JP3795117B2 - 光スイッチ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屈折率整合液を満たした容器内において、光ファイバを接続切換する光スイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光スイッチにあっては、近年、対応すべき心線数の増大に伴って、より多数の端子間の接続切替を効率良く行うことができる自動光スイッチの開発が求められている。
【0003】
一般に、光スイッチは端子切換ばかりでなく、現用予備切換、伝送路網制御、光交換器等多くの用途に用いられる。このため、従来、多くの光スイッチが試験研究されてきた。それらは、光ファイバやプリズム等の光学素子を機械的に駆動して光路の切換を行う機械式光スイッチ形式、電気光学効果、磁気光学効果や音響光学効果を利用した非機械式光スイッチ形式等である。
機械式光スイッチの内、光ファイバを機械的に駆動する光スイッチは、接続損失が少なく、漏話損失も小さく、消光比が大きくとれる等の特徴があり、この光スイッチで問題となる切換応答時間が遅い点を改良することにより、優れた光スイッチを構成することが可能と考えられた。
【0004】
このため、次のような方式の光スイッチの試作改良を進めた。すなわち、多数の光ファイバ間の接続替えを任意に行うため、多数の端子をなす固定側光ファイバの一つを識別し、移動側光ファイバと接続する1×Nスイッチとする。接続の方法には種々が考えられたが、接続を短時間で完了できるように、簡易に精度良く接続可能なV溝上の突き合わせ接続を採用することとした。
【0005】
具体的には、多数の光ファイバを位置決め溝としてのV溝上に並行配列して固定させ、これらの固定側光ファイバより僅かに高い位置に接続用の移動側光ファイバを待機させ、この移動側光ファイバを接続対象の光ファイバの端面上に移動させ、移動側光ファイバの接続端部をV溝上に押し下げて接続する接続法とし、接続部に常に屈折率整合剤を介在させるため、装置全体を密閉して屈折率整合剤であるシリコンオイル中に浸潜しておくこととした。
【0006】
図5は、上の具体案に従って、試作された接続装置を持つ光スイッチの概略図である。図4において、符号10は光スイッチ装置である。本光スイッチ装置10は、屈折率整合剤であるシリコンオイル13を満たした容器12内に収納されている。接続対象である複数の固定側光ファイバ15は、外部から容器12内に導入され、シリコンオイル13液中に浸潜された位置決め用のV溝を有する支持台14上に位置決めされて並行配列し固定されている。一方、移動側光ファイバ16は移動台20上に載置され、前記固定側光ファイバの端面の直上に、その先端面が待機されるように保持されている。
【0007】
移動台20は、レール21上に設置され、移動台10はネジ穴27aを有し、このネジ穴に回転自在に移動手段であるボールネジ27が挿通している。ボールネジ27の一端は、前記容器12の壁部2aに設けられた玉軸受け27bに支持されている。また、ボールネジ27の他端は、移動手段の駆動部であるモータ28に連結されている。モータ28によりボールネジ27が回転し、移動台10が矢印XーXの方向(V溝に直角の方向)に動かされる。移動台20に突設された一対の突出部22、22にはピン穴23aが穿設され、このピン穴23aと、光ファイバ16を押さえるアーム24に設けられた穴24aとは共にピン23が挿通し、突き合わせ機構であるアーム24が回動自在に移動台20に取り付けられている。
【0008】
一方回動アーム24のV溝側先端は移動側光ファイバ16の先端部を押し下げるため、ゴム製の先端部とされ、また、回動アーム14のV溝と反対の後端部には、小型のネジ25とそのネジ25を回転させるモータ26が設けられ、モータ26の回転によりネジ25が回転し、アーム24の後端部が上方に押上げられ、アームの先端部が下降し、移動側光ファイバ16の先端が、アーム24の先端部により押下げられることにより、移動側光ファイバ16は、V溝14上の固定側光ファイバ15と突き合わせ接続される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の装置においては、接続すべき固定側光ファイバの位置に移動側光ファイバを移動し、移動側光ファイバを同じV溝上で押し付けることによって、光ファイバ同士が接続される。この方法によれば、極めて迅速に接続が可能であると共に、接続部が屈折率整合剤に浸潜されているため、平均的には良好な接続特性を得ることが可能であった。しかし、接続部は屈折率整合剤に浸潜した状態での接続に係わらず、長期間光スイッチングを続けると接続損失が増加し、接続特性にばらつきが生ずるなど、装置の信頼性に欠ける問題があった。
【0010】
それらは、屈折率整合剤であるシリコンオイル13の汚染に起因する場合が多くある。
すなわち、移動台20とボールネジ27との摺動や、ピン23の回動、モータ26、28の駆動等によって、これらを構成する部材が磨耗して生じる微細な金属粉がシリコンオイル13中に混入して汚染する。そして、シリコンオイル13中に混入した金属粉が光ファイバ15、16同士の突き合わせ端面部に混入して、接続した光ファイバ15、16間で接続損失が増大することが判明した。
【0011】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたもので、固定側光ファイバに移動側光ファイバが精密に位置合わせされて接続され、屈折率整合剤であるシリコンオイルが長期間に亘って汚染されることがなく、従って、接続された両光ファイバの接続損失が少なく、長期間に亘って安定な接続特性が維持され、かつ高速スイッチングが可能な1×N光スイッチ装置を提供することを目的とした。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため以下の構成を採用した。すなわち、本発明の光スイッチ装置は、前記複数の固定側光ファイバと前記移動側光ファイバの接続部を浸潜する屈折率整合液を満たした容器内に、前記複数の固定側光ファイバを前記移動側光ファイバと突き合わせ可能に並行配列させて支持する光ファイバ支持台と、前記移動側光ファイバの先端を支持し、移動手段によって移動されることにより、前記光ファイバ支持台上の固定側光ファイバと突き合わせ接続可能な待機位置に移動する移動台と、前記待機位置にある移動側光ファイバを移動して、前記固定側光ファイバと突き合わせ接続させる突き合わせ機構とを備え、前記突き合わせ機構は、前記移動台に対してピンを支点として上下に回動可能に連結されたアームと、該アームの前記光ファイバ支持台側の先端とは反対側の後端部に設けられた円筒ロールと接触され、モータによって回転駆動されて前記アームの後端を押し上げることで、前記アームの先端を押下げる円筒状カムとを具備し、前記円筒状カムの回転駆動によって押下げされた前記アームの先端が、該アームの下部に支持されている前記移動側光ファイバを押下げて、前記移動側光ファイバの先端を前記光ファイバ支持台のV溝に入れ、前記V溝内にて固定側光ファイバと接続するようになっており、前記移動台と前記アームとの間には、前記突き合わせ機構によって先端側が押し下げられた前記アームを水平に戻すためのスプリングが設けられ、前記移動台に磁石を搭載して、屈折率整合液内に混入した磁性材料粉体を磁気吸着するようにしたことを特徴としている。
また、請求項2記載のように、前記磁石が前記容器の内壁にも取り付けられている構成も採用可能である。
また、請求項3記載のように、前記磁石は、前記移動台の前記移動側光ファイバを介して両側の側部に取り付けられている構成も採用可能である。
また、請求項4記載のように、前記移動手段が、モータによって回転されるボールネジであり、前記移動台が、該移動台に穿設されたネジ穴によって、前記ボールネジと螺合されている構成も採用可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の光スイッチ装置の実施の形態を、図1から図3を参照して説明する。図中、符号Aは本実施の形態である光スイッチ装置である。本発明の実施の形態である光スイッチ装置Aは、図1から図3に示すように、支持台14上に形成されたV溝に並行配列されている固定側光ファイバ15に、移動側光ファイバ16を、切換えながら接続する装置であって、固定側光ファイバ15を並行配列し固定した支持台14と、移動側光ファイバ16を支持し、同光ファイバを接続すべき所定の固定側光ファイバ15の位置に移動させる移動台31とを有し、さらに、同移動台31を移動させるための移動手段であるボールネジ38と、接続用ファイバ16を押下げるアーム35と、このアーム35を上下に回動させるアーム回動手段40とからなる突き合わせ機構を具備する。前記アーム回動手段40は、アーム35の先端を上下に回動させるため、アーム35に係合した円筒状カムとこの円筒状カムを回動するモータからなっている。
【0014】
図1は、本発明の光スイッチ装置Aを示す。図中、符号31は、移動側光ファイバの移動台、35はアームである。移動台31は、その下部にネジ穴38aが穿設され、そのネジ穴38aには同移動台を移動させるための移動手段である鉄製のボールネジ38が回転可能に螺合している。このボールネジ38の一端は、容器12の側壁12aに設けられた転がり軸受け39内に回転自在に担持されている。またこのボールネジ38の他端は、容器12の側壁12aに対向する側壁をシール41aを介して挿通し、容器12の外側に設置されたボールネジ駆動部としてのモータ41に結合している。また、前記移動台31は、ボールネジ38とV溝14との中間の容器12の底部に敷設されたリニアガイドレール45と係合し、リニアガイドレール45上を水平に移動する鉄製の部材である。移動台31の両側部には、永久磁石55(磁石)が取り付けられている。なお、永久磁石55の取付位置は、移動台31の両側部に限られたものではない。また、永久磁石55は、容器12の内壁の数カ所に取り付けてもよい。
【0015】
また、移動台31上には、移動台上に設置されたMTコネクタ(図示していない)を経由した2本の移動側光ファイバ16が載置されている。そして、移動側光ファイバ16の一端は、V溝上の固定側光ファイバ15の端面の直上に、この固定側光ファイバの端面と接続可能に位置合わせされて保持されている。また、移動側光ファイバの他端は、移動台31から延出して、V溝と対向する容器壁12aを貫通して容器12外に引き出される。
【0016】
図2に移動台31とアーム35の構成を示している。移動台31には、移動台31の中央上面に突出する一対の突出壁32、32が設けられ、これら突出壁32、32には貫通穴32a、32aが穿設されている。一方、前記移動側光ファイバ16を押下げ、固定側光ファイバと接続させる、突き合わせ機構の一部をなすアーム35は、その中央部下面に厚肉部35aが形成され、この厚肉部35aにはピン穴35bが穿設されている。そして、前記移動台のピン穴32a、32aにアーム35のピン穴35bを位置合わせし、ピン33を挿通すると、アーム35は、ピン33を支点として上下に回動可能に移動台31に連結される。
【0017】
アーム35のV溝側先端は、移動側光ファイバ16を押下げるため、ゴム製の先端部36が設けられ、アーム35のV溝と反対側の後端部には、円柱状カム43と係合するための係合端部37が形成されている。また、移動台31に2個のスプリング穴34a、34aが、アーム35にも前記移動台の2個のスプリング穴34a、34aに対向する位置に、2個のスプリング穴35b、35bが設けられ、このスプリング穴中に2個のスプリング34、34が挿入され、カム43が回動し、アーム35の後端を押上げる位置(アーム35先端は押下げられる)から水平位置に戻った場合、押し下げられたアーム35先端を水平位置に戻す役割を果たす。
【0018】
次に、図4に従って、円柱状カム43の回動によるアーム35の上下移動に付いて述べる。前述のように、アーム35のV溝側先端が押下げられることによって、移動側光ファイバを固定側光ファイバに突き合わせ接続する。またアーム35が水平位置に戻されることによって突き合わせ接続は解除される。この動作は、アーム35のV溝に対して反対側の後端部に係合された円柱状カム43の回動によって行われる。前記アーム35の後端部には、回転可能な円筒ロール37(直径8mm)が取り付けられ、この回転ロールが円柱状カムと互いに接触し係合している。
【0019】
円柱状カム43は直径8mmの円柱であり、回転軸43aは円柱の中心に対して、図4,eに相当する1.5mm偏心して取り付けられている。今、回転軸が、図4に実線で示すように、円柱カムの中心軸上方に位置する場合、アーム35は水平となる。一方、円柱状カムの駆動部により回転軸43aが回転すると、カムは回動し、図4に2点鎖線で示すように円柱状カムがアーム35の後端部の回転ロール37を押上げる。このためアーム35の先端部は、下方に回動し、移動側光ファイバ16を押下げる。アーム35の支点であるピン33の位置は、アーム35のほぼ中心に位置するので、アーム35後端部が押上げられた量だけ、アーム35の先端部が押下げられることになる。なお、図4において、アーム35およびアーム35後端の回転ロールがカム43によって押上げられた状態が示されている。
【0020】
円柱状カム43の両端に偏心して取り付けられた回転軸の一端は、容器壁12aに取り付けられた転がり軸受け46に支持され、中心軸の他端は前記転がり軸受けを取り付けた容器壁12aに対向する容器壁12aに取り付けられたシール44aを介して、カム駆動部としてのモータ44に連結されている。すなわち、カム回動用のモータ44もボールネジ用モータ41と同様に、容器12外に設置されている。
【0021】
図3(a)は、本発明の光スイッチ装置の平面図であり、図3(b)は、本装置の側面図である。
図3(a)において、V溝14a、14bの中間位置のV溝は省略されているが、実際にはこの省略部分を含み全面に固定側光ファイバを載置したV溝が配置されている。並行に配列固定されている固定側光ファイバは通常800本である。また、図3(a)に示されるように、ボールネジ38の回転用モータ41、カムシャフト回転用モータ44は共に、シリコンオイル13を含む容器12の外部に、シール部41a、44aを介して、それぞれ設置されている。また、これらモータ41、44のさらに外部にはモータ駆動用配線盤を含む筐体部51、54が設けられている。
また、図3(b)のように、容器12は蓋体50が冠着されて、内部を塵埃から防護している。
【0022】
なお、上記実施例において、移動台上に載置される移動側光ファイバ16は一本の光ファイバであるとしたが、V溝上に載置されている複数の光ファイバと同一の間隔で移動台上に載置することにより、移動側光ファイバを複数とすることも可能である。
【0023】
上述の光スイッチ装置Aを用いて、光スイッチングを行う手順を説明する。
通常、800本の固定側光ファイバ15が支持台14のV溝に並行に配列固定される。固定側光ファイバ15は、通常光スイッチ装置Aの近傍のコネクタ棚(図示されていない)内に収納されているコネクタから導出されてV溝上に配列固定される。そして、移動側光ファイバ16を、移動台21上に載置する。移動側光ファイバ16を載置した状態で、移動台31は、V溝の中心位置におかれ、エンコーダ等により精密に位置が調整される。
【0024】
上述のゼロ点調整に相当する位置合わせが完了した時点で、移動台31の自動制御系を稼働させる。例えば、0点から右側10本目の光ファイバに接続する信号を自動制御系が受信したとすると、制御系の信号により、ボールネジ回転用モータ41が作動され、ボールネジ38が回転し、移動台31が右側10本目の位置に移動する。
【0025】
その位置が確認された後、円柱状カムの回動用モータ44が始動し、アーム35の後端が押上げられ、アーム35の先端部は押下げられる。このため、アームの下部に支持されている移動側光ファイバ16が前記アーム35によって押下げられる。
【0026】
そして、まずV溝14に光ファイバが斜めに接触し、次いで更に押し下げると光ファイバ16は、アーム35先端を境にして、折り曲げられ、先端部は水平にV溝内に入り、かつ移動側光ファイバ16先端が対向する固定側光ファイバに突き合わされる方向に摺動し、目的の固定側光ファイバ15と移動側光ファイバ16が、同一のV溝内で突き合わされ接続される。この時、突き合わされた光ファイバは共にシリコンオイル13内に浸されており、屈折率が整合されている。
【0027】
上記接続による通信が終了した時点で、新たな接続信号によって自動制御系が働き、円筒状カム43がモータ44により回動しスプリング33も作用して、アーム35が水平の位置に戻り、移動側光ファイバ16は接続点から離れ、接続が解消される。
【0028】
上述のように、固定側光ファイバ15と移動側単心ファイバ16の接続は、固定側光ファイバ15の先端の直上に移動された移動側ファイバ16の先端を押下げ、その後V溝上で接続光ファイバの先端を端子用光ファイバの先端に押しつけて行われる。従って、本装置によって、ばらつきの少ない安定で良好な接続特性が得られる。また、接続部は屈折率整合剤であるシリコンオイル13の中で行われるので、例えば光ファイバの接続面の傾斜などの影響により、突き合わせが必ずしも十分でなかったとしても、屈折率整合剤が接続面を充填し、接続損失の少ない接続を行うことが出来る。
【0029】
上記の光スイッチ装置によれば、移動台に載置された移動側光ファイバが所定の固定側光ファイバの位置に移動し、アーム35によって押下げられることによって固定側光ファイバと突き合わせ接続されるため、接続に要する時間が極めて短く、早い応答速度を実現することができる。
【0030】
さらに、本装置は、ほぼ密閉された容器12中に配置され、屈折率整合剤であるシリコンオイル13を汚染する2つのモータ41、44を容器12外に設置したことにより、シリコンオイル13の汚染の可能性が少なくなった。このため、接続切換を繰り返しても、良好な接続特性を長期間安定に維持することができ、信頼性の高い光スイッチ装置とすることが出来た。
【0031】
また、本装置は、容器12内に収納した機構の駆動時に生じる鉄粉(磁性材料粉体)56を永久磁石55が磁気吸着し、しかも永久磁石55が容器12内を移動するので、容器12内の広いエリアにわたって鉄粉を吸着し、これら鉄粉56がシリコンオイル13中に拡散混入することを防止することができ、光スイッチの信頼性を一層向上することができる。
【0032】
すなわち、本装置では、シリコンオイル13の最大の汚染源であるモータ41、44を容器外に出したので、容器12に収納した他の機構から発生する駆動時の磨耗等による鉄粉56を永久磁石55が磁気吸着してシリコンオイル13への混入を防止することにより、シリコンオイル13を高い清浄度で維持することができる。前記鉄粉56の発生源としては、移動台31とボールネジ38との間やアーム35とピン33との間、円筒状カム43と円筒ロール37との間、移動台31とリニアガイドレール45との間での双方の部材の摺動による磨耗であり、いずれも移動台31の近傍に存在する。そして、これら各磨耗箇所で発生する鉄粉56を移動台31に搭載した永久磁石55が磁気吸着するので、発生した鉄粉56をシリコンオイル13中に拡散させることなく、効率良く吸着することができる。
【0033】
さらに、移動台31が容器12内で移動することによって、シリコンオイル13中の鉄粉56の磁気吸着を容器12内の隅々まで万遍なく行うことができ、シリコンオイル13全体を常時、清浄に維持することができる。
【0034】
なお、本発明の光スイッチ装置の容器12内に収納される各機構を構成する部材は、すべて鉄等の磁性材料で形成することが好ましい。
本発明の光スイッチ装置は、モータ41、44を容器12内に収納した構造の光スイッチ装置にも適用することができる。
移動台31に搭載する磁石としては、永久磁石以外、電磁石であってもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光スイッチ装置によれば、容器内に収納した機器の駆動時の部材の磨耗等によって生じる磁性材料粉体を磁石が磁気吸着するので、屈折率整合剤が汚染されることが無く、光ファイバ同士の良好な接続特性を長期間安定に維持することができ、信頼性が向上する。また、磁石を移動台に搭載したことにより、移動台の容器内での移動に伴って容器内の磁性材料粉体を効率良く磁気吸着することができ、屈折率整合剤を常時、高い清浄度で維持することができるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光スイッチ装置の概略の構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明の光スイッチ装置の主要な構成部分である移動台およびアーム部の構成を示す分解図である。
【図3】 本発明の光スイッチ装置の詳細な構成を示す詳細図である。
【図4】 本発明の光スイッチ装置のアームの上下移動のためのカムの動作を示す説明図である。
【図5】 従来の機械式光スイッチ装置の試験品の構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
A…光スイッチ装置、12…装置収納容器、13…屈折率整合剤(シリコンオイル)、14…支持台、15…固定側光ファイバ、16…移動側光ファイバ、31…移動台、35…突き合わせ機構(アーム)、55…磁石(永久磁石)、56…磁性材料粉体(鉄粉)。
Claims (4)
- 端子をなす複数の固定側光ファイバ(15)の先端に、移動側光ファイバ(16)の先端を突き合わせ接続する光スイッチ装置であって、
前記複数の固定側光ファイバと前記移動側光ファイバの接続部を浸潜する屈折率整合液(13)を満たした容器(12)内に、前記複数の固定側光ファイバを前記移動側光ファイバと突き合わせ可能に並行配列させて支持する光ファイバ支持台(14)と、前記移動側光ファイバの先端を支持し、移動手段によって移動されることにより、前記光ファイバ支持台上の固定側光ファイバと突き合わせ接続可能な待機位置に移動する移動台(31)と、前記待機位置にある移動側光ファイバを移動して、前記固定側光ファイバと突き合わせ接続させる突き合わせ機構(35)とを備え、
前記突き合わせ機構は、前記移動台に対してピン(33)を支点として上下に回動可能に連結されたアーム(35)と、該アームの前記光ファイバ支持台側の先端とは反対側の後端部に設けられた円筒ロール(37)と接触され、モータ(44)によって回転駆動されて前記アームの後端を押し上げることで、前記アームの先端を押下げる円筒状カム(43)とを具備し、前記円筒状カムの回転駆動によって押下げされた前記アームの先端が、該アームの下部に支持されている前記移動側光ファイバを押下げて、前記移動側光ファイバの先端を前記光ファイバ支持台のV溝(14a、14b)に入れ、前記V溝内にて固定側光ファイバと接続するようになっており、
前記移動台と前記アームとの間には、前記突き合わせ機構によって先端側が押し下げられた前記アームを水平に戻すためのスプリング(34)が設けられ、
前記移動台に磁石(55)を搭載して、屈折率整合液内に混入した磁性材料粉体(56)を磁気吸着するようにしたことを特徴とする光スイッチ装置(A)。 - 前記磁石が前記容器の内壁にも取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
- 前記磁石は、前記移動台の前記移動側光ファイバを介して両側の側部に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の光スイッチ装置。
- 前記移動手段が、モータ(41)によって回転されるボールネジ(28)であり、
前記移動台が、該移動台に穿設されたネジ穴(38a)によって、前記ボールネジと螺合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光スイッチ装置。
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