軸筒、2はキャップ、3は筆記チップ、4はインク吸蔵体、5は尾栓であり、キャップ2の装着時に、筆記チップ3と軸筒1の後述する筒本体1-1 の開口部とを夫々密閉する嵌入嵌合と装着後のキャップ2の脱落防止を図る乗越え嵌合とが同時に完了する様に構成してなる。
【0028】
軸筒1、キャップ2は、アルミ等の所望の金属微粒子を全体に均等に且つ点在する様に練り込んだ適宜の合成樹脂材料を用いて成形して、練り込んだ金属微粒子が表面全体に無数に点在した状態でキラキラと光輝く如く現出する様にしてなる(図1の(イ)参照)。
【0029】
軸筒1は、インク吸蔵体4を装填する筒本体1-1 と、筆記チップ3を保持させるチップ保持筒部1-2 とからなり、チップ保持筒部1-2 を筒本体1-1 の先端開口部に連設部6を介して同軸状に連設し、筒本体1-1 の後端開口部には尾栓5を外部との流通を完全に遮断した密閉状態にて固定的に嵌着してなる(図1乃至図2参照)。
【0030】
筒本体1-1 は、インク吸蔵体4を遊嵌状に装填し得る適宜の長さと太さを有する円筒筒状に成形して、その先端側外面にキャップ装着部7を設けると共に、後端側内面には栓取付部8を設けてなる。
【0031】
キャップ装着部7は、キャップ2の後述するキャップ本体2-1 の内径と略同径とする外径で且つ該キャップ本体2-1 が押し込み装着される範囲にて筒本体1-1 の先端側外面に他の部分よりも一回り程細く形成され、そのキャップ装着基端9側からストレート筒部7-1 、このストレート筒部7-1 から開口部近傍に向けたテーパー筒部7-2 と、このテーパー筒部7-2 の傾斜基端から開口部に向けた先端解放筒部7-3 とからなる(図3参照)。そして、先端解放筒部7-3 が連設するテーパー筒部7-2 の傾斜基端部位にはキャップ2の装着時に、キャップ本体2-1 の後述する内面の乗越え嵌合部10が乗越え嵌合する外面の乗越え嵌合部11を設けてなる。
【0032】
ストレート筒部7-1 は、キャップ2の装着時に、キャップ本体2-1 の後述する縦リブ12が線接触せしめることで、キャップ装着部7に対するキャップ2の芯合せ(センターリング)が成される部分であり、キャップ本体2-1 の内径と略同径(内面縦リブ12群の突端を円周状に結ぶその内輪郭径L(図18参照)と略同径)とする外径にてキャップ装着基端9から開口部方向途中部位に至る範囲L1 で円筒状に形成してなる。
尚、このストレート筒部7-1 の前記範囲L1 は適宜選択するものである。例えば、キャップ本体2-1 の内面の乗越え嵌合部10がキャップ装着部7の外面の乗越え嵌合部11に対して乗り越え嵌合が開始するその手前位で縦リブ12が接触する様に形成する等のキャップ装着基端9からのその範囲L1 を適宜選択するものである。
【0033】
テーパー筒部7-2 は、キャップ2の装着時に、その初期の段階でキャップ本体2-1 がキャップ装着部7との間に遊びがあるラフな状態で該キャップ装着部7に対して嵌挿される様に成すもので、ストレート筒部7-1 からキャップ装着部7の開口部近傍に向けた適宜の範囲L2 で緩かに傾斜させる。即ち、このテーパー部7-2 はストレート筒部7-1 との連設基端からその傾斜基端側に向けて該ストレート筒部7-1 の外径よりも僅かに小径となる様に緩かに傾斜させた先細筒状に形成してなる。
【0034】
先端解放筒部7-3 は、キャップ装着部7の開口部を密閉する様にキャップ2の装着時に、キャップ本体2-1 の後述する嵌入嵌合部13が嵌入嵌合せしめる部分であり、ストレート筒部7-1 の外径よりも小径とする外径にて且つチップ保持筒部1-2 との間には後述する隙間14が確保された解放状態にてテーパー筒部7-1 の傾斜基端からキャップ装着部7の開口部に向けた範囲L3 にて円筒状に形成してなる。
【0035】
而して、この先端解放筒部7-3 はキャップ2の装着時に、キャップ本体2-1 の内面の嵌入嵌合部13が嵌入嵌合を開始するに伴い隙間14側に逃げる動き成す。即ち、先端解放筒部7-3 にはチップ保持筒部1-2 との間に隙間14が確保されていることにより、適度の弾性作用が付与され、キャップ本体2-1 の嵌入嵌合時に受ける摩擦が軽減されることから、隙間14を介して後述する吸気交換用の空気口15を密閉する嵌入嵌合部13とのシール作用を長期に亘り一定に維持し得るものである。
尚、この先端解放筒部7-3 の肉厚を、キャップ本体2-1 が嵌入嵌合する時にその弾性作用がより効果的に発揮し得る様に薄肉状に形成するも適宜自由である。
【0036】
乗越え嵌合部11は、キャップ2の装着時に、キャップ本体2-1 の内面の乗越え嵌合部10が乗越え嵌合せしめる該乗越え嵌合部10との嵌合係止力により、キャップ本体2-1 をキャップ装着部7に係止保持する役目を成すものであり、キャップ本体2-1 の内径(内面の縦リブ12群の突端を円周状に結ぶその内輪郭径D)よりも小径とする環状外径にてテーパー筒部7-2 の傾斜基端に形成して、キャップ2の装着時に、内面の縦リブ12が引っ掛からない様に設けてなる。
【0037】
而して、キャップ装着部7をストレート筒部7-1 、テーパー筒部7-2 、先端解放筒部7-3 から形成してなることから、キャップ2の装着時に、その初期の段階ではキャップ本体2-1 はキャップ装着部7の外面の乗越え嵌合部11、そしてテーパー筒部7-2 に接触することなく、これら両者と内面の縦リブ12との間には遊びがあるラフな状態でキャップ装着部7に対して嵌挿することができる(図2の状態)。それにより、キャップ2の装着がすこぶる簡便となり、取扱性の向上が図られたキャップ2の装着構造となる。そして、キャップ本体2-1 の内面の縦リブ12がストレート筒部7-1 に達し、該ストレート筒部7-1 の外面に線接触することで、キャップ本体2-1 はキャップ装着部7との芯合せ(センターリング)が成され、その芯合せが成された状態でキャップ本体2-1 の内面の乗越え嵌合部10が前記外面の乗越え嵌合部11に対して乗越え嵌合を開始し、その乗越え嵌合が完了するのと同時に、嵌入嵌合部13が先端解放筒部7-3 に対して嵌入嵌合を完了することから(図2の二点鎖線及び図16の状態参照)、それらの嵌合がスムーズに且つ確実に成されると同時に、キャップ2の後述する内キャップ2-2 の嵌入嵌合部16のチップ保持筒部1-2 に対する嵌入嵌合もスムーズに且つ確実に成される。
即ち、キャップ2を装着する過程において、芯ズレにより起る一方が他方側に噛んでしまって動きが鈍る等の噛合いの悪さを引き起こすことなく、外面の乗越え嵌合部11に対する内面の乗越え嵌合部10の乗越え嵌合、そして先端解放筒部7-3 に対する嵌入嵌合部13の嵌入嵌合がスムーズに行われ、且つ乗越え嵌合によるキャップ2の脱落防止と、嵌入嵌合による密閉作用とが確実に成された状態でキャップ本体2-1 はキャップ装着部7に装着され、同時に内キャップ2-2 はチップ保持筒部1-2 に対して装着される(図17の状態参照)。
【0038】
チップ保持筒部1-2 は、筆記チップ3を先口17を介して保持すると共に、キャップ2の装着時に、内キャップ2-2 の嵌入嵌合部16が嵌入嵌合せしめる部分であり、キャップ装着部7の先端解放筒部7-3 の内径よりも二回り程細い外径(内キャップ2-2 の内径と略同径とする外径)で内面形状が大径部18と小径部19とから段付き孔形状を成し、小径部19が開口するその後端側を先端解放筒部7-3 の内面に連設部6を介して一体に連設せしめられ、先端解放筒部7-3 の内部からその開口部前方に向けて同軸状に突出せしめる(図1の(ロ)及び図3、図4参照)。
【0039】
連設部6は、チップ保持筒部1-2 の連設後端に至るその没入範囲に、キャップ装着部7の先端解放筒部7-3 の弾性作用を助長する隙間14が確保される様に、該先端解放筒部7-3 の開口部からその内方に向けた適宜の深さ域まで没入内在せしめて、チップ保持筒部1-2 の小径部19の後端をキャップ装着部7の内面に一体に連設すると共に、吸気交換用の空気口15を開口してなる。
【0040】
空気口15は、筆記時に筒本体1-1 内との空気交換を図る。そして、筆記後(使用後)のキャップ2の装着時においてはキャップ本体2-1 内の空気を、筒本体 1-1 内のインク吸蔵体4の前端へ、そして、後述する空気流通縦溝20、空気流通空隙21、流通口22を通して尾栓5により衝合保持されているインク吸蔵体4の後端側へと送り込んでインク吸蔵体4の前後端の内圧の変化を抑える役目とを成すもので、連設部6に適宜の開口面積を有する開口形状にて周方向数カ所(図では3カ所)に設けてなる(図7参照)。
【0041】
空気流通縦溝20は、空気口15を開口した連設部6に連設させた状態で且つインク吸蔵体4の先側を筒本体1-1 の軸芯に芯合せせしめた状態で保持し得る突出高さにて筒本体1-1 の先側内面に、周方向に適宜の間隔をおいて設けた数本の縦保持リブ23間に、前記空気口15に連通させた状態で該空気口15からの空気を空気流通空隙21へと導く様に形成してなる(図3乃至図8参照)。
【0042】
尚、縦保持リブ23の連設部6との連設側にはインク吸蔵体4の前端開口を該連設部6から離間させた状態で係止保持させる係止部24を設けて、空気口15からの空気がインク吸蔵体4の前端に送り込まれる様にしてある。又、筒本体1-1 の後端側に向けて解放する縦保持リブ23の端部をアール形に形成して、筒本体1-1 の後端開口部から筒本体1-1 内に挿入組み込まれるインク吸蔵体4が縦保持リブ23に引っ掛かることなく、そのアール端部23-1により案内されて縦保持リブ23間にスムーズに挿入され、保持される様にしてある(図3参照)。
【0043】
空気流通空隙21は、上記空気流通縦溝20からインク吸蔵体4の後側を衝合保持する尾栓5側まで至る筒本体1-1 とインク吸蔵体4との間に形成して、筒本体 1-1 の空気口15から流通口22を開口する後端の尾栓5側までの流通が保たれる様にしてなる。
【0044】
流通口22は、空気流通空隙21を通ってきた空気をインク吸蔵体4の後端開口が開口状に臨む尾栓5内に案内導くためのもので、尾栓5の後述する取付筒部5-1 の開口部に適宜の開口幅と深さにて凹欠せしめた開口形状にて設ける(図3及び図9乃至図10参照)。
【0045】
而して、筒本体1-1 の内部に、空気口15からインク吸蔵体4の前端、そして後端開口に通じる流通構造を設けてなることから、キャップ2の装着時に、キャップ本体2-1 内の空気は空気交換用の空気口15から筒本体1-1 内の係止部24のより保持されたインク吸蔵体4の前端へ、そして、各縦保持リブ23間の空気流通縦溝20、筒本体1-1 とインク吸蔵体4との間の空気流通空隙21を通って尾栓5側まで送られ、該尾栓5の流通口22から該尾栓5内部に入り込んでインク吸蔵体4の後端へと送られる(図2の矢印参照)。それにより、インク吸蔵体4の前後端の一方側のみに空気が送られ、その一方側のみの内圧が上昇変化することで起る筆記時のインク切れ、ボタ落ち現象を防ぐことができる。
又、インク吸蔵体4を筒本体1-1 内面の縦保持リブ23により該筒本体1-1 の軸芯に対して芯合せせしめた状態で縦保持リブ23と尾栓5とにより筒本体1-1 内に保持することができる。
又、空気口15をキャップ装着部7の開口部から適宜の深さにてその内方に内在する連設部6に開口してなることから、空気口15の存在が外部から目視され難い。それにより、空気口15が表面に開口存在するものに比べて外観上の低下を抑えることができることから、商品としての装飾性等の低下を招く虞れがなく、その装飾性等の向上が図られる。
【0046】
図中25は、適宜の開口幅と深さにて凹欠せしめた開口形状にてチップ保持筒部1-2 の開口部に周方向数カ所(図では3カ所)に設けた排気口であり(図4及び図5参照)、チップ保持筒部1-2 内に設けた空気流通縦溝26、空気流通空隙27を介して筒本体1-1 内と連絡せしめて、キャップ2の装着時に、内キャップ2-2 内の空気を空気流通縦溝26を介して空気流通空隙27から筒本体1-1 内に排気せしめ、そして、キャップ2が取り外される時においては内キャップ2-2 内に減圧作用(吸引作用)が生じない様に筒本体1-1 内と流通を空気流通縦溝26と空気流通空隙27とにより図る様にしてなる(図4参照)。
【0047】
空気流通縦溝26は、チップ保持筒部1-2 の開口部より内方に適宜入り込んだ部位から小径部19との連設段差部に至る大径部18の内面に、先口17を圧入保持し得る突出高さにて周方向に適宜の間隔をおいて設けた数本の縦保持リブ28間に、排気口25と小径部19とを連絡する様に設けてなる(図4乃至図6参照)。
【0048】
空気流通空隙27は、上記各保持縦リブ28間の空気流通縦溝26を介してチップ保持筒部1-2 の排気口25から筒本体1-1 内とを連絡するものであり、前記空気流通縦溝26から筒本体1-1 内に通じる筆記チップ3の後述するインク誘導芯部3-1 の後部3-11側が貫通状に遊挿される該後部3-11と小径部19との間に形成して、排気口25と筒本体1-1 内との流通が空気流通縦溝26を介して保たれる様に設けてなる。
【0049】
而して、内キャップ2-2 により密閉状に包囲されるチップ保持筒部1-2 の開口部に排気口25を開口し、チップ保持筒部1-2 の内部には排気口25から筒本体1-1 内に通じる流通構造を設けてなることから、キャップ2の装着時に、内キャップ2-2 内の空気は加圧されることなく、排気口25からチップ保持筒部1-2 内の空気流通縦溝26を介して筒本体1-1 内とを連絡する空気流通空隙27を通って該筒本体1-1 内に排気される(図4の矢印参照)。それにより、キャップ2の装着時に、内キャップ2-2 内には内圧は発生しない。即ち、内キャップ2-2 がチップ保持筒部1-2 に対する装着限まで押し込まれる過程で、内キャップ2-2 内の空気が加圧縮されて同内キャップ2-2 内に内圧が発生することにより起る筆記チップ3のインクが筒本体1-1 内のインク吸蔵体4側に押し戻されてしまって、筆記時にインク切れを引き起こすと言った逆流現象を防ぐことができる。
そして、キャップ2を取り外す時においても内キャップ2-2 内と筒本体1-1 内との空気の流通が確保されていることにより、内キャップ2-2 内には減圧作用 (吸引作用)は生じない。即ち、内キャップ2-2 がチップ保持筒部1-2 から抜け外れる過程で、内キャップ2-2 内に生じる減圧作用によりインク吸蔵体4から筆記チップ3に必要以上のインクが引き込まれて、取り外した時に筆記チップ3からインクが吹き出したり、或いは筆記中に筆記チップ3からインクが必要以上に吐出するボタ落ち現象を防ぐことができる。よって、筆記具として要求されるところの機能性の安定化が期待できる。
又、チップ保持筒部1-2 は筆記チップ3を貫通状に保持する先口17を面接触ではなく、縦保持リブ28群による線接触にて保持する様にしてなることから、先口17をチップ保持筒部1-2 の軸芯に対して正確に芯合せせしめた状態で該チップ保持筒部1-2 に圧入保持させることができる。しかも、その芯合せは面接触に比べて簡単に行うことができることから、先口17のチップ保持筒部1-2 に対する組込み作業性が大幅に軽減される。よって、組込み作業性の向上が期待できる。
【0050】
筒本体1-1 の後端の前述した栓取付部8は、尾栓5の後述する取付筒部5-1 の長さ範囲L4 にて筒本体1-1 の後端開口部に向けて内面形状(内径)が段々に (徐々に)広がる様に形成した拡開形状を成し、その拡開基端部位と拡開開口側との前後2カ所に、尾栓5の後述する前後の環状凸部29,30が個々に嵌着する凸径L5 <L6 を備えた前後の環状凸部31,32を設けると共に、この前後の環状凸部31,32間には尾栓5の後述する芯合せ嵌合部33が芯合せ嵌合する芯合せ嵌合部34を設けてなる。
【0051】
前後の環状凸部31,32は、尾栓5の取付け時に、尾栓5の前後の環状凸部29,30との嵌着により尾栓5を栓取付部8に対して密閉状態に保持するものであり、前側の環状凸部31を栓取付部8の内部基端側に設け、後側の環状凸部32をその拡開開口部側に前側の環状凸部31の凸径L5 よりも大径とする凸径L6 にて設けてなる(図11参照)。
【0052】
芯合せ嵌合部34は、開口部に向かって拡開する栓取付部8の内面に、前側の環状凸部31の凸径L5 よりも大径で、後側の環状凸部32の凸径L6 よりも小径とする内径L7 にて軸方向にフラットに形成して、尾栓5の取付け時に、同じくフラットな取付筒部5-1 の芯合せ嵌合部33が芯合せ嵌合せしめる様にしてなる(図12乃至図13参照)。
【0053】
尾栓5は、筒本体1-1 の後端開口部を密閉状に閉鎖すると共に、中綿4-1 を適宜の合成樹脂材料からなる外皮チューブ4-2 により被覆して形成してなるインク吸蔵体4の外皮チューブ4-2 の後端開口外周縁を衝合係止せしめた状態で保持する役目を成し(図3及び図13参照)、所望な合成樹脂材料により筒本体1-1 と太さを略同じ程度の太さで(外径で)適宜な長さを有する有底筒状に成形され、その筒方向途中部位の尾端側より外面に筒本体1-1 の後端開口部(栓取付部8の拡開開口部)に当接させる鍔部35を突設備えて、この鍔部35から開口側を栓取付部8への取付筒部5-1 とし、尾端側を栓部を兼ねたキャップ保持部5-2 としてなる。
【0054】
取付筒部5-1 は、筒本体1-1 の栓取付部8と略同じ長さで、その外面形状を鍔部35側から開口部に向けて段々に(徐々に)細くなる先細状に形成し、その開口部側と鍔部35側との前後2カ所に凸径L8 <L9 を備えた前後の環状凸部29,30を設けると共に、この環状凸部29,30間には前側の環状凸部29の凸径L8 よりも大径で、後側の環状凸部30の凸径L9 よりも小径とする内径L10にて栓取付部8の芯合せ嵌合部34と同じく軸方向にフラットな芯合せ嵌合部33を設けてなる(図11参照)。
ここで、尾栓5の取付け時に、同時に開始する前側の環状凸部29と31同士並びに後側の環状凸部30と32同士の嵌着が開始する前に、取付筒部5-1 の芯合せ嵌合部33と栓取付部8の芯合せ嵌合部34との芯合せ嵌合が開始する様にそれらの位置関係を設定した上で、取付筒部5-1 と栓取付部8とに設けるものである。
【0055】
尚、取付筒部5-1 の前後の環状凸部29,30と芯合せ嵌合部33は、筒本体1-1 の栓取付部8の前後の環状凸部31,32と芯合せ嵌合部34との上記した構成説明(関連性)から見れば、その構成を理解できるものであるから、その具体的な構成説明は省略する。
【0056】
キャップ保持部5-2 は、キャップ本体2-1 の内径と略同径とする外径にて尾栓5の尾端側に形成すると共に、その尾端外周縁をアーチ形に形成せしめて、キャップ2の装着時に、同内面の縦リブ12が引っ掛かることなく、線接触にてスムーズに嵌入せしめる様に形成してなる(図14参照)。
【0057】
而して、筒本体1-1 の栓取付部8と尾栓5の取付筒部5-1 とを叙上の如く形成してなることから、尾栓5の取付け時に、その初期の段階では先細状の取付筒部5-1 を大きく開口する栓取付部8の拡開開口からラフな状態で該栓取付部8内に向けて嵌挿させることができる。しかも、その取付け時に取付筒部5-1 の前側の環状凸部29は栓取付部8の後側の環状凸部32に引っ掛かることなく、該栓取付部8の前側の環状凸部31までスムーズに嵌挿せしめられて該環状凸部31に対して嵌着せしめると共に、この前側の環状凸部29,31同士の嵌着が開始すると同時に同取付筒部5-1 の後側の環状凸部30が栓取付部8の後側の環状凸部32に対して嵌着せしめる。そして、この前後の環状凸部29と31同士並びに後側の環状凸部30と32同士の嵌着が、芯合せ嵌合部33,34の芯合せ嵌合による筒本体1-1 に対する尾栓5の芯合せ(センターリング)が成された後に開始することから、それらの嵌着がスムーズに且つ確実に成される。
更に、筆記時にキャップ装着部7から取り外したキャップ2を尾栓5のキャップ保持部5-2 に装着しておける(図14の二点鎖線の位置まで押し込んだ状態で装着しておける)。つまり、使用後の保管時は勿論のこと、使用時(筆記時)においても軸筒1に対してキャップ2を装着しておけることから、キャップ2が紛失してしまうと言った心配がなくなる。
【0058】
キャップ2は、筒本体1-1 のキャップ装着部7に対する装着時に、該キャップ装着部7の外面の乗越え嵌合部11に対して乗越え嵌合する内面の乗越え嵌合部10と、先端解放筒部7-3 に対して嵌入嵌合する嵌入嵌合部13とを内面に有するキャップ本体2-1 と、チップ保持筒部1-2 に対して嵌入嵌合する嵌入嵌合部16を内面に有する内キャップ2-2 とから二重筒構造に形成してなる(図15参照)。
【0059】
キャップ本体2-1 は、内径をキャップ装着部7のストレート筒部7-1 の外径と略同径とする内径で、該キャップ装着部7の開口部から突出する筆記チップ3、チップ保持筒部1-2 を含めた該キャップ装着部7全体を包囲し得る長さを有する有底筒状に成形され、その内面には軸方向の縦リブ12と、周方向の乗越え嵌合部10、嵌入嵌合部13とを備え、外面にはクリップ36を一体に備えてなる。
【0060】
縦リブ12は、キャップ2の装着時に、キャップ装着部7のストレート筒部7-1 に線接触せしめて、キャップ装着部7に対するキャップ本体2-1 の接触抵抗(摺接抵抗)の軽減せしめると共にキャップ装着部7に対して芯合せせしめる役目を成し、キャップ本体2-1 の開口部から内方に適宜入り込んだ部位より内キャップ2-2 が同軸状に突出する内底部側に向けた筒方向略途中部位に至る範囲にて周方向に適宜の間隔をおいて形成して、キャップ本体2-1 の開口部側に位置する端部と該開口部との間にキャップ装着部7のストレート筒部7-1 の外径より大径とする遊嵌口37を形成してなる。
又、キャップ本体2-1 の開口部側に位置する縦リブ12の端部をアーチ形に形成して(図1の拡大図参照)、キャップ2の装着時に、縦リブ12がアーチ形端部 12-1により案内されてキャップ装着部7のストレート筒部7-1 に対してスムーズに嵌入せしめて線接触する様にしてなる。
【0061】
内面の乗越え嵌合部10は、キャップ2の装着時に、キャップ装着部7の外面の乗越え嵌合部11に対して乗越え嵌合せしめて、キャップ装着部7に対してキャップ本体2-1 が不用意に抜け外れない様に保持する脱落防止を図るもので、前記外面の乗越え嵌合部11に乗越え嵌合し得る環状径にてキャップ本体2-1 の内面所定部位に形成してなる。ここで、内面の乗越え嵌合部10はキャップ本体2-1 がキャップ装着部7に対してその開口部がキャップ装着基端9に衝突するその装着限まで押し込み装着される手前位で前記外面の乗越え嵌合部11に対する乗越え嵌合が開始する様に、該外面の乗越え嵌合部11との位置関係を設定した上で、キャップ本体2-1 の内面に設けるものである。図では縦リブ12群の内底部側に位置する端部を周方向に連設する様にキャップ本体2-1 の内面部位に形成してなる(図15参照)。
【0062】
嵌入嵌合部13は、キャップ2の装着時に、チップ保持筒部1-2 とキャップ装着部7との間に確保した隙間14を介してその底部の連設部6に開口されている空気交換用の空気口15を密閉する様にキャップ装着部7の先端解放筒部7-3 に対して嵌入嵌合せしめるもので、内面の乗越え嵌合部10の近傍におけるキャップ本体2-1 の内底部側内面に、先端解放筒部7-3 の外径と略同径とする環状径にて形成してなる。ここで、キャップ本体2-1 の嵌入嵌合部13の先端解放筒部7-3 に対する嵌入嵌合と、同内面の乗越え嵌合部10のキャップ装着部7の外面の乗越え嵌合部11に対する乗り越え嵌合とが同時に完了する様に、嵌入嵌合部13と内面の乗越え嵌合部10との位置関係を設定した上で、キャップ本体2-1 の内面に設けるものである。
【0063】
内キャップ2-2 は、キャップ2の装着時に、チップ保持筒部1-2 に対して嵌入嵌合せしめて、筆記チップ3を密閉する(インクの揮発を防ぐ)役目を成し、キャップ本体2-1 の内底部から該キャップ本体2-1 の内径より細い外径にて同軸状に設けて、該キャップ本体2-1 との間に成形時のヒケ防止空隙38を設けてなる。そして、内キャップ2-2 の少なくともチップ保持筒部1-2 に嵌入嵌合するその装着範囲における肉厚を他の部分よりも適宜肉薄く形成せしめて、当該薄肉部分 2-20に嵌入嵌合部16を設けてなる。
【0064】
嵌入嵌合部16は、チップ保持筒部1-2 の外径と略同径とする環状径にて内キャップ2-2 の開口部近傍における薄肉部分2-20の内面に設けて、キャップ2の装着時に、チップ保持筒部1-2 に嵌入嵌合せしめる様にしてなる。ここで、嵌入嵌合部16のチップ保持筒部1-2 に対する嵌入嵌合が、上記したキャップ装着部7に対するキャップ本体2-1 の乗越え嵌合の完了と嵌入嵌合とを同時に完了する様に、嵌入嵌合部16の位置関係を設定した上で、内キャップ2-2 の内面に設けるものである。
【0065】
而して、キャップ2を叙上の如く形成してなることから、筒本体1-1 のキャップ装着部7への装着時に、該キャップ装着部7のストレート筒部7-1 に対してキャップ本体2-1 の縦リブ12が線接触し、筒本体1-1 との接触負荷が面接触に比べて軽減される。そして、その線接触により筒本体1-1 に対する芯合せが成された後に、キャップ装着部7の外面の乗越え嵌合部11と先端解放筒部7-3 に対するキャップ本体2-1 の内面の乗越え嵌合部10と嵌入嵌合部13との乗越え嵌合、嵌入嵌合、そしてチップ保持筒部1-2 に対する内キャップ2-2 の嵌入嵌合部16の嵌入嵌合とが同時に完了する(図16の状態から図17の状態)。従って、キャップ2をキャップ装着部7に対してスムーズに装着することができ、しかもその装着過程において指先に掛る負荷は一度で済むことから、キャップ2の装着性がすこぶる簡便となる。よって、筆記具としての取扱性の向上が図られる。
【0066】
クリップ36は、キャップ本体2-1 の頭部側において連設脚部36-1により連設されてその連設脚部36-1の突出幅よりも幅広で、該連設脚部36-1部分を含めてキャップ本体2-1 の開口部に向けた全長に亘りキャップ本体2-1 の外面に一体に備えられて、該キャップ本体2-1 の外面との間に通気空隙39を形成してなる。そして、このクリップ36の裏面には連設脚部36-1の突出幅と略同幅で、先端側の挟持凸部36-2から連設脚部36-1に亘り該連設脚部36-1の根元に向けてアール形に連設させた縦補強リブ40を設けて、連設脚部36-1との連設強度を補うと共に、クリップ36の挟持力を向上させてなる。
【0067】
又、クリップ36を備えたキャップ本体2-1 の外面には該クリップ36の連設脚部36-1を境にキャップ本体2-1 の頭部から開口部に向けて平行に連続させた2本の縦溝41が設けられており、この2本の縦溝41はキャップ2を誤って飲み込んだ場合、上記した通気空隙39と共に空気の流通を確保する役目を成す。そして、この2本の縦溝41は連設脚部36-1の根元からキャップ本体2-1 の開口部に至る範囲において、クリップ36裏面の縦補強リブ40の真下を基点に周方向に適宜離間せしめた間隔をおいて平行に形成して、縦補強リブ40の真下に位置する連設脚部36-1の根元からキャップ本体2-1 の開口部に至るキャップ本体2-1 の外面にリブ当接部42を設けて、クリップ36が強い力を受けてキャップ本体2-1 の外面側に押された場合、その変形状態(変形量)が真下に位置するリブ当接部42に当接した時点で抑えられる様にしてなる。即ち、クリップ36がキャップ本体2-1 側に押し潰された如く変形を来した状態であっても、クリップ36とキャップ本体2-1 の外面との間には縦補強リブ40の高さに相当する通気空隙39が保たれる様にしてなる。
【0068】
而して、以上の如く構成したキャップ2によれば、幼児が誤って飲み込み、万一喉に詰まったとしてもキャップ本体2-1 の外面とクリップ36との間の通気空隙39により空気の流通がが確保される。しかも、その流通状態はキャップ本体2-1 の頭部から開口部に向けて平行に連続する2本の縦溝41により広く且つ十二分な流通面積がより安全に確保されるものである(図20参照)。
又、クリップ36が強い力を受けてキャップ本体2-1 側に押されて変形を来しても、その変形状態は裏面の縦補強リブ40がリブ当接部42に当接した時点で抑えられる。しかも、その変形によりクリップ36とキャップ本体2-1 との間の通気空隙39の流通面積が低減されてもクリップ36と2本の縦溝41との間で最低限の流通面積(空気の流通路)が確保される。よって、筆記具に要求される安全性が確実に保たれる。
又、不使用時においてノートや衣服のポケットPに挟むクリップ36の挟持力は裏面の縦補強リブ40により保たれる。しかも、縦補強リブ40は連設脚部36-1に対してアール形に連設していることから、連設脚部36-1との連設強度が図られる。よって、クリップ36のキャップ本体2-1 に対する連設強度の更なる向上が期待できる。
又、クリップ36をノートや衣服のポケットPに挟み込む際に、その下部においてキャップ本体2-1 の頭部から開口部に走る2本の縦溝41がノートや衣服のポケットPに対する接触状態が緩和される。即ち、クリップ36はその真下において2本の縦溝41間に存在するリブ当接部42とによりノートや衣服のポケットPに挟持する挟持構造となることから、ノートや衣服のポケットPに対するクリップ36の着脱がスムーズになる(図18参照)。
【0069】
更に、本発明においては筆記チップ3を図21に示した様に、軟質合成樹脂材料からなるインク誘導芯部3-1 の筆記部となる先部3-10とインク吸蔵体4の内部に連通状に挿入される後部3-11とを除くその全体を硬質合成樹脂材料からなる外皮部3-2 で一体に被覆すると共に、その長さ方向略途中部位を境に先部3-10側を太く、後部3-11側をチップ保持筒部1-2 の小径部19の内面との間に空気流通空隙27を確保し得る太さで尚且つ筒本体1-1 内のインク吸蔵体4に挿入し得る様に途中部位からその後端に向けて先細状に形成した適宜の長さを有する段付き棒状を成す。
そして、外皮部3-2 によるインク誘導芯部3-1 の後部3-11側の被覆形態は図示の様に、該後部3-11がインク吸蔵体4に挿入される際、外皮部3-2 の一部が後部3-11と共にインク吸蔵体4の内部に挿入される様に該後部3-11を被覆せしめて、後部3-11がインク吸蔵体4の内部に挿入された状態において、インク誘導芯部 3-1 がむき出し状態で露出しない様にしてある(拡大図参照)。即ち、キャップ2の装着時に、筒本体1-1 内に送り込まれてくる空気がインク誘導芯部3-1 に入り込んで、該インク誘導芯部3-1 のインクがその先部3-10側に押し出されると言ったキャップ2の装着時の空気圧の影響を受けない様にしてある。
【0070】
而して、以上の如く構成した筆記チップ3によれば、筆ペンとして要求される適宜の撓りと復元力が軟質合成樹脂材料からなるインク誘導芯部3-1 の筆記部分とその近傍まで被覆されている硬質合成樹脂材料からなる外皮部3-2 とにより発揮される。しかも、インク吸蔵体4の内部に連通状に挿入されたインク誘導芯部3-1 によりインク吸蔵体4からのインクの誘導が確実に成される。又、キャップ2の装着時に、筒本体1-1 内に送り込まれきた空気がインク誘導芯部3-1 に、その後部3-11側から入り込み、その空気圧によりインク誘導芯部3-1 のインクが先部3-10側に押されて該先部3-10の筆記部から吹き出したり、或いは筆記時に筆記部から必要以上に吐出すると言ったボタ落ち現象を防ぐことができる。
【0071】
又、筆記チップ3をチップ保持筒部1-2 に対して取付保持する金属からなる先口17を、筆記チップ3の段差部43から筆記部部分を除くその先部3-10側まで被嵌保持し得る長さに形成して、その後端開口部に前記段差部43を衝合掛止させる掛止部44を設けると共に、その先端開口部を筆記チップ3に対してカシメにより係止せしめて、先口17に対して筆記チップ3を軸方向に不動の状態でしっかりと取り付けることができる様にしてなる。
【0072】
而して、使用中に筆記チップ3が先口17から不用意に抜け外れたり、先口17内に潜ることもないことから、筆記の安定性が約束された機能性の向上が図られる。
【0073】
【発明の効果】
本発明の筆記具は叙上の如く構成してなるから、下記の作用効果を奏する。請求項1によれば、キャップの装着時に、乗越え嵌合と嵌入嵌合とが同時に完了して軸筒への装着が成される。即ち、キャップが装着された状態での密閉作用を図る軸筒に対する嵌入嵌合と脱落防止を図る軸筒に対する乗越え嵌合とが同時に成されることから、キャップを装着する過程で指先に掛る負荷は一度で済み、取扱性の向上が図れる。
しかも、キャップの外面とクリップとの間の通気空隙により空気の流通が確実に確保される。しかも、その流通性は通気空隙と共にキャップの頭部から開口部に向けて平行に連続させた2本の縦溝により広く且つ十二分な流通面積がより安全に確保されることから、幼児等が誤って飲み込み、万一喉に詰まったとしても、空気の流通が確実に確保され、安全性が図られる。
【0074】
請求項2によれば、軸筒に対するキャップの装着状態が、キャップ本体の筒本体に対する乗越え、そして圧入嵌合と、内キャップのチップ保持筒部に対する嵌入嵌合との両者間で(二段構えで)行われることから、キャップは軸筒に対してしっかりと装着され、軸筒から不用意に抜け外れることはない。
【0075】
請求項3によれば、不使用時においてノートや衣服のポケットに対するクリップの挾着力は裏面の縦補強リブにより保たれることから、ノートや衣服のポケットから簡単に抜け外れることはない。しかも、連設脚部との連設がアール形であることから、挟持凸部を備えたクリップの解放先端側がキャップから離れる外方に向けて大きく開かれる等の悪戯が成されても、連設脚部との付根にクラック等が入る虞れがなく、連設脚部との連設強度が図られる。ひいてはクリップのキャップに対する連設強度の更なる向上が期待できることから、安全性が図られる。
【0076】
請求項4によれば、クリップが強い力を受けてキャップ側に潰される如く押されても、その変形状態(変形量)は縦補強リブがキャップ外面のリブ当接部に当接した時点で抑えられる。そして、その変形によりクリップとキャップとの間の通気空隙の流通面積が低減されてもクリップと両縦溝との間で最低限の流通面積(空気の流通)が確保されることから、安全性が図られる。
【0077】
請求項5によれば、乗越え嵌合部による乗越え嵌合と、キャップ内周面の嵌入嵌合部による嵌入嵌合と、内キャップ内周面の嵌入嵌合部による嵌入嵌合とが同時に完了するため、キャップをキャップ装着部に対してスムーズに装着することができ、しかもその装着過程において指先に掛る負荷は一度で済むことから、キャップの装着性がすこぶる簡便となる。よって、筆記具としての取扱性の向上が図られる。
【0078】
請求項6によれば、内キャップとキャップ本体との間にヒケ防止空隙を設けて、キャップの肉厚を全て略均等化してなることから、成形時に肉厚部分と薄肉部分との熱量に伴う固化時間(冷却速度)の違いにより生じるヒケ発生を防いで、ヒケ発生により表面に現れる歪みを無くすことができる。即ち、歪みによる品質の低下を防ぐことができ、品質の安定化が図られる。
【0079】
請求項7によれば、内キャップは薄肉部分によりその弾性作用が助長されると同時にその弾性作用によりチップ保持筒部に対する内キャップの摩擦係数が軽減されることから、チップ保持筒部に対する内キャップの嵌入嵌合が繰り返し成されても、内キャップの優れた弾性作用とチップ保持筒部との摩耗軽減により該チップ保持筒部に対する内キャップの嵌入力(密閉力)は長期に亙り一定に保たれる。即ち、内キャップによる筆記チップの密閉作用を長期に亙り一定に保ってインキの揮発を完全に防いで長期に亙る品質の安定化が約束される。
【0080】
請求項8によれば、キャップの装着時に、キャップ本体の内面の縦リブが筒本体のキャップ装着部に対して線接触し、筒本体との接触負荷が全周面が接触する面接触に比べて大幅に軽減されることから、キャップの装着がすこぶる簡便となる。しかも、その線接触により筒本体との芯合わせが成された状態で、該筒本体のキャップ装着部に対する上記した乗越え嵌合と嵌入嵌合とが同時に且つ確実に成されることから、それらによる密閉作用と脱落防止との確実性が図られる。
【0081】
請求項9によれば、キャップの装着時に、キャップ本体の内面の縦リブはアーチ形端部により筒本体のキャップ装着部に速かに導かれて該キャップ装着部に対して線接触する。即ち、縦リブはキャップ装着部の開口部やその途中部位に引っ掛かることがなく、該キャップ装着部の外面へと案内され、該外面に対して線接触せしめた状態でキャップ本体をキャップ装着部のキャップ装着基端まで導くことから、キャップの装着性が図られる。
【0082】
請求項10によれば、キャップの装着時に、キャップ本体は遊嵌口により筒本体のキャップ装着部に対してラフな状態で嵌挿され、その後、縦リブによるキャップ装着部との線接触によりキャップ装着基端へと押し込まれ装着されることから、キャップの装着性がより一層図られる。
【0083】
請求項11によれば、キャップの装着時に、その初期の段階ではキャップ本体はキャップ装着部の外面の乗越え嵌合部、テーパー筒部に接触することなく、これらとの間に遊びがあるラフな状態でキャップ装着部のストレート筒部まで嵌挿される。そして、縦リブがストレート筒部に達することで、該ストレート筒部の外面に線接触、そしてキャップ装着部との芯合せ(センターリング)が成させた状態でキャップ本体の内面の乗越え嵌合部が前記外面の乗越え嵌合部に対して乗越え嵌合を開始し、その乗越え嵌合が完了するのと同時に、嵌入嵌合部が先端解放筒部に対して嵌入嵌合を完了する様にしてなることから、それらの嵌合がスムーズに成される。ひいてはキャップの装着性がより一層効果的に図られる。
【0084】
請求項12によれば、キャップの装着時に、内キャップ内の空気はチップ保持筒部の排気口から同内部の空気流通縦溝と空気流通空隙とを介して流通する筒本体内へと排気される様にしてなることから、その装着時に、内キャップ内には必要以上の内圧は発生しない。一方、キャップを取り外す時においても前記排気口、空気流通縦溝、空気流通空隙による筒本体内との流通が確保されていることから、内キャップがチップ保持筒部から抜け外れる過程で、内キャップ内には減圧作用(吸引作用)は生じない。即ち、キャップの着脱時に筆記チップのインクがインク吸蔵体側に押し戻されて筆記時にインク切れを引き起こす逆流現象、そしてインク吸蔵体から筆記チップに必要以上のインクが引き込まれてその着脱時にインクが吹き出したり、或いは筆記時に筆記チップからインクが必要以上に吐出するボタ落ち現象を防ぐことができることから、筆記の安定性が約束された機能性の向上が図られる。又、筆記チップを保持する先口は縦保持リブによる線接触によりチップ保持筒部に対して正確に芯合せが成させた状態で保持させることから、組立時での品質の安定化が図られる。
【0085】
請求項13によれば、キャップの装着時に、キャップ本体内の空気は空気交換用の空気口から筒本体内のインク吸蔵体の前端へ、そして、各縦保持リブ間の空気流通縦溝、筒本体との間の空気流通空隙を通って尾栓側まで送られ、該尾栓の流通口から該尾栓内部に入り込んでインク吸蔵体の後端へと送られる。即ち、インク吸蔵体の前後端の一方側のみに空気が送られ、その一方側のみの内圧が上昇変化することで起る筆記時のインク切れ、ボタ落ち現象を防ぐことができることから、上記した請求項12と同様に筆記の安定性が約束された機能性の向上が図られる。又、インク吸蔵体は筒本体内面の縦保持リブと尾栓とにより筒本体内に芯合わせが成された状態でしっかりと保持されることから、組立時での品質の安定化が図られる。
【0086】
請求項14によれば、キャップの装着時に、キャップ本体がキャップ装着部の先端解放筒部に対して嵌入嵌合を開始すると、該先端解放筒部は隙間側に逃げる動きを成すことから、キャップ本体の嵌入嵌合時に受けるキャップ本体との摩擦係数が軽減され、キャップ装着部の先端解放筒部はキャップ本体との嵌入嵌合が繰り返し成されても、摩耗することなく、キャップ本体との嵌入嵌合力(密閉力)は長期に亙り一定且つ安定良く保たれる。即ち、空気口の密閉作用を長期に亙り一定に保って該空気口からのインキの揮発を完全に防いで長期に亙る品質の安定化が約束される。又、空気口をキャップ装着部の開口部から適宜の深さにてその内方に位置する隙間底に開口してその存在を外部から目視され難くしてなることから、空気口により外観的美観の低下を招くことがなく、商品として装飾的効果が図られる。
【0087】
請求項15によれば、前後2カ所の環状凸部同士の夫々の嵌着力により尾栓を筒本体の後端に、該後端を密閉せしめた状態でしっかりと取り付けることができる。
【0088】
請求項16によれば、尾栓の取付け時に、その初期の段階では先細状の取付筒部を筒本体の大きく開口する栓取付部の拡開開口からラフな状態で該栓取付部に対して嵌挿し得る。しかも、その取付け時に取付筒部の前側の環状凸部は栓取付部の後側の環状凸部に引っ掛かることなく、該栓取付部の前側の環状凸部までスムーズに嵌挿せしめられて該前側の環状凸部に対して嵌着される様にしてなることから、その取り付けが簡便となり、組立性の向上が図られる。
【0089】
請求項17によれば、上記した請求項16記載の前後の環状凸部同士の嵌着が、芯合せ嵌合部により筒本体に対する尾栓の芯合せ(センターリング)が成された後に行われる様にしてなることから、尾栓の取付け時に、前後の環状凸部同士はスムーズ且つ確実に嵌着せしめる。しかも、その取付け時に尾栓の芯合せ嵌合部は栓取付部の後側の環状凸部に引っ掛かることなく、該栓取付部の芯合せ嵌合部までスムーズに嵌挿せしめられて該芯合せ嵌合部に対して芯合せ嵌合せしめる様にしてなることから、上記した請求項16と同様に尾栓の取り付けが簡便となり、組立性の向上が図られ、加えて尾栓の取付状態の確実性が図られる
【0090】
請求項18によれば、キャップ装着部から取り外したキャップを、筆記時に尾栓のキャップ保持部に装着しておける様にしてなることから、キャップが紛失してしまうと言った心配がなくなる。
【0091】
請求項19によれば、軸筒のペン保持筒部に圧入により取り付ける先口に対して筆記チップを、該先口の掛止部に対する段差部の衝合掛止とその開口部のカシメによる係止より軸方向に不動の状態でしっかりと取り付けることができることから、使用中に筆記チップが不用意に抜け外れたり、先口内に潜ることもなく、筆記の安定性が約束された機能性の向上が図られる。
【0092】
請求項20によれば、筆ペンとして要求される適宜の撓りと復元力が軟質合成樹脂材料からなるインク誘導芯部の筆記部とその近傍まで被覆されている硬質合成樹脂材料からなる外皮部とにより発揮される。しかも、インク吸蔵体内に連通状に連結されたインク誘導芯部よりインク吸蔵体からのインクの誘導が確実に成される様にしてなることから、筆ペン用に最適な筆記チップを提供することができる。
【0093】
請求項21によれば、インク誘導芯部の後部がインク吸蔵体の内部に挿入された状態において、インク誘導芯部の後部共に被覆する外皮部の一部もインキ吸蔵体の内部に挿入されることから、インク誘導芯部がむき出し状態で露出しない。よって、キャップの装着時に、筒本体内に送り込まれきた空気がインク誘導芯部に、後部側から入り込み、その空気圧によりインク誘導芯部のインクが先部側に押されて該先部の筆記部から吹き出したり、或いは筆記時に筆記部から必要以上に吐出すると言ったボタ落ち現象を防ぐことができ、筆記の安定性が約束された機能性の向上が図られる。
【0094】
請求項22によれば、練り込まれた金属微粒子が軸筒とキャップとの表面に無数に点在した状態でキラキラと光輝く如く現出することから、外観的美観が図られ、消費者の目を引くインパクトの強い装飾的効果が図られる。
【0095】
従って、本発明によれば、上記した如く、筆記中にインク切れを引き起したり、また、インクが必要以上に吐出するボタ落ち現象を起したりすることがなく、書き味に優れている等の機能性、そしてキャップの着脱に優れている等の取扱性、又誤って飲み込んだ場合でも空気の流通が確実に確保されて窒息する虞れがない等の安全性、更には外観的美観による装飾性等の筆記具に要求されるこれら全ての要素を満足させた画期的な筆記具となる。
又、芯合せを簡単に行うことができる等の組立性の向上、そしてキャップの着脱性の向上が期待できることから、生産性の向上、生産コストの削減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明筆記具の一例を示し、(イ)は正面図、(ロ)は同拡大縦断面図
【図2】 キャップを断面した状態で軸筒の先側を示した正面図で、キャップを装着するその初期の段階を示す
【図3】 キャップを外した状態の縦断面図で、長さを省略して示す
【図4】 同要部の拡大断面図
【図5】 図4のV−V線拡大横断面図
【図6】 図4のVI−VI線拡大横断面図
【図7】 図4の VII−VII 線拡大横断面図
【図8】 図3のVIII−VIII線拡大横断面図
【図9】 図3のIX−IX線拡大横断面図
【図10】 流通口を設けた尾栓の取付筒部を示した斜視図
【図11】 筒本体と尾栓とを分離した状態の要部の縦断面図
【図12】 尾栓を筒本体の栓取付部に取り付けるその途中の状態を示した同縦断面図
【図13】 尾栓を筒本体の栓取付部に取り付けた状態を示した同縦断面図
【図14】 キャップを尾栓のキャップ保持部に装着する状態を示した縦断面図
【図15】 キャップの縦断面図
【図16】 キャップをキャップ装着部に装着する途中の状態を示した同縦断面図
【図17】 キャップをキャップ装着部に装着した状態を示した同縦断面図
【図18】 図15の XVIII−XVIII 線拡大横断面図
【図19】 図15の XIX−XIX 線拡大縦断面図
【図20】 同側面図
【図21】 筆記チップが保持されている軸筒の先側を示した要部の拡大縦断面図
【符号の説明】
1…軸筒 1-1 …筒本体
1-2 …チップ保持筒部 2…キャップ
2-1 …キャップ本体 2-2 …内キャップ
3…筆記チップ 3-1 …インク誘導芯部
3-2 …外皮部 4…インク吸蔵体
5…尾栓 5-1 …取付筒部
5-2 …キャップ保持部 6…連設部
7…キャップ装着部 7-1 …ストレート筒部
7-2 …テーパー筒部 7-3 …先端解放筒部
8…栓取付部 9…キャップ装着基端
10…キャップ側の乗越え嵌合部 11…軸筒側の乗越え嵌合部
12…縦リブ 12-1…アーチ端部
13,16…キャップ側の嵌入嵌合部 14…隙間
15…空気口 17…先口
20…空気流通縦溝 21…空気流通空隙
22…流通口 23…縦保持リブ
25…排気口 26…空気流通縦溝
27…空気流通空隙 28…縦保持リブ
29,30…尾栓側の環状凸部 31,32…筒本体側の環状凸部
33…尾栓側の芯合せ嵌合部 34…筒本体側の芯合せ嵌合部
36…クリップ 36-1…連設脚部
36-2…挟持凸部 37…遊嵌口
38…ヒケ防止空隙 39…通気空隙
40…縦補強リブ 41…縦溝
42…リブ当接部 43…段差部
44…掛止部

Claims (22)

  1. 軸筒内に装填したインク吸蔵体からインクが供給される筆記チップを軸筒の先端に先口を介して取り付けると共に、該先端に筆記チップを密閉するキャップを抜き差し着脱可能に装着し、後端には尾栓を取り付けてなる筆記具に於いて、
    前記キャップと軸筒との両者間に、キャップの装着時に嵌合されて、該キャップの脱落を防ぐ乗越え嵌合部と、これら両者間を密閉する嵌入嵌合部とを設け
    前記嵌入嵌合部は、前記乗越え嵌合部の嵌合が完了するのと同時に前記軸筒に対し密接するように設けられ、
    キャップは連設脚部の突出幅よりも幅広で、該連設脚部部分を含めて頭部から開口部に至る通気空隙を形成するクリップを一体に備え、更に前記連設脚部を境に頭部から開口部に向けて平行に連続させた縦溝を設けてなる筆記具。
  2. 請求項1記載の筆記具において、
    キャップは有底筒状のキャップ本体と、このキャップ本体内に同軸状に設けた内キャップとから二重筒構造を成し、一方、軸筒はインク吸蔵体を装填する筒本体と、この筒本体の先端に連設部を介して同軸状に連設させて筆記チップを取り付けるチップ保持筒部とからなり、キャップの装着時にキャップ本体が筒本体のキャップ装着部に、内キャップがチップ保持筒部に夫々嵌合する様にしてなる筆記具。
  3. 請求項1又は2記載の筆記具において、クリップは前後に長く突出する連設脚部によりその後端側がキャップの頭部側に一体に連設され、その裏面には先端側の挟持凸部から連設脚部に亘り、且つ該連設脚部の根元に向けてアール形に連設させた縦補強リブを設けてなる筆記具。
  4. 請求項1乃至3何れか1項記載の筆記具において、縦溝を、クリップの連設脚部からキャップの開口部に至る範囲で、該クリップ裏面の縦補強リブの真下を基点に周方向に適宜離間せしめた間隔をおいて平行に形成して、両縦溝間にリブ当接部を設けてなる筆記具。
  5. 請求項2乃至4何れか1項記載の筆記具において、
    上記嵌入嵌合部として、上記キャップの内周面に配置されて上記キャップ装着部との間を密閉する嵌入嵌合部と、上記内キャップの内周面に配置されて上記チップ保持筒部との間を密閉する嵌入嵌合部との二つの嵌入嵌合部を備え、
    上記乗越え嵌合部による乗越え嵌合と、キャップ内周面の嵌入嵌合部による嵌入嵌合と、内キャップ内周面の嵌入嵌合部による嵌入嵌合とが同時に完了するようにしたことを特徴とする筆記具。
  6. 請求項2乃至5何れか1項記載の筆記具において、内キャップを、キャップ本体の内底部から該キャップ本体の内径より細い外径にて同軸状に形成して、該キャップ本体との間にヒケ防止空隙を設けてなる筆記具。
  7. 請求項2乃至6何れか1項記載の筆記具において、内キャップの少なくともチップ保持筒部に嵌合装着されるその装着範囲における肉厚を他の部分よりも肉薄く形成して、当該薄肉部分に、該内キャップとチップ保持筒部との間を密閉する嵌入嵌合部を設けてなる筆記具。
  8. 請求項1乃至7何れか1項記載の筆記具において、キャップ本体の内面に数本の縦リブを設けてなる筆記具。
  9. 請求項8記載の筆記具において、縦リブのキャップ本体の開口部側に位置する端部をアーチ形に形成してなる筆記具。
  10. 請求項8又は9記載の筆記具において、縦リブを、キャップ本体の開口部から内方に適宜入り込んだ部位より内底部側に向けて形成して、該開口部の内面に筒本体のキャップ装着部の外径より大径とする遊嵌口を設けてなる筆記具。
  11. 請求項2乃至10何れか1項記載の筆記具において、キャップ装着部は筒本体の先端側外面に、キャップ本体が装着される範囲にて形成され、キャップ本体の内径と略同径とする外径にてそのキャップ装着基端から開口部方向途中部位に至る適宜の範囲で設けたストレート筒部と、このストレート筒部から開口部近傍に至る適宜の範囲で傾斜状に設けたテーパー筒部とからなり、更にテーパー筒部の傾斜基端に前記ストレート筒部の外径よりも小径とする乗越え嵌合部を設けてなる筆記具。
  12. 請求項2乃至11何れか1項記載の筆記具において、チップ保持筒部の開口部に排気口を設けると共にその内面には先口を嵌入保持させる数本の縦保持リブを設けて、前記排気口から各縦保持リブ間の空気流通縦溝を介して筒本体内に通じる空気流通空隙を形成してなる筆記具。
  13. 請求項2乃至12何れか1項記載の筆記具において、チップ保持筒部と筒本体との連設部に、該筒本体内に通じる空気口を設けると共に、筒本体の先側内面にはインク吸蔵体の先側を保持させる数本の縦保持リブを設けて、前記空気口から各縦保持リブ間の空気流通縦溝を介してインク吸蔵体の後側を衝合保持する尾栓側まで至る空気流通空隙を形成する一方で、尾栓には前記空気流通空隙と同尾栓内部とを連絡する流通口を設けてなる筆記具。
  14. 請求項1乃至13何れか1項記載の筆記具において、連設部を、筒本体のキャップ装着部の内方に適宜の深さまで没入内在させてその没入範囲におけるチップ保持筒部とキャップ装着部との両者間に隙間を形成して、該隙間により解放状に設けたキャップ装着部の先端解放筒部にキャップ本体が嵌入嵌合される様にしてなる筆記具。
  15. 請求項1乃至14何れか1項記載の筆記具において、筒本体と尾栓との両者間の少なくとも前後2カ所に、尾栓の取付け時に夫々嵌着する環状凸部を設けてなる筆記具。
  16. 請求項15記載の筆記具において、筒本体の後端に、その後端開口部から尾栓が嵌着される範囲にて該開口部に向けて段々に広がる様に形成した栓取付部を設けて、この栓取付部の内部基端側に前側の環状凸部を設けると共に、その拡開開口部側には前側の環状凸部の凸径よりも大径とする後側の環状凸部を設ける一方、尾栓の開口部側には前記栓取付部に嵌挿し得る形状にてその途中部位から開口部に向けて段々に細くなる様に形成した先細状の取付筒部を設けて、この取付筒部の開口部側に前記前側の環状凸部に対して嵌着する前側の環状凸部を設けると共に、その基端側には該前側の環状凸部の凸径よりも大径とし、前記後側の環状凸部に対して嵌着する後側の環状凸部を設けてなる筆記具。
  17. 請求項16記載の筆記具において、前後の環状凸部間における筒本体の栓取付部と尾栓の取付筒部との両者間に、前側の環状凸部の凸径よりも大径で、後側の環状凸部の凸径よりも小径とする芯合せ嵌合部を設けて、尾栓の取付け時に芯合せ嵌合が前後の環状凸部の嵌着が開始する前に開始する様にしてなる筆記具。
  18. 請求項15乃至17いずれか記載の筆記具において、尾栓の尾端側に、キャップを着脱自在に装着するキャップ保持部を設けてなる筆記具。
  19. 請求項1乃至18何れか1項記載の筆記具において、筆記チップを、その長さ方向略途中部位を境に先部側を太く、後部側を細くした段付き棒状に形成する一方、金属からなる先口を、筆記チップの途中段差部からその先端の筆記部部分を除くその先部側まで被嵌保持し得る長さに形成して、その後端開口部に前記段差部を掛止させる掛止部を設けると共に、その先端開口部を筆記チップに対してカシメにより係止せしめてなる筆記具。
  20. 請求項1乃至19何れか1項記載の筆記具において、筆記チップが筆ペン用であり、軟質合成樹脂材料からなるインク誘導芯部と硬質合成樹脂材料からなる外皮部とからなり、インク誘導芯部の先部と後部を除くその全体を外皮部で一体に被覆してなる筆記具。
  21. 請求項20記載の筆記具おいて、外皮部はインク誘導芯部の後部側において、該後部と共にその一部がインク吸蔵体の内部に挿入される様に該後部を被覆してなる筆記具。
  22. 請求項1乃至21何れか1項記載の筆記具おいて、軸筒とキャップとを金属微粒子を練り込んだ合成樹脂材料にて成形してなる筆記具。
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