JP3795187B2 - 壁面埋め込み式テレビカメラ用雲台 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視用テレビカメラ等において使用され、天井面や壁面等の内側に配置したテレビカメラを遠隔操作等により自動的に動かす壁面埋め込み式テレビカメラの雲台の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、監視用等にテレビカメラが用いられており、この監視用カメラ等は、例えば店舗内、各種の室内、通路等において、コーナー部等の壁面上方に取り付けられる。そして、この種のカメラでは、これを支持する雲台により例えば左右方向、上下方向に回動駆動され、これによって所定領域の映像が捉えられることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のテレビカメラ及び雲台は、建物内に配置される場合では、上述のように壁面に取り付けられており、監視用カメラの存在が確認できる状態となっている。しかしながら、設置目的、建物内部の状況によってはカメラが来訪者等から確認できない方が、その監視の効果を上げることができる場合がある。
【0004】
また、壁面等に取り付けられるカメラや雲台は、室内等の美観を損ねることになり、来訪者等から見えない場所に設置されていた方がよい場合も多い。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、天井面、壁面等の内部においてカメラを自動的に駆動し、監視の効果を上げることができ、かつ美観を損ねることのない壁面埋め込み式テレビカメラ用雲台を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る壁面埋め込み式テレビカメラ用雲台は、テレビカメラを移動させる弧状のガイド路が形成され、この弧状ガイド路の内側へレンズ部を向けてこのテレビカメラを配置したガイド体と、このガイド体の弧状ガイド路に沿って上記テレビカメラを弧上に回動させる移動機構と、を含み、上記のカメラを建物構成面、例えば天井面、壁面、床面等の内部に配置して自動的に駆動するようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、上記ガイド体の弧上の一点の法線(接線に垂直な線)を回転軸として当該ガイド体を回転させる回転機構を設けた内部に配置して自動的に駆動するようにしたことを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、例えばカメラが移動機構部材に取り付けられ、この移動機構部材がガイド体のガイド路を移動することにより、例えば撮影光軸上の一点を中心としてカメラを円弧状に動かすことができる。即ち、撮影レンズの先端側を動かさずに、カメラの後側を扇状に振るように動かすことになり、これによれば、天井面、壁面等において確保する撮影光路の領域を小さくすることができる。
【0008】
上記請求項2の構成によれば、例えば半円弧のガイド体をアーチ(凸)状に垂直に配置し、かつ水平面内で回転する回転板を設け、この回転板の回転軸を上記弧状体の半円弧の中心点(頂点)の法線に一致させて当該回転板を回転させる。これによれば、上記移動機構によりカメラの後側を振る形でレンズ部が左右方向へ回動し、また垂直位置から斜めに配置したカメラを上記回転板で回転させると、上記レンズ部(撮影光軸)が円錐状に回転する。
【0009】
また、上記の半円弧のガイド体の端部側を支持して垂直に配置し、この円弧上の支持点の法線を回転軸として回転させることもできる。これによれば、上記移動機構によりカメラレンズ部(撮影光軸)が上下方向へ回動し、回転機構によりレンズ部が左右方向へ回動することになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4には、実施形態に係る壁面埋め込み式テレビカメラ用雲台の第1例の構成が示されており、この第1例は当該雲台を天井面の内側に配置したものである。図1は、天井の内側を側面から見た図、図2は天井を見上げた状態の図であり、図示されるように、例えば室内や廊下等の天井10に円形の窓部材11が取り付けられ、この窓部材11として、内部から外側を視認できるが外側から内部は視認し難くしたガラス板、或いは外側からは内部が透視できないマジックミラー等が設けられる。
【0011】
この天井10の内側に、輪状のロータリープレート12が天井10に平行な水平面で回転自在となるように取り付けられ、このロータリープレート12には、外歯12Aが形成されており、この外歯12Aに噛み合うように、ピニオンギヤ14及び第1モータ15が設けられる。従って、この第1モータ15の正逆の回転により、ロータリープレート12は時計方向及び反時計方向に回転する。
【0012】
上記の水平に配置されたロータリープレート12には、半円弧の弧状体(ガイド体)17がアーチ状に垂直に配置されており、この弧状体17には、移動機構を介してテレビカメラ18が設けられ、このカメラ18のレンズ部19が上記ロータリープレート12の中心部へ向けて配置される。従って、上記の弧状体17は図2に示されるように、ロータリープレート12の中心線から少しずらした位置に配置される。そして、上記の移動機構として、上記弧状体17に、弧形の溝からなるガイド路(レール)20と、外周の外歯17Aが形成される。
【0013】
図3には、上記移動機構のカメラ18側の部材の構成が示され、図4には、この移動機構部材の弧状体17への結合状態が示されている。図示されるように、カメラ18には、2枚の支持板22,23が一体に設けられ、この支持板22,23の間に、3個のローラ(ベアリングローラ)24,25,26が配置される。即ち、これらのローラ24〜26は、弧状体17のガイド路20内を回転して移動するように配置され、ローラ24,26については、ガイド路20の上方壁に接触するようにバネ27で引っ張り、ローラ25についてはガイド路20の下方壁に接触するようにバネ27で引っ張るように取り付けられる。
【0014】
また、第2モータ28の軸に接続されたピニオンギヤ29が上記弧状体17の外歯17Aに噛み合う状態で、支持板23に取り付けられる。従って、これらの支持板22,23と一体となるカメラ18は、上記第2モータ28の正逆の回転により、上記弧状体17のガイド路20を弧状に移動し、そのレンズ部19の光軸Q上の一点(P)を中心に回動することになる。そして、上記の第1モータ15と第2モータ28の駆動制御を行うための遠隔操作部が別の場所に配置されており、この遠隔操作により第1モータ15及び第2モータ28の回転量が制御される。なお、図示していないが、このモータ駆動では、ポテンショメータ等を使用して正確な位置制御を行う等、従来の雲台で採用されている機能、機構が取り入れられる。
【0015】
第1例は以上の構成からなり、その作用を図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、室内31を側面側から見た図であり、上述したように、第2モータ28を動作させると、ピニオンギヤ29が弧状体17の外歯17Aに噛み合って回転し、かつローラ24〜26が弧状体17のガイド路20を案内され、カメラ18は光軸Q上の一点P1 を中心として弧状に回動することになる。これによれば、図示のように、天井10から見下ろすカメラ18のレンズ部19を室内31の左右端へ移動させることができ、その移動領域の撮影を行うことが可能となる。
【0016】
また、上記レンズ部(光軸)19を垂直方向から斜めに傾けた状態で、第1モータ15を動作させると、ロータリープレート12が回転し、図6に示されるように、光軸Qが円錐の外形を描くように、カメラ18(及びレンズ部19)が回動することになる。これによれば、レンズ部19の傾き、即ち光軸Qの傾きに対応した大きさの円の軌跡Rに沿って室内全体を撮影することが可能となる。
【0017】
図7及び図8には、第2例の構成が示されており、この第2例はテレビカメラ用雲台を側面壁の内側へ配置したものである。図7は、上側から見た図で、図8は側面から見た図であり、壁や廊下等の側面壁33に、上記と同様の窓部材11が取り付けられる。この窓部材11の内側に、半円弧の弧状体35が文字C状に垂直に配置され、この弧状体35はその両端部が支持軸36に取り付けられており、この支持軸36を中心に回転自在とされる。
【0018】
また、上記支持軸36に第1モータ37が接続されており、この第1モータ37によって、上記弧状体35は図7に示されるように支持軸36を中心に回動することになる。そして、この弧状体35には、第1例と同様に、弧状の溝からなるガイド路20と外周の外歯35Aが形成され、このガイド路20にローラ24〜26が配置され、上記外歯35Aに第2モータ28のピニオンギヤ29が噛み合わされる。
【0019】
このような第2例の構成によれば、上記カメラ28は図9及び図10に示されるような動きをする。即ち、図9は室内を側面から見た図であり、第2モータ28を駆動し、移動機構によりカメラ18を弧状体17のガイド路20に沿って移動させると、カメラ18及びレンズ部19は光軸Q上の一点P2 を中心として弧状に回動する。これによれば、図9に示されるように、室内39においてカメラ18のレンズ部19を上下方向に移動させて撮影を行うことが可能となる。
【0020】
また、第1モータ37を駆動させることにより、弧状体35自体が回転し、図10に示されるように、カメラ18及びレンズ部19を左右方向に移動させて撮影を行うことができる。従って、第2例では、カメラ18を上下左右に回動させて、室内等の全域の映像を得ることが可能となる。
【0021】
上記実施形態例において、弧状体17,35でカメラ18を回動させる移動機構やこの弧状体17,35を回転させる回転機構としては、上記したもの以外の構成を採用することができる。また、上記第1例の構成を壁面に適用し、上記第2例の構成を天井面に適用することも可能である。
【0022】
更に、上記の弧状体(ガイド体)17,35のガイド路20の形状は、図のような真円ではなく、楕円等の弧形状でもよく、従ってこの場合のカメラ18の回動の中心は、光軸上の一点とはならないことになる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、弧状ガイド路を形成し、この弧状ガイド路の内側へレンズ部を向けてこのカメラを配置したガイド体と、上記弧状ガイド路に沿ってカメラを弧上に回動させる移動機構と設けたので、天井面、壁面等の内側に配置したカメラを、自動的に移動させながら所定の領域を撮影できる。そして、監視用カメラの存在が来訪者から確認し難くなり、室内等の美観を損ねることもないという利点がある。
【0024】
請求項2の発明によれば、上記ガイド体の弧上の一点の法線を回転軸として当該ガイド体を回転させる回転機構を設けたので、カメラを二方向に動かすことができ、撮影領域を広げて監視等を良好に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の第1例に係り、天井内部に配置された壁面埋め込み式テレビカメラ用雲台の構成を示す側面図である。
【図2】第1例のテレビカメラ用雲台を下側から見た状態で示す図である。
【図3】図1及び図2のカメラの移動機構を示す側面図である。
【図4】図3の移動機構をモータ配置側から見た図である。
【図5】第1例のテレビカメラ用雲台の移動機構によるカメラの動きを示す図である。
【図6】第1例のテレビカメラ用雲台の回転機構によるカメラの動きを示す図である。
【図7】実施形態の第2例に係り、壁面内部に配置されたテレビカメラ用雲台の構成を示す上面図である。
【図8】図7のテレビカメラ用雲台を側面から見た図である。
【図9】第2例のテレビカメラ用雲台の移動機構によるカメラの動きを示す図である。
【図10】第2例のテレビカメラ用雲台の回転機構によるカメラの動きを示す図である。
【符号の説明】
10 … 天井、 11 … 窓部材、
12 … ロータリープレート、
15,37 … 第1モータ、
17,35 … 弧状体(ガイド体)、
18 … カメラ、 19 … レンズ部、
20 … ガイド路、
24,25,26 … ローラ、
28 … 第2モータ、
33 … 壁面、 34 … 窓部材、
36 … 支持軸。

Claims (2)

  1. テレビカメラを移動させる弧状のガイド路が形成され、この弧状ガイド路の内側へレンズ部を向けてこのテレビカメラを配置したガイド体と、
    このガイド体の弧状ガイド路に沿って上記テレビカメラを弧上に回動させる移動機構と、を含み、
    上記のカメラを建物構成面の内部に配置して自動的に駆動するようにした壁面埋め込み式テレビカメラ用雲台。
  2. 上記ガイド体の弧上の一点の法線を回転軸として当該ガイド体を回転させる回転機構を設けたことを特徴とする上記請求項1記載の壁面埋め込み式テレビカメラ用雲台。
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