JP3795618B2 - 袋詰器における袋詰量調節装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は主として土木工事その他に用いる土のう、サンドバック等の袋詰器における袋詰量調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来上記のような土のうやサンドバックは、スコップ等を用いて専ら人手によって袋詰めする方法や、ホッパー、コンベアを備えた動力付の袋詰器の排出口において、袋体を開口させて排土等を収容して袋詰めする方法等が知られている。しかし手作業による方法は作業能率や作業の過重労働の問題があり、袋詰器による場合は機械本体は勿論、本体への土の投入や袋詰め後の袋体の移動設備等の配置のための設備コストが大きく、さらに地盤の整っていない土木現場や山頂や河岸等の平坦地の少ない場合等での使用又は機械の移動や設置労力等の面で使用困難な場合がある。
【0003】
これに対し本発明者等は例えば特願平7−344612号の明細書及び図面に示されるように上下端が開放され内部に袋体を開口状態で挿入係止する多数の筒状体を固定的に整列配置した枠体と袋体挿入係止後に枠体の上面の筒状体間の間隙を塞ぐように覆う土等の投入口(開口窓)付きのカバーとからなる袋詰器を提案している。
上記袋詰器は袋体挿入係止後に覆われたカバー上に土等を載せ、投入口から各袋体内に定量の土等を落下投入し、カバーを外して枠体を吊り上げ除去することにより、袋体を整列させた状態で袋詰めを完了させるものであり、土木業者の既存の移動クレーンやバクフォー等の設備をそのまま利用できるほか、作業性、コスト面でも優れた特徴を備えたものである。
【0004】
しかし上記袋詰器は、そのまま平坦な接地面上で使用すると袋詰め量が筒状体の高さによって定まり、用途や目的に応じた袋詰め量の調節が困難である。
この発明はこれらの問題を解決するために、袋詰作業時に枠体の接地高さを調節することにより、各袋体への袋詰め量を調節する機構を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するための本発明の装置は、第1に上下端が開放され、内部に袋体4を挿入し、該袋体4を上部開口端において開口状態で係止する多数の筒状体7を固定的に連接させて整列配置した枠体1と、袋体4を係止した状態の各筒状体7の上部開口端に挿入される下向きの土入れ口26を形成し、枠体1の上面に載置されて筒状体7間の間隙を塞ぐように覆うカバー2とを設け、下端が接地面に接して枠体1を支持するとともに枠体底部を接地面に対して昇降調節する調節具23を枠体1の外周側に取り付けてなることを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
図面は本発明の実施形態を示し、図1は本発明の袋詰器と袋詰め後の袋を吊り上げる吊り具とを示している。袋詰器は枠体1とカバー2とからなりいずれもFRP製である。3は袋詰め後の土のう4(図3参照)を吊り上げ搬送するための吊り具である。
枠体1は下半部1aと上半部1b及び長方形の枠状をなす周壁枠1cとの3つの部分に分割形成され、互いに重ね合わせるように組み合わせられ、後述するFRPの接合シート8,12,13によって一体的に接合形成されている。
【0007】
下半部1aは底部を構成する1枚の下部プレート6に多数(4列×8列で合計32個)の台形筒状で且つ上下開放形の下部筒状体7aが一体的に突設形成され、さらに上半部1bも1枚の上部プレート9に台形筒状で且つ上下開放形の上部筒状体7bが一体的に突設されている。上下の筒状体7a,7bはそれぞれ対応した位置で重ね合わされ、内面側をFRPの接合シート8で粘着されて一体的に接合し、それぞれ一体の連続した筒状体7を形成している。
下半部1a,上半部1bのプレート6,9は共に外周縁が最外側の筒状体7の外側面よりフランジ状に突出しており、特に上部プレート9の周縁は上部周縁部9aを構成している。また周縁枠1cは上下方向の壁部11と壁部11の下端で外側にL字形に屈曲してフランジ状に突出する下部周縁部11aとからなっている。
【0008】
また周壁枠1cはその底面が同一平面となるように下部プレート6の下端に嵌合しており、壁部11の上端は上部周縁部9aの下面に当接している。そして周縁部9a下面と壁部11の外周面とのコーナー部及び下部周縁部11aと下部プレート6の底面とはFRPの接合シート12,13でそれぞれ貼着嵌合されている。前記下半部1a,上半部1b及び周壁枠1cはいずれも所定の成形型にグラスファイバー等の短繊維を含む合成樹脂材を吹き付け固化させ、所定寸法にカッティングして形成したものである。
【0009】
前記上部周縁部9aには前後各2ケ所(計4ケ所)にリング付の吊り上げボルト14が上向きに突出するように挿通固定して取り付けられ、吊り上げボルト14のリング部には吊り上げロープのフック(図示しない)を係止する吊り環16が設けられている。上部周縁部9aのボルト挿通部底面側には鉄板からなる補強プレート17が接着固定して取り付けられている。
さらに下部周縁部11aの四隅のコーナー部付近の底面側には鉄板製の補強プレート18が接着して取り付けられ、該プレート18の上面には内部に上下方向のねじ孔が貫通しているボス部19が突設されて下部周縁部11aの上面側に貫通突出しており、上記ボス19には下端に皿状の接地部21を付設したボルト22が上下移動可能にねじ込まれ、このボルト22とボス部19とでジャッキ23(高さ調節具)が構成され、ボルト22と一体のナット状(六角形)の係合部24をレンチやスパナ等で回動させて上下動させることにより、枠体1は接地面に対して上下高さを調節できる。
【0010】
カバー3は図のように枠体1に載置した時、上部筒状体7bの開口端に挿入される下向きの短筒状の土入れ口(窓)26を形成しており、図2に示すように筒状体7の内部に袋体4を挿入し、開口部を上部筒状体7bに折り返して係止した状態で枠体1上に載置して使用するものであり、カバー3の上部よりバックフォー等で土を載せ、これをならしながら上記土入れ口26より落下投入することにより、袋体4内に所定量の土入れを行うことが出来る。
この時ジャッキ23により枠体1と接地面との高さH1を調節することによって、枠体1の高さHを調節し、枠体1の容積調節、即ち土等の収容量を大小調節することが可能である。また上部筒状体7bの突出高さH2をある程度長寸に確保しておくことにより、袋体開口部の折り返し幅の大小の自由度が増し、前記枠体高さHの調節幅に対応し易くなる。
【0011】
吊り具3は枠体1の筒状体7の配列ピッチに対応した間隔で4本の鉄パイプ製の係止ビーム27を長手方向に平行に配した吊り枠28と、該吊り枠28の下面側に係止ビーム27と交差方向に左右各1本固着されているプレート状の吊りビーム29とを備えている。各吊りビーム29には吊り上げ用のロープ30(図3)又はフック等を係止する吊り環31が四点配置して設けられ、係止ビーム27には枠体1の筒状体7の長手方向の配列ピッチに対応して、パイプ断面側方に土のう紐33係止用の係止ピン32が溶着して突設されるとともに、パイプ断面上方には上記係止ピン32に係止した土のう紐33をパイプ断面上方で挟持固定するピン状の紐押さえ34が楔状に斜め方向に溶着により付設されている。
【0012】
即ち枠体1とカバー2を用いて土のう詰めを行いカバー2の除去及び枠体1の吊り上げ脱型後に整列状態で残された32個の土のうは、紐33で口締めされ、図3に示すように紐33の終端のループを係止ビーム27の断面上側を経由させて係止ピン32に係止し、ビーム27断面の上側において紐押さえ34とビーム27の上面との楔状の隙間に紐33を挿入挟持せしめて、吊り上げ時までの紐外れを防止している。この時吊りビーム29は袋体4と係止ピン32の間に一定の空間を形成するスペーサーとしても機能する。
上記のようにして各土のうの紐33を吊り具3側に係止した後、吊り環31をロープ30及びクレーンにより吊り上げ、所定位置に積み降ろしする。
【0013】
【発明の効果】
以上のように構成される本発明によれば、独自の機械設備が不要で且つ重労働を伴わないで土のう詰めその他の袋詰め作業が可能であり、土のう製造等がコスト的にも能率的にも有利であるほか、枠体の接地高さを調節することにより、袋体のサイズに応じ又は同一サイズの袋間での土その他の収容物の袋詰量の調節ができ、目的や用途その他の条件に応じた量の袋詰めが可能となるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を備えた袋詰器及び吊り上げ具等のセットを示す全体斜視図である。
【図2】袋詰器とその使用方法を示す部分拡大断面図である。
【図3】袋詰器の土のうの吊り上げ状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 枠体
4 袋体
7 筒状体
23 調節具
Claims (2)
- 上下端が開放され、内部に袋体(4)を挿入し、該袋体(4)を上部開口端において開口状態で係止する多数の筒状体(7)を固定的に連接させて整列配置した枠体(1)と、袋体(4)を係止した状態の各筒状体(7)の上部開口端に挿入される下向きの土入れ口(26)を形成し、枠体(1)の上面に載置されて筒状体(7)間の間隙を塞ぐように覆うカバー(2)とを設け、下端が接地面に接して枠体(1)を支持するとともに枠体底部を接地面に対して昇降調節する調節具(23)を枠体(1)の外周側に取り付けてなる袋詰器における袋詰量調節装置。
- 調節具(23)がジャッキである請求項1の袋詰器における袋詰量調節装置。
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JP07886297A JP3795618B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 袋詰器における袋詰量調節装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP07886297A JP3795618B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 袋詰器における袋詰量調節装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10252035A JPH10252035A (ja) | 1998-09-22 |
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ID=13673648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP07886297A Expired - Lifetime JP3795618B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 袋詰器における袋詰量調節装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (2)
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JP7086384B2 (ja) * | 2018-05-15 | 2022-06-20 | ナカダ産業株式会社 | 土木用袋体の製造方法 |
-
1997
- 1997-03-13 JP JP07886297A patent/JP3795618B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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