JP3795213B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、その他OA機器等に好適に用いられるアクティブマトリクス型の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
a−SiTFTアクティブマトリクス型の液晶表示装置が、薄型、軽量、低消費電力のディスプレイとして普及している。しかし、a−SiTFTは、a−Siの移動度が低く、さらにオフ時のリーク電流が大きいという問題点を有する。このため、画面のサイズの大型化や高精細化に伴い、各画素に十分に電圧を印加できず、クロストークやコントラストのムラ、低下等が生じ、表示品位が劣化するという問題が生ずる。そこで、この問題を解決するために、各画素のスイッチング素子としてメカニカルスイッチを用いた構成の液晶表示装置が、特開昭58−18675号公報、および、特開平9−92909号公報において提案されている。
【0003】
かかる従来のメカニカルスイッチの構成例について、アクティブマトリクス基板の平面図を示す図6、および、図6中のB−B線における断面図を示す図7に基づいて説明する。
【0004】
アクティブマトリクス基板51上には、ゲートライン52より分岐したゲート電極53上に絶縁膜54が形成されている。画素電極55から延長されたドレイン電極56は、絶縁膜54を挟んでゲート電極53上に形成されている。さらに、その上には中空部分を設けてソースライン57から延長されたソース電極58が形成されている。
【0005】
一方、対向基板59上には、共通電極60が形成され、アクティブマトリクス基板51と対向基板59との間には液晶が封入され、液晶層61が形成されている。
【0006】
さらに、各画素の等価回路を図8に示す。同図に示すように、点線円内に示されるメカニカルスイッチ62において、ゲート電極53とドレイン電極56との間の容量Cgd63、および、ソース電極58とドレイン電極56との間の容量Csd64が形成されている。また、液晶容量Clc65が、画素容量Cpixとして構成されている。
【0007】
上記構成のメカニカルスイッチ62は、ゲート電極53とソース電極58との間に電位差を与えると、両電極間には静電引力が働き、しきい値であるオン電圧Vonを越えるとソース電極58はゲート電極53側に引き寄せられ、ドレイン電極56と接触し、スイッチがオン状態になる。
【0008】
再び、電位差をオン電圧Von以下、場合によってはヒステリシスが生じてオン電圧Vonより低い値でソース電極58はドレイン電極56から離れ、スイッチはオフ状態になる。
【0009】
以上のように、スイッチ抵抗のオン/オフは、電極の接触/非接触で決定されるので、オン時の抵抗は十分小さく、オフ時にはリーク電流がない理想的な抵抗スイッチとして動作する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、メカニカルスイッチは静電引力を利用した微小動作スイッチのため、上記の如く、ゲート電極およびソース電極とドレイン電極との間には容量が形成されている。従って、上記従来のスイッチを液晶駆動用に利用した場合、スイッチがオフしている期間にも、ゲート信号やソース信号の変化がドレイン電位へ少なからず影響し、各画素に書き込んだ電圧が変動してしまうという問題が生ずる。
【0011】
その結果、従来のスイッチを用いた液晶表示装置で全面べた画面を表示させると、画面内でムラやざらつきが目立ち、良好な表示品位は得られない。
【0012】
また、いわゆるウインドウパターンを表示させたときにも、ウインドウパターンの上下に帯状のクロストークが発生する。
【0013】
即ち、スイッチのオフ時にドレイン電位がゲート信号やソース信号によって変動すると、クロストーク現象やコントラストのムラ、ざらつき等の表示品位の劣化を招き、抵抗スイッチとしてオン/オフ比の優れたスイッチ性能が得られるものの、新たに電極間容量が表示劣化の原因となり、液晶表示装置の表示品位としては期待された改善効果が得られない。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、クロストーク、コントラストのムラ、ざらつき等を改善し、良好な表示品位を実現する液晶表示装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、一対の基板の間に液晶層を備え、該一対の基板の一方に複数のゲートラインとソースラインとが互いに交差するように配置され、該ゲートラインと該ソースラインとに囲まれた各領域に画素電極が設けられ、各ソースラインからメカニカルスイッチを介して対応する画素電極に信号を供給し、各画素に電圧印加する液晶表示装置において、前記メカニカルスイッチを形成するソース電極とドレイン電極との間の容量値Csdとし、ΔVB/Wを白表示と黒表示が得られる液晶層印加電圧差とし、Cpixを画素容量値とし、ソース信号の変化ΔVsに伴うドレイン電位の変動量ΔVd2をΔVd2=ΔVs×Csd/(Cpix+Csd)とし、ΔV MIN を表示画面上で輝度差が認識される液晶層印加電圧差としたときに、ΔV B/W は、印加電圧の変化に応じて輝度が変化することによって白表示と黒表示が得られる印加電圧の範囲であり、ΔV MIN は、2つの領域の輝度の平均値を平均輝度として|輝度差/平均輝度|で与えられる、輝度の異なる2つの領域の輝度の相対的な比率差を表す輝度比率差が5%より小さくなるように、印加電圧Vと輝度との関係を用いて得たV毎の微小電圧変化量ΔVの最小値であり、ΔMINに対してΔVd2<ΔVMINとなるように、Csd<(ΔVMIN/ΔVB/W)×Cpixを満たすようにCsd、ΔV MIN およびΔV B/W に応じてCpixを設定したことを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、メカニカルスイッチのオフ時に、ソース信号の変化が引き起こすドレイン電位の変動が表示品位に殆ど影響を与えず、クロストークを防止できる。
【0017】
既に述べたように、従来のスイッチを用いた液晶表示装置でいわゆるウインドウパターンを表示させると、ウインドウパターンの上下に帯状のクロストークが発生する。この現象を解析した結果、ソース電極とドレイン電極との間に形成される容量が原因であることがわかった。かかる従来のクロストークの発生メカニズムについて、以下、図9を参照して説明する。
【0018】
書き込み開始時T1には、ゲート信号のパルスが入力され、ゲート信号とソース信号との電位差がスイッチのしきい値Vonを越え、スイッチがオンする。これにより、ドレイン電極はソース電極に導通し、ドレイン電位にはソース信号が書き込まれる。
【0019】
書き込み終了時T2には、ゲート信号のパルスが立ち下がり、ゲート信号とソース信号との電位差がスイッチのオフ電圧Voff以下になると、スイッチがオフする。
【0020】
ソース電極とドレイン電極との間に容量が形成されている結果、スイッチのオフ時におけるソース信号の変化に伴い、ドレイン電位が変動する。このときのドレイン電位の変動量ΔVd2は次式に従う。
【0021】
ΔVd2=ΔVs×Csd/(Cpix+Csd)
ΔVs:ソース信号の変化量
Csd:ソース電極とドレイン電極間容量
Cpix:画素容量
従って、ウインドウパターンを表示させると、書き込み後のソース信号の変化が面内で異なり、クロストーク現象が生じてしまう。
【0022】
一方、本発明の構成では、上記のように、ソース電極とドレイン電極との間の容量値Csdが、Csd<(ΔVMIN/ΔVB/W)×Cpixの関係を満たすように設定されているので、ソース信号の変化に伴うドレイン電位の変動を抑制し、ソース電極とドレイン電極との間の容量に起因するクロストークを防止できる。従って、表示品位に優れ、画面サイズの大型化や高精細化にも適したアクティブマトリクス型液晶表示装置を提供できる。 また、前記液晶層印加電圧差ΔV MIN における輝度比率差が5%より小さいので、ドレイン電位が変動しても輝度比率差が5%より小さくなるように液晶層印加電圧差ΔV MIN の値が設定されており、表示画面上で輝度差はほとんど認識されなくなる。
【0023】
本発明に係る液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上記構成において、前記メカニカルスイッチを形成するゲート電極とドレイン電極との間の容量値Cgdが、ΔVgをゲート信号パルスの振幅値電圧とすると、Cgd<(ΔVMIN/ΔVg)×Cpixの関係を満たすことが好ましい
【0024】
上記の構成によれば、メカニカルスイッチのオフ時に、ゲート信号の変化が引き起こすドレイン電位の変動が表示品位に殆ど影響を与えず、ムラやざらつきを防止できる。
【0025】
既に述べたように、従来のスイッチを用いた液晶表示装置で全面べた画面を表示させると、画面内でムラやざらつきが目立ち、良好な表示品位が得られない。この現象を解析した結果、ゲート電極とドレイン電極との間に形成される容量が原因であることがわかった。かかる従来のムラやざらつきの発生メカニズムについて、以下、図9を参照して説明する。
【0026】
ここで、ゲート電極とドレイン電極との間には容量が形成されているので、スイッチがオフした時のゲート信号の変化に伴い、図9に示すように、ドレイン電位が変動する。このときのドレイン電位の変動量ΔVd1は次式に従う。
【0027】
ΔVd1=ΔVg×Cgd/(Cpix+Cgd)
ΔVg:ゲート信号の変化量
Cgd:ゲート電極とドレイン電極間容量
Cpix:画素容量
すべてのスイッチのVoffが等しければ、コントラストムラを生じることはないが、実際のスイッチではVoff電圧のばらつきを防止することは非常に困難である。その結果、上記ドレイン電位の変動量ΔVd1が面内で異なり、ムラ、ざらつき等を発生させることになる。
【0028】
一方、本発明の構成では、上記のように、ゲート電極とドレイン電極との間の容量値Cgdが、Cgd<(ΔVMIN/ΔVg)×Cpixの関係を満たすように設定されているので、ゲート信号の変化に伴うドレイン電位の変動を抑制し、ゲート電極とドレイン電極との間の容量に起因するムラやざらつきを防止できる。従って、表示品位に優れ、画面サイズの大型化や高精細化にも適したアクティブマトリクス型液晶表示装置を提供できる。 本発明に係る液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、前記画素容量が、前記画素電極と該画素電極に対向した共通電極との間の液晶容量、および、該画素電極と該画素電極と同一基板上に配置された付加容量線との間の付加容量を並列して構成されていることが好ましい
【0029】
上記の構成によれば、画素容量を液晶容量以上の任意の値に設定することができ、ドレイン電位の変動を容易に抑制できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の一形態について図1〜図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0031】
図3は、本発明の実施の一形態の液晶表示装置の一方の基板であるアクティブマトリクス基板1の概略的構成を示す平面図である。また、図4は、図3中のA−A線における断面図であり、対向基板11および液晶層13も示される。即ち、本液晶表示装置は、一対の絶縁性基板であるアクティブマトリクス基板1および対向基板11の間に液晶が封入され、液晶層13が形成されたパネルを有している。
【0032】
アクティブマトリクス基板1上には、複数のゲートライン2とソースライン7とが互いに交差するように配置されている。また、ゲートライン2とソースライン7とに囲まれた各領域には画素電極5が形成され、複数の画素電極5が基板全体にマトリクス状に設けられた構成になっている。
【0033】
各画素電極5には、対応するソースライン7からメカニカルスイッチ14(図5参照)を介して、表示に応じた信号が供給される。一方、対向基板11上に設けた共通電極12には、適切な電位が付与される。これにより、各画素に適切な電圧を印加して各画素の液晶層13の液晶分子の配向を制御し、透過光等の入射光を光変調することにより、表示が行われる。
【0034】
本液晶表示装置が備えるアクティブマトリクス基板1の構成について、さらに詳しく説明する。アクティブマトリクス基板1上には、ゲートライン2より分岐したゲート電極3上に絶縁膜4が設けられている。また、画素電極5から延長されたドレイン電極6は、ゲート電極3よりおよそ5μm離れて形成されており、つまり、ゲート電極3とドレイン電極6との間の距離αは、約5μmとなっている。
【0035】
さらに、ソースライン7から延長されたソース電極8は、ゲート電極3の上からドレイン電極6の上にわたって中空層を介して形成されている。ソース電極8とドレイン電極6との重なりβは、5μmに設定されている。また、ソース電極8の幅γは、5μmに設定されている。
【0036】
絶縁膜4は、厚さ0.3μmのAlからなり、画素電極5の面積は、約40000μmである。
【0037】
また、アクティブマトリクス基板1上には、複数の付加容量線9が配設されている。付加容量線9は、ゲートライン2と平行して形成されており、付加容量線9と画素電極5との重なり部で付加容量10を形成している。
【0038】
一方、対向基板11上には、基板全体に共通電極12が形成され、両基板1・11の間には、液晶層13が設けられている。液晶層13の厚さは、およそ5μmである。
【0039】
さらに、各画素の等価回路を図5に示す。同図に示すように、点線円内に示されるメカニカルスイッチ14において、ソース電極8とドレイン電極6との間に容量Csd15が形成されている。また、液晶容量Clc16と付加容量Ccs17とを並列にして画素容量Cpix18が構成されている。
【0040】
次に、本実施形態の液晶表示装置を作製するに当たり、白表示と黒表示が得られる液晶層印加電圧差ΔVB/Wと表示画面上で輝度差が認識される液晶層印加電圧差ΔVMINとを求める手順について説明する。
【0041】
本実施形態の液晶表示装置は、透過型TNモードを採用している。図1は、液晶層13に印加される電圧、つまり、画素電極5と共通電極12との間に印加される印加電圧Vと透過率Tとの関係を示すグラフである。印加電圧Vは、画素電極5と共通電極12との間に直接電圧を印加して測定したもので、実際に液晶層13へ印加されている電圧を表している。
【0042】
図1のグラフに示す特性から、透過率Tが変化する印加電圧Vは、2〜5Vであることが確認される。つまり、白表示と黒表示が得られる液晶層印加電圧差ΔVB/Wは3Vであることがわかる。
【0043】
次に、画面内で輝度の異なる領域を表示させて、その境界を目視で観察した。そして、その輝度の違いが認識できる輝度の差を調べた。その結果を表1に示す。表1に示すように、輝度比率差が2%を越えると輝度差がわずかに認識されはじめ、5%以上では確実に認識されることがわかった。
【0044】
【表1】
Figure 0003795213
【0045】
ここで、輝度比率差とは、輝度の異なる2つの領域の輝度の相対的な比率差であり、輝度比率差=|輝度差/平均輝度|である。平均輝度とは、2つの領域の輝度の平均値である。
【0046】
透過型の液晶表示装置では、輝度は透過率に相当する。
【0047】
次に、図1のデータから、各印加電圧V毎の、透過率T及び傾きで示される微小透過率差ΔT/微小電圧変化量ΔVから(ΔT/T)/ΔVを算出した。
【0048】
さらに、輝度比率差に対応するΔT/Tを5%としてΔVを逆算し、各印加電圧Vに対する輝度比率差が5%となる微小電圧変化量ΔVの値を求めた。その結果を図2に示す。
【0049】
このように、印加電圧Vとともに微小電圧変化量ΔVは変化し、これらの最小値を表示画面上で輝度差が認識される液晶層印加電圧差ΔVMINとした。微小電圧変化量ΔVの最小値をΔVMINとしたのは、表示上の影響を効果的に防止するためであり、本実施形態では、ΔVMIN=0.025Vである。
【0050】
以上のようにして、白表示と黒表示が得られる液晶層印加電圧差ΔVB/Wと、表示画面上で輝度差が認識される液晶層印加電圧差ΔVMINとを求めることができる。
【0051】
また、ゲート信号パルスの振幅値電圧ΔVgは、メカニカルスイッチの特性に応じて設定できる。本実施形態のメカニカルスイッチ14のオン電圧Vonは15Vであったので、ゲート信号はソース信号と同一の極性で、ゲート信号パルスの振幅値電圧ΔVgは20Vに設定している。ソース信号は映像信号に応じて2〜5Vの振幅でフィールド毎に極性反転させて交流駆動している。
【0052】
従って、上記の各値は、液晶層への印加電圧と透過率との関係およびメカニカルスイッチの特性から決定される液晶表示装置固有の値である。
【0053】
さらに、前述の過程で求められた白表示と黒表示が得られる液晶層印加電圧差ΔVB/W、表示画面上で輝度差が認識される液晶層印加電圧差ΔVMIN、およびゲート信号パルスの振幅値電圧ΔVgから、ゲート電極3とドレイン電極6との間の容量Cgd、ソース電極8とドレイン電極6との間の容量Csd、および画素容量Cpixを設計した。ここで、画素容量Cpixは、液晶容量Clcに付加容量Ccsを加えた値である。
【0054】
以下では、各容量値の設定について説明する。
【0055】
まず、容量Cgdについては、Cgd<(ΔVMIN/ΔVg)×Cpixの関係を満たすように設計した。本実施形態では、ゲート電極3とドレイン電極6との間には5μmの隙間を設けて両電極3・6の重なりをなくしているので、ゲート電極3とドレイン電極6との間の容量Cgdは無視できる程の値に設定されており、容量Cgdの値は、Cgd<(ΔVMIN/ΔVg)×Cpixの関係を満足するものになっている。
【0056】
ここで、容量Cgdの値について、Cgd<(ΔVMIN/ΔVg)×Cpixの関係を満たすように設計した理由は、以下の通りである。
【0057】
既に図9を参照して説明したように、ゲート信号の変化に伴うドレイン電位の変動量ΔVd1は次式に従う。
【0058】
ΔVd1=ΔVg×Cgd/(Cpix+Cgd)
これより、Cgd=(ΔVd1/ΔVg)×(Cpix+Cgd)となる。
【0059】
一方、上述のように、表示画面上で輝度差が認識される微小電圧変化量ΔVの最小値を液晶層印加電圧差ΔVMINとしたことから、容量Cgdの値について、Cgd<(ΔVMIN/ΔVg)×Cpixの関係を満たすように設計すれば、ドレイン電位の変動量ΔVd1はΔVd1<ΔVMINとなり、表示に与える影響を殆どなくすことができる。
【0060】
次に、容量Csdについては、Csd<(ΔVMIN/ΔVB/W)×Cpixの関係を満たすように設計した。その理由は、以下の通りである。
【0061】
既に図9を参照して説明したように、ソース信号の変化に伴うドレイン電位の変動量ΔVd2は次式に従う。
【0062】
ΔVd2=ΔVs×Csd/(Cpix+Csd)
これより、Csd=(ΔVd2/ΔVs)×(Cpix+Csd)となる。
【0063】
一方、上述のように、表示画面上で輝度差が認識される微小電圧変化量ΔVの最小値を液晶層印加電圧差ΔVMINとしたことから、容量Csdの値について、Csd<(ΔVMIN/ΔVs)×Cpixの関係を満たすように設計すれば、ドレイン電位の変動量ΔVd2はΔVd2<ΔVMINとなる。また、上述のように実際の駆動上のΔVsは、白表示と黒表示が得られる液晶層印加電圧差ΔVB/Wで求められるので、Csd<(ΔVMIN/ΔVB/W)×Cpixの関係を満たすように設計すれば、表示に与える影響を殆どなくすことができる。
【0064】
本実施形態では、ソース電極8とドレイン電極6との重なりは、その面積を極力小さくする設計をしており、ソース電極8とドレイン電極6との間の容量Csdは、
Csd=ε×8(ε:LC)×25μm(面積)÷ 0.3μm(厚さ)
=0.0059pF
に設定されている。
【0065】
一方、液晶容量Clcは、
Clc=ε×8(ε:LC)×40000μm(面積)÷5μm(厚さ)
=0.566pF
に設定されている。また、上述のように、ΔVMIN=0.025V、ΔVB/W=3Vである。これらの値を次式に入力すると、
Csd<(ΔVMIN/ΔVB/W)×Cpix
0.0059pF<(0.025V/3V)×Cpix
従って、Csd<(ΔVMIN/ΔVB/W)×Cpixの関係を満たすためには、Cpix>0.708pFとする必要がある。そこで、本実施形態では、付加容量Ccsの値を、Ccs+Clc=Cpix>0.708pFから、Ccs>0.142pFとなるように設定した。
【0066】
付加容量10(図3参照)は、誘電体層としてゲート電極3上の絶縁膜4と同様の膜を利用しており、その面積を500μmに設定している。このように、付加容量10のサイズは液晶容量に応じて設定される。
【0067】
本実施形態では、ソース信号がフィールド毎に極性反転する図9に示されるような駆動方法が採用されるが、本発明は、1ライン書き込み毎に極性反転する等の他のあらゆる駆動方法に適用できる。
【0068】
次に、本実施形態の液晶表示装置の作製方法について説明する。まず、アクティブマトリクス基板1については、ガラス基板上にAlを成膜後パターニングして、ゲートライン2およびゲート電極3を形成する。その後、陽極酸化してAlの絶縁膜4を形成する。次いで、ITOを成膜後パターニングして、画素電極5およびドレイン電極6を形成する。
【0069】
さらに、犠牲層(図示せず)を成膜し、中空層に相当する部分をパターニングして残す。次に、AlおよびSiOを積層し、ソースライン7およびソース電極8をパターニング形成する。その後、等方性のプラズマエッチングで犠牲層をエッチングして中空層を形成し、アクティブマトリクス基板1を作製した。
【0070】
対向基板11については、絶縁性基板であるガラス基板上に、画素電極5に対応する開口部を設けた遮光膜(図示せず)およびカラーフィルタ(図示せず)を形成し、その上全面に共通電極12を形成した。
【0071】
これら両基板1・11に配向膜(図示せず)を形成した後、両基板1・11を貼り合わせ、その間に液晶を注入封止して液晶表示装置を作製した。
【0072】
なお、ゲートライン2やソースライン7等の配線・電極の材料は、Ti、Mo、Ta、W、Cu等も適用可能であり、また、絶縁膜4の材料等、構造、作製方法についても本実施形態のものに限られない。
【0073】
本実施形態の液晶表示装置を駆動させて表示品位を確認した結果、ムラやざらつき、クロストークの発生はなく、優れた表示品位が得られることが確認できた。
【0074】
尚、本発明の液晶表示装置は、上述した本実施形態の液晶表示装置の構成に限定されるものではなく、例えば、本実施形態では、メカニカルスイッチ14の構成において中空層に液晶が存在する構成になっているが、メカニカルスイッチ14上にカバーフードを設ける等の他の構成を採用してもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明の液晶表示装置は、以上のように、メカニカルスイッチを形成するソース電極とドレイン電極との間の容量値をCsdとし、ΔVB/Wを白表示と黒表示が得られる液晶層印加電圧差とし、Cpixを画素容量値とし、ソース信号の変化ΔVsに伴うドレイン電位の変動量ΔVd2をΔVd2=ΔVs×Csd/(Cpix+Csd)とし、ΔV MIN を表示画面上で輝度差が認識される液晶層印加電圧差としたときに、ΔV B/W は、印加電圧の変化に応じて輝度が変化することによって白表示と黒表示が得られる印加電圧の範囲であり、ΔV MIN は、2つの領域の輝度の平均値を平均輝度として|輝度差/平均輝度|で与えられる、輝度の異なる2つの領域の輝度の相対的な比率差を表す輝度比率差が5%より小さくなるように、印加電圧Vと輝度との関係を用いて得たV毎の微小電圧変化量ΔVの最小値であり、ΔMINに対してΔVd2<ΔVMINとなるように、Csd<(ΔVMIN/ΔVB/W)×Cpixを満たすようにCsd、ΔV MIN およびΔV B/W に応じてCpixを設定した構成である。
【0076】
これにより、各画素のスイッチング素子としてメカニカルスイッチを用いているので、スイッチのオン/オフを導電体の接触/非接触で行い、オン抵抗は十分低く、オフ抵抗も十分高い。さらに、ソース電極とドレイン電極との間の容量を介して、ソース信号の変化が引き起こすドレイン電位の変動量を制限し、表示特性へ影響することを防止するので、クロストーク等の発生が抑えられる。
【0077】
それゆえ、表示品位に優れ、画面サイズの大型化や高精細化にも適した液晶表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0078】
また、液晶層印加電圧差ΔV MIN における輝度比率差が5%より小さい構成であるので
、ドレイン電位が変動しても、表示画面上で輝度差はほとんど認識されなくなるという効果を奏する。
【0079】
本発明の液晶表示装置は、以上のように、上記構成において、前記メカニカルスイッチを形成するゲート電極とドレイン電極との間の容量値Cgdが、ΔVgをゲート信号パルスの振幅値電圧とすると、Cgd<(ΔVMIN/ΔVg)×Cpixの関係を満たす構成である。
【0080】
これにより、各画素のスイッチング素子としてメカニカルスイッチを用いているので、スイッチのオン/オフを導電体の接触/非接触で行い、オン抵抗は十分低く、オフ抵抗も十分高い。さらに、ゲート電極とドレイン電極との間の容量を介して、ゲート信号の変化が引き起こすドレイン電位の変動量を制限し、表示特性へ影響することを防止するので、ムラ、ざらつき等の発生が抑えられる。
【0081】
それゆえ、表示品位に優れ、画面サイズの大型化や高精細化にも適した液晶表示装置を提供できるという効果を奏する。
【0082】
本発明の液晶表示素子は、以上のように、前記画素電極と該画素電極に対向した共通電極との間の液晶容量、および、該画素電極と該画素電極と同一基板上に配置された付加容量線との間の付加容量を並列して構成されている。
【0083】
それゆえ、画素容量を液晶容量以上の任意の値に設定することができ、ドレイン電位の変動を容易に抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態に係る液晶表示装置の印加電圧と透過率との関係を示すグラフである。
【図2】 上記液晶表示装置の透過率比率差が5%となる微小電圧変化量と印加電圧との関係を示すグラフである。
【図3】 上記液晶表示装置の一方の基板であるアクティブマトリクス基板を示す平面図である。
【図4】 図3中のA−A線における断面図である。
【図5】 上記液晶表示装置における各画素の等価回路図である。
【図6】 従来の液晶表示装置に設けられたアクティブマトリクス基板を示す平面図である。
【図7】 図6中のB−B線における断面図である。
【図8】 従来の液晶表示装置における各画素の等価回路図である。
【図9】 駆動波形を示すタイミングチャートであり、ゲート信号やソース信号の変化がドレイン電位を変化させることを説明する図である。
【符号の説明】
1・11 基板(一対の基板)
2 ゲートライン
3 ゲート電極
4 絶縁膜
5 画素電極
6 ドレイン電極
7 ソースライン
8 ソース電極
9 付加容量線
10 付加容量
12 共通電極
13 液晶層
14 メカニカルスイッチ

Claims (3)

  1. 一対の基板の間に液晶層を備え、該一対の基板の一方に複数のゲートラインとソースラインとが互いに交差するように配置され、該ゲートラインと該ソースラインとに囲まれた各領域に画素電極が設けられ、各ソースラインからメカニカルスイッチを介して対応する画素電極に信号を供給し、各画素に電圧印加する液晶表示装置において、
    前記メカニカルスイッチを形成するソース電極とドレイン電極との間の容量値Csdとし、ΔVB/Wを白表示と黒表示が得られる液晶層印加電圧差とし、Cpixを画素容量値とし、ソース信号の変化ΔVsに伴うドレイン電位の変動量ΔVd2をΔVd2=ΔVs×Csd/(Cpix+Csd)とし、ΔV MIN を表示画面上で輝度差が認識される液晶層印加電圧差としたときに、
    ΔV B/W は、印加電圧の変化に応じて輝度が変化することによって白表示と黒表示が得られる印加電圧の範囲であり、
    ΔV MIN は、2つの領域の輝度の平均値を平均輝度として|輝度差/平均輝度|で与えられる、輝度の異なる2つの領域の輝度の相対的な比率差を表す輝度比率差が5%より小さくなるように、印加電圧Vと輝度との関係を用いて得たV毎の微小電圧変化量ΔVの最小値であり、
    ΔMINに対してΔVd2<ΔVMINとなるように、Csd<(ΔVMIN/ΔVB/W)×Cpixを満たすようにCsd、ΔV MIN およびΔV B/W に応じてCpixを設定したことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記メカニカルスイッチを形成するゲート電極とドレイン電極との間の容量値Cgdが、ΔVgをゲート信号パルスの振幅値電圧とすると、Cgd<(ΔVMIN/ΔVg)×Cpixの関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記画素容量が、前記画素電極と該画素電極に対向した共通電極との間の液晶容量、および、該画素電極と該画素電極と同一基板上に配置された付加容量線との間の付加容量を並列して構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
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